JP2005152702A - マイクロミキサー - Google Patents

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Abstract

【課題】マイクロミキサー、殊に共役ジエン単量体(ブタジエン、イソプレン等)から共役ジエン重合体を得るための重合において、極低温を維持するための冷却設備を必要とすることなく、室温程度でリビング重合することができ、しかも狭い分子量分布を有するリビング共役ジエン重合体の製造を可能とするリビング重合触媒調製用マイクロミキサーを提供する。
【解決手段】本体1、スペーサー2、蓋体3の3つの構成部分からなり、該本体および蓋体は少なくとも2種類の反応試剤導入口4,5と少なくとも1つの反応生成物の取り出し口6を有すると共に該本体には多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されている微細反応流路7が設けられ、かつスペーサーには反応試剤が通過することのできるスリット8が備えられているマイクロミキサー。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規なマイクロミキサーに関し、更に詳しくは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が小さな共役ジエン重合体を与える重合用触媒調製用マイクロミキサーおよび該マイクロミキサーにより調製された重合触媒を用いた前記特性を有する共役ジエン重合体の製造方法に関する。
近年、高分子材料の高機能化を目指して合成高分子の一次構造(立体構造、分子量・分子量分布)をより精密に制御するための合成技術に関する基礎研究が活発化しつつある。 高分子材料の物性は一次構造に左右され、特に高分子の立体構造が物性に与える影響は極めて大きい。例えば、天然ゴムの主構成成分であるポリイソプレンは、その立体構造がほぼ100%にシス構造制御されている。この制御された立体構造により高い機能(強度など)を有する。一方、合成ゴムの代表である高シスポリブタジエンは遷移金属を用いるチーグラー触媒により合成され、そのシス構造制御は98%程度である。このわずかな差が物性に影響し過酷な使用条件下においては天然ゴムの使用が優位である。
先に、本発明者らは、シクロペンタジエニル環を一つ有するメタロセン系錯体によるブタジエン、イソプレンの重合反応が高立体特異的かつリビング的に進行し高シス単分散ポリブタジエンを効率よく与えることを明らかにした。(非特許文献1)
この方法により得られるポリブタジエンは高いシス構造選択性(98%)とリビング重合性(分子量分布1.2)を有し、シクロペンタジエニル環上に導入された置換基によりポリマー中のシス構造含有率を任意に制御することが可能である。
しかし、この方法はラボスケールでの少量を扱う条件下(ガラスフラスコ等によるバッチ条件)では再現性良く目的物を与えるのに対し、大量合成条件下(オートクレーブ等のバッチ式スケールアップ条件)では、目的とするポリマーは得られるものの重合反応の熱暴走等により、その一次構造には乱れが生じシス構造含有率の低下や分子量分布の広がりが見られ、ラボレベルで得られる高品位のポリマーを大量に合成することは極めて困難であった。
また、周期律表第IV族遷移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒を用いると、触媒調製時所定のエージングを行うことにより重合活性の向上と、―25℃の低温での重合において分子量の制御が可能なリビング重合が可能であることが開示されている。(非特許文献2〜3
だが、この方法は、極低温を必要とし、大量の試料を得るための重合においては、冷却温度の制御・管理が困難であり、また分子量制御に乱れが生じMw/Mnの値が広がる傾向があり実用的な方法ではなかった。
したがって、以上のような問題を解決するためには従来のバッチ法による合成法とは全く異なる手法による大量合成法が強く要請されていた。
一方、ミクロンオーダーの微小空間内での特異な化学反応挙動を利用するマイクロ化学デバイス類(リアクター、ミキサー、熱交換器等)は、従来のフラスコ等と比べ精密温度制御、高速混合等の利点を有することで最近注目されている。(非特許文献4、特許文献1)。 このマイクロデバイスはそれ自体の処理能力には制限があるものの、高い再現性によりマイクロデバイスを多数並列化することによるナンバリングアップ手法により大量合成を可能とすることが期待されている。
しかし、前述のメタロセン類を触媒とする共役ジエン系モノマーの重合におけるスケールアップ時の問題や室温程度でリビング重合を達成し狭い分子量分布を有するリビングポリ共役ジエンの製造を可能とするリビング重合触媒の調製に好適に使用されるマイクロミキサー類が未だ開発されていないのが現状である。
国際公開第98/33582号パンフレット 第48回高分子学会年次大会予稿集、平成11年5月28日、213頁、IIPa007。 )J.Polym. Sci. Polym. Chem.、1999年、37巻、695〜697頁 Macromolecules、2000年、33巻、2796〜2800頁 Topics in Current Chemistry、1998年、194巻、233頁
本発明の第1の目的は、マイクロミキサー、殊に共役ジエン単量体(ブタジエン、イソプレン等)から共役ジエン重合体を得るための重合において、極低温を維持するための冷却設備を必要とすることなく、室温程度でリビング重合することができ、しかも狭い分子量分布を有するリビング共役ジエン重合体の製造を可能とするリビング重合触媒調製用マイクロミキサーを提供することにあり、第2の目的は、温度制御が極めて簡便な室温程度の重合温度でも、分子量分布が極めて狭いリビングポリマーを効率よく製造し得る方法を提供することにある。
本発明者らは、前記問題点を克服するため鋭意研究を行った結果、微細反応流路が多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されているマイクロミキサーが上記課題に対して有効であり、更にはこのマイクロミキサーを用いて調製された触媒の存在下、例えば(A)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(B)アルミノキサン、または該遷移金属(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とを該マイクロミキサー中で反応させることによって生成する触媒の存在下で、共役ジエン単量体を重合させると、温度制御が極めて簡便な室温程度の重合温度でもリビングポリマーが効率よく製造できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)少なくとも2種類の反応試剤を微細反応流路中において反応させるためのマイクロミキサーであって、該微細反応流路は多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されていることを特徴とするマイクロミキサー。
(2)本体、スペーサー、蓋体の3つの構成部分からなり、該本体および蓋体は少なくとも2種類の反応試剤導入口と少なくとも1つの反応生成物の取り出し口を有すると共に該本体には多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されている微細反応流路が設けられ、かつスペーサーには反応試剤が通過することのできるスリットが備えられていることを特徴とする上記(1)に記載のマイクロミキサー。
(3)反応試剤が、(a)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(b)アルミノキサン、または該遷移金属化合物(a)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の共役ジエン重合触媒調製用マイクロミキサー。
(4)(a)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(b)アルミノキサン、または該遷移金属化合物(a)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とを、上記(1)乃至(3)何れかに記載のマイクロミキサーを用いて反応させることにより生成する触媒の存在下に、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体及びそれと共重合可能な単量体を重合させることを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法。
(5)重合温度が室温以上であることを特徴とする上記(4)に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
本発明に係るマイクロミキサーは、共役ジエン単量体(ブタジエン、イソプレン等)からその共役ジエン重合体を得るための重合において、冷却のための温度制御を必要とすることなく、温度コントロールの容易な室温付近以上(20℃以上)でリビング重合することができ、しかも狭い分子量分布を有するリビングポリ共役ジエンの製造を可能とするリビング重合触媒を簡便に調製することが可能である。
また本発明の共役ジエン重合体の製造方法は、触媒として、該マイクロミキサー使用することにより得られる特有な共役ジエン重合用触媒を使用したことから、冷却のための温度制御を必要とすることなく、室温付近でリビング重合することができ、しかも狭い分子量分布を有するリビングポリ共役ジエン共重合体を得ることができる。
本発明のマイクロミキサーは、少なくとも2種類の反応試剤を微細反応流路中において反応させるためのマイクロミキサーであって、該微細反応流路は多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されていることを特徴としている。
本発明の代表的なマイクロミキサーは、図1に示されるように、通常、本体1、スペーサー2、蓋体3の3つのユニットからなり、該本体1および蓋体3にはそれぞれ少なくとも2種類の反応試剤導入口(4、5)を有し、本体1には少なくとも1つの反応生成物の取り出し口6を有すると共に該本体には多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されている微細反応流路7が設けられ、かつスペーサー2には反応試剤が通過することのできるスリット8が備えられている。
ここで、「交互交替的」とは、反応試剤が通過するための流路が互い違いに設置され、隣接流路同士が合流、分離を繰り返すことを意味する。
交互交替的微細反応流路7の形態としては、たとえば、図2のような形態のものが図示される。
図2の形態ものは、本体1の導入口から送液された反応試剤が、蓋体3の導入口から送液されスペーサーのスリットを通過した反応試剤が接触しその後本体に交互交替的に設置された流路で多段の衝突混合を繰り返す機構となっている。
また、図1,2等における微細流路は幅1マイクロメートルから1000マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートルから500マイクロメートル、更に好ましくは50マイクロメートルから200マイクロメートルである。深さは幅1マイクロメートルから1000マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートルから500マイクロメートル、更に好ましくは50マイクロメートルから200マイクロメートルである。また、一つのマイクロミキサーに刻まれる微細流路の数は1本から100本、好ましくは5本から50本である。
本発明のマイクロミキサーは、上記構造を有することから、本体1及び蓋体3の導入口4,5からそれぞれ、反応試剤(A)成分及び(B)成分を液体送液ポンプ等を用いてマイクロミキサーに導入すると、本体1に配置された微細反応流路7中において多段階の衝突混合繰り返す。この多段階混合によって、反応試剤(A)と(B)の反応は多段階の衝突混合による反応加速効果の作用を受けるため、取り出し口6から生成する極めて活性の高い反応生成物を効率良く回収することが可能となる。
本発明のマイクロミキサーは、たとえば、遷移金属化合物と有機アルミニウムから調製されるチーグラー−ナッタ重合触媒のような種々の重合触媒を製造するための装置として使用することができ、特に反応試剤が、(a)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(b)アルミノキサン、または該遷移金属(a)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物である、共役ジエンリビング重合用触媒調製装置として好適に使用される。
本発明のマイクロミキサーを用いて共役ジエンリビング重合用触媒を調製するには、たとえば、本体1及び蓋体3の導入口4,5からそれぞれ、(a)成分及び(b)成分を液体送液ポンプを用いてマイクロミキサーに導入し、取り出し口6から排出される触媒溶液を窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下フラスコに貯留し重合用触媒とすればよい。
なお、(a)、(b)各成分を溶解、スラリー化するための炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素が挙げられる。ハロゲン化炭化水素溶媒としては、クロロホルム、メチレンクロライド、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。
(a)成分および(b)成分のマイクロミキサーへの導入温度に特別な制約はないが、―100〜100℃、好ましくは−50〜50℃である。また反応温度も制約されないが、通常−100〜100℃、好ましくは−50〜50℃である。また、反応時間は通常0.01〜1秒、好ましくは0.1〜0.5秒である。
本発明のリビング重合用触媒は、反応試剤として、(a)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(b)アルミノキサン、または該遷移金属(A)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とを上記のような特定なマイクロミキサー中で反応させることにより得られたものである。
ここで、(a)の少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物とは置換または未置換のシクロペンタジエニル配位子と周期律表第IV族遷移金属化合物からなる遷移金属錯体であり、好ましくは下記一般式Iで示される化合物である。
一般式I:
Figure 2005152702
(式中、Mは第IV族遷移金属、X1、X2、X3はハロゲン、炭素数 1から12の炭化水素基、または炭素数1から12の炭化水素オキシ基、Yは水素原子、または炭素数1から20の炭化水素基であって、それ自体シクロペンタジエニル基と環を形成していてもよい。
一般式Iで表される遷移金属化合物は、より好ましくは、ただ一個のシクロペンタジエニル基、アルキル、アリール、シクロアルキル基などの置換基を有するシクロペンタジエニル基、または複数の融合した環状置換基を配位子として持つ、いわゆるメタロセン化合物である。また、周期律表第IV族遷移金属(式中のM)は、好ましくはTi、ZrまたはHf、より好ましくはTiである。好ましいX1、X2、X3は、ハロゲンとしては フッ素原子、塩素原子、臭素原子および沃素原子、好ましくは塩素原子、炭化水素基としてはメチル、ネオペンチルなどのアルキル基、ベンジルなどのアラルキル基、炭化水素オキシ基としてはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ基、ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基などが挙げられる。炭化水素オキシ基としてはアルコキシ基が好ましい。Yには、例えば、水素原子、および、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチルなどのアルキル基、フェニルなどのアリール基、ベンジルなどのアラルキル基などのほか、トリメチルシリル基などの珪素原子を含有する炭化水素基も含まれる。シクロペンタジエニル環に結合したYは、このシクロペンタジエニル環とともに、例えばインデニル基、フルオレニル基のような多環状基を形成していてもよい。
一般式Iで表わされる周期律表第IV族遷移金属化合物(a)の具体例としては、CpTiCl3、MeCpTiCl3、i―PrCpTiCl3、t-BuCpTiCl3、MeSiCpTiCl3などが例
示される(Cpはシクロペンタジエニル基を表す)。
一般式Iで示される周期律表第IV族遷移金属化合物の調製方法は特に制限されない。例えば、i―PrCpTiCl3を調製するのであれば、Macromolecules、2000年、33巻、2796〜2800頁の記載に基づいて調製すればよい。
上記周期律表第IV族遷移金属化合物(a)と組み合わせて用いるアルミノキサンは、好ましくは下記一般式IIで表される直鎖状または環状重合体であり、有機アルミニウムオキシ化合物である。
一般式II:
(−Al(R2)O−)n
(R2は炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチルなどのアルキル基が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。R2はハロゲン原子および/またはR3O基で置換されたものであってもよい。R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチルなどのアルキル基が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)
遷移金属化合物(a)と反応してカチオン性錯体を形成できるイオン性化合物としては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのアニオン、(CH32N(C65)H+のような活性プロトンを有するアミンカチオン、(C653+のような三置換カルボニウムカチオン、カルボランカチオン、メタルカルボランカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等のイオン化合物を用いることができる。
本発明においては、さらに、水素化金属化合物、周期律表第I〜III族主元素金属の有機金属化合物、有機金属ハロゲン化合物、水素化有機金属化合物などを併用して共役ジエン単量体を重合してもよい。水素化金属化合物としては、例えば、NaH、LiH、CaH2、LiAlH4、NaBH4などが挙げられる。 主元素金属の有機金属化合物としては、例えば、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ジブチルマグネシウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。有機金属ハロゲン化合物としては、例えば、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどが挙げられる。水素化有機金属化合物としては、例えば、ジエチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
本発明で用いる共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのブタジエン類のほか、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが含まれる。なお、ブタジエン類とは、主骨格の炭素数が4である共役ジエンをいう。共役ジエンの中でも1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に1,3−ブタジエンを単独で用いることが好ましい。
また、共役ジエン単量体と共重合可能な単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、p−ブロモスチレン、2−メチル−1,4−ジクロルスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのオレフィン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの環状オレフィン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
本発明において、共役ジエン単量体、または、共役ジエン単量体およびそれと共重合可能な単量体を重合するには、上記遷移金属化合物(a)と、アルミノキサンおよび/または上記イオン性化合物(b)とを、上記のような微細反応流路を有するマイクロチャンネルミキサーにより調製した触媒を用いることが必要である。
上記重合触媒を用いて共役ジエン単量体を重合させる方法は特に制限は無く耐圧ガラスアンプル、ガラス製フラスコ、金属製オートクレーブ等を用いることができる。例えば耐圧ガラスアンプルを用いて行うのであればMacromolecules、2000年、33巻、2796〜2800頁の記載に基づいて重合すればよい。
反応温度に特に制限はないが、好ましくは0℃―100℃、更に好ましくは20℃―60℃である。
本発明により得られるブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は1,000〜1、000,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜300,000である。分子量が小さすぎると機械的強度が低いなど高分子としての物性が不十分になり、逆に、分子量が大きすぎると成形が困難になるという問題を生じる。なお、ブタジエン系重合体の分子量は、標準ポリブタジエン試料を用いて作成した検量線に基づき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC分析)により求めた。
また、本発明により得られるブタジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である分子量分布(Mw/Mn)は、1.9以下、好ましくは1.6以下である。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[トリクロロシクロペンタジエニルチタンとメチルアルミノキサンからの重合触媒の調製及びブタジエンの重合]
実施例1
[反応試剤]
反応試剤として、アルドリッチ社から購入したトリクロロシクロペンタジエニルチタンをトルエンから再結晶し充分に乾燥したものと、東ソーファインケム社から購入したメチルアルミノキサンのトルエン溶液を使用した。
[重合触媒調製装置]
触媒調製装置としては、図3に示されるような2台のシリンジポンプと1台のマイクロミキサーからなるシステムを用いた。
[触媒調製]
図3に示される2台のシリンジポンプ及び1台の本発明によるマイクロミキサーを配管で接続しシリンジポンプAから2.85x10―3mol/Lのトリクロロシクロペンタジエニルチタンのトルエン溶液、シリンジポンプBから2.85mol/Lのメチルアルミノキサンのトルエン溶液をそれぞれ1ml/minで送液しマイクロミキサーの取り出し口より流出してくる触媒溶液をアルゴンガス雰囲気下ガラスフラスコに貯留した。5mlの触媒溶液を調整後すぐにあらかじめ用意されたブタジエンの0.609mol/Lトルエン溶液(10.7mL)に注射器を用いて注入し20℃で重合を開始させた。5分間の重合時間の後、少量のメタノールを用いて重合を停止し、次いで重合溶液を大量の酸性メタノールに注ぎ込み、析出した白色固体をろ取、乾燥し、ブタジエン重合体を得た。重合体収率は32%であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により測定した分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。なお、GPC分析には、カラムとして東ソー社製G−7000とG−5000を連結したものを用い、標準ポリブタジエン試料(ポリマーラボラトリーズ社製)を用いて作成した検量線に基づいて分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
実施例2
重合時間を10分間とした以外は、実施例1と同様の操作によりポリブタジエンを得た。重合収率51%、分子量分布は1.05であった。
実施例3
重合時間を20分間とした以外は実施例1と同様の操作によりポリブタジエンを得た。重合収率76%、分子量分布は1.10であった。
更に実施例1〜3で得られたポリブタジエンの数平均分子量、分子量分布、重合収率の関係を表1および図4に示した。ポリブタジエンの数平均分子量は重合収率の増大とともに増加しその間狭い分子量分布を維持していることから、重合がリビング的に重合していることは明かである。すなわち、本発明のマイクロミキサーにより調製された重合触媒がリビング重合能を有すると言える。
比較例
ガラスフラスコ中で2.85mol/Lのメチルアルミノキサンのトルエン溶液2.5mlと2.85x10―3mol/Lのトリクロロシクロペンタジエニルチタンの2.5mlトルエン溶液を混合し5分間エージングして得られた触媒溶液を、内容積80mlの密封型耐圧ガラスアンプル中の、ブタジエンの0.609mol/Lトルエン溶液(10.7mL)に添加して20℃で重合を行った。10分間の重合時間の後少量のメタノールを用いて重合を停止し、次いで重合溶液を大量の酸性メタノールに注ぎ込み、析出した白色固体をろ取、乾燥し、ブタジエン重合体を得た。重合体収率は47%分子量分布は1.20であった。
Figure 2005152702
本発明に係る代表的なマイクロミキサーの説明図 本発明のマイクロミキサーに形成される微細反応流路の説明図 本発明のマイクロミキサーを用いた重合触媒調製装置 実施例1〜3で得られるポリブタジエンのGPC分析チャート

Claims (5)

  1. 少なくとも2種類の反応試剤を微細反応流路中において反応させるためのマイクロミキサーであって、該微細反応流路は多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されていることを特徴とするマイクロミキサー。
  2. 本体、スペーサー、蓋体の3つの構成部分からなり、該本体および蓋体は少なくとも2種類の反応試剤導入口と少なくとも1つの反応生成物の取り出し口を有すると共に該本体には多段階の衝突混合が生起するように交互交替的に形成されている微細反応流路が設けられ、かつスペーサーには反応試剤が通過することのできるスリットが備えられていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロミキサー。
  3. 反応試剤が、(a)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(b)アルミノキサン、または該遷移金属化合物(a)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物であり、反応生成物が共役ジエン重合触媒であることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロミキサー。
  4. (a)少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第IV族遷移金属化合物と、(b)アルミノキサン、または該遷移金属化合物(a)と反応してカチオン性遷移金属化合物を生成できるイオン化合物とを、請求項1乃至3何れかに記載のマイクロミキサーを用いて反応させることによって生成する触媒の存在下に、共役ジエン単量体、または共役ジエン単量体及びそれと共重合可能な単量体を重合させることを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法
  5. 重合温度が室温以上であることを特徴とする請求項4に記載の共役ジエン重合体の製造方法。


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