JP2005152331A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遊技者のレベルに応じて表示内容を解説する。
【解決手段】 遊技者がレベル設定スイッチをレベル1に設定したとき、特別図柄表示装置40に表示される主図柄や副図柄を解説した図柄解説(一重枠内の文字情報)と共にリーチや予告を解説した喚起態様解説(二重枠内の文字情報)を表示し、レベル2に設定したとき、喚起態様解説のみ表示する。したがって、例えば初心者であれば初心者向けのレベル1を選択し、経験者であれば経験者向けのレベル2を選択する、という具合に、遊技者は自分のレベルに応じた解説を見ながら遊技することができる。
【選択図】 図23

Description

本発明は、所定の始動条件が成立すると乱数を取得し、該取得した乱数に応じて表示手段の表示内容を決定したあと該表示手段における識別要素の変動を開始し変動終了後の前記識別要素の停止態様によって遊技者に有利な遊技状態へ移行するか否かを遊技者に認識させる遊技機に関する。
従来より、所定の始動条件が成立すると表示装置における図柄(識別要素)の変動を開始し変動終了後の図柄の停止態様によって遊技者に有利な遊技状態である大当たり状態へ移行するか否かを遊技者に認識させる遊技機が知られている(例えば特許文献1)。この種の遊技機では、新しい機種が出るたびに、今までにない予告やリーチなどの喚起態様を多数用意し、その喚起態様を表示装置に表示することにより遊技者の興趣を高めている。
特開2003−71030号公報
この種の遊技機の表示装置に表示される喚起態様は、遊技者が意図的に表示させることができるものではなく、乱数などに基づいてランダムに決定されるものであるため、例えば遊技者が前回表示された喚起態様をもう一度見たいと思っても、その喚起態様が次回表示されるまでに長期間を要することがあった。このため、その喚起態様が表示されたときにどの程度大当たりになりやすいか等を容易に知ることができなかった。また、今まで遊技機で遊技したことのない初心者にとってみれば、喚起態様がどんなものなのか理解していないばかりか、図柄自体についてもどんな種類があるのかわからないことがあった。このような事情から、遊技機が表示内容を解説する機能を備えていれば便利であるが、初心者を対象とする解説は経験者から見れば不要なものも含んでいることがあり、経験者を対象とする解説は初心者から見れば足りないと感じることもある。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、遊技者のレベルに応じて表示内容を解説する遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
手段1.所定の始動条件が成立すると乱数を取得し、該取得した乱数に応じて表示手段の表示内容を決定したあと該表示手段における識別要素の変動を開始し変動終了後の前記識別要素の停止態様によって遊技者に有利な遊技状態へ移行するか否かを遊技者に認識させる遊技機であって、
前記表示手段の表示内容を解説した文字情報を少なくとも二段階の解説レベルに分けて記憶する文字情報記憶手段と、
遊技者によって解説レベルが設定されるレベル設定手段と、
前記文字情報記憶手段に記憶された文字情報のうち前記レベル設定手段によって設定された解説レベルに応じた文字情報を前記表示手段の表示内容に合わせて該表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えた遊技機。
この遊技機では、文字情報記憶手段に記憶された文字情報のうち、少なくとも二段階の解説レベルの中からレベル設定手段によって設定された解説レベルに応じた文字情報を、表示手段の表示内容に併せて表示する。したがって、遊技者の意図によらず表示手段に表示される表示内容について解説してほしい場合には、例えば初心者であれば初心者向けの解説レベルを選択し、経験者であれば経験者向けの解説レベルを選択する、という具合に、遊技者は自分のレベルに応じた解説を見ながら遊技することができる。なお、「文字情報」には文字が含まれることはいうまでもないが、文字に加えて又は文字に代えて図形や記号などが含まれていてもよい。
手段2.手段1記載の遊技機であって、前記二段階の解説レベルには第1解説レベルと第2解説レベルとがあり、前記第1解説レベルは前記第2解説レベルよりも前記表示手段の表示内容を詳細に解説するレベルである、遊技機。こうすれば、例えばその遊技機をよく知らない遊技者は第1解説レベルを選択し、その遊技機をある程度知っている遊技者は第2解説レベルを選択するというように、遊技者は自分の知識に応じて解説レベルを選択することができる。
手段3.手段1記載の遊技機であって、前記二段階の解説レベルには第1解説レベルと第2解説レベルとがあり、前記第1解説レベルは前記識別要素と前記有利な状態への移行しやすさの両方を解説するレベルであり前記第2解説レベルは前記有利な状態への移行しやすさを解説するが前記識別要素を解説しないレベルである、遊技機。こうすれば、例えば今までに遊技機で遊技した経験が少ない遊技者は第1解説レベルを選択し、今までに遊技機で遊技した経験はあるが今回の遊技機はよく知らない遊技者は第2解説レベルを選択するというように、遊技者は自分の知識に応じて解説レベルを選択することができる。
手段4.手段2又は3記載の遊技機であって、前記第1解説レベルでは前記識別要素の機能を説明する、遊技機。こうすれば、特に今まで遊技機で遊技したことのない初心者であっても識別要素がどのような機能を持つものかを知ることができる。例えば図柄列が3列あって各列ごとに識別要素が並んでいる場合には各図柄列名(第1図柄列、第2図柄列、第3図柄列)が「識別要素の機能説明」に相当する。
手段5.手段2〜4のいずれか記載の遊技機であって、前記第1解説レベルでは前記識別要素の名称を表示する、遊技機。こうすれば、遊技者同士の間でこの遊技機の情報を交換する際に識別要素を名称で特定できるため便利である。例えば識別要素が動物の場合にはその動物の種別や名前、愛称が「識別要素の名称」に相当する。
手段6.手段2〜5のいずれか記載の遊技機であって、前記第1解説レベルでは前記識別要素とは異なる登場要素の名称を表示する、遊技機。こうすれば、遊技者同士の間でこの遊技機の情報を交換する際に識別要素とは異なる登場要素を名称で特定できるため便利である。特に、稀にしか表示されない登場要素について情報交換する際に有効である。例えば登場要素が人物の場合にはその人物の名前や愛称が「登場要素の名称」に相当する。
手段7.手段2〜6のいずれか記載の遊技機であって、前記文字情報記憶手段は、前記文字情報として所定の喚起態様に関する解説を記憶し、前記表示制御手段は、前記識別要素が前記停止態様に至る前に前記喚起態様を前記表示手段に表示することがあり該喚起態様を表示しているときにはレベル設定手段によってどの解説レベルが設定されているかにかかわらず前記喚起態様に関する解説を前記表示手段に表示する、遊技機。こうすれば、所定の喚起態様が表示されたときには遊技者は解説レベルにかかわらずその喚起態様がどのようなものかを把握することができる。ここで、「喚起態様」とは、直前の態様に比べて遊技者の注意を引きつけたり、その後特別な遊技状態が発生することへの期待感を喚起させたりする態様をいい、従来知られている各種リーチや各種予告を含む概念である。
手段8.手段1〜7のいずれか記載の遊技機であって、前記レベル設定手段は、前記解説レベルの設定以外に解説不要の設定が可能であり、前記表示制御手段は、前記レベル設定手段によって解説不要が設定されているときには前記文字情報を前記表示手段に表示させない、遊技機。こうすれば、遊技内容を理解したあとにはそのような文字情報は不要になるが、その場合には、遊技者は解説不要の設定をすれば文字情報を消すことができるため、文字情報により表示内容が遮られて興趣感を損なうといったこともない。なお、本明細書では、解説不要は、解説レベルの概念に含まれない別の概念である。
手段9.手段1〜7のいずれか記載の遊技機であって、前記表示制御手段は、複数の表示レイヤの各々に設定された画像データを合成して得られる合成画像データを前記表示手段に表示する手段であり、前記解説レベルに応じた文字情報が前記表示手段に表示されるように該文字情報の画像データが設定された表示レイヤを複数の表示レイヤの前面側に配置して前記合成画像データを作成する、遊技機。 こうすれば、表示レイヤの配置を入れ替えることにより解説レベルに応じた文字情報を表示することができる。
手段10.手段9記載の遊技機であって、前記文字情報記憶手段は、各解説レベルに共通な文字情報と各解説レベルの文字情報のうち前記共通な文字情報以外の補完用の文字情報とを記憶し、前記表示制御手段は、前記レベル設定手段により設定された解説レベルに応じた文字情報を前記表示手段に表示するに際し、前記共通な文字情報の画像データが設定された表示レイヤと前記補完用の文字情報の画像データが設定された表示レイヤを利用する、遊技機。こうすれば、各解説レベルで共通な文字情報を使い回すことができる。
手段11.手段10記載の遊技機であって、前記識別要素を記憶する識別要素記憶手段と、該識別要素の背景を記憶する背景記憶手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記レベル設定手段により設定された解説レベルに応じた文字情報を前記表示手段に表示するに際し、前記識別要素記憶手段、前記背景記憶手段及び前記文字情報記憶手段から前記識別要素、前記背景及び各文字情報をそれぞれ読み出してそれぞれ異なる表示レイヤに画像データとして設定し、前面側から順に、前記解説レベルの解説に必要な補完用の文字情報の画像データが設定された表示レイヤ、前記共通な文字情報の画像データが設定された表示レイヤ、前記識別要素の画像データが設定された表示レイヤ、前記背景の画像データが設定された表示レイヤ、前記解説レベルの解説に不要な前記補完用の文字情報の画像データが設定された表示レイヤを配置したあとこれらの合成画像データを作成して前記表示手段に表示する、遊技機。一般に背景の画像データが設定された表示レイヤは全画素を埋め尽くしているため、この表示レイヤに対して文字情報の画像データが設定された表示レイヤを前面側に配置するとその文字情報が表示され背面側に配置するとその文字情報が表示されない。したがって、共通な文字情報や補完用の文字情報を解説レベルに応じて適宜背景の前面側・背面側に設定することにより、解説レベルに応じた文字情報を表示することができる。このとき、解説レベルによっては、補完用の文字情報の画像データが設定された表示レイヤを一つも背景画像データの前面側に配置せずすべて背景画像データの背面側に配置したり、補完用の文字情報の画像データが設定された表示レイヤを一つも背景画像データの背面側に配置せずすべて背景画像データの前面側に配置したりすることがある。なお、識別要素記憶手段、背景記憶手段及び文字情報記憶手段は、異なるメモリであってもよいし同じメモリ内の異なる領域であってもよい。また、合成画像データを作成する際、識別要素の画像データが設定された表示レイヤの前後には、他の要素の画像データ(例えば周知のリーチ予告や大当たり予告の画像データなど)が設定された表示レイヤが配置されていてもよい。
手段12.手段11記載の遊技機であって、前記レベル設定手段は、前記解説レベルの設定以外に解説不要の設定が可能であり、前記表示制御手段は、前記レベル設定手段によって解説不要が設定されているときには前記文字情報の画像データが設定されたすべての表示レイヤを背景画像データが設定された表示レイヤの背面側に配置して前記合成画像データを作成する、遊技機。こうすれば、文字情報の画像データが設定されたすべての表示レイヤの配置を変更するだけで解説の表示を消去することができる。また、解説不要に設定したあと再度解説が必要になったときでも、表示レイヤの配置を変更するだけで再び解説を表示することができる。
手段13.手段11記載の遊技機であって、前記レベル設定手段は、前記解説レベルの設定以外に解説不要の設定が可能であり、前記表示制御手段は、前記レベル設定手段によって解説不要が設定されているときには前記文字情報の画像データが設定された表示レイヤを用いずに前記合成画像データを作成する、遊技機。こうすれば、表示内容を解説する文字情報を表示しないときには、その文字情報の画像データを作成する必要がないため負荷が軽くなる。
手段14.手段1〜13のいずれか記載の遊技機であって、前記レベル設定手段は、遊技者によって押下操作が行われるごとに順次解説レベルを切り替える手段である、遊技機。こうすれば、遊技者は簡単に解説レベルの設定を切り替えることができる。例えば、解説レベルがレベル1、2の二つの場合には押下操作が行われるごとにレベル1→レベル2→レベル1→レベル2→…というように切り替わってもよい。なお、レベル設定手段によって解説不要の設定が可能な場合には、レベル1→レベル2→解説不要→レベル1→…というように切り替わってもよい。
手段15.手段1〜13のいずれか記載の遊技機であって、前記レベル設定手段は、遊技者によって位置決めされた位置に対応する解説レベルに設定する手段である、遊技機。こうしても、遊技者は簡単に解説レベルの設定を切り替えることができる。
手段16.手段1〜15のいずれか記載の遊技機であって、前記表示制御手段は、前記文字情報記憶手段から前記解説レベルに応じた文字情報を前記識別要素と同期して読み出す、遊技機。こうすれば、識別要素と文字情報とがずれることなく表示される。
手段17.前記遊技機はパチンコ機である、手段1〜16のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、パチンコ機において、手段1〜16の作用効果が得られる。ここで、パチンコ機は、遊技者の意図によらず表示手段に識別要素の変動を開始するものであれば、どのような機種であってもよい。
手段18.前記遊技機はスロットマシンである、手段1〜16のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、スロットマシンにおいて、手段1〜16の作用効果が得られる。ここで、スロットマシンには、例えばAタイプ(ビッグボーナスゲームが小役ゲーム30回とJACゲーム3回のセットで構成されるタイプ)、Bタイプ(ビッグボーナスゲームが小役ゲーム30回とJACゲーム2回のセットで構成されるタイプ)、Cタイプ(シングルボーナスが頻繁に揃うタイプ)、AタイプとCタイプの複合機、BタイプとCタイプの複合機などがあるが、いずれのスロットマシンであってもよいし、これらのタイプ以外のスロットマシンであっても手段1〜16のいずれかに記載の遊技機の構成を備えたものであればよい。
手段19.前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる融合機である、手段1〜16のいずれかの遊技機。こうすれば、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる融合機において、手段1〜16の作用効果が得られる。ここで、融合機としては、例えば遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシンなどが挙げられる。
次に、本発明を実施するための最良の実施形態を説明する。図1は本実施形態のパチンコ機20を正面から見た外観図であり、図2はパチンコ機20の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3は本実施形態のパチンコ機20の電気的接続を例示するブロック図である。本実施形態のパチンコ機20は、図1に示すように、前面枠22にはめ込まれたポリカーボネート製の透明板に覆われた遊技盤30と、遊技球を貯留する上受け皿24および下受け皿26と、特別図柄表示装置40に表示される内容を解説する文字情報の解説レベルを設定したり解説不要を設定したりするレベル設定ボタン27と、遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル28と、パチンコ機20全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備える。
遊技盤30は、図2に示すように、遊技盤30の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤30の左右部に各々配置され遊技球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a、36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a、34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、特別図柄表示装置40の下側に配置され遊技球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、始動口42に取り付けられ開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、始動口42の下側に配置され開閉可能な大入賞口50と、遊技盤30の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するアウト口69とを備える。
普通図柄表示装置32は、背後に設けられた図示しないランプの点灯を切り換えることにより変動表示する「○」および「×」の図柄32a、32bと、この「○」および「×」の図柄32a、32bの上側に配置された4個の普通図柄変動保留ランプ33a〜33dとを備える。「○」および「×」の図柄32a、32bは、遊技球が普通図柄表示装置作動ゲート34a、34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a、32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。普通図柄変動保留ランプ33a〜33dは、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a、32bの変動表示の最中に遊技球が普通図柄表示装置作動ゲート34a、34bを通過するごとに左側から順に一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a、32bの変動表示が開始される毎に点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a、34bを通過した回数を最大4回まで保留球数として示す。
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当たりとしてチューリップを所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、図4に示すように、上段U、中段M、下段Lの3段の図柄列で構成され、各段ごとに左図柄、中図柄、右図柄の3個の図柄(識別要素)を表示し、右から左へ水平方向に変動表示を行う。表示用制御装置90は、遊技球が始動口42に入賞するのを検知したときに上段U、中段M、下段Lのそれぞれに一連の図柄を変動表示させる。一連の図柄は、キャラクタとしての犬と数字とを組み合わせた主図柄と、ハートからなる副図柄とにより構成され、周期性を持って主図柄と副図柄が右から左へと変動表示される。この一連の図柄の表示順序は、中段M及び下段Lにおいては、犬種「ボストン・テリア」に数字「1」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「ビーグル」に数字「2」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「ポメラニアン」に数字「3」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「パグ」に数字「4」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「キャバリア」に数字「5」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「ウェルシュ・コーギー」に数字「6」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「ヨークシャ・テリア」に数字「7」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「シー・ズー」に数字「8」を付した主図柄、ハートからなる副図柄、犬種「パピヨン」に数字「9」を付した主図柄、ハートからなる副図柄の順つまり昇順であり、この後再び犬種「ボストン・テリア」に数字「1」を付した主図柄に戻る。一方、上段Uにおいては、同様の一連の図柄が表示されるが、表示順序は昇順ではなく降順である。そして、上段U、下段L、中段Mの順に変動表示を停止させ、縦左列L1、縦中央列L2、縦右列L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで主図柄が揃ったときに大当たりとして特別遊技動画を表示させる。
遊技盤30には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による上段U、中段M、下段Lの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に遊技球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による上段U、中段M、下段Lの変動表示が開始される毎に点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
大入賞口50は、通常は開閉板により遊技球を受け入れない閉状態とされており、遊技球の入賞をカウントするテンカウントスイッチ54(図3参照)や大入賞口50の中央部に設けられたVゾーン56に遊技球が入賞したのを検出するVカウントスイッチ58(図3参照)を備えている。この大入賞口50は、大当たり中、図3に示す大入賞口駆動装置52によって開閉板が作動されて遊技球を受け入れやすい開状態と通常の閉状態とが繰り返される。具体的には、次のように定められたラウンドが最大16回繰り返される。即ち、開状態の大入賞口50に遊技球が10球入賞したことをテンカウントスイッチ54により検出するか又は開状態になってから予め定められた所定時間が経過したときに1回のラウンドが終了して大入賞口50は開閉板により閉状態とされるが、そのラウンド中に大入賞口50に入賞した遊技球がVゾーン56を通過してVカウントスイッチ58がオンされたときには次回のラウンドに進むことができ、このラウンドが最大16回繰り返される。
遊技盤30には、この他、発射された遊技球を円弧上に導くレール62や遊技盤30の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a、64b、普通図柄表示装置作動ゲート34a、34bの近傍に配置された風車66a、66b、特別図柄表示装置40の両横に取り付けられた計8個のインジケータ68a〜68hなども取り付けられている。なお、遊技球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高める複数の釘については図示を省略した。
メイン制御装置70は、図3に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78、入出力処理回路80がバス82によって接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a、36bからの通過信号や特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号、テンカウントスイッチ54からのカウント信号、Vカウントスイッチ58からのV信号、普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号などが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号や大入賞口駆動装置52への駆動信号、普通図柄変動保留ランプ33a〜33dや特別図柄変動保留ランプ41a〜41dへの点灯信号、普通電動役物46への駆動信号、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号、特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号、賞球の払い出しを司る賞球制御装置などの他の出力装置89への駆動信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。なお、インジケータ68a〜68hへの点灯信号は他の出力装置89から出力されている。
レベル設定ボタン27は、特別図柄表示装置40に表示される内容を解説する文字情報の解説レベルを設定したり解説不要を設定したりするときに遊技者が押下するボタンである。このレベル設定ボタン27は、押下操作が行われるごとに、初心者向けの解説レベル(レベル1)、経験者向けの解説レベル(レベル2)、解説表示なし(解説不要)の3段階に順次切り換わる。図23は、ノーマルリーチの一例を表す説明図であり、(a)は解説不要のときの説明図、(b)はレベル2のときの説明図、(c)はレベル1のときの説明図であり、斜め右上列L4上の上段Uと下段Lの主図柄が揃った状態で停止し中段Mが変動中である。図23で、一重枠は主図柄や副図柄を解説する図柄解説であり、二重枠はリーチや予告を解説する喚起態様解説である。ここで、図23(a)の解説不要では解説は表示されないが、(b)のレベル2では喚起態様解説のみ表示され、(c)のレベル1では図柄解説と喚起態様解説とが組み合わされて表示される。本実施形態では、図柄解説において、最初に停止する上段Uを「第1図柄列」と称し、2番目に停止する下段Lを「第2図柄列」と称し、最後に停止する中段Mを「第3図柄列」と称し、末尾に付された丸付き数字は主図柄に付された数字を表す。また、ハートからなる副図柄は上段U、中段M、下段Lにかかわらず「ブランク図柄」と称する。また、リーチは多数種用意されているが、代表例としては「ノーマルリーチ」、「レースリーチ」(スペシャルリーチの一種)があり、これらが喚起態様解説となる。予告には、リーチが発生する可能性が高いことを示す「ねずみ予告」(上段U、中段M、下段Lのすべてが変動中のときにねずみが横切る)、大当たりが発生する可能性が高いことを示す「ねこ群予告」(リーチ後にねこが群れをなして横切る)があり、これらも喚起態様解説となる。更に、喚起態様解説では、リーチや予告の信頼度つまり大当たり状態への移行しやすさを、星印の数で表している。なお、本実施形態では、リーチを経て大当たり状態に至ることから、リーチへの移行しやすさは大当たり状態への移行しやすさの一種といえる。
図5は、表示用制御装置90の構成を中心に示すブロック図である。表示用制御装置90は、メイン制御装置70から入力される表示コマンドやレベル設定ボタン27から入力される信号に基づいて画像処理を実行するCPU91と、このCPU91の処理に従って特別図柄表示装置40への上段U、中段M、下段Lの各図柄列の変動表示や背景図の表示を制御する画像コントローラとしてのVDP(Video Display Processor)92とを中心として構成されている。この表示用制御装置90は、更に、CPU91で実行される処理プログラム等を記憶するプログラムROM93と、CPU91で処理されたデータを一時的に記憶するワークRAM94と、予告キャラパレット(予告キャラは予告に使用されるキャラクタの意)や図柄パレットや背景パレットや図柄解説パレットや喚起態様解説パレットといった各種パレットの色データを記憶するキャラクタROM95と、特別図柄表示装置40の表示領域内に出力する画像データを一時記憶するビデオRAM96とを備える。CPU91は、メイン制御装置70から入力される表示コマンドやレベル設定ボタン27から入力される信号に基づいてVDP92へ画像処理に関する指令を出力する。VDP92は、CPU91から画像処理に関する指令を入力すると、レベル設定ボタン27からの信号に基づいてどのパレットの色データを5つの表示レイヤのどれに設定するかを決定することにより各表示レイヤに画像データを設定し、各表示レイヤごとに設定した画像データをビデオRAM96に一時記憶したあと、ビデオRAM96上でこの5つの表示レイヤの画像データを合成して合成画像データを生成し、この合成画像データにより指示されるパレットの色データに基づいてその合成画像データを色データに変換し、その色データをアナログRGBのビデオ信号として特別図柄表示装置40へ出力する。
次に、こうして構成されたパチンコ機20の動作について説明する。図6は、メイン制御装置70により実行されるメインルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、2msec毎)に繰り返し実行される。
メインルーチンが実行されると、メイン制御装置70のCPU72は、図7に例示する始動入賞処理(ステップS100)、図8に例示する変動開始処理(ステップS200)、図9に例示する変動停止処理(ステップS300)、図10に例示するカウンタ更新処理(ステップS400)を実行し、その後、図11に例示する外れ図柄カウンタ更新処理(ステップS500)を残余時間中繰り返し実行する。説明の容易のために、まず、カウンタ更新処理と外れ図柄カウンタ更新処理とを説明し、その後その他の各処理について説明する。
[カウンタ更新処理]
カウンタ更新処理では、図10に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、内部乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC2、大当たり図柄カウンタC3、変動パターンカウンタC4の各々のカウンタをインクリメントする処理を実行する(ステップS410)。図12に示すように、内部乱数カウンタC1は、大当たりか否かを判定する際に用いられるカウンタであり、本実施形態では0〜599までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり599)に達した後再び0に戻るループカウンタである。リーチ乱数カウンタC2は、外れ時にリーチ遊技を行うか否かを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施形態では0〜11までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり11)に達した後再び0に戻るループカウンタである。大当たり図柄カウンタC3は、大当たりのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段U、中段M、下段Lの変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定する際に用いられるカウンタであり、本実施形態では0〜44までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり44)に達した後再び0に戻るループカウンタである。変動パターンカウンタC4は、特別図柄表示装置40の上段U、中段M、下段Lを変動表示させるパターンを決定する際に用いられるカウンタであり、本実施形態では0〜99までを順に値1ずつインクリメントし、最大値(つまり99)に達した後再び0に戻るループカウンタである。こうして各カウンタを更新すると、各カウンタをRAM76の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ76aに格納して(ステップS420)、カウンタ更新処理を終了する。
[外れ図柄カウンタ更新処理]
外れ図柄カウンタ更新処理では、図11に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、外れ図柄上段カウンタCUをインクリメントする処理を実行する(ステップS510)。外れ図柄上段カウンタCUは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段U、中段M、下段Lの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち上段Uの左図柄、中図柄、右図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図12に示すように、本実施形態では0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図13(a)は、外れ図柄上段カウンタCUの値と上段Uの左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、上段Uでは左から右に向かって降順に表れる。
続いて外れ図柄上段カウンタCUが値0であるかを判定し(ステップS520)、外れ図柄上段カウンタCUが値0であるときには、外れ図柄下段カウンタCLをインクリメントする(ステップS530)。外れ図柄下段カウンタCLは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段U、中段M、下段Lの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち下段Lの左図柄、中図柄、右図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図12に示すように、本実施形態では外れ図柄上段カウンタCUと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図13(b)は、外れ図柄下段カウンタCLの値と下段Lの左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、下段Lでは左から右に向かって昇順に表れる。
続いて外れ図柄下段カウンタCLが値0であるかを判定し(ステップS540)、外れ図柄下段カウンタCLが値0であるときには、外れ図柄中段カウンタCMをインクリメントする(ステップS550)。ここで、外れ図柄中段カウンタCMは、外れのときに特別図柄表示装置40で変動表示している上段U、中段M、下段Lの変動停止時の図柄(外れ図柄)のうち中段Mの左図柄、中図柄、右図柄を決定する際に用いられるカウンタであり、図12に示すように、本実施形態では外れ図柄上段カウンタCUや外れ図柄下段カウンタCLと同様に0〜図柄の数から値1を減じた数までを順に値1ずつインクリメントし、最大値に達した後再び0に戻るループカウンタである。図13(c)は、外れ図柄中段カウンタCMの値と中段Mの左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。このテーブルから明らかなように、中段Mでは下段Lと同様、左から右に向かって昇順に表れる。
外れ図柄各段カウンタCU、CL、CMをすべてインクリメントするか、ステップS520で外れ図柄上段カウンタCUが値0でないと判定されたときか、ステップS540で外れ図柄下段カウンタCLが値0でないと判定されたときは、図4に示した縦左列L1、縦中央列L2、縦右列L3、斜め右上列L4、斜め左上列L5のいずれかのラインで上段Uと下段Lの主図柄が揃っているか否かを判定する(ステップS560)。前記いずれかのラインで上段Uと下段Lの主図柄が揃っていないときには、各外れ図柄カウンタCU、CM、CLの値をRAM76のカウンタ用バッファ76aに設定された外れ図柄バッファに格納して(ステップS570)、本ルーチンを終了する。一方、前記いずれかのラインで上段Uと下段Lの主図柄が揃ったときには、それと同じラインで中段Mの主図柄も揃っているか否かを判定する(ステップS580)。ここで中段Mの主図柄は揃っていないときには、いわゆる外れリーチ図柄になるため、各外れ図柄カウンタCU、CM、CLの値をRAM76のカウンタ用バッファ76aに設定された外れリーチ図柄バッファに格納して(ステップS590)、本ルーチンを終了する。一方、中段Mの主図柄も揃っているときには、外れ図柄ではなく大当たり図柄であるから各外れ図柄カウンタCU、CM、CLの値を外れ図柄バッファや外れリーチ図柄バッファへ格納することなく本ルーチンを終了する。
この外れ図柄カウンタ更新処理は、図6に例示したメインルーチンのフローチャートから解るように、所定時間経過毎にメインルーチンが実行されるまでの空き時間に繰り返し行われる。したがって、内部乱数カウンタC1やリーチ乱数カウンタC2などの他のカウンタはメインルーチンが実行される毎にカウントアップするのに対して、外れ図柄上段カウンタCUはメインルーチンが実行される毎に加えて空き時間に繰り返し実行される毎にカウントアップする。
[始動入賞処理]
始動入賞処理では、図7に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、遊技球が始動口42に入賞したか否かを判定する(ステップS110)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ44がオンとされたか否かによって行うことができる。遊技球が始動口42に入賞したと判定されると、保留球数Nが4未満であるか否かを調べる(ステップS120)。前述したように、本実施形態では保留上限値が4個だからである。この保留球数NはRAM74の所定領域に記憶される。なお、遊技球が始動口42に入賞することが、本発明の「所定の始動条件が成立」することに相当する。
ステップS120で保留球数Nが4未満のときには、保留球数Nを値1だけインクリメントし(ステップS130)、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを左から順に1つ点灯し(ステップS140)、図10のカウンタ更新処理のS420や図11の外れ図柄カウンタ更新処理のS570でRAM76のカウンタ用バッファ76aに格納された内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当たり図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値(外れ図柄バッファに一時記憶されている各外れ図柄カウンタCU、CM、CLの値の集合)を、同じくRAM76の所定領域に設定された保留球格納エリア76bの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する(ステップS150)。保留球格納エリア76bの構造の一例を図12及び図14に示す。図示するように、保留球格納エリア76bは1つの実行エリアと4つの保留エリア(第1〜第4保留エリア)とから構成され、各エリアは内部乱数カウンタ値、リーチ乱数カウンタ値、大当たり図柄カウンタ値、外れ図柄カウンタ集合値を格納可能である。
各カウンタ値の保留球格納エリア76bへの格納処理を終了した後や、ステップS110で遊技球は始動口42に入賞していないと判定されたときや、あるいはステップS120で保留球数Nが4未満と判定されなかったときには、保留球数Nが値0より大きいか否かを判定し(ステップS160)、保留球数Nが値0より大きいときには、特別図柄表示装置40で上段U、中段M、下段Lの図柄列を変動表示中であるか否か、あるいは、大当たり中であるか否かを判定し(ステップS170)、変動表示中でも大当たり中でもないときには、特別図柄表示装置40に図柄変動を開始させることが可能なため、変動許可フラグF1(初期設定時はゼロ)に値1をセットし(ステップS180)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS160で保留球数Nが値0のときや、ステップS170で変動表示中か大当たり中のときには、そのまま本ルーチンを終了する。
[変動開始処理]
変動開始処理では、図8に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、変動許可フラグF1が値1であるか否かを判定する処理を実行する(ステップS210)。変動許可フラグF1が値1でないときには、保留球数Nが値0であるか、特別図柄表示装置40によって上段U、中段M、下段Lの図柄列が変動表示中であるか、大当たり中であるかのいずれかの場合であると判断して、本ルーチンを終了する。一方、変動許可フラグF1が値1のときには、特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを右側から順に1つ消灯すると共に(ステップS220)、保留球数Nを値1だけディクリメントし(ステップS230)、保留球格納エリア76bに格納されたデータをシフトする処理を行う(ステップS240)。このデータシフト処理は、図14に例示する第1〜第4保留エリアに格納されているデータを実行エリア側にワンブロックシフトさせる処理である。即ち、第1保留エリアのデータを実行エリアに、第2保留エリアのデータを第1保留エリアに、第3保留エリアのデータを第2保留エリアに、第4保留エリアのデータを第3保留エリアに移動させる処理である。続いて、表示コマンド決定処理ルーチンを実行する(ステップS250)が、このルーチンについては後で詳述する。表示コマンドは、特別図柄表示装置40の上段U、中段M、下段Lの図柄列を水平方向に変動表示させた後に変動表示停止時の図柄を設定する停止図柄コマンドと、特別図柄表示装置40による上段U、中段M、下段Lの図柄の変動パターンを設定する変動パターンコマンドとから構成されている。そして、ステップS250で決定した表示コマンドを入出力処理回路80を介して表示用制御装置90に送信し(ステップS260)、変動許可フラグF1に値0をセットして(ステップS270)、本ルーチンを終了する。表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドのうちの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示装置40の上段U、中段M、下段Lの図柄列や背景画像を変動表示させると共に、後述する確定コマンドを受信したときに停止図柄コマンドに従って特別図柄表示装置40の上段U、中段M、下段Lの図柄列の変動表示を停止させ、その停止図柄コマンドの停止図柄を表示する。
[表示コマンド決定処理]
先のステップS250の表示コマンド決定処理ルーチンでは、図15に示すようにメイン制御装置70のCPU72は、まず、保留球格納エリア76bの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値が大当たりか否かを内部乱数カウンタ値と予め定められた大当たり値との関係に基づいて判定する(ステップS602)。例えば、内部乱数カウンタ値は0〜599のいずれかの数値であり、このうち所定の数値が大当たりの値と決められている。このため、大当たり判定は、内部乱数カウンタ値が大当たりの値と一致するか否かを判定することにより行われる。
さて、大当たりと判定されると、保留球格納エリア76bの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC3の値に対応する図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタ値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する(ステップS604)。具体的には、大当たり図柄カウンタ値は0〜44のいずれかの数値であり、大当たり図柄は5つのラインL1〜L5のいずれかで9つの主図柄のいずれかが揃うことから45通りあり、各カウンタ値には45通りの大当たり図柄のいずれかがそれぞれ対応している。このため、停止図柄コマンドには45通りの大当たり図柄のいずれかが設定される。なお、これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態(大当たり確率がアップする状態)に移行するが、非特定図柄で揃った場合には確変状態に移行しない。続いて、図16に例示する大当たり時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドに設定し(ステップS606)、本ルーチンを終了する。大当たり時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファ76aに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(ステップS640)、変動パターンカウンタC4が20未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(ステップS642)、変動パターンカウンタC4が20以上60未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(ステップS644)、変動パターンカウンタC4が60以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(ステップS646)。各変動パターンについては後述する。
一方、ステップS602で大当たりではないと判定されると、保留球格納エリア76bの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値がリーチ当たりか否かを判定する(ステップS608)。本実施形態では、リーチ乱数カウンタC2は0〜11のいずれかであり、リーチ当たりの値は「7」に設定されている。したがって、リーチ当たりの確率は1/12である。リーチ当たりと判定されると、RAM76の外れリーチ図柄バッファに格納されている外れ図柄上段カウンタCU、外れ図柄中段カウンタCM、外れ図柄下段カウンタCLの各値を停止図柄コマンドに設定し(ステップS610)、図17に例示する外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理を行って変動パターンコマンドを設定し(ステップS612)、本ルーチンを終了する。外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では、RAM76のカウンタ用バッファ76aに格納されている変動パターンカウンタC4の値を調べ(ステップS650)、変動パターンカウンタC4が50未満のときにはパターンBを変動パターンコマンドに設定し(ステップS652)、変動パターンカウンタC4が50以上90未満のときにはパターンCを変動パターンコマンドに設定し(ステップS654)、変動パターンカウンタC4が90以上のときにはパターンDを変動パターンコマンドに設定する(ステップS656)。一方、ステップS608でリーチ当たりでないと判定されると、今回は外れということなので、実行エリアに格納されている外れ図柄カウンタ集合値を停止図柄コマンドに設定し(ステップS614)、パターンAを変動パターンコマンドに設定して(ステップS616)、本ルーチンを終了する。
本実施形態では各変動パターンは次のように設定されている。「パターンA」は、外れ図柄を表示するパターンであり、特別図柄表示装置40による上段U、中段M、下段Lの図柄列の変動表示を開始した後、7秒後に上段Uの図柄変動を停止し、8秒後に下段Lの図柄変動を停止し(ラインL1〜L5(図4参照)のいずれにおいても上段Uと下段Lの主図柄が揃っていない)、9秒後に中段Mの図柄変動を停止するパターンとして設定されている。「パターンB」は、いわゆるノーマルリーチのパターンであり、特別図柄表示装置40による上段U、中段M、下段Lの図柄の変動表示を開始した後、7秒後に上段Uの図柄変動を停止し、8秒後に下段の図柄変動を停止し(ラインL1〜L5のいずれかにおいて上段Uと下段Lの主図柄が揃っている)、その後中段Mの図柄を特別な変化を加えることなく低速度で7秒間変動表示させて停止するパターンとして設定されている。「パターンC」は、いわゆるスーパーリーチのパターンであり、パターンBの中段Mの図柄の停止タイミングでこの中段Mの図柄の変動表示を停止することなく高速度で更に5秒間変動表示した後に停止するパターンとして設定されている。「パターンD」は、いわゆるスペシャルリーチのパターンであり、パターンCの中段Mの図柄の停止タイミングでこの中段Mの図柄の変動表示を停止することなく低速度で更に10秒間変動表示した後に当たり図柄または当たり図柄の前後の図柄で停止するパターンとして設定されている。なお、スーパーリーチやスペシャルリーチでは、単に上段U、中段M、下段Lの各図柄を変動表示するだけでなく、所定のリーチ遊技やリーチ用アニメの表示などが行なわれる。本実施形態では、図16および図17を用いて説明したように大当たり時変動パターンコマンド決定処理では外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンDが設定されやすくなっており、逆に外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理では大当たり時変動パターンコマンド決定処理に比してパターンBが設定されやすくなっている。即ち、スペシャルリーチになった場合には大当たりになることが多く、ノーマルリーチになった場合には外れリーチになることが多い。
ところで、本実施形態の各パターンには、リーチ予告を伴うもの、大当たり予告を伴うもの、予告を伴わないものの3種類が存在する。ここで、リーチ予告とはリーチが発生する可能性があることを遊技者に知らせる機能であり、大当たり予告とは大当たりが発生する可能性があることを遊技者に知らせる機能である。このような予告を伴うか伴わないかは、変動パターンコマンドC4の値に応じて設定される。例えば図16の大当たり時変動パターンコマンド決定処理におけるステップS642では、変動パターンカウンタC4の値が0〜19のときに変動パターンコマンドにパターンBを設定するが、詳しくはC4の値が0〜11のときには大当たり予告を伴うパターンB、C4の値が12〜17のときにはリーチ予告を伴うパターンB、C4の値が18又は19のときには予告を伴わないパターンB、というように設定される。そして、表示コマンドに含まれる変動パターンコマンドには、各パターンごとにリーチ予告あり、大当たり予告あり、予告なしの3種類が存在する。したがって、表示コマンドを受信した表示用制御装置90は、表示コマンドに含まれる変動パターンコマンドに応じて、リーチ予告あり、大当たり予告あり、予告なしのいずれかの表示を実行することになる。
[変動停止処理]
変動停止処理では、図9に示すように、メイン制御装置70のCPU72は、まず、大当たり中であるか否かを判定する(ステップS310)。ここで、大当たり中には、大当たりの際に特別図柄表示装置40で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機20の各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当たり中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する(ステップS320)。この処理は、変動開始処理で説明したように各変動パターンはパターン毎に変動時間が設定されているから、その時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了であるときには、変動の停止と確認のために設定されている停止図柄を確定コマンドとして表示用制御装置90に送信する(ステップS330)。続いて、今回の変動結果が大当たりか否かを判定して(ステップS340)、大当たりのときには大当たり実行コマンドを表示用制御装置90や大入賞口駆動装置52などに送信し(ステップS350)、本ルーチンを終了する。大当たり実行コマンドを受信した表示用制御装置90は、停止図柄表示後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画を表示させる。また、大入賞口駆動装置52は、大入賞口50の開閉駆動を行う。ここで、ステップS340の大当たりの判定は、変動開始処理におけるステップS250の表示コマンド決定処理(図15)で行われているからその判定結果を用いるものとしてもよいし、保留球格納エリア76bの実行エリアに格納されている内部乱数カウンタC1の値を用いて判定するものとしてもよい。一方、ステップS310で大当たり中と判定されたときやステップS320で変動時間が終了していないと判定されたとき、あるいはステップS340の大当たり判定で大当たりでないと判定されたときには、判定後に本ルーチンを終了する。
[表示制御]
表示用制御装置90のCPU91は、メイン制御装置70から表示コマンドを受信すると、その表示コマンドに含まれる停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとを読み取り、読み取った変動パターンコマンドに応じた変動パターンに基づいて特別図柄表示装置40の上段U、中段M、下段Lの図柄列の変動を開始するようにVDP92に指令を出力し、その後、メイン制御装置70から確定コマンドを受信すると、特別図柄表示装置40の図柄の変動を停止し所定の停止図柄を表示するようにVDP92に指令を出力する。また、CPU91は、所定タイミング(例えば数msec)ごとにレベル設定ボタン27からの信号がオンか否かを判定し、その状態をVDP92に出力する。
ここで、表示用制御装置90のVDP92は、図18に示すように、5つの表示レイヤの画像データを設定したあとこれらの画像データを合成して合成画像データを作成し、この合成画像データに基づくビデオ信号を特別図柄表示装置40へ出力する。そして、VDP92が合成画像データを特別図柄表示装置40の表示領域に表示するにあたっては、最前面の表示レイヤに設定された色データは表示領域に最優先で表示され、2番目の表示レイヤに設定された色データは表示領域のうち最前面の表示レイヤの空き領域(空の画素)に表示され、3番目の表示レイヤに設定された色データは表示領域のうち最前面と2番目の表示レイヤの共通の空き領域に表示され、4番目の表示レイヤに設定された色データは表示領域のうち最前面〜3番目の表示レイヤの共通の空き領域に表示され、最背面の表示レイヤに設定された色データは表示領域のうち最前面〜4番目の表示レイヤの共通の空き領域に表示される。本実施形態では、背景パレットの色データは特別図柄表示装置40の表示領域のすべての画素を埋め尽くしているため、その背面側に設定されているパレットの色データは表示領域には表示されない。
図19は画像表示制御ルーチンのフローチャートである。この画像表示制御ルーチンは、所定タイミング(例えば数msec)ごとにVDP92によって実行される。このルーチンが開始されると、VDP92は、まず、CPU91から入力されたレベル設定ボタン27の信号に基づいて現在の設定がレベル1、2及び解説不要のいずれであるかを判定し(ステップS710)、解説不要のときつまり解説表示なしのときには、キャラクタROM95から各パレットの色データを読み出し、図20に示すように、5つの表示レイヤにつき最前面に図柄パレットの色データ、2番目に予告キャラパレットの色データ、3番目に背景パレットの色データ、4番目に喚起態様解説パレットの色データ、最背面に図柄解説パレットの色データを設定して画像データとし、各表示レイヤの画像データをビデオRAM96に一時記憶する(ステップS720)。既述したとおり、図柄解説は主図柄や副図柄を解説する文字情報で一重枠内に表示されるものあり、喚起態様解説はリーチや予告を解説する文字情報で二重枠内に表示されるものである。このとき、各パレットの色データは経過時間に対応づけてキャラクタROM95に記憶されているため、各表示レイヤの画像データは同期をとって設定される。又、予告キャラパレットは、予告を出力するときには色データが存在するが、予告を出力しないときには色データが存在しないため実質的には透明となる。これらはレベル1、2に設定されているときも同様である。続いて、ビデオRAM96上で5つの表示レイヤの画像データを合成して合成画像データを作成し(ステップS750)、この合成画像データにより指示されるパレットの色データに基づいてその合成画像データを色データに変換し(ステップS760)、その色データをアナログRGBのビデオ信号として特別図柄表示装置40の表示領域へ出力し(ステップS770)、このルーチンを終了する。このとき、3番目の表示レイヤには背景パレットの色データが設定されるが、この色データは表示領域の全画素に存在するため、4番目以降の図柄解説パレット及び喚起態様解説パレットの色データは表示領域には表示されない。図23(a)は、このときの特別図柄表示装置40の表示領域に表示される様子の一例を表す。ここでは、中段Mが水平方向に変動中で、右斜め上ラインL4上の上段Uと下段Lに犬種「ウェルシュ・コーギー」に数字「6」を付した主図柄が停止したノーマルリーチの状態(予告なし)であり、予告なしのため2番目の表示レイヤは実質的に透明である。
一方、ステップS710においてレベル設定ボタン27がレベル2のときつまり喚起態様解説のみ表示するときには、キャラクタROM95から各パレットの色データを読み出し、図21に示すように、5つの表示レイヤにつき最前面に喚起態様解説パレットの色データ、2番目に図柄パレットの色データ、3番目に予告キャラパレットの色データ、4番目に背面パレットの色データ、最背面に図柄解説パレットの色データを設定し、各表示レイヤの画像データをビデオRAM96に一時記憶し(ステップS730)、既に述べたステップS750〜ステップS770の処理を実行し、このルーチンを終了する。このとき、最前面の表示レイヤには喚起態様解説の色データが設定されるが、表示領域のうち二重枠で囲まれた領域以外の画素には色データが存在しないため、結果として図柄、予告キャラ、背景の上に重なるようにして喚起態様解説が表示される。また、4番目の表示レイヤには背景パレットの色データが設定されるが、この色データは表示領域の全画素に存在するため、最背面の図柄解説パレットの色データは表示領域には表示されない。また、各画像データは同期がとられているため、図柄等の動きに合わせて喚起態様解説の文字情報が出没したりする。図23(b)は、このときの特別図柄表示装置40の表示領域に表示される様子の一例を表す。これは、図23(a)と同じノーマルリーチの状態で、解説レベルがレベル2のときの様子であり、ノーマルリーチの画像の上に二重枠の喚起態様解説のみが表示されている。なお、二重枠の喚起態様解説には、「ノーマルリーチ」という文字情報のほかに、ノーマルリーチで大当たりへ移行する可能性を表す信頼度が星印の数(ここでは1つ)で表示される。
一方、ステップS710においてレベル設定ボタン27がレベル1のときつまり図柄解説及び喚起態様解説の両方表示するときには、キャラクタROM95から各パレットの色データを読み出し、図22に示すように、5つの表示レイヤにつき最前面に喚起態様解説パレットの色データ、2番目に図柄解説パレットの色データ、3番目に図柄パレットの色データ、4番目に予告キャラ解説パレットの色データ、最背面に背景パレットの色データを設定し、各表示レイヤの画像データをビデオRAM96に一時記憶し(ステップS730)、既に述べたステップS750〜ステップS770の処理を実行し、このルーチンを終了する。このとき、最前面の表示レイヤには喚起態様解説の色データが設定されるが、二重枠で囲まれた領域以外の画素には色データが存在せず、2番目の表示レイヤには図柄解説の色データが設定されるが、一重枠で囲まれた領域以外の画素には色データが存在しないため、結果として図柄、予告キャラ、背景の上にこれらが重なるようにして表示される。また、両解説が重なる部分では喚起態様解説が図柄解説の上に重なって表示される。また、各画像データは同期がとられているため、図柄等の動きに合わせて図柄解説及び喚起態様解説の文字情報も動く。図23(c)は、このときの特別図柄表示装置40の表示領域に表示される様子の一例を表す。これは、図23(a)と同じノーマルリーチの状態で解説レベルがレベル1のときの様子であり、ノーマルリーチの画像の上に一重枠の図柄解説と二重枠の喚起態様解説が表示されている。なお、一重枠の図柄解説には、「第1図柄列」「第2図柄列」「第3図柄列」「ブランク図柄」などの文字情報が表示される。このように解説レベルがレベル1のときには図柄解説と喚起態様解説が表示され、レベル2のときには喚起態様解説のみ表示されるため、レベル1はレベル2よりも表示内容を詳細に解説するレベルといえる。
図24は、ノーマルリーチで予告あり(ねこ群予告)のときの特別図柄表示装置40の表示領域に表示される様子の一例を表す。図24(a)は、レベル設定ボタン27が解説不要のときの様子であり、前面から図柄、予告キャラ、背景、喚起態様解説、図柄解説が重ねられるが、背景の背面にある喚起態様解説及び図柄解説は表示されない。図24(b)は、レベル設定ボタン27がレベル2のときの様子であり、前面から喚起態様解説、図柄、予告キャラ、背景、図柄解説が重ねられる。この場合には、図23(b)と比較して、二重枠の喚起態様解説として「ノーマルリーチ」の他に「ねこ群予告」という文字情報が追加され、ねこ群予告で大当たりへの移行する可能性を表す信頼度が星印の数(ここでは5つ)で表示される。図24(c)は、レベル設定ボタン27がレベル1のときの様子であり、前面から喚起態様解説、図柄解説、図柄、予告キャラ、背景が重ねられる。この場合には、図23(c)と比較して、二重枠の喚起態様解説として「ノーマルリーチ」の他に「ねこ群予告」という文字情報が追加され、信頼度が星印の数で表示される。
図25は、スペシャルリーチの一つであるレースリーチのときの特別図柄表示装置40の表示領域に表示される様子を表す。図25(a)は、レベル設定ボタン27が解説不要のときの様子であり、前面から図柄、予告キャラ、背景、喚起態様解説、図柄解説が重ねられるが、予告なしのため予告キャラは表示されず、背景の背面にある喚起態様解説及び図柄解説も表示されない。図25(b)は、レベル設定ボタン27がレベル2のときの様子であり、前面から喚起態様解説、図柄、予告キャラ、背景、図柄解説が重ねられる。この場合には、二重枠の喚起態様解説として、「レースリーチ」という文字情報と共にレースリーチで大当たりへ移行する可能性を表す信頼度が星印の数(ここでは3つ)で表示される。図25(c)は、レベル設定ボタン27がレベル1のときの様子であり、前面から喚起態様解説、図柄解説、図柄、予告キャラ、背景が重ねられる。この場合には、二重枠の喚起態様解説に加えて一重枠の図柄解説が表示される。
図23〜図25は特別図柄表示装置40にリーチや予告が表示されるものを例示したが、リーチも予告が表示されない場合には喚起態様解説の画像データが設定された表示レイヤは実質的に透明となり特別図柄表示装置40には一重枠の図柄解説のみが表示されることになる。なお、このようにリーチが表示されない場合には、喚起態様解説を背景の背面に配置して合成画像データを作成してもよい。つまり、前面から順に図柄解説、図柄、予告キャラ、背景、喚起態様解説を重ねて合成画像データを作成してもよい。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態の特別図柄表示装置40が本発明の表示手段に相当し、主図柄及び副図柄が識別要素に相当し、表示用制御装置90のプログラムROM93が文字情報記憶手段、識別要素記憶手段及び背景記憶手段に相当し、レベル設定ボタン27がレベル設定手段に相当し、表示用制御装置90のVDP92が表示制御手段に相当し、喚起態様解説の画像データが解説レベルに共通な文字情報の画像データに相当し、図柄解説の画像データが補完用の文字情報の画像データに相当する。
以上詳述した本実施形態のパチンコ機20によれば、遊技者は自分の知識に応じた解説を見ながら遊技することができる。具体的には、これまでパチンコ機で遊技したことのない初心者は、レベル設定ボタン27で解説レベルをレベル1に設定すれば図柄解説及び喚起態様解説が表示されるため、図柄解説を見ることにより各図柄がどのようなものかを知ることができるし、喚起態様解説を見ることによりリーチや予告の信頼度を把握することもできる。また、これまでパチンコ機で何度も遊技したことのある者であっても、新しいパチンコ機で遊技するときにはそのパチンコ機のリーチや予告がどの程度の信頼度なのか不明なことが多いが、その場合にはレベル設定ボタン27で解説レベルをレベル2に設定すれば喚起態様解説のみが表示されるため、リーチや予告の信頼度を把握することができる。このとき、図柄解説は表示されないため、本来の遊技に関わる表示内容が図柄解説により遮られて興趣感を損なうといったこともない。更に、パチンコ機20を熟知している者は、図柄解説及び喚起態様解説が不要になるが、その場合にはレベル設定ボタン27で解説不要に設定すればこれらの解説が表示されないため、これらの解説が表示されることにより本来の遊技に関わる表示内容が図柄解説により遮られて興趣感を損なうといったこともない。
そして、リーチや予告などの喚起態様が表示されたときには、解説レベルがレベル1、2のいずれに設定されているかにかかわらず喚起態様解説が表示されるため、遊技者はリーチや予告などの信頼度を把握することができる。また、遊技者は解説が不要な場合にはレベル設定ボタン27で解説不要に設定して解説を消すことができるため、解説により本来の図柄が遮られて興趣感を損なうといったこともない。また、複数の表示レイヤを入れ替えることにより簡単にレベル1、2に応じた文字情報を表示したり文字情報を非表示にしたりすることができる。更に、レベル1、2で共通な喚起態様解説の文字情報を使い回すことができるため、レベル1で喚起態様解説と図柄解説が設定された表示レイヤを用い、レベル2で喚起態様解説が設定された表示レイヤを用いる場合に比べて、表示レイヤに必要なデータ量を少なくすることができる。更にまた、図柄解説及び喚起態様解説の画像データは図柄等の動きと同期をとりながらいずれかの表示レイヤに作成されるため、解説レベルが変更されたときには、図柄等と解説とがずれることなく表示される。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、遊技者がレベル設定ボタン27を押下操作するごとにレベル1→レベル2→解説不要→レベル1→…と切り替わるようにしたが、このレベル設定ボタン27に代えて図26に示すスライドレバー型のレベル設定スイッチ29を採用してもよい。このレベル設定スイッチ29を「1」の直下に位置決めしたときにはレベル1に設定され、「2」の直下に位置決めしたときにはレベル2に設定され、「不要」の直下に位置決めしたときには解説不要に設定される。あるいは、図27に示す円筒型のレベル設定スイッチ129を採用してもよい。このレベル設定スイッチ129を軸回転させて「1」が正面を向くように配置したときにはレベル1に設定され、「2」が正面を向くように配置したときにはレベル2に設定され、「不要」(図示せず)が正面を向くように配置したときには解説不要に設定される。
また、上述した実施形態では、レベル設定ボタン27がレベル1、2及び解説不要のいずれに設定されたときでも5つの表示レイヤのそれぞれに画像データを作成するようにしたが、レベル2のときには図柄解説の画像データを用いることなく合成画像データを作成してもよいし、解説不要のときには図柄解説及び喚起態様解説の画像データを用いることなく合成画像データを作成してもよい。こうすれば、レベル2や解説不要のときには表示用制御装置90において表示レイヤの画像データを作成する負担や合成画像データを作成する負担が軽くなる。
更に、上述した実施形態では、喚起態様解説をレベル1、2で共通な文字情報として使い回し、図柄解説をレベル1の補完用の文字情報(つまり喚起態様解説と組み合わせてレベル1の解説ができあがる)としたが、レベル1では喚起態様解説と図柄解説の画像データが設定された表示レイヤを最前面に配置し(図28参照)、レベル2では喚起態様解説の画像データが設定された表示レイヤを最前面に配置してもよい(図28の最前面のレイヤを最背面に、最背面のレイヤを最前面にする)。
更にまた、上述した実施形態では喚起態様解説の文字情報として信頼度を星印の個数で表したが、信頼度を百分率(%)で表してもよい。こうすれば、信頼度が数値化されているため、遊技者はより具体的に信頼度を把握することができる。
そして、上述した実施形態の図柄パレットや予告キャラパレットのほかにリーチ遊技やリーチ用アニメを表示するためのリーチキャラパレットを設け、このリーチキャラパレットに基づいて個別の表示レイヤにリーチキャラの画像データを設定し、その表示レイヤを背景画像データが設定された表示レイヤよりも前面側に配置して合成画像データを作成してもよい。
そしてまた、上述した実施形態ではパチンコ機の一例について説明したが、表示装置が取り付けられ該表示装置に遊技者の意思と関係なく映像が表示される遊技機、例えばスロット機や融合機(パチンコ球を使ってスロット遊技を行う機種)であっても同様に適用可能である。
また、上述した実施形態では、例えば図23(c)に示すように、犬と数字とを組み合わせた主図柄については、図柄解説として「第n図柄列」(nは1〜3の整数)と「丸付き数字」を一重枠内に表記したが、これに加えて「ウェルシュ・コーギー」等の犬種も一重枠内に併記してもよい。このときの様子を図29に示す。こうすれば、遊技者同士の間でこのパチンコ機20の情報を交換する際に主図柄を犬種で特定できるため便利である。また、ねこ群予告については、喚起態様解説として「ねこ群予告」と信頼度を表す星印の数を二重枠内に表記したが、ねこ群のねこに図柄解説として一重枠の吹出しを付けて「予告キャラ」と表記してもよい。図29はこのときの様子も表している。こうすれば、仮に「ねこ群予告」以外でねこが表示される場合があったとしても、レベル設定ボタン27でレベル1に設定して図柄解説を表示させることにより、「予告キャラ」なのかそうでないのかを区別することができる。
また、リーチによっては識別要素である主図柄や副図柄とは別に登場要素が表示されることがある。例えば図30は画面中央に女性が登場するコンテストリーチ(犬の品評会をイメージしたリーチ)だが、この女性(登場要素)に図柄解説として一重枠の吹出しを付けて愛称である「ラブちゃん」と表記してもよい。キャラクタには愛称が付けられている場合が多いが、遊技者がその愛称を認識する機会は極めて少ないのが現状であることから、図柄解説の一つとして愛称を表記することにより遊技者に愛称を認識させ、遊技者同士の間で情報を交換するときにその愛称でもって特定のキャラクタをお互いが認識することができるようにしている。特に、稀にしか表示されない登場要素について情報交換する際に有効である。
本実施形態であるパチンコ機を正面から見た外観図である。 パチンコ機の遊技盤の構成の概略を示す構成図である。 本実施形態のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。 特別図柄表示装置の説明図である。 表示用制御装置の電気的接続を例示するブロック図である。 メインルーチンのフローチャートである。 始動入賞処理のフローチャートである。 変動開始処理のフローチャートである。 変動停止処理のフローチャートである。 カウンタ更新処理のフローチャートである。 外れ図柄カウンタ更新処理のフローチャートである。 カウンタ用バッファ及び各種カウンタの説明図である。 各外れ図柄カウンタの値と各段の左図柄、中図柄、右図柄との対応関係の一例を表すテーブルである。 保留球格納エリアの説明図である。 表示コマンド決定処理ルーチンのフローチャートである。 大当たり時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。 外れリーチ時変動パターンコマンド決定処理のフローチャートである。 表示レイヤの説明図である。 画面表示制御ルーチンのフローチャートである。 解説不要に設定されたときの表示レイヤの説明図である。 レベル2に設定されたときの表示レイヤの説明図である。 レベル1に設定されたときの表示レイヤの説明図である。 特別図柄表示装置の表示領域に表示される様子を表す説明図である。 特別図柄表示装置の表示領域に表示される様子を表す説明図である。 特別図柄表示装置の表示領域に表示される様子を表す説明図である。 他のレベル設定スイッチの説明図である。 他のレベル設定スイッチの説明図である。 レベル1に設定されたときの表示レイヤの説明図である。 特別図柄表示装置の表示領域に表示される様子を表す説明図である。 特別図柄表示装置の表示領域に表示される様子を表す説明図である。
符号の説明
20 パチンコ機、22 前面枠、24 上受け皿、26 下受け皿、27 レベル設定ボタン、28 発射ハンドル、30 遊技盤、32 普通図柄表示装置、32a 図柄、40 特別図柄表示装置、41a〜41d 特別図柄変動保留ランプ、42 始動口、44 特別図柄始動口スイッチ、46 普通電動役物、50 大入賞口、52 大入賞口駆動装置、54 テンカウントスイッチ、56 Vゾーン、58 Vカウントスイッチ、69 アウト口、70 メイン制御装置、72 CPU、73 電源回路、74 ROM、76 RAM、76a カウンタ用バッファ、76b 保留球格納エリア、78 クロック回路、80 入出力処理回路、82 バス、84 音声用制御装置、86 スピーカ、88 入力装置、89 出力装置、90 表示用制御装置、92 VDP、93 プログラムROM、94 ワークRAM、95 キャラクタROM、96 ビデオRAM、C1 内部乱数カウンタ、C2 リーチ乱数カウンタ、C3 図柄カウンタ、C4 変動パターンカウンタ、CL 外れ図柄下段カウンタ、CM 外れ図柄中段カウンタ、CU 外れ図柄上段カウンタ。

Claims (1)

  1. 所定の始動条件が成立すると乱数を取得し、該取得した乱数に応じて表示手段の表示内容を決定したあと該表示手段における識別要素の変動を開始し変動終了後の前記識別要素の停止態様によって遊技者に有利な遊技状態へ移行するか否かを遊技者に認識させる遊技機であって、
    前記表示手段の表示内容を解説した文字情報を少なくとも二段階の解説レベルに分けて記憶する文字情報記憶手段と、
    遊技者によって解説レベルが設定されるレベル設定手段と、
    前記文字情報記憶手段に記憶された文字情報のうち前記レベル設定手段によって設定された解説レベルに応じた文字情報を前記表示手段の表示内容に合わせて該表示手段に表示する表示制御手段と、
    を備えた遊技機。
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