JP2005151946A - 漬物及び漬物の製造方法 - Google Patents

漬物及び漬物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 梅果実を利用した漬け汁又は漬物及びこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】 漬け汁は、梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなる。漬け汁の製造方法は、所定の容器内に梅果実を並べて敷く工程と、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させる工程と、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させる工程と、これらの工程終了後に所定期間熟成させる工程と、を備える。漬物は、当該漬け汁に任意の野菜を所定期間漬け込んで得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、漬け汁又は漬物及びこれらの製造方法に関するものであり、特に梅果実を利用したものに関する。
従来、梅干の製造過程で得られる梅酢液を脱塩したものと梅干から得られた脱塩果肉クリームと各種調味料とを利用することにより各種ケチャップ、ソース、ドレッシング漬け汁として使用する梅たれの製造方法が知られていた(特許文献1参照。)。
更に、梅を利用するものとしては、塩を使用せず、梅果肉と味噌と砂糖とを混練し、所定期間熟成させることにより得られるドレッシング等の製造方法も知られていた(特許文献2参照。)。
しかしながら、これらは、梅果肉を利用したものであって、単に生野菜等に使用するドレッシング等として使用することを目的としたものであり、更に、他の野菜等を漬け込んで漬物とする漬け汁としても使用することを目的としたものは存在しなかった。
一方、生野菜等にドレッシング等としても使用可能であり、更に漬物を漬け込む漬け汁としても使用できるものであれば、利用する幅が広がると共に新規な風味を有する漬物を製造し提供することも可能となる。
また、特に各種調味料を使用することなく、漬物を漬ける漬け汁及びドレッシング等として使用できるものが製造できるならば、自然食に近いものとして人々の健康増進にも利用することが可能となる。
更に、漬け汁を製造する過程で、利用した梅果実自体も漬物として食することが可能であれば、無駄なく原料を利用することが可能となる。
そこで、従来の梅果肉を利用した梅たれやドレッシングを更に一歩進めた、梅果実を利用した漬け汁又は漬物及びこれらの製造方法を発明するに至ったものである。
特開平2−257846号公報 特開2000−60479号公報
本発明が解決しようとする点は、酸味を有する梅の風味をそのまま利用した漬け汁及びこの漬け汁を利用した自然食的な新規な漬物を提供する点にある。
また、本発明が解決しようとする点は、酸味を有する梅の風味を利用した健康増進にも役立つ新規なドレッシングとして使用可能であると共に、漬物を漬け込む漬け汁としても使用できる梅果実を利用した漬け汁を提供する点にある。
また、本発明が解決しようとする点は、梅果実の果肉を使用しない漬け汁を提供する点にある。
また、本発明が解決しようとする点は、漬け汁の製造過程で利用した梅果実も漬物として提供する点にある。
本発明に係る漬け汁は、梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなることを特徴とする。
本発明に係る漬け汁は、所定の容器内に梅果実を並べて敷き、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させ、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた後、所定期間熟成させることにより得られることを特徴とする。
本発明に係る漬け汁において、梅果実と味噌と砂糖の重量比は、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする。
本発明に係る漬物は、梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなる漬け汁に、任意の野菜を漬け込んでなることを特徴とする。
本発明に係る漬物は、所定の容器に梅果実を並べて敷き、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させ、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた後、所定期間熟成させることにより得られた漬け汁に、任意の野菜を所定期間漬け込んで得られることを特徴とする。
本発明に係る漬物において、前記任意の野菜は、茗荷又は大根、蕪、人参、ゴボウ、タマネギ、生姜、蓮根、ニンニク等の根菜類から選ばれる野菜であることを特徴とする。
本発明に係る漬け汁の製造方法は、所定の容器内に梅果実を並べて敷く工程と、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させる工程と、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させる工程と、これらの工程終了後に所定期間熟成させる工程と、からなることを特徴とする。
本発明に係る漬け汁の製造方法において、梅果実と味噌と砂糖の重量比は、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする。
本発明に係る漬物の製造方法は、所定の容器内に梅果実を並べ敷く工程と、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させる工程と、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させる工程と、これらの工程終了後に所定期間熟成させる工程と、これらの工程より得られる漬け汁に、任意の野菜を所定期間漬け込む工程と、からなることを特徴とする。
本発明に係る漬物の製造方法において、前記任意の野菜は、茗荷又は大根、蕪、人参、ゴボウ、タマネギ、生姜、蓮根、ニンニク等の根菜類から選ばれる野菜であることを特徴とする。
本発明に係る漬物の製造方法において、前記熟成させる所定期間は、略3ヶ月以上であることを特徴とする。
本発明に係る梅果実の漬物は、所定の容器内に梅果実を並べて敷き、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させ、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた後、所定期間熟成させることにより得られることを特徴とする。
本発明に係る梅果実の漬物において、梅果実と味噌と砂糖の重量比は、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする。
本発明によれば、漬け汁が梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなるので、酸味を有する梅の風味をそのまま利用した添加物を含まない自然食品としての漬け汁(ドレッシングとしても使用可能)及びこの漬け汁を利用した自然食品としての新規な漬物を提供することが可能となる。
本発明によれば、梅果実の果汁を利用するため、梅果実の果肉を使用しない漬け汁(ドレッシングとしても使用可能)を提供することが可能となる。また、梅果実の果肉を漬け汁に混合させないため、漬け汁の製造過程で使用した梅果実も漬物となり、漬物として食することが可能となる。従って、自然食品となる新規な梅果実の漬物も提供することも可能となる。
梅果実を利用した自然食品としての漬け汁及びこの漬け汁を利用した新規な漬物を提供する目的等を簡易な工程で実現した。
以下に、図面を用いて、本発明を実施するための実施例について説明する。
図1は、本実施例に係る漬け汁の製造工程を示すフローチャートである。図2は、当該漬け汁を利用して漬物を製造する製造工程を示すフローチャートである。図3は、漬け汁の製造工程において、梅果実、味噌、砂糖を容器に積層させる際の容器内の状態を示す容器の断面図であり、図中10は容器、20は梅果実、30は味噌、40は砂糖を示すものである。図4は、漬け汁に漬物を漬ける製造工程における容器内の状態を示す容器の断面図であり、図中100は容器、200は茗荷、300は漬け汁を示すものである。
<漬け汁及び漬物>
ここで、漬け汁を製造する工程を図1及び図3に基づいて説明する。
先ず、梅果実20、味噌30、砂糖40、及びこれらを入れる容器10を用意する。この梅果実20、味噌30、砂糖40の重量比は、0.8〜1.20:0.8〜1.20:0.8〜1.20であり、この重量比の範囲内で調整をおこなう。最も望ましい重量比は、略1:1:1であるが、使用する梅果実20、味噌30、砂糖40の種類や気温等の条件によりこの重量比の範囲内において調整を行なうのが良い。また、容器10は、陶製又はホウロウ製等の酸に強い容器であれば何れであっても良く、容器のサイズも使用する梅果実20、味噌30、砂糖40の量に合わせたサイズであれば良いものである。
この梅果実20は、小粒種及び大粒種の何れでも使用可能であるが、果肉から出る果汁エキス(梅酢液)を充実させる意味で大粒種が好ましい。また、完熟した梅果実でも良いが、梅果実は熟すにつれて酸味が増加するため、本実施例においては比較的酸味の少ない青梅果実が好ましい。
最初に、梅果実20を洗浄し、この洗浄後梅果実20に付着した水分を布等で充分に拭き取る(ステップS10、S11)。そして、図3(1)に示すように、容器10中に水分を充分に拭き取った梅果実20を並べて敷き詰める(ステップS12)。
次に、図3(2)に示すように、この容器10内に敷き詰められた梅果実20上に味噌30を塗りつけるよう敷いて積層させる。この際、ヘラ等で軽く叩くようにしながら表面を平らにする(ステップS13)。ここで、ヘラ等で叩くようにするのは、梅果実20と味噌30の間や味噌30中の空気を抜くためである。
ここで、本実施例において使用される味噌30は、米味噌、麦味噌、豆味噌、の何れでも良く、また白味噌、赤味噌、何れで良いが、本施例においては赤味噌を使用しており、この赤味噌がより好ましい。
図3(3)に示すように、味噌30を敷いて積層させた後に、砂糖40を味噌30の上部に、味噌30が砂糖40で隠れて見えないように均一に敷いて積層させる(ステップS14)。このように、砂糖40を味噌30が隠れて見えないように敷いて積層させるのは、味噌30が空気に直接ふれたことにより味噌30にカビ等が生えないようにするためである。
ここで、本実施例において使用される砂糖40は、何れの種類の砂糖も良いが、本実施例においては、白砂糖又は三温糖を使用するのが好ましい。特に、三温糖は、ミネラル分も多く含むため栄養価も高く健康増進に好ましく、白砂糖は比較的低価格であるため製造コストを抑えることが可能となるものである。
このように積層させた後に、容器10の口を蓋又は紙や布等で覆い、日の当たらない涼しい所に置き、常温で略3ヶ月ほど熟成させる(ステップS15、S16)。この熟成期間中に梅果実から梅の果汁(梅酢液)がにじみ出るため、この梅酢液と味噌と砂糖が自然に溶けて混ざり合い漬け汁が出来上がる。この場合、ある程度熟成が進んだところで、容器10中の梅果実を傷つけないように味噌と砂糖を混錬すると、梅の果汁(梅酢液)と味噌と砂糖が良く交じり合うため、漬け汁の滑らかさや風味が更に増す。
このようにして出来上がった漬け汁は、そのまま生野菜等につけるドレッシングとしても使用できると共に、他の野菜等を浸漬させ漬物を製造する漬け汁として使用が可能である。また、梅の果汁(梅酢液)が染み出した後の梅果実もそのまま食することが出来る漬物となる。
<漬け汁を利用した漬物>
上記で製造された漬け汁に他の野菜等を漬け込むことにより新規な漬物を製造することができる。ここでは、茗荷を漬け込んだ漬物の例を図2及び図4を基に説明する。
ここで、茗荷とはショウガ目ショウガ科に属する多年草であり、ショウガに酷似し、葉は広披針形をしている。そして、茗荷は、芳香を有し、筍状の若い茎及び花穂が食用に供される。本実施例において茗荷とは、特に食用に供される、この筍状の若い茎(「みょうがたけ」とも言う。)又は/及び花穂(「花みょうが」又は「みょうがの子」とも言う。)を指すものである。
まず、茗荷を洗浄し、この洗浄後茗荷に付着した水分を布等で充分に拭き取る(ステップS100、S101)。漬け汁300を予め入れた容器100に、この水分を良く拭き取った茗荷200を入れ、漬け汁300に浸漬させる(ステップS102)。この場合、茗荷全体がつかる程度に漬け汁を入れておくのが望ましい。そして、容器100の口を蓋又は紙や布等で覆い、日の当たらない涼しい所に置き、このまま、常温で略8日〜12日ほど熟成させる(ステップS103、S104)。この際、茗荷の歯ざわり(シャキシャキした食感)、漬け具合等を考慮し、所望により漬け込む日数を調整すれば良いことは勿論である。また、容器100は、陶製又はホウロウ製等の酸に強い容器であれば何れであっても良く、容器のサイズも漬け込むみょうがの量に合わせたサイズであれば良いものである。
なお、実施例においては、茗荷を漬け汁に漬けた場合を説明したが、他の野菜を漬けて漬物としても良いことは勿論である。特に漬物として良く用いられている大根、蕪、人参、ゴボウ、タマネギ、生姜、蓮根、ニンニク等の根菜類は、本実施例における漬け汁につけて漬物とするのに適している。
これらの製造方法は、上記の茗荷を漬け込む方法と同様であるが、漬け込む対象が比較的大きい場合には、食べやすい大きさにカットしてから漬け込むのが良い。また、漬け込む野菜の種類によっては、漬け込む前に予め湯がいてから、漬け込んでも良いことは勿論である。
本実施例によれば、漬け汁が梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなるので、酸味を有する梅の風味をそのまま利用した添加物を含まない自然食品としての漬け汁(ドレッシングとしても使用可能)及びこの漬け汁を利用した自然食品としての新規な漬物を提供することが可能となる。
本実施例によれば、梅果実の果汁を利用するため、梅果実の果肉を使用しない漬け汁(ドレッシングとしても使用可能)を提供することが可能となる。また、梅果実の果肉を漬け汁に混合させないため、漬け汁の製造過程で使用した梅果実も漬物となり、漬物として食することが可能となる。従って、自然食品となる新規な梅果実の漬物も提供することも可能となる。
漬け汁を他のたれ汁と混ぜ、梅の風味を有する新規なケチャップ、ソース、ドレッシング等を製造することも可能である。
本発明の実施例に係る漬け汁の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る漬け汁を利用して漬物を製造する製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施例に係る漬け汁の製造工程において、梅果実、味噌、砂糖を容器に積層させる際の容器内の状態を示す容器の断面図であり、(1)は、水分を拭き取った梅果実を容器中に並べて敷いた状態を示す図、(2)は、梅果実上に味噌を敷いて積層させた図、(3)は、更に当該味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた図である。 本発明の実施例に係る漬け汁に漬物を漬ける製造工程における容器内の状態を示す容器の断面図である。
符号の説明
10,100 容器
20 梅果実
30 味噌
40 砂糖
200 茗荷
300 漬け汁

Claims (13)

  1. 梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなることを特徴とする漬け汁。
  2. 所定の容器内に梅果実を並べて敷き、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させ、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた後、所定期間熟成させることにより得られることを特徴とする漬け汁。
  3. 梅果実と味噌と砂糖の重量比は、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の漬け汁。
  4. 梅果実の果汁と味噌と砂糖とからなる漬け汁に、任意の野菜を漬け込んでなることを特徴とする漬物。
  5. 所定の容器に梅果実を並べて敷き、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させ、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた後、所定期間熟成させることにより得られた漬け汁に、任意の野菜を所定期間漬け込んで得られることを特徴とする漬物。
  6. 前記任意の野菜は、茗荷又は大根、蕪、人参、ゴボウ、タマネギ、生姜、蓮根、ニンニク等の根菜類から選ばれる野菜であることを特徴とする請求項4又は5のいずれかに記載の漬物。
  7. 所定の容器内に梅果実を並べて敷く工程と、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させる工程と、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させる工程と、これらの工程終了後に所定期間熟成させる工程と、からなることを特徴とする漬け汁の製造方法。
  8. 梅果実と味噌と砂糖の重量比は、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする請求項7に記載の漬け汁の製造方法。
  9. 所定の容器内に梅果実を並べて敷く工程と、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させる工程と、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させる工程と、これらの工程終了後に所定期間熟成させる工程と、これらの工程より得られる漬け汁に、任意の野菜を所定期間漬け込む工程と、からなることを特徴とする漬物の製造方法。
  10. 前記任意の野菜は、茗荷又は大根、蕪、人参、ゴボウ、タマネギ、生姜、蓮根、ニンニク等の根菜類から選ばれる野菜であることを特徴とする請求項9に記載の漬物の製造方法。
  11. 前記熟成させる所定期間は、略3ヶ月以上であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の漬物の製造方法。
  12. 所定の容器内に梅果実を並べて敷き、この梅果実の上部に味噌を敷いて積層させ、更にこの味噌の上部に砂糖を敷いて積層させた後、所定期間熟成させることにより得られることを特徴とする梅果実の漬物。
  13. 梅果実と味噌と砂糖の重量比は、0.8〜1.2:0.8〜1.2:0.8〜1.2であることを特徴とする請求項12に記載の梅果実の漬物。
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