JP2005149901A - 空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コロナ放電に伴うコロナ風を利用できる装置を提供する。
【解決手段】 風洞部2と、この風洞部2の空気吸引側に、少なくとも針状体6を所定の間隔で固定した平板5を複数段に平行して設けた針状電極3と、更に前記風洞部2の空気排出側に、この風洞部2内の空気流の方向に貫通する小区画を集合させた対向電極4とからなるコロナ風発生装置と、前記両電極3、4の間にコロナ放電を発生させるに必要な電圧を供給する電源9とからなることを特徴とする空気清浄装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 風洞部2と、この風洞部2の空気吸引側に、少なくとも針状体6を所定の間隔で固定した平板5を複数段に平行して設けた針状電極3と、更に前記風洞部2の空気排出側に、この風洞部2内の空気流の方向に貫通する小区画を集合させた対向電極4とからなるコロナ風発生装置と、前記両電極3、4の間にコロナ放電を発生させるに必要な電圧を供給する電源9とからなることを特徴とする空気清浄装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、コロナ放電により発生する微細なコロナ風を利用した空気清浄装置であって、更に詳しくは多数の小さな多数のコロナ風の集合流を形成し、この集合流を風洞部内で整流・増幅することによって大きな空気流を発生させ、更に、このコロナ放電に伴なって発生するオゾンやイオンの発生状態を制御することにより、消臭機能、滅菌・殺菌機能や集塵機能を持った多機能送風機からなる空気清浄装置を提供するものである。
空気清浄装置は、本体パネルと集じんフイルタと脱臭フイルタとフアンで構成されており、この本体パネル内に設けたフアンにより強制的に空気を吸い込み、フイルタを通して空気中の汚れやにおいを除去する形式のものが一般的である。また、最近は、高電圧によって塵や埃を帯電させ、集塵極に捕集するものや、帯電しイオン化した塵などを集塵フイルタで捕集する機能を付加したものがある。
空気清浄装置で捕集できるものとしては、空気中に浮遊する目に見えない細かい粒子やにおい、花粉、ハウスダストなどの粒子、ペットや調理時のにおいなどを分解したり、更にたばこの煙を構成するガス成分と粒子のうち、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などのにおい、あるいはニコチンやタールなどの粒子を除去するものが開発されている。
また、多くの空気清浄装置の送風手段としては、前記のように本体パネルの通風面に集じんフイルタや脱臭フイルタを空気を通過させるように設け、このフイルタの背面に配置された回転翼(プロペラ)をモーターで回転させて翼面の空気を送り出して集じんフイルタなどをに空気を通過させる機械的な方法で空気流を発生させる装置が実施されている。
また、エアコンの送風手段として小型のシロッコフアンなどの回転翼を駆動して室内の空気を循環させ、通風面に配置された集じんフイルタで室内の空気を濾過している。
しかし、このプロペラやシロッコフアンによる送風手段は、回転翼の風切音による騒音が発生するという不可避的な問題がある。この騒音は、回転翼の回転数を低下させても、やはり静かな部屋や夜間の寝室などでは気になる騒音であることに違いがない。
一方、実験的な段階ではあるが、コロナ放電の際に発生するコロナ風を送風に利用しようという装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、穴あき平板電極に多数開口した穴に沿って短円筒状の電極(対向電極)を設け、この電極に対向し、かつその中心に向かう針状電極を1本の金属棒上に植設したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−67423号公報
特開平10−199653号公報
前記特許文献1に記載された発明は、マイナス電極である円筒状の送風ダクトの中心の軸芯方向に支持棒を配置し、この支持棒よりプラス電極として半径方向に針状電極を所定のピッチで、しかも螺旋状に固定したもので、両電極の間にコロナ放電を発生させて前記送風ダクト内にイオン風を発生させるものである。この装置においては針状電極から生じるイオン風圧の負圧によって、ダクトの前方のイオン風射出口よりイオン風を導出されるものである。
このコロナ風発生装置は、1本の円筒状のダクト内に複数本の針電極がダクトの半径方向、かつ螺旋状に配置されている。しかし、コロナ風は針状電極を構成している針電極の延長方向に発生するものであるので、この装置で発生するコロナ風は送風ダクト内面に向かう流れとなる。従って、このコロナ風は送風ダクトの内面に向けて噴出し、その内面に衝突した後、旋回しながらダクトの出口側より噴出されることになる。このことは、コロナ風の発生方向と送風方向とがずれていることになり、そのため、この発明の装置を実用化して強いコロナ風の大きな流れを形成することは困難である。
また、前記特許文献2に記載された発明は、多数の穴を直線的に開口した平板電極の前記穴に円筒電極を固定し、この平板電極をプラス極とし、また、棒状金属に針状電極を直立して設けた放電電極をマイナス極とし、更に、前記円筒電極の内面にオゾン分解触媒又は活性炭を塗布しており、コロナ放電に伴なってオゾン分子をイオン風から除去すると共に、コロナ放電に伴なって発生する負イオンの電界移動に伴て発生するイオン風を外部に取り出すように構成したものである。
この発明においては、複数の円筒電極と針電極とを配列したことにより、これに見合ったコロナ風を発生させることが可能である。しかし、発生したコロナ風を整流・加速する手段が設けられていないことから、大量のコロナ風を高速、例えば5m/s以上で送風する装置を製造することができず、この装置も実用化できる程度の風量を有するものを製造することは困難であると考えられる。
本発明は、前記特許文献などで提案されているコロナ風の発生装置が実用化できない程度の弱いコロナ風しか発生できない点を改良し、多数のコロナ風の発生素子を組合わせて風量を増加させると共に増速させるように構成したことを特徴とするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る空気清浄器は次のように構成されている。
1)筒状体からなる風洞部と、この風洞部の空気吸引側に、少なくとも針状体を所定の間隔で固定した平板を複数段に平行して設けた針状電極と、更に前記風洞部の空気排出側に、この風洞部内の空気流の方向に貫通する小区画を集合させた対向電極とからなるコロナ風発生装置と、前記両電極の間にコロナ放電を発生させるに必要な電圧を供給する電源とからなることを特徴としている。
2)前記風洞部は、円筒形断面あるいは四角形断面に形成されていることを特徴としている。
3)前記針状電極は、平板を平行して設けた平行格子、あるいは平板を縦横もしくは斜交して配置した直交格子又は斜交格子のいずれかで形成されていることを特徴としている。
4)前記対向電極は、小径の短円筒を集合させた円格子、あるいは平板を縦横もしくは斜交じて配置した直交格子または斜交格子、もしくはハニカム体からなる小区画を集合させた格子状体であることを特徴としている。
5)前記針状電極を構成する針状体を固定した平板の間隔は8〜25mmであり、また、対向電極を構成する円格子、直交格子、斜交格子あるいはハニカム体からなる格子状体の直径ないし平均直径は8〜25mmであることを特徴としている。
6)前記針状電極を構成する針状体の本数と、前記円格子、直交格子または斜交格子、あるいはハニカム体を構成する格子状体の数とは同数であり、かつ、前記各針状体の中心と前記各格子の中心とが一致、あるいはほぼ一致していることを特徴としている。
7)所定本数の針状体と並行板、あるいは針状体と格子状体とからなるユニット針電極を形成し、このユニット針電極を平面的に連結して所定の面積を持つ針状電極を構成したことを特徴としている。
8)小径の短円筒を集合させた円格子、あるいは平板を縦横もしくは斜交して配置した直交格子または斜交格子、もしくはハニカム体からなるユニット対向電極を形成し、このユニット対向電極を平面的に配列して所定の面積を持つ対向電極を構成したことを特徴としている。
9)針状電極と、この針状電極と所定の間隔をおいて配置された対向電極を1対のコロナ放電電極とし、このコロナ放電電極を1本の筒状体からなる風洞部内に直列的に配置したことを特徴としている。
10)針状電極と、この針状電極と所定の間隔をおいて配置された対向電極を1対のコロナ放電電極とし、このコロナ放電電極を1本の筒状体からなる風洞部内に直列的に配置し、前記各コロナ放電電極に任意の放電電圧を印架することによって風洞部からの排出量、清浄作用を制御するように構成したことを特徴としている。
請求項1の発明は、筒状体からなる風洞部と、この風洞部の空気吸引側に、少なくとも針状体を所定の間隔で固定した平板を複数段に平行して設けた針状電極と、更に前記風洞部の空気排出側に、この風洞部内の空気流の方向に貫通する小区画を集合させた対向電極とからなるコロナ風発生装置と、前記両電極の間にコロナ放電を発生させるに必要な電圧を供給する電源とからなることを特徴としている。
従って、風洞部内において、針状電極を構成する平板からなる整流板によって風洞部内に吸引される空気流を風洞部の前部で整流する。この整流された空気流に沿って、多数の針状体と対向電極との間にコロナ放電を発生させてコロナ放電の束を形成する。
このようにしてコロナ放電処理された空気流は、格子状に形成されている小区画の集合体である対向電極に向かって流れ、前記小区画を貫通して再び整流作用を与えながら風洞部の後端の開口より排出される。
この多数の空気流の整流作用と放電作用は1本の風洞部内に行なわれることから、小さなコロナ風は共動して強め合い、互いに乱れを補正し合いながら空洞部の後端より排出されるので、大きな流れを形成する。
風洞部内に吸引された空気の流れは、前記のように風洞部の前段と後段との二段階(あるいは多段階)に整流されて乱れが少ない流れとなり、風洞部の後端より排出されるが、その間にコロナ放電処理されているので、消臭、減菌、殺菌、集塵機能により処理されて排出される。
前記のように針状電極と対向電極との間を流れる空気は、可能な限り渦を発生させないように整流され、この状態で多数の針状体の本数に応じてコロナ放電処理されるので、針状体の先端で発生した空気流の速度、例えば、6m/sを殆んど減少させることなく風洞部の後端部より排出するので、高速かつ広い面積の、整流されて平均した流速を持つ大きな空気流を形成することができる。
本発明に係る空気清浄装置は、1本の風洞部内で少なくとも二段階の整流機能を与え、この整流された空気にコロナ放電処理することから、風洞部内で発生する多数のコロナ放電によって均質に処理しながら、広い面積の高速の空気流を排出することが可能である。
本発明に係る装置は、風洞部と、これの内部に設置される針状電極と対向電極の大きさや個数を変更することにより、かなり広い面積のコロナ放電処理された空気を高速で排出することできる。
請求項2の発明により、各種の断面を持つ風洞部を提供することができる。
請求項3の発明により、大量の空気を処理できる整流格子の構成と、この整流格子に固定する針状体からなる針状電極を提供できる。
請求項4の発明により、対向電極としての最適な構造を提案できる。
請求項5の発明により、実用化できる大きさの針状電極と対向電極を提供できる。
請求項6の発明により、針状電極と対向電極との最適な姿勢を保持し、効率的に高速のコロナ風を発生できる装置を提供できる。
請求項7の発明により、針状電極のユニット体を形成し、このユニット体を平面的に並べて精度が高く、大型の針状電極を提供できる。
請求項8の発明により、対向電極のユニット体を形成し、このユニット体を平面的に並べて精度が高く、大型の対向電極を提供できる。
請求項9の発明により、直列型のコロナ送電装置を内蔵する風洞部を持ち、特に圧力が高くて風量の大きなコロナ風の送風装置を提供できる。
請求項10の発明により、複数のコロナ送電装置を一つの風洞部内に配置し、更に、個々のコロナ放電装置に、異なる条件、あるいは一部が異なる条件の放電作用を与えることにより、必要とする風量と風速とを持つ大量のコロナ風を発生する空気清浄装置を提供することができる。
本発明に係る送風能力のある空気清浄装置の用途としては、前記のように排出される空気を消臭・減菌・殺菌処理することができるので、例えば養鶏場や養豚場の空気の調整装置として利用できることは勿論、野菜栽培用のハウス内の空気浄化装置として使用することができる。
また、本発明に係る空気清浄装置は、空気の排出面を広くし、均一な速度の空気を騒音もなく噴出するので、放電の電圧の調整により、室内の空気の状態に合わせて浄化処理として、あるいは静粛な送風機として使用することができる。
更に、病院や各種の製造設備の作業雰囲気の浄化装置、あるいは医療器具の殺菌装置、食品の殺菌装置、食品保存用殺菌装置その他、空気流を必要とする場所における空気浄化装置として使用することができる。
特に、針状電極と対向電極とを所定の多くさでユニット化し、これの組合わせによって大型化して大風量を発生する装置としたり、直列化して高圧空気の供給装置とするなど、従来の実験装置しか適用できなかったものを実用機として製作することが可能であり、その意味において本発明の応用性は極めて広い。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る空気清浄器の主要部を示す説明図であって、この空気清浄器1は円筒状の風洞部2の一方(入口側)に針状電極3と、他方(噴出側)に対向電極4を配置している。
この実施例における風洞部2は円筒状であって、その端部2a(空気吸引側)がラッパ状に拡開されており、その内面が滑らかな壁面に形成された渦の発生が少ない風洞を構成している。この風洞部2は、FRPなどを電気絶縁性の合成樹脂で形成されている。
また、針状電極3は、整流板5の片面に、所定の間隔で針状体6が固定されて針状体6の集合体ないし配列体を構成している。また、対向電極4は小径で短い円筒体7の集合体であって、この図の実施例においては、中心の円筒体7aの周囲に6個の円筒体7bが配置されて集合体となって円格子あるいは小区画の集合体を形成している。
そして針状電極3は、風洞部2を層状に横切って整流板5が所定間隔で平行して配置され、これらの整流板5によって拡開部2a側より吸入される空気Aを層状に分断することによって整流している。一方、前記対向電極4は、全体として円格子(一種のハニカム体あるいは小区画体である)を形成しており、この対向電極4の小区画内を貫通させることによって空気流を更に細分化して整流するように構成されている。
前記針状電極3を構成する平板の間隔は8〜25mmが好ましく、8mm未満であると空気の抵抗が増大する傾向がある。また、25mmより大きいと、空気流を切断する効果が薄くなり、整流効果が劣ることになる。結局、前記範囲内で設計するのが良い。
また、針状電極3と対向電極4との間に間隔Dが設けられているが、この間隔Dは空洞部2内に発生した空気流を加速する作用をするものであり、空洞部2の内径や電圧等に関係するコロナ風の強さなどを考慮して決定されるものである。
そして前記針状電極3と対向電極4との間に電源9が接続され、この電源9より針状電極3と対向電極4との間に、必要とする強さのコロナ風を発生させる電圧、例えば、7〜15kvの直流が与えられている。なお、装置によっては交流を使用する場合もあるが、これは多くはない。
前記通電により針状電極3を起点として対向電極4に向かってコロナ放電が発生し、それに伴なって針状電極3より対向電極4に向かってコロナ風を発生し、それに伴なって空洞部2の入口側の端部2aに負圧が発生して空気Aを連続して吸引するようになる。そしてこの空洞部2を通過する間に、複数の整流板5で第1段の整流が行なわれ、複数個の円筒体7からなる小空間を貫通することによって更に整流され、そして他方の端部2bより整流された加圧空気Bとして高速で噴出する。
(コロナ風の速度の保持について)
図7を参照して針状電極を構成している1本の針状体6nと、これに対向して保持された平板電極4nとの間に通電してコロナ放電させると、針状体6nの先端6mでコロナ風、つまりイオン風が発生する。
(コロナ風の速度の保持について)
図7を参照して針状電極を構成している1本の針状体6nと、これに対向して保持された平板電極4nとの間に通電してコロナ放電させると、針状体6nの先端6mでコロナ風、つまりイオン風が発生する。
このコロナ風の風速を測定してみると、針状体6nの先端部6mにおいて6m/sに近いものとなっている。このコロナ風は、直径が1mm以下のピンポイント的に発生しており、一般的にはそれより大きな流れを形成しない。
このコロナ風は、直径が1mm以下で、あまりにも小径であることから、針状体6nの先端部6mでかなりの速度を有した状態で発生(放出)していても、その周囲に小さな渦vを多数発生する。この多数の渦vは、針状体6nの先端6mから発生する細く鋭い流れに、恰もブレーキをかけるように、まとわりつくので、折角発生したコロナ風の風速を急速に減衰させることになる。
また、図7に示したように、対向電極として平板電極4nをコロナ風を受け止めるような状態で設けられている場合には、これが邪魔になって目的とする有用なコロナ風を得ることができない。そこで、この平板電極4nの代わりに図示しない短い円筒体を使用した対向電極の場合を考慮すると、この円筒体が形成する小区画にコロナ風を通過させることができる。
従って、この円筒体を対向電極として使用した場合は、針状体の先端から発生したコロナ風を前記円筒体を貫通させて流すことが可能となる。これに対して、従来のコロナ風の発生装置は、針状体の先端で発生したコロナ風を、積極的に対向電極である円筒体の中に引き込む機能がないので、この円筒体を通過した後では約2m/sec程度に急速に低下してしまい、実用化できる装置を得ることはできない。
本発明者等がこのコロナ風の風速の変化の状態を分析して見ると、図7に示すように針状体の先端で発生した、鋭く、しかも細い径を持つ空気の流れをエネルギー源として、その周囲に微細な渦が多数発生するが、前記のように、この多数の渦の駆動力として、コロナ放電によって発生した空気の流れが持っているエネルギーが消費されてしまうのである。
本発明においては、風洞部2内に針状体6を多数本所定間隔で林立配列すると共に、この針状体6と共に整流板5を配列して針状電極3を構成し、前記針状体6の先端で発生したコロナ風を乱さない電極構造を採用する(図1、2)。そして針状電極3で発生した多数のコロナ風の束状の集合体を、対向電極4を介して効率的に引き出し、風洞部2の後方より積極的に放出する電極構造を採用する。
この対向電極4は、針状電極3の部分で発生し、この針状電極3を構成する整流板5によって整流されたコロナ風を乱すことなく効率的に引き出すために格子状であることが必要である。また、前記針状体6の軸芯を中心とする短い筒状体、好ましくは円筒体7とする。
この円筒体7を集合させることによって全体として小区画ないし小空間の集合体、又はハニカム体、あるいはこれと同様な機能を持つ直交格子、斜交格子などを採用することによって、針状体6の先端より発生した微細なコロナ風を、なるべく乱さないようにしながら前記円筒体7を案内部材とし、また、整流部材としてその中を貫通させるのである。しかも、これらの操作は、1本の筒状体の風洞部2内に行なわれることが重要である。
本発明は、個々の針状体の先端より発生した小径ではあるが、鋭く高速の空気の流れを、可能な限り混合させないようにしながら、対向電極の小空間を介して整流し、その後部より放出するものであり、この全体作用を可能とする構造として、風洞部と整流機能を持つ針状電極と、同様に整流機能を持つ対向電極とを有機的に組合わせたものである。
本発明においては、風洞部の採用によりコロナ放電している空間と、それ以外の空間とを仕切っている。そしてコロナ放電している空間内において多数本の小径ないし小空間あるいは小区画内において空気流を、束状に整流し、これを対向電極である小区画の集合体の格子体内に流入させ、通過する間に整流して放出するものである。
この小径の空気の流れの状態は、あたかも多数本の電線を束ねて1本の多芯ケーブルの状態にしたものであって、これは1本の電線の周りを多数の電線が保護しているようなものであり、整流されて速度が合わせられた空気流は、互いに乱れを発生させないように保護し合うような状態となって流れており、従って、もともと高速であって空気流は、その風速を最後まで維持できるのである。
前記のように風洞部2の内部に配置された整流機能を持つ針状電極3と、格子ないし格子状であって整流機能を持つ対向電極4と間に針状体6の本数に応じた多数のコロナ放電が発生するのであるが、このコロナ放電により前記空洞部2の中を流れる空気の消臭、減菌、殺菌、集塵、除電などの効果を発揮するのである。
図2は針状電極3の斜視図であって、横整流板5aと縦整流板5bとによって正方格子として組まれ、この格子の各交点に針状体6を固定している。
また、図3には、例えば直径が8〜25mm、長さが5〜30mmの小径で短い円筒体7を縦横に整列させ、各円筒体7の接触部分を溶接して一体化して円格子を構成し、これを対向電極4としたものである。この円格子の場合は、4個の円筒体7の集合部分に十字星形の空間が形成されるが、この部分も風を整流する機能を持っており、従って、この空間を塞がないようにしておくと、除菌効果に寄与することができる。
また、除菌効果を更に上げるためには、前記図1の装置を直列に連結して多段、多重に構成すると良い。この直列配置の装置の場合、装置の設計上の問題などから、前段の対向電極を構成する円筒体あるいはハニカム体の中心と、後段の対向電極を構成する円筒体などの中心とはずらす場合もある。直列にする段数としては、2〜5段程度である。
図4は、図2に示した針状電極3と円格子からなる対向電極4をその内部に配置する角型の風洞部2を示すものである。この図においては内面を平板状に形成した角筒としているが、空気の流入側端部に縮小ベルマウスを形成することによって空気流の整流と増速に寄与させることができる。
図5は円筒状の風洞部2Aの空気流入側に、複数枚の平板を平行に設けた整流板5cに所定間隔で針状体6aを固定して構成した針状電極3Aを設け、更に、この針状電極3Aで整流加速された空気の排出側にハニカム形の対向電極4Aを設けたコロナ風発生する空気清浄装置1Aを示している。
また、図6は角筒形の風洞部2Bの空気流入側に、図1に示した装置に使用された針状電極3と同様な針状電極3Bを設け、更に空気の排出側にハニカム形の対向電極4Bをそれぞれ設けてコロナ風発生装置を構成した空気清浄器1Bを示している。
本発明に係る空気清浄装置は、1本の筒状体である風洞部内において多数のコロナ放電電極を対向配置することによって前記風洞部内に小さなコロナ放電の集合体を形成し、この中で少なくとも二段の整流作用と共にコロナ放電作用が与えられ、針状電極において発生した高速のコロナ風を減速させることなく噴出させるので、十分に実用機として耐える風速と風圧を持つ空気清浄装置を提供することができる。
また、針状電極と対向電極を所定の大きさでユニット化しておき、これを組合わせることで大型化して大風量を発生する装置とすることができる。また、針状電極と対向電極を1対としてこれを風洞部内に直列的に配置することによって、高圧空気の供給装置とすることを可能である。このように本発明は、従来の実験装置しか適用できなかった装置を実用機として製作することが可能であり、その意味において本発明の応用性は極めて広い。
本発明の空気清浄装置は、実質的に騒音がなく、静粛に運転できる上に、コロナ放電に伴なって消臭機能や減菌、殺菌を持ち、更に集塵機能を持っているので、病院の各種殺菌装置、養鶏・養豚場における殺菌・空調装置、各種の植物の栽培用ハウスの空調にも応用できる。特別な例として、コンテナ内やトンネル内、あるいは閉鎖された空間(押し入れや収容庫など)の空調などに有効に利用することができる。
1 空気清浄装置 2 風洞部 2a 拡開部 3 針状電極
4 対向電極 5 整流板 5 整流板 6 針状体 9 電源
4 対向電極 5 整流板 5 整流板 6 針状体 9 電源
Claims (10)
- 筒状体からなる風洞部と、この風洞部の空気吸引側に、少なくとも針状体を所定の間隔で固定した平板を複数段に平行して設けた針状電極と、更に前記風洞部の空気排出側に、この風洞部内の空気流の方向に貫通する小区画を集合させた対向電極とからなるコロナ風発生装置と、前記両電極の間にコロナ放電を発生させるに必要な電圧を供給する電源とからなることを特徴とする空気清浄装置。
- 前記風洞部は、円筒形断面あるいは四角形断面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 前記針状電極は、平板を平行して設けた平行格子、あるいは平板を縦横もしくは斜交して配置した直交格子又は斜交格子のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 前記対向電極は、小径の短円筒を集合させた円格子、あるいは平板を縦横もしくは斜交して配置した直交格子または斜交格子、もしくはハニカム体からなる小区画の集合体の格子状体であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 前記針状電極を構成する針状体を固定した平板の間隔は8〜25mmであり、また、対向電極を構成する円格子、直交格子、斜交格子あるいはハニカム体からなる格子状体の直径ないし平均直径は8〜25mmであることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 前記針状電極を構成する針状体の本数と、前記円格子、直交格子または斜交格子、あるいはハニカム体を構成する格子状体の数とは同数であり、かつ、前記各針状体の中心と前記各格子の中心とが、ほぼ一致していることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 所定本数の針状体と並行板、あるいは針状体と格子状体とからなるユニット針電極を形成し、このユニット針電極を平面的に連結して所定の面積を持つ針状電極を構成したことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 小径の短円筒を集合させた円格子、あるいは平板を縦横もしくは斜交して配置した直交格子または斜交格子、もしくはハニカム体からなるユニット対向電極を形成し、このユニット対向電極を平面的に配列して所定の面積を持つ対向電極を構成したことを特徴とする請求項4記載の空気清浄装置。
- 針状電極と、この針状電極と所定の間隔をおいて配置された対向電極を1対のコロナ放電電極とし、このコロナ放電電極を1本の筒状体からなる風洞部内に直列的に配置したことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
- 針状電極と、この針状電極と所定の間隔をおいて配置された対向電極を1対のコロナ放電電極とし、このコロナ放電電極を1本の筒状体からなる風洞部内に直列的に配置し、前記各コロナ放電電極に任意の放電電圧を印架することによって風洞部からの排出量、清浄作用を制御するように構成したことを特徴とする請求項9記載の空気清浄装置。
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