JP2005149344A - 指紋認証装置及び指紋認証処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 図示のフローは権限を持った人のみ印刷を許可するために指紋認証を行う制御手順を示す。認証に必要な特徴量データをHDDに蓄積したデータベースからROM(不揮発性)に複製する。認証(S207)に用いた特徴量データはROMに保持されるので、その後の照合処理では、先ずROMをアクセスすることにより、HDDへのアクセスに比べ高速化を図る。所定の期間にROMの複製データにアクセスが発生しなかった場合(期間管理情報をS210で付与)に、データの消去を行う(図中タスク2)ことにより、ROM利用の効率化を図る。
【選択図】 図4
Description
また、下記特許文献2には、高いセキュリティを保証することを目的として暗証番号の入力操作を行う際に同時に指紋の読み取りを行い、暗証番号と指紋情報の一致、不一致による認証を行う認証装置が示されている。この例では、指紋情報として読み取った指紋の特徴量を抽出し、この特徴量を登録されている指紋の特徴量との一致性を判定し、照合結果を求めている。
また、この方法による場合、照合に用いる特徴量等のデータの量、照合に要する処理システムの規模及び処理速度は、指紋情報から特徴量を抽出する、或いは照合するために使用される処理アルゴリズムに依存する。つまり、照合処理に使用されるアルゴリズムはいくつかの種類があり、アルゴリズムによってデータ処理方法が異なるため、処理は高速であるが使用メモリ量が多く認証精度が少し劣る、或いは処理は低速であるが使用メモリ量が少なく認証精度が良い、といった違いが生じる。
指紋情報から特徴量を抽出する、或いは照合するために使用されるアルゴリズムについては、従来、特許文献1に例示するように、様々な指の条件或いは指紋読み取り条件に応じて最も適合する照合アルゴリズムを選択するという方法の提案はあるが、高認証率で処理を高速化することに加え、メモリ量等の膨大化、延いては装置規模の大型化を防ぐという観点で照合アルゴリズムを適用する方法ではなく、この問題は未解決である。
また、実際に装置を構成する際に、特徴量等の照合用のデータは、データベース化して管理され、必要に応じてデータベースからワークメモリに複製(ダウンロード)して照合に使用している。この場合、データベースは、HDDのような大容量の比較的低速読み出しの記憶手段を用いることが想定され、高速化を妨げる要因になってしまう。HDD(大容量の比較的低速読み出しの記憶手段)によりデータベースを構築する場合に起きるこの問題に対し、従来から一般的な技術としてある、フラッシュROMのような低容量であるが高速読み出しが可能な記憶手段をHDDに組み合わせて利用する方法を適用することが考えられる。これは、HDDに構築したデータベースからその都度読み出すのではなく、過去にデータベースから取り出して用いたデータはフラッシュROMに保持しておき、そこをワークメモリからアクセスするという方法により、高速化を保証するものである。しかしながら、過去に用いたデータを無制限に低容量のフラッシュROMに保持すると、フラッシュROMを無駄に利用することになりかねず、有効利用が妨げられるという問題が生じる。
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、これを解決するためになされたもので、その解決課題は、照合処理により指紋認証を行う指紋認証装置において、認証率を低下させること無く照合処理を高速化し、メモリ量の膨大化、延いては装置規模の大型化を防ぐという目的を実現することにある。
また、特徴量等の照合用のデータをデータベースから比較的に高速読み出しが可能な記憶手段に複製して照合に使用する際に、高速化を保証するために用いる該記憶手段の利用の効率化を可能とし、メモリ量の膨大化、延いては装置規模の大型化を防ぐという目的を実現することをさらなる解決課題とする。
請求項2の発明は、指紋情報が入力され、指紋とその特徴量を対応付けて登録した照合用指紋情報のデータベースが利用可能なコンピュータに、入力された指紋情報から認証精度の異なる方式によって特徴量を抽出する手順、認証精度のより低い方式により抽出した特徴量と前記データベースに登録された特徴量とを比較し、その結果をもとに認証対象とする指紋に近い認証候補を得る前段の指紋照合手順、認証精度のより高い方式により抽出した特徴量と前段の指紋照合手順により得た認証候補の前記データベースに登録された特徴量とを比較し、同一性を判断する後段の指紋照合手順、を実行させるための指紋認証処理プログラムである。
請求項3の発明は、認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶される複数の記憶手段よりなり、該記憶手段間で照合用指紋情報の呼び出し要求に応じて照合用指紋情報を複製し、複製先の記憶手段に対し優先的にアクセスが行われる照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から特徴量を抽出する手段と、抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する指紋照合手段と、複製した照合用指紋情報に対し所定期間にアクセスが発生しなかったことを条件に複製先の該情報を消去する手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置である。
請求項4の発明は、請求項3に記載された指紋認証装置において、複製先の情報を消去する条件として所定回数のアクセスの発生を加え、前記所定期間、所定回数の少なくとも一方に任意の値を設定可能にする手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶される複数の記憶手段よりなり、該記憶手段間で照合用指紋情報の呼び出し要求に応じて照合用指紋情報を複製し、複製先の記憶手段に対し優先的にアクセスが行われる照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から特徴量を抽出する手段と、抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する指紋照合手段と、複製した照合用指紋情報の記憶位置をアクセス頻度の高い順番に並べ替える手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置である。
請求項6の発明は、認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶される複数の記憶手段よりなり、該記憶手段間で照合用指紋情報の呼び出し要求に応じて照合用指紋情報を複製し、複製先の記憶手段に対し優先的にアクセスが行われる照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から特徴量を抽出する手段と、抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する指紋照合手段と、複製した照合用指紋情報のアクセス順管理情報を頻度の高い順番に書き換える手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置である。
請求項3の発明によると、複製した照合用指紋情報に対し所定期間にアクセスが発生しなかった場合、複製先の該情報を消去するようにしたので、複製先(高速読み出しが可能な記憶手段)の利用の効率化が可能となり、メモリ量の膨大化、延いては装置規模の大型化を防ぐことができる。また、請求項4の発明では、消去条件としてさらに所定回数を加え、所定期間、所定回数の少なくとも一方に任意の値を設定可能にしたので、装置の使用傾向を加味した最適な制御が可能になる。
請求項5の発明によると、複製先(高速読み出しが可能な記憶手段)における照合用指紋情報の記憶位置をアクセス頻度の高い順番に並べ替えるようにしたので、読み出し時間が短縮化され、高速化が可能になる。
請求項6の発明によると、複製先(高速読み出しが可能な記憶手段)における照合用指紋情報のアクセス順管理情報を頻度の高い順番に書き換えるようにしたので、読み出し時間が短縮化され、高速化が可能になる。
以下に示す実施形態において、指紋認証装置はプリンタに組み込まれ、印刷出力のセキュリティを保証する機能を実現するための手段として働く。印刷出力のセキュリティの保証機能は、印刷データにステータスを持たせ、ステータスを持たせた印刷データによる印刷出力を特定の人だけにより行えるようにする機能である。特定の人であるかを指紋の認証により行い、そのために本発明に係わる指紋認証装置を用いる。
そこで、先ず本発明に係わる指紋認証装置を組み込んだプリンタシステムについて、その実施形態を例示し説明する。
図1は、本実施形態のプリンタシステムの概略構成を示す。図示のプリンタシステムを構成するプリンタ本体1000は、プリンタ全体を制御するコントローラ100を有し、その制御下に電源を制御する電源ユニット200、印刷データに基づき像担持体に可視化像を形成する画像形成ユニット300、形成された可視化像を印刷用紙に定着させる定着ユニット400、印刷用紙の給紙トレイ500、印刷用紙の排紙トレイ600、表示手段を持ちGUI機能に従いオペレータが設定条件や指令の入力操作を行うとともに、装置の動作状態や操作状態等の情報をオペレータに伝える操作部700、印刷用紙の搬送システム800を備える。
CPU101はROM102に格納しているプログラムを逐次読み出し、制御用ASIC105を介して各デバイス及びインターフェイスの制御を行う。
内部拡張インターフェイス106には、データ蓄積用のハードディスク(HDD)900が接続されている。HDD900は内部に備えた画像メモリ103やROM102よりも比較的大容量の記憶容量を持ち、後述する指紋情報(特徴量)のデータベースをここに構築する。
ホストインターフェイス(1)107には、コンピュータ(PC:パーソナルコンピュータ)2000が接続されており、このインターフェイスを介して送信してくる印刷データを受け取る。ホストインターフェイス(2)108には、指紋センサユニット1100が接続されており、このインターフェイスを介して該指紋センサで読み取った指紋情報を受け取り、指紋認証に用いる。
本実施形態において、指紋認証装置はプリンタに組み込まれ、印刷出力のセキュリティを保証するために必要とされる指紋認証機能を実現する。即ち、この機能は、コントローラ100内のROM102に搭載した指紋認証処理プログラムを用い、このプログラムに記述された処理手順をCPU101に実行させることにより実現される。
本実施形態に係わる指紋認証装置として、以下に「実施形態1」〜「実施形態5」を示す。「実施形態1」は、複数の異なる抽出方法(アルゴリズム)を用いて抽出した特徴量を用いて認証処理の高速化、処理の効率化を図るものであり、前段で一つ抽出方法を用いて抽出された特徴量による照合手順を行った後、この照合手順により絞り込んだ候補に対し別の抽出方法を用いて抽出された特徴量による照合手順を実行するもので、認証処理そのものを特徴とする。他方、「実施形態2」〜「実施形態5」は、特徴量等の照合用データの高速アクセスを可能にするために用いる記憶手段(データベースから照合用データがダウンロードされる)の利用の効率化を可能とし、メモリ量の膨大化、延いては装置規模の大型化を防ぐことを意図する記憶手段の管理を特徴とする。なお、「実施形態1」〜「実施形態5」のいずれも、コントローラ100がホストコンピュータ2000からの印刷要求を受け取って起動する印刷出力制御の一環として各々の処理を実行する例を示す。
この実施形態は、認証処理の高速化、処理の効率化を意図して、異なる認証アルゴリズムによる処理を多段に(ここでは2段の例を示す)行うものである。
図3は、本実施形態における指紋認証処理を含む印刷出力制御手順を示すフローチャートである。
図3の制御フローを参照して制御手順を説明する。コントローラ100がホストインターフェイス(1)107を介してホストコンピュータ2000から送信されてくる印刷要求を受けて、印刷出力制御を開始すると、まず、送信されてくる印刷データ等のデータを受信し(ステップS101)、受信した印刷データを一旦HDD900に格納するとともに、CPU101によりデータを解読し、画像メモリ103上に画像データを展開する(ステップS112)。その際、本例では印刷出力のセキュリティを保証するための機能を働かせる。この機能は、印刷データにステータスを持たせておき、ステータスを持たせた印刷データによる印刷出力を特定の人だけにより行える(権限を持ったもののみ印刷を許可する)ようにする機能である。この機能を働かせるためにこの制御フローにおける手順として、ホスト側で印刷データに付加された権限ステータスの有無をチェックし(ステップS102)、このステータスがない場合には、直ちに印刷出力を行うための通常の手順として画像メモリ103上へ画像データを展開する上記ステップS112を行うようにする。
他方、権限ステータスがある場合には、権限が与えられた本人によって印刷が指示されたことを指紋の認証により確認し、認証できた場合に印刷出力処理を行うようにする手順を実行する。手順としては、まず、受信した印刷データをHDD900に蓄積する(ステップS103)、と同時に予め設定によりグルーピングしておいた権限ステータスに適合した人の指紋特徴量データを画像メモリ103にダウンロードする(ステップS104)。なお、指紋特徴量データは、人とその人の指紋から抽出した特徴量データを対応付けて登録し、さらに上記した権限ステータスの有無等による分類情報を付加して、分類情報によりデータの検索ができるようにして、HDD900上に特徴量データベースを構築する。
指紋センサユニット1100から逐次転送される指紋画像データは全データの転送が完了し、一旦画像メモリ103上に蓄積されたことを確認した後(ステップS105-YES)、指紋画像データをもとに指紋認証の照合処理に必要な特徴量データの抽出を行う(ステップS106)。本実施形態では、指紋認証を異なるアルゴリズムによる2段階処理で行う、即ち比較的処理が軽いが認証率の低いアルゴリズムと処理が重いが認証率の高いアルゴリズムとを用い、まず前者によって近い指紋を持つデータをピックアップし、候補を絞り込んだ後に後者の認証率の高いアルゴリズムによって本人/他人の認証(同一性)を最終的に判定する。従って、この特徴量データの抽出においては、異なる認証アルゴリズムに用いる特徴量データの抽出をそれぞれ行う。
指紋センサユニット1100が読み取った指紋画像データに対する特徴量データの抽出を全て完了したことを確認し(ステップS107)、認証アルゴリズムによる認証処理の実行に移行する。
1段目の処理では、認証率の低い指紋認証アルゴリズムaを用いることにより近い特徴量を持つと判断した指紋(特徴量データ)がいくつか得られるという条件設定をしているので、得られるいくつかの指紋(特徴量データ)を候補データとしてピックアップし、これを画像メモリ103に保持しておく(ステップS109)。
次に2段目の指紋認証処理として、認証率の高い指紋認証アルゴリズムbをステップS109でピックアップされた候補データに対し用いて、詳細な比較照合を行う(ステップS110)。この処理では、最も近いという結果を得た特徴量データが本人/他人を判断する閾値を超えるか否かで認証を行うようにする条件設定をしているので、本人/他人のいずれかを認証結果として得る。
他方、認証できた場合には(ステップS111-YES)、ステップS103でHDD900に蓄積した印刷データをもとに画像メモリ103上に画像データを展開する(ステップS112)。
次いで、印刷準備の完了を確認して(ステップS113)、画像形成ユニット300の画像書き込み部への画像データの送信等の印刷出力部への制御動作を行い、印刷出力制御手順を終了する。
本実施形態は、指紋認証に用いる特徴量等の照合用データのアクセスを高速化するために用いる記憶手段(ROM102)の利用の効率化を可能とするメモリ管理に係わる。
本実施形態では、HDD900に特徴量データベースを作った場合に、認証に必要なデータをこのデータベースからROM102に複製(ダウンロード)する。ROM102はフラッシュメモリのような不揮発性メモリであるから、認証に用いた特徴量データを電源がOFFされても保持し続ける。したがって、その後の照合処理では、反復して使用する人の認証がすぐにできるという理由から、先ずここへアクセスし、HDD900へのアクセスに比べ高速化を図るようにしている。
また、このように利用されるROM102において、所定の期間にROM102等の複製データにアクセスが発生しなかった(再認証がされなかった)場合に、データの消去を行うことにより、ROM102の利用の効率化を図ることができるようにするものである。
図4は、本実施形態における指紋認証処理を含む印刷出力制御手順を示すフローチャートである。
図4にタスク1として示す制御フローを参照して制御手順の説明をする。コントローラ100がホストインターフェイス(1)107を介してホストコンピュータ2000から送信されてくる印刷要求を受けて、印刷出力制御を開始すると、まず、送信されてくる印刷データ等のデータを受信し(ステップS201)、受信した印刷データを一旦HDD900に格納するとともに、CPU101によりデータを解読し、画像メモリ103上に画像データを展開する(ステップS212)。その際、本例では印刷出力のセキュリティを保証するために、印刷データにステータスを持たせ、ステータスを持たせた印刷データによる印刷出力を特定の人だけにより行える(権限を持ったもののみ印刷を許可する)ようにする機能を働かせる。そのためにホスト側で印刷データに付加された権限ステータスの有無をチェックし(ステップS202)、このステータスなければ、直ちに印刷出力を行うための通常の手順として画像メモリ103上への画像データを展開する上記ステップS212を行う。
他方、権限ステータスがある場合には、指紋の認証を行って権限を持つ人によって印刷が指示されたことが認証された場合に、印刷出力処理を行うようにする手順を実行する。手順としては、受信した印刷データをHDD900に蓄積し(ステップS203)、その後に指紋の認証を実行する。
指紋センサユニット1100から逐次転送される指紋画像データは全データの転送が完了し、一旦画像メモリ103上に蓄積されたことを確認した後(ステップS204-YES)、指紋画像データをもとに後段の指紋認証処理に必要な特徴量データの抽出を行う(ステップS205)。指紋センサユニット1100が読み取った指紋画像データに対する特徴量データの抽出を全て完了したことを確認し(ステップS206)、次段の処理に移行する。
次に、認証アルゴリズムによる指紋認証処理を実行する(ステップS207)。
指紋認証処理の方法は、ステップS205で抽出された特徴量データと特徴量データベースから取り出した特徴量データ群とを照合する方法で、基本的に「1:n認証」、即ちn個の特徴量データ群の一つ一つを抽出特徴量データと比較して一致する或いは近いと判断される指紋を選択する方法を用いる。
上記特徴量データベースは、人とその人の指紋から抽出した特徴量データを対応付けて登録し、さらに上記した権限ステータスの有無等による分類情報を付加して、分類情報によりデータの検索ができるようにして、HDD900上に構築しておき、ここから認証時に必要なデータをダウンロードして用いる。
このようにROM102に保持され、過去の照合に用いたデータを優先処理することにより、HDD900へアクセスしてデータベースからデータを得るという手順を行う場合に比べ、処理の高速化を図ることが可能になる。ただし、照合時に優先させるROM102中に必要とする特徴量データが無い場合には、HDD900のデータベースからダウンロードしながら照合を行うことになる。
指紋認証処理の結果は、比較照合によって最も近いという結果を得た特徴量データが本人/他人を判断する閾値を超えるか否かで認証を行うようにする条件設定をしているので、本人/他人のいずれかを認証結果として得る。
上記の指紋認証処理により権限ステータスを有する人であることが認証されるので、その結果に従って処理を分岐するために、次のステップで認証結果である本人データの有無をチェックし(ステップS209)、認証できなかった場合には、操作部700の表示画面にエラーの警告表示を行い、印刷出力を行わない旨を知らせる警告表示を行う(ステップS215)。
上記したように、照合に用いた特徴量データをROM102に保持することにより、処理の高速化が可能になるが、照合された特徴量データを無制限にROM102に蓄積すると、メモリの使用効率が低下し、又ここに保持されたデータを用いて行う認証処理時間の短縮化の妨げになる。そこで、所定の期間にROM102等の複製データにアクセスが発生しなかった場合に、このデータを消去することにより、ROM102の有効利用を図り、処理時間の長期化を抑制することができるようにする。
上記した所定の期間を管理するための方法として、本実施形態では、ROM102に保持される特徴量データに認証を行った時点における時刻データを付与する上記ステップS210を行い、このデータを管理データとして用いるようにする。
タスク2は適当なタイミングで起動され、規定した所定の期間を過ぎてROM102に保持されている特徴量データを消去する処理を行う。なお、タスク2を起動するタイミングは、消去期限として規定した時間との兼ね合いで規定の時間が無意味にならない範囲で決めるようにする。
図4のタスク2を起動すると、まずタスク1のステップ210で特徴量データに管理情報として付与した時刻データを読み出し(ステップS251)、読み出した時刻データと現在の時刻から認証時にROM102に保持されてからの経過時間を求め、その経過時間が設定された規定時間を超過しているかをチェックする(ステップS252)。チェックの結果、超過していれば、プログラムROM102から保持している特徴量データを消去し(ステップS253)、他方超過していなければ、消去をしないで特徴量データを保持し続け、タスク2を終了する。
上記の制御手順を実行することにより、ROM102上の特徴量データは、所定の期間に使用する人の特徴量データのみしか存在せず、長い期間使用しない人のデータは消去されるので、記憶領域の有効利用が図られ、又比較的小容量のROMで実現が可能になる。
図4のタスク1の制御フローに戻ると、本人の認証ができた場合には(ステップS209-YES)、印刷出力を行うので、ステップS203でHDD900に蓄積した印刷データを画像メモリ103上に画像データとして展開する(ステップS212)。
次いで、印刷準備の完了を確認して(ステップS213)、画像形成ユニット300の画像書き込み部への画像データの送信等の印刷出力部への制御動作を行い、印刷出力制御手順を終了する。
本実施形態は、指紋認証に用いる特徴量等の照合用データのアクセスを高速化するために用いる記憶手段(ROM102)の有効利用を可能とするメモリ管理に係わる上記「実施形態2」において、さらにアクセス回数を条件として加えた管理をするものである。アクセス回数を加味することで、平均化した使用頻度に基づいた管理をすることにより比較的長い期間に使用(アクセス)回数が少ない人の特徴量データのみを消去するようにして、使用回数の多い人は使用状況が異なってもデータを消去せず、認証時間に違いが出ないようにする柔軟な管理を可能とし、ROM102の有効利用を図ることを目的にするものである。
図5は、本実施形態における指紋認証処理を含む印刷出力制御手順を示すフローチャートである。
図5の制御フローを参照して制御手順を説明する。なお、図5に示す制御フローは、本実施形態の構成の特徴である、上記したアクセス回数を加味したROM102のメモリ管理に係わる部分を除いて、基本的に上記実施形態2(図4参照)と変わりが無い。従って、実施形態2と変わりの無い指紋認証処理を含む制御手順(図5にタスク1として示す)のステップS301〜309及びステップS312〜315については、それぞれ対応する実施形態2(図4にタスク1として示す)のステップS201〜209及びS212〜215に関する上記記載を参照することとし、ここでは重複する説明はしない。
本実施形態では、本人の認証できた場合には(ステップS309-YES)、印刷出力を行うための制御を行うが、その前に本実施形態の特徴部分であるROM102のメモリ管理に係わる手順として、実施形態2におけると同様に、ROM102に保持される特徴量データに認証を行った時点における時刻データを付与するが(ステップS310)、それに加え認証回数のカウントを行い(ステップS311)、これらのデータを管理データとして用いるようにする。
この時刻データ及び認証(アクセス)回数を管理データとして用いて、図5にタスク2として示す制御手順を実行することにより、ROM102を上記目的に沿って管理することを可能にする。
タスク2は適当なタイミングで起動され、規定した所定の期間を過ぎ、かつ規定した所定の回数のアクセスが無かった場合にROM102に保持されている特徴量データの消去を行う。なお、タスク2を起動するタイミングは、消去期限として規定した時間との兼ね合いで規定の時間が無意味にならない範囲で決めるようにする。
図5のタスク2を起動すると、まずタスク1のステップ310で特徴量データに管理情報として付与した時刻データを読み出し(ステップS351)、またステップ311でカウントしたアクセス回数を読み出す(ステップS352)。
次いで、読み出したアクセス回数が規定の回数を超えているか否かをチェックし(ステップS353)、その結果、超過していれば、消去をしないで特徴量データを保持し続け、タスク2を終了する。
他方、アクセス回数が規定の回数を超過していなければ、次の経過時間のチェックを行う(ステップS354)。経過時間のチェックは、読み出した時刻データと現在の時刻から認証時にROM102に保持されてからの経過時間を求め、その経過時間が設定された規定時間を超過しているかをチェックし、その結果、超過していれば、プログラムROM102から保持している特徴量データを消去し(ステップS355)、超過していなければ、消去をしないで特徴量データを保持し続け、タスク2を終了する。
この実施形態は、指紋認証に用いる特徴量等の照合用データのアクセスを高速化するために用いる記憶手段(ROM102)に対する検索処理に要する時間の短縮化を可能とするメモリ管理に係わる。
本実施形態では、HDD900に特徴量データベースを作った場合に、認証に必要なデータをこのデータベースからROM102に複製(ダウンロード)する。ROM102はフラッシュメモリのような不揮発性メモリであるから、認証に用いた特徴量データはROM102に保持される。したがって、その後の照合処理では、先ずここへアクセスし、HDD900へのアクセスに比べ高速化を図るようにしている。
また、上記のように利用されるROM102において、複製した特徴量データの記憶位置をアクセス頻度の高い順番に並べ替えることにより認証に要する時間(認証時間)を短縮化する、即ち、アクセス頻度の高い順に特徴量データを検索することにより指紋認証結果が早い段階で得られるようにし、指紋認証処理の効率化、高速化を図ることを目的とするものである。
図6は、本実施形態における指紋認証処理を含む印刷出力制御手順を示すフローチャートである。
図6の制御フローを参照して制御手順を説明する。なお、図6に示す制御フローは、本実施形態の構成の特徴である、上記したアクセス頻度を考慮してROM102上の特徴量データの記憶位置を並び替える、メモリ管理に係わる部分を除いて、基本的に上記実施形態2(図4参照)と変わりが無い。従って、実施形態2と変わりの無い指紋認証処理を含む制御手順のステップS401〜409及びステップS412〜415については、それぞれ対応する実施形態2(図4にタスク1として示す)のステップS201〜209及びS212〜215に関する上記記載を参照することとし、ここでは重複する説明は行わない。
本実施形態では、本人が認証できた場合には(ステップS409-YES)、印刷出力を行うための制御を行うが、その前に本実施形態の特徴部分であるROM102のメモリ管理に係わる手順として、ROM102に保持される特徴量データの並び替えを行う(ステップS410)。
特徴量データの並び替えは、アクセス頻度によって頻度が高いほど記憶位置(アドレス)の順番が早くなる位置に記憶させるように並び替える。
図7は、特徴量データの並び替えの説明図である。認証頻度順に特徴量データの記憶位置を決めるので、ある時間において図中の(A)に示すような記憶状態にあったが、その後特徴量データ4が高頻度で認証に使用されると、特徴量データ4の頻度が特徴量データ3よりも高くなって、図中の(B)に示すように入れ替わる。アクセス頻度の情報は、指紋認証を行うたびに、認証された人のカウントをアップさせるという方法によって得ることができる。また、期間(時間)を設定してアクセス回数をとり、その移動平均をとるといった方法によっても良い。
上記のようにして特徴量データの並び替えを行うと、次回の認証時には今回の結果が反映され、認証された人のデータ検索時間を短くすることが可能になり、使用頻度の高い人は認証時間が短くなることで、実使用上の認証時間の短縮化が可能になる。
この実施形態は、指紋認証に用いる特徴量等の照合用データのアクセスを高速化するために用いる記憶手段(ROM102)に対する検索処理に要する時間の短縮化を可能とするメモリ管理に係わる。
本実施形態では、HDD900に特徴量データベースを作った場合に、認証に必要なデータをこのデータベースからROM102に複製(ダウンロード)する。ROM102はフラッシュメモリのような不揮発性メモリであるから、認証に用いた特徴量データはROM102に保持される。したがって、その後の照合処理では、先ずここへアクセスし、HDD900へのアクセスに比べ高速化を図るようにしている。
また、上記のように利用されるROM102において、複製した特徴量データへのアクセスの順番を定めるテーブルをアクセス頻度の高い順番に書き換えることにより認証に要する時間(認証時間)を短縮化する、即ち、アクセス頻度の高い順に特徴量データを検索することにより指紋認証結果が早い段階で得られるようにし、指紋認証処理の効率化、高速化を図ることを目的とするものである。
図8は、本実施形態における指紋認証処理を含む印刷出力制御手順を示すフローチャートである。
図8の制御フローを参照して制御手順を説明する。なお、図8に示す制御フローは、本実施形態の構成の特徴である、上記したアクセス頻度を考慮してROM102に保持された特徴量データへのアクセスの順番を定めるテーブルを書き換える、メモリ管理に係わる部分を除いて、基本的に上記実施形態2(図4参照)と変わりが無い。従って、実施形態2と変わりの無い指紋認証処理を含む制御手順のステップS501〜509及びステップS512〜515については、それぞれ対応する実施形態2(図4にタスク1として示す)のステップS201〜209及びS212〜215に関する上記記載を参照することとし、ここでは重複する説明は行わない。
本実施形態では、本人が認証できた場合には(ステップS509-YES)、印刷出力を行うための制御を行うが、その前に本実施形態の特徴部分であるROM102のメモリ管理に係わる手順として、ROM102に保持される特徴量データへのアクセスの順番を定めるテーブルにおける順番の書き換えを行う(ステップS510)。
テーブルにおけるアクセス順番の書き換えは、アクセス頻度によって頻度が高いほどアクセスの順番を早くするように書き換える。
図9は、特徴量データへのアクセスの順番を定めるテーブルの一例を示す。図示のように、特徴量データの格納位置を示す開始アドレスと検索順番号を対応付けるテーブルである。特徴量データへのアクセス頻度が変動し、アクセスの順番を変える場合には、このテーブルの検索順番号を変更するだけですませ、上記実施形態4のように特徴量データそのものの記憶(格納)位置の並び替えはしない。アクセス頻度の情報は、指紋認証を行うたびに、認証された人のカウントをアップさせるという方法によって得ることができる。また、期間(時間)を設定してアクセス回数をとり、その移動平均をとるといった方法によっても良い。
上記のようにして特徴量データへのアクセス順番の書き換えを行うと、次回の認証時には今回の結果が反映され、認証された人のデータ検索時間を短くすることが可能になり、使用頻度の高い人ほど認証時間を短くすることで、実使用上の認証時間の短縮化が可能になる。
1100・・・指紋センサユニット、 100・・・コントローラ、
101・・・CPU、 102・・・ROM、
103・・・画像メモリ、 700・・・操作部、
900・・・HDD。
Claims (6)
- 認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶された照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から認証精度の異なる方式によって特徴量を抽出する手段と、認証精度のより低い方式により抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、その結果をもとに認証対象とする指紋に近い認証候補を得る前段の指紋照合手段と、認証精度のより高い方式により抽出した特徴量と前段の指紋照合手段により得た認証候補の前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する後段の指紋照合手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置。
- 指紋情報が入力され、指紋とその特徴量を対応付けて登録した照合用指紋情報のデータベースが利用可能なコンピュータに、入力された指紋情報から認証精度の異なる方式によって特徴量を抽出する手順、認証精度のより低い方式により抽出した特徴量と前記データベースに登録された特徴量とを比較し、その結果をもとに認証対象とする指紋に近い認証候補を得る前段の指紋照合手順、認証精度のより高い方式により抽出した特徴量と前段の指紋照合手順により得た認証候補の前記データベースに登録された特徴量とを比較し、同一性を判断する後段の指紋照合手順、を実行させるための指紋認証処理プログラム。
- 認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶される複数の記憶手段よりなり、該記憶手段間で照合用指紋情報の呼び出し要求に応じて照合用指紋情報を複製し、複製先の記憶手段に対し優先的にアクセスが行われる照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から特徴量を抽出する手段と、抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する指紋照合手段と、複製した照合用指紋情報に対し所定期間にアクセスが発生しなかったことを条件に複製先の該情報を消去する手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置。
- 請求項3に記載された指紋認証装置において、複製先の情報を消去する条件として所定回数のアクセスの発生を加え、前記所定期間、所定回数の少なくとも一方に任意の値を設定可能にする手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置。
- 認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶される複数の記憶手段よりなり、該記憶手段間で照合用指紋情報の呼び出し要求に応じて照合用指紋情報を複製し、複製先の記憶手段に対し優先的にアクセスが行われる照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から特徴量を抽出する手段と、抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する指紋照合手段と、複製した照合用指紋情報の記憶位置をアクセス頻度の高い順番に並べ替える手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置。
- 認証対象とする指紋の指紋情報と登録された照合用指紋情報とを照合し、同一性を判断する指紋認証装置であって、認証対象となる指紋の読み取り手段と、照合用に登録された指紋とその特徴量が対応付けて記憶される複数の記憶手段よりなり、該記憶手段間で照合用指紋情報の呼び出し要求に応じて照合用指紋情報を複製し、複製先の記憶手段に対し優先的にアクセスが行われる照合用指紋情報記憶手段と、前記指紋読み取り手段により読み取った指紋から特徴量を抽出する手段と、抽出した特徴量と前記照合用指紋情報記憶手段に記憶された特徴量とを比較し、同一性を判断する指紋照合手段と、複製した照合用指紋情報のアクセス順管理情報を頻度の高い順番に書き換える手段を備えたことを特徴とする指紋認証装置。
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