JP2005148315A - 光変調素子 - Google Patents

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泰夫 柴田
Takeshi Tsuzuki
健 都築
Yuichi Tomori
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】 半導体材料を用いてCS‐RZ符号を生成することができる光変調素子を提供する。
【解決手段】 光分岐回路203と光合流回路206との間に光遅延回路204、205を設け、遅延回路204、205の長さは、光分岐回路203に入射してから光遅延回路204、205をそれぞれ経て光合流回路206を出射するまでの光路長差が、伝搬経路により、光分岐回路203に入力された光パルス列の繰り返し周期)×(光分岐回路203の力ポート数の逆数)±(1/2波長)となるように設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は光変調素子に関し、特に、波長多重光ネットワークにおいて用いられる帯域圧縮変調符号用のレーザ光源に適用して好適なものである。
通信用の変調符号としては主にNRZ符号が用いられてきたが、近年、波長多重通信(WDM)システムの発展に伴い、周波数利用効率の向上と、ファイバの波長分散による波形歪の抑圧の意味から、光変調スペクトルの狭い帯域圧縮型の変調符号が求められるようになった。代表的な帯域圧縮型の変調符号としては、CS‐RZ(Carrier Suppressed RZ)符号がある。CS‐RZ符号を用いた送信器の構成としては、例えば、非特許文献1に開示されているように、マッハツェンダー(MZ)変調器を2段接続した光変調素子が知られている。
図9は従来の光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図9において、光変調素子にはCW光源101が設けられ、CW光源101の後段には、2段構成のMZ変調器102、103が設けられている。
ここで、MZ変調器102は、透過率ゼロにバイアスされ、半波長電圧Vπの2倍の振幅で、伝送速度の半分の周波数(B/2)の正弦波にて変調される。この結果、MZ変調器102の位相変調特性と周波数逓倍特性により、パルスの繰り返し周波数がB、パルス毎に位相が0、π、0、π、・・・と変化するCS‐RZパルス列を発生させることができる。そして、後段のMZ変調器103は、伝送速度BのNRZデータで変調され、その結果、MZ変調器102から出力されるCS‐RZパルスが符号化されて、CS‐RZ符号を発生させることができる。
ここで、MZ変調器102、103は、通常LiNbO3(ニオブ酸リチウム)等の誘電体を用いて作製することができ、MZ変調器102、103は位相変調器をベースとすることができる。このため、位相変化を起こさせる際に吸収による強度変化を抑制することができ、高性能な位相変調器を作製することができる
技術情報協会、「次世代超高速光通信技術」ISBN4‐86104‐008‐6 C3058、2003年、70ページ
しかしながら、CS‐RZ符号を用いた送信器を構成するために、MZ変調器102、103を用いると、LiNbO3等の誘電体材料で構成する必要がある。このため、半導体で構成されるレーザ等と集積化することが難しくなり、送信器の小型化、低コスト化を妨げる要因となっていた。
また、CS‐RZ符号を用いた送信器を構成するために、LiNbO3等の強度もしくは位相変調器を用いた場合には、半導体で構成される電界吸収(EA)型強度変調器に比べ、駆動電圧が2倍必要となるという問題もあった。
さらに、半波長電圧Vπの2倍の振幅で変調した場合には、EA型強度変調器を用いた場合に比べ、4倍の駆動電圧が必要となるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、半導体材料を用いてCS‐RZ符号を生成することができる光変調素子を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の光変調素子によれば、繰り返し周期Bの入力光パルスをN本の出力ポートに分岐する光分岐回路と、前記光分岐回路にて分岐された光パルスを合流させる光合流回路と、前記光合流回路にて合流された光パルスが繰り返し周期(B/N(Nは2以上の整数))で配列されるように、前記光分岐回路にて分岐された光パルスを遅延させる光遅延回路と、前記光合流回路の出力ポートに接続された強度変調器とを備え、前記光遅延回路の遅延量差が前記入力光パルスの繰り返し周期Bの1/N倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように、前記光分岐回路に入射してから前記光合流回路を出射するまでの光路長が設定されていることを特徴とする。
これにより、光パルス列が光分岐回路および光合流回路を通過する際に、0とπとの間で位相を交互に変化させることが可能となるとともに、入力光パルスの繰り返し周波数をN倍にすることができる。このため、マッハツェンダー変調器を用いることなく、CS‐RZ符号を生成することができ、小型化および低コスト化を可能としつつ、光変調スペクトルの狭帯域化を図ることが可能となるとともに、低駆動電圧を可能として、低消費電力化を図ることができる。
また、請求項2記載の光変調素子によれば、繰り返し周期Bの入力光パルスをN本の出力ポートに分岐する光分岐回路と、前記光分岐回路のN本の出力ポートにそれぞれに接続された強度変調器と、前記強度変調器にてそれぞれ変調された光パルスを合流させる光合流回路と、前記光合流回路にて合流された光パルスが繰り返し周期(B/N(Nは2以上の整数))で配列されるように、前記光分岐回路にて分岐された光パルスを遅延させる光遅延回路とを備え、前記光遅延回路の遅延量差が前記入力光パルスの繰り返し周期Bの1/N倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように、前記光分岐回路に入射してから前記光合流回路を出射するまでの光路長が設定されていることを特徴とする。
これにより、光パルス列が光分岐回路および光合流回路を通過する際に、0とπとの間で位相を交互に変化させることを可能としつつ、入力光パルスの繰り返し周波数をN倍にすることが可能となるとともに、光分岐回路にて分岐された光パルスを合流させる前に光パルスを変調することができる。このため、マッハツェンダー変調器を用いることなく、CS‐RZ符号を生成することが可能となるとともに、強度変調器の周波数帯域を1/Nに低減することが可能となる。この結果、小型化および低コスト化を可能としつつ、光変調スペクトルの狭帯域化を図ることが可能となるとともに、低駆動電圧を可能として、低消費電力化を図ることができる。
また、請求項3記載の光変調素子によれば、前記光遅延回路は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された導波路コアと、前記導波路コア上に積層された上部クラッドとを備えることを特徴とする。
これにより、半導体材料を用いることで光遅延回路を構成することが可能となり、レーザ光源などとのモノリシック集積化を図ることが可能となるとともに、電界吸収型強度変調器を一体化することが可能となる。このため、小型化および低コスト化を図ることが可能となるとともに、マッハツェンダー変調器を用いた場合に比べて駆動電圧を1/2以下とすることが可能となり、低消費電力化を図ることができる。
また、請求項4記載の光変調素子によれば、前記光遅延回路に設けられた光導波路の屈折率を制御する屈折率制御部をさらに備えることを特徴とする。
これにより、光遅延回路における光パルスの伝播時間差を調整することが可能となり、光遅延回路の作製精度を緩和することを可能として、光変調素子の低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、半導体材料を用いてCS‐RZ符号を生成することができ、作製が容易で、小型、低コスト、低駆動電圧の光変調素子ならびにそれを用いた送信装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る光変調素子について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図1において、半導体基板201には、入力導波路202、光分岐回路203、光遅延回路204、205、光合流回路206、出力導波路207、209および強度変調器208が形成されている。
なお、光分岐回路203には、例えば、2本の入力ポートP20、P21および2本の出力ポートP22、P23が設けられ、光分岐回路203としては、分岐数が2の2×2カプラを用いることができる。また、光遅延回路204、205としては、互いに遅延量の異なる光導波路をそれぞれ用いることができる。また、光合流回路206には、例えば、2本の入力ポートP24、P25および2本の出力ポートP26、P27が設けられ、光合流回路206としては、合流数が2の2×2カプラを用いることができる。また、強度変調器208としては、例えば、電界吸収型強度変調器を用いることができる。
ここで、入力導波路202は、光分岐回路203の入力ポートP21に接続され、光分岐回路203の出力ポートP22は、光遅延回路204を介して光合流回路206の入力ポートP24に接続され、光分岐回路203の出力ポートP23は、光遅延回路205を介して光合流回路206の入力ポートP25に接続され、光合流回路206の出力ポートP27は、出力導波路207を介して強度変調器208の入力に接続され、強度変調器208の出力は出力導波路209に接続されている。
また、光遅延回路204、205の長さは、光分岐回路203に入射してから光遅延回路204、205をそれぞれ経て光合流回路206を出射するまでの遅延量差が、伝搬経路により、以下の値になるように設定することができる。
(光分岐回路203に入力された光パルス列の繰り返し周期)
×(光分岐回路203の力ポート数の逆数)±(1/2波長) ・・・(1)
ここで、光分岐回路203と光合流回路206との間に光遅延回路204、205を設け、光遅延回路204、205の遅延量差が(1)式を満たすように設定することにより、光パルス列が光分岐回路203および光合流回路206を通過する際に、0とπとの間で位相を交互に変化させることが可能となるとともに、入力光パルスの繰り返し周波数を2倍にすることができる。このため、マッハツェンダー変調器を用いることなく、CS‐RZ符号を生成することができ、小型化および低コスト化を可能としつつ、光変調スペクトルの狭帯域化を図ることが可能となるとともに、低駆動電圧を可能として、低消費電力化を図ることができる。
図2は、図1の入出力導波路の概略構成を示す断面図である。
図2において、半導体基板201上に、導波路コア302が形成され、導波路コア302上には、上部クラッド303が積層されている。なお、半導体基板201としてはInP、導波路コア302としてはInGaAsP、上部クラッド303としてはInPを用いることができる。また、横方向の光閉じ込めを半導体と空気の屈折率差により実現するハイメサ構造とすることにより、小さな曲率半径で導波路を曲げることが可能となり、光回路の小型化を図ることができる。
図3は、図1の光変調素子のCS‐RZ符号の生成方法を示す図である。
図3(a)において、例えば、繰り返し周波数20GHzの光パルス列S1が、図1の入力導波路202に入射したものとする。この場合、光遅延回路204、205の伝播時間差は、25psとなるように設定することができる。
そして、光分岐回路203に入力された光パルス列S1は、光分岐回路203にて2分岐され、図3(b)の光パルス列S2が光遅延回路204に入力されるとともに、図3(c)の光パルス列S3が光遅延回路205に入力される。そして、光遅延回路205に入力された光パルス列S3は光遅延回路205を伝搬し、図3(e)の光パルス列S5が光合流回路206に入力される。
一方、光遅延回路204に入力された光パルス列S2は光遅延回路204を伝搬し、光遅延回路205に入力された光パルス列S3に対して25psだけ遅延させられた後、図3(d)の光パルス列S4が光合流回路206に入力される。そして、光合流回路206に入力された光パルス列S4、S5は、光合流回路206にて合波されることにより、0とπとの間で位相が交番させられた繰り返し周波数40GHzの光パルス列S6が生成され、出力導波路207を介して出力される。
すなわち、光パルス列S1は、光分岐回路203の左下の入力ポートP21から入力される。ここで、光分岐回路203として2×2カプラを用いた場合、左上の入力ポートP20から右上の出力ポートP22へ、あるいは左下の入力ポートP21から右下の出力ポートP23へ出力される(バー状態)場合と、左上の入力ポートP20から右下の出力ポートP23へ、あるいは左下の入力ポートP21から右上の出力ポートP22へ出力される(クロス状態)場合とでは、光の位相は互いにπ/2だけ異なっている。
つまり、光パルス列S1が光分岐回路203の左下の入力ポートP21から入力された場合、光分岐回路203の右上の出力ポートP22を介して遅延回路204に導かれる光パルス列S3と、光分岐回路203の右下の出力ポートP23を介して遅延回路205に導かれる光パルス列S2は、位相が互いにπ/2だけ異なっている。
ここで、光遅延回路204の伝搬距離をL1、光遅延回路205の伝搬距離をL2、真空中の光速をc、導波路の実効的な屈折率をnとすると、光遅延回路204を経由した光パルス列S4は、n・L1/cだけ遅延して光合流回路206の左上の入力ポートP24から入射する。一方、光遅延回路205を経由した光パルス列S5は、n・L2/cだけ遅延して光合流回路206の左下の入力ポートP25から入射する。
そして、光遅延回路204、205をそれぞれ経由して光合流回路206に入射した光パルス列S4、S5は、光合流回路206にて合波され、光パルス列S6が生成される。この場合、光パルス列S4が、光合流回路206の左上の入力ポートP24から入射すると、光合流回路206の右下の出力ポートP27から出力される際には、光合流回路206をクロス状態で透過し、光合流回路206の右下の出力ポートP27から出力される際には、光合流回路206をバー状態で透過する。
ここで、光合流回路206として2×2カプラを用いた場合、左上の入力ポートP24から右上の出力ポートP26へ、あるいは左下の入力ポートP25から右下の出力ポートP27へ出力される(バー状態)場合と、左上の入力ポートP24から右下の出力ポートP27へ、あるいは左下の入力ポートP25から右上の出力ポートP26へ出力される(クロス状態)場合とでは、光の位相は互いにπ/2だけ異なっている。
つまり、光パルス列S4が光合流回路206の左上の入力ポートP24から入力され、光合流回路206の右下の出力ポートP27から出力される場合と、光パルス列S5が光合流回路206の左下の入力ポートP25から入力され、光合流回路206の右下の出力ポートP27から出力される場合とでは、位相が互いにπ/2だけ異なっている。
その結果、光合流回路206の出力ポートP27を介して光導波路207に入射した光は、光遅延回路204を経由した場合では、クロス状態2回プラス伝搬距離L1、つまり位相シフトπ/2+π/2=πプラス伝搬距離L1だけ遅延する。また、光遅延回路205を経由した場合では、バー状態2回なので、伝搬距離L2だけ遅延する。
そして、光遅延回路204、205の遅延距離の差(L1−L2)が、光パルス列S1の繰り返し周波数の20GHzに対応する周期である50ps相当の伝搬距離のポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍プラス1/2波長になるように、光遅延回路204、205の伝搬距離L1、L2をそれぞれ設定することができる。
つまり、図1の例では、光分岐回路203のポート数=2なので、
50ps×c/n/2十(1/2波長相当の距離)=L1−L2十(π相当の距離)
となる。そして、位相シフトπは、距離にして1/2波長(λ/2/n)であることを考慮すると、遅延距離の差(L1−L2)が、
L1−L2=50ps×c/n/2
となるように、光遅延回路204、205の導波路長を設定することができる。ただし、cは真空中での光速、nは導波路の実効的な屈折率である。
これにより、光導波路207を伝搬する光パルス列S6は、20GHzの繰り返しの光遅延回路204を経由した光パルス列S4と、光遅延回路205を経由して25psプラス位相差πの遅延時間差を持った光パルス列S5とが時間多重されたようになり、40GHzの繰り返し周期を得ることができる。
さらに、光パルス列S6の位相差まで考慮すると、パルス毎に位相が0、π、0、π、・・・と変化することになり、図9の強度変調器102の出力と同等なCS‐RZパルス列を発生させることができる。
そして、光合流回路206からCS‐RZパルス列が出力されると、光導波路207を介してCS‐RZパルス列が強度変調器208に入力される。そして、強度変調器208にて、CS‐RZパルス列を40Gb/sのNRZデータで変調することにより、CS‐RZパルスが符号化されたCS‐RZ符号を発生させることができる。
また、強度変調器208として、EA型変調器を用いることにより駆動電圧は2Vとすることができ、LiNbO3を用いたマッハツェンダー変調器に比べ、駆動電圧を1/2以下とすることができる。
また、光導波路を用いて光遅延回路204、205を構成することにより、光遅延回路204、205の長さをフォトマスクにより厳密に制御することが可能となり、歩留まり良く低コストで高性能な光変調素子を容易に作製することができる。
なお、上述した実施形態では、光遅延導波路の遅延距離の差が光パルス列の繰り返し周波数の20GHzに対応する周期である50ps相当の伝搬距離のポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍プラス1/2波長になる場合について説明してきたが、ポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍マイナス1/2波長になる場合についても全く同様な効果が期待できる。
また、上述した実施形態では、InP基板を用いた場合について説明してきたが、半導体基板201の材料はInPに限定されるものではなく、GaAs系、InP系その他の結晶であっても同様の効果を期待できる。また、半導体に限らずガラス等のアモルファス材料や有機物であってもよい。
また、強度変調器208に関しても、EA型変調器に限定されるものではなく、吸収型、干渉型を問わず、また材料系を問わず任意の強度変調器を配置することにより同様の効果が期待できる。
また、光分岐回路203および光合流回路206については、方向性結合器型2×2カプラ、多モード干渉型導波路型2×2カプラ、Y分岐を問わず同様な動作が実現できる。ただし、Y分岐を用いた場合には、2本の導波路に分岐される光が同位相となるため、光遅延回路の導波路長差を2×2カプラを用いた場合に比べて、半波長分異なるように設定する必要がある。このように、光分岐回路、光合流回路における光の位相変化を考慮した上で位相変化分プラス導波路長差が、入力光パルスの繰り返し周期の出力ポート数の逆数倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように設定することが肝要である。
図4は、本発明の第2実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図4において、半導体基板401には、入力導波路402、光分岐回路403、光遅延回路404、405、光合流回路406、出力導波路407、409、強度変調器408およびヒータ410が形成されている。
なお、光分岐回路403には、例えば、2本の入力ポートP40、P41および2本の出力ポートP42、P43が設けられ、光分岐回路403としては、分岐数が2の2×2カプラを用いることができる。また、光遅延回路404、405としては、互いに遅延量の異なる光導波路をそれぞれ用いることができる。また、光合流回路406には、例えば、2本の入力ポートP44、P45および2本の出力ポートP46、P47が設けられ、光合流回路406としては、合流数が2の2×2カプラを用いることができる。また、強度変調器408としては、例えば、電界吸収型強度変調器を用いることができる。
ここで、入力導波路402は、光分岐回路403の入力ポートP41に接続され、光分岐回路403の出力ポートP42は、光遅延回路404を介して光合流回路406の入力ポートP44に接続され、光分岐回路403の出力ポートP43は、光遅延回路405を介して光合流回路406の入力ポートP45に接続され、光合流回路406の出力ポートP47は、出力導波路407を介して強度変調器408の入力に接続され、強度変調器408の出力は出力導波路409に接続されている。また、ヒータ410は光遅延回路404上に配置されている。
また、光遅延回路404、405の長さは、光分岐回路403に入射してから光遅延回路404、405をそれぞれ経て光合流回路406を出射するまでの遅延量差が、伝搬経路により、以下の値になるように設定することができる。
(光分岐回路403に入力された光パルス列の繰り返し周期)
×(光分岐回路403の力ポート数の逆数)±(1/2波長)
なお、本実施形態の動作原理は、光遅延回路404、405の導波路長差を調整するためのヒータ410が光遅延導波路404上に設けられていることを除けば、図1に示した実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、ヒータ410に電流を印加した際に生じる発熱により光遅延回路404の屈折率を変化させ、光遅延回路404の実効的な導波路長を変化させることにより、光遅延回路404、405の伝搬時間差を所望の値に調整することができる。このため、図1の実施形態に比べ、素子作製時の精度の要求を緩和することができる。
なお、本実施形態では、光遅延回路404、405の導波路長差を調整するためにヒータ410を用いる方法について説明したが、導波路の屈折率を変化させることができれば、ヒータに限定されるものではない。例えば、電圧印加による屈折率変化を起こすような位相変調器でも同様な効果が期待できる。また、導波路に電流注入した場合も、キャリアの効果により導波路を構成する煤質の屈折率を変化させることができ、電流注入機構を備えることによっても、同様な効果が期待できる。また、ヒータ410は光遅延回路405上に形成しても同様な効果が期待できる。
図5は、本発明の第3実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図5において、半導体基板501には、入力導波路502、光分岐回路503、光遅延回路504a、504b、遅延回路505a、505b、光合流回路506、出力導波路507および強度変調器508a、508bが形成されている。
なお、光分岐回路503には、例えば、2本の入力ポートP50、P51および2本の出力ポートP52、P53が設けられ、光分岐回路503としては、分岐数が2の2×2カプラを用いることができる。また、光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bとしては、互いに遅延量の異なる光導波路をそれぞれ用いることができる。また、光合流回路506には、例えば、2本の入力ポートP54、P55および2本の出力ポートP56、P57が設けられ、光合流回路506としては、合流数が2の2×2カプラを用いることができる。また、強度変調器508a、508bとしては、例えば、電界吸収型強度変調器を用いることができる。
ここで、入力導波路502は、光分岐回路503の入力ポートP51に接続され、光分岐回路503の出力ポートP52は、光遅延回路504aを介して強度変調器508aの入力に接続され、強度変調器508aの出力は光遅延回路504bを介して光合流回路506の入力ポートP54に接続され、光分岐回路503の出力ポートP53は、光遅延回路505aを介して強度変調器508bの入力に接続され、強度変調器508bの出力は光遅延回路505bを介して光合流回路506の入力ポートP55に接続され、光合流回路506の出力ポートP57は、出力導波路507に接続されている。
また、光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bの長さは、光分岐回路503に入射してから光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bをそれぞれ経て光合流回路506を出射するまでの遅延量差が、伝搬経路により、以下の値になるように設定することができる。
(光分岐回路503に入力された光パルス列の繰り返し周期)
×(光分岐回路503の出力ポート数の逆数)±(1/2波長)
なお、図5の入出力導波路としては、図2の構成をそのまま用いることができる。
以下、第3実施形態の動作原理について説明する。
繰り返し周波数20GHzの光パルス列が入力導波路502に入射したとする。この入力導波路502に入射した光パルス列は光分岐回路503で2分岐され、光遅延回路504a、505aにそれぞれ導かれる。
そして、光遅延回路504a、505aをそれぞれ伝搬する光パルス列は、各光路上に設けられた強度変調器508a、508bで20Gb/sのNRZデータでそれぞれ変調され、RZ符号が発生される。そして、強度変調器508a、508bでそれぞれ生成されたRZパルス列は、光遅延回路504b、505bをそれぞれ伝搬し、光合流回路506にて合波され、出力導波路507から出力される。
すなわち、光パルス列は、光分岐回路503の左下の入力ポートP51から入力される。ここで、光分岐回路503として2×2カプラを用いた場合、左上の入力ポートP50から右上の出力ポートP52へ、あるいは左下の入力ポートP51から右下の出力ポートP53へ出力される(バー状態)場合と、左上の入力ポートP50から右下の出力ポートP53へ、あるいは左下の入力ポートP51から右上の出力ポートP52へ出力される(クロス状態)場合とでは、光の位相は互いにπ/2だけ異なっている。
つまり、光パルス列が光分岐回路503の左下の入力ポートP51から入力された場合、光分岐回路503の右上の出力ポートP52を介して遅延回路504aに導かれる光パルス列と、光分岐回路503の右下の出力ポートP53を介して遅延回路505aに導かれる光パルス列は、位相が互いにπ/2だけ異なっている。
ここで、強度変調器508a、508bの光学的な長さが等しい時、光遅延回路504a、504bの伝搬距離の合計をL1、光遅延回路505a、505bの伝搬距離の合計をL2、真空中の光速をc、導波路の実効的な屈折率をnとすると、光遅延回路504a、504bを経由した光パルス列は、n・L1/cだけ遅延して光合流回路506の左上の入力ポートP54から入射する。一方、光遅延回路505a、505bを経由した光パルス列は、n・L2/cだけ遅延して光合流回路506の左下の入力ポートP55から入射する。
そして、光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bをそれぞれ経由して光合流回路506に入射した光パルス列は、光合流回路506にて合波される。この場合、光合流回路506の左上の入力ポートP54から入射した光パルス列は、光合流回路506の右下の出力ポートP57から出力される際には、光合流回路506をクロス状態で透過し、光合流回路506の右下の出力ポートP57から出力される際には、光合流回路506をバー状態で透過する。
ここで、光合流回路506として2×2カプラを用いた場合、左上の入力ポートP54から右上の出力ポートP56へ、あるいは左下の入力ポートP55から右下の出力ポートP57へ出力される(バー状態)場合と、左上の入力ポートP54から右下の出力ポートP57へ、あるいは左下の入力ポートP55から右上の出力ポートP56へ出力される(クロス状態)場合とでは、光の位相は互いにπ/2だけ異なっている。
つまり、光合流回路506の左上の入力ポートP54から入力された光パルス列が、光合流回路506の右下の出力ポートP57から出力される場合と、光合流回路506の右下の出力ポートP57から出力される場合とでは、位相が互いにπ/2だけ異なっている。
その結果、光合流回路506の出力ポートP57を介して光導波路507に入射した光は、光遅延回路504a、504bを経由した場合では、クロス状態2回プラス伝搬距離L1、つまり位相シフトπ/2+π/2=πプラス伝搬距離L1だけ遅延する。また、光遅延回路505a、505bを経由した場合では、バー状態2回なので、伝搬距離L2だけ遅延する。
そして、光遅延回路504a、504bと光遅延回路505a、505bとの遅延距離の差(L1−L2)が、光パルス列の繰り返し周波数の20GHzに対応する周期である50ps相当の伝搬距離のポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍プラス1/2波長になるように、光遅延回路504a、504bと光遅延回路505a、505bの伝搬距離L1、L2をそれぞれ設定することができる。
つまり、図5の例では、光分岐回路503のポート数=2なので、
50ps×c/n/2十(1/2波長相当の距離)=L1−L2十(π相当の距離)
となる。そして、位相シフトπは、距離にして1/2波長(λ/2/n)であることを考慮すると、遅延距離の差(L1−L2)が、
L1−L2=50ps×c/n/2
となるように、光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bの導波路長を設定することができる。ただし、cは真空中での光速、nは導波路の実効的な屈折率である。
これにより、光導波路507を伝搬する光パルス列は、20GHzの繰り返しの光遅延回路504を経由した光パルス列と、光遅延回路505を経由して25psプラス位相差πの遅延時間差を持った光パルス列とが時間多重されたようになり、40GHzの繰り返し周期を得ることができる。
さらに、光パルス列の位相差まで考慮すると、パルス毎に位相が0、π、0、π、・・・と変化することになり、図9の強度変調器102の出力と同等なCS‐RZパルス列を発生させることができる。
また、強度変調器508a、508bとして、EA型変調器を用いることにより駆動電圧は2Vとすることができ、LiNbO3を用いたマッハツェンダー変調器に比べ、駆動電圧を1/2以下とすることができる。
また、本実施形態では、強度変調器508a、508bを光合流回路506の前段に配置することにより、強度変調器508a、508bの周波数帯域は20Gb/s対応で済ませることが可能となり、40Gb/sクラスの変調器を不要として、低コストの光変調素子を提供することが可能となる。
また、光導波路を用いて光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bを構成することにより、光遅延回路504a、504bおよび光遅延回路505a、505bの長さをフォトマスクにより厳密に制御することが可能となり、歩留まり良く低コストで高性能な光変調素子を容易に作製することができる。
なお、上述した実施形態では、光遅延導波路の遅延距離の差が光パルス列の繰り返し周波数の20GHzに対応する周期である50ps相当の伝搬距離のポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍プラス1/2波長になる場合について説明してきたが、ポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍マイナス1/2波長になる場合についても全く同様な効果が期待できる。
また、上述した実施形態では、InP基板を用いた場合について説明してきたが、半導体基板201の材料はInPに限定されるものではなく、GaAs系、InP系その他の結晶であっても同様の効果は期待できる。また、半導体に限らずガラス等のアモルファス材料や有機物であってもよい。
また、強度変調器508a、508bに関しても、EA型変調器に限定されるものではなく、吸収型、干渉型を問わず、また材料系を問わず任意の強度変調器を配置することにより同様の効果が期待できる。
また、光分岐回路503および光合流回路506については、方向性結合器型2×2カプラ、多モード干渉型導波路型2×2カプラ、Y分岐を問わず同様な動作が実現できる。ただし、Y分岐を用いた場合には、2本の導波路に分岐される光が同位相となるため、光遅延回路の導波路長差を2×2カプラを用いた場合に比べて、半波長分異なるように設定する必要がある。
このように、光分岐回路、光合流回路における光の位相変化を考慮した上で、位相変化分プラス導波路長差が、入力光パルスの繰り返し周期の出力ポート数の逆数倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように設定することが肝要である。
図6は、本発明の第4実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図6において、半導体基板601には、入力導波路602、光分岐回路603、光遅延回路604a、604b、光遅延回路605a、605b、光合流回路606、出力導波路607および強度変調器608a、608bおよびヒータ610が形成されている。
なお、光分岐回路603には、例えば、2本の入力ポートP60、P61および2本の出力ポートP62、P63が設けられ、光分岐回路603としては、分岐数が2の2×2カプラを用いることができる。また、光遅延回路604a、604bおよび光遅延回路605a、605bとしては、互いに遅延量の異なる光導波路をそれぞれ用いることができる。また、光合流回路606には、例えば、2本の入力ポートP64、P65および2本の出力ポートP66、P67が設けられ、光合流回路606としては、合流数が2の2×2カプラを用いることができる。また、強度変調器608としては、例えば、電界吸収型強度変調器を用いることができる。
ここで、入力導波路602は、光分岐回路603の入力ポートP61に接続され、光分岐回路603の出力ポートP62は、光遅延回路604aを介して強度変調器608aの入力に接続され、強度変調器608aの出力は光遅延回路604bを介して光合流回路606の入力ポートP64に接続され、光分岐回路603の出力ポートP63は、光遅延回路605aを介して強度変調器608bの入力に接続され、強度変調器608bの出力は光遅延回路605bを介して光合流回路606の入力ポートP65に接続され、光合流回路606の出力ポートP67は、出力導波路607に接続されている。また、ヒータ610は光遅延回路605b上に配置されている。
また、光遅延回路604a、604bおよび光遅延回路605a、605bの長さは、光分岐回路603に入射してから光遅延回路604a、604bおよび光遅延回路605a、605bをそれぞれ経て光合流回路606を出射するまでの遅延量差が、伝搬経路により、以下の値になるように設定することができる。
(光分岐回路603に入力された光パルス列の繰り返し周期)
×(光分岐回路603の出力ポート数の逆数)±(1/2波長)
なお、本実施形態の動作原理は、光遅延回路604a、604bおよび光遅延回路605a、605bの導波路長差を調整するためのヒータ610が光遅延回路605b上に設けられていることを除けば、図5に示した実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、ヒータ610に電流を印加した際に生じる発熱により光遅延回路605bの屈折率を変化させ、光遅延回路605bの実効的な導波路長を変化させることにより、光遅延回路604a、604bおよび光遅延回路605a、605bの伝搬時間差を所望の値に調整することができる。このため、図5の実施形態に比べ、素子作製時の精度の要求を緩和することができる。
なお、本実施形態では、光遅延回路604a、604bおよび光遅延回路605a、605bの導波路長差を調整するためにヒータ610を用いる方法について説明したが、導波路の屈折率を変化させることができれば、ヒータに限定されるものではない。例えば、電圧印加による屈折率変化を起こすような位相変調器でも同様な効果が期待できる。また、導波路に電流注入した場合も、キャリアの効果により導波路を構成する煤質の屈折率を変化させることができ、電流注入機構を備えることによっても、同様な効果が期待できる。また、ヒータ610は光遅延回路604a、604bまたは光遅延回路605a、605bのいずれかに形成されていれば、同様な効果が期待できる。
図7は、本発明の第5実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図7において、半導体基板701には、入力導波路702、光分岐回路703、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711b、光遅延回路712a、712b、光合流回路706、出力導波路707および強度変調器708a〜708dが形成されている。
なお、光分岐回路703には、例えば、1本の入力ポートP70および4本の出力ポートP71〜P74が設けられ、光分岐回路703としては、分岐数が4の対称1×4カプラを用いることができる。また、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bとしては、互いに遅延量の異なる光導波路をそれぞれ用いることができる。また、光合流回路706には、例えば、4本の入力ポートP75〜P78および1本の出力ポートP79が設けられ、光合流回路706としては、合流数が4の対称4×1カプラを用いることができる。また、強度変調器708a〜708dとしては、例えば、電界吸収型強度変調器をそれぞれ用いることができる。
ここで、入力導波路702は、光分岐回路703の入力ポートP70に接続されている。また、光分岐回路703の出力ポートP71は、光遅延回路704aを介して強度変調器708aの入力に接続され、強度変調器708aの出力は光遅延回路704bを介して光合流回路706の入力ポートP75に接続されている。また、光分岐回路503の出力ポートP72は、光遅延回路705aを介して強度変調器708bの入力に接続され、強度変調器708bの出力は光遅延回路705bを介して光合流回路706の入力ポートP76に接続されている。また、光分岐回路703の出力ポートP73は、光遅延回路711aを介して強度変調器708cの入力に接続され、強度変調器708cの出力は光遅延回路711bを介して光合流回路706の入力ポートP77に接続されている。また、光分岐回路703の出力ポートP74は、光遅延回路712aを介して強度変調器708dの入力に接続され、強度変調器708dの出力は光遅延回路712bを介して光合流回路706の入力ポートP78に接続されている。また、光合流回路706の出力ポートP79は、出力導波路707に接続されている。
また、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bの長さは、光分岐回路703に入射してから光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bをそれぞれ経て光合流回路706を出射するまでの遅延量差が、伝搬経路により、以下の値になるように設定することができる。
(光分岐回路703に入力された光パルス列の繰り返し周期)
×(光分岐回路703の出力ポート数の逆数)±(1/2波長)
なお、図7の入出力導波路としては、図2の構成をそのまま用いることができる。
以下、第5実施形態の動作原理について説明する。
繰り返し周波数10GHzのパルス列が入力導波路702に入射したとする。この入力導波路702に入射した光パルス列は光分岐回路703で4分岐され、光遅延回路704a、705a、711a、712aにそれぞれ導かれる。
そして、光遅延回路704a、705a、711a、712aをそれぞれ伝搬する光パルス列は、各光路上に設けられた強度変調器708a〜708dにて10Gb/sのNRZデータでそれぞれ変調され、RZ符号が発生される。そして、強度変調器708a〜708dでそれぞれ生成されたRZパルス列は、光遅延回路704b、705b、711b、712bをそれぞれ伝搬し、光合流回路706にて合波され、出力導波路707から出力される。
すなわち、光パルス列は、光分岐回路703の入力ポートP70から入力される。ここで、光分岐回路703として対称1入力4出力(1×4)カプラを用いた場合、4分岐されて各出力ポートP71〜P74へ導かれる光の位相は全て揃っている。
そして、強度変調器708a〜708dの光学的な長さが等しい時、光遅延回路704a、704bの伝搬距離の合計をL1、光遅延回路705a、705bの伝搬距離の合計をL2、光遅延回路711a、711bの伝搬距離の合計をL3、光遅延回路712a、712bの伝搬距離の合計をL4、真空中の光速をc、導波路の実効的な屈折率をnとすると、光遅延回路704a、704bを経由した光パルス列は、n・L1/cだけ遅延して光合流回路706の一番上の入力ポートP75から入射する。
また、光遅延回路705a、705bを経由した光パルス列は、n・L2/cだけ遅延して光合流回路706の上から2番目の入力ポートP76から入射する。また、光遅延回路711a、711bを経由した光パルス列は、n・L3/cだけ遅延して光合流回路706の下から2番目の入力ポートP77から入射する。また、光遅延回路712a、712bを経由した光パルス列は、n・L4/cだけ遅延して光合流回路706の一番下の入力ポートP78から入射する。
そして、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bをそれぞれ経由して光合流回路706に入射した光パルス列は、光合流回路706にて合波される。
ここで、光合流回路706として対称4入力1出力(4×1)カプラを用いた場合、4個の入力ポートP75〜P78から入射し合流されて出力ポートP79へ導かれる光の位相は全て揃っている。
従って、図7の実施形態では、光分岐回路703および光合流回路706における位相シフトは全てのポートについて同様であるため、光導波路の長さの差のみを考慮すればよい。
このため、長さの近接する光導波路同士の長さの差が光パルス列の繰り返し周波数の10GHに対応する周期である100ps相当の伝搬距離のポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍、つまり、図5の例では、光分岐回路703のポート数=4なので、1/4倍プラス1/2波長となるように、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bの伝搬距離L1、L2、L3、L4をそれぞれ設定することができる。
つまり、遅延導波路長がL1>L2>L3>L4なので、
100ps×c/n/4十(1/2波長相当の距離)=Li−Li+1
となる。ただし、i=1、2、または3である。そして、1/2波長に相当する距離は(λ/2/n)であることを考慮すると、
i−Li+1=100ps×c/n/4+λ/2/n
となるように、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bの導波路長を設定することができる。ただし、cは真空中での光速、nは導波路の実効的な屈折率である。
これにより、導波路707を伝搬する光パルス列は、光遅延回路712a、712bを経由して10Gb/sで変調された10GHzの繰り返しの伝搬光と、光遅延回路711a、711bを経由して25psプラス位相差πの遅延時間差を持った伝搬光と、光遅延回路711a、711bを経由した伝搬光に比較して更に25psプラス位相差πの遅延時間差を持つように光遅延回路705a、705bを経由した伝搬光と、光遅延回路705a、705bを経由した伝搬光に比較して更に25psプラス位相差πの遅延時間差を持つように光遅延回路704a、704bを経由した伝搬光が時間多重されたようになり、40GHzの繰り返し周期で40Gb/sで変調された信号を得ることができる。
さらに、光パルス列の位相差まで考慮すると、パルス毎に位相が0、π、0、π、・・・と変化することになり、図9の強度変調器102の出力と同等なCS‐RZパルス列を発生させることができる。
また、強度変調器708a〜708dとして、EA型変調器を用いることにより駆動電圧を2Vとすることができ、LiNbO3を用いたマッハツェンダー変調器に比べ、駆動電圧を1/2以下とすることができる。
また、本実施形態では、強度変調器708a〜708dを光合流回路706の前段に配置することにより、強度変調器708a〜708dの周波数帯域は10Gb/s対応で済ませることが可能となり、40Gb/sクラスの変調器を不要として、低コストの光変調素子を提供することが可能となる。
また、光導波路を用いて光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bを構成することにより、光遅延回路704a、704b、光遅延回路705a、705b、光遅延回路711a、711bおよび光遅延回路712a、712bの長さをフォトマスクにより厳密に制御することが可能となり、歩留まり良く低コストで高性能な光変調素子を容易に作製することができる。
なお、上述した実施形態では、光遅延導波路の遅延距離の差が光パルス列の繰り返し周波数の10GHzに対応する周期である100ps相当の伝搬距離のポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍プラス1/2波長になる場合について説明してきたが、ポート数もしくは遅延導波路数の逆数倍マイナス1/2波長になる場合についても全く同様な効果が期待できる。
また、上述した実施形態では、InP基板を用いた場合について説明してきたが、半導体基板701の材料はInPに限定されるものではなく、GaAs系、InP系その他の結晶であっても同様の効果は期待できる。また、半導体に限らずガラス等のアモルファス材料や有機物であってもよい。
また、強度変調器708a〜708dに関しても、EA型変調器に限定されるものではなく、吸収型、干渉型を問わず、また材料系を問わず任意の強度変調器を配置することにより同様の効果が期待できる。
また、光分岐回路703および光合流回路706については、対称型1×NおよびN×1カプラに限らず、N×Nカプラの中央以外のポートから入力または出力させても同様な動作が実現できる。ただし、対称1×Nカプラ以外を用いた場合には、N本の導波路に分岐される光の位相がポート毎に異なるため、光遅延回路の導波路長差を1×Nカプラを用いた場合に比べて、位相差分だけ異なるように設定する必要がある。
このように、第6実施形態では、光分岐回路および光合流回路における光の位相変化を考慮した上で、位相変化分プラス導波路長差が、入力光パルスの繰り返し周期の出力ポート数の逆数倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように設定することが肝要である。
図8は、本発明の第6実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。
図8において、半導体基板801には、入力導波路802、光分岐回路803、光遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811b、光遅延回路812a、812b、光合流回路806、出力導波路807、強度変調器808a〜808dおよびヒータ810a〜810cが形成されている。
なお、光分岐回路803には、例えば、1本の入力ポートP80および4本の出力ポートP81〜P84が設けられ、光分岐回路803としては、分岐数が4の対称1×4カプラを用いることができる。また、光遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bとしては、互いに遅延量の異なる光導波路をそれぞれ用いることができる。また、光合流回路806には、例えば、4本の入力ポートP85〜P88および1本の出力ポートP89が設けられ、光合流回路806としては、合流数が4の対称4×1カプラを用いることができる。また、強度変調器808a〜808dとしては、例えば、電界吸収型強度変調器をそれぞれ用いることができる。
ここで、入力導波路802は、光分岐回路803の入力ポートP80に接続されている。また、光分岐回路803の出力ポートP81は、光遅延回路804aを介して強度変調器808aの入力に接続され、強度変調器808aの出力は光遅延回路804bを介して光合流回路806の入力ポートP85に接続されている。また、光分岐回路803の出力ポートP82は、光遅延回路805aを介して強度変調器808bの入力に接続され、強度変調器808bの出力は光遅延回路805bを介して光合流回路806の入力ポートP86に接続されている。また、光分岐回路803の出力ポートP83は、光遅延回路811aを介して強度変調器808cの入力に接続され、強度変調器808cの出力は光遅延回路811bを介して光合流回路806の入力ポートP87に接続されている。また、光分岐回路803の出力ポートP84は、光遅延回路812aを介して強度変調器808dの入力に接続され、強度変調器808dの出力は光遅延回路812bを介して光合流回路806の入力ポートP88に接続されている。また、光合流回路806の出力ポートP89は、出力導波路807に接続されている。また、ヒータ810aは光遅延回路812b上に配置され、ヒータ810bは光遅延回路811b上に配置され、ヒータ810cは光遅延回路805b上に配置されている。
また、光遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bの長さは、光分岐回路803に入射してから光遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bをそれぞれ経て光合流回路806を出射するまでの遅延量差が、伝搬経路により、以下の値になるように設定することができる。
(光分岐回路803に入力された光パルス列の繰り返し周期)
×(光分岐回路803の出力ポート数の逆数)±(1/2波長)
なお、本実施形態の動作原理は、遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bの導波路長差を調整するためのヒータ810a〜810cが光遅延回路812b、811b、805b上にそれぞれ設けられていることを除けば、図7に示した実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態では、ヒータ810a〜810cにそれぞれ電流を印加した際に生じる発熱により光遅延回路812b、811b、805bの屈折率をそれぞれ変化させ、各光遅延回路812b、811b、805bの実効的な導波路長を変化させることにより、遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bの伝搬時間差を所望の値に調整することができる。このため、図7の実施形態に比べ、素子作製時の精度の要求を緩和することができる。
なお、本実施形態では、遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bの導波路長差を調整するためにヒータ810a〜810cを用いる方法について説明したが、導波路の屈折率を変化させることができれば、ヒータに限定されるものではない。例えば、電圧印加による屈折率変化を起こすような位相変調器でも同様な効果が期待できる。また、導波路に電流注入した場合も、キャリアの効果により導波路を構成する煤質の屈折率を変化させることができ、電流注入機構を備えることによっても、同様な効果が期待できる。また、ヒータ810a〜810cは、遅延回路804a、804b、光遅延回路805a、805b、光遅延回路811a、811bおよび光遅延回路812a、812bのいずれか3つに形成されていれば、同様な効果が期待できる。
本発明の光変調素子は、波長多重光ネットワークにおいて用いられる帯域圧縮変調符号用のレーザ光源などに利用することができ、小型化、低コスト化および低消費電力化を図りつつ、超高速フォトニックネットワークを構築することができる。
本発明の第1実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。 図1の光導波路の概略構成を示す断面図である。 図1の光変調素子のCS‐RZ符号の生成方法を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。 本発明の第6実施形態に係る光変調素子の概略構成を示す平面図である。 従来の光変調素子の概略構成を示す平面図である。
符号の説明
201、401、501、601、701、801 半導体基板
202、402、502、602、702、802 入力導波路
203、403、503、603、703、803 光分岐回路
204、205、404、405、504a、504b、505a、505b、604a、504b、505a、505b、704a、704b、705a、705b、711a、711b、712a、712b、804a、804b、805a、805b、811a、811b、812a、812b 光遅延回路
206、406、506、606、706、806 光合流回路
207、209、407、409、507、607、707、807 出力導波路
208、408、508a、508b、608a、608b、708a、708b、708c、708d、808a、808b、808c、808d 強度変調器
P20、P21、P24、P25 入力ポート
P22、P23、P26、P27 出力ポート
S1〜S6 光パルス列
303 上部クラッド
410、610、810 ヒータ

Claims (4)

  1. 繰り返し周期Bの入力光パルスをN本の出力ポートに分岐する光分岐回路と、
    前記光分岐回路にて分岐された光パルスを合流させる光合流回路と、
    前記光合流回路にて合流された光パルスが繰り返し周期(B/N(Nは2以上の整数))で配列されるように、前記光分岐回路にて分岐された光パルスを遅延させる光遅延回路と、
    前記光合流回路の出力ポートに接続された強度変調器とを備え、
    前記光遅延回路の遅延量差が前記入力光パルスの繰り返し周期Bの1/N倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように、前記光分岐回路に入射してから前記光合流回路を出射するまでの光路長が設定されていることを特徴とする光変調素子。
  2. 繰り返し周期Bの入力光パルスをN本の出力ポートに分岐する光分岐回路と、
    前記光分岐回路のN本の出力ポートにそれぞれに接続された強度変調器と、
    前記強度変調器にてそれぞれ変調された光パルスを合流させる光合流回路と、
    前記光合流回路にて合流された光パルスが繰り返し周期(B/N(Nは2以上の整数))で配列されるように、前記光分岐回路にて分岐された光パルスを遅延させる光遅延回路とを備え、
    前記光遅延回路の遅延量差が前記入力光パルスの繰り返し周期Bの1/N倍プラスもしくはマイナス1/2波長となるように、前記光分岐回路に入射してから前記光合流回路を出射するまでの光路長が設定されていることを特徴とする光変調素子。
  3. 前記光遅延回路は、
    半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された導波路コアと、
    前記導波路コア上に積層された上部クラッドとを備えることを特徴とする請求項1または2記載の光変調素子。
  4. 前記光遅延回路に設けられた光導波路の屈折率を制御する屈折率制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の光変調素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009003247A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Fujitsu Ltd 光導波路デバイス
JP2010503049A (ja) * 2006-09-20 2010-01-28 アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド 光変調器

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