JP2005148008A - 放射線像変換パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 放射線像変換パネルを、高強度、耐引裂性、防湿性に優れるとともに、高感度で良好な画質を与えることができるものとする。
【解決手段】 輝尽性蛍光体からなる蛍光体層11上に、1枚の薄いフィルム中の積層数が数千層であって、1層の厚さが数ナノ〜数十ナノメートルであるのナノ構造制御フィルムからなる保護層12を接着層14を介して接着する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
X線等の放射線を照射するとこの放射線エネルギの一部を蓄積し、その後、可視光等の励起光を照射すると蓄積された放射線エネルギに応じて輝尽発光を示す輝尽性蛍光体を利用して、人体等の被写体の放射線像を輝尽性蛍光体層に一旦潜像として記録し、この輝尽性蛍光体層にレーザ光等の励起光を照射して輝尽発光光を生じせしめ、この輝尽発光光を光電的に検出して被写体の放射線像を表す画像信号を取得する放射線画像記録装置および放射線画像読取装置等からなる放射線画像記録再生システムがCR(ComputedRadiography)として知られている。
上記放射線画像記録再生システムに使用される記録媒体としては、例えば剛性を有する基板と輝尽性蛍光体層と保護層とを層状に積層して形成された放射線像変換パネルが知られている。この放射線像変換パネルは、放射線像変換パネルから放射線像が読み取られた後に消去光が照射されて輝尽性蛍光体層に残存している放射線エネルギーが放出されると再度放射線像の記録が可能となり、放射線像の記録および読取りに繰り返して使用することができる。このため、繰返し使用による輝尽性蛍光体層の化学的な変質あるいは物理的な衝撃を抑制するために、輝尽性蛍光体層の表面(支持体に面していない側の表面)には通常、保護層が設けられている。
例えば、従来よりポリエチレンナフタレート(PEN)を保護層として用いたもの(特許文献1)、ポリエチレンテレフタレート(PET)を保護層として用いたもの(特許文献2)、あるいは400〜900nmの光に対する透過率が90%以上であるフッ素樹脂フィルムを保護層として用いたもの(特許文献3)等が知られている。しかし、特許文献1に記載されている保護層は搬送耐久性には優れるものの、短波長の光を吸収してしまうため透過率、すなわちPSLが低下するという問題がある。また、特許文献2や特許文献3に記載されている保護層は感度の点では優れるものの、搬送耐久性に関しては充分とは言えないという問題がある。
一方、放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層は輝尽性蛍光体の種類によっては、水分を吸収すると放射線像の記録および読取りにおける性能が低下するものもあるので、防湿性の観点から、保護層にガスバリア性を持たせたものも知られている(特許文献4)。さらには、保護層に防湿性を有する透明素材を使用し、この保護層となる透明防湿カバーと基板との間に輝尽性蛍光体層を密閉封止した構成のものも知られている(特許文献5)。
特開平1−107199号公報 特開2001−42095号公報 特開2001−141896号公報 特開2002−98799号公報 特開2003−248089号公報
しかし、特許文献4および特許文献5に記載されている保護層は防湿性には優れているものの物理的強度・耐引裂性については必ずしも充分とは言えない。すなわち、従来の放射線像変換パネルの保護層は物理的強度、感度、防湿性のいずれかに優れたものではあっても、その全てにおいて充分に満足いくものではなかったため、防湿性がより求められる放射線像変換パネルの場合には防湿性に優れている保護層を用い、搬送耐久性がより求められる放射線像変換パネルの場合には物理的強度に優れた保護層を用いるといったように、用途や求められる属性に応じて保護層を使い分けるといったことが行われているのが実状である。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、高強度、耐引裂性、防湿性に優れるとともに、高感度で良好な画質を与えることが可能な放射線像変換パネルを提供することを目的とするものである。
本発明の放射線像変換パネルは、少なくとも輝尽性蛍光体からなる蛍光体層と、該蛍光体層上に設けられたナノ構造制御フィルムからなる保護層とを有することを特徴とするものである。
ナノ構造制御フィルムとは、1枚の薄いフィルム中の積層数が数千層であって、1つの層の厚さが数ナノ〜数十ナノメートルの高分子フィルム層を意味する。
本発明の放射線像変換パネルは、前記保護層が接着層を介して前記蛍光体層上に設けられているものであっても、あるいは前記蛍光体層が基板上に設けられている放射線像変換パネルであって、前記蛍光体層が前記基板と前記保護層との間に密閉封止されているものであってもよい。
蛍光体層が前記基板と前記保護層との間に密閉封止されている放射線像変換パネルの場合には、保護層の少なくとも片方の面に防湿層が設けられていることが好ましい。また、防湿層はスパッタ法により設けられていることが好ましい。
前記輝尽性蛍光体は、BaFBr1-xIx:Eu(0≦x≦1)あるいはCsBr:Euであることが好ましい。
本発明の放射線像変換パネルの保護層に用いられるナノ構造制御フィルムは、高強度、耐引裂性、高透明度、耐湿性、耐熱収縮性を兼ね備えたフィルムであり、本発明の放射線像変換パネルはこのフィルムを保護層として用いているため、化学的変質あるいは物理的衝撃に強く、実用的な耐用年数の長い、極めて鮮鋭度の高い画質を形成することが可能なものとすることができる。
なお、放射線像変換パネルの構成が、蛍光体層が基板と保護層との間に密閉封止されたものである場合には、保護層の少なくとも片方の面に防湿層を設けることにより、より高い耐湿性を持った放射線像変換パネルとすることができる。
本発明の放射線像変換パネルは、少なくとも輝尽性蛍光体からなる蛍光体層と、この蛍光体層上に設けられたナノ構造制御フィルムからなる保護層とを有することを特徴とする。ナノ構造制御フィルムとは、上述のように1枚の薄いフィルム中の積層数が数千層であって、1つの層の厚さが数ナノ〜数十ナノメートルの高分子フィルム層のものである。フィルムの種類は1層の厚さが数ナノ〜数十ナノメートルにすることが可能であれば特に限定されるものではなく、例えばポリエステルを用いることができる。
ナノ構造制御フィルムは高強度、耐引裂性、高透明度、耐湿性、耐熱収縮性を兼ね備えたフィルムであり、本発明の放射線像変換パネルはこのフィルムを保護層として用いるため、化学的変質あるいは物理的衝撃に強く、実用的な耐用年数の長いものとすることができる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリプロピレン−2,6−ナフタレートおよびポリブチレン−2,6−ナフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、これらを適宜組み合わせたものであってもよい。また、上記のポリエステルはその他共重合成分として、各種ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールを共重合して、耐熱性、高剛性、制電性等さらなる特性を付与されたものであってもよい。
共重合し得るジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸もしくはこれらのエステル形成性誘導体等があげられる。その他、共重合し得る脂環族ジカルボン酸成分としては1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。また、セバシン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、その他のジカルボン酸も共重合成分として用いることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等があげられる。これらの成分は1種のみ用いてもよく、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
エステル化およびエステル交換反応には、種々の触媒を用いることができ、たとえば、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸リチウムなどの酢酸塩や、テトラエチレングリコキシドチタンなどのチタン化合物などを用いることができる。重合触媒としては、例えば三酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、テトラエチレングリコキシドチタンなどを用いることができる。
保護層に用いられるナノ構造制御フィルムは、種々の溶融押出製膜方法により製膜し、フィルムとすることができる。すなわち、ポリマーを乾燥後、T型口金を備えた1軸もしくは2軸の溶融押出機に供給、矩形積層部を備えた3層またはそれ以上の合流ブロックにて、各層が目的の厚み比および構成となって積層するように、ポリエステルの場合であればポリエステル溶融温度にてキャスティングドラム上に押し出し、静電印加キャストして未延伸フィルムを得る。また、配向フィルムを得るためには、さらにこれを逐次2軸延伸、あるいは同時2軸延伸、熱処理することにより、配向フィルムを得ることができる。なお、ナノ構造制御フィルムはこのようにして製造してもよいが、ナノ構造を持った市販のフィルムを使用することも可能である。
以下、図面を参照して本発明の放射線像変換パネルの構成について説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略部分断面図、図2は本発明の第二の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略断面図、図3は本発明の第三の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略断面図である。
図1に示す放射線像変換パネル10は、輝尽性蛍光体層11上にナノ構造制御フィルムの保護層12が接着層14を介して積層された構成からなるものである。なお、接着層は実施例に示すように反射層を兼ねていてもよいし、あるいは接着層と反射層を別個に、すなわち他の位置に反射層は別個独立に設けてもよい。図1では輝尽性蛍光体層11が基板(支持体)を有していないものを示しているが、輝尽性蛍光体層11の下側(保護層12が設けられている側とは逆の面)に基板を有していてもよい。
図2に示す放射線像変換パネル20は、基板23上に輝尽性蛍光体層21を有し、基板23上であって輝尽性蛍光体層21の周りに封止枠26を有し、この封止枠26に接着剤25を用いてナノ構造制御フィルムの保護層22と基板23とで輝尽性蛍光体層21を密閉封止してなるものである。
なお、図2に示す放射線像変換パネルは、基板23上の輝尽性蛍光体層21が設けられていない部分に封止枠26を設け、保護層22を接着剤25によって接着し、輝尽性蛍光体層21を封止してなる構成を示しているが、図3に示す放射線像変換パネル30ように、封止枠を設けることなく、接着剤35によって保護層32を輝尽性蛍光体層31上に設け、この保護層32と基板33によって、輝尽性蛍光体層31を密閉するような構成としてもよい。
図4は図2に示す本発明の第二の実施の形態を示す放射線像変換パネルの保護層42上にさらに防湿層47を設けてなるものである。防湿層を設けることにより、輝尽性蛍光体層の吸湿をさらに抑制することができるので、放射線像変換パネルの長期間の繰返し使用においてもより高い画質を維持することが可能となる。なお、図4では防湿層47を保護層42の輝尽性蛍光体層41側とは反対側に設けたものを示しているが、輝尽性蛍光体層42側に設けても、さらには輝尽性蛍光体層42の両側に設けてもよい。
続いて本発明の放射線像変換パネルの保護層以外の各層について説明する。
本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、
米国特許第3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:Eu,Sm、
特開昭55-12142号に記載されている ZnS:Cu,Pb、BaO・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、MIIO・xSiO2 :A(ただし、MIIはMg,Ca,Sr,Zn,Cd、またはBaであり、AはCe,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,BiまたはMnであり、xは0.5≦x≦2.5である)、
特開昭55-12143号に記載されている (Ba1-X-y ,MgX ,Cay )FX:aEu2+(ただし、X はClおよびBrのうちの少なくとも一種であり、xおよびyは、0<x+y≦0.6、かつxy≠0であり、aは、10-6≦a≦5×10-2である)、
特開昭55-12144号に記載されている LnOX:xA(ただし、LnはLa,Y,Gd、およびLuのうちの少なくとも一種、XはClおよびBrのうちの少なくとも一種、AはCeおよびTbのうちの少なくとも一種、そして、xは、0<x<0.1である)、
特開昭55-12145号に記載されている(Ba1-X,M2+ X)FX:yA(ただし、M2+はMg,Ca,Sr,Zn、およびCdのうちの少なくとも一種、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一種、AはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,YbおよびErのうちの少なくとも一種、そしてxは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である)、
特開昭55-160078号に記載されているMIIFX・xA:yLn(ただし、MIIはBa,Ca,Sr,Mg,ZnおよびCdのうちの少なくとも一種、AはBeO,MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO,Al2O3,Y2O3,La2O3,In2O3,SiO2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO2,Nb2O5,Ta2O5 およびThO2 のうちの少なくとも一種、LnはEu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,SmおよびGdのうちの少なくとも一種、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ 5×10-5≦x≦0.5、および0<y≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭56-116777号に記載されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ 0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭57-23673号に記載されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zB(ただし、MII はベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭57-23675号に記載されている(Ba1-X,MII X)F2・aBaX2:yEu,zA(ただし、MIIはベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,亜鉛およびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素,臭素およびヨウ素のうちの少なくとも一種、Aは砒素および硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭58-69281号に記載されている MIIIOX:xCe(ただし、MIIIはPr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいずれか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭58-206678号に記載されているBa1-XMX/2X/2FX:yEu2+(ただし、MはLi,Na,K,RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表わし;Lは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属を表わし;X は、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そして、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59-27980号に記載のBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aはテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6 ≦x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59-47289号に記載されているBaFX・xA:yEu2+(ただし、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフルオロケイ酸,ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からなるヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.1、yは0<y≦0.1 である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59-56479号に記載されているBaFX・xNaX′:aEu2+(ただし、XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよびaはそれぞれ0<x≦2、および0<a≦0.2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59-56480号に記載されているMIIFX・xNaX′:yEu2+:zA(ただし、MIIは、Ba,SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X およびX′は、それぞれCl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、V,Cr,Mn,Fe,CoおよびNiより選ばれる少なくとも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、yは0<y≦0.2、およびzは0<z≦10-2である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭59-75200号に記載されている MIIFX・aMIX′・bM′IIX″2・cMIIIX3・xA:yEu2+(ただし、MIIはBa,SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はLi,Na,K,RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;M′IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属であり;MIII はAl,Ga,InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′,X″および Xは、F,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦10-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c≧10-6 であり;x は0<x≦0.5、yは0<y≦0.2 である)の組成式で表わされる蛍光体、
特開昭60-84381号に記載されている MII X2・aMIIX′2:xEu2+(ただし、MII はBa,Srおよび Caからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ X≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
特開昭60-101173号に記載されているMIIFX・aMI X′:xEu2+(ただし、MIIはBa,SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′はF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaおよびxはそれぞれ0≦a≦4.0および0<x≦0.2である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
特開昭62-25189号に記載されているMI X:xBi( ただし、MI はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X はCl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、
特開平2-229882号に記載のLnOX:xCe(但し、LnはLa,Y,GdおよびLuのうちの少なくとも一つ、XはCl,BrおよびIのうちの少なくとも一つ、xは0<x≦0.2 であり、LnとXとの比率が原子比で0.500<X/Ln≦0.998であり、かつ輝尽性励起スペクトルの極大波長λが550nm<λ<700nm)で表わされるセリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体、
などをあげることができる。
また、上記特開昭60-84381号に記載されているMIIX2・aMIIX′2:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すような添加物がMIIX2・aMIIX′2 1モル当り以下の割合で含まれていてもよい。
特開昭60−166379号に記載されているbMIX″(ただし、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X″はF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60-221483号に記載されているbKX″・cMgX2 ・dMIII X′3(ただし、MIII はSc,Y,La,Gdおよび Luからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X″、X およびX′はいずれもF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c≦2.0、0≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c+dである);特開昭60-228592号に記載されている yB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1である);特開昭60-228593号に記載されている bA(ただし、AはSiO2 およびP2O5からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化物であり、そしてbは10-4 ≦b≦2×10-1 である);特開昭61−120883号に記載されているbSiO(ただし、bは0<b≦3×10-2 である);特開昭61−120885号に記載されているbSnX″2 (ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10-3である);特開昭61-235486号に記載されているbCsX″・cSnX2 (ただし、X″およびX はそれぞれF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞれ、0<b≦10.0 および10-6≦c≦2×10-2である);および特開昭61-235487号に記載されているbCsX″・yLn3+(ただし、X″はF,Cl,BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc,Y,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0および10-6≦y≦1.8×10-1である)。
上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体(例えばBaFI:Eu)、ユーロピウム賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体(例えばCsBr:Eu)、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体(例えばBaFIBr:Eu)、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示し、高画質を得ることが可能となることから好ましく用いることができる。またこれらの蛍光体は針状結晶とすることができるが、特に吸湿性が問題となりやすいため、本発明の保護層を用いることによってより効果的な防湿を図ることができる。
蛍光体層は、例えば、BaFIBr:Euであれば塗布法により、CsBr:Euであれば蒸着法によりといったように輝尽性蛍光体の種類によって、あるいは放射線像変換パネルの構成により、蒸着法、スパッタ法、塗布法など公知の方法を選択して形成することができる。
蒸着法においては、まず基板を蒸着装置内に設置した後、装置内を排気して10-4 Pa程度の真空度とする。次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも一つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて基板表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに堆積させる。蒸着工程を複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、基板上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することもできる。蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
スパッタ法においては、蒸着法と同様に基板をスパッタ装置内に設置した後装置内を一旦排気して10-4 Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr,Ne等の不活性ガスをスパッタ装置内に導入して10-1 Pa程度のガス圧とする。次に、輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリングすることにより、基板表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さに堆積させる。スパッタ工程においても蒸着法と同様に、複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、また、それぞれ異なった輝尽性蛍光体からなる複数のターゲットを用いて、同時あるいは順次、ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、スパッタ法においては、必要に応じてO2 、H2 やハロゲン等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。スパッタ終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
塗布法においては、蛍光体を溶剤とともに充分に混合して結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布液を調製し、この塗布液を基板の表面に均一に塗布することにより塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーターなどを用いることにより行なうことができる。
蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なり、20μm〜1mm程度とするのが一般的であるが、50μm〜500μmとすることがより好ましい。
防湿層としては、金属酸化物、金属窒化物または金属酸窒化物などの無機層、あるいはフッ素樹脂フィルムなどの防湿性の優れたフィルムからなるもの、あるいはこれらを適宜組み合わせて用いることができる。より具体的には、無機層であれば波長300nmから1000nmで光吸収がなくかつガスバリア性を有する無機物質を蒸着した透明な蒸着層であることが好ましい。波長300nmから1000nmで光吸収がない無機物質としては、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化窒化ケイ素、酸化窒化アルミニウム等を好ましくあげることができる。これらのうち特に酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素は光透過率が高くかつガスバリア性が高い、すなわちクラックやマイクロポアが少なく緻密な膜を形成することができるのでより好ましく用いることができる。防湿フィルムを2枚以上積層する場合、それぞれの防湿フィルムの透明無機層は異なる材質からなるものであっても、同じ材質からなるものであってもよい。
透明無機層は、スパッタ法、PVD法、CVD法等のドライプロセスによって、基材フィルム上に直接敷設することができる。いずれの方法によっても、無機層の透明性、バリヤー性は大きく変わらないので、適宜選択することが可能である。
フッ素樹脂フィルムとしては、具体的には例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、重量比:10〜70/90〜30)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(重量比:30〜70/10〜50/10〜50)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA、重量比:10〜90/90〜10)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン/第3成分共重合体(ETFE系共重合体、重量比:40〜55/40〜55/5〜20)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE、重量比:40〜60/60〜40)、フルオロエチレン/炭化水素系ビニルエーテル共重合体(FEVE、重量比:30〜90/70〜10)、ポリフッ化ビニル(PVF)などを好ましく用いることができる。
これら樹脂の分子量MWは1万〜100万、さらには5万〜60万程度が好ましい。これらフイルム用樹脂としては、三井・デュポンフロロケミカル(株)のテフロン(登録商標)、デュポン社のTefzel、TeflonAF、Tedlar、ダイキン工業(株)のネオフロンFEP、ネオフロンETFE、ネオフロンCTFE、ネオフロンVDF、旭硝子(株)製のアフロン、アフロンFEP、サイトップ、住友3M(株)のホスタフロンTFA、ホスタフロンET、ダイオニンなどが好ましい。これらのフッ素樹脂フィルムの厚みは10μ以下、好ましくは6μ以下、さらには4μ以下が好ましい。
フッ素樹脂フィルムは、通常、膜の積層に用いられる接着剤、あるいは熱圧着等を用いてはり合わせる、いわゆるラミネート加工により輝尽性蛍光体層上に積層する。ラミネートは、例えばラミネートロールにより行うことができる。
接着層、あるいは輝尽性蛍光体層の封止に用いられる接着剤は、特に限定されるものではないが100℃未満で硬化する樹脂であることが好ましく、樹脂の水蒸気透過係数が50g・mm/(m2・d)以下であることが好ましい。より具体的には、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ酢酸系、ポリアクリル系、軟質アクリル系、ポリビニル系、ポリアミド系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系等の各種の接着剤を使用することができる。
なお、図1に示す放射線像変換パネルにおける保護層は輝尽性蛍光体層上に接着層を介して、図2〜図4に示す保護層は接着剤を用いて輝尽性蛍光体層を封止することによって設けるが、いずれの場合も乾燥雰囲気下で行うことが好ましい。また、封止は減圧下で行うことが好ましい。このようにすることにより、特に気圧の低い状態における、蛍光体層と保護膜との間の剥離を抑制することができる。
基板としては、従来の放射線像変換パネルの基板として公知の材料から任意に選ぶことができる。また、基板と蛍光体層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が設けられる側の基板表面にゼラチンなどの高分子物質を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層などを設けることが知られているが、本発明における放射線像変換パネルについても、これらの各種の層を設けることができる。それらの構成は所望の放射線像変換パネルの目的、用途などに応じて任意に選択することができる。
なお、特開昭58−200200号に記載されているように、得られる画像の鮮鋭度を向上させる目的で、基板の蛍光体層側の表面(基板の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射層または光吸収層などが設けられている場合には、その表面を意味する)に微小凹凸が形成されていてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
(実施例1)
まず、次のようにして蛍光体層を準備した。蛍光体シート形成用塗布液として、14面体形状蛍光体(BaFBr0.85I0.15:Eu2+)1000gと、結合剤(ポリウレタンエラストマー;大日本インキ化学工業(株)、パンデックスT-5265H(固形))をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して固形分濃度=13wt%としたもの)246g、架橋剤(ポリイソシアネート;日本ポリウレタン工業(株)、コロネートHX(固形分100%))3g、黄変防止剤(エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ(株)、エピコート#1001(固形))15gをMEK69gに加え、ディゾルバーを用いて2400rpmで2時間分散させて30Psの塗布液とした。この塗布液を仮支持体(シリコーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレートシート(厚み:190μm))上にエクストルージョンコーターで塗布し乾燥後、仮支持体から剥離し、蛍光体シート(シート厚:300μm、塗布幅=300mm)を得た。
次に、反射(下塗)層を形成した。酸化ガドリニウム(Gd2O3)の微細粒子(全粒子の90重量%の粒子の粒子径が1〜5μmの範囲にあるもの)30部、結合剤として、軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS:20%溶液;大日本インキ化学工業(株))30部、フタル酸エステル3.5部、導電剤:ZnOウイスカー10部、着色剤として群青0.4部を適当量のMEKに加え、プロペラミキサーを用いて分散、混合し、粘度が10PS(20℃)の反射(下塗)層形成用塗布液を調製した。厚さ300μmのポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブレードを用いて支持体上に均一塗布した後、塗布膜の乾燥を行ない、支持体上に反射層(層厚:20μm)を形成した。
支持体上に形成した反射層上に、先に作製しておいた蛍光体シートを載せ、圧縮を行った。圧縮は、カレンダーロールを用いて、500kgw/cm2 の圧力、上ロール温度を90℃、下ロール温度を75℃、そして送り速度を1.0m/分の条件にて連続的に行なった。この圧縮により、蛍光体シートと支持体とは完全に融着した。融着後の蛍光体層の厚さは220μmであった。
続いて5μm厚のナノ構造制御フィルム(東レ(株))を、ラミネートロールを用いて、蛍光体層上に接着層(ポリエステル系樹脂:東洋紡(株)バイロン300、塗布重量2g/m2)を介して接着した後、PET仮支持体を剥離除去してパネルを完成させた。
(比較例1)
実施例1で用いたナノ構造制御フィルムの代わりに5μ厚のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを完成させた。
(比較例2)
実施例1で用いたナノ構造制御フィルムの代わりに5μ厚のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いた以外は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを完成させた。
(実施例2)
5μm厚のナノ構造制御フィルム(東レ(株))上にスパッタリングによりSiOx層(SiOxスパッタ層)を100nm厚で設け、さらにその上にゾルーゲル法によりPVAとSiO2の比率が1:1のPVAとSiO2のハイブリッド塗布層(PS層)を設け、保護膜とした。
ソーダガラス製封止枠(縦、横450mm角、厚さ0.5mm、幅6mm、内角部R=2mmφ)と上記で作製した保護膜(PS層面)とを2液硬化性エポキシ樹脂(XB5047、XB5067:バンティコ(株)製、水蒸気透過係数はいずれも0.5g・mm/(m2・d))を用いて接着した。この際、封止枠中心と保護層中心が合うように重ね合わせ、枠面と接触する保護層表面で接着し、40℃で1日硬化させ、保護層とガラス封止枠との接合体とした。
基板として縦、横450mm角、5mmφの減圧孔を隣りあう2辺から孔中心まで11mmの距離の角部に有する、片面に縁部(縁幅8mm)を除いてAl蒸着反射層が敷設された8mm厚のソーダガラス板を準備した。反射層面上の周縁から8mmまでの部分と減圧孔部にマスクを配置し、マスクが配置されていない反射層面上に蒸着されるように蒸着機中に設置した。次に所定の位置にEuBrm タブレットおよびCsBrタブレットを配置し、蒸着機を排気して1.0Paの真空度とした。続いて、基板をヒーターで100℃に加熱した。その後、白金ボート中のEuBrm タブレットおよびCsBrタブレットを加温して、マスク部分を除いた基板上一面に輝尽性蛍光体を(CsBr:Eu)を500μm堆積させた。乾燥雰囲気下、蒸着機中を大気圧に戻して基板を取り出した。基板上には太さ約8μmの針状輝尽性蛍光体が基板垂直方向に互いにやや隙間を空けて林立していた。
上記のように作製された、接着部(周縁から8mm)と減圧孔を除いてCsBr:Eu輝尽性蛍光体が蒸着形成された、Al蒸着反射層敷設ソーダガラス支持体と、封止枠が接合された保護膜を接着剤(SU2153-9:サンコレック社製、水蒸気透過係数は上記と同様の方法で測定して20g・mm/(m2・d))を用いて圧力をかけながら接着し、常温(25℃)で12時間硬化させた。さらに減圧孔にEDPMゴムを埋め込み、接着剤(SU2153-9)で接着することで減圧孔を密閉した。
これによって、蒸着輝尽性蛍光体層が支持体、封止枠、保護膜によって密閉された構造が形成された。続いて、この密閉構造体の封止孔EDPMゴムに注射針を刺し通し、真空ポンプにより内部の気体を抜き取り減圧状態とした。その後、減圧孔のEDPMゴム上に接着剤(SU2153-9)を付着されたガラス栓で栓をし、放射線像変換パネルを完成させた。
(実施例3)
実施例2で設けた保護膜の、SiOx層が設けられていない側のナノ構造制御フィルム(東レ(株))上に、ITO(酸化インジウムと酸化スズ)層25nm、SiO2層を25nm、ITO層85nmをこの順に積層してなる反射防止層(AR層)を形成した以外は実施例2と同様にして放射線像変換パネルを得た。
(比較例3)
実施例2の保護膜の代わりに5μ厚のポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた以外は、実施例2と同様にして放射線像変換パネルを完成させた。
(比較例4)
実施例2で作製した保護膜において、ナノ構造制御フィルム(東レ(株))の代わりに、PETを用いた以外は、実施例2と同様にして放射線像変換パネルを完成させた。
(比較例5)
実施例3で作製した保護膜において、ナノ構造制御フィルム(東レ(株))の代わりに、PETを用いた以外は、実施例2と同様にして放射線像変換パネルを完成させた。
(評価方法)
上記実施例1、比較例1および2で作製した放射線像変換パネルは放射線画像読取装置内の搬送過程においてフレキシブルに曲げることが可能なフレキシブルタイプであるため、これらの放射線像変換パネルについては搬送耐久性およびPSL(輝尽発光)について評価した。また、実施例2および3、比較例3〜5で作製した放射線像変換パネルは装置内で固定して用いられるリジッドタイプであるため、これらの放射線像変換パネルについては、保護層にSiOx層をスパッタリングで設ける際の熱の影響で保護層のつれ、歪みが生じるか否かおよび耐湿性について評価した。結果を表1および表2に示す。
なお、搬送耐久性は放射線像変換パネルを放射線画像読取装置内で搬送を繰り返し、10000回以上の搬送でも保護層上に傷が見られなかったものを○で、10000回未満の搬送で保護層に傷が見られたものを×と評価し、保護層のつれ、歪みは目視により観察し、つれ、歪みが認められないものは○、つれ、歪みが認められたものは×と評価し、防湿性は30℃80%RHの環境下、30日間放射線像変換パネルを放置し、放置前と放置後の輝尽性蛍光の発光量の変化を測定し、10%未満の発光量低下の場合には○、10%以上の発光量低下の場合には×で評価した。なお、PSLは以下のように測定し、保護層による輝尽性発光光の吸収が小さく、実用に耐え得るものを○、輝尽性発光光の吸収が大きく、実用に耐えないものを×で評価した。
<PSL>
放射線像変換パネルに、管電圧80kVpのX線を照射したのち、放射線像変換パネルに対して線状に励起光を照射するライン状LDレーザー(波長650nm)で走査して蛍光体を励起し、ライン状LDレーザーにより励起光が照射された放射線像変換パネルの線状の部分の長さ方向に沿って多数の光電変換素子が配列されたCCDアレイによって、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光して電気信号に変換して二次元データを得、平均値をとったものをその放射線像変換パネルのPSLとした。
Figure 2005148008
Figure 2005148008
表1から明らかなように、本発明の放射線像変換パネルは、保護層がナノ構造制御フィルムからなっているため、従来のフィルムに比べて、薄膜であっても高強度、耐引裂性を有し、このため搬送耐久性がよく、またその薄さゆえに高い透過率を有し、高感度で良好な画質を得ることが可能な放射線像変換パネルを得ることが可能となった。
また、表2から明らかなように、本発明の放射線像変換パネルは、保護層がナノ構造制御フィルムからなっているためナノ構造積層効果により熱収縮率が低く、薄くてもSiOx層を設ける際のスパッタによる熱によってナノ構造制御フィルムにつれや歪みが発生することがないために高い透過度を実現することができ、さらに耐湿性が実現されるので、高い感度が維持された放射線像変換パネルを得ることが可能となった。
本発明の第一の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略部分断面図 本発明の第二の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略断面図 本発明の第三の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略断面図 本発明の第四の実施の形態を示す放射線像変換パネルの概略断面図
符号の説明
10 放射線像変換パネル
11 輝尽性蛍光体層
12 保護層
14 接着層
21 輝尽性蛍光体層
22 保護層
23 基板
25 接着層
26 封止枠

Claims (9)

  1. 少なくとも輝尽性蛍光体からなる蛍光体層と、該蛍光体層上に設けられたナノ構造制御フィルムからなる保護層とを有することを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 前記保護層が接着層を介して前記蛍光体層上に設けられていることを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
  3. 前記輝尽性蛍光体がBaFBr1-xIx:Eu(0≦x≦1)であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線像変換パネル。
  4. 前記輝尽性蛍光体がCsBr:Euであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線像変換パネル。
  5. 前記蛍光体層が基板上に設けられている放射線像変換パネルであって、前記蛍光体層が前記基板と前記保護層との間に密閉封止されていることを特徴とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
  6. 前記保護層の少なくとも片方の面に防湿層が設けられていることを特徴とする請求項5記載の放射線像変換パネル。
  7. 前記防湿層がスパッタ法により設けられていることを特徴とする請求項6記載の放射線像変換パネル
  8. 前記輝尽性蛍光体がBaFBr1-xIx:Eu(0≦x≦1)であることを特徴とする請求項5、6または7記載の放射線像変換パネル。
  9. 前記輝尽性蛍光体がCsBr:Euであることを特徴とする請求項5、6または7記載の放射線像変換パネル。
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