JP2005147793A - 匂い測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2つの匂いセンサーを用いた場合や人(パネラー)の嗅覚によって測定する場合に比して、より多様な種類の匂いの強度や種類(香質)をより正確に測定できる匂い測定装置を提供する。
【解決手段】 匂いに対する感応特性が互いに異なる3種類以上の匂いセンサー10A〜10Dと、各匂いセンサーの出力値のデータを処理する演算制御部60とを設ける。演算制御部60は、無臭基準気体に対する匂いセンサーの出力値に基づいて、被測定気体に対する複数の匂いセンサーの出力値を補正し、複数のセンサー出力補正値それぞれを、平面直交座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとり、その座標系の複数の象限それぞれにおいて定義される要素匂いベクトルを得るように、センサー出力補正値のデータを処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、匂いに対する感応特性が互いに異なる複数の匂いセンサーを用いて匂いを測定する匂い測定装置に関するものである。
従来の匂い測定に用いられる匂いセンサーは、測定対象の気体に含まれる匂い物質が検知面に吸着または接近してセンサーの物理特性や化学特性が変化することを利用して匂いの強さなどを測定する。そして、この匂いセンサーとしては、匂い物質が吸着または接近したときに電気抵抗が大きくなったり逆に小さくなったりするSnOやZnO等の半導体材料を用いた匂いセンサーが知られている。この種の匂いセンサーは、そのセンサーの材料に触媒等の添加物質の種類や作動温度によって匂いに対する感応特性が変化する。即ち、匂いの種類によって匂いを検知したときのセンサーの検知信号の強度が変化する。そこで、本出願人は、かかる匂いセンサーの感応特性に着目し、感応特性が互いに異なる2つの匂いセンサーを用いて匂いの量(強さ)及び種類(香質)の両方を測定できる匂い測定装置を提案した(特許文献1参照)。この匂い測定装置は、感応特性が互いに異なる2つの匂いセンサーの検出信号の強度をそれぞれ直交座標系の互いに異なるX軸及びY軸上にとった場合に得られるベクトルの大きさと、そのベクトルの座標軸に対する傾きとに基づいて、測定対象の匂いの強さ及び種類(香質)を測定するものである。
登録実用新案第3074494号公報
ところが、上記従来の2つの匂いセンサーを用いた測定では、多様な匂い成分を有する匂いを、すべての測定対象において人の嗅覚特性に近い測定結果を得ることが難しいという問題点があった。
例えば、ゴミ処理場などの施設から発生する臭気(悪臭)は、その臭気に含まれる多様な臭気匂い成分が人の嗅覚を強く刺激するが、上記2つの匂いセンサーでは、臭気匂い成分の識別が精度よくできないため、臭気匂い成分構成比の相違による臭気匂い強度の補正ができず、ゴミ処理場のゴミの種類によっては人間の嗅覚特性に近い測定結果を得ることが難しい。このゴミ処理場などの施設の周辺臭気を監視することは、周辺の匂い環境を常時一定基準以下にして周辺住民が快適な居住環境を維持できるよう施設の保全を行うために重要であある。そのため、わが国では悪臭防止法によって遵守すべき臭気環境基準の規制が実施されている。本法律制定の初期においては、特定臭気ガスの成分濃度(ppm)をガスクロマトグラフなどの分析機器で測定する方法が提案された。しかし、臭気の匂い成分は単体の分子で構成されていることは殆どなく、複合成分で構成され、その成分構成も多様であり、かつ、人の嗅覚の匂い感覚と匂いの化学成分構成とを結びつける相関関係の確立は未だなされていない。そこで、公定法では、人(パネラー)の嗅覚によって希釈濃度を測定して、匂いがなくなるまでの希釈倍数の対数を10倍する「臭気指数」で複合臭の強さを表現している。この人(パネラー)の嗅覚による方法では、パネラーの嗅覚の個人差による誤差があり、臭気の強さや種類(香質)を正確に測定できないおそれがあるという問題点を有している。さらに、この方法では、6人のパネラーを集めなければならなくコストが高い、危険なガスを吸い込み健康を害する恐れがある等の問題点も有している。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、2つの匂いセンサーを用いた場合や人(パネラー)の嗅覚によって測定する場合に比して、より多様な種類の匂いの強度や種類(香質)をより正確に測定できる匂い測定装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、匂いに対する感応特性が互いに異なる複数の匂いセンサーを用いて、被測定気体の匂いを測定する匂い測定装置であって、該複数の匂いセンサーとして3種類以上の匂いセンサーを備え、無臭基準気体に対する該複数の匂いセンサーの出力値に基づいて、該被測定気体に対する該複数の匂いセンサーの出力値を補正し、該複数のセンサー出力補正値それぞれを、2次元以上の座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとり、該座標系の複数の象限それぞれにおいて定義される要素匂いベクトルを得るように、該センサー出力補正値のデータを処理するデータ処理手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の匂い測定装置において、上記座標系が2次元の平面直交座標系であり、上記データ処理手段は、上記複数のセンサー出力補正値それぞれを該平面直交座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとって上記要素匂いベクトルを得るように、該センサー出力補正値のデータを処理することを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の匂い測定装置において、上記データ処理手段で得られた複数の要素匂いベクトルを上記座標系上で表示する表示手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの匂い測定装置において、データを記憶するデータ記憶手段を備え、上記データ処理手段は、上記複数の要素匂いベクトルの大きさの平均値で各要素匂いベクトルの大きさを除したものを、要素匂い強度率のデータとして算出し、上記複数の要素匂いベクトルとその要素匂いベクトルが存在する象限における少なくとも一つの座標軸とがなす角度を、要素香質のデータとして算出し、該複数の要素匂い強度率のデータと該複数の要素香質のデータとを組み合わせたデータセットを、上記被測定気体の匂いに対する総合匂いデータセットとして該データ記憶手段に記憶するようにデータ処理することを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの匂い測定装置において、上記データ処理手段は、強度及び種類(香質)が既知の匂いについて測定したときの上記総合匂いデータセットを、その匂いの強度及び種類(香質)のデータと関連づけて上記データ記憶手段に記憶し、匂いの強度及び種類(香質)が未知の被測定気体について測定したときの上記総合匂いデータセットと、該データ記憶手段に記憶されている既知の匂いの総合匂いデータセットとを比較し、その比較結果に基づいて、該未知の匂いの種類(香質)を特定するようにデータ処理することを特徴とするものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの匂い測定装置において、上記データ処理手段は、上記複数のセンサー出力補正値それぞれを二乗して加算したものの平方根の値を、総合匂い強度のデータとして算出するようにデータ処理することを特徴とするものである。
請求項7の発明は、請求項6の匂い測定装置において、上記データ処理手段は、上記総合匂い強度の値に、上記要素強度率のデータ及び上記要素香質のデータ又は上記匂いの種類(香質)のデータによって決まる定数を乗算することにより、人の嗅覚特性に近似した匂い強度の数値を算出するようにデータ処理することを特徴とするものである。
請求項1の匂い測定装置では、匂いに対する感応特性が互いに異なる3種類以上の複数の匂いセンサーを用いる。これらの複数の匂いセンサーを用いて、被測定気体に対する測定を行う前に無臭基準気体に対する測定を行う。この無臭基準気体に対する複数の匂いセンサーの出力値に基づいて、被測定気体に対する複数の匂いセンサーの出力値を補正する。この補正により、被測定気体に対する複数の匂いセンサーの出力値から、温度などの環境条件の変動やセンサー特性のばらつき等の影響を除く。そして、これらの複数のセンサー出力補正値それぞれを、2次元以上の座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとり、その座標系の複数の象限それぞれにおいて定義される2つ以上の要素匂いベクトルを得る。この2つ以上の複数の要素匂いベクトルの大きさ及び方向は、匂いに対する感応特性が互いに異なる3種類以上の匂いセンサーから得ているので、被測定気体の匂いの強度や種類(香質)によって互いに異なる変化を示す。このように変化する2つ以上の複数の要素匂いベクトルの大きさ及び座標軸との角度のデータを用いることにより、従来の2つの匂いセンサーから得られる1つの匂いベクトルを用いる場合に比して、より多様な種類の匂いの強度や種類(香質)を測定することができる。しかも、人(パネラー)の嗅覚によって測定する場合とは異なり、人(パネラー)の嗅覚の個人差による誤差がないので、多様な種類の匂いの強度や種類(香質)をより正確に測定できる。
請求項2の匂い測定装置では、上記複数の匂いセンサーのセンサー出力補正値それぞれを平面直交座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとる。複数の匂いセンサーが5種類以上の場合は、その複数の匂いセンサーから選択した3種類又は4種類の匂いセンサーのセンサー出力補正値それぞれを互いに異なる座標軸上にとる。これにより、4つの象限のうち少なくとも2つの象限において定義される要素匂いベクトルを得る。このようにベクトルの演算処理が容易な2次元の平面直交座標系上で上記要素匂いベクトルを得るようにデータ処理を行っているので、3次元以上の座標系を用いる場合に比してデータ処理が簡易になる。
請求項3の匂い測定装置では、上記複数の要素匂いベクトルを座標系上で表示することにより、被測定気体の匂いの強度や種類に対応する各要素匂いベクトルの大きさや座標軸との間の角度(傾き)を視覚的に確認できる。
請求項4の匂い測定装置では、上記複数の要素匂いベクトルの大きさの平均値で各要素匂いベクトルの大きさを除したものを、要素匂い強度率のデータとして算出する。この各要素匂い強度率のデータは、各要素匂いベクトルの大きさを平均値で除して規格化したものであるため、各要素匂いベクトルの大きさが全体としてどのような比率になっているか等の匂いの種類(香質)に関連した要素匂いベクトルの特徴が抽出しやすくなる。さらに、上記複数の要素匂いベクトルとその要素匂いベクトルが存在する象限における少なくとも一つの座標軸とがなす角度を、要素香質のデータとして算出する。この要素香質のデータが示している値は、匂いに対する感応特性が互いに異なる複数の匂いセンサーのうち任意の2つの匂いセンサーの出力値の間の大小関係を示し、匂いの種類(香質)に関連した値である。これらの匂いの種類(香質)に関連した複数の要素匂い強度率のデータと複数の要素香質のデータとを組み合わせたデータセットを、被測定気体の匂いに対する総合匂いデータセットとしてデータ記憶手段に記憶する。この総合匂いデータセットを用いることにより、被測定気体の匂いの種類(香質)を精度良く特定することができる。
請求項5の匂い測定装置では、強度及び種類(香質)が既知の匂いについて測定したときの上記総合匂いデータセットを、その匂いの強度及び香質のデータと関連づけて上記データ記憶手段に記憶する。そして、匂いの強度及び種類(香質)が未知の被測定気体について測定したときの総合匂いデータセットと、データ記憶手段に記憶されている既知の匂いの総合匂いデータセットとを比較する。この比較結果に基づいて、総合匂いデータセットの各データの一致の度合いから、被測定気体の匂いの種類(香質)を特定することができる。ここで、上記データ記憶手段に記憶させて蓄積する既知の匂いの総合匂いデータセットの種類を増やすことにより、被測定気体の匂いの種類(香質)の識別の精度を高めることができる。
請求項6の匂い測定装置では、上記複数のセンサー出力補正値それぞれを二乗して加算したものの平方根の値を、総合匂い強度のデータとして算出する。この総合匂い強度のデータは、すべてのセンサー出力補正値の大きさに応じて変化するので、被測定気体の匂いの総合的な強度を示す値として扱うことができる。また、匂い感度特性に関して各匂いセンサー間の干渉があっても、センサー出力補正値それぞれを二乗して加算したものの平方根をとることにより、各センサー出力補正値をそのまま加算する場合に比して干渉の影響が小さくなる。
請求項7の匂い測定装置では、上記総合匂い強度の値に、要素強度率のデータ及び要素香質のデータ又は上記匂いの種類(香質)のデータによって決まる定数を乗算することにより、人の嗅覚特性に近似した匂い強度の指標値を算出する。この指標値により、被測定気体の匂いについて人の嗅覚特性に近似した匂い強度がわかる。
請求項1乃至7の発明によれば、匂いに対する感応特性が互いに異なる3種類以上の複数の匂いセンサーのセンサー出力補正値から、2次元以上の座標系上の複数の要素匂いベクトルを得ている。この要素匂いベクトルの大きさ及び座標軸との角度のデータを用いることにより、従来の2つの匂いセンサーから得られる1つの匂いベクトルを用いる場合に比して、より多様な種類の匂いの強度や種類(香質)を測定することができる。しかも、人(パネラー)の嗅覚によって測定する場合とは異なり、人(パネラー)の嗅覚の個人差による誤差がないので、多様な種類の匂いの強度や種類(香質)をより正確に測定できるという効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、ベクトルの演算処理が容易な2次元の平面直交座標系上で要素匂いベクトルを得るようにデータ処理を行っているので、3次元以上の座標系を用いる場合に比してデータ処理が簡易になるという効果がある。
特に、請求項3の発明によれば、被測定気体の匂いの強度や種類に対応する各要素匂いベクトルの大きさや座標軸との間の角度(傾き)を視覚的に確認できるという効果がある。
特に、請求項4の発明によれば、匂いの種類(香質)に関連した複数の要素匂い強度率のデータと複数の要素香質のデータとを組み合わせたデータセットを、被測定気体の匂いに対する総合匂いデータセットとして記憶して用いることにより、被測定気体の匂いの種類(香質)を精度良く特定することができる効果がある。
特に、請求項5の発明によれば、既知の匂いの総合匂いデータセットをデータ記憶手段に記憶して蓄積することにより、被測定気体の匂いの種類(香質)の識別精度を高めることができるという効果がある。
特に、請求項6の発明によれば、複数のセンサー出力補正値それぞれを二乗して加算したものの平方根の値である総合匂い強度のデータにより、被測定気体の匂いの総合的な強度を示す値として扱うことができる。しかも、匂い感度特性に関して各匂いセンサー間の干渉があっても、各センサー出力補正値をそのまま加算する場合に比して干渉の影響が小さくなるという効果がある。
特に、請求項7の発明によれば、上記総合匂い強度の値を用いて算出した指標値により、被測定気体の匂いについて、人の嗅覚特性により近似した匂い強度を測定することができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施形態に係る匂い測定装置の全体構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係る匂い測定装置の全体構成図である。この匂い測定装置は、4種類の匂いセンサー10A、10B、10C、10Dを有する被測定気体収容部としての密閉可能な測定チェンバー20と、測定チェンバー20内に被測定気体を導入するための気体供給手段30とを備えている。気体供給手段30は、気体導入路を形成する供給パイプ31と、気体導入路を開閉する電磁弁32とを用いて構成されている。また、測定チェンバー20には、同様な構成の供給パイプ31と電磁弁32とを用いて構成した2つの予備の気体供給手段30'、30''も設けられている。
また、匂い測定装置は、測定チェンバー20内の気体を排気するためのポンプ部40と、気体排気路を形成する排気パイプ41,42とを用いて構成された気体排出手段を備えている。ポンプ部40には、例えばエアーポンプやダイアフラム式のマイクロポンプを用いることができる。
上記電磁弁32及びポンプ部40を制御することにより、測定チェンバー20内へ気体を供給したり、測定チェンバー20から気体を排出したりすることができる。例えば、電磁弁32を開いてポンプ部40をオンすると、測定チェンバー20内の気体を排気パイプ42の排気口から排出しながら、導入供給パイプ31の吸引口から吸引した被測定気体を測定チェンバー20に導入することができる。そして、測定チェンバー20内に被測定気体が満たされた状態で、ポンプ部40をオフにするとともに電磁弁32を閉じることにより、測定チェンバー20内が密閉空間になり、被測定気体の匂い測定を開始することができる。
また、本実施形態の匂い測定装置には、図示しない標準気体発生手段で発生した無臭標準気体を導入し、そのときの匂いセンサーの出力値に基づいて測定データの補正処理ができるようになっている。上記標準気体発生手段は、例えば周囲の空気を吸い込んで活性炭を通過させることにより無臭標準気体を発生したり、市販の無臭気体ボンベから無臭標準気体を発生したりするように構成することができる。
上記各匂いセンサー10A〜10Dは、匂いに対する感応特性が互いに異なるものであり、測定対象の匂いに応じて選択される。この匂いセンサー10A〜10Dとしては、触媒を添加した金属酸化物半導体からなる匂いセンサー、合成皮膜と水晶振動子を組み合わせた匂いセンサー、バイオセンサー等などを用いることができる。これらの匂いセンサーの中で、金属酸化物半導体を用いた匂いセンサーは、耐久性、耐環境性、再現性、応答速度が良い上に、測定濃度範囲が広い。また、この金属酸化物半導体を用いた匂いセンサーは、匂い分子の濃度(匂いガス濃度)に対して対数関数に近い感度特性を持っている。すなわち、この金属酸化物半導体を用いた匂いセンサーの匂いガス濃度Xに対するセンサー出力信号電圧(感応出力)Yは、次式(1)のように対数関数で近似できる。ここで、式中のKは匂いの種類などによって異なる定数である。
Figure 2005147793
また、上記匂いセンサーの金属酸化物半導体としては焼結型のSnOやZnO等が用いられ、その材料の種類、触媒の種類、構造などによって、匂いを構成する匂い分子に対する感度に大きな差が生じる。これらのSnOやZnO等の金属酸化物半導体は、添加触媒、温度、多孔質焼結型構造の細孔径の違いによって、表1に示すような基本的な匂いガスに対する感応ガス選別を行うことができる。この細孔(Pore)は、その径により、マクロポア(50nm以上)、メゾポア(50〜2.0nm)、ミクロポア(2.0nm以下)のように分類される。また、表2は、添加触媒、細孔径及び温度による検出対象のガス選択性の制御例を示している。
Figure 2005147793
Figure 2005147793
ただし、上記金属酸化物半導体の匂いガス種に対する感度選択性はシャープなものでなく、各匂いセンサーは多様な匂いに反応する性質を有している。すなわち、匂いセンサーの感度選択性は、互いに相違する匂いガス相互で干渉しあっている。その感度選択性の傾向を仮に3種類の匂いセンサーで模式的に図示すれば、図2のようになる。
また、本実施形態の匂い測定装置は、各匂いセンサー10A〜10Dの出力信号を処理するセンサー信号処理手段50を備えている。このセンサー信号処理手段50は、センサー回路部51とAD変換器52とを有している。センサー回路部51は、各匂いセンサー10A〜10Dに所定の駆動電圧を供給したり各匂いセンサー10A〜10Dからのセンサー出力信号(アナログ信号)を次段に受け渡したりする回路で構成されている。AD変換器52は、センサー回路部51から受けたセンサー出力信号(アナログ信号)を、匂いセンサーの出力値のデータ(デジタル信号)に変換する。
図3はセンサー回路部51の具体的な回路構成の一例を示す説明図である。なお、図3では、匂いセンサー10Aの場合について示しているが、他の匂いセンサー10B〜10Dについても同様な回路構成を採用することができる。匂いセンサー10Aは、金属酸化物半導体11Aと白金薄膜12Aとが一体に構成されている。各白金薄膜12Aには、スイッチング素子510で発生したパルス電流が供給されて発熱される。この白金薄膜11Bで金属酸化物半導体11Aを400℃前後の高温に加熱することにより、周囲温度変化や水分の影響を軽減するとともに、センサーに付着した匂い分子を清浄空気で容易に洗浄除去できるようにしている。上記スイッチング素子510のON/OFFは、図示しないパルス発生部で発生した制御パルス信号Vpを入力抵抗511を介してスイッチング素子510に入力することにより制御される。また、匂いセンサー10Aの検出信号が出力される出力部は、金属酸化物半導体11Aにそれぞれ直列に接続された抵抗器512と蓄電器513とからなる積分電圧発生回路で構成されている。この積分電圧発生回路と匂いセンサー10との接続点から、センサー出力信号(検出信号)が出力される。
また、本実施形態の匂い測定装置は、AD変換器52でデジタル信号に変換した各匂いセンサー10A〜10Dの出力値についてデータ処理するデータ処理手段としての演算制御部60を備えている。この演算制御部60は、センサー出力値のデータ処理の機能ほか、上記電磁弁32やポンプ部40を含む匂い測定装置全体を制御する機能も有している。この演算制御部60は、本匂い測定装置用に設計されたデジタル論理回路を用いて構成してもいいし、CPU、RAM、ROM等からなる汎用のマイクロコンピュータを用いて構成してもよい。
更に、本実施形態の匂い測定装置は、表示手段としての液晶ディスプレイ等からなる表示部70と、通信制御部80とを備えている。表示部70は、各匂いセンサー10A〜10Dの出力値や、データ処理によって得られた匂いの強度や種類(香質)等の匂い測定結果を表示する。通信制御部80は、匂い測定結果のデータを外部のコンピュータ90で利用できるように、外部のコンピュータ90との間におけるデータ送受信のための通信を制御する。
次に、上記構成の匂い測定装置を用いて臭気(悪臭)を測定するときの測定手順及びデータ処理について説明する。
まず、測定対象の匂いの測定に先立って、測定チェンバー20に無臭標準気体を導入し、各匂いセンサー10A〜10Dの出力信号を測定する。この測定値のデータは、演算制御部60内のデータ記憶手段としてのメモリに保存され、その後の測定対象の匂いの測定値の補正に用いられる。この補正処理により、温度などの環境条件の変動やセンサー特性のばらつき等の影響を排除することができる。以下、この補正後の測定値を「センサー出力補正値」という。
次に、臭気を含む被測定気体を測定チェンバー20に導入し、各匂いセンサー10A〜10Dの出力信号を測定する。この出力信号はAD変換器52でデジタルデータに変換されて演算制御部60に入力され、所定のデータ処理が実行される。
ここで、人が日常生活で感じる匂いの成分は、単一の成分(化学物質)であることは少なく、ほとんどの場合、複数の匂い成分である。このような複数の匂い成分を含む混合ガスの匂いを、いわゆる複合臭として感じている。本実施形態の匂い測定対象である臭気の匂い分子の代表例としては、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、硫化水素、トルエン、アルデヒド、酢酸、アルコール、アンモニアが挙げられる。これらの匂い成分を複数種類含む混合ガスの匂いを、複合臭の臭気(悪臭)として感じる。
〔総合匂い強度〕
上記複合臭の臭気(悪臭)の総合的な匂いの強さを示す「総合匂い強度」Sは、次式(2)に示すように、4つの匂いセンサー10A〜10Dに対応するセンサー出力補正値a〜dそれぞれを二乗して加算したものの平方根の値として求める。
Figure 2005147793
上記(2)式で総合匂い強度Sを表現する場合は、次のように匂いセンサー10A〜10Dの感度特性の干渉度を緩和することができる。ここで、匂いセンサー10Aに感度選択性を有する単一の匂い分子を有する気体について測定を行ったとする。上記(2)を変形すると次式(3)のようになる。
Figure 2005147793
上記(3)式中の(b/a)、(c/a)及び(d/a)は、その測定気体中の匂い分子の感度特性の他の匂いセンサー10B〜10Dへの干渉の度合いを示す「干渉率」ということができる。この干渉率が仮にすべて0.2程度であったとすると、上記(3)式中の干渉率の二乗の総和は0.12になり、総合匂い強度Sはa・(1.12)1/2=a×1.06となる。従って、単純に加算して総合匂い強度を求めた場合の値(=a+b+c+d=a×1.6)に比して、他の匂いセンサー10B〜10Dへの干渉の影響を小さくすることができる。
また、、匂いセンサー10Aに感度選択性を有する単一の匂い分子を有する気体について測定を行ったときに、各匂いセンサー10A〜10Dに対応するセンサー出力補正値a〜dがすべて同じ値であっても上記(2)式の総合匂い強度Sは、a・(6)1/2=a×2.5となる。すなわち、単純に加算して総合匂い強度を求めた場合の値(=a+b+c+d=a×6)のように6倍ではなく、2.5倍となるだけであり、匂いセンサー10Aに感度選択性を有する単一の匂い分子の他の匂いセンサー10B〜10Dへの干渉の影響が小さくなる。
以上により、複合臭の臭気(臭気)を総合的な匂いの強さは、上記(2)式で示す総合匂い強度Sで表現するのが合理的である。
〔人の嗅覚特性により近似した匂い強度〕
上記(2)式の総合匂い強度Sで複合臭の臭気(悪臭)の総合的な匂いの強さを表現する場合、その匂いの種類(香質)によっては、人の嗅覚で感じる匂いの強さと乖離する場合がある。この乖離の原因としては、匂いセンサーの匂い感度特性が人の嗅覚の特性と完全に一致していないことと、各匂いセンサー間で匂い感度特性が干渉すること等が挙げられる。
そこで、次式(4)に示すように、匂いの種類(香質)ごとに決められた所定の定数Ωを乗算して総合匂い強度Stを算出するのが好ましい。この定数Ωは、匂いの種類(香質)ごとに、その種類と人の嗅覚による匂い強度とがそれぞれわかっている複数の臭気(悪臭)について測定し、その測定値Ωを演算制御部60のメモリに保存しておく。
Figure 2005147793
ここで、匂いセンサーが人の嗅覚に極めて近似した特性を有している場合は、上記定数Ωを1として総合匂い強度Stを算出してもよい。しかしながら、例えば硫黄成分を多く含むものに対する人の嗅覚は低濃度でも極めて高く、逆にアンモニアやトルエン等を含むものに対する人の嗅覚は低濃度に対して比較的鈍感な性質を有している。そのため、匂いセンサーの感応特性は、人の嗅覚特性を忠実に反映しない場合がある。この場合は、匂い種類(香質)ごとに、人の嗅覚特性に合わせるように上記定数Ωを設定する。この定数Ωは、言い換えれば匂いの種類(香質)によって匂い測定装置で測定した総合匂い強度に重み付けするものである。
なお、上記(4)式では、センサー出力補正値a〜dそれぞれを二乗して加算したものの平方根の値の全体に一つの定数Ωを乗算して重み付けているが、センサー出力補正値a〜dそれぞれを二乗したもののそれぞれに、互いに異なる定数Ωa〜Ωdを乗算して重み付けするようにしてもよい。
〔臭気の種類(香質)の特定〕
上記構成の匂い測定装置を用いた臭気の種類(香質)の特定は、次のように行うことができる。すなわち、各匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値それぞれを平面直交座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとり、その平面直交座標系の4つの象限それぞれにおいて定義される「要素匂いベクトル」を用いて行うことができる。
図4〜図7はそれぞれ、本実施形態で使用した4つの匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力値[V]と被測定気体中の匂い成分の濃度[ppm]との関係を示すグラフである。これらのグラフは、空気中に各匂い成分を所定の濃度だけ含有させたテスト測定用の被測定気体について測定したものである。特に、匂いセンサー10Cはアンモニアに敏感なセンサーであり、匂いセンサー10Dは硫化水素に敏感なセンサーである。
これらの4つの匂いセンサー10A〜10Dのうち、例えば二つの匂いセンサー10A及び10Bのセンサー出力補正値a、bをそれぞれ平面直交座標系のX軸のプラス領域及びY軸のプラス領域にとると、その平面直交座標系の第1象限に原点から延びるベクトルを定義できる。以下、このベクトルを「要素匂いベクトル」という。この要素匂いベクトルの長さは、匂いセンサー10A及び10Bが感度を有する匂い成分の濃度が高くなる(匂いの強度が強くなる)に従って長くなっていく。また、要素匂いベクトルがX軸となす角度は、匂いの種類によって変化する。
図8は、各種匂い成分の濃度を変化させて測定した匂いセンサー10A及び10Bのセンサー出力電圧値a、bをそれぞれ横軸(X軸)及び縦軸(Y軸)にとって得られたグラフである。図8中において原点と各測定データ点とを結ぶことにより「要素匂いベクトル」が得られる。ここで、次式(5)で表される要素匂いベクトルの大きさ|Seab|を「要素強度」と定義し、次式(6)で表される要素匂いベクトルの角度θabを「要素香質」と定義する。
Figure 2005147793
Figure 2005147793
また、他の匂いセンサーの組み合わせについても同様に定義することができ、その組み合わせの数は、6通りになる。匂いセンサーの全数をn個、組み合わせる匂いセンサーの数をr個にすると、組み合わせの数Pの一般式は次式(7)のようになる。
Figure 2005147793
従って、1つの被測定気体に対する1回の測定ごとに、6つの要素匂いベクトルが得られ、6つの要素強度|Seab|、|Sebc|、|Secd|、|Seda|、|Sedb|、|Seca|と、6つの要素香質θab、θbc、θcd、θda、θdb、θcaからなるデータセットが得られる。すなわち、6組の要素強度及び要素香質の組(|Seab|,θab)、(|Sebc|,θbc)、(|Secd|,θcd)、(|Seda|,θda)、(|Sedb|,θdb)、(|Seca|,θca)からなるデータセットが得られる。これらのデータセットに基づいて、被測定気体の匂いの種類(香質)を特定することができる。
なお、この被測定気体の匂いの種類(香質)の特定には、上記要素強度の代わりに、次式(8)及び(9)で例示するように各要素強度を要素強度の平均値Sxで割って規格化した「要素強度率」SRab、SRbc、SRcd、SRda、SRdb、SRcaを用いるのが好ましい。この要素強度率を用いた場合は、被測定気体の総合的な匂いの強度の影響が小さくなり、匂いの種類(香質)を精度よく特定することができる。
Figure 2005147793
Figure 2005147793
上記匂いの種類(香質)の特定は、例えば次のように行うことができる。まず、複数の匂い成分を所定の比率で含む複数種類の既知の複合臭(臭気)について匂い測定を行う。この匂い測定で得られた6つの要素匂いベクトルから、6組の要素強度率及び要素香質のデータ(SRab,θab)、(SRbc,θbc)、(Secd,θcd)、(Seda,θda)、(Sedb,θdb)、(Seca,θca)からなるデータセットを算出し、演算制御部60内のメモリーに保存して蓄積しておく。そして、測定対象の複合臭(臭気)を含む被測定気体について同様な匂い測定を行い、6つの要素匂いベクトルから6組の要素強度率及び要素香質のデータを算出する。この被測定気体の要素強度率及び要素香質のデータと、上記予め測定した複数種類の既知の複合臭の要素強度率及び要素香質のデータとを比較し、両者データの一致の程度から、被測定気体の複合臭の種類(香質)を特定することができる。要素強度率及び要素香質のデータの比較処理の結果に基づいて、被測定気体の複合臭に含まれる匂い成分の比率を特定することも可能である。
なお、上記データセット(SRab,θab)、(SRbc,θbc)、(Secd,θcd)、(Seda,θda)、(Sedb,θdb)、(Seca,θca)の6組の要素強度率及び要素香質の数値の標準偏差は、データの蓄積によって算出することができる。この標準偏差を考慮してデータセットの比較処理を行うことにより、複合臭の種類(香質)の特定の精度を高めることができる。
また、硫化水素などの硫黄を官能基に含む匂い成分が多い場合は匂いセンサー10Dが過敏に反応し、アンモニアが多い場合は匂いセンサー10Cが過敏に反応する。そのため、上記データセットの数値から、複合臭の種類(香質)を容易に特定することができる。また、この場合は、後述の座標系上に表示した各要素匂いべクトルの終点を結ぶ図形によってもある程度の精度で複合臭の種類(香質)を識別して特定することができる。そして、前述の(4)式で示す総合匂い強度Stにおける定数Ωを、複合臭の種類(香質)によって変化させる。これにより、人の嗅覚による匂いの強さと総合匂い強度Stの測定値との関係を補正し、人の嗅覚の感度特性に近い総合匂い強度Stになるように測定値を倍率補正することができる。
図9は、各種匂い成分について測定した総合匂い強度Stの補正前の実測値と、匂い成分の濃度[ppm]との関係を示すグラフである。このグラフからわかるように、匂い成分の種類によって総合匂い強度Stの値と濃度との関係が異なる。したがって、匂い成分の種類ごとに前述の(4)式中の定数Ωを補正することにより、どの匂い成分であっても同じ濃度であれば同じ総合匂い強度Stが得られるようにすることができる。さらに、各匂い成分について濃度と人の嗅覚による匂いの強さとの関係がわかっていれば、その関係を考慮して総合匂い強度Stを補正することにより、人の嗅覚の感度特性に近い総合匂い強度Stが得られるようになる。
〔要素匂いベクトルの表示〕
上記4つの匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値のデータから得られる要素匂いベクトルは、2次元の平面直交座標系上に表示することができる。この要素匂いベクトルは、匂い測定装置の表示部70に表示してよいし、外部のコンピュータ90にデータを送って表示するようにしてもよい。この要素匂いベクトルの振る舞いを視覚によって確認することにより、被測定気体の複合臭の種類(香質)をある程度直感的に判断することができる。
図10は、4つの匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値のデータを直交座標系の各座標軸にとったときに得られる要素匂いベクトルの説明図である。図10では、匂いセンサー10Aのセンサー出力補正値のデータをX軸のプラス側にとり、匂いセンサー10Bのセンサー出力補正値のデータをY軸のプラス側にとっている。また、匂いセンサー10Cのセンサー出力補正値のデータをX軸のマイナス側にとり、匂いセンサー10Dのセンサー出力補正値のデータをY軸のマイナス側にとっている。図中の点線で示す円は、原点を中心として、各匂いセンサーのセンサー出力補正値の平均値Sxを半径とする円である。
この図10では、上記6つの要素匂いベクトルのうち4つの要素匂いベクトルSeab,Sebc,Secd,Sedaを表示することができる。各要素強度|Seab|、|Sebc|、|Secd|、|Seda|は、これらの要素匂いベクトルの長さとして確認することができる。また、要素香質θab,θbc,θcd,θdaは、各象限において各座標軸から反時計方向に要素匂いベクトルまで至る角度として確認することができる。
図11は、4つの匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値に対応する座標軸を入れ替えて得られた要素匂いベクトルの説明図である。この図11では、図10とは異なり、匂いセンサー10Bのセンサー出力補正値のデータをX軸のマイナス側にとっている。また、匂いセンサー10Cのセンサー出力補正値のデータをY軸のマイナス側にとり、匂いセンサー10Dのセンサー出力補正値のデータをY軸のプラス側にとっている。このようにセンサー出力補正値をとることにより、図10では表示できなかった要素匂いベクトルSedb,Secaを表示し、これらの要素匂いベクトルから、残りの要素強度|Sedb|,|Seca|を及び要素香質θdb,θcaを視覚的に確認することができる。
また、上記匂い測定装置で測定した測定結果は、外部のコンピュータ90に送ってディスプレイに表示したり、コンピュータ90に組み込んだ所定のプログラムを使って演算処理したりするようにしてもよい。
図12は、各匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値A〜D、各要素匂いベクトルの要素強度、要素香質等を表示したコンピュータ90のディスプレイの画面の説明図である。
また、図13、14、15及び16はそれぞれ、被測定気体中の匂い成分が硫化水素4ppm、アンモニア18ppm、硫化水素0.1ppm及びアンモニア1.8ppmの場合の要素匂いベクトルを表示したコンピュータ90のディスプレイの画面の説明図である。各図中の分図(a)は、要素匂いベクトルSeab,Sebc,Secd,Sedaを表示した画面であり、分図(b)は、要素匂いベクトルSead,Sedb,Sebc,Secaを表示した画面である。
また、外部のコンピュータ90において複合臭の種類(香質)を特定するためのプログラムは、一般的な数値パターン一致法を基本手法として、上記要素強度率及び要素香質のデータセットの数値パターンの一致処理を行うように作成したものを用いることができる。また、要素強度率と要素香質のデータのバラツキに対しては標準偏差による幅を設定して被測定気体の複合臭の種類(香質)を判定するようにしてもよい。
〔臭気濃度・臭気指数の測定〕
人の嗅覚による匂い強度の公的な表現単位として、「臭気濃度」及び「臭気指数」がある。臭気濃度は、測定対象の匂いを有する気体(空気)を無臭気体(無臭空気)で希釈していったとき、はじめて匂いを感じなくなる希釈倍数で定義される。臭気指数は、臭気濃度の常用対数値を10倍した値である。本実施形態の匂い測定装置を用いて被測定気体の臭気濃度や臭気指数を測定するには、予め臭気濃度や臭気指数がわかっている匂いを含む複数種類のサンプル気体について測定を行っておく。この測定結果から検量曲線を求め、検量曲線のデータを演算制御部60内に記憶して保存しておく。
図17は、塗料関係の3種類の匂い成分を含む被測定気体について測定した検量曲線のグラフである。このグラフの横軸は従来のパネラーによる方法で測定した臭気指数であり、縦軸は本実施形態の匂い測定装置で測定した総合匂い強度Stの値である。図中の「吹付け1」の匂い成分は吹き付け塗装用のアクリルラッカー樹脂系塗料であり、「吹付け2」の匂い成分は吹き付け塗装用シンナーである。また、図中の「焼き付け」はアクリル樹脂系焼付け塗料である。図中の「処理前」及び「処理後」はそれぞれ脱臭処理前及び脱臭処理後を示している。なお、各匂い成分の詳しい組成を表3に示す。
Figure 2005147793
図17の検量曲線を参照して用いることにより、本実施形態の匂い測定装置で測定した各種塗料の総合匂い強度Stの値から、その塗料の臭気指数及び臭気濃度を求めることができる。
図18は、匂い成分がアンモニアである複数被測定気体と匂い成分が硫化水素である被測定気体について測定した検量曲線のグラフである。このグラフの横軸は従来のパネラーによる方法で測定した臭気指数から求めた臭気濃度であり、縦軸は本実施形態の匂い測定装置で測定した総合匂い強度Stの値である。この図18の検量曲線を参照して用いることにより、本実施形態の匂い測定装置で測定したアンモニアや硫化水素の総合匂い強度Stの値から、アンモニアや硫化水素を含む気体の臭気指数及び臭気濃度を求めることができる。
〔要素強度率SRと匂いの種類(香質)との相関〕
図19は、匂い成分がアンモニア4ppmである被測定気体と匂い成分が硫化水素18ppmである被測定気体について測定した要素強度率SRの値を表示した図(以下「匂いスペクトル図」という)である。図中の要素強度率SRは、前述の(8)式及び(9)式に例示する数式を用いて算出したものである。図中左側の第一画面は、各匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値を前述の図10に示す座標軸にとった場合の座標画面である。一方、図中右側の第二画面は、各匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値を前述の図11に示す座標軸にとった場合の座標画面である。この第二画面では、第一画面と重複する要素強度率のデータを省略している。また、図19の匂いスペクトル図の横軸は、各画面ごとに、X軸(プラス領域)を基準にした要素匂いベクトルの反時計方向の角度(香質)θの値をとっている。この匂いスペクトル図に示す要素強度率SRと角度(要素香質)θとの相関を示す数値パターンにより、匂いの種類(香質)を識別して特定してもよい。例えば、図19において要素強度率の値が平均値(=1)を超えている要素匂いベクトルの角度位置(要素角度θ)に着目して、どのような匂い成分が多いかを視覚的に判断することができる。また、図19の被測定気体の数値パターンを、予め既知の匂いについて求めてメモリに記憶しておいた複数の数値パターンと比較するようにコンピュータ処理によってパターン分析し、被測定気体の匂いの種類(香質)を特定するようにしてもよい。そして、例えばアンモニアに近い数値パターンが出たときには上記定数Ωを0.8として総合匂い強度Stを補正し、また硫化水素に近い数値パターンが出たときには上記定数Ωを1.2として総合匂い強度Stを補正する。
図20は、図19の匂いスペクトル図において要素強度率SRが平均値(=1)を超えている要素匂いベクトルの角度に対応する升目の部分に黒塗りのマークを付した特徴抽出図である。この特徴抽出図において、各匂い成分ごとに、30度の角度単位で作成した升目にカウント数の分だけマークを付している。例えば、該当する角度範囲内でのカウント数が1の場合は、升目の4分割した部分の1カ所にマークを付し、カウント数が4の場合は升目の4分割した部分のすべてにマークを付す。このマークが上記角度についてどのように分布しているかを示すマーク分布パターンにより、被測定気体の匂いの種類(香質)を特定することができる。
また、既知の匂いの特徴抽出図をコンピュータにデータベースとして保存しておいてもよい。この場合は、未知の匂い成分を含む被測定気体の測定データから特徴抽出図を生成し、その測定した特徴抽出図のパターンと、コンピュータにデータベースとして保存した特徴抽出図のパターンとを比較する。そして、この比較の結果、両者のパターンが完全にもしくはほとんど一致すれば、その一致した匂い成分を被測定気体が含んでいると判定することができる。被測定気体について測定した特徴抽出図のパターンが、既知の匂い成分の特徴抽出図のパターンのいずれにも合致しないときは、新しく匂いの種類の名前を付与してデータベースに追加する。
また、視覚的には図20のように表形式で表現するが、実際の演算のためには、各匂い成分ごとの30度単位の升目に要素強度の数値を整数で記録してもよい。この場合は、未知の匂いの特徴抽出図の数値を引き算し、その引き算の結果に基づいて、匂いの種類を識別して特定することもできる。
以上、本実施形態によれば、匂いに対する感応特性が互いに異なる4種類の匂いセンサー10A〜10Dのセンサー出力補正値a,b,c,dから、2次元の平面直交座標系上の複数の要素匂いベクトルSeab、Sebc、Secd、Seda、Sedb、Secaを得ている。この要素匂いベクトルの大きさ(要素強度)|Seab|、|Sebc|、|Secd|、|Seda|、|Sedb|、|Seca|及び座標軸との角度(要素香質)θab、θbc、θcd、θda、θdb、θcaのデータを用いることにより、従来の2つの匂いセンサーから得られる1つの匂いベクトルを用いる場合に比して、より多様な種類の匂いの強度や種類(香質)を測定することができる。しかも、人(パネラー)の嗅覚によって測定する場合とは異なり、人(パネラー)の嗅覚の個人差による誤差がないので、多様な種類の匂いの強度や種類(香質)をより正確に測定できる。
特に、本実施形態によれば、ベクトルの演算処理が容易な2次元の平面直交座標系上で要素匂いベクトルを得るようにデータ処理を行っているので、3次元以上の座標系を用いる場合に比してデータ処理が簡易になる。
また特に、本実施形態によれば、被測定気体の匂いの強度や種類に対応する各要素匂いベクトルの大きさや座標軸との間の角度(傾き)をディスプレイに表示して視覚的に確認できる。
また特に、本実施形態によれば、匂いの種類(香質)に関連した複数の要素匂い強度率SRのデータと複数の要素香質θのデータとを組み合わせたデータセットを、被測定気体の匂いに対する総合匂いデータセットを演算制御部60のメモリに記憶して用いることにより、被測定気体の匂いの種類(香質)を精度良く特定することができる。
また特に、本実施形態によれば、既知の匂いの総合匂いデータセットを演算制御部60のメモリに記憶して蓄積することにより、被測定気体の匂いの種類(香質)の識別精度を高めることができる。
また特に、本実施形態によれば、複数のセンサー出力補正値それぞれを二乗して加算したものの平方根の値である総合匂い強度Stのデータにより、被測定気体の匂いの総合的な強度を示す値として扱うことができる。しかも、匂い感度特性に関して各匂いセンサー間の干渉があっても、各センサー出力補正値をそのまま加算する場合に比して干渉の影響が小さくなる。
また特に、本実施形態によれば、上記総合匂い強度Stの値を用いて算出した臭気指数や臭気濃度などの指標値により、被測定気体の匂いについて、人の嗅覚特性により近似した匂い強度を測定することができる。
なお、上記実施形態では、4種類の匂いセンサーを用いた場合について説明したが、本発明は、3種類の匂いセンサーを用いた場合や5種類以上の匂いセンサーを用いた場合にも適用できる。
また、上記実施形態では、アンモニア等の悪臭である臭気の測定について説明したが、本発明は、このような臭気だけでなく他の種類の匂いの測定を行う場合にも同様に適用でき、同様な効果が得られるものである。
本発明の実施形態に係る匂い測定装置の全体構成図。 匂いセンサーの感度選択性の傾向を示す模式図。 同匂い測定装置の測定チェンバー内部に配置した匂いセンサーの周辺回路の説明図。 匂いセンサー10Aのセンサー出力値と被測定気体中の匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 匂いセンサー10Bのセンサー出力値と被測定気体中の匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 匂いセンサー10Cのセンサー出力値と被測定気体中の匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 匂いセンサー10Dのセンサー出力値と被測定気体中の匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 各種匂い成分の濃度を変化させて測定した匂いセンサー10A,10Bのセンサー出力値a、bをそれぞれ横軸(X軸)及び縦軸(Y軸)にとって得られたグラフ。 各種匂い成分について測定した総合匂い強度Stの補正前の実測値と匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 各匂いセンサーのセンサー出力補正値のデータを直交座標系の各座標軸にとったときに得られる要素匂いベクトルの説明図。 各匂いセンサーのセンサー出力補正値に対応する座標軸を入れ替えて得られた要素匂いベクトルの説明図。 各匂いセンサーのセンサー出力補正値A〜D、各要素匂いベクトルの要素強度、要素香質等を表示したコンピュータのディスプレイの画面の説明図。 (a)及び(b)は、被測定気体中の匂い成分が硫化水素4ppmの場合の要素匂いベクトルを表示したディスプレイの画面の説明図。 (a)及び(b)は、被測定気体中の匂い成分がアンモニア18ppmの場合の要素匂いベクトルを表示したディスプレイの画面の説明図。 (a)及び(b)は、被測定気体中の匂い成分が硫化水素0.1ppmの場合の要素匂いベクトルを表示したディスプレイの画面の説明図。 (a)及び(b)は、被測定気体中の匂い成分がアンモニア1.8ppmの場合の要素匂いベクトルを表示したディスプレイの画面の説明図。 塗料関係の3種類の匂い成分を含む被測定気体について測定した検量曲線のグラフ。 匂い成分がアンモニアである複数被測定気体と匂い成分が硫化水素である被測定気体について測定した検量曲線のグラフ。 匂い成分がアンモニア4ppmである被測定気体と匂い成分が硫化水素18ppmである被測定気体について測定した要素強度率SRの値を表示した匂いスペクトル図。 要素強度率SRが平均値(=1)を超えている要素匂いベクトルの角度に対応する升目の部分に黒塗りのマークを付した特徴抽出図。
符号の説明
10A,10B,10C,10D 匂いセンサー
20 測定チェンバー
30 気体供給手段
40 ポンプ部
50 センサー信号処理手段
51 センサー回路部
52 AD変換器
60 演算制御部
70 表示部
80 通信制御部

Claims (7)

  1. 匂いに対する感応特性が互いに異なる複数の匂いセンサーを用いて、被測定気体の匂いを測定する匂い測定装置であって、
    該複数の匂いセンサーとして3種類以上の匂いセンサーを備え、
    無臭基準気体に対する該複数の匂いセンサーの出力値に基づいて、該被測定気体に対する該複数の匂いセンサーの出力値を補正し、該複数のセンサー出力補正値それぞれを、2次元以上の座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとり、該座標系の複数の象限それぞれにおいて定義される要素匂いベクトルを得るように、該センサー出力補正値のデータを処理するデータ処理手段を備えたことを特徴とする匂い測定装置。
  2. 請求項1の匂い測定装置において、
    上記座標系が2次元の平面直交座標系であり、
    上記データ処理手段は、上記複数のセンサー出力補正値それぞれを該平面直交座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸上にとって上記要素匂いベクトルを得るように、該センサー出力補正値のデータを処理することを特徴とする匂い測定装置。
  3. 請求項1又は2の匂い測定装置において、
    上記データ処理手段で得られた複数の要素匂いベクトルを上記座標系上で表示する表示手段を備えたことを特徴とする匂い測定装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの匂い測定装置において、
    データを記憶するデータ記憶手段を備え、
    上記データ処理手段は、上記複数の要素匂いベクトルの大きさの平均値で各要素匂いベクトルの大きさを除したものを、要素匂い強度率のデータとして算出し、上記複数の要素匂いベクトルとその要素匂いベクトルが存在する象限における少なくとも一つの座標軸とがなす角度を、要素香質のデータとして算出し、該複数の要素匂い強度率のデータと該複数の要素香質のデータとを組み合わせたデータセットを、上記被測定気体の匂いに対する総合匂いデータセットとして該データ記憶手段に記憶するようにデータ処理することを特徴とする匂い測定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの匂い測定装置において、
    上記データ処理手段は、強度及び種類(香質)が既知の匂いについて測定したときの上記総合匂いデータセットを、その匂いの強度及び種類(香質)のデータと関連づけて上記データ記憶手段に記憶し、匂いの強度及び種類(香質)が未知の被測定気体について測定したときの上記総合匂いデータセットと、該データ記憶手段に記憶されている既知の匂いの総合匂いデータセットとを比較し、その比較結果に基づいて、該未知の匂いの種類(香質)を特定するようにデータ処理することを特徴とする匂い測定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかの匂い測定装置において、
    上記データ処理手段は、上記複数のセンサー出力補正値それぞれを二乗して加算したものの平方根の値を、総合匂い強度のデータとして算出するようにデータ処理することを特徴とする匂い測定装置。
  7. 請求項6の匂い測定装置において、
    上記データ処理手段は、上記総合匂い強度の値に、上記要素強度率のデータ及び上記要素香質のデータ又は上記匂いの種類(香質)のデータによって決まる定数を乗算することにより、人の嗅覚特性に近似した匂い強度の数値を算出するようにデータ処理することを特徴とする匂い測定装置。
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