JP2005147272A - 能動型流体封入式防振装置 - Google Patents

能動型流体封入式防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005147272A
JP2005147272A JP2003385710A JP2003385710A JP2005147272A JP 2005147272 A JP2005147272 A JP 2005147272A JP 2003385710 A JP2003385710 A JP 2003385710A JP 2003385710 A JP2003385710 A JP 2003385710A JP 2005147272 A JP2005147272 A JP 2005147272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
armature
vibration
vibration plate
mounting member
elastic body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003385710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4079072B2 (ja
Inventor
Masaaki Hamada
真彰 濱田
Hiroyuki Ichikawa
浩幸 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2003385710A priority Critical patent/JP4079072B2/ja
Publication of JP2005147272A publication Critical patent/JP2005147272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4079072B2 publication Critical patent/JP4079072B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 加振板に対するアクチュエータのアーマチャとの相対位置にバラツキがあっても、それら加振板とアーマチャを容易に連結することが出来ると共に、アクチュエータによる加振駆動力を、安定して且つ効率的に及ぼすことの出来る、新規な構造の能動型流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】 可撓性連結材78によってアーマチャ100と加振板48を連結して、コイル86への通電により変位せしめられる該アーマチャ100から該可撓性連結材78を介して該加振板48に対して、該アーマチャ100側へ向かう引張方向の駆動力が及ぼされるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車用のエンジンマウントやボデーマウント或いは制振装置等に採用されて、防振すべき振動に対して積極的乃至は相殺的な防振効果を発揮し得る能動型防振装置に係り、特に非圧縮性流体が封入された振動作用室の壁部の一部を加振板で構成し、該加振板をアクチュエータで加振駆動せしめて振動作用室の圧力を制御することによって能動的な防振効果を得るようにした能動型流体封入式防振装置に関するものである。
振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体等としての防振装置の一種として、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動が入力される振動作用室を形成し、該振動作用室に非圧縮性流体を封入する一方、該振動作用室の壁部の別の一部を加振板で構成し、該加振板を加振駆動するアクチュエータを設けて、該加振板を加振することにより該振動作用室を圧力制御するようにした流体封入式の能動型防振装置が知られている。例えば、特許文献1や特許文献2などに記載の防振装置が、それである。このような能動型流体封入式防振装置は、例えば、防振連結される部材に対して、防振すべき振動に対応した加振力を及ぼすことにより振動を相殺的に抑制したり、マウントのばね特性を入力振動に応じて積極的に変更して低動ばね化等させることにより、振動に対して積極的な防振効果を得ることができるのであり、例えば自動車用エンジンマウント等への適用が考えられている。
ところで、このような能動型流体封入式防振装置では、防振すべき振動に対応した周波数や位相で加振板を高精度に加振制御する必要があることから、アクチュエータとしては、例えば、前記特許文献等に記載されているようにコイルへの通電によって生ぜしめられる磁力や電磁力を利用してアーマチャを駆動するようにした加振手段が好適に採用される。また、このようなアクチュエータは、一般に、防振装置の製造工程上等の理由から、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体と加振板によって壁部の一部が構成された振動作用室を形成してなる防振装置本体とは別に形成されることとなり、別体形成したアクチュエータの本体を第二の取付部材に対して固定的に取り付ける一方、そのアーマチャを防振装置本体の加振板に対して、連結ロッドを介して、後から連結固定する構造とされている。
しかしながら、加振板は、その変位を許容するために、支持ゴム弾性体を介して第二の取付部材に弾性連結されていることから、支持ゴム弾性体の加硫成形時の収縮量のばらつきや、支持ゴム弾性体を第二の取付部材に対してかしめ固定等で固定する際の組付位置のばらつき等に起因して、第二の取付部材に対する加振板の位置を高精度に設定することが難しい。また、アクチュエータのコイルも、第二の取付部材に対して固定ボルト等で後固定されていることから、部品寸法誤差や固定する際の組付位置のバラツキ等に起因して、第二の取付部材に対する取付位置を高精度に設定することが難しい。特に、アクチュエータのコイルは、第二の取付部材を防振対象部材に取り付けるための別体ブラケットを介して第二の取付部材に固定されることが多く、そのような別体アクチュエータが介在すると、別体ブラケットの部品寸法誤差や第二の取付部材に対する組付位置のバラツキも重畳することとなって、第二の取付部材に対するアクチュエータの取付位置の精度確保が一層難しくなる。
そのために、第二の取付部材に対する加振板の位置誤差と、第二の取付部材に対するアクチュエータのコイルの位置誤差とが、相加的に重なって、相互に連結されるべき加振板とアクチュエータのアーマチャとの相対位置に大きなバラツキが発生し易く、それら加振板とアーマチャを連結ロッドで連結することが難しくなるおそれがある。
なお、このような問題に対して、例えば特許文献3に示されるように、金属バネによって、アーマチャに対して連結ロッドを首ふり可能に連結することにより、加振板とアーマチャの相対的な位置ずれに対応することも考えられる。ところが、連結ロッドをアーマチャに対して首ふり可能に連結すると、加振板を加振する際に繰り返し首ふりが発生することにより共振状態となって首ふり変位が大きくなるおそれがある。更に、首ふり変位が大きくなるに伴って、振動や異音の発生が問題となる場合があると共に、アーマチャの滑動部位へのこじり力等の荷重作用によって、アクチュエータの作動や耐久性が阻害されるおそれもあった。
加えて、特許文献3に開示されたアクチュエータにおいては、アーマチャに組み付けられた連結ロッドに対して付勢力を及ぼすコイルスプリングの付勢力が、連結ロッドを介して、常時、加振板に及ぼされている。そのために、支持ゴム弾性体に対して、常時、コイルスプリングの付勢力が及ぼされることから、コイルスプリングの付勢力を大きくすると支持ゴム弾性体のヘタリが問題となるおそれがある一方、連結ロッドをアーマチャに対して位置決めするコイルスプリングの付勢力が小さいと、連結ロッドの首ふりが容易に発生し易くなって、加振作動が不安定となるおそれがあった。また、コイルスプリングの弾性変形に伴う振動が、そのままハウジングから第二の取付部材に伝達されて異音が発生する原因となる場合もあったのである。
特開平6−264955号公報 特開平11−351313号公報 特開2001−1765号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、防振装置本体に対して、別体形成されたアクチュエータを、良好なる作業性をもって組み付けることが可能であり、特に、加振板に対するアクチュエータのアーマチャとの相対位置にバラツキがあっても、それら加振板とアーマチャを容易に連結することが出来ると共に、アクチュエータによる加振駆動力を、アーマチャから加振板に対して、安定して且つ効率的に及ぼすことの出来る、新規な構造の能動型流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面の記載、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
すなわち、本発明の第1の態様は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結し、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入されることにより該第一の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力時に該本体ゴム弾性体の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる振動作用室を形成すると共に、該振動作用室の壁部の別の一部を加振板で構成して該加振板を該第二の取付部材に対して支持ゴム弾性体で変位可能に弾性支持せしめる一方、該加振板に駆動力を及ぼして該加振板を加振変位せしめることにより該振動作用室を圧力制御するアクチュエータを、該加振板を挟んで前記振動作用室と反対側に配設した能動型流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材に対してコイルを固定的に取り付けると共に、該コイルの中空孔にアーマチャを軸方向で変位可能に組み込んで、該コイルへの通電により該アーマチャが前記加振板の加振変位方向に駆動変位せしめられるようにすることによって前記アクチュエータを構成する一方、鋼線等の伸長剛性の大きい可撓性連結材によって該加振板と該アーマチャを連結して、該コイルへの通電により変位せしめられる該アーマチャから該可撓性連結材を介して該加振板に対して、該アーマチャ側に向かう引張方向の駆動力が及ぼされるようにしたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、加振板とアーマチャが軸直角方向への変形が容易な可撓性連結材によって連結されており、各部材の寸法誤差や組付上の位置のバラツキ等の重畳によって加振板とアーマチャの間に相対的な位置ずれが比較的に大きく発生した場合でも、これら両部材間における軸直角方向(変位方向に直交する方向)での相対的な位置ずれが可撓性連結材の変形(撓み)によって吸収されることで、加振板とアーマチャに無理な力を及ぼすことなくそれら両部材を相互に連結して容易に組み付けることが出来るのである。なお、可撓性連結材としては、例えば複数本のワイヤを撚り合わせて構成した鋼線ワイヤや、単線のピアノ線が好適に採用され得るが、合成樹脂材等によって形成することも可能である。
また、可撓性連結材を利用したことによって加振板とアーマチャの各中心軸の相対位置がずれていても加振板やアーマチャに対して傾斜方向に無理な力を及ぼすことなくそれら加振板とアーマチャを相互に連結することが出来るのであり、そのような組付状態下、加振板とアーマチャの傾きが防止されて良好な変位特性が確保されると共に、アーマチャの変位力が引張剛性の大きい可撓性部材を介して加振板に対する引張力として安定して効率的に及ぼされ得ることとなる。なお、加振板とアーマチャとの連結状態は、可撓性連結材が伸長状態に保持されるように位置設定されることが望ましく、これら加振板及びアーマチャの位置設定は、支持ゴム弾性体の弾性とアーマチャの自重との釣り合いや、アーマチャに及ぼされる磁力の作用などを考慮して設定されることとなる。
(本発明の態様2)
本発明の第2の態様は、前記態様1に係る能動型流体封入式防振装置において、前記コイルへの通電による前記アーマチャ側に向かう引張方向への駆動力で変位せしめられた前記加振板に対して、前記支持ゴム弾性体の弾性による復元力が及ぼされるようになっていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、コイルへの通電によって、アーマチャに生ぜしめられる変位力が、可撓性連結材を介して、加振板に対して引張力として作用せしめられて、加振板が駆動変位せしめられると共に、コイルへの通電の停止によって、アーマチャによる加振板への引張力が解除されて、支持ゴム弾性体の弾性による復元力が加振板に作用せしめられる。それ故、コイルへの通電を繰り返すことによって加振板に加振力が及ぼされて加振板が駆動変位せしめられることとなる。特に、加振板の復元力として支持ゴム弾性体の弾性を利用したことにより、加振板の復元力を簡単な構造で効率的に得ることが可能となる。
(本発明の態様3)
本発明の第3の態様は、前記態様1又は2に係る能動型流体封入式防振装置において、前記加振板と前記アーマチャの間に付勢手段を配設して、該付勢手段の付勢力により該加振板を該アーマチャに対して前記可撓性連結材で規定された離隔側の変位端に弾性的に位置決め保持せしめたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、加振板とアーマチャとの間に付勢手段が配設されていることから、引張方向に加えて、アーマチャの軸方向上方への駆動力を加振板に伝えることも可能となり、より高度な圧力制御が可能となる。更に、付勢手段によって、加振板とアーマチャが互いに離隔する方向に常時付勢されることで、可撓性連結材が常に引張状態に保たれることとなり、アーマチャの駆動力を安定して加振板に伝達することが出来る。更にまた、付勢手段は、アーマチャと加振板の間に配設されていることにより、コイルのハウジングや第二の取付部材に対して直接に取り付けられていないことから、付勢手段の変形に伴う振動のコイルハウジングや第二の取付部材への伝達が抑えられて、異音発生等の問題が有利に回避され得るのである。
(本発明の態様4)
本発明の第4の態様は、前記態様1乃至3の何れかに係る能動型流体封入式防振装置において、前記可撓性連結材の前記加振板に対する連結部と前記アーマチャに対する連結部との少なくとも一方の連結部において、該可撓性連結材の該加振板及び/又は該アーマチャに対する軸直角方向の滑り変位が許容されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、可撓性連結材の変形に加えて、滑り変位が許容されていることで、加振板とアーマチャとの軸直角方向における相対的な位置ずれをより有利に吸収することが可能となるのである。
なお、かかる可撓性連結材の滑り変位の許容変位量としては、0.2mm〜3mmの範囲内であるのが望ましい。即ち、かかる許容変位量が小さ過ぎると、加振板とアーマチャとの相対的な位置ずれを十分に吸収できなくなるおそれがある。一方、隙間が大き過ぎると、必要以上の変位を許容することとなって、アーマチャのガタツキが発生するおそれがあり、作動の安定性が低下するおそれがある。ここにおいて、許容変位量をかかる範囲内に設定することで、加振板とアーマチャとの軸直角方向での相対的な位置ずれを吸収しつつ、アーマチャのガタツキを可及的に軽減して、作動安定性を有効に確保することが出来るのである。
(本発明の態様5)
本発明の第5の態様は、前記態様1乃至4の何れかに記載の能動型流体封入式防振装置において、前記可撓性連結材の前記加振板に対する連結部と前記アーマチャに対する連結部との少なくとも一方の連結部において、該可撓性連結材の該加振板及び/又は該アーマチャに対する連結位置を該可撓性連結材の長手方向で変更設定することの出来る連結位置調節手段を設けたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、加振板に対するアーマチャの軸方向における位置調節を行なうことで、例えば、アーマチャをコイルに対して精度良く位置決めしたり、アーマチャに及ぼされる静的な力による支持ゴム弾性体の初期変形を回避したりすることも可能となって、能動型流体封入式防振装置の防振特性を精度良く調節設定することが可能となるのである。
なお、本態様において、連結位置調節手段は可撓性連結部材の連結位置を長手方向で変更設定可能とするものであれば良く、連結位置調節手段それ自体の具体的な構造については何等限定されない。例えば、可撓性連結部材の連結部を螺着構造で構成してそのねじ込み量によって連結位置を調節可能としても良いし、適当なスペーサやシム等を連結部に組み込むこと等によって構成しても良い。
(本発明の態様6)
本発明の第6の態様は、前記態様1乃至5の何れかに記載の能動型流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材が大径の略円筒形状を有していると共に、その軸方向一方の開口部側に離隔して前記第一の取付部材が配設されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する前記本体ゴム弾性体によって該第二の取付部材の軸方向一方の開口部が流体密に閉塞されていると共に、該第二の取付部材の他方の開口部が可撓性膜で流体密に閉塞されており、該第二の取付部材の軸方向中間部分で軸方向両側に仕切るようにして前記加振板を弾性支持する前記支持ゴム弾性体が配設されて、該支持ゴム弾性体を挟んで一方の側に前記振動作用室が形成されていると共に、他方の側に該可撓性膜で壁部の一部が構成された容積可変の平衡室が形成されている一方、該可撓性膜の中央部分に固定金具が固着されて、該固定金具が該加振板に重ね合わせられて固着されており、それら加振板と固定金具に対して前記可撓性連結材の一方の端部が連結されていると共に、該第二の取付部材における該他方の開口部側に前記コイルが配設されて該第二の取付部材で支持せしめられており、該コイルに組み込まれた前記アーマチャに対して、該可撓性連結材によって、該加振板が連結されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、略円筒形状の第二の取付部材を採用したことで、その内部に振動作用室と平衡室が軸方向に重ね合わされるようにして、前記態様1乃至5に係る能動型流体封入式防振装置が良好なスペース効率を持って形成されるのである。しかも、加振板が、その外周部分を支持ゴム弾性体を介して第二の取付部材で支持されており、安定した配設が可能とされていることに加えて、アクチュエータのコイルについても、振動作用室および平衡室に対して同軸的に配設されて、安定支持せしめられていることで、駆動力伝達効率および作動安定性が向上せしめられる。以上のように、本態様に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、各構成がうまく効率的に形成されて、スペース効率及び作動性の向上が図られ得るのである。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置においては、加振板とアーマチャを可撓性連結部材によって連結せしめたことにより、加振板に対するアーマチャの相対位置にバラツキがあっても、それら両部材の連結と組付けを容易に行うことが出来ると共に、アクチュエータによる駆動力を加振板に対して安定して且つ効率的に及ぼすことが可能となるのである。
さらに、加振板とアクチュエータを高剛性のロッド等ではなく、撓み変形容易な可撓性連結部材によって連結せしめたことにより、加振板の駆動反力に起因してアーマチャに及ぼされるこじり方向の力を可及的に低減せしめることが出来るのであり、それによって、アクチュエータにおけるアーマチャの安定した作動特性が実現され得る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が、互いに離隔して対向配置されていると共に、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されたマウント本体17がブラケット19に嵌め込まれて構成されている。そして、エンジンマウント10は、第一の取付金具12が図示しないパワーユニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が図示しない自動車ボデーに取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようになっている。また、そのような装着状態下、かかるエンジンマウント10には、図1中の上下方向となるマウント中心軸方向で第一の取付金具12と第二の取付金具14の間にパワーユニットの分担荷重が及ぼされることにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が相互に接近する方向に本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられるようになっている。更に、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、両取付金具12,14が相互に接近/離隔する方向に、防振すべき主たる振動が入力されるようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図1中の上下方向を言うものとする。
より詳細には、第一の取付金具12は、逆向きの円錐台形状を有している。また、第一の取付金具12の大径側端部には、外周面上に突出する円環板状のストッパ部18が一体形成されている。更に、大径側端部から軸方向上方に向かって固定軸20が一体的に突設されており、この固定軸20には、上端面に開口する固定用ねじ穴22が形成されている。そして、この固定用ねじ穴22に螺着される図示しない固定ボルトによって、第一の取付金具12が、図示しない自動車のパワーユニットに取り付けられるようになっている。
また一方、第二の取付金具14は、大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付金具14の軸方向中間部分には、段部24が形成されており、この段部24を挟んで軸方向上側が大径部26とされていると共に、軸方向下側が小径部28とされている。なお、大径部26の内周面には、薄肉のシールゴム層30が被着形成されている。更に、軸方向下側の開口部には、可撓性膜としての薄肉のゴム膜からなるダイヤフラム32が配設されており、かかるダイヤフラム32の外周縁部が第二の取付金具14の軸方向下側開口縁部に加硫接着されることで、第二の取付金具14の軸方向下側開口部が流体密に覆蓋されている。また、ダイヤフラム32の中央部分には、略逆カップ形状を有する固定金具としての連結金具34が加硫接着されている。
そして、第二の取付金具14の軸方向上方に離隔して、第一の取付金具12が位置せしめられており、これら第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16で弾性的に連結されている。
本体ゴム弾性体16は、全体として略円錐台形状を有しており、大径側端面にはすり鉢状の凹状面36が形成されている。また、本体ゴム弾性体16の小径側端面には、第一の取付金具12が、軸方向に差し入れられた状態で加硫接着されている。なお、第一の取付金具12のストッパ部18は、本体ゴム弾性体16の小径側端面に重ね合わされて加硫接着されていると共に、ストッパ部18から上方に突出する当接ゴム38が、本体ゴム弾性体16と一体的に形成されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側外周面には、連結スリーブ40が加硫接着されている。
かかる本体ゴム弾性体16の大径側外周面に加硫接着された連結スリーブ40が、第二の取付金具14の大径部26に嵌め込まれて、大径部26が縮径加工されることにより、本体ゴム弾性体16が第二の取付金具14に対して流体密に嵌着固定される。これにより、第二の取付金具14の軸方向上側開口部が、本体ゴム弾性体16によって流体密に覆蓋されることとなり、以て、第二の取付金具14の内部には、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32との対向面間において、外部空間から流体密に遮断された領域が形成されて、そこに非圧縮性流体が封入されている。
なお、封入される非圧縮性流体としては、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が何れも採用可能であり、特に、流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るために、粘度が0.1Pa.s以下の低粘性流体が好適に採用される。
さらに、第二の取付金具14には、仕切部材42とオリフィス部材44が組み込まれており、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32との対向面間に配設されている。
仕切部材42は、所定厚さをもって広がる支持ゴム弾性体46を有しており、この支持ゴム弾性体46の中央部分に加振板48が加硫接着されている。加振板48は、浅底の略逆カップ形状を有しており、その外周縁部が、支持ゴム弾性体46の内周縁部に加硫接着されている。また、支持ゴム弾性体46の外周縁部には、円環形状の外周金具50が加硫接着されている。なお、外周金具50には、周方向に連続して延びる周溝52が形成されている。
そして、この外周金具50の軸方向上側開口部が、径方向外方に広がるフランジ状部51とされて、フランジ状部51が第二の取付金具14の段部24に重ね合わされて、段部24と連結スリーブ40の間で挟圧固定されている。これにより、仕切部材42は、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間の中間部分で軸直角方向に広がって配設されており、第二の取付金具14の内部を軸方向両側に二分せしめている。以て、仕切部材42を挟んで、上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づく圧力変動が生ぜしめられる振動作用室としての作用流体室54が形成されている。一方、仕切部材42の下側には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室56が形成されている。
また、オリフィス部材44は、上下の薄肉プレートが互いに重ね合わされることによって構成されており、その外周縁部が、外周金具50のフランジ状部51に重ね合わされて、フランジ状部51と本体ゴム弾性体16の大径側端部内周縁部との間で挟持されることにより、外周金具50を介して第二の取付金具14によって固定的に支持されている。これにより、オリフィス部材44は、本体ゴム弾性体16と仕切部材42との対向面間の中間部分で軸直角方向に広がって配設されており、作用流体室54を軸方向両側に二分せしめている。以て、オリフィス部材44を挟んで、上側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された受圧室58が形成されている。一方、オリフィス部材44の下側には、壁部の一部が加振板48で構成された加振室60が形成されている。
また、オリフィス部材44の外周縁部には、上下の薄肉プレートの重ね合わせ面間を周方向に連続して延びる周方向通路45が形成されている。この周方向通路45の一方の端部が受圧室58に接続されていると共に、他方の端部が加振室60に接続されている。これにより、受圧室58と加振室60を相互に連通せしめる第一のオリフィス通路62が形成されている。なお、第一のオリフィス通路62は、例えば、30〜40Hz程度のアイドリング振動等の中周波数域にチューニングされる。
更にまた、オリフィス部材44の外周縁部は、仕切部材42の外周縁部に重ね合わせられており、外周金具50の外周縁部に形成された周溝52が覆蓋されることによって第二のオリフィス通路65が形成されている。この第二のオリフィス通路65は、一方の端部が加振室60と第一のオリフィス通路62を通じて受圧室58に接続されていると共に、他方の端部が平衡室56に接続されている。これにより、受圧室58と平衡室56を相互に連通せしめる第二のオリフィス通路65が形成されている。なお、第二のオリフィス通路65は、例えば10Hz前後のエンジンシェイク等の低周波数域にチューニングされる。
なお、オリフィス通路の具体的形態やチューニングは何等限定されるものでなく、上述のような態様の他、例えば、オリフィス部材44の中央部分を貫通して受圧室58と加振室60を直接に連通せしめる透孔形態の第一のオリフィス通路を形成して、該第一のオリフィス通路を50〜150Hz程度のこもり音等の高周波数域にチューニングする一方、オリフィス部材44の周方向通路45と外周金具50の周溝52を直接に直列的に接続することによって第二のオリフィス通路を形成するようにしても良い。
さらに、上述の如き構造とされたマウント本体17は、第二の取付金具14がブラケット19に嵌め込まれており、このブラケット19を介して、図示しない自動車のボデーに取り付けられるようになっている。
ブラケット19は、厚肉の円筒形状で、軸方向中央部分の内周面には段差部64が形成されて、段差部64の上部が大径とされている。そして、ブラケット19の上端面にはストッパ金具66がボルト固定されると共に、下端面には止め金具68がボルト固定されている。ストッパ金具66は大径円筒形状とされて、その下端開口部には外方に広がるフランジ部70を有しており、かかるフランジ部70がブラケット19の上端面に重ね合わされて、ボルト固定されている。一方、上端開口部には内方に延び出す当接部72が形成されており、かかる当接部72に第一の取付金具12のストッパ部18が当接ゴム38を介して当接することで、リバウンド方向のストッパ機能が発揮される。なお、第一の取付金具12のボルト固定部には、ストッパ金具の上端開口部を覆うように広がる傘状の庇部材74が装着せしめられている。一方、止め金具68は円環板形状とされて、ブラケット19の下端開口部において僅かに径方向内方に突出する内径寸法を持ってボルト固定されている。
ブラケット19に嵌め込まれた第二の取付金具14は、ストッパ金具66のフランジ部70と止め金具68によって軸方向に挟持固定されて、抜け出し不能に固定されている。また、ブラケット19には、外周面上に突出して下方に延び出す複数の脚部76が一体形成されており、これら脚部76が図示しない自動車のボデーに載置され、固定ボルトで固定されることによってエンジンマウント10が自動車のボデーに装着される。
また、マウント本体17においては、仕切部材42に設けられた加振板48がダイヤフラム32に設けられた連結金具34に対して密着状態で重ね合わされて固定されている。そして、それらの中央部分において、かしめ金具82が挿通されている。かかるかしめ金具82によって、加振板48と連結金具34は密着状態でかしめ固定されており、かしめ金具82の下方には、可撓性連結材としての連結ワイヤ78の上端部110が係合されて吊下げられていると共に、加振板48と連結金具34が一体とされて、後述するアーマチャ100に向かって開口する凹所83が形成されている。なお、連結ワイヤ78としては、例えば複数本のワイヤを撚り合わせて構成した鋼線ワイヤや、単線のピアノ線が好適に採用され得るが、合成樹脂材等によって形成することも可能である
なお、連結金具34には、ダイヤフラム32と一体形成された挟圧ゴム層80が、略全周に亘って被着せしめられており、これによって、加振板48との重ね合わせ面間が流体密にシールされている。
さらに、連結ワイヤ78が吊下げられた第二の取付金具14の軸方向下方、即ち、加振板48と連結金具34を挟んで作用流体室54と反対側には、アクチュエータとしての電磁駆動手段84が配設されており、ブラケット19に取り付けられている。
かかる電磁駆動手段84は、コイル86と、コイル86の周りを取り囲むようにしてコイル86に対して固定的に組み付けられたハウジング88から構成されている。ハウジング88は、その中央部分に透孔96が貫設されると共に、コイル86の外周面と下端面を囲むようにしてL字状断面で全周に亘って延びる外側ヨーク部90が形成されている。そして、コイル86の内周面には、コイル86の内周面を軸方向全体に亘って覆うように延びる円筒形状の内側ヨーク92が組み付けられている。これらコイル86と内側ヨーク92は、それぞれの上端部が互いに略等しい軸方向高さとなるように組み付けられており、外側ヨーク部90の上端部より僅かに低い位置に設定されている。これら外側ヨーク部90及び内側ヨーク92はそれぞれ強磁性材で形成されており、それぞれの上端縁部において、コイル通電時に磁極が形成されるようになっている。
一方、ハウジング88には、外側ヨーク部90の上端部分から外周に広がる環状固定部94が形成されており、かかる環状固定部94がブラケット19の下面に重ね合わされて固定ボルトで固定されている。これにより、コイル86の中心軸が、マウント本体17の中心軸と略一致せしめられて、第二の取付金具14や加振板48の中心軸と位置合わせされる。また、ハウジング88の下方には、蓋部材98が装着されており、ハウジング88の透孔96に粉塵等が侵入するのを防止している。
そして、コイル86が組み付けられたハウジング88の透孔96内には、アーマチャ100が組み付けられている。アーマチャ100は全体として円形ブロック形状の強磁性体によって形成されており、内側ヨーク92の内径寸法よりも僅かに小さい外径寸法を持って、コイル86と同一中心軸上で、内側ヨーク92に嵌め込まれて、軸方向に相対変位可能とされている。更にアーマチャ100は、コイル86よりやや大きい軸方向長さ寸法を持つと共に、その上端部は、外径寸法が外側ヨーク部90の内周縁部近くにまで広げられた径方向突出部101とされている。かかる径方向突出部101によって、外側ヨーク部90及び内側ヨーク92との間に有効な磁気吸引力が作用せしめられる磁気ギャップが位置調節されて形成されるようになっている。例えば、図示されている如き、径方向突出部101と外側ヨーク部90の上端縁部の間、および径方向突出部101と内側ヨーク92の上端縁部の間において、それぞれ有効な磁気吸引力が作用せしめられるようになっている。
かかるアーマチャ100には、中心軸上を貫通する挿通孔104が形成されている。この挿通孔104は、軸方向の中間部分が段差面106とされて、段差面106を挟んで軸方向上側が小径部108とされると共に、軸方向下側が大径部109とされている。なお、小径部108は、軸方向中間部分に段付部116が形成されて、その上側部分が所定長さに亘って、内径寸法が僅かに大きくされている。
そして、アーマチャ100の挿通孔104には、連結ワイヤ78が遊挿状態で挿し入れられており、その下端部112がアーマチャ100の段差面106よりも下方にまで突出せしめられている。ここにおいて、連結ワイヤ78の上下端部110、112には、係合部材118が固着されている。かかる係合部材118は、連結ワイヤ78の端部に対して直接に溶着せしめても良いし、連結ワイヤ78の端部に対してかしめ固定して形成する等しても良い。或いは、ねじ穴が刻設されたロッドを連結ワイヤ78の端部にかしめ固定すると共に、係合部材118をボルト構造として、ねじ穴に螺着する等しても良い。また、係合部材118の形状としては、球形状に限定されるものではなく、例えば平板形状等でも良い。
そして、連結ワイヤ78の上下端部110、112は、それぞれかしめ金具82、係止板130によって係合されて、加振板48に対する連結部としての上側連結部120と、アーマチャ100に対する連結部としての下側連結部122が構成されている。上側連結部120を構成するかしめ金具82の下部は、図2及び図3に示すように、下部中央部に係止穴124が貫設されており、係止穴124の径寸法より小さい幅寸法を持った切欠溝126と接続されて、外周側に開口せしめられている。そして、連結ワイヤ78における係合部材118の径寸法は係止穴124の径寸法より大きくされており、切欠溝126から連結ワイヤ78が挿し入れられて、係合部材118が係止されることで、上側連結部120が構成されている。一方、下側連結部122を構成する係止板130は、図4及び図5に示すように、平板の円板形状とされて、その中心に係止穴132が貫設されて、係止穴132の径寸法より小さい幅寸法を持った切欠溝134によって外周側に開口せしめられている。そして、係合部材118の径寸法は係止穴132の径寸法より大きくされており、切欠溝134から連結ワイヤ78が挿し入れられて、係合部材118が係止される。更に、係止板130の外径寸法はアーマチャ100の小径部108の内径寸法よりも大きくされており、これにより、係止板130がアーマチャ100の段差面106と係合されることで、下側連結部122が構成されている。そして、これら上側連結部120と下側連結部122によって、加振板48とアーマチャ100が連結ワイヤ78によって連結されている。
ここにおいて、例えば図6に示すように、下側連結部122を構成する係止板130をボルト構造として、アーマチャ100の内周縁部に対して螺着せしめることが出来る。そして、係止板130のアーマチャ100へのねじ込み量を調節することによって、連結ワイヤ78の加振板48及びアーマチャ100に対する連結位置を連結ワイヤ78の長手方向で変更設定することの出来る連結位置調節手段が構成されている。かかる連結位置調節手段によって、加振板48とアーマチャ100との軸方向相対位置が調節可能とされているのである。また、同様の構造を、上側連結部120におけるかしめ金具82に採用することも可能である。
また、図1に示す態様における下側連結部122において、連結ワイヤ78とアーマチャ100の小径部108、及び係止板130の外周縁部と大径部109との対向面間にはそれぞれ所定の間隙が形成されており、連結ワイヤ78がアーマチャ100に対して軸直角方向に滑り変位可能とされている。連結ワイヤ78のアーマチャ100に対する軸直角方向での相対的な許容変位量はかかる間隙の内で何れか小さい方の間隙によって決定されることとなり、許容変位量としては、0.2mm〜3mmの範囲が好適に採用される。
また、連結ワイヤ78の滑り変位をより良好に実現するために、例えばポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン等の低摩擦性材料による摺動部材をこれらの摺動面に組み込んでも良い。また、これら係止部とアーマチャの段差部との摺動面に低摩擦処理を施す等しても良い。
上述の如き構造とされたエンジンマウント10は、図示はされていないが、コイル86への通電を制御することが可能であり、例えば、パワーユニットのエンジン点火信号を参照信号とすると共に、防振すべき部材の振動検出信号をエラー信号として、適応制御等のフィードバック制御を行なうことによって、或いは予め設定された制御データに基づくマップ制御を利用すること等によって通電制御することが出来る。これにより、アーマチャ100に磁力を作用せしめて軸方向下方に加振駆動せしめると共に、コイル86への通電を停止して支持ゴム弾性体46の復元力を作用せしめることで、加振板48に対して、防振すべき振動に対応した駆動力を作用せしめ、以て作用流体室54の内圧制御による能動的防振効果を得ることが出来るのである。
そこにおいて、本実施形態のエンジンマウント10では、電磁駆動手段84のアーマチャ100と加振板48とを連結する連結ワイヤ78が、軸直角方向に変形容易な鋼線等によって構成されると共に、軸直角方向の滑り変位が可能に配設せしめられていることから、組み付けの際の寸法誤差による相対的な位置ずれや、アクチュエータ作動時における一時的な位置ずれが有利に吸収されるのである。
すなわち、コイル86への通電が停止される瞬間において、慣性力の作用で段差面106の係止板130への付勢力が瞬間的に低下する。その瞬間において、支持ゴム弾性体46の弾性力を利用して、連結ワイヤ78が滑り変位せしめられて、アーマチャ100との位置合わせが有利に行われ得るのである。
また、支持ゴム弾性体46の不規則な弾性変形等によって一時的に位置ずれが発生した場合や、連結ワイヤ78の滑り変位によって位置ずれが解消されるまでの間は、アーマチャ100と連結ワイヤ78との間隙と、連結ワイヤ78自身の変形によって、連結ワイヤ78の傾きが許容されており、これによって、アーマチャ100と内側ヨーク92との間でのこじり荷重の作用を軽減乃至は回避することが出来、アーマチャ100の作動の安定性と耐久性が有利に維持され得るのである。特に本実施形態においては、アーマチャ100の小径部108の上側開口側が拡径されていることによって、連結ワイヤ78の傾きが一層容易に許容されるようになっている。
次に、図7には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウント200を示す。なお、本実施形態および後述するその他の実施形態において、前述の第一の実施形態としてのエンジンマウント10と同様の構造及び部材については、図中、第一の実施形態と同一の符号を付することによって、それらの詳細な説明を省略する。
第二の実施形態であるエンジンマウント200には、加振板48とアーマチャ100との間に、付勢手段としてのコイルスプリング140が配設されている。かかるコイルスプリング140によって、加振板48とアーマチャ100が互いに離隔する方向に常時付勢されており、以て加振板48が連結ワイヤ78で規定された離隔側の変位端に位置決め保持されている。
かかるコイルスプリング140によって、アーマチャ100の軸方向下方への駆動力に加えて、軸方向上方への駆動力を加振板48に及ぼすことが可能となり、より高度な圧力制御を行なうことが可能となる。更に、連結ワイヤ78が引張状態に保持されるので、係止板130とアーマチャ100が密着状態に保持されて、アーマチャ100の駆動力を連結ワイヤ78に対して迅速に伝達することが出来るのである。
かかる状態下、コイルスプリング140の付勢力によって、アーマチャ100と連結ワイヤ78は互いに離隔する方向に付勢されて、アーマチャ100と連結ワイヤ78の当接部位において反力が得られているが、コイルスプリング140はアーマチャ100と連結金具34の間に配設されていることから、支持ゴム弾性体46にはかかる反力は作用することが無いので、支持ゴム弾性体46の耐久性が問題となることも無い。なお、エンジンマウント10の車両への装着状態下で、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に入力されるパワーユニットの分担支持荷重によって本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられる際に、作用流体室54に生ぜしめられる容積変化は平衡室56で吸収されるので、加振板48の位置ひいてはアーマチャ100の位置には殆ど影響はないが、ダイヤフラム32の特性等に起因してアーマチャ100の位置が多少変化する場合には、その変化を考慮して、装着状態下で、例えば図示されているような、係合部材118のねじ込み量を調節することによって、アーマチャ100に対して有効な駆動力が及ぼされるように位置調節することも可能である。
さらに、図8に、本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウント300を示す。
かかるエンジンマウント300は、第二の実施形態であるエンジンマウント200における付勢手段をゴム状付勢体によって構成するものである。本実施形態としてはゴム状付勢体として付勢ゴム142が配設されているが、ゴム状付勢体としては、各種の天然ゴムや人工ゴムの他、合成樹脂材料からなるエラストマ材等を採用することも出来る。
付勢ゴム142は、ダイヤフラム32が連結金具34の凹所83に入り込むようにして、ダイヤフラム32と一体形成されている。更に、凹所83の周壁部85付近には、周壁部85を覆う形で緩衝ゴム部144が一体形成されていると共に、連結ワイヤ78の周囲は、アーマチャ100に向かって肉厚とされた当接突部146とされている。かかる当接突部146によって、アーマチャ100の過大変位が制限されて、アクチュエータの作動安定性が確保されるのである。更に、アーマチャ100と加振板48が緩衝ゴム部144を介して弾性的に当接せしめられることによって、アーマチャ100と加振板48の耐久性が向上されると共に、これらの当接による打ち当たり音の発生も軽減される。
さらに、付勢手段をゴム状付勢体によって構成することから、付勢手段の弾性変形に際して他部材との当接や擦れ、カジリ等に起因する異音の発生が問題にならず、静粛性が向上されると共に、他部材に対するカジリに起因する粉塵の発生も有利に回避されて、耐久性が向上せしめられるのである。
なお、ここにおいて、付勢ゴム142及び緩衝ゴム部144は、必ずしもダイヤフラム32と一体に形成される必要は無いのであり、ダイヤフラム32とは別材料を持って別体形成しても良く、これにより、バネ特性の設定自由度の向上が図られる。また、付勢ゴム142及び緩衝ゴム部144を装着するに際しても、必ずしも接着によって装着する必要は無く、単純に嵌め込みによって装着する等しても良い。更にまた、付勢ゴム142は、必ず連結金具34側に形成される必要もないのであり、アーマチャ100側に形成されても良い。具体的な形状についても特に限定されるものではなく、例えば当接突部146を、全周に亘って連続して形成することなく、周上の複数箇所において分断された形で形成しても良い。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
例えば、これらの実施形態においては、アーマチャ100の内部に段差面106を形成して、アーマチャ100の内部で連結ワイヤ78とアーマチャ100を係合せしめている。これにより、出力部材の容積を十分に確保しつつ、軸方向寸法のコンパクト化が実現されているが、このような段差面106によるアーマチャ100内部での係合構造については必ずしも必要ではないのであって、連結ワイヤ78をアーマチャ100の下端面にまで延び出させて、アーマチャ100の下端面と係合ナット130とを係合せしめても良い。
また、例えば図9に示す第四の実施形態としてのエンジンマウント400のように、アーマチャ100を弾性的に位置決めすると共に、連結ワイヤ78を伸長状態保持せしめるようにしても良い。
また、上述の実施形態では何れもダイヤフラム32は本体ゴム弾性体16の下方に配設されて、平衡室56は本体ゴム弾性体16の軸方向下側開口部とダイヤフラム32との間に形成されていたが、ダイヤフラム32が本体ゴム弾性体16の上方において覆うように配設されて、本体ゴム弾性体16を挟んで、作用流体室54と反対側に平衡室56が形成されている構造の防振装置や、或いは特開2001−12539号公報に開示されるような、本体ゴム弾性体16の上方に平衡室56が形成されるような構造の防振装置に本発明を適用することも可能である。これらの構造によれば、加振板48は連結金具34を介さずに、直接に露出せしめられるので、加振板48に対して連結金具34を介さず直接に連結ワイヤ78を係合すれば良い。
更には、ダイヤフラム32自体を持たない防振装置に本発明を適用することも可能である。例えば、図10、図11には、それぞれダイヤフラムを持たない防振装置に対して、前述の第一の実施形態であるエンジンマウント10と第二の実施形態であるエンジンマウント200に示した本発明の構造を適用した、第五及び第六の実施形態としてのエンジンマウント500、600を示す。前述のように、これらの構造においては、加振板48が直接に露出せしめられており、加振板48に対して連結金具を介さずに連結ワイヤ78が係合せしめられている。
さらに、前述の何れの実施形態においても、第一及び第二のオリフィス通路の具体的構造は、要求される防振特性や防振装置の基本的構造等によって当業者の判断において適宜に変更されるものであって、何等限定されるものではない。
また、電磁駆動手段84におけるコイル86は、本実施形態においてはハウジング88によって固定されていたが、例えばハウジング88を介することなく、直接に第二の取付金具14に固定しても良い。
更にまた、電磁駆動手段84におけるアーマチャ100やヨーク部材の具体的形状についても限定されるものではなく、例えば内側ヨーク92の軸方向高さを、外側ヨーク部90と同じ高さに設定して、アーマチャ100の径方向突出部101をこれら内側ヨーク92と外側ヨーク部90との対向面間に入り込むように軸方向下方に突出せしめても良いし、或いはハウジング88の下端部内周面を径方向内方に突出させて、そこに磁極が形成されるように磁路を構成し、かかる磁極とアーマチャ100の下端面との間に磁気ギャップを形成する等しても良い。
また、ハウジング88の透孔96の内周面と、アーマチャ100の外周面との摺動部位に低摩擦性の摺動スリーブ等を介在させるようにしても良い。
加えて、本発明は、自動車用のボデーマウントやメンバマウント等、或いは自動車以外の各種装置におけるマウントや制振器などの防振装置や、そのような防振装置に用いられる防振用アクチュエータに対して、同様に適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 上側連結部を構成するかしめ金具であって、図3におけるII−II断面である。 上側連結部を構成するかしめ金具の底面図である。 下側連結部を構成する係止板であって、図5におけるIV−IV断面である。 下側連結部を構成する係止板の底面図である。 図1に示したエンジンマウントにおける下側連結部の要部拡大図である。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 本発明の第三の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 本発明の第四の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 本発明の第五の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。 本発明の第六の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図である。
符号の説明
10 エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
48 加振板
56 平衡室
58 受圧室
60 加振室
62 第一のオリフィス通路
65 第二のオリフィス通路
78 結合ワイヤ
82 かしめ金具
84 電磁駆動手段
100 アーマチャ
104 挿通孔
118 係合部材
120 上側連結部
122 下側連結部
130 係止板
140 コイルスプリング
142 付勢ゴム

Claims (6)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結し、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入されることにより該第一の取付部材と該第二の取付部材の間への振動入力時に該本体ゴム弾性体の弾性変形に基づいて圧力変動が生ぜしめられる振動作用室を形成すると共に、該振動作用室の壁部の別の一部を加振板で構成して該加振板を該第二の取付部材に対して支持ゴム弾性体で変位可能に弾性支持せしめる一方、該加振板に駆動力を及ぼして該加振板を加振変位せしめることにより該振動作用室を圧力制御するアクチュエータを、該加振板を挟んで前記振動作用室と反対側に配設した能動型流体封入式防振装置において、
    前記第二の取付部材に対してコイルを固定的に取り付けると共に、該コイルの中空孔にアーマチャを軸方向で変位可能に組み込んで、該コイルへの通電により該アーマチャが前記加振板の加振変位方向に駆動変位せしめられるようにすることによって前記アクチュエータを構成する一方、鋼線等の伸長剛性の大きい可撓性連結材によって該加振板と該アーマチャを連結して、該コイルへの通電により変位せしめられる該アーマチャから該可撓性連結材を介して該加振板に対して、該アーマチャ側に向かう引張方向の駆動力が及ぼされるようにしたことを特徴とする能動型流体封入式防振装置。
  2. 前記コイルへの通電による前記アーマチャ側に向かう引張方向への駆動力で変位せしめられた前記加振板に対して、前記支持ゴム弾性体の弾性による復元力が及ぼされるようになっている請求項1に記載の能動型流体封入式防振装置。
  3. 前記加振板と前記アーマチャの間に付勢手段を配設して、該付勢手段の付勢力により該加振板を該アーマチャに対して前記可撓性連結材で規定された離隔側の変位端に弾性的に位置決め保持せしめた請求項1又は2に記載の能動型流体封入式防振装置。
  4. 前記可撓性連結材の前記加振板に対する連結部と前記アーマチャに対する連結部との少なくとも一方の連結部において、該可撓性連結材の該加振板及び/又は該アーマチャに対する軸直角方向の滑り変位が許容されている請求項1乃至3の何れかに記載の能動型流体封入式防振装置。
  5. 前記可撓性連結材の前記加振板に対する連結部と前記アーマチャに対する連結部との少なくとも一方の連結部において、該可撓性連結材の該加振板及び/又は該アーマチャに対する連結位置を該可撓性連結材の長手方向で変更設定することの出来る連結位置調節手段を設けた請求項1乃至4の何れかに記載の能動型流体封入式防振装置。
  6. 前記第二の取付部材が大径の略円筒形状を有していると共に、その軸方向一方の開口部側に離隔して前記第一の取付部材が配設されており、それら第一の取付部材と第二の取付部材を弾性連結する前記本体ゴム弾性体によって該第二の取付部材の軸方向一方の開口部が流体密に閉塞されていると共に、該第二の取付部材の他方の開口部が可撓性膜で流体密に閉塞されており、該第二の取付部材の軸方向中間部分で軸方向両側に仕切るようにして前記加振板を弾性支持する前記支持ゴム弾性体が配設されて、該支持ゴム弾性体を挟んで一方の側に前記振動作用室が形成されていると共に、他方の側に該可撓性膜で壁部の一部が構成された容積可変の平衡室が形成されている一方、該可撓性膜の中央部分に固定金具が固着されて、該固定金具が該加振板に重ね合わせられて固着されており、それら加振板と固定金具に対して前記可撓性連結材の一方の端部が連結されていると共に、該第二の取付部材における該他方の開口部側に前記コイルが配設されて該第二の取付部材で支持せしめられており、該コイルに組み込まれた前記アーマチャに対して、該可撓性連結材によって、該加振板が連結されている請求項1乃至5の何れかに記載の能動型流体封入式防振装置。
JP2003385710A 2003-11-14 2003-11-14 能動型流体封入式防振装置 Expired - Fee Related JP4079072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385710A JP4079072B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 能動型流体封入式防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385710A JP4079072B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 能動型流体封入式防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005147272A true JP2005147272A (ja) 2005-06-09
JP4079072B2 JP4079072B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=34693678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003385710A Expired - Fee Related JP4079072B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 能動型流体封入式防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4079072B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010276140A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式能動型防振装置とその製造方法
JP2011157993A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式能動型防振装置とその製造方法
DE102011088924A1 (de) * 2011-12-19 2013-06-20 Zf Friedrichshafen Ag Aggregatlager mit hydraulischer Dämpfung und akustischer Entkopplung

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010276140A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式能動型防振装置とその製造方法
JP2011157993A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式能動型防振装置とその製造方法
DE102011088924A1 (de) * 2011-12-19 2013-06-20 Zf Friedrichshafen Ag Aggregatlager mit hydraulischer Dämpfung und akustischer Entkopplung
DE102011088924B4 (de) 2011-12-19 2022-04-07 Boge Elastmetall Gmbh Aggregatlager mit hydraulischer Dämpfung und akustischer Entkopplung

Also Published As

Publication number Publication date
JP4079072B2 (ja) 2008-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4120828B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置
JP3692815B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置
JP4400742B2 (ja) 能動型防振装置
WO2010070850A1 (ja) 流体封入式防振装置
JP4072696B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置
JP3620368B2 (ja) 流体封入式能動的マウント
JP2010276140A (ja) 流体封入式能動型防振装置とその製造方法
JP5154217B2 (ja) 防振装置用板ばねとそれを用いた能動型流体封入式防振装置や能動型制振装置、電磁式アクチュエータ
JP4079072B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP4023462B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP4088970B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP4075062B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP2006255649A (ja) 電磁式アクチュエータとそれを用いた能動型制振器および流体封入式能動型マウント
JP3778013B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2006066840A (ja) ソレノイド型アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置
JP4186217B2 (ja) 防振用アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置
JP2005239084A (ja) 能動型流体封入式エンジンマウント
JP4023431B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP2006266425A (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP4123177B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置
JP4075061B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP3997429B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JP3784377B2 (ja) 防振用アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置
JP2006055767A (ja) ソレノイド型アクチュエータおよびそれを用いた能動型防振装置
JP4088795B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070831

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071019

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20080115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20080128

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees