JP2005146762A - シールド掘進組立同時施工法 - Google Patents

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眞一 神谷
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明良 西
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Abstract

【課題】 同時施工中のシールド掘進機の姿勢制御を容易に行えるとともに、同時施工をするためにシールド掘進機を特別な構造にする必要がない、シールド掘進組立同時施工法を提供する。
【解決手段】 全ての推進ジャッキ4の推力による合力作用点Fがシールド掘進機1の任意の目標点Oにくるように、中折れ操作等によりシールド掘進機の向きを制御する合力作用点制御工程、その制御後の合力作用点を変えない推力割合となるように推進ジャッキの圧力を制御しながら、一部の推進ジャッキを減圧して引き戻す推進ジャッキ一部引き戻し工程と、それ以外の推進ジャッキの圧力を同様に合力作用点を変えない推力割合となるように制御してシールド掘進機を推進させながら、引き戻した推進ジャッキ部分のセグメントを組み立てる掘進・セグメント組立同時並行工程とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シールド掘進機の推進とセグメントの組み立てを同時に並行して行えるシールド掘進組立同時施工法に関する。
この種の技術として、例えば次の特許文献に記載のものが知られている。
<特許文献1(特許第3104955号公報)>
推進を行うジャッキ中、シールド本体の設定推進力に必要なジャッキの本数が予め設定され、他方シールド本体の曲げモーメントが、ピッチング方向とヨーイング方向のモーメントから求められ、掘進中、セグメントを組立てる位置のジャッキの盛替えを行い、その盛替えジャッキ群P4を除いた他のジャッキを、盛替えジャッキ群P4を中心にその両側に設定推進力に必要な本数の負荷側ジャッキ群P1と残りのジャッキを制御側ジャッキ群P2,P3とに分割し、設定推進力及びピッチング方向とヨーイング方向のモーメントを基に、これら負荷側ジャッキ群P1に付与する負荷圧力と制御側ジャッキ群P2,P3に付与する制御圧力を設定し、爾後順次盛替えジャッキを替えながらセグメントを組立てると共にシールド本体を推進させる。
しかし、これによると、ジャッキを必ずグループ分割する必要があり、個々のジャッキ圧力を自由に設定することができない。そのためジャッキモーメントを効率的に設定できず、同能力のジャッキを装備するシールド掘進機では姿勢修正能力が低い。
<特許文献2(特開平8−199972号公報)>
前胴部と、セグメントが組み立てられる後胴部とが前後方向にスライド可能なテレスコピック構造となっており、これら前胴部と後胴部が、スライドジャッキによりスライドすることにより機長が伸縮し、また前胴部に取り付けられるシールドジャッキのストロークが2リング分のセグメント幅より長く、急曲線区間では、前胴部と後胴部とを縮めシールド掘進機胴体部を短くして掘削とセグメント組立とを交互に行い、直線または緩曲線区間では、前胴部と後胴部とを伸ばしシールド掘進機胴体部を長くして複数のシールドジャッキのうち一部のシールドジャッキによりセグメントに反力を取りシールド掘進機を推進させつつ残りのシールドジャッキに対応する部分においてセグメントの組み立てを行うことにより掘削とセグメント組立とを同時に行う。
しかし、これによるとシールド掘進機の構造が複雑になり、設備費用が高価となる。
特許第3104955号公報 特開平8−199972号公報
本発明の課題は、同時施工中のシールド掘進機の姿勢制御を容易に行えるとともに、同時施工をするためにシールド掘進機を特別な構造にする必要がない、シールド掘進組立同時施工法を提供することにある。
第1の本発明は、全てのジャッキの推力による合力作用点がシールド掘進機の任意の目標点にくるように、中折れ操作等によりシールド掘進機の向きを制御する合力作用点制御工程と、その制御後の合力作用点を変えない推力割合(全推力のうちの何割を当該ジャッキに分担させるかを決める割合)となるようにジャッキの圧力を制御しながら、一部のジャッキを減圧して引き戻すジャッキ一部引き戻し工程と、それ以外のジャッキの圧力を同様に合力作用点を変えない推力割合となるように制御してシールド掘進機を推進させながら、引き戻したジャッキ部分のセグメントを組み立てる掘進・セグメント組立同時並行工程とを有する。
掘進・セグメント組み立て同時並行工程において、引き戻したジャッキ部分のセグメントを組み立てた後、その引き戻したジャッキでは任意の低圧による推進を行うように圧力制御しながら、別の一部のジャッキを減圧して引き戻すことにより、次のセグメントを組み立てることができる。
掘進・セグメント組み立て同時並行工程では、組み立て部分の一部のジャッキを引き戻しジャッキとして追加して同様の動作を行うことができる。
引き戻さないジャッキについては、そのなかで推力割合が最大推力となるジャッキを選定してその圧力を最大とし、このジャッキによる推力を検出してその検出推力を基準にこれ以外のジャッキの目標推力を算出し、これを維持するようにジャッキの圧力を制御することで、姿勢制御をより効率的に行える。
引き戻すジャッキを追加して推進する場合には、その前に現に推力を得ているジャッキによるモーメントを第1のジャッキモーメントM1、引き戻すジャッキを一部追加して推進する際に想定されるモーメントを第2のジャッキモーメントM2として算出する。
ジャッキの引き戻しを次の手順で行うと、シールド掘進機の姿勢変化、モーメント変動、速度変動を起こさずに安定した掘進が可能である。
引き戻そうとするジャッキの引き戻し前に、現に推力を得ているジャッキによる第1のジャッキモーメントM1を算出するとともに、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキによる第2のジャッキモーメント(引き戻し後に想定されるジャッキモーメント)M2を算出するジャッキモーメント算出工程。
これら第1のジャッキモーメントM1と第2のジャッキモーメントM2とが同一になる推力バランスを、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキについて算出する推力バランス算出工程。
その算出された推力バランスとなるようにジャッキの圧力を制御しながら、引き戻そうとするジャッキを引き戻すジャッキ引き戻し工程。
このようなジャッキの引き戻し手順は、上述した第1の本発明のような同時施工法に限らず、一部のジャッキを引き戻し、その他のジャッキの推力にて推進させながら、引き戻したジャッキ部分のセグメントを組み立てる同時施工法であれば共通に適用できるもので、これを第2の本発明とする。
また、ジャッキ引き戻し工程では、引き戻すジャッキにより変化するモーメント変化量とそれ以外のジャッキの加圧によるモーメント変化量が同じになるように、徐々に圧力を変更し、更に、引き戻すジャッキの減圧所要時間とそれ以外のジャッキの加圧所要時間が同時間になるようにすれば、圧力変動時の推力及びモーメントの変動を極力小さくすることができ、同時施工時中の安定した切羽管理(切羽土圧の保持等)と正確な掘進方向の管理が可能になる。
本発明によれば、同時施工中のシールド掘進機の姿勢制御を容易に行えるとともに、同時施工をするためにシールド掘進機を特別な構造にすることなく、安定した掘進が可能となる。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
作と制御の流れを示す。
図1(A)において、シールド掘進機1は、前面にカッタ2を有する前胴部1Aが、内部でセグメント組立を行う後胴部1Bに対して、中折れ機構3にて向きを自在に変更できるようになっている。
シールド掘進機1は、図1(B)に示すように、同一円周上に等間隔に配置されたn個のジャッキ4の全部又は一部が、組み立てたセグメント5で反力をとって伸長することにより推進される。
図6のステップS1において、全てのジャッキ4の推進によりシールド掘進機1の掘進を開始する。図1は、全てのジャッキ4による掘進開始時に、それらの推力を合成した合力作用点Fがシールド掘進機中心Oからずれていることを示す。
図6のステップS2において、目標姿勢制御に対する合力作用点Fの位置、すなわち図7に示すように、本例の場合はシールド掘進機中心Oを目標点として、これを中心としたX−Y座標系を想定し、合力作用点FのX軸からの反時計方向の角度をθ、X−Y座標中心からの距離をrとして、座標(r,θ)を現在のジャッキモーメントから次のように算出する。
図7に示すように、1番目からn番目までのジャッキが、シールド掘進機中心Oから同じ取付半径Rで配置され、i番目のジャッキの取付角度をθ、その推力をPとする。この推力Pを公知の方法で検出すると、合成したジャッキモーメントのX成分Mは次の(1)式、Y成分Mは(2)式で与えられる。
Figure 2005146762

Figure 2005146762

合力作用点Fの距離rのX成分とY成分をそれぞれr、rとすると、これらr、rは、それぞれ次の(3)式が成り立つので、距離rはそれより(4)式にて求めることができる。また、角度θは(5)式から求めることができる。
Figure 2005146762

Figure 2005146762


Figure 2005146762
現在の合力作用点Fが、図1(B)に示すようにX−Y座標系のX軸から反時計方向に角度θのところにあり、目標点をシールド掘進機中心Oとすると、この合力作用点Fがシールド掘進機中心Oにくるような修正のためのジャッキモーメントを作用させるためには、シールド掘進機1の前胴部1Aの向きを、合力作用点Fとは180°反対の向き、つまり「180°−θ」だけ予め傾けておく必要がある。
そこで、図6のステップS3において、前胴部1Aの向きを変えるための中折れ角αを決定し、次のように中折れ機構3にて中折れ操作を行う。なお、中折れ操作以外の公知の方法で向きを変えてもよい。
すなわち、図6のステップS4において、中折れ機構3により前胴部1Aの向きを任意の角度で徐々に変えながら、ステップS5において、X成分のジャッキモーメントのMとY成分のジャッキモーメントMを上記のように計測・算出し、ステップS6において、ジャッキモーメントM,Mが目標値になったかどうか判断し、そのようになるまでステップ4からステップS6の操作を繰り返す。図8は、その操作を図7と同様に図示したものである。
このような中折れ操作により、図2に示すように、合力作用点Fが目標点としたシールド掘進機中心Oないしその近傍に移動したら、図3に示すように、合力作用点Fがそこからずれないような推力割合となるようにジャッキ4群の圧力を制御しながら、引き戻そうとする一部のジャッキ4を減圧していく。そして、その一部のジャッキ4を最終段階まで引き戻す。
その引き戻し完了後、図4に示すように、引き戻していないジャッキ4群の圧力を、同様に合力作用点Fをずらさない推力割合となるように制御してシールド掘進機1を推進させながら、引き戻したジャッキ部分のセグメント5’を組み立てる。
その組み立て後、図5に示すように、同様に合力作用点Fをずらさない推力割合となるようにしかも引き戻したジャッキ4では任意の低圧による推進を行うように圧力制御して、シールド掘進機1を推進させながら、別の一部のジャッキ4を減圧して引き戻して、次のセグメント5”を組み立てる。以下、同様の動作を繰り返して1リングのセグメントを組み立てる。
図3、図4、図5において、引き戻さないジャッキ4群に対する圧力制御を次のようにすると、姿勢制御をより効率的に行える。
引き戻さないジャッキ群(推進ジャッキ群)のなかで推力割合が最大推力となるジャッキ(1以上)を選定してその圧力を最大とし、このジャッキによる推力を検出してその検出推力を基準にこれ以外のジャッキの目標推力を算出し、これを維持するようにジャッキ群の圧力を総合的に制御する。
その具体例について説明する。
図9はジャッキ群を制御する制御系を示し、油圧ポンプ6からの油圧は、制御装置7にて制御される流量制御弁8にて流量制御され、元圧検出用圧力センサ9にて元圧を検出されながら、各ジャッキ4へ分配される。その分配される油圧は、制御装置7にて制御される圧力制御弁(電磁比例減圧弁)10にて個々に圧力制御されるとともに、ジャッキ圧検出用圧力センサ11にて個々に圧力を検出される。シールド掘進機1の姿勢はジャイロ等の姿勢検出器12により検出され、演算装置(パーソナルコンピュータ)13に入力される。制御装置7はこの演算装置13に従った制御動作を行う。このような制御系により次のような手順で制御する。
(1)姿勢検出器12によりシールド掘進機1の水平方向、鉛直方向の姿勢角を検出し、演算装置13に送る。
(2)演算装置13では、図10に示すように目標方向との偏差を求め、その偏差を修正するジャッキ操作点Qを求める。更に、図11に示すようにジャッキ操作点Qから各ジャッキ(グループ分けした場合には、各グループ)の推力割合(全推力のうちの何割を当該ジャッキに分担させるかを決める割合)を求め、その結果を制御装置7に送る。
(3)制御装置7では、推力割合から最大推力とされたジャッキ(1以上)を検索し、そのジャッキの圧力制御弁10を油圧回路の最大使用圧力に設定し、このジャッキを推力検出対象とする。
(4)シールド掘進機1を所定の速度で推進させながら、推力検出対象としたジャッキ4の圧力を圧力センサ11で検出して、その検出圧力を演算装置13に送り、推力検出対象としたジャッキ4の現在の推力を求める。
(5)その現在の推力と(2)で求めた推力割合とから、推力検出対象以外のジャッキの目標推力を演算装置13で演算し、その演算結果を制御装置7へ送って、目標推力を維持するように圧力制御弁10を制御する(目標圧力になるように閉ループ制御する)。
以上を連続的に繰り返すことにより、シールド掘進機1は、常に目標方向に向かうようにジャッキの圧力が自動制御されて推進する。
上記における推力割合は、推力検出対象のジャッキを最大とし、その他のジャッキはこれを基準にその何%かで設定する。このようにすると、圧力制御を行うためにジャッキを任意にグループ分けすることができ、またその圧力を自由に設定することができる。図11に示すように、最大推力とするジャッキを基準に、その反対側のジャッキを最小推力として、基準とした最大推力のジャッキの円周方向の両側につき、最小推力のジャッキに向かった直線的に滑らかな推力勾配となるように設定すれば、ジャッキモーメントを効率よく発生できる。
同時施工において、ジャッキ群のなかから、セグメント組立を行う部分のジャッキを引き戻す場合、次のような手順で引き戻し操作を行う。なお、この場合も、ジャッキ群の推力分担は、図11に示したような推力勾配となるように設定する。
図12のフローチャートのステップS11において、引き戻そうとするジャッキの引き戻しを実行する前に、現に推力を得ている推進ジャッキ群によるジャッキモーメントを前述した(1)式及び(2)式から求める。この求められたX成分とY成分のジャッキモーメントを説明の便宜上「第1のジャッキモーメントM1」とする。
図14はこの時点での推力分担を示し、付記した「100」、「80」、「60」の数字は、最大推力の推進ジャッキの推力を「100%」として、当該推進ジャッキに「80%」、「60%」の推力分担をさせていることを表している。この図の例では、第10番目の推進ジャッキを「100%」として、第4番目が「80%」、第1番目が「60%」となっていることを表している。このとき、第1のジャッキモーメントM1はやや上向きのモーメントになっている。
次のステップS12においては、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキ(推進ジャッキ群)によるジャッキモーメント(引き戻し後に想定されるジャッキモーメントを、同様に(1)式及び(2)式から求める。この求められたX成分とY成分のジャッキモーメントを説明の便宜上「第2のジャッキモーメントM2」とする。
図15はこの場合の想定図で、引き戻さないジャッキ(推進ジャッキ群)の推力分担を変えずに計算した場合のジャッキモーメントM2が、下向きのモーメントとなることを表している。
次のステップS13において、第1のジャッキモーメントM1と第2のジャッキモーメントM2とが同一になる推力バランス、つまり引き戻さないジャッキ(推進ジャッキ群)についての新たな推力割合(新たな推力分担)を求める。
図16は求められた新たな推力分担を表す。この図の例では、第6番目の推進ジャッキを「100%」として、第4番目を「60%」、第1番目を「20%」とすることを表している。
次のステップS14において、ステップS13で求められた推力バランスとなるようにジャッキの圧力を徐々に制御するとともに、ステップS15において、引き戻し対象のジャッキの圧力を徐々に減圧して最終段階まで引き戻し、セグメントを組み立てる。
この後、更に図13に示すような処理を行うことが好ましい。
図13のステップS16において、引き戻すジャッキを一部追加、つまり組み立て部分の一部のジャッキを引き戻しジャッキとして追加し、推進前のジャッキモーメントM1を上記と同様に求める。
ステップS17において、引き戻すジャッキを一部追加して推進する際に想定されるジャッキモーメントM2を上記と同様に求める。
次のステップS18において、第1のジャッキモーメントM1と第2のジャッキモーメントM2とが同一になる推力バランスを求める。
次のステップS19において、ステップS18で求められた推力バランスとなるようにジャッキ群の圧力を徐々に制御するとともに、ステップS20において、引き戻しジャッキを一部追加した状態での推進を実行する。
ジャッキを上記のようにして引き戻せば、シールド掘進機1の姿勢変化、モーメント変動、速度変動を起こさずに安定した掘進が可能となるので、この実施例2の方法は、実施例1に示したような同時施工法に限らずに適用できる。しかも、図17に示すように、引き戻しジャッキ群を減圧する目標圧力−Pと、推進ジャッキ群を加圧する目標圧力+Pとの目標到達時間を同一にすることで、圧力変動時の推力及びモーメントの変動を極力小さくすることができる。
そこで、減圧と加圧の圧力変更の時間調整も行う場合の実施例を次に説明する。
図18において、シールド掘進機の円周方向にジャッキが10個配置されているとして、いまその中の第1番目から第3番目までを推進ジャッキ群、第4番目から第6までを引き戻しジャッキ群、第7番目から第10番目までを推進ジャッキ群とする。そして、次のように定義したうえ、動作の流れを図18〜図21を参照して順次説明する。
PG1:動作開始時の推力バランス
PG2:動作完了時の推力バランス
M1:PG1により発生するシールド掘進機の第1のモーメント(水平成分M、垂直成分M
M2:PG2により発生するシールド掘進機の第2のモーメント
M:圧力変更過程中のシールド掘進機のモーメント
(1)初期値の算出(図18参照)
動作開始時に各ジャッキの圧力と伸び速度Vを検出し、推力バランスPG1と、それにより発生するシールド掘進機の第1のモーメントM1(M、M)、及びジャッキへの油圧供給源である油圧ポンプの吐出量を算出する。
(2)目標値の設定(図19参照)
引き戻しジャッキ群を除く推進ジャッキ群による第1のモーメントM1と同等の第2のモーメントM2を発生させる推力バランスPG2を設定する。
(3)圧力の変更(図20参照)
モーメントMが変化しないように、つまりM=M1を維持するように推進ジャッキ群の加圧量+ΔPと引き戻しジャッキ群の減圧量−ΔPを調整しながら、任意に設定した目標時間Tをかけて各ジャッキの圧力を同時に徐々に変更する。
(4)完了(次工程へ)(図21参照)
目標時間Tをかけた圧力調整により目標値に到達したら、圧力変更処理が完了する。次工程(ジャッキ引き戻し)の準備として、ジャッキ引き戻し時の油圧ポンプ吐出量を算出する。例えば、ジャッキの伸び速度Vと引き戻しジャッキ群を除く推進ジャッキ群の本数から求める。
このように減圧の所要時間と加圧の所要時間が同じなるように圧力変更を行うと、次のような効果がある。
(a)一定時間をかけて緩やかに圧力を変更するため、油圧系統内の衝撃がなく、圧力及び速度が変動しない。
(b)モーメントが変化しないため、シールド掘進機の姿勢が変動しない。
(c)上記により同時施工時中の安定した切羽管理(切羽土圧の保持等)と正確な掘進方向の管理が可能になる。
なお、掘進速度については、速度計を検出器として閉ループ制御を行うことにより、一層高精度な管理ができる。
図1〜図5は本発明の実施例1を工程順に示し、いずれも(A)はシールド掘進機の簡略断面図、(B)はジャッキの操作態様の正面図で、図1は掘進開始時の状態である。 中折れ操作後の状態である。 同時施工開始時の状態である。 同時施工状態である。 次のセグメント組立のための同時施工状態である。 実施例1のフローチャートである。 中折れ前のジャッキモーメントを解説する図で、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 中折れ後のジャッキモーメントを解説する図で、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 ジャッキ群を制御する制御系を示すブロック図である。 シールド掘進機の姿勢制御の解説図である。 ジャッキの推力分担手法の解説図である。 本発明の実施例2のフローチャートである。 図12に続くフローチャートである。 実施例2における引き戻し前の推力分担の関係を示し、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 引き戻し後に想定される推力分担の関係を示し、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 引き戻し後の推力バランスの関係を示し、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 実施例2における引き戻しジャッキ群の減圧制御と、推進ジャッキ群の加圧制御の関係説明図である。 引き戻すジャッキの減圧所要時間とそれ以外の推進ジャッキの加圧所要時間が同時間になるように、徐々に圧力を変更する実施例であって、その動作開始を説明する図である。 同じく目標値の設定を説明する図である。 同じく圧力の変更を説明する図である。 同じく動作完了を説明する図である。
符号の説明
1 シールド掘進機
1A 前胴部
1B 後胴部
2 カッタ
3 中折れ機構
4 ジャッキ
5 セグメント
6 油圧ポンプ
7 制御装置
8 流量制御弁
9 元圧検出用圧力センサ
10 圧力制御弁
11 ジャッキ圧検出用圧力センサ
12 姿勢検出器
13 演算装置

Claims (10)

  1. 全てのジャッキの推力による合力作用点がシールド掘進機の任意の目標点にくるように、中折れ操作等によりシールド掘進機の向きを制御する合力作用点制御工程と、その制御後の合力作用点を変えない推力割合となるようにジャッキの圧力を制御しながら、一部のジャッキを減圧して引き戻すジャッキ一部引き戻し工程と、それ以外のジャッキの圧力を同様に合力作用点を変えない推力割合となるように制御してシールド掘進機を推進させながら、引き戻したジャッキ部分のセグメントを組み立てる掘進・セグメント組立同時並行工程とを有することを特徴とするシールド掘進組立同時施工法。
  2. 掘進・セグメント組み立て同時並行工程において、引き戻したジャッキ部分のセグメントを組み立てた後、その引き戻したジャッキでは任意の低圧による推進を行うように圧力制御しながら、別の一部のジャッキを減圧して引き戻して、次のセグメントを組み立てることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進組立同時施工法。
  3. 掘進・セグメント組み立て同時並行工程において、組み立て部分の一部のジャッキを引き戻しジャッキとして追加して同様の動作を行うことを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進組立同時施工法。
  4. 引き戻さないジャッキについては、そのなかで推力割合が最大推力となるジャッキを選定してその圧力を最大とし、このジャッキによる推力を検出してその検出推力を基準にこれ以外のジャッキの目標推力を算出し、これを維持するようにジャッキの圧力を制御することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のシールド掘進組立同時施工法。
  5. ジャッキの引き戻しは次の手順で行うことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のシールド掘進組立同時施工法。
    引き戻そうとするジャッキの引き戻し前に、現に推力を得ているジャッキによる第1のジャッキモーメントM1を算出するとともに、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキによる第2のジャッキモーメントM2を算出するジャッキモーメント算出工程。
    これら第1のジャッキモーメントM1と第2のジャッキモーメントM2とが同一になる推力バランスを、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキについて算出する推力バランス算出工程。
    その算出された推力バランスに従ってジャッキの圧力を制御しながら、引き戻そうとするジャッキを引き戻すジャッキ引き戻し工程。
  6. ジャッキ引き戻し工程では、引き戻すジャッキの減圧所要時間とそれ以外のジャッキの加圧所要時間が同時間になるように、徐々に圧力を変更することを特徴とする請求項5に記載のシールド掘進組立同時施工法。
  7. 引き戻すジャッキを追加して推進する場合には、その前に現に推力を得ているジャッキによるモーメントを第1のジャッキモーメントM1、引き戻すジャッキを一部追加して推進する際に想定されるモーメントを第2のジャッキモーメントM2として算出することを特徴とする請求項5又は6に記載のシールド掘進組立同時施工法。
  8. 一部のジャッキを引き戻し、その他のジャッキの推力にて推進させながら、引き戻したジャッキ部分のセグメントを組み立てるシールド掘進組立同時施工法において、引き戻そうとするジャッキの引き戻し前に、現に推力を得ているジャッキによる第1のジャッキモーメントM1を算出するとともに、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキによる第2のジャッキモーメントM2を算出するジャッキモーメント算出工程と、これら第1のジャッキモーメントM1と第2のジャッキモーメントM2とが同一になる推力バランスを、引き戻そうとするジャッキを除いたジャッキについて算出する推力バランス算出工程と、その算出された推力バランスとなるようにジャッキの圧力を制御しながら、引き戻そうとするジャッキを引き戻すジャッキ引き戻し工程とを有することを特徴とするシールド掘進組立同時施工法。
  9. ジャッキ引き戻し工程では、引き戻すジャッキにより変化するモーメント変化量とそれ以外のジャッキの加圧によるモーメント変化量が同じになるように、徐々に圧力を変更することを特徴とする請求項8に記載のシールド掘進組立同時施工法。
  10. 引き戻すジャッキの減圧所要時間とそれ以外のジャッキの加圧所要時間が同時間になるようにすることを特徴とする請求項9に記載のシールド掘進組立同時施工法。
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