JP2005146694A - 遮水膜式選択取水設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】 扉体間の水密性を良くし、任意位置での選択取水を行い、開閉装置の小型化を図る。
【解決手段】 堰堤1に形成された取水口部1aに設けられる選択取水設備である。左右の戸当り4に案内されて昇降する扉体5を、左右の戸当り4間を水平方向に渡された複数の主桁5aと、これらの主桁5a間をつなぐ遮水膜5bで構成する。扉体5を構成する最上部の主桁5aの上方に、この最上部の主桁5aとで取水口8を形成すべく、整流板7を最上部の主桁5aに連結する。開閉装置6による前記整流板7の昇降動により、取水口6位置を任意に変更できるように構成する。
【効果】 複数の扉体を連係構成した構造に比べて扉体の水密性に優れると共に、扉体の重量が軽量化でき、開閉装置の小型化が可能になる。また、取水口位置を任意に変更できるようになる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えばダム堰堤に形成された取水口部に設けられ、その取水口位置を任意に変更して、ダム貯水池の水を任意の水深から取水可能とする選択取水設備に関するものである。
この種の選択取水設備として、昇降動可能な複数の扉体をワイヤロープで上下方向に連係させて構成し、最上段の扉体の上昇高さ位置に応じて、最上段の扉体と次段の扉体間、また、これに加えて順次上段側の扉体と下段側の扉体間が開いて、選択取水又は表層取水が行える設備がある。
実開平6−8428号公報
しかしながら、上記構成の選択取水設備のような複数の扉体を使用する場合、扉体間を締め切る際の水密性に問題がある。また、このような構成では、最上段の扉体の上昇高さ位置に応じて、最上段側から上段側の扉体と下段側の扉体間が順次開くので、例えば中間部のみを選択取水することができない。さらに、扉体重量が重く大型の開閉装置が必要になる。
本発明が解決しようとする問題点は、扉体間の水密性に問題があり、例えば中間部のみといった任意の高さ位置での選択取水ができず、開閉装置の小型化が図れないという点である。
本発明の遮水膜式選択取水設備は、
左右の戸当りに案内されて昇降する扉体を、前記左右の戸当り間を水平方向に渡された複数の主桁と、これらの主桁間をつなぐ遮水膜で構成すると共に、
この扉体を構成する最上部の主桁の上方に、この最上部の主桁とで取水口を形成すべく、整流板を最上部の主桁に連結し、
開閉装置による前記整流板の昇降動により、取水口位置を任意に変更できるように構成したことを最も主要な特徴とするものである。
左右の戸当りに案内されて昇降する扉体を、前記左右の戸当り間を水平方向に渡された複数の主桁と、これらの主桁間をつなぐ遮水膜で構成すると共に、
この扉体を構成する最上部の主桁の上方に、この最上部の主桁とで取水口を形成すべく、整流板を最上部の主桁に連結し、
開閉装置による前記整流板の昇降動により、取水口位置を任意に変更できるように構成したことを最も主要な特徴とするものである。
本発明の遮水膜式選択取水設備は、扉体を、左右の戸当り間を水平方向に渡された複数の主桁と、これらの主桁間をつなぐ遮水膜で構成するので、複数の扉体を連係構成した構造に比べて扉体の水密性に優れると共に、扉体の重量が軽量化でき、開閉装置の小型化が可能になる。
また、扉体を構成する最上部の主桁の上方に整流板を連結して取水口を形成したので、開閉装置による前記整流板の昇降動により、扉体が高さ方向に伸縮可能になり、取水口位置を任意に変更できるようになる。
以下、添付図面を用いて、本発明に係る遮水膜式選択取水設備の実施形態について説明する。
図1〜図5は第1の例を示し、図1は概略正面図、図2は図1の側面図、図3は図1の矢視A−A図、図4は整流板の取り付け構造を説明する図、図5は各部の詳細図、図6及び図7は主桁の連結方法の第2の例を示す図である。
図1〜図5は第1の例を示し、図1は概略正面図、図2は図1の側面図、図3は図1の矢視A−A図、図4は整流板の取り付け構造を説明する図、図5は各部の詳細図、図6及び図7は主桁の連結方法の第2の例を示す図である。
図1〜図3において、1は例えばダムの堰堤であり、この堰堤1の上流側面には、取水塔2が設けられている。そして、堰堤1の前記取水塔2の下部に位置する部分には取水口部1aが設けられ、また、取水塔2の前面には流木等のごみが取水口部1aに入るのを阻止するためのスクリーン3が取り付けられている。
4は前記取水塔2の両端位置に、上下方向に設けられた1対の戸当りであり、この戸当り4を構成するローラ戸溝4aに扉体5が案内され、開閉装置6によって昇降動させることで、ダム貯水池の水を取水口部1aに取り込むようになっている。なお、前記ローラ戸溝4aに案内されて扉体5が円滑に昇降動するように、扉体5のローラ戸溝4aとの対向部には例えば主ローラ5eとサイドローラ5fが取り付けられている。
そして、本発明では、この扉体5を、前記左右に配置された戸当り4間を水平方向に渡した例えば4本の主桁5aと、これら主桁5a同士を連結する連結ロッド5gと、この連結ロッド5gによって連結された4本の主桁5a間をつなぐ遮水膜5bとで形成している。
図5(e)に示した例では、前記連結ロッド5gは、2本のリンク5ga,5gbを枢支した構造で、逆方向への折れ曲がりを防止するために、一方のリンク5gaの前記枢支部5gcにストッパ5gdを取り付けたものを示している。
また、前記主桁5aに対する遮水膜5bの取り付けは、図5(a)(b)に示した例では、主桁5aと膜押さえ板5cとで遮水膜5bを挟み込み、ボルト・ナット5dを用いて、取り付けるものを示している。そして、図5(b)に示した例では、遮水膜5bへの応力集中を防止するために、主桁5aの遮水膜5bとの当接面を凹状に、また、膜押さえ板5cの遮水膜5bとの当接面を凸状に形成したものを示している。なお、前記遮水膜5bは水を遮蔽できるものであれば、合成ゴムや合成樹脂等、適宜のものを採用すればよい。
7は前記扉体5を構成する最上部の主桁5aの上方に所定の間隔を存して配置される、例えば図2に示したように、側面視逆三角形状の整流板であり、この整流板7と最上部の主桁5aとの間を取水口8となしている。そして、この整流板7は、例えば図4に示したように、ローラ戸溝4aに案内されて移動するガイドローラ7aを備えたガイド金物7bに、例えば片持ち状に取り付けられ、ローラ戸溝4aに沿って昇降動が自在なようになっている。
本発明では、この整流板7と前記扉体5とが一体に昇降動できるように、開閉装置6によって整流板7を昇降動させ、この整流板7に扉体5を吊り下げることで、整流板7と扉体5を一体的に昇降動するように構成している。
9は両戸当り4の下流側に設けられた側部ゴム当りであり、前記遮水膜5bの両側の水密のために設けられている。この水密性を向上させるために、図5(c)(d)に示した例では、遮水膜5bの両側端部を、上流側を切り欠いたリング状に形成したものを示しているが、このような形状に限定されるものではない。
10は前記整流板7と堰堤1との間に、整流板7の堰堤側端部が当接するように配置された堰堤ゴム当りである。この堰堤ゴム当り10は、ダム貯水池の水位より整流板7が低い位置にある場合、整流板7と堰堤1との間を水密し、上部からダム貯水池の水が混入することを防止するために設けられている。
本発明に係る遮水膜式選択取水設備は、上記したような構成とすることにより、扉体5が高さ方向に伸縮可能になるので、1組の扉体5で任意の高さ位置の取水が可能になる。また、複数の扉体を連係構成した構造に比べて扉体5の水密性に優れると共に、扉体5の重量を軽量化でき、開閉装置6の小型化が可能になる。
本発明は、上記の形態に限るものではない。例えば連結ロッド5gを図5(e)に示したヒンジ式のものに代えて、図6及び図7に示したような、上下に隣り合う2つの主桁5aが、所定の間隔だけ開くように、それぞれ連結ロッド5gで連結したものでも良い。
この図6及び図7に示した構造では、全伸時は、図6(a)に示したように、連結ロッド5gの両端にそれぞれ主桁5aが位置する一方、全縮時には、図6(b)に示したように、隣り合う主桁5aから飛び出した連結ロッド5gが他の主桁5aに当たらないように、他の主桁5aには、連結ロッド5gを貫通する逃がし孔5aaが設けられている。
このように、本発明の技術的思想の範囲内で、適宜、実施の形態の変更は任意である。
このように、本発明の技術的思想の範囲内で、適宜、実施の形態の変更は任意である。
以上の本発明は、ダム貯水池における選択取水に限るものではなく、農業用・かんがい用ため池などの選択取水にも適用できる。
1 堰堤
1a 取水口部
4 戸当り
5 扉体
5a 主桁
5b 遮水膜
6 開閉装置
7 整流板
8 取水口
1a 取水口部
4 戸当り
5 扉体
5a 主桁
5b 遮水膜
6 開閉装置
7 整流板
8 取水口
Claims (1)
- 堰堤に形成された取水口部に設けられる選択取水設備であって、
左右の戸当りに案内されて昇降する扉体を、前記左右の戸当り間を水平方向に渡された複数の主桁と、これらの主桁間をつなぐ遮水膜で構成すると共に、
この扉体を構成する最上部の主桁の上方に、この最上部の主桁とで取水口を形成すべく、整流板を最上部の主桁に連結し、
開閉装置による前記整流板の昇降動により、取水口の位置を任意に変更できるように構成したことを特徴とする遮水膜式選択取水設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003386871A JP2005146694A (ja) | 2003-11-17 | 2003-11-17 | 遮水膜式選択取水設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003386871A JP2005146694A (ja) | 2003-11-17 | 2003-11-17 | 遮水膜式選択取水設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005146694A true JP2005146694A (ja) | 2005-06-09 |
Family
ID=34694433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003386871A Pending JP2005146694A (ja) | 2003-11-17 | 2003-11-17 | 遮水膜式選択取水設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005146694A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101842050B1 (ko) * | 2015-03-19 | 2018-03-27 | 지에스건설 주식회사 | 친환경 수중 차폐 구조물 및 이의 설치방법 |
WO2024037045A1 (zh) * | 2022-08-15 | 2024-02-22 | 中国长江电力股份有限公司 | 水电站分层取水生态调度叠梁门提落的方法 |
-
2003
- 2003-11-17 JP JP2003386871A patent/JP2005146694A/ja active Pending
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WO2024037045A1 (zh) * | 2022-08-15 | 2024-02-22 | 中国长江电力股份有限公司 | 水电站分层取水生态调度叠梁门提落的方法 |
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