JP2005146265A - 軋み音発生防止用処理剤およびそれを用いた軋み音発生防止処理方法 - Google Patents

軋み音発生防止用処理剤およびそれを用いた軋み音発生防止処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金属部材とこれに当接されるウレタン発泡体や各種プラスチック等の有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音を防止するための軋み音発生防止用処理剤と軋み音発生防止処理方法を提供すること。
【解決手段】 金属部材とこれに当接される有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音を防止するために該接触面に塗布しておく軋み音発生防止用処理剤であって、アミノ変性シリコンオイルまたはジメチルシリコンオイル中にアミノ変性シリコンオイルを10wt%以上混合した混合シリコンオイル、またはジメチルシリコンオイル中に特定潤滑オイルを4.7±10wt%添加しアミノ変性シリコンオイルを1.4wt%以上混合した混合シリコンオイルを、脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物または速乾性の特定3成分混合溶剤からなる溶媒に溶解した処理剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属部材とこれに当接されるウレタン発泡体やポリエステル繊維等の合成繊維や天然繊維等からなる不織布や各種プラスチック等の有機性物質部材、あるいは天然皮革、合成皮革、塩化ビニル等からなる各種表皮材等の有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音の発生を防止するための軋み音発生防止用処理剤およびそれを用いた軋み音発生防止処理方法に関するものである。
従来から、金属部材とウレタン発泡体のような有機性物質部材、あるいは上記有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音は著しい不快感をもたらすため、その軋み音の発生を防止するために該接触面の間にポリプロピレンやポリエステルなどの合成繊維や天然繊維などの不織布を緩衝材として挟んで軋み音の発生を防止することが行われている。
しかし、それらの部品の形状やそれらに加えられる圧力の大きさによっては合成繊維や天然繊維などの不織布を挟んでも軋み音を防止できない場合がある。そこで、ウレタン発泡体や不織布等による軋み音防止手段として、高価な潤滑性樹脂を配合した水溶性のエマルジョンを接触面に塗布する方法も提案されているが、この方法によるときは処理剤が粘稠で塗布後の乾燥が非常に遅く長時間ベトツキ状態が続くため作業性が悪いうえに、コスト高で広く使用できないものであった。
また、特許文献1に示されるように、金属部材に当接するウレタン発泡体との間で発生する軋み音を防止するために該金属部材側へ界面活性剤を配合した水溶性のエマルジョン溶液を塗布して軋み音の発生を防止する方法も提案され一部で使用されている。しかしながら、上記の水溶性エマルジョン処理剤は塗布後非常に乾燥された環境に長期間曝されると軋み音が発生し易くなる欠点がある。また、上記の水溶性エマルジョン処理剤は何れもエマルジョンの安定性が悪いため、暫く静置すると溶液が分離する問題があり使用中は常時攪拌が不可欠で作業性が極めて悪いうえに、金属に付着すると錆が発生し易くなる欠陥も指摘されている。更には、天然皮革、合成皮革、塩化ビニル等からなる表皮材どうしの接触による軋み音は、擦れ合う圧力が不均一で微妙なため完全に防止することは難しいうえに塗布後のベトツキのない処理剤が要求されており、まだ完全には解決されていないのが現状である。
特開2000−63745号公報
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、安定した軋み音防止効果と良好な防食性を発揮することができるととともに、ウレタン発泡体や合成繊維や天然繊維からなる不織布やファブリック(編織布)や各種のプラスチックや皮革や合皮等の有機性物質部材に対し、更には油分等が付着した金属部材でも水はじきを起すことなく簡単にしかも均一に塗布できて優れた作業性を発揮することができ、また長期間静置しても溶液が分離することなく安定した品質を維持して軋み音の発生を防止することができ、更にはコスト的にも安価で優れた経済性を発揮することができる軋み音発生防止用処理剤及びそれを用いた軋み音発生防止処理方法を提供することを目的として完成されたものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、金属部材とこれに当接される有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音を防止するために該接触面に塗布しておく軋み音発生防止用処理剤であって、アミノ変性シリコンオイルまたはジメチルシリコンオイル中にアミノ変性シリコンオイルを10wt%以上混合した混合シリコンオイル、またはジメチルシリコンオイル中に特定潤滑オイルを4.7±10wt%添加しアミノ変性シリコンオイルを1.4wt%以上混合した混合シリコンオイルを、脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物または速乾性の特定3成分混合溶剤からなる溶媒に溶解してなることを特徴とする軋み音発生防止用処理剤を第1の発明とする。
また、金属部材とこれに当接される有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音を防止するために該接触面に塗布する軋み音発生防止処理方法であって、前記の軋み音発生防止用処理剤を前記接触面に薄く塗布することにより、アミノ変性シリコンオイル成分が金属部材あるいは有機性物質部材の表面に強い親和力によって強固に密着した滑り性に優れた薄膜を、用途に応じ速乾性で常温1分間くらいの速さでも形成し、この薄膜により軋み音の発生を防止すると同時に耐食性も向上させることを特徴とする軋み音発生防止処理方法を第2の発明とする。
本発明の処理剤は、金属部材やウレタン発泡体等の高分子からなる各種の有機性物質部材の表面に塗布されると、溶媒が蒸発して本処理剤の有効成分であるアミノ変性シリコンオイル、またはこれと混合されるジメチルシリコンオイルとの混合シリコンオイルが分子レベルで前記有機性物質部材に接触して強力に結合し特定の潤滑オイルとの相互作用を受け、非常に剥離しにくく滑り性の優れた、しかも帯電して塵埃などが付着しにくい前記有効成分特有の皮膜を形成するので、極めて良好な滑り性を長期間にわたって発揮し軋み音防止効果を持続することとなる。
なお、前記皮膜は金属部材と有機性物質部材の両方に、あるいは有機性物質部材どうしの両方の面に塗布した方がより優れた長期耐久性を発揮するが、有機性物質部材のみに塗布した場合も、金属部材との摺動摩擦によって直接当接して次第に金属部材表面、または他の有機物質部材の表面に極く薄い滑り性のよい皮膜を形成するので、片面にのみ塗布してもよい。
本発明の処理剤は、有機性物質部材に塗布されると上記のようにその有効成分が有機性物質部材と親和性が強く強力に結合し剥離しにくい薄い皮膜を形成するため、従来の水溶性エマルジョン溶液の場合よりも非常に少ない塗布量で優れた軋み音防止効果が達成できる。
また、本発明の処理剤の有効成分は一般的なジメチルシリコンオイルよりも帯電性が非常に少ないこともあって、埃などの塵埃が付着しにくく防錆効果を得ることができ、しかも前記溶媒も脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物の場合は、他の一般的な有機溶媒とは異なり分子量も少し高いため防錆効果を発揮するので得られた皮膜は軋み音の発生を防止するだけでなく、金属部材の防錆剤としての役割も発揮できることとなる。
更に、速乾性が要求される場合は、特定の3成分からなる常温1分間で塗布面が均等に乾燥する混合溶剤との混合溶液を使用することによって、上記有効成分が塗布面に均一な厚さで短時間にしっかりと付着し耐久性の優れた皮膜が形成され軋み音の発生が防止できることとなる。
また、発明の処理方法においては処理剤を前記ウレタン発泡体や不織布等の有機性物質部材に塗布した場合、規定量より少し過剰に塗布されたとしても金属部材のように流れ落ちて作業現場を汚したり、それらの廃油を処分する必要も全くないことから塗布作業による塗布量の不足に伴う軋み音防止効果のばらつきが皆無であり、また天然皮革、合成皮革、塩化ビニル等からなる表皮材に塗布する場合でも速乾性の3成分混合溶剤による処理剤ではスプレー塗布により乾燥が速く流れ落ちることは全く起こらないため、その信頼性が向上するとともそれらの廃油の処分に伴う環境汚染の問題もない。
このように本発明によれば、従来は水溶性エマルジョンの繊維処理剤としてのみに使用していたアミノ変性シリコンオイル、およびアミノ変性シリコンオイルと安価なジメチルシリコンオイルとの混合シリコンオイルを軋み音発生防止用処理剤の有効成分とし、臭いも引火性も非常に少なくて環境上も問題のない脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物、または速乾性の3成分混合溶剤からなる非水溶性の溶媒と組み合わせることで、ウレタン発泡体や不織布等の高分子や各種表皮材等の有機性物質部材との結合強さを改質することが可能となり、軋み音の発生を防止すると同時に耐食性も向上できるようになった。
以下に本発明の好ましい実施の形態を示す
本発明は、金属部材とこれに当接される有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面に塗布して適用されるものである。本発明でいう金属部材とは、金属そのものは勿論のこと、各種の防錆油や油脂類等の油分が付着したものも含む概念である。また、有機性物質部材とは、ウレタン発泡体のみならずその他のプラスチック、合成繊維や天然繊維からなる不織布や織布、ファブリック(編織布)、皮革、合皮、塩ビ等の高分子からなる各種の有機性物質部材を意味するものである。
本発明では、アミノ変性シリコンオイルまたはジメチルシリコンオイル中に該アミノ変性シリコンオイルを10wt%以上混合した混合シリコンオイル、またはジメチルシリコンオイル中に特定潤滑オイルを4.7±10wt%添加しアミノ変性シリコンオイルを1.4wt%以上混合した混合シリコンオイルを用いる。有効成分であるアミノ変性シリコンオイルが10wt%未満では耐久性のある皮膜を得ることができない。好ましくはアミノ変性シリコンオイルが40〜60wt%の比率で混合されているのがよい。更に、特定潤滑オイル(ダイヤクリーンM−2、三菱自動車株式会社の純正オイル)を4.7±10wt%添加し、該混合シリコンオイルにアミノ変性シリコンオイルを1.4wt%以上混合すると、10%以上金剛した場合とほぼ同程度の性能が得られることも見出した。また、前記アミノ変性シリコンオイル成分または上記との混合シリコンオイル成分は、1〜8wt%、好ましくは3〜5wt%になるように脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物を溶媒として調整されている。あるいは、速乾性のノルマルヘキサン65.5±7wt%、メチルシクロヘキサン28±7wt%、イソブチルアルコール6.5±7wt%の3成分からなる特定の混合溶剤として調整されている。
前記アミノ変性シリコンオイルは、ジメチルシリコンオイルの一部をアミノ基で置換したものであり、好ましくは両端末以外の個所にアミノ基を串状に導入したもので、粘度が300cp以上、好ましくは500cp以上のぬめり性の非常に優れた有機変性シリコンオイルである。また、アミノ変性シリコンオイルに混合するジメチルシリコンオイルは、粘度が500cp以上の良好なぬめり性を有するシリコンオイルである。
一般的にシリコンオイルであるジメチルシリコンオイルは、直鎖シロキサン構造をもち置換基Rが全てメチル基で置換されたもので化学的に不活性で非反応性であり、潤滑油としては耐熱、耐寒、粘度、温度特性など優れた特性を有し滑り性も良好であるが、有機物との相溶性や親和性や反応性に欠け帯電性が大きく埃などが非常に付着し易い欠点があるため、耐久性の必要な有機性物質部材の滑性剤としてはあまり利用されてない。またアミノ変性シリコンオイルはこれらの欠陥が殆どないため界面活性剤で乳化し易く、非常に微細で均質な水溶性エマルジョンがえられることから各種の合成繊維や天然繊維の滑り性を向上さる繊維処理剤として利用されている。
本発明は、上記アミノ変性シリコンオイルの利点に着目し、この両者のシリコンオイルと特定潤滑オイルとの相互作用の特徴を利用して更に高性能な滑り性を発揮できる処理剤を見出し、これを非常に軋み易いウレタン発泡体などの各種の有機性物質部材と金属部材との接触面や、皮革、合皮、塩ビ等の表皮材どうしの接触面に適用して両者間の滑り性を著しく向上させ、軋み音の発生を確実に防止することができる軋み音発生防止用処理剤及びそれを用いた軋み音発生防止処理方法を開発するに至ったのである。
アミノ変性シリコンオイルを非イオン界面活性剤で乳化し該シリコンオイルの成分が4wt%のエマルジョン溶液と、該アミノ変性シリコンオイルをnヘキサンに溶解した4wt%の均質な溶液を作成し、それぞれスプレーでポリエステル繊維よりなる不織布およびウレタン発泡体に塗布して摺動摩擦テストを行った。得られた結果は、表1に示すとおりであり、本発明である後者の方がはるかに耐久性が優れていることが確認できた。
Figure 2005146265
これによりアミノ変性シリコンオイルは、従来の繊維処理剤のように反応性が良好なことを利用して乳化し水溶性のエマルジョン状態で合成繊維および天然繊維などの各種の不織布やファブリック(編織布)などに付着させ滑り性を向上させるよりも、該アミノ変性シリコンオイルを非水溶性の溶媒に溶解して付着させた方が摺動摩擦の抵抗にも非常に優れ長期間良好な滑り性を発揮することが確認できた。
これは、アミノ変性シリコンオイルが一般的に有機性物質部材に対して非常に優れた相溶性や親和性を有していても、エマルジョンの状態では該成分が非常に微細な粒子状の形で有機性物質部材の面に接触することになる一方、有機溶媒に均一に溶解された状態では該成分が分子レベルの状態で接触するため、溶媒が蒸発すると有機性物質部材に対する親和性がはるかに増大し強固に結合していることを示している。
これを、非常にきしみ易く滑りにくいウレタン発泡体の面に塗布して実験したところ、該アミノ変性シリコンオイルをnヘキサンに溶解して塗布したものが軋み音発生防止効果を発揮することが判明した(表1)。
なお、上記で行った軋み音防止効果の試験片による評価方法について説明する。
お互いに擦れ合う二つのもののうち、剛性の大きいものを下側(横25mm、縦160mm)に固定し、上側になるもう一方のもの(横25mm、縦60mm)を一端を支点として他方の先端が上下に自由に動けるようにセットされたアームの先端の直角に下向きに出っ張った(横20mm、縦20mm)下部に固定し、そのアームの先端の上部に300gの錘をのせて、全体の荷重が約800gになりそれがそのまま下側の試験片の面にかかるようにし、擦れあう摺動距離100mmを一分間に6mの速度で均一に往復運動し、一分間に30回、摺動距離100mmを往復できるように調整された摺動耐久試験装置により軋み音が発生する限界の回数を摺動摩擦回数として測定し、軋み音防止効果および耐久性能を評価した。
更に、アミノ変性シリコンオイルの粘度について実験したところ、表2に示されるように、300cp以上のぬめり性の優れた方が、300cp未満より良好であることも確認できた。これは、300cp以上に粘度が高くなると物性上ぬめり性が増加し有機性物質部材の面に形成される皮膜の滑り特性が向上し、該皮膜が摺動摩擦により薄くなっても長期間良好な滑り性を持続するためと考えられる。
Figure 2005146265
また、アミノ変性シリコンオイルは粘度の高い方がぬめり性が良好で滑り性が優れていることが解ったので、一般的なジメチルシリコンオイルについて最も軋み音の発生し易いウレタン発泡体で実験したところ、500cp未満の粘度ではあまり良好な摺動抵抗性は得られなかったが、500cp以上の粘度では比較的良好な摺動抵抗性を示すことが確認できた(表2)。
そこで、該アミノ変性シリコンオイルに500cpの粘度のジメチルシリコンオイルをいろいろの割合で混合して実験したところ、表3に示されるように、粘度が300cp以上のアミノ変性シリコンオイルが10wt%以上、粘度500cp以上の一般のジメチルシリコンオイルに混合された混合シリコンオイルであれば軋み音の非常に発生し易いウレタン発泡体でも優れた摺動摩擦耐久性が得られることが確認できた。
Figure 2005146265
また、表4に示すように、特定潤滑オイル(ダイヤクリーンM−2、三菱自動車株式会社の純正オイル)をジメチルシリコンオイルに対して4.7±10wt%添加すると、アミノ変性シリコンオイルを1.4wt%以上(ただし、10%未満)混合すると、10%以上混合した場合とほぼ同程度の摺動摩擦抵抗性能が得られることも確認できた。
Figure 2005146265
また、アミノ変性シリコンオイルの含有率を変化させたnヘキサンの溶液について実験をした結果、表5に示されるように、1wt%未満では不十分で8wt%以上ではほとんど摺動摩擦抵抗性は変わらずこれ以上は不必要であることも解った。
Figure 2005146265
その中でも最も適正と考えられるのは、3〜5wt%の割合が良好のように思われる。これらの良好な該アミノ変性シリコンオイルの含有率の範囲は、粘度300cpのアミノ変性シリコンオイルと粘度500cpのジメチルシリコンオイルとの混合物についても同様の実験を行ったが、表6に示されるように、全く同様な傾向を示すことが確認できた。
Figure 2005146265
また、特定潤滑オイルをジメチルシリコンオイルに対し4.7±10wt%添加すると、アミノ変性シリコンオイルが1.0wt%未満(ただし、0.15%以上)であれば、アミノ変性シリコンオイルを1%以上添加した場合とほぼ同程度の摺動摩擦抵抗性能が得られることも確認できた(表7参照)。
Figure 2005146265
本発明は、処理液を金属部材に塗布するよりもウレタン発泡体や合成繊維または天然繊維の不織布やファブリック(編織布)やプラスチクや皮革などの高分子からなる有機性物質部材の面に塗布した方が、上記の通り処理液の成分が有機性物質部材と親和性が強く強力に結合して長期間の摺動摩擦に耐え優れた軋み音防止効果を持続する。このため塗布された処理液は水溶性エマルジョン溶液よりも有機性物質部材に対して効率よく有効に作用することから、表1および表8に示すように、塗布量が少量で済むことが判る。
Figure 2005146265
一般的に、溶液はエマルジョンでも非水溶性溶媒でも金属部材に塗布する場合は、少しでも過剰に塗布されると直ぐ流れ落ち、これらの廃油処理が量産時には環境上大きな問題を引き起こす。一方、もし不足すれば軋み音防止効果が低下するおそれがあり処理剤を塗布する作業の信頼性に大きな欠陥が生じる。これに対し、本発明の処理剤を有機性物質部材のウレタン発泡体に塗布する場合は、万一過剰に塗布されたとしても部品の有機性物質部材に吸収されて流れ落ちることがないため、軋み音防止効果の信頼性も向上するうえに過剰な処理液の処分も全く行う必要がなくなる利点もある。
従って、金属部材と有機性物質部材の両方の面に処理剤を塗布する場合は、前記金属部材にも若干処理剤が塗布されるため、有機性物質部材だけに塗布されるよりも軋み音の防止効果はさらに向上するものと考えられる(表9参照)。
Figure 2005146265
しかし、本発明の軋み音防止処理剤は従来にない良好な効果を発揮し、また廃油などの環境上に悪影響を及ぼす副産物を発生しないものであるが、溶媒として使用するnヘキサンは、表11に示すように特有の臭いがあり、引火点も−23℃と非常に低く危険物としての類別も第4類第1石油で非常に引火し易く取り扱いの面でかなり面倒な管理が要求されるため、現場の作業上大きな問題点がある。この問題を解決するため、種々の溶媒について実験を行い、軋み音防止効果には全く悪影響を与えないうえに、少し現物から離れれば殆ど臭いがせず、引火点が75℃と極めて引火性も高く、かつ危険物の類別も第4類第3石油に該当して面倒な管理も余り必要としない溶剤を研究した結果、表10と表11に示されるように、脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物からなる溶媒が最適であることが確認できた。
Figure 2005146265
Figure 2005146265
しかも、該溶剤およびこれに溶解されている成分であるアミノ変性シリコンオイル、ジメチルシリコンオイルは、特定化学物質に環境への排出量の把握及び管理の促進に関する法律PRTR法にも該当しないものである。また、表12に示されるように、アミノ変性シリコンオイルを10wt%と50wt%の割合でジメチルシリコンオイルに混合させた場合、脂肪族系と脂環式炭化水素の混合溶媒は、表5に示すn−ヘキサンとほとんど同程度の軋み音防止効果が得られることが確認できた。更には、表10、表12に示すようなウレタン発泡体と普通鋼鈑の組み合わせだけでなく、表13に示されるような種々の組み合わせについて実験した結果、いずれの場合も優れた軋み音防止効果が得られることが確認できた。
Figure 2005146265
Figure 2005146265
この溶媒は、脂肪族と脂環式炭化水素の混合物であり、前記300cp以上の粘度のアミノ変性シリコンオイルや、これと混合される500cpのジメチルシリコンオイルの混合シリコンオイルにも均一に溶解し、空気中に蒸発した蒸気は自然に分解され環境汚染を全く引き起こさないものである。また、万一誤って水の上にこぼれたとしても水には全く不溶で水に浮き次第に蒸発して分解するか、また万一下水に流されたとしても下水処理場で容易に分別されるため環境上社会問題を引き起こすおそれはほとんどないものである。
しかも、nヘキサンより揮発性も少ないのでウレタン発泡体や不織布やプラスチック等の高分子よりなる有機性物質部材、または金属部剤に塗布する場合でも刷毛塗りやスプレー塗布等の何れも容易で、しかも作業が簡単に行うことができるものである。
しかし、上記のように現場作業にも優れた脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物よりなる本発明の処理剤は、比較的乾燥が遅いためスプレー塗布しても吸収力の高いウレタン発泡体や不織布等と異なり、吸収力のほとんどない皮革、合皮、塩ビ等の表皮材に対しては有効成分が流れて表面に適量付着させることが困難なうえに、現場の作業性も用途によってはかなりの障害になることが考えられる。また、臭いや引火点も低く取り扱いにくいという問題もあるが、軋み音防止の対象部品によってはやむを得ず使用しなければならない場合もある。
しかし、乾燥の非常に早いnヘキサン単独による処理剤は、表2〜表10に示すように、性能的には問題ないが、表皮材の良好な外観維持用の艶消し剤が添加してあるとスプレー塗布時に乾燥が速すぎて塗布面からの蒸発が不揃いとなり、艶消し剤や含有成分による塗布ムラが生じやすいという欠点がある。また、速乾性有機溶剤はPRTR法に該当しないものを選択しなければならない。
このため、長期間にわたって種々の実験を繰り返し、スプレー塗布後、常温約1分間でムラなく乾燥し,その後のべとつきも殆どないノルマルヘキサン65.5±7wt%、メチルシクロヘキサン28±7wt%、イソブチルアルコール6.5±7wt%の3成分からなる混合溶剤を用いた新規な処理剤を見出した。
得られた処理剤は、表7、表10、表12、表13に示されるように、種々の組み合わせについて実験した結果、いずれの場合も優れた軋み音の発生防止効果を発揮できることが確認できた。
しかも、上記3成分からなる混合溶剤を用いた処理剤は、艶消し剤を少量添加していろいろな色の表皮材に塗布しても蒸発が非常に速いため流れ落ちる前に乾燥し、塗布面全体から同じ速さで蒸発する特性があるため、艶ムラや塗布ムラによる違和感のない優れた外観が得られる。
また、ウレタン発泡体や各種の不織布等へ塗布する場合は、艶消し剤は必要ないが複雑な表面からの混合溶剤の蒸発が非常に速く、かつ均等に起こるため、有効成分が表面にムラなく留まることによって軋み音の発生防止効果も、乾燥速度の比較的遅い脂肪族系と脂環式炭化水素の混合溶剤の場合とほとんどかわらないものである。但し、危険物等級では第4類第1石油に類別されることから、取り扱い上の注意は十分に行う必要がある。

Claims (6)

  1. 金属部材とこれに当接される有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音を防止するために該接触面に塗布しておく軋み音発生防止用処理剤であって、アミノ変性シリコンオイルまたはジメチルシリコンオイル中にアミノ変性シリコンオイルを10wt%以上混合した混合シリコンオイル、またはジメチルシリコンオイル中に特定潤滑オイルを4.7±10wt%添加しアミノ変性シリコンオイルを1.4wt%以上混合した混合シリコンオイルを、脂肪族系と脂環式炭化水素の混合物または速乾性の特定3成分混合溶剤からなる溶媒に溶解してなることを特徴とする軋み音発生防止用処理剤。
  2. アミノ変性シリコンオイル成分が1〜8wt%含有されている請求項1に記載の軋み音発生防止用処理剤。
  3. ジメチルシリコンオイル中に特定潤滑オイルが4.7±10wt%添加されている混合シリコンオイルにアミノ変性シリコンオイル成分が0.15〜8wt%含有されている請求項1に記載の軋み音発生防止用処理剤。
  4. アミノ変性シリコンオイルの粘度は300cp以上、ジメチルシリコンオイルの粘度は500cp以上のいずれもぬめり性の優れたのものである請求項1〜3のいずれかに記載の軋み音発生防止用処理剤。
  5. 溶媒は、危険物の第4類第3石油に類別され、あるいは第4類第1石油に類別されるが速乾性のノルマルヘキサン65.5±7wt%、メチルシクロヘキサン28±7wt%、イソブチルアルコール6.5±7wt%の3成分からなる混合溶剤であり、また特定化学物質に環境への排出量の把握及び管理の促進に関する法律PRTR法に該当する成分を含まないものである請求項1〜4のいずれかに記載の軋み音発生防止用処理剤。
  6. 金属部材とこれに当接される有機性物質部材、あるいは有機性物質部材どうしの接触面が擦れ合う時に発生する軋み音を防止するために該接触面に塗布する軋み音発生防止処理方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載の軋み音発生防止用処理剤を前記接触面に薄く塗布することにより、アミノ変性シリコンオイル成分が金属部材あるいは有機性物質部材の表面に強い親和力によって強固に密着した滑り性に優れた薄膜を形成し、この薄膜により軋み音の発生を防止すると同時に耐食性も向上させることを特徴とする軋み音発生防止処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007313762A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Kaneka Corp 異音の発生が抑制されたポリオレフィン系樹脂発泡体
JP5506398B2 (ja) * 2007-12-27 2014-05-28 ミドリホクヨー株式会社 トップコート

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