JP2005144500A - 異種材料の接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異なる2種類の材料のうちの一方の材料のみを溶融させて、高エネルギビームのビード幅を拡げることができ、その結果、継手強度の向上を実現する。
【解決手段】 一方の板材1及びこれとは異なる材料から成る他方の板材2を重ね合わせて接合するに際して、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビーム3,3を同時に接合部に照射して、一方の板材1及び他方の板材2のうちの一方の板材1のみを溶融させて接合する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、異なる2種類の材料を重ね合わせて接合するのに用いられる異種材料の接合方法に関するものである。
異なる2種類の材料を接合する場合、同種類の材料を接合する場合と同様に両方の材料を溶融させてしまうと、脆弱な金属間化合物が生成されてしまい、十分な継手強度を得ることができない。
そこで、溶接条件をコントロールして接合界面において一方の材料のみを溶融させ、材料の拡散を利用して接合するようになすと、金属間化合物層の厚さを薄くすることができ、両方の材料を溶融させた場合よりも接合部分の単位面積当たりの強度を高くすることができる。この際、上記継手強度は、接合面積が大きいほど高くなることから、接合面積を増やすことも重要である。
レーザ等の高エネルギビームは、溶接条件を細かくコントロールし易いことから、一方の材料だけを溶かしたいような場合には有用であるが、ビード幅が狭く接合面積を大きくすることができない。
従来において、高エネルギビームのビード幅を広くしようとする場合には、一般的に、溶接速度を遅くしたり高エネルギビームの出力を高くしたりして、単位面積当たりの入熱量を増やす手法が採用されている。なお、高エネルギビームをデフォーカスさせてパワー密度を下げ、ビーム径を大きくすることでビード幅を広くすることは可能であるが、進行方向にもビームが広がってしまうため効率が悪く、高速の溶接を行うことができない。
溶接学会全国大会講演概要集 第61集 P380
ところが、上記したように、継手強度を高くするには接合幅を広げることが有効であるが、レーザ等の高エネルギビームで一方の材料のみを溶融させて、異種材料を重ね合わせて接合するという特殊な場合において、高エネルギビームのビード幅を広くしようとしてビーム出力を上げたり溶接速度を落としたりすると、すなわち、入熱を増やしていくと、入熱量がある値以上になった時点で異なる2種類の材料がいずれも溶融してしまうことから、ビード幅は太くなっても金属間化合物層の厚さが厚くなってしまい、逆に継手強度が低下してしまう。つまり、入熱を大きくすると、溶融させたくない側の材料まで溶融してしまうため、入熱量には自ずと限界があり、したがって、ビード幅もある値以上に広くすることができないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、異なる2種類の材料のうちの一方の材料のみの溶融で高エネルギビームのビード幅を拡げることができ、その結果、継手強度の向上を実現することが可能である異種材料の接合方法を提供することを目的としている。
本発明は、異なる2種類の材料を重ね合わせて接合するに際して、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビームを同時に接合部に照射して、異なる2種類の材料のうちの一方の材料のみを溶融させて接合する構成としたことを特徴としており、この異種材料の接合方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の異種材料の接合方法によれば、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビームを同時に接合部に照射することで、異なる2種類の材料のうちの他方の材料を溶融させずに一方の材料のみを溶融させることができ、したがって、金属間化合物層の厚さを薄く抑えたまま接合幅を拡大させることが可能となって、継手強度を大幅に向上させることができるという非常に優れた効果がもたらされる。
本発明の異種材料の接合方法において、複数の高エネルギビームを高融点の他方の材料側から同時に照射して、接合界面において高融点の他方の材料を溶融しない範囲で高温に熱し、高融点の他方の材料からの熱伝導により低融点の一方の材料のみを溶融させて接合する構成を採用することができ、この場合には、金属間化合物層の厚さを薄く抑えつつ効率よく材料を拡散させることができる。
また、本発明の異種材料の接合方法において、複数の高エネルギビームの各出力を全て同じ出力とする構成とすることができ、この場合には、同一の方向を向く接合面同士を均等に且つ広い接合幅で同時に接合できることから、継手強度を高めることが可能であるのに加えて、生産性の向上をも実現することができる。
さらに、本発明の異種材料の接合方法において、異なる2種類の材料のうちの一方の材料の端部に、重ね合わせ面と突き合わせ面とから成る段差を形成し、一方の材料の段差における重ね合わせ面に他方の材料の端部を重ね合わせつつ一方の材料の段差における突き合わせ面に他方の材料の端面を接触させて、複数の高エネルギビームの各照射点での接合状態を略等しくするべく上記複数の高エネルギビームを互いに同じ出力で照射する構成とすることが可能であり、この構成を採用すると、一度に広い面積の接合ができることから、継手強度及び生産性をいずれも高めることが可能である。
さらにまた、本発明の異種材料の接合方法において、複数の高エネルギビームの各出力を互いに異なる出力とする構成とすることができ、この場合には、異なる方向を向く接合面同士をそれぞれ最適な条件で同時に接合することが可能となり、継手強度を高めることが可能であるのに加えて、生産性の向上をも実現することができる。
さらにまた、本発明の異種材料の接合方法において、異なる2種類の材料の各々の端部に、重ね合わせ面と突き合わせ面とから成る段差をそれぞれ形成し、双方の材料の段差における重ね合わせ面同士を接触させつつ、一方の材料の段差における突き合わせ面に他方の材料の端面を接触させると共に他方の材料の段差における突き合わせ面に一方の材料の端面を接触させて、複数の高エネルギビームの各照射点での接合状態を略等しくするべく上記複数の高エネルギビームを互いに出力を変化させて照射する構成とすることが可能であり、この構成を採用すると、一度に広い面積の接合ができることから、継手強度及び生産性をいずれも高めることが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、この実施例では、幅が40mmで板厚tが1.0mmの一方の板材(一方の材料)1と、これと同じく幅が40mmで板厚tが1.0mmの他方の板材(他方の材料)2とを重ね寸法3mm幅で重ね合わせて、高融点材料である他方の板材2側から重なり部分の中央に対して、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビーム3を照射して接合した。
図1に示すように、この実施例では、幅が40mmで板厚tが1.0mmの一方の板材(一方の材料)1と、これと同じく幅が40mmで板厚tが1.0mmの他方の板材(他方の材料)2とを重ね寸法3mm幅で重ね合わせて、高融点材料である他方の板材2側から重なり部分の中央に対して、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビーム3を照射して接合した。
この実施例において、一方の板材1はアルミニウム(A5052)から成るものとし、他方の板材2は鋼板(SPCC)としていて、高エネルギビーム3にはツインビームYAGレーザを用いた(電子ビームやプラズマを用いてもよい)。この際、高融点材料である鋼から成る他方の板材2側が溶融せずに低融点材料であるアルミニウムから成る一方の板材1のみが溶融するような温度分布となるようにレーザの条件を設定した、すなわち、一対のレーザの出力を1.5kW,溶接速度を2.5m/min,ビーム間距離を0.7mmに設定した。
上記したように、異なる2種類の板材1,2を接合するにあたって、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す二つの高エネルギビーム3を同時に接合部に照射するツインビームYAGレーザを用いたことにより、一つのビーム3における入熱量を小さくしたまま、ビード幅方向に入熱範囲を広げることができる。
つまり、複数の高エネルギビーム3を用いることによって、単位面積当たりの入熱を大きく変化させずに、幅方向の入熱範囲を広くすることができるので、高融点材料の鋼板である他方の板材2を貫通溶融させることなく低融点材料であるアルミニウムから成る一方の板材1の溶融範囲を拡大することができ、したがって、金属間化合物層の厚さを薄く抑えたまま接合幅を拡大させることが可能となって、継手強度の大幅な向上を実現することができる。
ここで、高エネルギビーム3を高融点材料の鋼板である他方の板材2側より照射する理由は、接合界面において他方の板材2を溶融しない範囲で高温に熱し、この他方の板材2からの熱伝導によって低融点材料であるアルミニウムから成る一方の板材1のみを溶融させることで、すなわち、溶融はしていないが高温状態の他方の板材2と一方の板材1の溶融部1aとを接触させることで、材料の拡散を生じ易くすることができるからである。
なお、3つ以上の高エネルギビーム3を同時に接合部に照射するように成せば、高エネルギビーム3が2つの場合よりもさらに広い範囲で溶融させることができ、その結果、より一層継手強度を高めることが可能である。
[実施例2]
図2に示すように、この実施例では、まず、幅が40mmで板厚tが2.0mmの一方の板材(一方の材料)11の端部に、重ね合わせ面14aと突き合わせ面14bとから成る段差寸法1mmの段差14を形成する。次いで、一方の板材11の段差14の重ね合わせ面14aに、幅が40mmで板厚tが1.0mmの他方の板材(他方の材料)12の端部を重ね寸法3mm幅で重ね合わせるのに続いて、一方の板材11の段差14の突き合わせ面14bに他方の板材12の端面12bを接触させて、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビーム13,13を高融点材料である他方の板材12側から照射して接合した。
図2に示すように、この実施例では、まず、幅が40mmで板厚tが2.0mmの一方の板材(一方の材料)11の端部に、重ね合わせ面14aと突き合わせ面14bとから成る段差寸法1mmの段差14を形成する。次いで、一方の板材11の段差14の重ね合わせ面14aに、幅が40mmで板厚tが1.0mmの他方の板材(他方の材料)12の端部を重ね寸法3mm幅で重ね合わせるのに続いて、一方の板材11の段差14の突き合わせ面14bに他方の板材12の端面12bを接触させて、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビーム13,13を高融点材料である他方の板材12側から照射して接合した。
この実施例においても、一方の板材11はアルミニウム(A5052)から成るものとし、他方の板材12は鋼板(SPCC)としていて、高エネルギビーム13にはツインビームYAGレーザを用いた(電子ビームやプラズマを用いてもよい)。
この際、高融点材料である鋼から成る他方の板材12側が溶融せずに低融点材料であるアルミニウムから成る一方の板材11のみが溶融し、そして、段差14の重ね合わせ面14a及び突き合わせ面14bのいずれもが適切な溶融状態になる温度分布とするべくレーザの条件を設定した、すなわち、一対のレーザの出力を1.5kW,溶接速度を2.5m/min,ビーム間距離を0.7mmに設定し、高融点材料である他方の板材12側から重なり部分の中央及び段差14の突き合わせ面14bから0.5mm離れた部位に対して、互いに等しい出力の高エネルギビーム13,13を照射した。
上記したように、異なる2種類の板材11,12を接合するにあたって、一方の板材11の端部に、重ね合わせ面14aと突き合わせ面14bとから成る段差14を形成し、両板材11,12の重なり部分だけでなく、一方の板材11の突き合わせ面14bと他方の板材12の端面12bとの接触部分も同時に接合することで、接合面積をより大きくすることができる。
また、異種材の接合部において、剥離強度が低く、せん断強度が高いという特性があるため、重ね合わせ及び突き合わせの両方の接合形態を組み合わせた上記のような継手形状とすることにより、単純な重ね合わせ継手と比較して、接合部に対して剥離方向の力が負荷された際の継手全体の強度を高めることができる。
上記した実施例の継手形状の場合は、高エネルギビーム13,13を照射する他方の板材12の表面から重ね合わせ面14aまでの距離が、高エネルギビーム13,13の各照射位置でいずれも同じであるため、各レーザ出力を互いに同じ出力とすることで、重ね接合界面において同様の接合状態が得られ、この際、上記したように、一方の高エネルギビーム13を突き合わせ面14bから0.5mm離れた部位に照射するようになすことで、重ね合わせ面14a及び突き合わせ面14bを同時に溶融させて接合することができる。
[実施例3]
図3に示すように、この実施例では、まず、幅が40mmで板厚tが2.0mmの一方の板材(一方の材料)21の端部に、重ね合わせ面24aと突き合わせ面24bとから成る段差寸法1mmの段差24を形成すると共に、これと同じく幅が40mmで板厚tが2.0mmの他方の板材(他方の材料)22の端部に、重ね合わせ面25aと突き合わせ面25bとから成る段差寸法1mmの段差25を形成する。
図3に示すように、この実施例では、まず、幅が40mmで板厚tが2.0mmの一方の板材(一方の材料)21の端部に、重ね合わせ面24aと突き合わせ面24bとから成る段差寸法1mmの段差24を形成すると共に、これと同じく幅が40mmで板厚tが2.0mmの他方の板材(他方の材料)22の端部に、重ね合わせ面25aと突き合わせ面25bとから成る段差寸法1mmの段差25を形成する。
次いで、双方の板材21,22の段差24,25における各重ね合わせ面24a,25a同士を重ね寸法3mm幅で重ね合わせるのに続いて、一方の板材21の段差24における突き合わせ面24bに他方の板材22の端面22bを接触させると共に他方の板材22の段差25における突き合わせ面25bに一方の板材21の端面21bを接触させて、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す3つの高エネルギビーム23a,23a,23bを高融点材料である他方の板材22側から照射して接合した。
この実施例においても、一方の板材21はアルミニウム(A5052)から成るものとし、他方の板材22は鋼板(SPCC)としていて、高エネルギビーム23にはYAGレーザを用いた(電子ビームやプラズマを用いてもよい)。
この際、高融点材料である鋼から成る他方の板材22側が溶融せずに低融点材料であるアルミニウムから成る一方の板材21のみが溶融し、そして、段差24,25の各重ね合わせ面24a,25a及び突き合わせ面24bのいずれもが適切な溶融状態になる温度分布とするべくレーザの条件を設定した、すなわち、一対のレーザの出力を1.5kW,溶接速度を2.5m/min,ビーム間距離を0.7mmに設定し、高融点材料である他方の板材22側から重なり部分の中央及び一方の板材21における段差24の突き合わせ面24bから0.5mm離れた部位に対して、互いに等しい出力の高エネルギビーム23a,23aを照射した。
この実施例において、3つのレーザのうちの1つのレーザの出力を3.0kW,溶接速度を2.5m/minに設定し、高融点材料である他方の板材22側から他方の板材22における段差25の突き合わせ面25bから0.7mm離れた部位に対して、高エネルギビーム23bを照射した。
上記したように、異なる2種類の板材21,22を接合するにあたって、双方の板材21,22の各端部に、重ね合わせ面24a,25aと突き合わせ面24b,25bとから成る段差24,25をそれぞれ形成し、両板材21,22の重ね合わせ面24a,25a同士だけでなく、一方の板材21の突き合わせ面24bと他方の板材22の端面22bとの接触部分、及び、他方の板材22の突き合わせ面25bと一方の板材21の端面21bとの接触部分も同時に接合することで、接合面積をより大きくすることができる。
上記したように、3つのレーザの照射位置及び各レーザの出力を個別にコントロールすることにより,異なる面をそれぞれ最適な条件で同時に接合することが可能である。例えば、3つのレーザのうちの1つのレーザの出力を3.0kWにまで上げて、他方の板材22に高エネルギビーム23bを照射して、図3に示すように、貫通溶融させることで、材料表面に出ていない段差25の突き合わせ面25bも同時に接合することが可能である。
また、上記実施例2と同様に、単純な重ね合わせ継手と比較して、接合部に対して剥離方向の力が負荷された際の継手全体の強度を高めることができる。
なお、重ね接合部に対してせん断力が加わる方向に力が負荷されると、単純な重ね合わせ継手のように板厚方向の中心線同士がオフセットしている場合は、中心線同士が同一直線上に寄ろうとするため、接合部を基点にして材料が回転変形し、接合部近傍での局部変形が大きくなって強度が低下する。上記したように、異種材を接合した継手は剥離強度が低いことから、板の長手方向に力が負荷されるような場合には、突き合わせ継手よりも重ね合わせ継手の方が強度的に有利であるが、上記の理由により強度が低下する。例えば、鋳物同士では、図3に示すような継手形状とすることが容易であり、このような継手形状とすることで、厚さ方向の中心線同士のオフセットを無くすことができ、その結果、回転変形が起こらなくなって、高い継手強度を得ることができる。
[比較例1]
この比較例では、幅が40mmで板厚tが1.0mmの一方の板材(一方の材料)と、これと同じく幅が40mmで板厚tが1.0mmの他方の板材(他方の材料)とを重ね寸法3mm幅で重ね合わせて、高融点材料である他方の板材側から重なり部分の中央に対して、一つの高エネルギビームを照射して接合した。
この比較例では、幅が40mmで板厚tが1.0mmの一方の板材(一方の材料)と、これと同じく幅が40mmで板厚tが1.0mmの他方の板材(他方の材料)とを重ね寸法3mm幅で重ね合わせて、高融点材料である他方の板材側から重なり部分の中央に対して、一つの高エネルギビームを照射して接合した。
この比較例において、一方の板材はアルミニウム(A5052)から成るものとし、他方の板材は鋼板(SPCC)としている。そして、高エネルギビームのレーザ出力を1.5kW,溶接速度を2.5m/minに設定しており、溶接ビードが細いものとなっている。
[比較例2]
この比較例では、高エネルギビームのレーザ出力を1.5kW,溶接速度を1.2m/minに設定しており、他の条件は比較例1と同じである。つまり、この比較例では、接合幅は広くなるものの、溶接速度が遅い分だけ高融点材料である他方の板材までもが溶融してしまい、金属間化合物が生成されて接合強度の低下を招いている。
この比較例では、高エネルギビームのレーザ出力を1.5kW,溶接速度を1.2m/minに設定しており、他の条件は比較例1と同じである。つまり、この比較例では、接合幅は広くなるものの、溶接速度が遅い分だけ高融点材料である他方の板材までもが溶融してしまい、金属間化合物が生成されて接合強度の低下を招いている。
そこで、実施例1〜3及び比較例1,2において得た板材同士の接合体に、板材の長手方向の荷重を負荷して引張り試験を行った。この試験結果を実施例1〜3及び比較例1,2の各接合仕様や各溶接条件とともに表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜3において得た板材同士の接合体の接合部が非常に高いせん断強度を有しているのに対して、比較例1,2において得た板材同士の接合体の接合部はせん断強度が低く、したがって、実施例1〜3の異種材料の接合方法を用いることで、継手強度の大幅な向上を実現できることが実証できた。
1,11,21 一方の板材(一方の材料)
2,12,22 他方の板材(他方の材料)
3,13,23a,23b 高エネルギビーム
12b,22b 他方の板材の端面
14,24,25 段差
14a,24a,25a 重ね合わせ面
14b,24b,25b 突き合わせ面
21b 一方の板材の端面
2,12,22 他方の板材(他方の材料)
3,13,23a,23b 高エネルギビーム
12b,22b 他方の板材の端面
14,24,25 段差
14a,24a,25a 重ね合わせ面
14b,24b,25b 突き合わせ面
21b 一方の板材の端面
Claims (6)
- 異なる2種類の材料を重ね合わせて接合するに際して、接合方向に沿い且つ互いに略平行を成す複数の高エネルギビームを同時に接合部に照射して、異なる2種類の材料のうちの一方の材料のみを溶融させて接合することを特徴とする異種材料の接合方法。
- 複数の高エネルギビームを高融点の他方の材料側から同時に照射して、接合界面において高融点の他方の材料を溶融しない範囲で高温に熱し、高融点の他方の材料からの熱伝導により低融点の一方の材料のみを溶融させて接合する請求項1に記載の異種材料の接合方法。
- 複数の高エネルギビームの各出力を全て同じ出力とする請求項1又は2に記載の異種材料の接合方法。
- 異なる2種類の材料のうちの一方の材料の端部に、重ね合わせ面と突き合わせ面とから成る段差を形成し、一方の材料の段差における重ね合わせ面に他方の材料の端部を重ね合わせつつ一方の材料の段差における突き合わせ面に他方の材料の端面を接触させて、複数の高エネルギビームの各照射点での接合状態を略等しくするべく上記複数の高エネルギビームを互いに同じ出力で照射する請求項3に記載の異種材料の接合方法。
- 複数の高エネルギビームの各出力を互いに異なる出力とする請求項1又は2に記載の異種材料の接合方法。
- 異なる2種類の材料の各々の端部に、重ね合わせ面と突き合わせ面とから成る段差をそれぞれ形成し、双方の材料の段差における重ね合わせ面同士を接触させつつ、一方の材料の段差における突き合わせ面に他方の材料の端面を接触させると共に他方の材料の段差における突き合わせ面に一方の材料の端面を接触させて、複数の高エネルギビームの各照射点での接合状態を略等しくするべく上記複数の高エネルギビームを互いに出力を変化させて照射する請求項5に記載の異種材料の接合方法。
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