JP2005143746A - X線ct装置 - Google Patents

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俊一郎 谷川
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Abstract

【課題】 簡単な構成及び制御で被検体体軸方向に高分解能のCT撮影を行えることを課題とする。
【解決手段】 被検体100を挟んで相対向するX線管40及びX線検出器70を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、X線管40より射出されたX線を、該X線の被検体体軸方向における幅よりも幅の狭いスリット開口wを有するコリメータ50によりコリメートして該スリット開口wよりも幅の広いデータチャネル検出面を有するX線検出器70に入射すると共に、前記コリメータ50のスリット開口部を被検体体軸方向にオフセットさせることにより被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明はX線CT装置に関し、更に詳しくは、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置に関する。
X線CT装置のCTスキャン時におけるX線焦点は、X線管球の動作温度(即ち、機構部の熱膨張/収縮等)によって被検体体軸方向に変位することが知られており、もし、焦点が変位すると、被検体を透過したX線ファンビームがX線検出器のデータチャネル上に適正には照射されなくなるため、得られたCT断層像にはアーチファクトやS/N比の低下が生じてしまう。
この点、従来は、X線管球が温度上昇等によりその焦点位置が変化した場合でも、該変化を補正する方向にコリメータを移動させることにより、X線検出器に入るX線量を同一にするものが知られている(特許文献1)。
また、従来は、X線管球が温度上昇等によりその焦点位置が変化した場合でも、該変化を補正する方向に該X線焦点を移動させることにより、X線検出器に入るX線量を同一にするものが知られている(特許文献2)。
特開平11−070103号公報(要約,図)。 特開2002−238885号公報(要約,図)。
しかし、上記X線焦点の熱変動によらず、X線検出器に入るX線量が略同一になるようにフィードバック制御する技術は知られているが、逆にX線ファンビームを積極的に変位させることにより、被検体体軸方向に高分解能な撮影を行うことについては何ら知られていない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、簡単な構成及び制御で被検体体軸方向に高分解能のCT撮影を行えるX線CT装置を提供することにある。
上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)のX線CT装置は、被検体100を挟んで相対向するX線管40及びX線検出器70を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、X線管40より射出されたX線を、該X線の被検体体軸方向における幅よりも幅の狭いスリット開口wを有するコリメータ50によりコリメートして該スリット開口wよりも幅の広いデータチャネル検出面を有するX線検出器70に入射すると共に、前記コリメータ50のスリット開口部を被検体体軸方向にオフセットさせることにより被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを行うものである。
本発明(1)では、コリメータ50のスリット開口部を被検体体軸方向にオフセットさせることにより、X線ファンビームは被検体体軸方向に僅かにオフセットするが、各ビューの透過X線をスリット開口幅(即ち、X線ファンビーム幅)wよりも幅の広いデータチ
ャネル検出面を有するX線検出器70で読み取ることにより、透過経路の異なる2ビュー分の投影データをそれぞれ適正に取得できる。従って、本発明(1)によれば簡単な構成及び制御で、被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを行える。
本発明(2)では、上記本発明(1)において、例えば図5(a)に示す如く、コリメータのスリット開口部をCTスキャン時のビュー毎にオフセットさせるものである。 従って、各2ビュー分の投影データを効率よく取得できる。
本発明(3)では、上記本発明(1)において、例えば図5(b)に示す如く、コリメータのスリット開口部をCTスキャン時におけるビュー角180°の任意整数倍毎にオフセットさせるものである。従って、CT断層像の再構成に必要な少なくとも各180°分の投影データを、コリメータに対する少ない制御で、効率よく取得できる。
本発明(4)では、上記本発明(1)において、コリメータのスリット開口を通過したX線ファンビームの強度を被検体体軸方向に配列された2つリファレンス検出チャネルで検出して所定時間間隔における各検出出力の差分の移動平均値を求めると共に、該移動平均値が所定値となる方向にコリメータ全体の位置をフィードバック制御するものである。
本発明(4)によれば、X線管球の熱膨張/収縮によりCTスキャン中のX線焦点Fが被検体体軸CLb方向に変位しても、これによるX線ファンビームの位置ずれ分をコリメータ全体に対する位置のフィードバック制御によって補正(即ち、相殺)可能となるため、X線管球の熱変動によらず、常に上記本発明(1)の作用・効果が安定に得られる。
また本発明(5)のX線CT装置は、被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、X線管より射出されたX線を、被検体体軸方向のX線幅を制限するためのコリメータのスリット開口によりコリメートしてこれを該スリット開口よりも幅の広いデータチャネル検出面を有するX線検出器に入射すると共に、前記X線管の焦点を被検体体軸方向にオフセットさせることにより被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを行うものである。
本発明(5)では、上記コリメータ開口部をオフセットさせる代わりに、X線焦点を被検体体軸方向にオフセットさせるだけの更に簡単な構成及び制御によって、被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを容易に行える。また、X線焦点をオフセットさせる制御は高速に行えるので、被検体の被曝量を軽減させる点でも都合が良い。
本発明(6)では、上記本発明(5)において、X線管の焦点をCTスキャン時のビュー毎にオフセットさせるものである。従って、各2ビュー分の投影データを効率よく取得できる。
本発明(7)では、上記本発明(5)において、X線管の焦点をCTスキャン時におけるビュー角180°の任意整数倍毎にオフセットさせるものである。従って、CT断層像の再構成に必要な少なくとも各180°分の投影データを、X線焦点に対する少ない制御で、効率よく取得できる。
本発明(8)では、上記本発明(5)において、コリメータのスリット開口を通過したX線ファンビームの強度を被検体体軸方向に配列された2つリファレンス検出チャネルで検出して所定時間間隔における各検出出力の差分の移動平均値を求めると共に、該移動平均値が所定値となる方向にX線管の焦点位置をフィードバック制御するものである。
本発明(8)によれば、X線管球の熱膨張/収縮によりCTスキャン中のX線焦点Fが
被検体体軸CLb方向に変位しても、これによるX線ファンビームの位置ずれ分を該X線焦点の位置変異に対するフィードバック制御によって補正(即ち、相殺)可能となるため、X線管球の熱変動によらず、常に上記本発明(5)の作用・効果が安定に得られる。
以上述べた如く本発明によれば、簡単な構成及び制御で、被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンが行え、X線CT撮影の高分解能化、高性能化に寄与するところが極めて大きい。
以下、添付図面に従って本発明に好適なる複数の実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。図2は実施の形態によるX線CT装置の要部構成図であり、該装置は、X線ファンビームXLFBにより被検体100のアキシャル/ヘリカルスキャン・読取等を行う走査ガントリ部30と、被検体100を載せて体軸CLbの方向に移動させる撮影テーブル20と、前記走査ガントリ部30及び撮影テーブル20の遠隔制御・処理を行うと共に、X線撮影技師や医者が各種の設定・操作を行う操作コンソール部10とを備える。
走査ガントリ部30において、40は回転陽極型のX線管、40AはX線管制御部、50はX線のスライス厚を制限するコリメータ、50Aはコリメータ制御部、70は多数(n=1000程度)のX線検出素子がチャネルCH方向に配列されているX線検出器、80はX線検出器70の検出信号に基づき被検体100の投影データg(X,θ)を生成し、収集するデータ収集部(DAS)、35はこれらX線撮影系を被検体体軸CLbの回りに回転自在に支持する走査ガントリ、30Aは走査ガントリ35の回転制御部である。
なお、このX線検出器70は端部にリファレンスチャネルRを備えており、ここには被検体体軸方向に2つのX線検出素子Ra,Rbが配列されている。また、該検出素子Ra,Rbに対して常に均一・公平なX線が照射されるように、コリメータ50の対応箇所(X線ビーム線上)には切り欠き部50pが設けられている。
操作コンソール部10において、11はX線CT装置の主制御・処理(本発明によるCTスキャン制御、CT断層像の再構成処理等)を行う中央処理装置、11aはそのCPU、11bはCPU11aが使用するRAM,ROM等からなる主メモリ(MM)、12はキーボードやマウス等を含む指令やデータの入力装置、13はCT撮影に関する各種情報を表示するための表示装置(CRT)、14はCPU11aと走査ガントリ部30及び撮影テーブル20等との間で各種制御信号CSやモニタ信号MSのやり取りを行う制御インタフェース、15はデータ収集部80からの投影データを一時的に蓄積するデータ収集バッファ、16は投影(スキャン)データやCT断層像データを最終的に蓄積・格納すると共に、X線CT装置の運用に必要な各種アプリケーションプログラムや各種演算/補正用のデータファイル等を格納している2次記憶装置(ハードディスク装置HDD等)である。
この構成により、コリメータ50を通過したX線ファンビームXLFBは被検体100を透過してX線検出器70の検出列に一斉に入射する。データ収集部80はX線検出器70の各検出出力1〜nに対応する投影データg(X,θ)を生成し、これらをデータ収集バッファ15に格納する。ここで、Xは検出チャネルの番号、θはビュー角である。一方、リファレンスチャネルRa,Rbの各検出信号a,bはコリメータ制御部50A又はX線制御部40Aに入力されて、本発明のCT撮影制御に利用される。その詳細は後述する。更に、走査ガントリ35が僅かに回転した各ビュー角θで上記同様のX線撮影を行い、こうして走査ガントリ1回転分の投影データを収集・蓄積する。
また同時に、アキシャル/ヘリカルスキャン方式に従って撮影テーブル20を体軸CLbの方向に間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体100の所要撮影領域についての全投影データを収集・蓄積し、これらを最終的にハードディスク装置16に格納する。そして、CPU11aは、上記全スキャンの終了後、又はスキャン実行に追従(並行)して、得られた投影データに基づき被検体100のCT断層像を再構成し、これを表示装置13に表示する。
次に本発明によるいくつかのCTスキャン方式を具体的に説明する。図3〜図5は第1の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図(1)〜(3)で、コリメータ50のスリット開口部を被検体体軸方向にオフセットさせることにより、被検体体軸方向に高分解能の投影データを取得する場合を示している。
図3にCT撮影時の側面図を示す。図において、50はコリメータユニット、52a,52bは断面カム形状の円柱様体(又は円筒様体)からなるコリメータ部材(以下、ローラと呼ぶ)、51はローラ52a,52bを回転自在に軸支するベース、55は例えばローラの最長径端部位置に埋設された磁石、56は磁石55の通過を検出する磁気センサ(MS)、57はローラ52a,52bを回転駆動するモータ(M)、58はモータ制御部、54はベース51を矢印S方向にスライドさせるスライド機構部、53はスライド機構部54とベース51間を連結するリンク、50Aはコリメータ制御部、72はリファレンスチャネルの検出信号a,bの差分に基づく誤差信号veを求める誤差検出部、73は所定時間間隔における誤差信号veの移動平均値viを求める演算部(ADD)、75は移動平均信号viを増幅する演算増幅器(OPA)である。
このX線検出器70には、データCHの検出幅を略2分割するような態様でリファレンスCHの各検出素子Ra,Rbが設けられている。構造の詳細は後述するが、このリファレンスCHに入力するX線ファンビームは、ローラ52a,52bのカム形状部分を通過しないため、通常は、ビーム幅w’(>w)のオフセットしない安定なX線がリファレンス検出素子Ra,Rbの各検出面に対して、その入射線量が被検体体軸方向に略2分される態様で入射するが、X線管回転陽極41の熱膨張/収縮等によりX線焦点Fが被検体体軸の方向に変位した場合には、このバランスが崩れてビーム幅w’のX線はリファレンス検出素子Ra,Rbのいずれか一方に多く入射することなる。そこで、この偏りを検出して、この偏りが無くなる方向にスライド機構部54を制御することにより、X線焦点Fの中心が常にリファレンスチャネルRa,Rbの丁度境界線上に位置するようにフィードバック制御する。
このフィードバック制御を具体的に言うと、誤差検出部72は各ビューにおけるリファレンス信号a,bに基づき誤差信号veを例えば次式、
ve=k・(a−b)/(a+b)
但し、k:誤差信号veの検出感度を決定する係数
により求める。挿入図(a)に誤差信号veの検出特性を示す。この誤差信号veは、上式に含まれる正規化項{1/(a+b)}の作用により、コリメータ50のスリット幅w’によらず、一定の範囲内(−k≦ve≦k)で直線的に変化することになる。
演算部73は誤差検出部72から時系列(ビュー毎)に発生する各誤差信号veを各所定時間間隔に渡って累積加算(即ち、積分又はフィルタリング)すると共に、各時点における移動平均値viを生成する。演算増幅器75は入力の信号viを増幅して信号vcをスライド機構部54に加え、スライド機構部54は信号vcによって例えば誤差信号veが0となる方向にコリメータベース51を移動させる。このようなフィードバック制御により、回転陽極41の熱膨張/収縮等によりX線焦点Fが被検体体軸方向に移動しても、
該X線焦点Fの中心を常にリファレンスチャネルRa,Rbの丁度境界線上に位置させることが可能となる。
本第1の実施の形態では、この状態で、更にコリメータ50のローラ52a,52bを矢印r方向に一定速度で回転させることにより、該ローラ52a,52bを通過する幅wのX線ファンビームXLFBは、図示の如く、左端の点線位置と右端の実線位置との間を往復動することになる。この状態におけるX線検出器70の各データCHではX線ファンビームXLFBが図の左右に僅かにオフセットするが、各検出面はビーム幅wをカバーするに十分な検出幅を有しているため、それぞれに適正な投影データg(X,θ)を検出できる。この状態で、図の点線と実線の各X線ファンビームXLFBに着目すると、これらは被検体100の互いに接近した2経路を透過しており、これによって被検体体軸方向に高いスキャン分解能が得られる。
図4はコリメータ50の平面図で、図(a)はスリット幅wが図の右端側にオフセットした状態を示している。ローラ52a,52bの下端側は断面円形に構成されているため、ローラ52a,52bの回転によらず、この部分のスリット開口幅w’は常に一定である。これにより、リファレンスチャネルRa,Rbには一定ビーム幅w’のX線ファンビームが照射されることになる。一方、ローラ52a,52bの中間部は断面がカム形状に構成されているため、データチャネル1〜nに対応するコリメ−タスリットは一定の開口幅wを維持したまま図の左右に振動することになる。図(b)にスリット幅wが図の左端側にオフセットした状態を示す。そして、このようなローラ52a,52bを軸支するコリメータベース51の全体がスライド機構部54により矢印S方向にスライド可能となっている。
なお、上記スリット開口幅wをオフセットさせるために、断面カム形状のローラ52a,52bを一定速度で回転させる場合を述べたが、これに限らない。例えば2枚のコリメータ平板を被検体体軸と垂直方向の平行に設け、得られた一定のスリットwを図の左右方向にオフセットさせるように構成しても良い。
図5に第1の実施の形態におけるCTスキャン時の各ビューとX線ファンビームとの関係を示す。本第1の実施の形態ではX線ファンビームを被検体体軸方向に僅かに変位(オフセット)させることにより、高いスキャン分解能を得ている。図5(a)に一例のスキャン方式を示す。例えば、今、あるビューViを図の手前側で撮影したら、次のビューVjを後ろ側で撮影し、更に次のビューVkを手前側で撮影する。この時、奇数番目のビューVi,Vkと偶数番目のビューVjとでビュー角が僅かに異なるが、各ビュー角は既知であるから、CT断層像を再構成するのには問題とはならない。なお、スリット幅wが図4の右端側にオフセットした状態を磁気センサ56で検出すれば、該検出信号の時系列を2分周することで、スリット幅wが図4の左端側にオフセットしたタイミングを正確に推定でき、これらのタイミング信号に同期して各ビューVi,Vj,Vk等の撮影を適正に行える。
あるいは、図5(b)に示す如く、ある時点の360°(又は180°)分の全ビューを図の手前側で連続的に撮影し、次に被検体を動かさない状態で、360°(又は180°)分の全ビューを図の後ろ側で連続的に撮影する。上記いずれの場合も、コリメータ50を僅かにオフセット(振動)させるだけの簡単な構成及び制御により実現でき、被検体体軸方向に高いスキャン分解能が得られる。
図6は第2の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図で、上記コリメータ50の開口wをオフセットさせる代わりに、X線焦点Fを被検体体軸方向にオフセットさせることにより、被検体体軸方向に高分解能の投影データを取得する場合を示している。挿
入図(c)にコリメータ50の平面図を示す。このコリメータ50は2枚の平板を平行に並べてスリットwを形成するような通常のもので良い。またこの例のX線管40は内部に静電型の電子銃42Eと電子ビーム偏向部43Eとを備えている。なお、以下の説明では、記号< >はベクトルを表す。
電子銃42Eは、管電流mAにより駆動されるヒータHと、それぞれに円筒形の陰極Cと、格子Gと、第1の陽極A1とを含み、管電圧kVによりバイアスされる回転陽極41(即ち、第2の陽極A2)と共に、該回転陽極41の表面に集束するような電子ビームを形成する。電子ビーム偏向部43Eは、上下2枚の平行平板電極43a,43bを含み、これらにビーム偏向用電圧±Vを加えることにより、該平行平板電極43a,43bの間には均一な電界±<E>が形成される。そして、この空間をz軸方向に進む電子は、この電界<E>によりy軸方向に働く力<f>、
<f>=q<E>
但し、q:電子の電荷
を受ける結果、第2のクロスオーバ点(即ち、X線焦点F)は電界±<E>に応じてy軸方向に変位可能となっている。
偏向制御部60Aは、リファレンス信号a,bを比較してこれらの誤差信号veを検出する誤差検出部61と、所定時間間隔における誤差信号veの移動平均値viを求める演算部(ADD)62と、該制御信号viに対して本発明によりX線ファンビームを積極的にオフセットさせるためのオフセット信号OFSを加算(重畳)する加算器63と、得られた制御信号vcに対応する制御電圧Vを生成する差動増幅器(DVA)64とを備える。誤差検出部61は、各ビューにおけるリファレンス信号a,bに基づき誤差信号veを例えば、次式
ve=k・(a−b)/(a+b)
但し、k:誤差信号veの検出感度を決定する係数
により求める。挿入図(a)に誤差信号veの検出特性を示す。
演算部62は誤差検出部61から時系列(ビュー毎)に発生する誤差信号veを累積加算(即ち、積分又はフィルタリング)して各時点における移動平均値信号viを生成する。この制御信号viは差動増幅器64を介して電子ビーム偏向部43Eの平行平板電極43a,43bに印加され、誤差信号veが例えば略0となる方向にX線焦点Fを移動させるものである。このようなフィードバック制御により、回転陽極41の熱膨張/収縮によりX線焦点Fがz軸方向に移動しても、X線焦点Fを常にリファレンスチャネルRa,Rbの丁度境界線上に位置させるよう補正することがが可能となる。
本第2の実施の形態では、この制御信号viにオフセット信号OFSを重畳することにより、焦点Fは現時点の基準位置を中心にして被検体体軸方向の前後に強制的ににオフセット(振動)させられる。挿入図(b)にビュー毎に変化する場合のオフセット信号OFSを示す。この状態で、図の点線と実線による各X線ファンビームに着目すると、これらは被検体100の互いに接近した2経路を透過しており、これによって被検体体軸方向に高いスキャン分解能が得られる。
なお、この例では誤差信号veがビュー毎に振動するが、累積加算器62の積分作用によって振動成分は除去されるため、制御信号viの位置補正作用には影響を与えない。一方、上記図5(b)に示した如く、X線焦点Fをビュー角180°の整数倍でオフセットさせる場合には、誤差信号veがビュー毎に一定の方向に偏ることになるが、この偏りを維持するようにフィードバック系を維持することで、X線ファンビームをいずれか一方に偏った状態に維持できる。
図7は第3の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図で、X線焦点位置を制御するための電磁式の電子銃42Mと電子ビーム偏向部43Mとを備える場合を示している。なお、このX線管40における回転陽極41の斜面の傾斜角θは、上記図6に示した回転陽極41の傾斜角θよりも大きくなっており、よって、電子ビームのy軸方向への僅かな変位制御でもX線焦点Fを被検体体軸方向に大きく変位させることが可能となる。
電子銃42Mは、管電流mAにより駆動されるヒータHと、円筒形の陰極Cと、円筒内部にz軸方向と平行な均一磁場<B>(=μ0<H>)を生成する集束用コイルFOC(又は永久磁石でも良い)とを含み、管電圧kVによりバイアスされる回転陽極41と共に、該回転陽極41の表面で集束するような電子ビームを形成する。
即ち、ヒータHで加熱され、陰極Cから放出された電子束のうち、z軸方向と平行に進む成分は磁場<B>の作用を受けずに管電圧kVのみよって加速されて直進し、回転陽極41に至る。一方、磁場<B>とある角度をなして進むような近軸電子は、磁場<B>との相互作用により軸と直角の方向に力を受ける結果、該軸に沿って螺旋運動を起こし、このとき丁度z軸上に戻る時に回転陽極41に至るように磁場<B>が調整される。こうして、最終的に回転陽極41の表面で集束するような電子ビームが形成される。
電子ビーム偏向部43Mは、系の軸方向に進む電子ビームを挟むようにして設けられたビーム進行方向左右の2つの偏向コイルDFCa,DFCbを含み、これらに制御電流Iを流すことで、両偏向コイルDFCa,DFCbの間には均一磁場<B>(=μ0<H>)が形成される。そして、この空間をz軸方向に進む電子(ビーム)は、この磁場<B>によりy軸方向に働く力<f>、
<f>=q<v>×<B>
但し、q:電子の電荷
<v>:電子の速度
×:ベクトル積
<B>:磁束密度
を受ける結果、この場合の電子ビームの集束点(即ち、X線焦点F)は磁場<B>に応じてy軸方向に変位可能となっている。
偏向制御部60Aにおいて、誤差検出部61は上記図6で述べたものと同様でよい。また、この演算部62には制御電流Iに一定のバイアス分を加えるための定数βが加算されている。加算機63は制御信号viにオフセット信号OFSを加算する。そして、電流増幅器Qは、例えばFETを使用した定電流源回路からなり、ゲート端子Gの制御電圧vc(=veの移動平均値+β+OFS)に対応する制御電流IがソースSとドレインD間に流れる。この制御電流Iは電子ビーム偏向部43Mの偏向コイルDFCa,DFCbに流れることで、例えば誤差信号veが略0となる方向にX線焦点Fを移動させる。このようなフィードバック制御により、回転陽極41の熱膨張/収縮によりX線焦点Fがz軸方向の移動しても、該X線焦点Fを常にリファレンスチャネルRa,Rbの丁度境界線上に位置させるよう補正することがが可能となる。挿入図(a)にフィードバック制御のための制御電流Iの出力特性を示す。制御電流Iには一定のバイアス電流Iβが加算されている。
本第3の実施の形態では、この制御信号Iにオフセット信号OFSの成分を重畳することにより、X線焦点Fは現時点の基準位置を中心にして体軸方向の前後に強制的にオフセットさせられる。挿入図(b)にビュー毎に変化する場合のオフセット信号OFSを示す。この状態で、図の点線と実線による各X線ファンビームに着目すると、これらは被検体100の互いに接近した2経路を透過しており、これによって被検体体軸方向に高いスキャン分解能が得られる。
なお、上記各実施の形態ではX線検出器70が1列(シングルスライスCT)の場合への適用例を述べたが、これに限らない。本発明はX線検出素子が被検体体軸方向に複数列配列されている所謂マルチスライスCTにも適用できることは明らかである。この場合は複数の各X線検出列毎に高いスキャン分解能が得られる。
また、上記各実施の形態ではアキシャルスキャン方式への適用例を示したが、本発明はビューゴ毎にX線焦点をオフセットさせるヘリカルスキャン方式にも適用できる。
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
本発明の原理を説明する図である。 実施の形態によるX線CT装置の要部構成図である。 第1の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図(1)である。 第1の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図(2)である。 第1の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図(3)である。 第2の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図である。 第3の実施の形態によるCTスキャン方式の構成を示す図である。
符号の説明
10 操作コンソール部
11 中央処理装置
11a CPU
11b 主メモリ(MM)
12 入力装置
13 表示装置(CRT)
14 制御インタフェース
15 データ収集バッファ
16 二次記憶装置(ハードディスク装置等)
20 撮影テーブル
30 走査ガントリ部
35 走査ガントリ
40 X線管
50 コリメータ
70 X線検出器
80 データ収集部(DAS)

Claims (8)

  1. 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、X線管より射出されたX線を、該X線の被検体体軸方向における幅よりも幅の狭いスリット開口を有するコリメータによりコリメートして該スリット開口よりも幅の広いデータチャネル検出面を有するX線検出器に入射すると共に、前記コリメータのスリット開口部を被検体体軸方向にオフセットさせることにより被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを行うことを特徴とするX線CT装置。
  2. コリメータのスリット開口部をCTスキャン時のビュー毎にオフセットさせることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  3. コリメータのスリット開口部をCTスキャン時におけるビュー角180°の任意整数倍毎にオフセットさせることを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  4. コリメータのスリット開口を通過したX線ファンビームの強度を被検体体軸方向に配列された2つリファレンス検出チャネルで検出して所定時間間隔における各検出出力の差分の移動平均値を求めると共に、該移動平均値が所定値となる方向にコリメータ全体の位置をフィードバック制御することを特徴とする請求項1記載のX線CT装置。
  5. 被検体を挟んで相対向するX線管及びX線検出器を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、X線管より射出されたX線を、被検体体軸方向のX線幅を制限するためのコリメータのスリット開口によりコリメートしてこれを該スリット開口よりも幅の広いデータチャネル検出面を有するX線検出器に入射すると共に、前記X線管の焦点を被検体体軸方向にオフセットさせることにより被検体体軸方向に高分解能のCTスキャンを行うことを特徴とするX線CT装置。
  6. X線管の焦点をCTスキャン時のビュー毎にオフセットさせることを特徴とする請求項5記載のX線CT装置。
  7. X線管の焦点をCTスキャン時におけるビュー角180°の任意整数倍毎にオフセットさせることを特徴とする請求項5記載のX線CT装置。
  8. コリメータのスリット開口を通過したX線ファンビームの強度を被検体体軸方向に配列された2つリファレンス検出チャネルで検出して所定時間間隔における各検出出力の差分の移動平均値を求めると共に、該移動平均値が所定値となる方向にX線管の焦点位置をフィードバック制御することを特徴とする請求項5記載のX線CT装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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