従来から、牧場や河川敷等において刈り取られた刈草を拾い上げてベールとして連続的に梱包室内に搬入し、梱包室内で搬入されたベールを巻き締めてロール状のロールベールを形成するロールベーラを備えた梱包機が用いられている。梱包機としては、走向車体上に取り付けた自走式の梱包機や走行車両の車体前部又は車体後部に取り付けて走行させるアタッチメント形式の梱包機が用いられている。
この種の梱包機では、梱包機先端部に刈草を拾い上げるピックアップ装置が配設されている。ピックアップ装置では、刈草等を連続的に拾い上げて、連続したベールとしてベール形成用のコンベアに搬入する。ピックアップ装置とベール形成用のコンベア間に、更にベール搬送用のコンベアを配設したものもある。ベール形成用のコンベアに搬入されたベールは、そのままロールベーラの梱包室内に搬入され、ベール形成用のコンベアによってベールは順次巻き締められながらロール状のロールベールに形成される。
また、梱包室の搬入口に刈草やある程度乾燥した堆肥等を投入するホッパ等を配設し、ホッパ内に投入された前記刈草や堆肥等をベール形成用のコンベアによりロールベーラの梱包室内に搬入し、梱包室内で連続搬入されるベールを回転させながらロール状のロールベールを形成する梱包機も用いられている。
上述したこれらの梱包機では、ベール形成用のコンベアによりロールベーラの梱包室内に連続搬入されたベールを回転させながらロール状のロールベールに形成した後、ロールベールを梱包室の中から梱包機の前方、後方又は側方に排出する構成となっている。
また、ベール形成用のコンベアの構成としては、梱包室の左右両端位置に一対の駆動スプロケットと従動スプロケットとを配し、駆動スプロケットと従動スプロケット間にはテンションローラ及びガイドローラが配されている。一対のタイトチェーンが、それぞれ左右に配した駆動スプロケットと従動スプロケット及びテンションローラ及びガイドローラエンドレス間に組付けて掛け回され、一対のタイトチェーン間には複数のタイトバーを架け渡した構成となっている。
駆動スプロケット、従動スプロケット、テンションローラ及びガイドローラの配置構成は、タイトバーによりベールを巻きまわしてロール状とすることができる配置関係に配置されている。梱包室内における側面視でみると、タイトチェーンは駆動スプロケット、従動スプロケット、テンションローラ及びガイドローラによって略多角筒状に張架され、略多角形状の回動軌跡をもって回行する構成となっている。
一対のタイトチェーン間に架け渡したタイトバーの構成としては、円筒形チューブ状のタイトバーの両端を扁平状に形成し、扁平状の両端をタイトチェーンに取り付けたロールベーラ(例えば、特許文献1参照。)などが一般に用いられている。また、離間したタイトバーの間から被搬送物がこぼれ落ちるのを防止するため、タイトバーを側断面において楕円をなすチューブ状に形成したベール成形装置(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特許文献1に記載されたロールベーラは、図3、4に示すような構成を備えている。即ちロールベーラ50が、機体51と、機体51の後部に支点軸61を中心に後部上方に開放回動するように設けた後部機枠52と、機体51の底面側に軸架した走行輪62と、機体51の下部の前面側に設けたピックアップ装置53を備えている。ベール成形室54内には、一対のタイトチェーン56、56と同タイトチェーン56、56に架け渡して支持されたタイトバー57及びベール成形室54の入口部55の上方に配位して機体51に軸支した大径のタイトローラ63が配されている。
タイトチェーン56、56は、戻り回動側となる外側回行部58と、その外側回行部58の内周側にくびれ込んで回行し、実質的にベール成形室54の周壁を形成するようになる内側回行部59とから構成されている。タイトチェーン56、56の外側回行部58は、大径のタイトローラ63の上方におけるベール成形室54の入口部55の上方位置に配されている。
外側回行部58は、機体51に軸架した駆動スプロケット64と、ベール成形室54の入口部55の下唇となる部位に配した後部機枠52によって軸支された従動スプロケット65、及び図4に示すような機体51の左右の機壁60、60の内側位置に配した前述の駆動スプロケット64と従動スプロケット65との間でそれぞれ軸支されたテンションローラ66およびガイドローラ67、67…とに掛け回されている。
内側回行部59は、前記外側回行部58の内側に配した機体51および後部機枠52に回転自在に軸架したガイドローラ68、68…に掛け回されている。内側回行部59の始端側を、前記従動スプロケット65のまわりを回行した外側回行部58の終端部に連続させ、内側回行部59の終端側を、前記駆動スプロケット64のまわりにかけまわした外側回行部58の始端部に連続させた構成となっている。これによって、タイトチェーン56、56は外側回行部58と内側回行部59とを通って循環しながら走向し、略多角形状の回動軌跡を描くことになる。
図4に示すようにタイトバー57の両端部は扁平状に形成され、一対のタイトチェーン56、56間に架け渡されて支持されている。駆動スプロケット64の回転によるタイトチェーン56、56の走向で、タイトバー57はタイトチェーン56、56とともに走向し、ピックアップ装置53から拾い上げられた刈草等をベール状態のままベール成形室54内に搬入するとともに、ベール成形室54内においてベールを巻き締め、ロールベールを形成する。
特許文献2に記載されたベール成形装置では、図5、6に示すような構成を備えている。即ち、図5に示すように梱包機70における梱包室72内には、一対の無端状タイトチェーン73、73間に架け渡して支持された複数のタイトバー74が特許文献1と同様な構成で配設してある。梱包機70の下部の前面側にはピックアップ装置71が配設されている。
図5に示すように一対のタイトチェーン73、73間に組付けるタイトバー74、74…は、被梱包物を巻締め成形する際の荷重に耐える強度を有する金属材または合成樹脂材により構成されている。タイトバー74をチューブ状ないし軸筒状に成形する際に、それの周壁75が側断面において楕円をなす形状に成形している。
断面形状が楕円のチューブ状ないし軸筒状に成形したタイトバー74、74…を、それの側断面における楕円の長軸の方向が、タイトチェーン73、73の長手方向に沿う姿勢に揃えて、一対のタイトチェーン73、73上に所定の間隙をおいて並列させて架け渡している。タイトバー74、74…の両端部に装設した図示せぬ取付部を、タイトチェーン73、73のリンクプレートに装設した図示せぬ組付座に連結することで一対のタイトチェーン73、73間にタイトバー74を組付けている。
これにより、タイトチェーン73、73に、それの長手方向に所定の間隙をおいて並列させて組付けたタイトバー74、74…は、隣接するタイトバー74、74間の間隙が、タイトバー74を楕円に成形したことによる拡巾分だけ狭めることができ、被梱包物をロール状に形成するときに、隣接するタイトバー74、74間の間隙からこぼれ落ちる被梱包物の量を少なくして、形成時の形成ロスを少なくすることができる。
また、図6に示すように、隣接するタイトバー74の側縁に向けて突出させた板部材76タイトバー74の側縁に取り付け、板部材76を隣接するタイトバー74、74間の間隙を塞ぐ邪魔板として作用させて、被梱包物がタイトバー74、74間の間隙からこぼれ落ちるのを阻止するようにする構成も開示されている。
特開平7−8110号公報
特開2001−333630号公報
従来から用いられているタイトバーとしては、側断面形状が円形形状のものや楕円形状のものが用いられている。また、特許文献2に示すようにタイトバー間の間隙を塞ぐ邪魔板を形成しているものも提案されているが、従来から用いられているタイトバーによるベールの搬送面は略平坦な搬送面形状として構成されている。
梱包機は牧場や河川敷など様々な場所で使用されるため、梱包機を常に平坦な場所で作業させることにはならず、土手等の傾斜地で梱包機が傾いた状態のまま使用されることが数多くある。このような場合には、梱包機が傾いた状態で使用されるため、従来のタイトバーを用いたロールベーラでは、タイトバーによる搬送面が斜めに傾斜した状態となる。このため、梱包室内で巻き締められているベールは、傾斜したタイトバー上を下方向に向かって摺動してしまう。これによって、円柱状のロールに巻いたはずのロールベールが、円錐形や載頭錐形のロールベールとして形成されてしまう。
本願発明の課題は、土手等の傾斜地で梱包機を傾斜させた状態で使用したとしても、ロールベーラによってロール状に形成されるロールベールの形状を円柱状の形状とすることができるロールベーラを提供することにある。
本願発明の課題は請求項1〜3に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では請求項1に記載したように、ベール形成用のコンベアにより、梱包室内でベールを回転させながらロール状に形成するロールベーラにおいて、前記コンベアが、前記梱包室の左右両端位置に張架された一対の無端状タイトチェーンと、同タイトチェーン間に架け渡されて支持された複数のタイトバーとを有し、少なくとも1本の前記タイトバー上に、前記複数のタイトバーによる搬送面から外側に突出した突起部が配設されてなることを特徴とするロールベーラを最も主要な特徴となしている。
また、本願発明では請求項2に記載したように、前記突起部が、前記タイトバーの長手方向に沿って複数離間して配設されてなることを主要な特徴となしている。
更に、本願発明では請求項3に記載したように、前記突起部が、ブロック片から形成されてなることを主要な特徴となしている。
本願発明は、従来から用いられているロールベーラに対して適用することができるものであり、ロールベーラにおけるベール形成用コンベアを構成する複数のタイトバーのうち少なくとも1本のタイトバー上に、タイトバーによる搬送面から外側に突出した突起部を配設したことを特徴としている。
タイトバー上に配設した突起部によって、傾斜地での使用において梱包機を傾斜した状態で使用したとしても、タイトバー上を搬送されて巻き締められるベールがタイトバー上を下方向に向かって摺動するのを防止することができる。これによって、梱包室内で巻き締められるベールを円柱状形状に形成することができる。
このため、従来の梱包機を傾斜地で使用した場合には、円錐形や載頭錐形のロールベールとして形成されていたものを、本願発明によって円筒状のロールベールとして形成することができるようになる。しかも、本願発明によるロールベーラでは、梱包機をどのような場所で作業させても、常に円柱状のロールベールを形成することができるので、ロールベーラから排出する場合でもロールベールを所望の方向に排出することができる。
従来のロールベーラでは、円錐形や載頭錐形のロールベールが形成されてしまうため、ロールベーラから円錐形や載頭錐形のロールベールを排出する場合には、真っ直ぐに排出されずに斜め方向に排出されたり、排出の途中でロールベールが止まってしまったりする事態が発生する。
また、ロールベーラの側方に円錐形や載頭錐形のロールベールを排出する場合のように、円錐形や載頭錐形の底面側が側方の排出口に詰まってしまうという事態が発生する。これに対して、本願発明のロールベーラでは、従来のロールベーラを傾斜地で使用した場合に生じる不具合を解消することができる。
請求項2に記載したように、タイトバー上に複数の突起部をそれぞれ離間して配設することで、梱包機を傾斜した状態で使用した場合でもロールベーラにおけるベールが下方向側へ摺動するのをより確実に防止することができる。突起部は各タイトバー上に配設することも、複数のタイトバーのうち何本か置きのタイトバーに突起部を配設することもできる。タイトバーの複数本に突起部を配設する場合には、タイトバーの走向方向に平行となるようにタイトバー上の突起部の配設位置を設定することも、千鳥状やランダムな配列となるように配設することもできる。
請求項3に記載したように、タイトバーをブロック片から構成することができる。特に突出するブロック片の先端部を滑らかな曲面状や傾斜面とすることができる。これにより、タイトバーがロール状のベールを形成した後で、突起部がベールから離間するときに、ベールとの係合状態からの離間をスムーズに行うことができるようになる。
ブロック片としては、円柱棒又は円筒棒を所定寸法に切断し、切断した円柱片又は円筒片の軸方向とタイトバーの軸方向とを略平行に配して、切断した円柱片又は円筒片をタイトバー上に取り付けた構成とすることができる。あるいは蒲鉾形のブロック片や、矩形体の先端部を滑らかの曲面状又は傾斜面に面取りしたブロック片をタイトバー上に取り付けた構成とすることができる。
ブロック片としては、上述の構成以外にもベールとの係合及びベールからの離間がスムーズに行える形状を備えたブロック片を用いることができる。また、ブロック片のタイトバー上への配設は、溶接、接着、螺子・ボルト等による取り付け等、各種の配設手段を採用することができる。
図1は、走行車両に連結した梱包機の一部破断した概略側面図を示しており、特に、タイトチェーン、タイトバー及びタイトバー上に配設した突起部によるベールの搬送を説明するため、他の構成は2点鎖線で示している。また、図2は、一対のタイトチェーンと同一対のタイトチェーン間に架け渡されて支持されたタイトバーとピックアップ装置の棚板との受け渡し部を示した要部拡大図である。
本願実施例における梱包機1は、走行車両2に着脱自在に連結することができる梱包機1を用いて説明を行うが、本願発明を適用することのできる梱包機は、走行車両に着脱自在に連結することができる梱包機に限定されるものではなく、通常用いられている自走式の梱包機や固定式の梱包機に対しても適用することができるものである。
図1においては走向車両の一部しか図示していないが、梱包機1を連結する走行車両としては特に限定されるものではなく、一般に用いられている走向車両を用いることができるものであって、無線操縦式の走行車両とすることも、オペレータにより運転操縦される走行車両とすることもできる。
機枠7上には梱包機1を構成するロールベーラ29、ピックアップ装置10等が搭載され、門型フレーム8に対して機枠7が3点支持で支持されている。門型フレーム8は、ロアリンク5及びアッパリンク6によって走行車両2に支承されている。
機枠7には一対のキャスター機能を有する従動輪15を有し、ピックアップ装置10にはキャスター機能を有する一対の支持輪16が取り付けられている。ピックアップ装置10に備えた一対の支持輪16は、図示せぬネジによって上下方向へ調整自在に構成されている。梱包機1を単独で安定した状態で設置しておくため、機枠7の門型フレーム8側に、図示せぬ支持手段を着脱自在、伸縮自在等で取り付けることもできる。
ピックアップ装置10は、外周面に放射状に多数のピックアップタイン11を設けたピックアップドラム13を備えている。ピックアップドラム13は、図示せぬ駆動源により回転駆動される駆動ベルト12によって矢印で示す回転方向14に回転駆動される。ピックアップ装置10の前方部には、集草ガイド17が設けられており、ピックアップ装置10の前方部にある刈草37等を効率良く集めることができる。
ピックアップドラム13の上部には、図2に示すように複数の棚板47が配設され、隣接する棚板47間からピックアップタイン11の先端部が突出することができる。棚板47から離間した上方には複数のプレスバー45が配設され、所定のプレスバー45にはガイド板46が配設されている。ガイド板46は、梱包室20内でベール38を巻き締めて形成したロールベールを梱包機1の前方に排出するとき、排出されるロールベールがプレスバー45上を通って排出することができるためのガイトとして機能する。
排出されるロールベールがガイド板46により案内されてプレスバー45上を通って排出されることにより、排出途中でロールベールがピックアップタイン11に衝き刺さってしまうことや、棚板47上に残っていたベール38を巻き込みながら排出するのを防止することができる。
ピックアップ装置10は、本願発明の特徴部を示すものではなく、刈草や牧草類等を拾い上げることのできる通常の構造のピックアップ装置10を採用することができる。
ロールベーラ29は、機枠7の上面に固定支架された下部チャンバー18と、下部チャンバー18に対して図示せぬ支軸を回動中心として上部後方に向けて開放回動する上部チャンバー19との構成されている。下部チャンバー18と上部チャンバー19との間にはガススプリング25は配設され、上部チャンバー19はガススプリング25によって常時開放回動方向に付勢されている。
また、下部チャンバー18と上部チャンバー19との間には、上部チャンバー19の開放動作を規制する係合フック21及び係合ピン22が配設されている。係合フック21と係合ピン22とによる係合状態は、操作レバー23の回動によるリンク24の移動により解除することができる。
下部チャンバー18と上部チャンバー19とにより囲まれる内部空間に梱包室20が形成されている。梱包室20の機枠における左右の両側部位にそれぞれ、駆動スプロケット33、従動スプロケット34、テンションローラ35、ガイドローラ36及び図示せぬガイドレールが配されている。一対の無端状のタイトチェーン30は、これらの駆動スプロケット33、従動スプロケット34、テンションローラ35、ガイドローラ36及び図示せぬガイドレール間に掛け回され、駆動スプロケット33による駆動によって矢印で示す走行方向39に走向する。
ガイドレールを設ける代わりに、タイトチェーン30の内側走向路を形成するように多角形状の各頂点位置に複数のガイドローラを配する構成とすることもできる。ロールベーラ29における上述の構成は、本願発明における特徴部ではなく、ロールベーラの構成としては従来から用いられているロールベーラの構成と同様の構成を採用することができる。
本願発明のロールベーラ29においては、少なくとも1本のタイトバー31上に突起部32を配設したことを特徴部としている。図2に示すように一対のタイトチェーン30、30間に、同タイトチェーン30、30の長手方向に並列させて架け渡し、タイトチェーン30、30のチェーンリンク43に設けた取付座42により組付けたタイトバー31、31…のうち少なくとも1本のタイトバー31上に突起部32を配設している。
タイトバー31としては、ベール38を巻き締め形成する際の荷重に耐える強度を有するものであれば、金属材または合成樹脂材により構成することができる。タイトバー31の両端部を扁平部40として形成し、タイトチェーン30、30のチェーンリング43に設けた取付座42にボルト41を介して取り付けることができる。
突起部32としては、円柱長の丸棒を所定寸法の丸棒片に切断して、溶接等の接合手段を用いてタイトバー31上に配設している。図1、図2に示すように複数本間隔毎のタイトバー31上に突起部32を配設しているが、全てのタイトバー31上に突起部32を配設することも、不等間隔のタイトバー31上に突起部32を配設することもできる。
タイトバー31上に配設する突起部32の個数は、図示例の2個に限定されるものではなく1個以上の適宜の数配設することができる。また、複数のタイトバー31上に突起部32を配設する場合、タイトバー31の搬送方向と平行なタイトバー31上の位置に突起部32を配設することも、千鳥状あるいはランダムな配置位置となるように突起部32を各タイトバー31上に配設することもできる。ただし、突起部32の左右方向の位置は、外側から幅方向の1/4〜1/3の位置に配設することが望ましい。
突起部32としては、ブロック片で構成することが望ましいが、梱包機1が傾斜地で使用したときに、ベール38が傾斜したタイトバー31上を下方向に摺動するのを防止することができる形状であれば、ブロック片以外の他の形状とすることもできる。
また、突起部32は、タイトバー31が駆動スプロケット33によりロールベールを形成する内側走向路から離れるときに、ベール38との係合状態がスムーズに解除される形状に形成されている。その形状としては、突起部32の先端部、即ち、ベール38に係合する先端部の形状が、滑らかな曲面形状、傾斜面を有する形状等に形成しておくことが望ましい。
例えば、突起部32をかまぼこ型の形状としておくことも、突起部32の先端部を面取りした形状としておくことも、ベール38との係合部を傾斜面とした形状としておくことも、突起部32の少なくとも先端部について可撓性を有する形状としておくなど、タイトバー31が駆動スプロケット33により内側走向路から離れるときに、ベール38との係合状態がスムーズに解除される形状に形成しておくことが望ましい。
次に、ピックアップ装置で拾い上げた刈草37等をロールベールに形成する形成方法について説明を行う。走向車両2の走向により、前進方向に搬送された梱包機1は、ピックアップ装置10のピックアップタイン11により刈草37等を拾い上げる。ピックアップ装置10の前方部には、集草ガイド17が設けられており、ピックアップ装置10の前方部にある刈草37等を効率良く集めることができる。
ピックアップタイン11により拾い上げられた刈草37等は、図2に示す棚板部47上に搬入されるとともに、棚板部47から離間して上方に配されたプレスバー45と棚板部47との間に圧入され、順次押し出される形でベール38がタイトバー31上に搬入される。これにより、刈草37等が密集集合したベール38を形成することができ、同ベール38をタイトバー31上に搬入することができる。
図1に示すように図示せぬガイドレールに沿って一対のタイトチェーン30、30が、駆動スプロケット33からの駆動力により走向している。一対のタイトチェーン30、30間に架け渡されて支持されたタイトバー31は、一対のタイトチェーン30、30の走向に伴って、搬入されたベール38を内側走向路に沿って搬送し、ベール38をロール状に巻き締めていく。
梱包機1が土手等の傾斜面上で作業を行っているときには、梱包機1の傾斜に伴ってタイトバー31も下向き傾斜状態となるが、タイトバー31上に配設した突起部32がベール38と係合し、ベール38が下向きに流れ落ちるのを防止することができる。即ち、タイトバー31により搬送されるベール38は、梱包機1が平坦面上で作業を行っている場合と同様に、平行状態を保って搬入され、タイトバー31の内側走向路に沿って順次ロール状に形成される。
ロールベーラ29内におけるロールベールの形成状態は、ロールベーラ29に設けた図示せぬ梱包圧力検出手段等により判断することができる。ベール38が所望量巻き締められてロールベールを形成したことを梱包圧力検出手段等により判断されると、ピックアップ装置10の作動を停止させ、図示せぬトワイン装置等を起動してロールベールをトワイン等により結束することができる。
その後、操作レバー23を操作して係合フック21と係合ピン22との係合状態を解除し、ガススプリング25の付勢力で上部チャンバー19を開放回動させる。梱包室20内で形成されたロールベールは、ロールベール形成中の回転力あるいはタイトチェーン30の走向に伴うタイトバー31からの回転駆動力により、回転しながら、タイトバー31上を下降する。
下降の途中でプレスバー45上に配設したガイド板46に案内されて、ロールベールは回転しながらプレスバー45上を通って梱包機1の外部に排出される。ロールベールの排出途中で、ロールベールはタイトバー31上に配設した突起部32と係合するが、突起部32の形状により係合状態が維持されずにタイトバー31上を回転しながら下降することができる。