JP2005141118A - 電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 乾式接触現像手段を有する電子写真装置に適合する有機電子写真感光体と上記手段を組み合わせた電子写真装置において、かぶりが起こりにくく、感光体が汚染されにくく、特に融着や、耐摩耗性、耐傷性、耐久性、安定性に優れた有機電子写真感光体を有し、乾式接触現像手段を有し、高画質な画像を長期間安定して提供することある。
【解決手段】 電子写真感光体、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段、及び現像ローラー上にトナー層を形成し、該電子写真感光体と該現像ローラーを相互に回転させながら、該トナー層を該電子写真感光体の表面に接触させることにより、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を該トナー層のトナーで現像してトナー像を形成する手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体の表面層が、示されるジオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 電子写真感光体、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段、及び現像ローラー上にトナー層を形成し、該電子写真感光体と該現像ローラーを相互に回転させながら、該トナー層を該電子写真感光体の表面に接触させることにより、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を該トナー層のトナーで現像してトナー像を形成する手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体の表面層が、示されるジオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真装置に関し、より詳しくは電子写真感光体を有し、かつ乾式接触現像手段を有する電子写真装置、更には特定のジオルガノポリシロキサンを含有した電子写真感光体を有し、かつ乾式接触現像手段を有する電子写真装置に関する。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像(例えば静電潜像)を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像としてトナー像を形成し、必要に応じて紙の如き転写材へ、または中間転写体に転写した後転写材へトナー像を転写し、加熱及び加圧手段あるいは加熱加圧手段により転写材上のトナー像を転写材に定着して複写物またはプリントを得るものである。
電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法及び加圧現像方法等が知られている。更には、磁性トナーを用い、内部に磁石を内包している回転現像スリーブをトナー担持体として用い、スリーブと感光体との間に電界を形成して磁性トナーを感光体へ飛翔させる方法も知られている。
一成分現像方式は二成分現像方式で使用されているガラスビーズ及び鉄粉磁性フェライト粒子等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化及び軽量化が可能である。更には、二成分現像方式は現像剤中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し、必要量のトナーを補給する装置が必要であるため、現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、現像装置を小さく軽くできるため好ましい。
プリンター装置はLEDプリンター及びLBPプリンターが最近の市場の主流になっている。技術の方向として従来240、300dpiであったものが400、600、1200dpiと高解像度になってきている。従って、現像方式もこれに伴なって高精細さが要求されてきている。複写機においても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつある。デジタル機は静電潜像をレーザーで形成する方法が主流であり、高解像度の方向に進んでおり、プリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が待望されてきている。このためトナーの小粒径化も進んでいる。例えば、特開平1−112253号公報、特開平1−191156号公報、特開平2−214156号公報、特開平2−284158号公報、特開平3−181952号公報及び特開平4−162048号公報では、特定の粒度分布の粒径の小さいトナーが提案されている。更に、ファーストコピー時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温度を下げる傾向にある。このような状況下においては、トナーは更に外部からの物理的な力の影響を受けやすくなり、感光体表面の汚染やトナーの融着が起こり易くなっている。
近年、半導電性の現像ローラー、または、表面に誘電層を有する現像ローラーを用いて感光体の表面に押し当てながら現像を行う、接触一成分現像方法が提案されている。例えば、Japan Hardcopy ’89論文集25〜28頁、FUJITSU Sci.Tech.J.,28,4,pp.473−480(December 1992)、特開平5−188756号公報及び特開平5−188752号公報に一成分接触現像に関する技術が記載されている。
接触一成分現像方法においては、感光体表面と現像電極が非常に近接しているため、現像のエッジ効果を低減できる利点がある。
しかしながら、接触一成分現像方法を用いると、感光体表面をトナー及びトナー担持体により擦る構成が必須であり、更にはトナー担持体の表面よりトナーを感光体により多く現像させるために、トナー担持体の周速を感光体の周速より速く設定する必要がある。このため感光体とトナー担持体の間の駆動トルクが高くなり、長期間使用による感光体表面の傷や摩耗、さらには、必要以上に感光体にトナーが付着し、かぶりや融着を引き起こすなど、耐久特性が劣化するという問題を有している。
一方、電子写真用感光体に要求される基本的な特性としては
・暗所で適当な電位に帯電できること
・暗所において電荷の散逸が少ないこと
・光照射によって速やかに電荷を散逸できること
等が挙げられる。
・暗所で適当な電位に帯電できること
・暗所において電荷の散逸が少ないこと
・光照射によって速やかに電荷を散逸できること
等が挙げられる。
従来、電子写真装置において使用される感光体としては導電性支持体上にセレン乃至セレン合金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等が一般的に知られているが、近年ではコストの低さ、感光体設計の自由度の高さ及び無公害性等から有機系感光体が広く利用されるようになってきている。
有機光導電性化合物は、その化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能であり、例えばアゾ顔料では特開昭61−272754号公報や特開昭56−167759号公報には可視領域で高感度を示す化合物が開示されており、また特開昭57−19576号公報や特開昭61−228453号公報には赤外領域まで感度を有する化合物が示されている。これらの材料のうち、赤外領域に感度を示すものは、近年進歩の著しいLBPプリンターやLEDプリンターに使用され、その需要頻度は高くなってきている。これら有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体は、電気的及び機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面には、コロナまたは直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程及び表面クリーニング等の電気的及び機械的外力が直接与えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
具体的には、帯電時のオゾン及び窒素酸化物による電気的劣化や、帯電時の放電、クリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりするため機械的劣化及び電気的劣化に対する耐久性が求められている。電気的劣化は、光が照射した部分にキャリアーが滞留し、光が照射していない部分と電位差が生じる現象が特に問題であり、これはフォトメモリーとして生じる。特に、無機感光体と異なり物質的に柔らかいものが多い有機感光体は、機械的劣化に対する耐久性が劣り、耐久性向上は特に切望されているものである。また、有機物である表面が、トナーに代表される有機物や放電で発生する酸化物などのような物質によって汚染されやすい。上記のような感光体に要求される耐久特性を満足させるために、いろいろ試みがなされてきた。
表面層によく使用され耐摩耗性、電気特性共に良好な樹脂としては、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート、ポリカーボネートZ、更にはビスフェノールA骨格と、ビスフェノールZ及びビスフェノールC等と共重合させたポリカーボネートが注目されているが、接触現像方式においては、前述したような長期間使用による感光体表面の傷や摩耗による、耐久特性の劣化という問題を有している。
更に近年、特開昭57−17826号公報や特開昭58−40566号公報に開示されているような、電子写真感光体に接触配置された帯電部材に電圧をかけて、電子写真感光体を帯電する接触帯電方式が主流となっている。これは、導電性ゴム等で構成されたローラー状の帯電部材を電子写真感光体に当接させて電荷を印加する方法であり、スコロトロン等に比べオゾン発生量が格段に少ない。スコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れて浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である等のメリットを持つ。しかし、直接帯電はパッシェン則に従った放電による帯電のため、帯電安定性が非常に悪いという欠点をもち、帯電時に微少な放電ムラが発生し、結果として帯電電位のムラとなり、これが正規現像の場合ベタ黒画像に白スジとして、反転現像の場合にはベタ白画像に黒スジとして現れる。この対策として、帯電部材と感光体のニップ部の上流側に前露光を行い微少な放電ムラを消す方法が取られているが、最近では直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案され(特開昭63−149668号公報)、現在この方式が主流となっている。この帯電方式により、帯電時の安定性は良化したが、ACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大してしまい、直流電圧のみのDC帯電に比べ電子写真感光体の削れ量が増加し耐久性が劣るという欠点を新たに生じている。従って、感光体の耐久性という点からはDC帯電が有利であるが、DC帯電は感光層の膜厚が薄いほど放電電流が増加するため、一旦感光体表面層に傷や削れムラが生じるとそれがより増長されるという欠点を持っており、機械的強度等、感光体の耐久性の向上が望まれている。
本発明の目的は、乾式接触現像手段を有する電子写真装置に適合する有機電子写真感光体と上記手段を組み合わせた電子写真装置において、かぶりが起こりにくく、感光体が汚染されにくく、特に融着や、耐摩耗性、耐傷性、耐久性、安定性に優れた有機電子写真感光体を有し、かつ乾式接触現像手段を有し、高画質な画像を長期間安定して提供することができる電子写真装置を提供することにある。
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段、及び現像ローラー上にトナー層を形成し、該電子写真感光体と該現像ローラーを相互に回転させながら、該トナー層を該電子写真感光体の表面に接触させることにより、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を該トナー層のトナーで現像してトナー像を形成する手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体の表面層が、下記一般式(1)
で示されるジオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明においては、電荷輸送層に上記ジオルガノポリシロキサンを用いることにより、感光体の離型性を耐久を通して格段に向上させ、乾式接触現像手段、特に乾式接触現像手段を用いた場合に、かぶりや融着を抑え、外的な要因による感光体のダメージが減少することにより、感光体の機械的摩耗も著しく減少し、高画質な画像を長期間安定して提供することができる。
以上のように、本発明によれば、電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段、及び現像ローラー上にトナー層を形成し、該電子写真感光体と該現像ローラーを相互に回転させながら、該トナー層を該電子写真感光体の表面に接触させることにより、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を該トナー層のトナーで現像してトナー像を形成する手段を有する電子写真装置において、本発明の電子写真感光体を用いることにより、感光体の表面上に必要以上のトナーや汚染物質が付着しにくくなり、耐久を通して、かぶりが非常に良好となる。また、感光体と現像ローラーやクリーニングブレードなどの感光体に当接した部材との摺擦においても融着や汚染がおきにくく、さらに長期の使用において、汚染に起因する傷や劣化の進行に伴って発生する2次的な画像欠陥も防止する電子写真装置を提供することが出来る。
以下、本発明に用いられる電子写真感光体の構成について説明する。
次に、本発明で用いる一般式(1)について詳細に述べる。
式(1)中R1〜R6の置換もしくは無置換の炭化水素機としては、炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、及びアリールアルケニル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基及びフェニル基が好ましい。なお、R1〜R6は同一であっても異なっていてもよい。
Bは、パーフルオロアルキル基を有する置換もしくは無置換の有機基であるが、下記式(3)で示されることが好ましい。
−R7−(CF2)a−F (3)
(式中、R7はアルキレン基または、アルキレンオキシアルキレン基を示し、aは3以上の整数を示す)
R7のアルキレン基としては、エチレン基及びプロピレン基等が挙げられ、アルキレンオキシアルキレン基としては、エチレンオキシエチレン基、エチレンオキシプロピレン基及びプロピレンオキシプロピレン基等が挙げられる。
(式中、R7はアルキレン基または、アルキレンオキシアルキレン基を示し、aは3以上の整数を示す)
R7のアルキレン基としては、エチレン基及びプロピレン基等が挙げられ、アルキレンオキシアルキレン基としては、エチレンオキシエチレン基、エチレンオキシプロピレン基及びプロピレンオキシプロピレン基等が挙げられる。
Dの置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を有する基は下記式(4)で示されることが好ましい。
−W1−(SiR8R9)b−W2 (4)
(式中R8、9は置換もしくは無置換のアルキル基または、置換もしくは無置換のアリール基であり、W1は炭化水素基を示し、bは0または1を示し、W2は末端が封鎖された重合度3以上の置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を示す。)
R8、9のアルキル基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基等が挙げられる。R8及びR9は同一でも異なっていても良い。
(式中R8、9は置換もしくは無置換のアルキル基または、置換もしくは無置換のアリール基であり、W1は炭化水素基を示し、bは0または1を示し、W2は末端が封鎖された重合度3以上の置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を示す。)
R8、9のアルキル基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基等が挙げられる。R8及びR9は同一でも異なっていても良い。
W1の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、及びプロピレン基等のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜10であることが好ましい。
Dの12以上の炭素数を有する置換もしくは無置換のアルキル基としては、n-ドデシル基、n-テトラドデシル基、n-ヘキサデシル基、及びn-オクタデシル基、等が挙げられる。炭素数は、100以下であることが望ましい。
Dのポリオキシアルキレン基を有する置換もしくは無置換の有機基は下記式(5)で示されることが好ましい。
−(R10)c−O−(R11)d−R12 (5)
(式中、R10及びR11は炭化水素基を示し、R12は水素原子、炭化水素基を示し、cは0または1を示し、dは1〜300の整数を示す。)
R10及びR11の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、及びプロピレン基等のアルキレン基及びフェニレン基等のアリーレン基等が挙げられる。R10及びR11は同一でも異なっていてもよく、R11の炭素数は、1〜4であることが好ましい。R12の炭化水素基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基及びフェニル基等のアリール基等が挙げられる。また、dは5以上であることが好ましい。
(式中、R10及びR11は炭化水素基を示し、R12は水素原子、炭化水素基を示し、cは0または1を示し、dは1〜300の整数を示す。)
R10及びR11の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、及びプロピレン基等のアルキレン基及びフェニレン基等のアリーレン基等が挙げられる。R10及びR11は同一でも異なっていてもよく、R11の炭素数は、1〜4であることが好ましい。R12の炭化水素基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基及びフェニル基等のアリール基等が挙げられる。また、dは5以上であることが好ましい。
Dのシロキサン鎖を有する置換もしくは無置換の有機基は下記式(6)
R13のアルキレン基としては、エチレン基及びプロピレン基等が挙げられ、アルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、及びプロピレンオキシ基等が挙げられる。G1〜G5のアルキル基としては、メチル基およびエチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基等が挙げられる。なお、G1〜G5は、同一であっても異なっていてもよい。eは3以上の整数であるが、5以上であることが好ましい。
また、Dは、同一のものであっても、2種以上の異なるものであってもよい。
E1及びE2はR1からR6、B及びDから選択される基であり同一でも異なっていてもよい。
上述の基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子及びよう素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、及びフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
Xは0〜1000の整数であるが、10〜200の整数であることが好ましい。
Yは0〜1000の整数であるが、10〜200の整数であることが好ましい。
Zは0〜1000の整数であるが、5〜100の整数であることが好ましい。
X+Y+Zは2〜2000であることが好ましく、特には5〜1000、さらには20〜500であることが好ましい。
本発明において、X、Y及びZが2以上である場合、R1〜R4、B及びDはそれぞれ2種類以上であってもよい。例えば、Yが3のとき、3つのBがすべて同じものでも、2つのBが同じで1つのBが異なるものでも、3つのBが異なるものでもよい。具体例としては、後述の(1−9)が挙げられる。同様のことが、式(5)のR11、式(6)のG1,G2にもいえる。
また、本発明においては、便宜上R1及びR2を有するシロキサンユニットの数をX、R3及びBを有するシロキサンユニットの数をY、R4及びDを有するシロキサンユニットの数をZとして式(1)に示したが、これらのユニットは混在してもよい。すなわち、R1及びR2を有するシロキサンユニットとR3及びBを有するシロキサンユニットが交互に存在していてもよい。例えば、以下のように結合していてもよい。
また、ジオルガノポリシロキサン中のフッ素原子の含有量は、ジオルガノポリシロキサン全重量に対し、1〜90重量%であることが好ましく特には5〜60重量%であることが好ましい。フッ素原子の含有量が1重量%未満では感光体表面の離型性が十分に発揮されにくくなり、90重量%を超えるとバインダー樹脂との相溶性が悪くなったり、アンカー効果が十分に得られず、表面に移行しやすくなるため、磨耗時に効果が得られにくくなる。
また、Dが2種以上の場合は、置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を有する基、オキシアルキレン鎖を有する置換もしくは無置換の有機基、12以上の炭素数を有する置換もしくは無置換のアルキル鎖、シロキサン鎖を有する置換もしくは無置換の有機基から選ばれるが、そのうちの1種は、置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を有する基であることがより好ましい。
本発明の接触現像を行うプロセスに用いる電子写真感光体において、一般式(1)の化合物を該感光体表面層に含有させることにより、感光体表面の離型性が著しく向上し、トナー離れが良くなる。このため、必要以上のトナーが付着せず、感光体と現像ローラーやクリーニングブレードなどの感光体に当接した部材との摺擦においても融着や汚染がおきにくい。さらに、一般式(1)の化合物を用いることにより、感光体が磨耗しても、感光体表面の離型性が維持され、このため長期間使用してもこのような耐汚染性が保たれる。一般的には、シリコーンオイルやシロキサン化合物は、塗膜中では、表面移行性があるため、感光体にした場合、初期においては、滑り性は得られるものの、本発明の現像ローラーを有するプロセスにおいては、外的な汚染性や融着を向上させる離型性としては、十分ではない。さらに、表面移行性ゆえ、耐久が進行した際の磨耗により、これらの成分が、失われてしまい、耐久末期では、いっそう汚染性や融着が悪化してしまう。感光体表面が汚染されると、汚染による直接の画像欠陥が発生するだけでなく、汚染されたまま使用を続けることにより感光体表面に傷を発生させたり、感光体の劣化を早めたりする。特に、接触現像においては、現像ローラーが感光体に対し周速差を持っていることが一般的でこのような傷の発生や劣化が起こりやすい。このように本発明の電子写真感光体を、接触現像を行うプロセスに用いることにより、汚染に直接起因する1次的な画像欠陥を防止する他、汚染から傷や劣化の進行に伴って発生する2次的な画像欠陥も防止することが出来る。
本発明の一般式(1)の化合物では、側鎖B及び主鎖のシロキサン鎖により、高い離型性を有し、かつ、側鎖のDが、電子写真感光体の表面層の結着樹脂に対し、アンカー効果を持つ為、一般式(1)の成分が、表面層に均一に存在すると考えられる。このため、長期間使用しても高い離型性が維持され、融着や汚染の優位性が保たれる。
本発明のこのような高い離型性を持った電子写真感光体は、より小粒子径のトナーを用いた場合に、さらには低温定着性に優れた、融着や汚染性向上の効果が顕著に現れ、さらには、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いた場合には、さらに効果が顕著となる。
以下、本発明に用いられる電子写真感光体の構成に付いて説明する。本発明おける電子写真感光体は、支持体上に感光層を有する。感光層は電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送層と電荷発生層に分離した積層型でもよいが電子写真特性的には積層型が好ましい。
使用する支持体は導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチックなどが挙げられ、形状はシート状、円筒状などがあげられる。
LBPなど画像入力がレーザー光の場合は散乱による干渉縞防止、または基盤の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これはカーボンブラック、金属粒子などの導電性粒子をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmが適当である。なお、干渉縞防止はシリンダーの切削やアルマイト処理、乾式や湿式のブラスト等でも行うことができ、その場合は、導電層を設ける必要は無い。
支持体または導電層の上に接着機能及びバリヤー機能を有する中間層を設けてもよい。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、などが挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.3〜1μmが適当である。シリンダーに直接アルマイト処理したり、ゾルゲル法による導電成膜を付けている場合等は中間層を使用しなくても構わない。
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生物質としてはセレンーテルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。
機能分離型の場合、電荷発生層は前期電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。また、バインダー樹脂を電荷発生材料の分散後投入したりバインダー樹脂を使用しないことも可能である。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜2μmが適当である。
電荷輸送層は主として、荷輸送材料とバインダー樹脂、電荷輸送層が表面層である場合はさらに式(1)で示されるジオルガノポリシロキサンとを溶剤中に溶解し、得られた塗料を塗工乾燥して形成する。
用いられる電荷輸送材料としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。
電荷輸送層に用いるバインダー樹脂の例としては、熱可塑性バインダー樹脂及び硬化性バインダー樹脂が挙げられ、具体的にはフェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂あるいはこれらの樹脂の繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−マレイン酸コポリマー等を挙げることができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン及びポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーからも選択できる。
これらのうち、ポリアリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂は、式(1)で示されるジオルガノポリシロキサンとのなじみが良く、良好な塗工液を作成することができるので好ましい。ポリアリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂は下記式(7)及び(8)で示される構成単位を有する。
式(7)及び(8)中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及びよう素原子等が挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基及びプロピル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基及びナフチル基等が挙げられ、アルキリデン基としてはシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
これらの基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子及びよう素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル基及びプロピル基等のアルキル基、及びフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
以下に、ポリカーボネート樹脂が有する構成単位の好ましい例を示すが、これらに限られるものでは無い。
式(1)で示されるジオルガノポリシロキサンの含有量は、塗膜構成成分に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、特に0.1〜10.0重量部が好ましい。含有量が少なすぎると本願発明の効果が得られにくくなり、多すぎるとキャリヤのトラップの原因となり、電位変動が生じ易くなる。
色素、顔料、有機電荷輸送材料等は、一般に紫外線、オゾン及びオイル等に汚れや金属等に弱いため、本発明においては必要に応じて保護層を設けてもよい。本発明で用いる事ができる保護層は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー及びスチレン−アクリル酸コポリマー等のバインダー樹脂、(1)で示されるジオルガノポリシロキサンを含有する溶液を感光層の上に塗布、乾燥することにより形成する。また、バインダー樹脂として、縮合系モノマーや不飽和基をもつラジカル重合系モノマーを持ちいいた場合は、塗布後、熱や紫外線等のエネルギー光をあてて硬化、形成してもよい。また必要に応じて金属や導電性金属酸化物等の導電性粒子や電荷輸送材料をさらに含有させてもよい。
保護層の膜厚は、0.05〜20μmであることが好ましい。保護層は電荷輸送層より薄膜にすることが可能であるため、ジオルガノポリシロキサンの量を増加させることが可能である。
本発明の電子写真装置は、弾性ローラー表面に、一成分現像剤としてトナーをコーティングし、これを感光体表面と接触させる方式を採用しているものが挙げられる。トナーは非磁性トナーが好ましいが、磁性トナーでもよい。弾性ローラー上のトナーと感光体表面が接触するようにすることが重要である。トナー担持体は実質的に感光体表面と接触しているが、これは、トナー担持体からトナーを除いたときに該トナー担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、トナーを介して、感光体と感光体表面に対向する弾性ローラー間に働く電界によってエッジ効果のないトナー画像を得るためには、弾性ローラー表面あるいは弾性ローラーの表面近傍に電位を持ち、感光体表面とトナー担持体表面間で電界を形成する必要がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を形成するか、または導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける。更には、導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブあるいは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を設けた構成も可能である。
一成分接触現像法を用いた場合、そのトナーを担持するローラーを感光体の周速同方向に回転していてもよいし、逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である場合感光体の周速に対して、周速比で好ましくは100%以上、より好ましくは120〜300%、更に好ましくは140〜250%にして周速差を生じさせるのがよい。100%未満であると、ラインの切れが悪い等の画像品質に問題を残す。周速比が高くなると、現像部位に供給されるトナーの量は多く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要な部分には付与されるという繰り返しにより、潜像に忠実な画像が得られる。
本発明に用いられるクリーニング部材としては、ブレード、ローラー、ファーブラシ及び磁気ブラシ等を用いることができる。これらのクリーニング部材の2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る電子写真装置で用いるトナーについて説明する。
本発明の実施の形態に係る電子写真装置に適用するトナーは、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及び低軟化物質を含有している非磁性一成分微粒径トナーが好適に用いられる。
結着樹脂としては、カラートナー用に通常用いられているものでよく、例えば、スチレン−ポリエステル、スチレン−ブチルアクリレート等のスチレン系共重合体;ポリエステル系樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
着色剤は、カラートナー用に通常用いられているもので良く、例えば、イエロートナー用としては、ベンジン系黄色顔料、フォロンイエロー、アセト酢酸アニリド系不溶性アゾ顔料、モノアゾ染料、アゾメチン系色素等が挙げられる。
マゼンタトナー用としては、キサンテン系マゼンタ染料のリンタングステンモリブテン酸レーキ顔料、2,9−ジメチルキナクリドン、ナフトール系不溶性アゾ顔料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料と有機カルボン酸とからなる色材、チオインジゴ、ナフトール系不溶性アゾ顔料等が挙げられる。シアントナー用としては、銅フタロシアニン系顔料が挙げられる。
荷電制御剤としては、カラートナー用に通常用いられているもので良く、例えば、負電荷制御剤としては、アルキルサリチル酸の金属錯体、ジガルボン酸の金属錯体、多環体サリチル酸金属塩等が挙げられ、正電荷制御剤としては、4級アンモニウム塩、ベンゾチアゾール誘導体、グアナミン誘導体、ジブチルチンオキサイド、その他の含窒素化合物等が挙げられる。
低軟化物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックスの如きポリメチレンワックス;アミドワックス;高級脂肪酸;長鎖アルコール;エステルワックス;及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、トナーに対し、5〜30重量%の含有量が好ましい。
また、本発明の実施の形態で用いるトナーは、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1 (μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることが好ましく、さらには、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1 (μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.950〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であることが好ましく、さらには、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1 (μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.970〜0.990で、円形度標準偏差が0.015以上0.035未満であることが、より好ましい。また、磁性体を含有しない非磁性トナーであれば、本発明の効果を、より顕著に得ることが出来る。
本発明の電子写真装置について、図2を参照しながら説明する。本発明の電子写真装置としての複写機及びプリンター等の一例として図2に示す装置があり、現像手段60にはトナー61が収容されている。トナーは磁性トナーまたは非磁性トナーである。
前露光71を照射直後にバイアス印加手段62aにより直流バイアスが印加されている帯電手段(帯電ローラー)62で感光体63の表面を帯電し、露光(例えば、レーザー光及びハロゲンランプの光等)64により静電潜像を感光体63に形成する。トナー塗布ブレード(例えば、弾性ブレード及び金属ブレード等)72、103 〜109 Ωcmの中抵抗の弾性層または誘電層を表面に有する現像ローラー65を具備している現像手段60に収容されているトナー61で、静電潜像を現像する。現像は、正規現像方式または反転現像方式を使用する。現像部において、現像ローラー65にバイアス印加手段66により直流バイアスまたは交互バイアスが必要により印加される。転写材Pが搬送されて、転写部に来ると、バイアス印加手段68により電圧が印加されている転写手段(例えば、転写ローラー及び転写ベルト等)67により転写材Pの背面(感光体63側とは反対の側)から押圧しながら帯電することにより、感光体63表面上のトナー像を転写材P上へ静電的に転写する。場合により、感光体63上のトナー像を図示していない中間転写体(例えば、中間転写ドラム及び中間転写ベルト等)へ転写し、中間転写体から転写材Pへトナー像を転写してもよい。
感光体63から分離された転写材P上のトナー像は、加熱加圧手段(例えば、加熱加圧ローラー定着手段等)69により転写材Pに定着される。転写工程後の感光体63に残留するトナーは、必要によりクリーニング手段(例えば、クリーニングブレード、クリーニングローラー及びクリーニングブラシ等)70により感光体63の表面から除去される。クリーニング後の感光体63は、前露光71照射後、再度帯電手段62により帯電工程から始まる工程が繰り返される。
更に、図3は電子写真装置本体から取り出したプロセスカートリッジの一具体例の概略的断面図を示す。プロセスカートリッジは現像手段と静電潜像保持体とを少なくとも一体的にカートリッジ化されており、電子写真装置本体(例えば、複写機及びレーザービームプリンタ等)に着脱可能なように形成されている。図3に示すプロセスカートリッジにおいては、現像器15に現像ローラー(弾性ローラー)19が感光ドラム10にニップ部が形成されるように押圧されて設置されてあり、現像ローラー19には塗布ブレード8及び塗布ローラー12が圧接して設けられてある。更に、帯電ローラー11及びクリーニングブレード13が感光ドラム10に圧接して設けられている。
以下、実施例にしたがって説明する。なお、「部」とあるのは重量部を意味する。
まず、本発明で用いるジオルガノポリシロキサンは、以下のごとく合成することが可能である。
まず、本発明で用いるジオルガノポリシロキサンは、以下のごとく合成することが可能である。
(合成例1)
フラスコに下記式
フラスコに下記式
合成例1のアリル官能ポリスチレンの替わりに、式:CH2=CHCH2(C2H3C6H5)25C4H9で示されるアリル官能ポリスチレン13.4gを用いた以外は合成例1と同様にして次式で示されるジオルガノポリシロキサンを得た。
合成例1のアリル官能ポリスチレンの替わりに、式:CH2=CHCH2O(C2H4O)24(C3H6O)24CH3で示されるアリル官能ポリオキシエチレン18.9gを用いた以外は合成例1と同様にして次式で示されるジオルガノポリシロキサンを得た。
合成例1のアリル官能ポリスチレンの替わりに、式:CH2=CH{(CH3)2SiO}25(CH3)2SiC4H9で示されるジメチルポリシロキサン10.35gを用いた以外は合成例1と同様にして次式で示されるジオルガノポリシロキサンを得た。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング剤:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール 0.2/0.8 20部
次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部、nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し0.5μmの中間層を形成した。
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング剤:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール 0.2/0.8 20部
次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部、nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸せき法で塗布し0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θが7.4°±0.2、28.2°±0.2に強いピークを有するHOGaPc結晶9部とポリビニルブチラ−ル(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)3部をテトラヒドロフラン100部に溶解した液を、1mmφのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散した。これに200部の酢酸ブチルを加えて、希釈した後回収して、これを下引き層上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.30μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送層を形成するために、電荷輸送用の塗料を調製した。構成単位例8−2のポリアリレート樹脂(重量平均分子量128000)、下記式で示されるアミン化合物A及びB
アミン化合物A
アミン化合物A
なお、溶剤は最終重量比率でモノクロルベンゼン:ジメトキシメタンが6:4になるように調製した。この塗料を、浸漬塗布法で塗布し、130℃で1時間乾燥する事によって、膜厚14μmの電荷輸送層を形成した。
次に評価について説明する。装置は、キヤノン製カラーレーザープリンターLBP−2810(カラー毎分22枚機)の改造機を用いた。改造は、現像ローラーの回転速度を1.5倍、さらに感光体への当接圧を1.5倍とした。また、1次帯電電圧を可変とした。評価は、まず、30℃/80%RH環境で、画像比率6%(A4)のパターンを50枚連続プリントする。その後、画像比率2%のパターンを連続50枚プリントした後、ベタ白パターンを1枚プリントする。このとき印字はブラックステーションのみで行い、1次帯電電圧を通常の80%とした。このプリントと、未使用の紙の反射率を測定し、その差をかぶり濃度とした。測定は反射濃度計RD918(マクベス社製)を用いて行った。さらに画像比率6%(A4)のパターンを1枚間欠で8000枚出力し、ついで画像比率2%のパターンを連続50枚プリントした後、ベタ白パターンを1枚プリントし、かぶり濃度を調べた。さらにその後、感光体の最大傷深さ(Rmax)を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの重量比を0.9とした以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの重量比を0.9とした以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
施例2の電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンとして構造例(1−4)を構造例(1−17)とした以外は、実施例2と同様に感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
施例2の電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンとして構造例(1−4)を構造例(1−17)とした以外は、実施例2と同様に感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例2の電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンとして構造例(1−4)を構造例(1−22)とした以外は、実施例2と同様に感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2の電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンとして構造例(1−4)を構造例(1−22)とした以外は、実施例2と同様に感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例2の電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンとして構造例(1−4)を構造例(1−24)とした以外は、実施例2と同様に感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2の電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンとして構造例(1−4)を構造例(1−24)とした以外は、実施例2と同様に感光体を作成し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において電荷輸送層中の構造単位例(8−2)のバインダー樹脂の代わりに構造単位例(7-3)(重量平均分子量106000)の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において電荷輸送層中の構造単位例(8−2)のバインダー樹脂の代わりに構造単位例(7-3)(重量平均分子量106000)の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例6において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの重量比を0.9とした以外は、実施例6と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの重量比を0.9とした以外は、実施例6と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8〜14)
実施例1〜7において、ブラックステーションの現像剤として、キヤノン製カラー複写機CLC1000用ブラックのものを用いた以外は、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜7において、ブラックステーションの現像剤として、キヤノン製カラー複写機CLC1000用ブラックのものを用いた以外は、実施例1〜7と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの代わりとしてシリコーンオイル(KF96、信越シリコーン)を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの代わりとしてシリコーンオイル(KF96、信越シリコーン)を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの代わりとしてシリコーン化合物(GS101、東亜合成)を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において電荷輸送層中のジオルガノポリシロキサンの代わりとしてシリコーン化合物(GS101、東亜合成)を用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
比較例1において、電荷輸送層中の構成単位例8−2のバインダー樹脂10の代わりとして構成単位例7−3を9、下記構造aと構成単位例7−3の共重合のバインダー樹脂(共重合比1/9、重量平均分子量110000)1を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1において、電荷輸送層中の構成単位例8−2のバインダー樹脂10の代わりとして構成単位例7−3を9、下記構造aと構成単位例7−3の共重合のバインダー樹脂(共重合比1/9、重量平均分子量110000)1を用いた以外は、比較例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (9)
- 電子写真感光体、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する手段、及び現像ローラー上にトナー層を形成し、該電子写真感光体と該現像ローラーを相互に回転させながら、該トナー層を該電子写真感光体の表面に接触させることにより、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を該トナー層のトナーで現像してトナー像を形成する手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体の表面層が、下記一般式(1)
で示されるジオルガノポリシロキサンを含有することを特徴とする電子写真装置。 - 電子写真感光体に含有される式(1)のジオルガノポリシロキサンのR1〜R6がアルキル基またはフェニル基である請求項1記載の電子写真装置。
- 電子写真感光体に含有される式(1)のジオルガノポリシロキサンのパーフルオロアルキル基を有する有機基が、下記式(3)
−R7−(CF2)a−F (3)
(式中、R7はアルキレン基または、アルキレンオキシアルキレン基を示し、aは3以上の整数を示す)
で示される請求項1記載の電子写真装置。 - 電子写真感光体に含有される式(1)のジオルガノポリシロキサンの置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を有する基が下記式(4)
−W1−(SiR8R9)b−W2 (4)
(式中R8、9は置換もしくは無置換のアルキル基または無置換のアリール基であり、W1は炭化水素基を示し、bは0または1を示し、W2は末端が封鎖された重合度3以上の置換もしくは無置換のポリスチレン鎖を示す。)
で示される請求項1記載の電子写真装置。 - 電子写真感光体に含有される式(1)のジオルガノポリシロキサンのポリオキシアルキレン基を有する有機基が下記式(5)
−(R10)c−O−(R11)d−R12 (5)
(式中、R10及びR11は炭化水素基を示し、R12は水素原子、炭化水素基を示し、cは0または1を示し、dは1〜300の整数を示す。)
で示される請求項1記載の電子写真装置。 - 電子写真感光体に含有される式(1)のジオルガノポリシロキサンのX+Y+Zが2から2000である請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真装置。
- 電子写真感光体の表面層がさらにバインダー樹脂を含有する請求項1から7に記載の電子写真装置。
- 電子写真感光体の表面層に用いるバインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂またはポリカーボネート樹脂である請求項8記載の電子写真装置。
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