図1は本発明の給気ユニットの第1の実施形態を適用した一戸建住宅を示した図である。図1において、1は一戸建住宅の2階に適用された給気システム、詳細には、全熱交換型換気システムである。2a,2b,2cは2階の各室内に空気を供給するために各室内に配置された給気ユニットとしての給気グリルである。3は給気ユニット2a,2b,2cに空気を供給するためのセントラルユニット、詳細には、全熱交換型換気ユニットである。4はセントラルユニット3に形成された還気口、4”は還気口4とは別個に形成された還気口、5は2階の各室内の汚れた空気を排気するための排気口である。6は2階の各室内に供給される新鮮な空気を屋外から吸い込むための吸込口、7はセントラルユニット3と、給気ユニット2a,2b,2c、排気口5、および吸込口6とを連通するダクトである。
1’は1階に適用された給気システム、2a’,2b’,2c’は1階の各室内に空気を供給するために各室内に配置された給気ユニットである。3’は給気ユニット2a’,2b’,2c’に空気を供給するためのセントラルユニット、4’はセントラルユニット3’に形成された還気口、5’は1階の各室内の汚れた空気を排気するための排気口である。6’は1階の各室内に供給される新鮮な空気を屋外から吸い込むための吸込口、7’はセントラルユニット3’と、給気ユニット2a’,2b’,2c’、排気口5’、および吸込口6’とを連通するダクトである。1階に適用された給気システム1’と、2階に適用された給気システム1とは、ほぼ同様に構成されているため、以下、2階に適用された給気システム1についてのみ説明し、1階に適用された給気システム1’についての説明は省略する。
図2は図1に示したセントラルユニット3の斜視図である。図2において、11,12は送風機としてのシロッコファン、13は外気と室内排出空気との潜熱および顕熱を熱交換する全熱交換素子からなる熱交換器である。図1および図2に示すように、第1の実施形態の給気システム1では、まず、屋外の新鮮な空気が、シロッコファン11により吸込口6を介して吸い込まれる。次いで、セントラルユニット3に設けられたフィルタ(図示せず)により、屋外の空気に含まれている花粉、粉塵などの汚れが除去される。次いで、汚れが除去された空気が、熱交換器13によって熱交換される。次いで、熱交換された屋外の新鮮な空気(外気)が、シロッコファン11により給気ユニット2a,2b,2cを介して各室内に供給される。
各室内の汚れた空気は、矢印で示すようにドアのアンダーカットなどを通り、次いで、シロッコファン12により、還気口4を介してセントラルユニット3内に吸い込まれる。次いで、セントラルユニット3内に吸い込まれた空気が、熱交換器13によって熱交換される。次いで、熱交換された空気が、シロッコファン12により排気口5を介して屋外に排気される。
図3は図1に示した給気ユニット2aを室内から見た図である。図3において、21a,21b,21c,21dはLEDランプである。給気ユニット2a,2b,2cはすべて同様に構成されているため、以下、給気ユニット2aについてのみ説明し、給気ユニット2b,2cについての説明は省略する。
図4は図3に示した給気ユニット2aの断面図である。図4において、21は給気ユニット本体、22は給気ユニット本体21に対して着脱可能なフィルタ、23はフィルタ22を支持するフィルタ支持体である。30はフィルタ22に担持せしめられた空気清浄装置としてのイオン発生素子、詳細には、クラスターイオン発生素子である。更に詳細には、イオン発生素子30はフィルタ支持体23に担持せしめられている。31,32はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分である。詳細には、31はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分のうち、給気ユニット本体21側の部分を構成する本体側電極部分である。32はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分のうち、フィルタ支持体23側の部分を構成する支持体側電極部分である。
詳細には、図4は給気ユニット本体21に対してフィルタ支持体23が装着された状態を示した図、図5は給気ユニット本体21からフィルタ支持体23が取り外されている状態を示した図、図6はフィルタ支持体23が取り外された状態における給気ユニット2a(給気ユニット本体21)の斜視図である。
図7は図4および図5に示したイオン発生素子30の斜視図、図8は図7に示したイオン発生素子30の断面図である。図7および図8において、40は誘電体基板、41は誘電体基板40の一部を構成する下板、42は誘電体基板40の一部を構成する上板である。43は放電電極、44は誘電電極、45は保護層、46,47は電極接点である。給気ユニット2aを介して室内に供給される空気は、イオン発生素子30により清浄化せしめられる。
図7および図8に示すように、第1の実施形態の給気ユニット2aのイオン発生素子30では、厚さ方向に積層された下板41および上板42を一体化せしめることにより、誘電体基板40が形成されている。誘電体基板40の上面には、グリッド状放電電極43が形成されている。下板41と上板42との間には、放電電極43と対向するように面状の誘電電極44が埋設されている。放電電極43の上側は、保護層45によって被覆されている。
誘電体基板40を構成する下板41および上板42は、保護層45と共に、ポリイミド、エポキシ等の樹脂材料、又はアルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックス材料を用いることができるが、耐熱性及び強度面において優位なセラミックス材料、特に、アルミナを使用するのが望ましい。
放電電極43および誘導電極44は、電極形成のために通常用いられる金属材料により形成することができるが、誘電体基板40および保護層45をセラミックス材料製とする場合、これらの焼成温度に耐えるために、タングステン、モリブデン等の高融点の金属材料製とするのが望ましい。
第1の実施形態の給気ユニット2aのイオン発生素子30では、例えば、アルミナシートからなる下板41の表面に、タングステン材料のパターン印刷により誘導電極44が形成され、次いで、この形成面全体を覆うようにアルミナシートからなる上板42が載置して圧着せしめられる。次いで、この上板42の表面に、同じくタングステン材料のパターン印刷により放電電極43が形成される。更に、放電電極43の形成域全体を覆うようにアルミナ製の保護層45がコーティングにより形成され、最後に、これらが1400〜1600℃なる非酸化性雰囲気下にて焼成される。
放電電極43は、上板42および下板41を貫通する電極接点46によって誘電体基板40の裏面に連通せしめられている。また、誘導電極44は、下板41を貫通する電極接点47によって誘電体基板40の裏面に連通せしめられている。放電電極43と誘導電極44との間には、電極接点46,47を介して高圧交流の駆動電圧が印加される。なお、電極接点46,47は、それぞれの電極43,44の形成過程において、対応する位置に形成されたスルーホール内に電極材料を充填することにより、一体に形成可能である。
放電電極43がグリッド状に形成されているのは、駆動電圧の印加に伴って発生するイオン量を可及的に増大させるためである。また、誘導電極44は、放電電極43に対して中心を合わせて形成され、放電電極43よりも長さおよび幅がそれぞれ小さい帯状に形成されている。この形状もまたイオン量の増大に寄与する。
第1の実施形態の給気ユニット2aのイオン発生素子30では、例えば、共に約0.45mmの厚さを有する下板41および上板42が重ねられ、大きさが約15mm×37mm×0.9mmの誘電体基板40が形成される。その誘電体基板40の表面に、線幅が0.25mm、ピッチが0.8mm、大きさが約10.4mm×28mmのグリッド状の放電電極43が形成される。一方、下板41と上板42との間には、大きさが約6mm×24mmの面状の誘導電極44が形成される。放電電極43と誘電電極44との間に、電圧が略4.6kV(ピーク値)、周波数が22kHzの高圧交流の駆動電圧が印加される。放電電極43と誘電電極44との間に発生するプラズマ放電の作用により、イオン発生素子30から25cm離れた位置において、それぞれ20万個/ccを超えるプラスイオンおよびマイナスイオンが発生せしめられる。このイオン発生量は、一般的な大きさの居室用の空気清浄装置として機能させるために十分な量である。
なお、イオン発生量は、イオン発生素子30のサイズを大きくすることによって増加せしめられ、また、駆動電圧を高くすることによっても増加せしめられる。但し、駆動電圧を高くした場合、オゾンの発生量が合わせて増大するため、駆動電圧を過度に高めることは望ましくない。
また、放電電極43および誘導電極44の形状、並びにこれらの間に介在する誘電体(上板42)の大きさおよび厚さは、適宜変更することができる。また、イオン発生素子30は、板状の誘電体を介して対向する放電電極および誘導電極を備え、全体として平板形状をなすものであれば、上述した構成以外の構成であってもよい。
第1の実施形態の給気ユニット2aでは、図4および図5に示すように、図7および図8に示したイオン発生素子30が、給気ユニット2aの内部に配置されている。詳細には、図2に示したセントラルユニット3のシロッコファン11によって給気ユニット2aに供給される空気の流れに対面するように、イオン発生素子30が配置されている。そのため、給気ユニット2aに供給される空気中の水蒸気が、プラズマ放電によってイオン化せしめられ、略同量のプラスイオンとマイナスイオンとが生成され、給気ユニット2aを介して室内に放出される。
詳細には、プラスイオンは、水素イオン(H+)の周囲に複数の水分子が付随したクラスターイオンであり、H+(H2O)m(mは自然数)として表される。また、マイナスイオンは、酸素イオン(O2 −)の周囲に複数の水分子が付随したクラスターイオンであり、O2 −(H2O)n(nは自然数)として表される。これらのプラスイオンおよびマイナスイオンは、給気ユニット2aを介して室内に放出された後、室内の浮遊物(粒子、細菌)に凝集して相互に化学反応し、活性物質としての過酸化水素H2O2または水酸化ラジカル・OHとなり、酸化反応により浮遊粒子を不活性化し、また、浮遊細菌を殺菌する。それにより、給気ユニット2aが配置された室内の空気が清浄化せしめられる。外気を直接導入する給気ユニットでは、外気に含まれる浮遊細菌を殺菌して、外気を室内へ供給すると共に、室内に含まれる浮遊細菌を殺菌することにより、室内空気の清浄化が図られる。
図9は図4および図5に示した本体側電極部分31および支持体側電極部分32の拡大図である。図9において、31a,31bはイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する板電極、32a,32bはイオン発生素子30の電源回路の一部を構成するスプリング電極、31cはイオン発生素子30の電源回路の一部を構成するセーフティースイッチ、32cはフィルタ支持体23の表面のうち、セーフティースイッチ31cに当接する当接面である。
図4に示したように、給気ユニット本体21に対してフィルタ支持体23が装着された状態においては、板電極31aがスプリング電極32aに当接せしめられ、板電極31bがスプリング電極32bに当接せしめられ、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられている。つまり、イオン発生素子30の電源回路が閉じられ、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加可能な状態になっている。
次いで、図5に示したように、給気ユニット本体21からフィルタ支持体23が取り外される場合には、まず、セーフティースイッチ31cが当接面32cから離間せしめられ、それにより、イオン発生素子30の電源回路が切断され、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加できなくなる。次いで、板電極31a,31bがスプリング電極32a,32bから離間せしめられる。
一方、給気ユニット本体21に対してフィルタ支持体23が装着される場合には、まず、イオン発生素子30の電源回路が切断された状態で、板電極31a,31bがスプリング電極32a,32bに当接せしめられる。次いで、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられる。それにより、イオン発生素子30の電源回路が閉じられ、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加可能な状態になる。
第1の実施形態の給気ユニット2aでは、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられている時に、フィルタ支持体23が給気ユニット本体21に対して装着されていると判断され、セーフティースイッチ31cが当接面32cから離間せしめられている時に、フィルタ支持体23が給気ユニット本体21から取り外されていると判断される。
第1の実施形態の給気ユニット2aでは、図4および図5に示したように、給気ユニット本体21に対して着脱可能なフィルタ22が設けられている。更に、図5に示したように、給気ユニット本体21からフィルタ22を取り外した時にイオン発生素子30の電源回路が切断されるようにイオン発生素子30およびフィルタ22が構成されている。詳細には、イオン発生素子30の電源回路が切断されなければイオン発生素子30が露出せしめられないようにイオン発生素子30が配置されている。そのため、給気ユニット本体21に対してイオン発生素子30を容易に着脱することができ、給気ユニット2a内のイオン発生素子30の清掃やメンテナンスを安全かつ容易に行うことができる。詳細には、給気ユニット本体21からフィルタ22が取り外された時に、高電圧が印加されるイオン発生素子30が露出せしめられてしまうのを回避することができる。
更に、第1の実施形態の給気ユニット2aでは、図4および図5に示したように、イオン発生素子30とフィルタ22とが一体化せしめられている。そのため、給気ユニット2aのメンテナンス時に、フィルタ22とイオン発生素子30とを給気ユニット本体21に対して別個に着脱しなければならない煩雑さを低減することができる。
以下、本発明の給気ユニットの第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の給気ユニットは、第1の実施形態の給気ユニット2aと同様に、図1および図2に示した給気システム1,1’に適用可能である。
図10は第2の実施形態の給気ユニット102aの斜視図、図11は図10に示した給気ユニット102aの断面図である。図10および図11において、121は給気ユニット本体、122はフィルタ、124は給気ユニット本体121に対して着脱可能なカバー、125は室内に空気を供給するためのファンである。131,132は図7および図8に示したように構成されたイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分である。詳細には、131はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分のうち、カバー124側の部分を構成するカバー側電極部分である。132はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分のうち、給気ユニット本体121側の部分を構成する本体側電極部分である。図示しないが、カバー側電極部分131には、図9に示した第1の実施形態の給気ユニット2aと同様に、板電極31a,31bおよびセーフティースイッチ31cが設けられ、本体側電極部分132には、図9に示した第1の実施形態の給気ユニット2aと同様に、スプリング電極32a,32bおよび当接面32cが設けられている。
第2の実施形態の給気ユニット102aでは、図11に示すように、イオン発生素子30が、給気ユニット本体121に担持せしめられている。詳細には、図2に示したセントラルユニット3のシロッコファン11および図11に示したファン125によって室内に供給される空気の流れに対面するように、イオン発生素子30が配置されている。そのため、給気ユニット102aに供給される空気中の水蒸気が、プラズマ放電によってイオン化せしめられ、略同量のプラスイオンとマイナスイオンとが生成され、給気ユニット102aを介して室内に放出される。
詳細には、図11は給気ユニット本体121に対してカバー124が装着された状態を示した図、図12は給気ユニット本体121からカバー124が取り外されている状態を示した図である。
図11に示すように、給気ユニット本体121に対してカバー124が装着された状態においては、板電極31aがスプリング電極32aに当接せしめられ、板電極31bがスプリング電極32bに当接せしめられ、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられている(図9参照)。つまり、イオン発生素子30の電源回路が閉じられ、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加可能な状態になっている。
次いで、図12に示すように、給気ユニット本体121からカバー124が取り外される場合には、まず、セーフティースイッチ31cが当接面32cから離間せしめられ、それにより、イオン発生素子30の電源回路が切断され、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加できなくなる(図9参照)。次いで、板電極31a,31bがスプリング電極32a,32bから離間せしめられる。
一方、給気ユニット本体121に対してカバー124が装着される場合には、まず、イオン発生素子30の電源回路が切断された状態で、板電極31a,31bがスプリング電極32a,32bに当接せしめられる(図9参照)。次いで、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられる。それにより、イオン発生素子30の電源回路が閉じられ、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加可能な状態になる。
第2の実施形態の給気ユニット102aでは、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられている時に、カバー124が給気ユニット本体121に対して装着されていると判断され、セーフティースイッチ31cが当接面32cから離間せしめられている時に、カバー124が給気ユニット本体121から取り外されていると判断される。
第2の実施形態の給気ユニット102aでは、図10〜図12に示したように、給気ユニット本体121に対して着脱可能なカバー124が設けられている。更に、図12に示したように、給気ユニット本体121からカバー124を取り外した時にイオン発生素子30の電源回路が切断されるようにイオン発生素子30およびカバー124が構成されている。詳細には、イオン発生素子30の電源回路が切断されなければイオン発生素子30が露出せしめられないようにイオン発生素子30が配置されている。そのため、給気ユニット102a内のイオン発生素子30の清掃やメンテナンスを安全かつ容易に行うことができる。詳細には、給気ユニット本体121からカバー124が取り外された時に、高電圧が印加されるイオン発生素子30が露出せしめられてしまうのを回避することができる。
以下、本発明の給気ユニットの第3および第4の実施形態について説明する。図13は本発明の給気ユニットの第3または第4の実施形態を適用した一戸建住宅を示した図である。図13において、202a,202b,202cは各室内に空気を供給するために各室内に配置された第3または第4の実施形態の給気ユニットとしての給気グリルである。205a,205b,205c,205dは各室内の汚れた空気を排気するために各室内に配置された排気ユニットである。給気ユニット202a,202b,202cはすべて同様に構成されているため、以下、給気ユニット202aについてのみ説明し、給気ユニット202b,202cについての説明は省略する。
第3の実施形態の給気ユニット202aは、図3〜図9に示した第1の実施形態の給気ユニット2aとほぼ同様に構成されている。そのため、第3の実施形態の給気ユニット202aによれば、第1の実施形態の給気ユニット2aと同様の効果を奏することができる。第1の実施形態の給気ユニット2aには、ファン(図示せず)が内蔵されていても、いなくてもよいが、第3の実施形態の給気ユニット202aには、ファン(図示せず)が内蔵されている。
また、第4の実施形態の給気ユニット202aは、図10〜図12に示した第2の実施形態の給気ユニット102aとほぼ同様に構成されている。そのため、第4の実施形態の給気ユニット202aによれば、第2の実施形態の給気ユニット102aと同様の効果を奏することができる。
以下、本発明の給気ユニットの第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、図1に示した第1の実施形態のセントラルユニット3,3’の代わりに、図14に示すようなセントラルユニット303(請求項における「給気ユニット」に相当する。)が用いられている。
図14はセントラルユニット303の断面図である。図14において、311,312は送風機としてのファン、313は図1の熱交換器13と同様な全熱交換素子からなる熱交換器、322はセントラルユニット303に対して着脱可能なフィルタである。図14に示すように、第5の実施形態の給気システムでは、まず、屋外の新鮮な空気が、シロッコファン311により吸込口6を介して吸い込まれる。次いで、セントラルユニット303に設けられたフィルタ322により、屋外の空気に含まれている花粉、粉塵などの汚れが除去される。次いで、汚れが除去された空気が、熱交換器313によって熱交換される。次いで、熱交換された新鮮な空気が、シロッコファン311により給気ユニット2a,2b,2cを介して各室内に供給される。
各室内の汚れた空気は、図1に示した場合と同様に、矢印で示すようにドアのアンダーカットなどを通り、次いで、図14に示すように、シロッコファン312により、還気口4を介してセントラルユニット303内に吸い込まれる。次いで、セントラルユニット3内に吸い込まれた空気が、熱交換器313によって熱交換される。次いで、熱交換された空気が、シロッコファン312により排気口5を介して屋外に排気される。
図15は図14に示したフィルタ322などの断面図である。図15において、321はセントラルユニット本体、323はフィルタ322を支持するフィルタ支持体である。イオン発生素子30はフィルタ322に担持せしめられている。詳細には、イオン発生素子30はフィルタ支持体323に担持せしめられている。331,332はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分である。詳細には、331はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分のうち、セントラルユニット本体321側の部分を構成する本体側電極部分である。332はイオン発生素子30の電源回路の一部を構成する電極部分のうち、フィルタ支持体323側の部分を構成する支持体側電極部分である。図示しないが、本体側電極部分331には、図9に示した第1の実施形態の給気ユニット2aと同様に、板電極31a,31bおよびセーフティースイッチ31cが設けられ、支持体側電極部分332には、図9に示した第1の実施形態の給気ユニット2aと同様に、スプリング電極32a,32bおよび当接面32cが設けられている。
詳細には、図15はセントラルユニット本体321に対してフィルタ支持体323が装着された状態を示した図、図16はセントラルユニット本体321からフィルタ支持体323が取り外されている状態を示した図である。
第5の実施形態では、図15に示すように、イオン発生素子30が、フィルタ322に、詳細には、フィルタ支持体323に担持せしめられている。更に詳細には、図14に示したファン311によって給気ユニット2a,2b,2cを介して室内に供給される空気の流れに対面するように、イオン発生素子30が配置されている。そのため、ファン311によって供給される空気中の水蒸気が、プラズマ放電によってイオン化せしめられ、略同量のプラスイオンとマイナスイオンとが生成され、給気ユニット2a,2b,2cを介して室内に放出される。
図15に示したように、セントラルユニット本体321に対してフィルタ支持体323が装着された状態においては、板電極31aがスプリング電極32aに当接せしめられ、板電極31bがスプリング電極32bに当接せしめられ、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられている(図9参照)。つまり、イオン発生素子30の電源回路が閉じられ、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加可能な状態になっている。
次いで、図16に示したように、セントラルユニット本体321からフィルタ支持体323が取り外される場合には、まず、セーフティースイッチ31cが当接面32cから離間せしめられ、それにより、イオン発生素子30の電源回路が切断され、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加できなくなる(図9参照)。次いで、板電極31a,31bがスプリング電極32a,32bから離間せしめられる。
一方、セントラルユニット本体321に対してフィルタ支持体323が装着される場合には、まず、イオン発生素子30の電源回路が切断された状態で、板電極31a,31bがスプリング電極32a,32bに当接せしめられる(図9参照)。次いで、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられる。それにより、イオン発生素子30の電源回路が閉じられ、イオン発生素子30に対して駆動電圧を印加可能な状態になる。
第5の実施形態では、セーフティースイッチ31cが当接面32cに当接せしめられている時に、フィルタ支持体323がセントラルユニット本体321に対して装着されていると判断され、セーフティースイッチ31cが当接面32cから離間せしめられている時に、フィルタ支持体323がセントラルユニット本体321から取り外されていると判断される(図9参照)。
第5の実施形態では、図15および図16に示したように、セントラルユニット本体321に対して着脱可能なフィルタ322が設けられている。更に、図16に示したように、セントラルユニット本体321からフィルタ322を取り外した時にイオン発生素子30の電源回路が切断されるようにイオン発生素子30およびフィルタ322が構成されている。詳細には、イオン発生素子30の電源回路が切断されなければイオン発生素子30が露出せしめられないようにイオン発生素子30が配置されている。そのため、セントラルユニット303内のイオン発生素子30の清掃やメンテナンスを安全かつ容易に行うことができる。詳細には、セントラルユニット本体321からフィルタ322が取り外された時に、高電圧が印加されるイオン発生素子30が露出せしめられてしまうのを回避することができる。
更に、第5の実施形態では、図15および図16に示したように、イオン発生素子30とフィルタ322とが一体化せしめられている。そのため、セントラルユニット303のメンテナンス時に、フィルタ322とイオン発生素子30とをセントラルユニット本体321に対して別個に着脱しなければならない煩雑さを低減することができる。
第6の実施形態では、上述した第1から第5の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
第1から第6の実施形態では、本発明の給気ユニットが例えば一戸建住宅のような住宅構造に適用されているが、第7の実施形態では、本発明の給気ユニットを例えばマンションの一世帯のような住宅構造に適用することも可能である。