JP2005140135A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Katsumi Nakajima
克巳 中島
Kazuyoshi Sugimoto
和禧 杉本
Yoshinori Nobori
義典 登
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Abstract

【課題】 オルダムリングの耐摩耗性を改善して信頼性の向上を図ったスクロール圧縮機を提供する。
【解決手段】 密閉容器1内にスクロール圧縮要素2と電動要素3と電動要素3の回転軸5を軸支するための軸受部6を有する支持フレーム4とを設ける。スクロール圧縮要素2を鏡板11の表面に渦巻き状のラップ13が立設された固定スクロール7と支持フレーム4のスラスト軸受面26に支持されて固定スクロール7に対し電動要素3の駆動により公転し鏡板15の一方の面に渦巻き状のラップ16が立設された揺動スクロール8とから構成する。揺動スクロール8を固定スクロール7に対し自転しないように公転させるためのオルダムリング20を備える。オルダムリング20をシリコンが13.0%より多く含まれるアルミニウム材から構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、R407C等のHFC冷媒を圧縮する際に好適なスクロール圧縮機に関するものである。
従来の一般的なスクロール圧縮機は、特許文献1や特許文献2に開示されている如く、表面にインボリュート曲線からなる渦巻き状のラップを立設した鏡板を有する固定スクロールと、表面にインボリュート曲線からなる渦巻き状のラップを立設すると共に背面に一対のキー溝を設けた鏡板を有して前記固定スクロールに向かい合ってかみ合う揺動スクロールと、この揺動スクロールと固定スクロールとで形成された複数の圧縮空間を外側から内側へ向かって次第に縮小させて圧縮を行うように揺動スクロールを固定スクロールに対して旋回させる電動要素と、前記揺動スクロールのキー溝と係合する一対のキーを有して前記揺動スクロールを固定スクロールに対して自転しないように公転させるオルダムリング(継手手段)とを備えて構成されている。
この場合、揺動スクロールは支持フレームのスラスト軸受面に支持されて旋回する。また、オルダムリングにも前記キーと90度ずれた位置に一対のキー溝が形成されており、固定スクロールから支持フレームのスラスト軸受面方向に突出する一対のキー(焼結材)がこのキー溝に係合し、摺動することになる。
特開平6−81779号公報 特開平8−159061号公報
ところで、地球環境のオゾン層破壊問題から、近年ではR22等の汎用冷媒に代わって、オゾン層破壊の問題が無い、若しくは、少ないR407C等のHFC冷媒がこの種スクロール圧縮機が用いられる冷却装置においても使用されるようになってきている。一方、上記オルダムリングは従来よりアルミニウムダイキャスト材(例えばADC12)にて構成されると共に、固定スクロールのキーは鉄系の焼結材にて構成されているが、上述のようなHFC冷媒を使用した場合、固定スクロールのキーとオルダムリングのキー溝との間の摺動特性が悪化する問題がある。
図12は係る鉄系焼結材とアルミダイキャスト材の組み合わせにおけるオルダムリング(アルミ)のキー溝の摩耗量を測定した加速耐久試験結果を示しており、図中L3は冷媒としてR22を使用した場合の摩耗量、L4はR407Cを使用した場合の摩耗量である(何れも相対比較)。
この図から明らかな如く、R407C冷媒を使用した場合の1000時間後の摩耗量を100%とすると、R22の場合は20%以下であり、HFC冷媒の場合には摩耗量が5倍以上まで増大する。このようにオルダムリングの摩耗が激しくなると、スクロール圧縮機の信頼性が著しく低下してしまう。
そこで、本発明は係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、オルダムリングの耐摩耗性を改善して信頼性の向上を図ったスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器内に設けられたクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を、鏡板の表面に渦巻き状のラップが立設された固定スクロールと、前記支持フレームのスラスト軸受面に支持されて前記固定スクロールに対して公転し、鏡板の一方の面に渦巻き状のラップが立設された揺動スクロールとから構成し、前記両ラップを互いに噛み合わせて形成される複数の圧縮空間を、外側から内側に向かって次第に縮小させることにより圧縮を行うスクロール圧縮機において、
前記揺動スクロールを固定スクロールに対し自転しないように公転させるためのオルダムリングを備え、
該オルダムリングを、シリコンが含まれるアルミニウム材から構成し、
前記固定スクロールは、前記鏡板から前記支持フレーム方向に突出する一対のキーを備えると共に、前記オルダムリングは、前記固定スクロールのキーが摺動自在に係合する一対のキー溝を備え、
前記固定スクロールのキーを、鉄系焼結材にて構成したことを特徴とする。
請求項2の発明のスクロール圧縮機は、前記スクロール圧縮要素が圧縮する対象は、HFC冷媒であることを特徴とする。
本発明によればオルダムリングの耐摩耗性が向上するので、固定スクロールのキーの材質として鉄系焼結材を使用し、R407C、R410A、R404A等のHFC冷媒を圧縮する場合に、オルダムリングのキー溝と固定スクロールのキー間の摺動特性が低下しても、オルダムリングの摩耗を抑制し、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができるようになるものである。
以上詳述した如く本発明によれば、オルダムリングの耐摩耗性が向上するので、固定スクロールのキーの材質として鉄系焼結材を使用し、R407C、R410A、R404A等のHFC冷媒を圧縮する場合に、オルダムリングのキー溝と固定スクロールのキー間の摺動特性が低下しても、オルダムリングの摩耗を抑制し、信頼性の高いスクロール圧縮機を提供することができるようになるものである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用したスクロール圧縮機Sの縦断側面図(図2におけるA−A線方向断面)、図2は図1のスクロール圧縮機Sの一部切欠上面図、図3は密閉容器1のエンドキャップ1Bとボトムキャップ1Cを除くスクロール圧縮機Sの縦断側面図、図4は図3のスクロール圧縮機Sの上面図、図5は図1のスクロール圧縮機SのターミナルT部分の正面図、図6は図4からスクロール圧縮要素2を除いた状態の上面図、図7は図1のスクロール圧縮機Sのスクロール圧縮要素2の縦断側面図、図8は図7のスクロール圧縮要素2の下面図、図9は図1のスクロール圧縮機Sの電動要素3及び支持フレーム4の縦断側面図である。
各図において、1は密閉容器であり、この密閉容器1は円筒状の本体1Aと、この本体1Aの上下両端にそれぞれ溶接固定された椀状のエンドキャップ1B及びボトムキャップ1Cとから構成されている。そして、係る密閉容器1内には上側にスクロール圧縮要素2が、下側にこのスクロール圧縮要素2を駆動するための駆動手段としての電動要素3がそれぞれ収納されている。このスクロール圧縮要素2と電動要素3間の密閉容器1内には支持フレーム4が収納されており、この支持フレーム4には中央に回転軸5を軸支する軸受部6が下方に突出して形成されている。
前記スクロール圧縮要素2は、固定スクロール7と揺動スクロール8とで構成されている。固定スクロール7は、周囲を密閉容器1のエンドキャップ1Bの内面に焼嵌めされ、この密閉容器1内を高圧室9と低圧室10とに区画する円板状の鏡板11と、この鏡板11の一方の面(下側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻き状のラップ13とで構成されている。固定スクロール7の鏡板11の中央部には密閉容器1内の高圧室9に連通する吐出孔14が形成されている。そして、固定スクロール7はラップ13の突出方向を下方とされる。
揺動スクロール8は円板状の鏡板15と、この鏡板15の一方の面(上側の表面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線からなる渦巻き状のラップ16と、鏡板15の他方の面(下側の面)の中央に突出形成されたボス孔部17とで構成されている。そして、揺動スクロール8はラップ16の突出方向を上方として、このラップ16が固定スクロール7のラップ13に180度回し、向かい合って噛み合うように配置され、内部のラップ13、16間に複数の圧縮空間18を形成するようにしている。
19は回転軸5の先端(上端)に設けられて揺動スクロール8のボス孔部17内に挿入されるピン部で、このピン部19の中心は回転軸5の軸心と偏心して設けられている。20はオルダムリングであり、揺動スクロール8下側の支持フレーム4との間に位置している。
このオルダムリング20には、図10に示す如く180度対称の位置で相対向し、上側に突出して形成された一対のキー21、21と、これらキー21、21と90度ずれた位置に180度対称の位置で相対向して形成された一対のキー溝22、22を有している。このオルダムリング20の材質は、実施例の場合ADC14アルミダイキャスト材にて構成されている。このアルミダイキャスト材には、アルミニウムにシリコンが16.0%以上18.0%以下含まれ、且つ、銅が4.0%以上5.0%以下含まれている。
一方、揺動スクロール8の他方の面(下側の面)周縁部には180度対称の位置に一対のキー溝23、23が形成されており、このキー溝23、23内にオルダムリング20のキー21、21が摺動自在に係合する。また、固定スクロール7の180度対称の位置の周縁部には、図11に示す如く断面略L字状の一対のキー部材(キー)24、24が下方に突出してネジ25にて固定されている。尚、キー部材24、24は、実施例では粒子間に潤滑油を保持して摺動特性の低下を抑制可能な鉄系の焼結材にて構成されている。
前記キー部材24、24は、垂直方向に延在する固定片24A、24Aと、この固定片の下端から直角に折れ曲がって内方に延在する係合片24B、24Bとから全体としてL字状に形成されており、この固定片24A、24Aが固定スクロール7にネジ止めされると共に、下部の係合片24B、24Bがオルダムリング20のキー溝22、22内に摺動自在に係合する。このとき、キー部材24、24の係合片24B、24Bは後述する支持フレーム4のスラスト軸受面26の下側(電動要素3側)まで突出する。そして、このような係合関係によりオルダムリング20は揺動スクロール8を固定スクロール7に対して自転しないように円軌道上を公転させるものである。
前記支持フレーム4の中央部には前記揺動スクロール8を支持する前記スラスト軸受面26が形成されており、このスラスト軸受面26の外側は90度ずれた位置で周縁部から内方に向かって4カ所切り欠かれており、これら4カ所の切欠部27・・・によってスラスト軸受面26から外方及び下方に突出する取付腕部28・・・が90度位置がずれた状態でそれぞれ形成されている。そして、これら取付腕部28・・・の周縁部の上面にはネジ孔29がそれぞれ2カ所ずつ形成されている。更に、相対向する一対の取付腕部28、28のネジ孔29、29間には、位置決めピン31を挿入するためのピン孔32、32がそれぞれ形成されている。
尚、この支持フレーム4の取付腕部28・・・の外径、即ち、支持フレーム4の外径は密閉容器1の本体1Aの内径よりも小さく設定されている。
一方、固定スクロール7の鏡板11の周縁部にも前記支持フレーム4のネジ孔29・・・に対応する位置にネジ孔33が合計8カ所貫通形成されると共に、鏡板11の一方の面(下側の表面)周縁部にも前記ピン孔32、32に対応する位置にピン孔34、34がそれぞれ形成されている。そして、これらの一対のピン孔32と34内に前記位置決めピン31をそれぞれ挿入した状態で、ネジ36をネジ孔33・・に挿入し、支持フレーム4のネジ孔29・・・に螺合することにより、固定スクロール7は支持フレーム4に固定される。これにより、支持フレーム4は固定スクロール7を介して密閉容器1のエンドキャップ1Bに固定されることになる。
他方、前記電動要素3は固定子(ステータ)38と、この固定子38内で回転する回転子39とから構成されており、この回転子39の中心に前記回転軸5が嵌合され、回転子39の一部を構成する。回転軸5先端のピン部19下側には、支持フレーム4の軸受部6に軸支されるクランク部41が形成されており、この回転軸5の下部(回転子39の下方)は副軸受42に軸支されている。この副軸受42は密閉容器1の本体1A内面に圧入されている。
この副軸受42にはネジ孔43が複数箇所貫通形成されており、電動要素3の固定子38にもネジ孔43に対応する位置に貫通孔44が形成されている。更に、支持フレーム4の取付腕部28・・・の下面にも貫通孔44に対応する位置にネジ孔46が形成されている。そして、ネジ47を副軸受42のネジ孔43に挿入し、固定子38の貫通孔44を貫通させて支持フレーム4のネジ孔46に螺合させることにより、副軸受42と電動要素3及び支持フレーム4とは一体化され、電動要素3及び支持フレーム4は副軸受42を介して密閉容器1の本体1Aに固定されることになる。
密閉容器1の本体1Aには、図5に示すような形状の平坦な座押部49が形成されている。この座押部49は本体1Aを外側から内方に向けて座押することによって構成されており、この座押部49には電動要素3に結線されたターミナルTが取り付けられる。この座押部49は電動要素3の上方の支持フレーム4の高さ(側方)に位置させる必要があるが、図6に示す如くこの座押部49が支持フレーム4の切欠部(取付腕部28、28間)27内に位置するように支持フレーム4は取り付けられる。他方、固定スクロール7のキー部材24、24は、この座押部49が位置する切欠部27と90度ずれた位置にある切欠部(取付腕部28、28間)27、27内に位置するように、即ち、ターミナルTの取り付けられた座押部49と略90度ずれた位置に固定スクロール7のキー部材24、24が位置するように固定スクロール7や揺動スクロール8、オルダムリング20を配置する。
前述の如き固定スクロール7のキー部材24、24は支持フレーム4のスラスト軸受面26より下方まで突出するため、このキー部材24の位置がターミナルTの方向に位置すると、キー部材24とターミナルTとが干渉してしまうため、その分スクロール圧縮要素2の位置を高くしてスクロール圧縮機Sの寸法を高くする必要が出てくるが、前述の如くキー部材24とターミナルTは90度程ずれた配置としているので、係る干渉は生じず、係る寸法拡大を防止できるようになる。
また、座押部49を座押した際、本体1Aには変形が生じるが、前述の如く支持フレーム4の外径を密閉容器1の本体1Aの内径よりも小さく設定しているので、支持フレーム4を係る本体1A内に挿入しても、変形した本体1Aによって支持フレーム4が圧迫され、歪みが生じる危険性も無くなる。
51は密閉容器1の本体1A下部に取り付けられた吸込管であり、この吸込管51は電動要素3の下方で密閉容器1内の低圧室10に連通している。52は密閉容器1のエンドキャップ1Bに取り付けられた吐出管であり、この吐出管52は密閉容器1内の高圧室9に連通している。そして、前記支持フレーム4の切欠部27・・・が低圧室10からスクロール圧縮要素2に冷媒を導く通路となる。
54、56は電動要素3の回転子39の回転軸5に焼嵌め若しくは圧入によって取り付けられたバランサ(バランスウエイト)であり、上側のバランサ54は回転軸5の軸心に対してピン部19と対称の位置の回転子39上端のコイルエンドより上側の回転軸5に取り付けられ、下側のバランサ56はピン部19と同じ側の回転子39下端のコイルエンドと副軸受42間の回転軸5に取り付けられている。
特に、上側のバランサ54は、回転子39のコイルエンドから上方に延在し、更に、支持フレーム4の軸受部6外周の空間を利用し、固定子39のコイルエンドより上方ではその外径は回転子39の外径よりも大きくなるように拡張され、上部は支持フレーム4の軸受部6の外周に位置している。これにより、バランサ54の偏心部分の重心(図9に矢印Rで示す)を上に移動させ、揺動スクロール8に近付けて軸受部6の外周に位置させる。これによって、バランサ54を軽くしながら、ピン部19の偏心運動に伴う振動の発生を効果的に解消する。また、回転軸5の撓みも少なくなり、クランク部41が軸受部6に片当たりする不都合も抑制できるようになる。
次に、61は固定スクロール7の鏡板11の他方の面(ラップ13とは反対側の上側の表面)に取り付けられた吐出弁である。この吐出弁61は、鏡板11の吐出孔14に対応してネジ62、62にて取り付けられた断面略門型の枠体63と、この枠体63内に側方及び下方に開放して形成された移動空間部64内に上下移動自在に保持された円盤状の弁体66とから構成されている。この弁体66の中心は吐出孔14の中心に合致する。そして、枠体63の移動空間部64の上面には当接面67が構成されている。
また、枠体63の上壁には第1及び第2の連通路68、69が計二本貫通形成されており、各連通路68、69の下端は当接面67にて開口し、上端は高圧室9に開口している。両連通路68、69は垂直方向に延在すると共に、第1の連通路68は弁体66の中心から外れた位置に対応する部分の当接面67に開口している。他方、第2の連通路69はエンドキャップ1Bの中心下方に対応する位置にあり、更にエンドキャップ1Bの中心には貫通孔71が形成されている。そして、第2の連通路69には図示しない温度検出装置の一部となるパイプ72が差し込まれ、このパイプ72は貫通孔71を通過して外部に引き出されている。このパイプ72内には温度検出装置の感温部が内蔵される。
次に、本発明のスクロール圧縮機Sの組立手順を説明する。先ず、電動要素3の回転子39に回転軸5を嵌合し、各バランサ54、56を圧入若しくは焼嵌めによって回転軸5に取り付けて組み立てておく。そして、副軸受42上に電動要素3の固定子38を載置し、貫通孔44をネジ孔43に合致させる。次に、回転軸5及びバランサ54、56が組み立てられた回転子39を固定子38内に挿入し、回転軸5の下部を副軸受42に軸支させる。次に、支持フレーム4を固定子38に被せ、ネジ孔46を貫通孔44に合致させると共に、回転軸5のクランク部41を軸受部6に挿入して軸支させる。そして、前述の如くネジ47を副軸受42側からネジ孔43、貫通孔44、ネジ孔46の順で差し込んで行き、最終的にネジ孔46に螺合させることによって支持フレーム4、電動要素3及び副軸受42を予め組み立て、一体化しておく。これが図9に示す状態である。
一方、固定スクロール7を、ラップ13を上向きとして載置し、その上にラップ16を下向きとした揺動スクロール8を被せてラップ13と16を噛み合わせる。次に、オルダムリング20を、キー21、21を下側として揺動スクロール8上に載置し、キー21、21を揺動スクロール8のキー溝23、23内に係合させる。次に、このキー21、21及びキー溝23、23と90度ずれた位置の固定スクロール7にキー部材24、24をネジ止めし、オルダムリング20より上側に突出させた状態で各キー溝22、22内に係合させる。このようにして図7に示すようなスクロール圧縮要素2を組み立てておく。
次に、図9の如く支持フレーム4、電動要素3及び副軸受42を予め組み立てたものに上から密閉容器1の本体1Aを被せ、全体を本体1A内に挿入し、副軸受42を本体1Aの内面に圧入して固定する。次に、前述の如く位置決めピン31、31を支持フレーム4のピン孔32、32内に差し込む。次に、図7の如く予め組み立てたスクロール圧縮要素2のオルダムリング20側を下として本体1Aに被せ、位置決めピン31、31を固定スクロール7のピン孔34、34内に差し込み、ネジ孔33・・・を支持フレーム4のネジ孔29・・・に合致させ、回転軸5のピン部19を揺動スクロール8のボス孔部17内に係合させる。そして、前述の如くネジ36を固定スクロール7側からネジ孔33・・・に差し込み、支持フレーム4のネジ孔29・・・に螺合させて固定する。そして、吐出弁61を固定スクロール7の鏡板11の吐出孔14に対応させ、ネジ62、62にて鏡板11に固定し、連通路69に上からパイプ72を差し込む。この状態が図3の状態である。
次に、エンドキャップ1Bを固定スクロール7の鏡板11の周囲に焼嵌めし、高低圧のシールをして本体1Aに被せるものであるが、そのときは先ず図3の如く起立しているパイプ72をエンドキャップ1Bの貫通孔71に差し込んでからエンドキャップ1Bを鏡板11に焼嵌めし、本体1Aに被せる。このとき、前述の如く連通路69はエンドキャップ1Bの中心に対応する位置にあるので、パイプ72もエンドキャップ1Bの中心に対応し、貫通孔71に差し込んだ状態でエンドキャップ1Bを本体1Aに被せることで、本体1Aに対するエンドキャップ1Bの位置決めがなされ、組み付けが容易となる。また、焼嵌め時の回転方向の規制も緩和される。
このように、固定スクロール7の鏡板11の周囲をエンドキャップ1Bの内面に焼嵌めし、エンドキャップ1Bを本体1Aに被せた後、エンドキャップ1Bの周囲を本体1Aに溶接して固定する。その後、ボトムキャップ1Cを本体1Aの下端に被せ、周囲を溶接して固定する。そして、他の配管を密閉容器1に取り付けてスクロール圧縮機Sを完成する。この状態で、上から順にスクロール圧縮要素2、支持フレーム4、電動要素3及び副軸受42は一体化され、固定スクロール7の鏡板11周囲の焼嵌め箇所と副軸受42の圧入箇所の二点で密閉容器1に保持されることになる。
そして、係るスクロール圧縮機Sの密閉容器1内には冷媒としてR407C冷媒(HFC冷媒。その他には、R410A、R404Aなどが適用できる。)を
所定量充填する。
次に、本発明のスクロール圧縮機Sの動作を説明する。ターミナルTからの給電によって電動要素3の回転子39が回転すると、その回転力が回転軸5を介して揺動スクロール8に伝えられる。
即ち、揺動スクロール8は回転軸5のピン部19にこの回転軸5の軸心に対して偏心して挿入されたボス孔部17で駆動され、オルダムリング20で固定スクロール7に対して自転しないように円軌道上を公転させられる。そして、固定スクロール7と揺動スクロール8とはこれらのラップ13、16間に形成された圧縮空間18を外方から内方へ向かって次第に縮小させ、吸込管51から密閉容器1内の低圧室10に流入して電動要素3を通り、支持フレーム4の切欠部27・・・を流れる冷媒を圧縮していく。
この圧縮された冷媒は固定スクロール7の吐出孔14から高圧室9内に吐出されるものであるが、吐出弁61の弁体66は下側の吐出孔14から吐出される高圧の冷媒によって持ち上げられ、吐出孔14から離間して当該吐出孔14を開くと共に、当接面67に密着する。吐出孔14から吐出された冷媒は移動空間部64の側方開口から高圧室9内に入り、吐出管52から密閉容器1外に吐出される。
ここで、電動要素3の回転力が回転軸5を介して揺動スクロール8に伝えられ、揺動スクロール8が公転すると、オルダムリング20は直線的な往復運動をし、固定スクロール7のキー部材24の契合片24Bはオルダムリング20のキー溝22内を往復して摺動することになるが、前述の如くオルダムリング20をシリコンが16.0%以上18.0%以下含まれ、且つ、銅が4.0%以上5.0%以下含まれるアルミダイキャスト材(ADC14)にて構成しているので、従来よりもその耐摩耗性は向上している。
図12中のL1及びL2は係るアルミダイキャスト材(ADC14)と鉄系焼結材の組み合わせにおけるオルダムリング20のキー溝22の摩耗量を測定した加速耐久試験結果を示しており、図中L2は冷媒としてR22を使用した場合の摩耗量、L1はR407Cを使用した場合の摩耗量である(何れも相対比較)。
前述した如く冷媒としてR407C等のHFC冷媒を使用した場合、鉄系焼結材のキー部材24とアルミダイキャスト材のオルダムリング20との摺動特性は、R22冷媒を使用した場合に比して低下するが、この図からも明らかな如く、本発明におけるオルダムリング20によれば、R22冷媒を使用した場合の1000時間後の摩耗量が10%程であったものとすると、R407C冷媒を使用した場合にも20%以下に抑えられることが分かる。
これにより、オゾン層破壊問題に対応してHFC冷媒を使用した場合にも、オルダムリング20のキー溝22の摩耗を抑制し、スクロール圧縮機Sの信頼性を著しく向上させることができるようになる。
尚、実施例ではオルダムリング20の材質として、アルミニウムにシリコンが16.0%以上18.0%以下含まれ、且つ、銅が4.0%以上5.0%以下含まれるアルミダイキャスト材ADC14を採用したが、それに限らず、シリコンのみに着目し、当該シリコンがアルミニウムに13%より多く含まれているアルミダイキャスト材やシリコンが16.0%以上18.0%以下含まれるアルミダイキャスト材でも耐摩耗性の向上による信頼性の改善が期待できる。また、銅のみに着目し、当該銅が4.0%より多く含まれるアルミダイキャスト材や銅が4.0%より多く5.0%以下含まれるアルミダイキャスト材の場合も耐摩耗性の向上は期待できる。更に、シリコンが12.0%より多く含まれ、且つ、銅が3.5%より多く含まれるアルミダイキャスト材の場合にも耐摩耗性の向上による信頼性の改善が期待できる。
また、実施例では固定スクロール7のキー部材24を鉄系の焼結材で構成したが、本発明では特にこれに限定されず、スクロール圧縮機として性能上使用可能であれば他の材質でも差し支えない。また、圧縮対象となる冷媒もR407C等のHFC冷媒に限らず、また、HFCとしてもR407C冷媒に限らず、前述したR410A、R404A等の他のHFC冷媒にも本発明は有効である。
本発明を適用したスクロール圧縮機の縦断側面図(図2におけるA−A線方向断面)である。 図1のスクロール圧縮機の一部切欠上面図である。 図1のスクロール圧縮機の密閉容器のエンドキャップとボトムキャップを除く縦断側面図である。 図3のスクロール圧縮機の上面図である。 図1のスクロール圧縮機のターミナル部分の正面図である。 図4からスクロール圧縮要素を除いた状態の上面図である。 図1のスクロール圧縮機のスクロール圧縮要素の縦断側面図である。 図7のスクロール圧縮要素の下面図である。 図1のスクロール圧縮機の電動要素及び支持フレームの縦断側面図である。 図1のスクロール圧縮機のオルダムリングの斜視図である。 図1のスクロール圧縮機の固定スクロールの斜視図である。 鉄系焼結材とアルミダイキャスト材の組み合わせにおける摩耗量比較結果を示す図である。
符号の説明
S スクロール圧縮機
1 密閉容器
1A 本体
2 スクロール圧縮要素
3 電動要素
5 回転軸
7 固定スクロール
8 揺動スクロール
20 オルダムリング
21 キー
22、23 キー溝
24 キー部材
38 固定子
39 回転子

Claims (2)

  1. 密閉容器内に設けられたクロール圧縮要素と、このスクロール圧縮要素を、鏡板の表面に渦巻き状のラップが立設された固定スクロールと、前記支持フレームのスラスト軸受面に支持されて前記固定スクロールに対して公転し、鏡板の一方の面に渦巻き状のラップが立設された揺動スクロールとから構成し、前記両ラップを互いに噛み合わせて形成される複数の圧縮空間を、外側から内側に向かって次第に縮小させることにより圧縮を行うスクロール圧縮機において、
    前記揺動スクロールを固定スクロールに対し自転しないように公転させるためのオルダムリングを備え、
    該オルダムリングを、シリコンが含まれるアルミニウム材から構成し、
    前記固定スクロールは、前記鏡板から前記支持フレーム方向に突出する一対のキーを備えると共に、前記オルダムリングは、前記固定スクロールのキーが摺動自在に係合する一対のキー溝を備え、
    前記固定スクロールのキーを、鉄系焼結材にて構成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記スクロール圧縮要素が圧縮する対象は、HFC冷媒であることを特徴とする請求項1のスクロール圧縮機。
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