JP2005140088A - 2次空気供給装置の制御装置 - Google Patents

2次空気供給装置の制御装置

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JP2005140088A JP2003380345A JP2003380345A JP2005140088A JP 2005140088 A JP2005140088 A JP 2005140088A JP 2003380345 A JP2003380345 A JP 2003380345A JP 2003380345 A JP2003380345 A JP 2003380345A JP 2005140088 A JP2005140088 A JP 2005140088A
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Abstract

【課題】触媒コンバータの触媒割れを防ぐこと。
【解決手段】内燃機関1の排気通路3上に設けた触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する上流側へ2次空気の供給を行う2次空気供給装置4に対して、その2次空気の供給又は停止の指示を行う2次空気供給装置の制御装置(2次空気供給制御部)52に、触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する上流側と下流側の温度差ΔTを測定又は推定する温度差測定手段52b又は温度差推定手段52d,52eと、その温度差ΔTが所定の閾値Bs,Brを超えている場合に、供給中の2次空気の供給停止指令又はその供給量の減少指令を2次空気供給装置4に対して行う2次空気供給量調節手段52cとを設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の排気通路上に設けた触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側に2次空気の供給を行う2次空気供給装置の制御装置に関する。
一般に、内燃機関においては、排気ガス中のHC,CO,NOx等の有害物質を酸化,還元させる三元触媒等からなる触媒コンバータが排気通路上に設けられている。この触媒コンバータは、理論空燃比付近で有害物質の十分な転化効率を得られるものであり、また、所定の温度(活性化温度)以上になることで活性化するものである。
ここで、内燃機関の始動直後等の冷間時においては、暖気後と比して、一般に吸入空気温度が低く燃料の気化特性も悪化するので、燃料噴射量を増量して空燃比を理論空燃比よりも濃くしている。これが為、かかる冷間時においては、触媒コンバータでのHC,COの転化効率が低下するので、触媒コンバータ通過後の排気ガス中のHC,CO濃度が高くなってしまう、という不都合が生じていた。
そこで、従来、その冷間時のHC,COを低減させる為の手段の一つとして、触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側の排気通路内(例えば排気マニホルド等)に2次空気を供給する2次空気供給装置が用いられている。
この種の2次空気供給装置の一例としては、触媒コンバータが活性化領域内にないときに、燃料噴射量を増量すると共に2次空気を供給して触媒コンバータを活性化温度まで昇温させる特開平9−119310号公報に開示された技術がある。
特開平9−119310号公報 特開2000−87736号公報 特開平9−88563号公報
しかしながら、冷間時に2次空気が供給されると、先ず触媒コンバータ100の排気ガスの流れに対する上流側が短時間の間に温度上昇し、その下流側の温度には殆ど変化がないので、その上流側と下流側で温度差が生じてしまう。例えば、冷間時における内燃機関の始動後20秒位の上流側の温度は、2次空気を供給しない場合には200℃〜300℃位であるが、2次空気を供給すると500℃〜600℃位まで又は時として1000℃位まで上昇してしまう。これに対して、下流側においては殆ど温度変化せず、また、上昇したとしても上流側に比べて僅かな温度上昇(例えば100℃)に留まる。
そして、このような短時間の間に触媒コンバータ100の上流側と下流側とで急激且つ著しい温度差が生じると、その温度差の境界部分において大きな熱応力が発生し、熱ひずみによる触媒割れが起きてしまう、という不都合があった。特に、この触媒割れはセラミックスからなる触媒において顕著に表れる。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、触媒コンバータの触媒割れの発生を回避し得る2次空気供給装置の制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、内燃機関の排気通路上に設けた触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側へ2次空気の供給を行う2次空気供給装置に対して、前記2次空気の供給又は停止の指示を行う2次空気供給装置の制御装置において、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側と下流側の温度差を測定又は推定する温度差測定手段又は温度差推定手段と、前記温度差が所定の閾値を超えている場合に、供給中の2次空気の供給停止指令又はその供給量の減少指令を前記2次空気供給装置に対して行う2次空気供給量調節手段とを設けている。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の2次空気供給装置の制御装置において、前記温度差測定手段は、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側と下流側とに夫々設けた温度センサからの温度情報の差分を算出して前記温度差を求める機能を有している。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の2次空気供給装置の制御装置において、前記温度差推定手段は、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側の温度を、前記内燃機関に吸入された空気量の積算値から推定する機能を有している。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項1又は2に記載の2次空気供給装置の制御装置において、前記温度差推定手段は、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する下流側の温度を、前記内燃機関に吸入された空気の温度又は当該内燃機関の冷却水の温度から推定する機能を有している。
本発明に係る2次空気供給装置の制御装置は、触媒コンバータの上流側と下流側の温度差を求め、この温度差が所定の閾値を超えたときに2次空気の供給を停止又はその供給量の減少を行わせる。これが為、それ以上温度差が拡がらなくなるので、触媒コンバータの触媒割れの発生を防ぐことができる。また、2次空気の供給を停止させずにその供給量を減少させた場合には、触媒コンバータの触媒割れの発生を防ぎつつ、触媒コンバータの活性化の促進も図ることができる。
ここで、触媒コンバータの上流側と下流側の夫々の温度は、その上流側と下流側に夫々配置した温度センサから測定してもよいが、上流側の温度を内燃機関の吸入空気量の積算値から推定し、また、下流側の温度を内燃機関の吸入空気の温度又は当該内燃機関の冷却水の温度から推定することで、何れか一方又は双方の温度センサが不要になり、部品点数の低減による原価低減効果を得ることができる。
以下に、本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例1を図1〜図5に基づいて説明する。
図1の符号1は内燃機関を示し、この内燃機関1には、燃焼に要する空気を供給する為の吸気通路2と、燃焼後の排気ガスを排気する為の排気通路3とが設けられている。
先ず、吸気通路2には、図1に示す吸気マニホルド21等からなる吸気管と、エアクリーナ(図示略)通過後の吸入空気量を検出して吸入空気量信号を出力するエアフローメータ22と、スロットルバルブ23の開度を検出してスロットル開度信号を出力するスロットル開度センサ24と、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射装置25とが設けられている。
続いて、排気通路3には、図1に示す排気マニホルド31等からなる排気管と、排気ガス中のHC,CO,NOx等の有害物質を酸化,還元させる三元触媒等からなる触媒コンバータ32と、消音装置33とが設けられている。また、この排気通路3における触媒コンバータ32の排気ガス導入口近傍には、触媒コンバータ32に流入する前の排気ガス中の空気/燃料比(A/F比)を検出するA/Fセンサ(又は排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ)34が設けられており、その排気ガス排出口近傍には、触媒コンバータ32を通過した後の排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ35が設けられている。
ここで、本実施例1にあっては、触媒コンバータ32における排気ガスの流れに対する上流側と下流側に二つの温度センサ36,37が配備されており、その上流側の温度センサ36により検出された触媒コンバータ32の上流側の温度と、下流側の温度センサ37により検出された触媒コンバータ32の下流側の温度とを用いて、後述する如く2次空気供給装置4の2次空気供給制御を行う。
上記上流側の温度センサ36は触媒床温を直接的に測定し得るよう配置される。これに対して、上記下流側の温度センサ37は、下流側の触媒床温と触媒通過後の排気ガスの温度差が殆ど無いことから、触媒床温を直接的に測定し得るように配置しても、触媒通過後の排気ガスの温度を測定するように配置してもよい。
更に、この内燃機関1には、機関始動直後等の冷間時における触媒コンバータ32の活性化を図る為の2次空気供給装置4が設けられている。この2次空気供給装置4は、触媒コンバータ32における排気ガスの流れに対する上流側の排気通路3内に2次空気を供給する為の2次空気供給管41と、この2次空気供給管41を介して2次空気を供給する2次空気供給ポンプ(エアポンプ)42と、2次空気供給管41の経路上で2次空気の供給有無や供給量を制御する2次空気制御弁43とを有する。
尚、この2次空気供給装置4は、本実施例1の態様に限定するものではなく、2次空気を供給し得るものであれば、その2次空気供給管41等の構成は如何なるものであってもよい。例えば、本実施例1にあっては2次空気を排気マニホルド31に供給するよう2次空気供給管41が配置されているが、必ずしもこれに限定するものではない。
ここで、上記エアフローメータ22やスロットル開度センサ24等の内燃機関1に設けられている各種センサは、その検出信号を図1に示す電子制御ユニット(ECU)5に出力する。このECU5は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。
本実施例1のECU5は、図1に示す如く、スロットルバルブ23の開度調整等、内燃機関1を制御する機関制御部51を有する。また、このECU5には、上記2次空気供給ポンプ42の駆動/停止や上記2次空気制御弁43の開閉を制御する機能も設けられている。即ち、このECU5は、上記機関制御部51と共に、2次空気供給装置4の制御部(以下、「2次空気供給制御部」という。)52も備えており、この2次空気供給制御部52が本発明に係る2次空気供給装置4の制御装置として機能する。
以下、本実施例1に係る2次空気供給装置4の制御装置(以下、「2次空気制御装置」という。)について詳述する。
この2次空気制御装置は、上述したが如く、上記ECU5の2次空気供給制御部52により2次空気の供給や停止に係る制御を行うものである。
この2次空気供給制御部52には、機関始動直後等の冷間時に2次空気供給装置4を作動させる為の図1に示す周知の制御手段(以下、「2次空気供給制御手段」という。)52aが設けられている。
この2次空気供給制御手段52aは、例えば触媒コンバータ32が所定の活性化温度以下である場合に、2次空気供給装置4を作動させて(具体的には、上記2次空気供給ポンプ42を駆動させると共に上記2次空気制御弁43を開かせて)2次空気を排気通路3内に供給すると共に、上記燃料噴射装置2の燃料噴射量を増加させる制御機能を有する。また、この2次空気供給制御手段52aは、その触媒コンバータ32が活性化温度に達して設定温度になったとき又は所定時間が経過したときに、2次空気の供給を停止させると共に燃料の増量を停止させる制御機能を有する。
ここで、前述したが如く、2次空気が供給された際には、触媒コンバータ32における排気ガスの流れに対する上流側と下流側とで著しい温度差が生じる場合がある。これが為、本実施例1にあっては、上記2次空気供給制御手段52a以外に、図1に示す如く、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差を測定する温度差測定手段52bと、その著しい温度差が発生した場合に2次空気供給装置4による2次空気の供給量を調節又は2次空気の供給を停止する2次空気供給量調節手段52cとが上記2次空気供給制御部52に設けられている。
先ず、本実施例1の温度差測定手段52bは、2次空気の供給中に検出された上記各温度センサ36,37からの温度情報に基づいて、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTを算出する機能を有する。
また、本実施例1の2次空気供給量調節手段52cは、求めた温度差が所定の閾値よりも大きければ、2次空気供給装置4による2次空気の供給を停止させる又はその供給量を減少させる機能を有する。
ここで、触媒コンバータ32の長さが長いほど下流側の温度上昇が遅くなるので、触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する上流側と下流側の温度差ΔTは、触媒コンバータ32自体の長さが長いほど大きくなる。これが為、上記閾値は、触媒コンバータ32の長さに応じて異なる値を設定しなければならない。しかしながら、触媒コンバータ32の上流側の著しい温度上昇は、触媒コンバータ32の長さに拘らずその上流側における所定の長さの間(多くの場合、触媒コンバータ32の中間部分よりも上流側)で生じている。
そこで、著しい温度上昇が生じている上流側部分(上記所定の長さの間)の後端から所定の短い間隔を設けた下流側に上述した下流側の温度センサ37を配置して、触媒コンバータ32の長さに影響されること無く温度差ΔTを求めることが好ましい。例えば、かかる場合の各温度センサ36,37は、20mmの間隔で配置される。また、上記の閾値は、そのような位置関係に配置された各温度センサ36,37からの検出信号に基づき触媒割れの生じる温度差ΔTを実験等で求め、この温度差ΔTに基づいて上記の閾値を定めることが好ましい。
次に、以上の如く構成された2次空気制御装置の処理動作について図2に示すフローチャート及び図3に示すタイムチャートを用いて説明する。
先ず、運転者が内燃機関1を始動させる(ステップST1)。続いて、2次空気制御装置は、ECU5の2次空気供給制御手段52aにより、2次空気供給装置4を始動させるか否か(2次空気を供給するか否か)の判定を行う(ステップST2)。
この判定は、例えば、触媒コンバータ32の上流側の温度センサ36からECU5に入力された検出信号を使用し、その検出された温度が触媒コンバータ32の活性化温度以下であるか否かを判定することにより行うことができる。また、例えば、内燃機関1の冷却水の温度が所定温度よりも低いか否かによって判定することもできる。
ここで、上記ステップST2の判定によって2次空気の供給を要しないとの判定結果(触媒コンバータ32が活性化温度に達している又は冷却水温が所定温度に達している)を得た場合には2次空気制御装置の処理を終了し、2次空気の供給を要するとの判定結果(触媒コンバータ32が活性化温度以下である又は冷却水温が所定温度以下である)の場合、2次空気供給制御手段52aは、2次空気供給装置4を作動させて2次空気を排気通路3内に供給すると共に、燃料噴射装置2の燃料噴射量を増加させる(ステップST3,ST4)。
このように2次空気が供給されると、図3に示す如く、触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppが大幅に上昇していき、これにより触媒コンバータ32の活性化が図られる。
続いて、この2次空気制御装置は、ECU5の温度差測定手段52bにより、ECU5に入力された夫々の温度センサ36,37の検出信号に基づいて、触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppと下流側の温度Tlowとの差分を求め、その上流側と下流側の温度差ΔT(=Tupp−Tlow)を取得する(ステップST5)。
しかる後、この2次空気制御装置は、ECU5の2次空気供給量調節手段52cにより、その温度差ΔTが予め設定してある閾値Bsよりも大きいか否かを判定する(ステップST6)。
ここでの閾値Bsは、2次空気の供給を停止させる為のものであり、それ以上の温度差が生じると触媒割れ発生の虞があるとして予め設定されたものである。尚、この閾値Bsは、温度差ΔTがこれを超えたからといって直ぐに触媒割れが起きないように余裕代を持たせることが好ましい。例えば、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTが400℃になると触媒割れが生じる虞がある場合には、その温度差ΔTが300℃になったときに2次空気の供給を停止させる為に、閾値Bsを300℃に設定する。ここで、この閾値Bsの設定値は、必ずしも本態様に限定するものではない。
上記ステップST6にて温度差ΔTが閾値Bsを超えているとの判定が為された場合、2次空気供給量調節手段52cは、燃料噴射装置2に燃料噴射量の増量を停止させると共に、図3に示す如く2次空気供給装置4に対して2次空気の供給を停止させる(ステップST7,ST8)。これにより、ここでは、図3に示す如く触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppが低下し、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTが小さくなる。尚、図3における2次空気供給量,上流側の温度Tupp及び上流側と下流側の温度差ΔTを示す図の破線は、2次空気を供給し続けた場合について表している。
また、上記ステップST6にて温度差ΔTは閾値Bsを超えていないとの判定が為された場合、次に、2次空気供給制御手段52aは、2次空気の供給停止条件であるか否かを判定する(ステップST9)。ここで、この2次空気の供給停止条件とは、例えば、触媒コンバータ32が活性化し始める温度に達し、更に2次空気を供給し始めてから所定の時間が経過していれば、その2次空気の供給を停止させる等の条件である。
上記ステップST9にて2次空気の供給停止条件ではないとの判定が為された場合、この2次空気供給制御手段52aは、温度差測定手段52bに処理を渡し、上記ステップST5の温度差測定処理に戻る。また、上記ステップST9にて2次空気の供給停止条件であるとの判定が為された場合、2次空気供給制御手段52aは、上記ステップST7,ST8に進み、燃料噴射量の増量を停止させると共に2次空気の供給を停止させる。
以上示した如く本実施例1の2次空気制御装置によれば、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTが閾値Bsよりも大きくなった場合に2次空気の供給を停止することで、触媒コンバータ32の上流側の温度がそれ以上上昇しなくなる又は低下するので、その上流側と下流側の温度差ΔTがそれ以上拡がらなくなり、触媒コンバータ32の触媒割れを防止することができる。
上記図2に示す処理においては、2次空気の供給を完全に停止させる場合について例示した。ここで、2次空気の供給を停止させた際に触媒コンバータ32が活性化温度に達していれば、停止後の触媒コンバータ32の浄化作用を維持することができる。しかしながら、活性化温度に達していない場合には、触媒コンバータ32の所望の浄化作用を得る事ができず有害物質を大気中に排出することになる。
そこで、少なくとも触媒コンバータ32が活性化温度に達する(前述した2次空気の供給停止条件になる)までは2次空気を供給し続けられるように、前述した閾値Bsよりも低い値の閾値Brを設定する。この閾値Brは、前述したが如く閾値Bsが300℃に設定されていた場合、例えばこれよりも100℃低い値(200℃)に設定する。
以下、この閾値Brを用いた場合の2次空気制御装置の処理動作について図4に示すフローチャート及び図5に示すタイムチャートを用いて説明する。ここで、この図4に示すステップST11〜ST15までの処理は、前述した図2に示すステップST1〜ST5までの処理と同じである為、ここでの説明を省略する。これが為、上記閾値Bsを用いた処理の説明における図3を図5と読み替える。
2次空気制御装置は、ステップST15にて触媒コンバータ32における排気ガスの上流側と下流側の温度差ΔTを求めた後、ECU5の2次空気供給量調節手段52cにより、その温度差ΔTが予め設定してある閾値Brよりも大きいか否かを判定する(ステップST16)。
ここで、温度差ΔTは閾値Bsを超えていないとの判定が為された場合は、後述するステップST19に進み、温度差ΔTが閾値Brを超えているとの判定が為された場合、2次空気供給量調節手段52cは、燃料噴射装置2に燃料噴射量の増加量を減少させると共に、図5に示す如く2次空気供給装置4に対して2次空気の供給量を減少させる(ステップST17,ST18)。これにより、ここでは、図5に示す如く触媒コンバータ32の上流側の温度が低下し、図5に示す如く触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTが小さくなる。
しかる後、2次空気供給制御手段52aは、前述した図2のステップST9と同様に2次空気の供給停止条件であるか否かを判定する(ステップST19)。ここで、2次空気の供給停止条件であるとの判定が為された場合、2次空気供給制御手段52aは、燃料噴射装置2に燃料噴射量の増量を停止させると共に、2次空気供給装置4に対して2次空気の供給を停止させる(ステップST20,ST21)。また、2次空気の供給停止条件ではないとの判定が為された場合、この2次空気供給制御手段52aは、温度差測定手段52bに処理を渡し、上記ステップST15の温度差測定処理に戻る。
このように、閾値Brよりも触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTが大きくなった場合に2次空気の供給量を減らすことによって、触媒コンバータ32の上流側の温度がそれ以上上昇しなくなる又は低下するので、その上流側と下流側の温度差ΔTがそれ以上拡がらなくなり、触媒コンバータ32の触媒割れを防止することができる。更に、この場合、その閾値Brを前述した閾値Bsよりも低い値に設定しているので、供給量は減っているが2次空気を供給し続けることができ、これが為、触媒割れを防止しつつ排気ガスの浄化の促進が可能となる。
尚、ここでは、図4及び図5に示す如く、減少させた2次空気の供給量を維持する,又は再び温度差ΔTが大きくなると更に供給量を減少させるものとして例示しているが、2次空気の供給量の減少により触媒コンバータ32が活性化温度にまで達し難い又は活性化温度に達するまで多くの時間を要する等の状況が生じた場合には、再度2次空気の供給量を増量させてもよい。ここで、かかる場合には、燃料噴射量も再び増量させる。
次に、本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例2を図6〜図9に基づいて説明する。
本実施例2の2次空気供給装置は、前述した実施例1に対して以下の点が異なる。
前述した実施例1においては、触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する上流側と下流側に夫々設けた温度センサ36,37を用いて、その上流側と下流側の温度差ΔTを測定して求めたが、本実施例2にあっては、上流側の温度Tuppを内燃機関1への吸入空気量から推定し、この推定した温度Tuppを用いて温度差ΔTの推定を行う。これが為、本実施例2のECU5には、実施例1の温度差測定手段52bに替えて、図6に示す温度差推定手段52dが設けられている点が実施例1と異なる。このことから、本実施例2にあっては、上流側の温度センサ36は設けずともよい。以下に、上記温度差推定手段52dについて説明する。
実施例1においても説明したように、2次空気を供給する際には燃料噴射量も増加させている。内燃機関1においては、燃料噴射量が増加されると内燃機関1における燃焼エネルギも増大し、内燃機関1の排気ポートから排出される排気ガスの温度が上昇する。2次空気供給装置4は、かかる特性を利用して冷間時における触媒コンバータ32の温度(特に上流側の温度)を早期に上昇させ、触媒コンバータ32の活性化を図っている。
ここで、内燃機関1においては燃料噴射量に応じて吸入空気量Gaが定められ、この吸入空気量Gaと内燃機関1の排気温度とは相関関係にある。従って、その吸入空気量Gaの積算値によって触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppを推定することができる。
そこで、本実施例2にあっては、先ず、ECU5に、吸入空気量Gaの積算値と触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppとの関係を実験結果等から定めたマップを用意する。そして、このECU5の上記温度差推定手段52dに、エアフローメータ22からの検出信号に基づいて吸入空気量Gaの積算値を算出し、この吸入空気量Gaの積算値と上記マップとの比較により触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppを推定する機能を設ける。このように、本実施例2にあっては、この温度差推定手段52dによって触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppを推定する。尚、吸入空気量Gaは、スロットル開度センサ24のスロットル開度信号等の他の手段を用いて取得してもよい。
また、この温度差推定手段52dには、推定した触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppと温度センサ37の検出信号から得た下流側の温度Tlowとの差分を求めることで、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTを推定する機能も設けられている。
次に、以上の如く構成された本実施例2の2次空気制御装置の処理動作について説明する。
ここで、本実施例2の2次空気制御装置の処理動作は、温度差ΔTを得る為の処理を除き前述した実施例1の図2及び図4のフローチャートに示す処理と同様にして行われる。これが為、ここでは、その同様の処理動作の説明については省略し、本実施例2において温度差ΔTを得る為の処理(図2に示すステップST5及び図4に示すステップST15の処理)についてのみ説明する。
尚、2次空気の供給を停止させる為の閾値Bsを用いた図2の処理動作の説明においては、実施例1の説明における図3を図8と読み替える。また、図2のステップST5又は図4のステップST15の「温度差測定」を「温度差推定」と読み替える。
本実施例2の2次空気制御装置は、ステップST3,ST4(又はステップST13,ST14)にて2次空気の供給及び燃料噴射量の増加が行われると、ECU5の温度差推定手段52dにより、触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する上流側と下流側の温度差ΔTを推定する(ステップST5(又はステップST15))。
具体的にその温度差推定手段52dは、図7のフローチャートに示す如く、先ずエアフローメータ22からの検出信号に基づいて吸入空気量Gaの積算値を算出する(ステップST5A)。
そして、この温度差推定手段52dは、ECU5のバックアップRAMから前述したマップを読み込み(ステップST5B)、算出した吸入空気量Gaの積算値とマップから触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppの情報を推定し(ステップST5C)、この上流側の温度Tuppと温度センサ37の検出信号から得た下流側の温度Tlowとの差分を求め、その上流側と下流側の温度差ΔT(=Tupp−Tlow)を推定する(ステップST5D)。
以降、上記の如く推定された温度差ΔTを用いて実施例1と同様の処理が行われる。
ここで、本実施例2にあっても、推定された温度差ΔTが閾値Bs又は閾値Brよりも大きければ、2次空気の供給の停止又はその供給量の減少が行われるので、実施例1における触媒割れが生じない等の同様の効果を奏することができる。また、この本実施例2の2次空気制御装置によれば、触媒コンバータ32の上流側の温度センサ36が不要になるので、部品点数の低減が図れ、更に、これにより原価の低減効果をも得ることができる。
尚、上述した各実施例1,2の2次空気供給装置は、上流側の温度Tuppは上昇するが下流側の温度Tlowが殆ど上昇しない場合、上流側の温度Tuppが上昇すると共に下流側の温度Tlowも上昇する場合のどちらであっても、その温度差ΔTが閾値Bs,Brを超えていれば上述した2次空気の供給量の制御を行うものとする。
次に、本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例3を図10及び図11に基づいて説明する。
本実施例3の2次空気供給装置は、前述した実施例2に対して以下の点が異なる。
前述した実施例2においては、触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する下流側の温度Tlowを温度センサ37で検出している。ここで、本発明に係る2次空気供給装置は、内燃機関1の始動直後の冷間時における2次空気の供給制御を行うものであり、かかる冷間時での内燃機関1の吸入空気の温度(以下、「吸気温」という。)又は冷却水の温度(以下、「冷却水温」という。)と触媒コンバータ32の下流側の温度Tlowとは略同一である。これが為、本実施例3にあっては、その下流側の温度Tlowを内燃機関1の吸気温又は冷却水温から推定し、この温度Tlowを用いて温度差ΔTの推定を行う。このことから、本実施例3にあっては、上流側の温度センサ36だけでなく、下流側の温度センサ37も設けずともよい。
このようなことから、本実施例3のECU5には、実施例2の温度差推定手段52dに替えて、図10に示す温度差推定手段52eが設けられている。この温度差推定手段52eは、前述した実施例2の温度差推定手段52dが有する触媒コンバータ32の上流側温度推定機能と、取得した吸気温又は冷却水温を触媒コンバータ32の下流側の温度Tlowと推定する機能と、推定した触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppと下流側の温度Tlowとの差分を求めることで、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔTを推定する機能とが設けられている。
ここで、本実施例3にあっては、吸気温の情報をエアフローメータ22に設けた吸気温センサから取得し、冷却水温の情報を内燃機関1に設けた図10に示す水温センサ11から取得する。
次に、以上の如く構成された本実施例3の2次空気制御装置の処理動作について説明する。
ここで、本実施例3の2次空気制御装置の処理動作は、温度差ΔTを得る為の処理を除き前述した実施例2の説明にて用いた図2及び図4のフローチャートに示す処理と同様にして行われる。これが為、ここでは、その同様の処理動作の説明については省略し、本実施例3において温度差ΔTを得る為の処理(図2に示すステップST5及び図4に示すステップST15の処理)についてのみ説明する。
本実施例3の2次空気制御装置は、ステップST3,ST4(又はステップST13,ST14)にて2次空気の供給及び燃料噴射量の増加が行われると、ECU5の温度差推定手段52eにより、触媒コンバータ32の排気ガスの流れに対する上流側と下流側の温度差ΔTを推定する(ステップST5(又はステップST15))。
具体的にその温度差推定手段52eは、図11のフローチャートに示す如く、先ずエアフローメータ22からの検出信号に基づいて吸入空気量Gaの積算値を算出する(ステップST15A)。そして、この温度差推定手段52eは、ECU5のバックアップRAMから前述したマップを読み込み(ステップST15B)、算出した吸入空気量Gaの積算値とマップから触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppの情報を推定する(ステップST15C)。
続いて、この温度差推定手段52eは、ECU5に入力されたエアフローメータ22の吸気温センサからの吸気温の情報(又は水温センサ11からの冷却水温の情報)を触媒コンバータ32の下流側の温度Tlowと推定する(ステップST15D)。
しかる後、この温度差推定手段52eは、推定した夫々の温度Tupp,Tlowの差分を求め、触媒コンバータ32の上流側と下流側の温度差ΔT(=Tupp−Tlow)を推定する(ステップST15E)。
以降、上記の如く推定された温度差ΔTを用いて実施例2と同様の処理が行われる。
ここで、本実施例3にあっても、推定された温度差ΔTが閾値Bs又は閾値Brよりも大きければ、2次空気の供給の停止又はその供給量の減少が行われるので、実施例1,2における触媒割れが生じない等の同様の効果を奏することができる。また、この本実施例3の2次空気制御装置によれば、実施例2と比して、触媒コンバータ32の上流側の温度センサ36だけでなく、その下流側の温度センサ37も不要になるので、部品点数を更に低減させることができ、これにより更なる原価の低減効果を得ることができる。尚、一般に、内燃機関1には吸気温センサや水温センサ11が既に具備されているので、かかる効果を減ずることはない。
尚、本実施例3における下流側の温度Tlowの推定手法は、前述した実施例1に適用してもよい。即ち、触媒コンバータ32の上流側の温度Tuppを温度センサ36で取得し、その下流側の温度Tlowを本実施例3の如く吸気温から推定するものであってもよく、かかる場合にあっても、触媒割れの抑制や原価低減の効果を奏することができる。
以上のように、本発明に係る2次空気供給装置の制御装置は、2次空気が供給された際の触媒コンバータの温度制御に有用であり、特に、その触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側と下流側で著しい温度差が生じた場合の触媒割れの抑制に適している。
本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例1の構成を示すブロック図である。 実施例1の2次空気供給装置の制御装置の処理動作を説明するフローチャートであって、閾値Bsを用いた場合について説明するものある。 図2に示す処理動作に関するタイムチャートである。 実施例1の2次空気供給装置の制御装置の処理動作を説明するフローチャートであって、閾値Brを用いた場合について説明するものある。 図4に示す処理動作に関するタイムチャートである。 本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例2の構成を示すブロック図である。 実施例2の2次空気供給装置の制御装置における温度差推定処理を説明するフローチャートである。 閾値Bsを用いた実施例2の処理動作に関するタイムチャートである。 閾値Brを用いた実施例2の処理動作に関するタイムチャートである。 本発明に係る2次空気供給装置の制御装置の実施例3の構成を示すブロック図である。 実施例3の2次空気供給装置の制御装置における温度差推定処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
3 排気通路
4 2次空気供給装置
5 ECU
11 水温センサ
22 エアフローメータ
32 触媒コンバータ
36,37 温度センサ
41 2次空気供給管
42 2次空気供給ポンプ
43 2次空気制御弁
52 2次空気供給制御部
52a 2次空気供給制御手段
52b 温度差測定手段
52c 2次空気供給量調節手段
52d,52e 温度差推定手段

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路上に設けた触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側へ2次空気の供給を行う2次空気供給装置に対して、前記2次空気の供給又は停止の指示を行う2次空気供給装置の制御装置であって、
    前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側と下流側の温度差を測定又は推定する温度差測定手段又は温度差推定手段と、前記温度差が所定の閾値を超えている場合に、供給中の2次空気の供給停止指令又はその供給量の減少指令を前記2次空気供給装置に対して行う2次空気供給量調節手段と、を設けたことを特徴とする2次空気供給装置の制御装置。
  2. 前記温度差測定手段は、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側と下流側とに夫々設けた温度センサからの温度情報の差分を算出して前記温度差を求める機能を有することを特徴とした請求項1記載の2次空気供給装置の制御装置。
  3. 前記温度差推定手段は、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する上流側の温度を、前記内燃機関に吸入された空気量の積算値から推定する機能を有することを特徴とした請求項1記載の2次空気供給装置の制御装置。
  4. 前記温度差推定手段は、前記触媒コンバータの排気ガスの流れに対する下流側の温度を、前記内燃機関に吸入された空気の温度又は当該内燃機関の冷却水の温度から推定する機能を有することを特徴とした請求項1又は3に記載の2次空気供給装置の制御装置。
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