JP2005139412A - 複合合成樹脂組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた成形体、舗装構造体及び舗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液状合成樹脂を接着材として骨材と混合して透、排水性を有する舗装体やブロックを構造する際の、液状合成樹脂の可使用時間帯での沈下現象による点的接着現象による強度不足、骨材間空隙中への土砂や粉麈の目詰まり、骨材トッピング等を解決し、合成樹脂の接着力を最大限に活用できるようにする。
【解決手段】 液状合成樹脂を吸収させたロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維からなる補強繊維と、増粘剤とを混合した接着作用を有する複合合成樹脂組成物を骨材と混合、混練して透水性を有する舗装構造体やブロックを構成する。
【選択図】 なし
【解決手段】 液状合成樹脂を吸収させたロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維からなる補強繊維と、増粘剤とを混合した接着作用を有する複合合成樹脂組成物を骨材と混合、混練して透水性を有する舗装構造体やブロックを構成する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、接着作用を有する複合合成樹脂組成物及びその製造方法、並びにこの複合合成樹脂組成物を用いた成形体、舗装構造体及び舗装方法に関するものである。
合成樹脂には、溶剤を加えて液体として使用されるものと、粉体の状態で使用されるものとがあるが、それぞれ、特有の硬化作用がある。現在、これらの合成樹脂の物性と接着力は、多くの分野で利用され、必要不可欠となってきており、セメントやアスファルトが技術改良されるなかでも、それらに代わって合成樹脂が多く使用されるようになってきた。例えば、合成樹脂に溶剤を加えた液状合成樹脂を接着材として用い、骨材と混練して骨材間を合成樹脂で接着してなる透、排水性を有する舗装体やブロックが製造されている。
しかし、従来では、液状合成樹脂の可使用時間帯、即ち、合成樹脂が化学反応により硬化する過程、即ち、合成樹脂本剤と硬化剤との化学反応や、あるいは熱、光その他により合成樹脂の反応が始まり、合成樹脂そのものが極端に凝固し始める直前までの時間帯における沈下現象や、骨材として使用する石粉、細砂の混合の不均一性等のため、骨材が不安定な状態の舗装体やブロック体しか製造することが出来なかった。合成樹脂の使用に際しては、硬化が始まったら動かさないことが大切であり、硬化の進行中に動かした場合には、合成樹脂本来の接着力以下の接着力しか得ることができない。しかし、従来では、例えば樹脂舖装等の施工の際に、合成樹脂と骨材を混練しただけでは粘りが少ないために、転圧はおろか左官ゴテでさえ充分に圧縮して成形ができないことから、混練物全体に粘りが出る合成樹脂の硬化の進行中に無理な施工をせざるを得なかった。このため、合成樹脂本来の接着力を得ることができず、施工後の強度維持が出来ず、その結果、骨材が外れる、いわゆるトッピングを起こして、その舗装体やブロック等は長持ちしないという欠点があった。骨材の安定とは、大小様々な形状の骨材が互いに詰まり合って動かない状態を意味するものであり、この安定が舗装構造体やブロック等の強度と維持力であり、接着材の強さが唯一の条件ではない。アスファルト合材の骨材配合は、大小様々な砕石だけでなく、大きめの砂(粗砂)や細めの砂及び石粉までを混合している。即ち、車道の粗粒配合や密粒配合とよばれているのがそれである。一方、例えば、歩道に於ける目の粗いアスファルト舖装は、直径4mm〜8mm程度の砕石を中心にした開粒配合であり、粗砂、細砂、石粉等はすべて除いて施工されている。従って、アスファルトで固めた場合は、骨材間の空隙だけに透水機能を期待せざるを得ない。しかし、その結果は、逆に土砂や粉麈で目詰まりを起こし、又、強度も向上させることができず、その効果は実に期待薄という結果に終始していた。又、大地の砂漠化を改善し、生活廃熱を含む熱反射を軽減するうえにも必要であった透、排水性の舗装も、単に液状合成樹脂を接着材とした場合には、骨材間の接着が点的であったため、接着強度が不十分であるだけでなく、骨材間の空隙が大きいことから、そこへ土砂や粉麈の粒子が詰まり易く、又、舗装構造体やブロック表面の骨材が外れる、いわゆるトッピングを解消することができなかった。更に、排水機能を有する砂防ダムや擁壁を構築しようとする場合においても、目詰まりし難い構造体とすることが出来なかった。このため、土砂だけではなく水までも止めてしまい、土砂崩れに到る危険もぬぐえない。しかし、液状合成樹脂を増粘剤で増粘しただけでは、上記のような透、排水性の構造体における骨材間の点的接着現象は改善されない。
又、従来の液状合成樹脂の使用法では、透、排水性の構造体だけでなく、不透水構造体における強度も、合成樹脂自体の接着力だけの強度しか得ることが出来なかった。更に、繊維強化プラスチック(以下、FRPと略記する。)の構造体においても、構造体の強度は、補強材としてのガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維の強度に負うところが大きく、それら補強材を張り合わせる合成樹脂自体は単に補強材を支えているに過ぎない。
日本では、合成樹脂に溶剤を加えた液状合成樹脂を接着材とし、これを骨材と混合して、舖装や平板ブロック等としたものが、透、排水性や滑り止め効果を付与したり、又、景観の改善を目的として、全国的にその利用が拡大している。そして、その歴史も、早や20年を超えている。しかし、その間、技術的には何ら進捗の跡はみられないまま、今日に至っている。即ち、上記した液状合成樹脂に特有の沈下現象や、それに伴う接着の不均一、骨材の剥離(トッピング)、ローラーによる転圧作業やプレス等による充分な圧縮作業が出来ないための骨材の不安定、更には、セメント二次製品同様の量産が出来ない等の致命的欠陥の改善はもとより、FRPにおいても、その強度を従来以上に向上させ、且つ工法も現行通り、あるいは現行の工法より簡単に成形できる等の改良等は全く成されていない。
このように、従来においては、単に液状合成樹脂をそのままの状態で接着材として透、排水性を有する舗装体やブロック、あるいは擁壁、その他の構造物を構築したり、FRPを製造していたため、要求される強度を必ずしも満足することができず、又、透、排水性を有する構造体の場合には、目詰まりの問題が解消されておらず、要求される機能を必ずしも充分に備えているとはいい難い。
又、合成樹脂を素材として、PCBをはじめ、種々の有害物を容易に封じ込める、といった接着材としての使用においても、合成樹脂本来の接着力を厚膜に作用させて効果を向上させる改良も充分には果たされていない。
更に、漏水防止処理における塗料としての利用にあっても、液状合成樹脂を化学的に増粘させただけでは、一回の塗布作業で充分な効果は得られていない。
本発明の目的の第1は、上記のような、液状合成樹脂を接着材として骨材と混合して透、排水性を有する舗装体やブロックを構成する場合における、液状合成樹脂の可使用時間帯での沈下現象による点的接着現象による強度不足の問題や、骨材間空隙中への土砂や粉塵の目詰まりの問題、更には骨材トッピングの問題を解決せんとするものである。又、本発明の第2の目的は、前記の場合に、合成樹脂の接着力を最大限に活用し、石粉や細砂等の細かなものでも骨材として使用可能とすることである。更に、本発明の第3の目的は、合成樹脂により、様々な有害物質を強固に封じ込めることを可能とすることである。加えて、本発明の第4の目的は、従来よりも強度に優れたFRPを製造可能とすることである。
本発明が上記のような課題を解決しようとして採用した手段は、以下のとおりである。即ち、本発明の第1は、液状合成樹脂を吸収させたロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維からなる補強繊維と、増粘剤とを混合してなる、接着作用を有する複合合成樹脂組成物である。前記の場合、液状合成樹脂は飽和状態にまでロックウールに吸収させることが好ましい。又、前記液状合成樹脂に対する補強繊維の混合割合は、1〜30重量%の範囲、前記液状合成樹脂量に対する増粘剤の混合割合は1〜15重量%の範囲とすることが好ましい。この複合合成樹脂組成物には、液状合成樹脂の硬化剤、更には硬化促進剤を混合しておくことができる。
液状合成樹脂の好ましい例としては、ビニルエステル糸樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、熱硬化性アグリル系樹脂が挙げられる。
前記ガラス繊維は、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の溶剤に溶解しない合成樹脂により被覆されたものを用いることが好ましい。
前記増粘剤としては、例えばイソシアネート、粉体状セルロース、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。
又、本発明の第2は、合成樹脂がもつ接着性及び耐薬品性等の特徴にガラス繊維、炭素繊維、又はアルミ繊維等の無機繊維のもつ特徴と強度を、より一体化させるため、吸収力に優れ且つ粉麈化しにくいロックウールに対して、前記液状合成樹脂を吸収させた後、これにガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維を混合し、更に、その状態を安定化させ、施工又は作業に必要な粘度に調整するために必要な量の増粘剤を分割して、各5分〜10分毎に投入して増粘させることからなる複合合成樹脂組成物の製造方法である。
前記のようにロックウールに液状合成樹脂を吸収させるに際しては、前記液状合成樹脂が主剤と硬化剤とよりなる二液性の合成樹脂の場合には、前記主剤と硬化剤とを混合してロックウールに吸収させる、又は、前記主剤及び硬化剤をそれぞれロックウールに吸収させる、更には、前記主剤をロックウールに吸収させた後、硬化剤を混合する等、各種の方法を用いることができる。
更に前記複合合成樹脂組成物に対しては、硬化促進剤を混合することができる。
上記のような複合合成樹脂組成物を用いて成形体を成形することができ、この成形体には有害物質を封入することができる。
又、前記複合合成樹脂組成物と骨材とから舗装構造体を構成することができ、この舗装構造体は透水性構造体とすることができる。
更に、前記複合合成樹脂組成物に骨材を混合し、これを敷設し、転圧することで路面等を舖装することができる。
上記のように、本発明の複合合成樹脂組成物は、これを接着材として骨材と混練することで、透、排水性を有する舗装体やグレーチング、インターロッキング、平板ブロック等のブロック体の製造、あるいは、護岸、砂防ダム、プール、擁壁、その他の土木建造物の構築に用いたり、又は、有害物質により汚染された土壌の固化、PCB等の有害物質の封じ込め等に用いることができる。尚、前記グレーチングとの用語は、本来、側溝の蓋を意味するが、このほか、街路樹の根元等に施されている保護体の総称として用いられている。このグレーチングは、目詰まりがなく、水と空気だけを透過させ、土砂やゴミ等は透過させない性能が求められている。又、前記インターロッキングとの用語は、主に歩道等に施工される、レンガのような様々なブロックが組み合わされた舗装を意味し、従来は前記ブロック自体は不透水材である。本発明の複合合成樹脂組成物は、前記不透水性ブロック間に形成される目地部分に透水性を付与するか、あるいは透水性を有するブロック自体を製造するために用いられる。
以下、本発明について詳述する。本発明では、液状合成樹脂の化学的物性の利点の上に物理的手法、即ち、無機繊維の作用を併用したことで、先に述べたような、従来の技術における多くの欠陥を補う改良をなし得たのである。例えば、透、排水材を製造する際の接着材としての用途においては、骨材と骨材との接着において合成樹脂が、骨材同士が重なり合うところに澱む、いわゆる点的接着の状態では、硬化後の樹脂が固化している部分の接着力以上の力がかかれば、樹脂の部分が破壊されて骨材が剥離するのは当然である。しかし、従来のように、液状合成樹脂のみでは、それを増粘剤で増粘させても、所詮点接着の問題は解決できない。これに対し、本発明のように、液状合成樹脂をロックウールに吸収させて繊維化し、更にこれを増粘調整することで、より強度を向上させることができる。しかもこの場合には、骨材間空隙中にも繊維化された合成樹脂が存在してその空隙を超微毛細化しているため、骨材間の空隙には土砂や粉麈が詰まり得ず、水と空気だけしか透過させない構造体を得ることができる。本発明に係る複合合成樹脂組成物による骨材の接着とその維持力はこの原理によるものである。
又、従来、透、排水性の構造体(透水係数が10−2程度のもの)であっても、液状合成樹脂と混合する骨材として、構造体中の骨材の安定を高めるために、骨材中から細砂や石粉等の細かなものを除かなければならず、充分な強度の構造体では、満足な透水係数は得られない数値であった。即ち、液状合成樹脂の場合には、アスファルト合材に混入される細砂や石粉等の細かなものは、均一に混合され難いため、強度を犠牲にした中で、透、排水性のための空隙構造を優先せざるを得なかった。
本発明に係る複合合成樹脂組成物は、骨材と骨材とを接着するにあたり、接着材であるアスファルト、セメント、液状合成樹脂等が、どのような作用をしているかを追求することにより、得られたものである。従来、合成樹脂を用いた場合は、骨材と骨材との接点部分に澱む液状合成樹脂が点的に作用して接着している樹脂舗装構造体(透、排水構造体)であり、透、排水性は必然的に骨材と骨材との間に形成される空隙に頼っていた。しかし、この空隙が大きい部分が多いために、土砂や粉塵が詰まり易い。現に、擁壁ブロックに義務づけられている水抜きの穴においても、現実には半年も過ぎれば目詰まりが起こり、以後は何の役にもたっていないことが、その証拠である。液状合成樹脂を接着材として骨材と混練して製造される平板ブロックの透、排水性が広く期待されたが、現実には、やはり目詰まりしていることは周知の通りである。
又、透、排水性は、アスファルト舗装にも大いに期待されてきており、日本において、ほぼ全国的に歩道に施工された、目の粗いアスファルト舗装がそれである。しかし、現実には、二回も夏期を過ぎれば目詰まりしてしまい、期待に答えてはいない。このアスファルトの場合は、前記した液状合成樹脂を使用した透、排水材の目詰まりの原因とは、基本的には異なる。即ち、熱硬化性合成樹脂の場合は、硬化すれば熱溶融は一切ない。従って、熱硬化性合成樹脂を用いた透、排水材の目詰まりの原因は、前記のように、唯一、骨材間の空隙の中に土砂、粉麈が詰まることである。一方、アスファルトによる透、排水材の目詰まりは、骨材の配合から細砂や石粉を除いて粗目の砕石だけにしたため、必然的に形成される空隙が大きくなり、土砂や粉塵が詰まり易いうえ、前記のようにアスファルトそのものが熱溶融するため、夏期には必ず溶融して空隙中に詰まった土砂、粉麈が空隙を目詰まりさせるためである。
又、セメントを用いた透、排水性の構造体の目詰まりは、セメントが水分と化学反応して発泡固化する結果として、空隙の形状が極めて複雑で、その空隙に詰まった土砂や粉塵は流失も吸い取りもできず、これはいかんともしがたい欠陥である。
元来、接着力においては、アスファルトやセメントと比較して抜群に強い合成樹脂が、強度を維持して骨材間の空隙を確実にできないわけはなく、要は骨材間に形成される空隙を、いかに超微毛細化するかが問題であった。そこで、本発明では、無機質のロックウールを用いて液状合成樹脂を繊維化することで、骨材間の空隙を超微毛細化するとともに、その強度においても、例えば、耐圧力において、液状合成樹脂のみでは350kg/cm2のものが繊維化することで690kg/cm2になり、更に、この繊維化された合成樹脂にガラス繊維等の無機繊維を加えることで、本発明の複合合成樹脂組成物の耐圧力は1311kg/cm2にまで高められたのである。
又、本発明の複合合成樹脂組成物は、これを接着材として砕石等の骨材と混練する際には、これまで液状合成樹脂の骨材としては使用できなかった細砂や石粉等の細かなものはもとより、焼却灰やヘドロ等の微細な骨材をはじめ、廃プラスチックやセラミックス等の軽量骨材も使用できるようになり、これまでの工法を超えた製品の製造が可能となった。即ち、有害物質の封じ込めにおいても、強度に優れ、有害物質封入効果が向上したことによって、現代社会の最も重要且つ不可欠な産業廃棄物の問題にも大きな役割を果たすことができる。
元来、接着力に優れ、耐酸性、耐塩性、及び耐アルカリ性に優れた合成樹脂が、何故にアスファルトやセメントに代替出来なかったのかといえば、従来においては、単に化学の面だけで合成樹脂を改革しようとしたためである。これに対し、本発明では、合成樹脂の優れた物性の上に、無機質繊維化という物理的条件を重ねたことで、上記の目的を達成できたのである。即ち、本発明者は、有機質の合成樹脂に有機質の条件を加えても、所詮、上記のような目的を達成できるとは考えなかったのである。これは、本発明の対象基材が液状合成樹脂である以上、有機質の合成樹脂が硬化剤以外の有機物と作用して使用に支障をきたすと考えたからに他ならない。そこで、骨材に作用する接着材としての液状合成樹脂を骨材に対して繊維状に作用させることで、従来の骨材間の点的接着作用による欠点を改善できたのである。
又、液状合成樹脂を繊維化した本発明では、骨材として細砂や石粉等の細かいものを用いても、アスファルト合材同様にローラーによる転圧作業はもとより、プレス又はバイブレーション、更には油圧による成形ができるため、完璧な強度が得られるとともに、骨材間空隙中に繊維状の合成樹脂が作用して超微毛細空隙を形成する。従って、本発明は、透、排水性の構造体は細砂、石粉等を除いた開粒骨材の配合でなければならない、という従来の施工の常識を完全に打破したのである。本発明による透、排水の施工は、従来の密粒、粗粒の骨材配合のままで透水係数10−2を達成しうる。この透、排水性の構造体は、舗装面に作用する陽熱の反射を極端に抑えうるばかりでなく、自動車の走行タイヤ音を密粒配合等の従来の舗装車道と比較して5デシベル低下させる効果を有する。アスファルトだけでは強度維持ができないため、近年はアスファルトに一部液状合成樹脂を混入しての施工が進められてはいる。しかし、この場合には、多少の摩耗減少効果は認められながらも、アスファルトの熱溶融による目詰まりは避けられない。せっかく形成された透、排水のための空隙も、目詰まりをしては何の意味もない。本発明のように、液状合成樹脂を用い、アスファルト合材と同様な施工ができ、又、セメント二次製品と同様な製造を可能とする改良は、既に20年以上も前から多くの業界が求め続けてきたものであり、大手樹脂メーカーはもとより、セメントやアスファルトの業界でも、それぞれ10年以上の研究をしてきたものである。しかし、いずれも、化学的手法を以ては完成に至らなかったものである。
又、FRPについては、従来のFRPでは、例えば、船体部分や自動軍の車体の一部を金槌でたたいても破壊されないものはなかった。これに対し、本発明の複合合成樹脂組成物を用いたFRPは、金槌でたたいても破壊されない。即ち、本発明の複合合成樹脂組成物は、前記のように、骨材と混練して排、透水材や舖装用合材とするだけではなく、FRP製品を成形することもでき、本発明の複合合成樹脂組成物自体がFRPの成形原料になる。因みに、従来のFRP工法においては、布状に編まれたガラス繊維に液状合成樹脂を塗り、その上にガラス繊維を張りつけ、更に合成樹脂を塗っては、又、その上からガラス繊維を張りつけるといった作業を繰り返して積層することで製造されるが、このような従来のFRPでは、1cm2当たり2500kgの耐圧力を出すことが限界であるといわれてきた。又、液状合成樹脂を接着材として砕石等と混合して舖装構造体とした場合も、曲げ強度においては、厚さ40mmの構造体であっても、それが、透、排水構造体である限り、43〜45kg/cm2程度の耐圧力しかない。用いる合成樹脂が、最も強度の大きなエポキシ糸であってもその程度である。これに対し、同じエポキシ系の液状合成樹脂を本発明のように繊維化して砕石等の骨材と混練して透、排水性を有する構造材とした場合には、100kg/cm2という驚異的な強度を達成することができる。又、FRPの製造に用いた場合には、5000〜10000kg/cm2達成することができると推測される。又、この複合合成樹脂組成物を単に成形するだけでも、5000kg/cm2の耐圧力を達成することができると推測される。
以下、本発明の複合合成樹脂組成物の各構成成分についてそれぞれ説明する。先ず、本発明における液状合成樹脂とは、合成樹脂に溶剤を加えて混合して液体状としたものを意味する。本発明に用いられる前記合成樹脂は、熱硬化性のものが主であるが、用途によっては、熱可塑性樹脂に溶剤を加えて液体状として用いてもよい。熱硬化性の合成樹脂としては、ビニルエステル系、不飽和ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、熱硬化性アクリル系等がある。これらは、いずれも、硬化剤と反応することで硬化するものである。通常、合成樹脂の主剤と硬化剤を混合し、これを接着剤として使用したり、骨材等を混合して使用する場合、これらのタイプを二液性と呼ぶ。しかし、この二液性のものとは異なり、予め合成樹脂の主剤と硬化剤とを混合しておき、熱や圧力をかけたり、光を当てたり、あるいは空気に触れることで化学反応を起こして硬化する一液性のタイプもあり、本発明では二液性、一液性のいずれも使用することができる。液状合成樹脂を骨材と混合してから施工現場へ運搬する場合や、施工に時間がかかるといった場合には、硬化時間との関係で、一液性より二液性の合成樹脂の方が好都合ではあるが、各種ブロックの製造や、FRP成形品の製造のように、一定の条件下で開封後の合成樹脂を使い切る場合は、むしろ一液性タイプのものが便利である。尚、複合合成樹脂組成物の粘度を20万センチポアズ(以下、cpsと略記する。)以上の超高粘度とする必要がある場合には、主剤の合成樹脂のみでなく、硬化剤も、液状合成樹脂と同様にロックウールに吸収させて繊維化、増粘した状態で使用する。但し、これは、エポキシ系、ウレタン系のように、主剤としての液状合成樹脂に対して、同量、又は二分の一、三分の一程度の大量の硬化剤を必要とする場合に限られるものであり、ビニルエステル系やポリエステル系等の合成樹脂のように、主剤に対する硬化剤の使用量が1〜3重量%程度と少量の場合には、上記のように硬化剤をロックウールに吸収させて繊維化、増粘を図る必要なく、ロックウールに吸収させて繊維化した合成樹脂主剤に対して、硬化剤をそのまま添加、混合すればよい。
更に、一般常識としては、液状合成樹脂の使用に際しては、合成樹脂本剤と硬化剤とを良く混合したのちに使用することが常となっているが、本発明の複合合成樹脂組成物の場合は、繊維化された合成樹脂本剤と骨材を混練した後に、硬化剤を投入しても充分に硬化作用を得ることができる。その理由は、性格的にも敏感な合成樹脂を、繊維化の段階でその過敏な一面を抑えることで、骨材に混練された状態で散乱する合成樹脂に対しても充分に硬化剤が化学反応可能となることによる。
このように、本発明で使用される液状合成樹脂としては、液体化された合成樹脂全てを対象とすることができ、それぞれの合成樹脂が有する様々な特性と、用途に応じて、液状であるがゆえの沈下現象、薄膜にしか作用させることが出来なかった等の従来の液状合成樹脂の欠点を改良することができる。従来、液状化した合成樹脂は、液状化されているがために合成樹脂本来の接着力を厚膜で作用させることが一度の作業では不可能であり、アスファルトのような使用は全く出来なかった。このため、合成樹脂は、セメント、アスファルトに並ぶ基礎素材としての性能を有しながら、作用、施工性において欠点を指摘されてきた。耐塩性、耐酸性、耐アルカリ性等、広域にわたる耐薬性と接着力に優れた合成樹脂は、多面にわたりその作用と施工性の改良が究明され続けてきた。しかし、元来、液体や粉体での使用しか考えられていなかった合成樹脂は、その視点において、化学上の変革でセメントやアスファルトのように使用できるような改革は不可能であったことは当然といえる。これに対し、本発明では、液状合成樹脂を、一旦ロックウールに吸収させて粘度を増大させるだけで、元来、液体であったものが繊維状に作用して、従来では考えられなかった接着力、強度を得たものである。
次に、本発明で使用するロックウールについて説明する。ロックウールは、俗に岩綿と称し、すでに日本では製造、販売が中止された石綿に代わるものとして、製鉄各社で製造されている。石綿の場合には、鉄鋼石から鉄分を取り出したあとのスラグを原料として繊維化したもので、物性が非常に硬く、粉麈化しやすいうえに、肺癌の原因になることから、製造が中止された。この石綿の代替として、鉄鋼石から鉄分を取り出したあとのスラグに、中間硬度の岩石と軟質の岩石を混合して高温で溶融したものを繊維化したものが、ロックウール(岩綿)である。従って、ロックウールは軟質で、従来の石綿と比べて粉麈化し難く、液状合成樹脂に対する吸収力も優れている。又、ロックウールに関しては、肺癌の原因にはならない、との埼玉大学の研究結果も新聞に発表されている。
ロックウールに対する液状合成樹脂の吸収量について説明する。ロックウールは、水であれば、自重に対して約950重量%を吸収する。液状合成樹脂の場合は、水に比べて粘度が高く、ロックウールが飽和状態にまで液状合成樹脂を吸収したときには、ロックウールの重量のほぼ7倍の重量の液状合成樹脂が吸収される。本発明では、このロックウールに前記液状合成樹脂を吸収させて接着性を有する繊維状の合成樹脂とするのであり、ロックウールに対する液状合成樹脂の吸収量は多いほど好ましく、飽和量に対して80%以上、より好ましくは95%以上、特には飽和状態にまで吸収させることが好ましい。
更に、本発明では上記のように、ロックウールに液状合成樹脂を吸収させて繊維化したのち、更に、補強効果を有する、樹脂被覆をさせたガラス繊維、有機繊維を炭化して強化した炭素繊維、又はアルミニウムを繊維化したアルミ繊維等の無機繊維を、前記液状合成樹脂を吸収したロックウールに対してからませることで、本来なら液状合成樹脂を吸収し得ない樹脂被覆のガラス繊維や炭素繊維、又はアルミ繊維が、あたかも液状合成樹脂を吸収したかのような作用をなし、補強することができる。即ち、吸収性に優れたロックウールに、20℃において1000cps前後の液状合成樹脂を、好ましくは飽和状態にまで吸収させると、液状合成樹脂をたっぷりと吸収したロックウールは、元来マイクロサイズのロックウールの繊維が分散しやすい状態となる。つまり、液体状の合成樹脂は、この段階でロックウールに吸収されて繊維状となる。本発明では、この液状合成樹脂を吸収したロックウールに、更にガラス繊維、炭素繊維、アルミ繊維等の無機繊維を混合することで、これらの無機繊維に、液状合成樹脂をたっぷりと吸収した前記ロックウールが絡みつくように混練される。これにより、ロックウールに吸収させることで向上した耐圧力は、更に、前記無機繊維で補強することで、更に向上する。
本発明で使用される前記ガラス繊維とは、ガラスの原料である珪石を高温で溶融して繊維にしたものであり、物性的には、硬度も7(モース硬さ)前後と硬く、その繊維も粉塵化しないといえるものではない。しかし、ガラス繊維は、様々な補強材としての用途が広く、その殆どはガラス繊維を合成樹脂で被覆し、それを布状に織って製品化されている。そして、その強度は驚異的で、マイクロサイズのこの繊維が数kgの物品を持ち上げる程度の補強度を有する。ところで、本発明では、上記のようにこの金成樹脂で被覆されたガラス繊維を、更にロックウールに合成樹脂を吸収させて繊維化したものに混合するのであるが、ガラス繊維を被覆している合成樹脂が、前記ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の溶剤によって溶解するような種類のものであっては、せっかくの合成樹脂の被覆による繊維の補強効果が台無しになってしまう場合がある。したがって、本発明で使用するガラス繊維としては、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の溶剤に溶解しない合成樹脂により被覆されたものを用いることが好ましく、具体的には、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の主剤と異なる種類の合成樹脂で被覆したものを用いることが好ましい。例えば、ガラス繊維を被覆する合成樹脂としては、ポリエステル系樹脂がコストも易く一般的に用いられており、これを用いる場合には、ロックウールに吸収させる液状合成樹脂としては、ポリエステル系以外の、エポキシ系、ビニルエステル系等の樹脂を用いることが好ましい。
又、本発明で使用される炭素繊維とは、有機繊維を不活性気体中で適当な温度で熱処理し、炭化、結晶化させた繊維である。この炭素繊維も、優れた補強効果を有し、前記ガラス繊維の補強度をはるかに超えるものである。
更に、本発明で使用されるアルミ繊維とは、アルミニウムを繊維にしたものである。このアルミ繊維は、ガラス繊維や炭素繊維とは異なり、金属であるアルミニウムの特性を有する補強効果を発揮する。
これら補強繊維としての無機繊維の長さは、好ましくは5〜50mm、より好ましくは10〜40mm、特に好ましくは20〜40mm程度である。繊維の長さが5mm未満の場合には、補強効果が十分でなく、又、50mmを超えると補強効果は得られるものの、その効果にムラが生じ、作業性も悪くなる。
また、前記補強繊維の使用量としては、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の固形分に対して1〜30重量%、より好ましくは3〜10重量%、特に好ましくは5〜8重量%の範囲である。補強繊維が1重量%未満では、充分な補強効果が得られず、この複合合成樹脂組成物により成形される成形体や舗装構造体の強度が充分でない場合があり、又、30重量%を超えるとパサつきがでて粘着性がなくなり、成形体や舗装構造体の強度が低下する。
このようにして構成された複合合成樹脂組成物は、単にこの状態では物性の均一性は得られず、その効果は半減する。そこで、本発明では、前記のような液状合成樹脂を飽和状態まで吸収させたロックウールと無機繊維との混合物の物性を安定させて充分な効果を奏するよう、増粘剤により増粘させる。この増粘操作は、複合合成樹脂組成物を、求める粘度に調整するのに必要な増粘剤を一度に混入するのではなく、必要量の増粘剤を複数に分割して加えることが好ましい。即ち、増粘剤を複数に分割して加えることで、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の表面部分から増粘剤を作用させ、最終的にはロックウールの繊維一本一本における中心部に位置する一部の液状合成樹脂への増粘を抑えて作用させるのである。これは、増粘剤を液状合成樹脂に対してその内部にまで全体に均一に増粘させた場合には、わずか3000cps程度であっても、従来の液状合成樹脂と同様に、施工又は作業時の気温が10℃程度になると骨材との混合が充分にはできなくなってしまう。このようなことから、冷温下においても作業、施工を可能にするため、低粘度の液状合成樹脂を残す必要があるのである。即ち、本発明における増粘の必要性は、液状合成樹脂の繊維化した状態を安定させるためであって、これにより、見かけ粘度が20万cpsに及ぶ超高粘度であっても、加温の必要なく冷温下での使用を可能となる。
本発明で使用される前記増粘剤とは、一般に合成樹脂を溶剤と混練したものを、用途に応じて適当な粘度に調整するために用いられているものであり、ウレタン系樹脂で用いられているイソシアネート、樹脂粉末状セルロース、炭酸カルシウム等が用いられる。これらの増粘剤の内でも、前記イソシアネートは増粘効果が高く、他の増粘剤に較べて少量の使用量で目的とする粘度が得られ、また、殆どの液状樹脂に対して増粘効果を発揮しうることからより好ましい。
前記増粘剤により増粘させる樹脂組成物の粘度としては、好ましくは10000〜200000cps、より好ましくは20000〜100000cps、特に好ましくは50000〜100000cps、又、増粘剤の使用量としては、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の固形分に対して1〜15重量%、より好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは3〜4重量%の範囲である。樹脂組成物の粘度が10000cps未満であったり、増粘剤の使用量が1重量%未満では目的とする増粘効果が得られず、骨材と混練した場合の沈降を防止することが困難な場合があり、又、樹脂組成物の粘度が200000cpsを超えたり、増粘剤の量が15重量%を超えると混練が困難となる。
本発明の複合合成樹脂組成物の具体的使用方法の1例を挙げると、先ず、ロックウールに対し、好ましくは飽和状態になるまでビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル糸樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、熱硬化性アクリル系樹脂等の液状合成樹脂を吸収させ、これをほぐすため軽くミキシングした後、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維を、補強繊維として前記液状合成樹脂量に対して1重量%〜30重量%の割合で加えて良く混合する。この作業によって、液状合成樹脂を吸収したロックウールがガラス繊維等の無機繊維にからみ、液状合成樹脂と無機繊維がより一体化する。しかし、この状態では不安定である。即ち、ロックウールに液状合成樹脂を吸収させ、更に補強するために、ガラス繊維(好ましくは合成樹脂で被覆したガラス繊維)、炭素繊維、又はアルミ繊維に前記ロックウールを絡ませた状態のままでは、骨材の混練はおろか、硬化剤を混合するだけの衝撃であっても、ばらばらになって本来の効果を得ることができない場合がある。そこで、液状合成樹脂量に対して1重量%〜15重量%の増粘剤を2分割〜5分割し、最初の1回目の増粘剤の投入後、可能な限りゆるやかにミキシングを行い、その後、5分〜10分毎の間隔で2回目、3回目の増粘剤の投入を行い、次第に増粘させてゆくことが好ましい。増粘の調整が5万cps以上の場合は、増粘剤の量が多量であるため、4回目、5回目と増粘剤作業を行うが、その間隔も前回と同様に5分〜10分毎とすることが好ましい。
従来、液状合成樹脂の使用に際しては、気温15℃においてすら、その粘度が3000cps程度の合成樹脂は均一に骨材と混練することはできなかった。そこで、従来は、夏用、冬用と称して、夏用は粘度を2000cps程度に、冬用は1500cps程度に調整して合成樹脂メーカーは対応してきた。これに対し、本発明では、骨材と混練した合材の構成を安定させ、しかも低温でも骨材との混練を可能とするために、増粘剤を使用し、複合合成樹脂組成物の粘度を数万〜20数万cpsといった超高度に調整する。なお、前記の場合に、ミキシングをゆるやかに行う理由は、ロックウールが吸収した液状合成樹脂のうち、ロックウール表面部分の液状合成樹脂に対しては増粘剤を作用させる一方で、ロックウール中心部の液状合成樹脂には、増粘剤の作用を可能な限り少なくするためである。前記のように、ロックウールに液状合成樹脂を吸収させたものが、その粘度が数万〜20数万cps程度と超高粘度でありながら、冬季冷温下でも骨材との混練が容易な理由は、ロックウールに吸収させる液状合成樹脂の初期の粘度として20℃において1300cps程度を基準にしてあり、増粘調整に際しては、全体に均一の増粘は行わず、ロックウールに吸収させた合成樹脂の一部は初期の低粘度の状態を残すようにしたことにあり、低温下での施工においても、この複合合成樹脂組成物は骨材と容易に混練可能である。つまり、合成樹脂がロックウールに吸収されて繊維化されたことで、骨材と混ざり易くなり、しかも低粘度のままに残された合成樹脂の部分が、ミキサーでの混練時に作用するものと理解できる。
尚、前記液状合成樹脂が、主剤と硬化剤とからなる二液性の場合には、主剤をロックウールに吸収させて繊維化し、これを無機繊維と混合し、その構成を安定させるために、これに必要に応じて骨材を加えた後、硬化剤を添加して混練することが好ましい。
上記のような増粘調整によって、ガラス繊維等の無機繊維と、液状合成樹脂を吸収したロックウールとがより一体化し、得られる複合合成樹脂組成物を安定させることができる。この様にして得た本発明の複合合成樹脂組成物の特徴は、約20万cps程度の極めて高い粘度であっても、アスファルトと同様に石粉や細砂を含む骨材と均一に混練することが出来、又、従来のように液状合成樹脂をそのまま接着材として使用する場合のような、可使用時間帯における液状合成樹脂分の沈下現象を防止できるうえに、冷温下における作業、施工においても加熱は一切不要である、という点にある。しかも、骨材の安定を完全たらしめる転圧作業も、アスファルト合材の場合と比較して約六分の一程度でアスファルト合材と同様の安定が得られる。即ち、本発明の複合合成樹脂組成物と骨材との混練物は、アスファルトと骨材との混練物と比較して、6〜7倍の安定を得ることができる。従って、同一条件下においては、アスファルト合材の転圧後の通常骨材安定度よりはるかに高く、そのため、施工時の転圧作業においてもアスファルト合材の場合はローラーでの締め固めの回数が5〜6往復であるのに対し、本発明の複合合成樹脂組成物の場合には一往復で同様の締め固めの骨材安定を得ることができる。
そして更なる特徴は、本発明の複合合成樹脂組成物は、これを接着材として骨材と混練して得た舗装体であれ、ブロック体であれ、曲げ強度のテストで破壊した割れ目を見れば明確なように、その舗装体やブロック体は、骨材が割れて折れている。つまり、複合合成樹脂組成物部分の強度が極めて大きいということである。又、この複合合成樹脂組成物は、合成樹脂がロックウールに吸収されて繊維化されたものと、補強繊維としての無機繊維とを併用したものであるので、骨材間の接着作用が全て線状で行われ、しかも骨材間の空隙中にもガラス繊維等の無機繊維や液状合成樹脂を吸収したロックウール等の繊維状物が存在するため、超微毛細な空隙を形成する。これらの結果、従来の液状合成樹脂のみでは得られなかった強度の向上が得られ、しかも、骨材間の空隙が極めて微毛細的であるため粉麈や土砂の粒子も詰まりきれず、目詰まりしにくい排水機能を有する舗装体やブロック体とすることが出来るのである。
又、上記のように本発明の複合合成樹脂組成物は、驚異的な強度を有することから、FRP構造体の製造においても、従来の液状合成樹脂を、液状合成樹脂が繊維化された本発明の複合合成樹脂組成物に代えることにより、FRPの強度は更に倍加される。
更に、本発明の複合合成樹脂絹成物を用いて容器を成形し、この容器内にPCBを入れ密封して溶出検査を行ったところ、PCBが容器内に完全に封じ込められていた、という結果も得ている。具体的には、後記する実施例で示すように、本発明の複合合成樹脂組成物で容器を成形し、これにPCBを密封して溶出試験を行ったところ、PCBの溶出は全く検出されなかった。しかも、PCBを溶解させたn−ヘキサンの溶出も一切検出されず、更には、同じく後記の実施例で示すように、種々の有害重金属等が混入している焼却灰の場合にも、本発明の複合合成樹脂組成物を当該焼却灰と混練して9mm厚の平板を形成して固化しただけで、同様に有害物質の溶出は検出されなかった。
本発明に係る繊維化された複合合成樹脂組成物によれば、従来の液状合成樹脂の薄膜作用を完全に厚膜作用させることを得る。即ち、従来、合成樹脂を主成分とする液状のバインダーを骨材等の基材と混練しても、合成樹脂そのものが化学変化を起こして硬化が始まるまでの可使用時間帯の中で必ず沈下現象を起こして均一な接着効果が得られない、という欠点があった。これに対して、本発明の複合合成樹脂組成物は、冷温下においても骨材との混練を可能にしたばかりでなく、沈下現象を起こすことなく、均一な接着効果を得ることができる。又、透、排水性の構造体の場合、その空隙は、骨材間に生じる空隙容積を頼みとしているため、空隙容積が大きく、粉麈や土砂が詰まり易い欠点を久しく改良しきれないまま今日に至っている。これに対し、本発明の複合合成樹脂組成物の場合には、骨材間の空隙は繊維化された合成樹脂や無機繊維により超微毛細な空隙に変化しているため、粉塵や土砂の粒子も完全には詰まりきれず、水と空気のみを透過させることができるのである。又、超高粘度であるにもかかわらず加熱の必要も全くなく、常温で骨材と混合することができる。更に、主剤と硬化剤とからなる二液性の合成樹脂の場合、主剤部分をロックウールに吸収させて繊維化し、粘度を例えば10万cps程度の超高粘度としても、冷温0℃程度の低温下でも加温することなく骨材と混合でき、その後、1600cps程度の低粘度の硬化剤を投入して混合しても、硬化には何ら支障を受けない。即ち、通常、主剤と硬化剤とからなる二液性の液状合成樹脂を使用する場合には、先ず合成樹脂を主成分として溶剤に溶解した主剤と硬化剤とを良く混合したのち、骨材等と混練するなり、又は、そのまま接着剤として用いるなり、あるいは、成形素材として型に入れて硬化させる。これに対し、本発明の複合合成樹脂組成物は、バインダーとしての用途に用いる場合には、これを骨材と混練したのちに硬化材を混入して練り上げることができる。
以上のように、液状合成樹脂を繊維化し超高粘度化した本発明の複合合成樹脂組成物は、思うように厚膜の作用をさせることができる。又、この複合合成樹脂組成物で成形した容器は、PCB等の有害物質を完全に封じ込めることができる。更に、先に述べたとおり、液状合成樹脂の硬化時の耐圧力が1cm2当たり350kgである場合に、同じ樹脂を用いて本発明に基づいて繊維化し超高粘度化された複合合成樹脂組成物の硬化時の1cm2当たりの耐圧力は1311kgにまで向上した。又、本発明では、液状合成樹脂をロックウールに吸収させて繊維化したことで、石粉等が極端に液状合成樹脂を吸収することがなく、石粉や細砂等の細かいものも骨材として安定させることができる。
[実施例1、2]
下記表1に示す配合により、ロックウールにビニルエステル樹脂(リポキシAC201、昭和高分子株式会社商標)を吸収させたのち、ポリエステル樹脂被覆したガラス繊維を混合し、この混合物に対して粉体状セルロースを3分おきに5回に分けて添加混合して、本発明の複合合成樹脂組成物を得た。ここで、前記ロックウールは、鉄鋼石を高温で溶融して鉄分を取り出したあとのスラグに、硬度が中間、軟質の岩石数種を混合して更に高温で溶解した溶岩から製造された繊維を用いた。このロックウールは、該ロックウール10gに水を飽和状態にまで吸収させると約95gとなるものであり、950重量%の吸収率を有するものである。更に、ガラス繊維としては、ガラスの原料である珪石を高温で溶融した溶岩から製造したガラス繊維を、強度を向上させるためにポリエステル系樹脂で被覆したものを使用した。
下記表1に示す配合により、ロックウールにビニルエステル樹脂(リポキシAC201、昭和高分子株式会社商標)を吸収させたのち、ポリエステル樹脂被覆したガラス繊維を混合し、この混合物に対して粉体状セルロースを3分おきに5回に分けて添加混合して、本発明の複合合成樹脂組成物を得た。ここで、前記ロックウールは、鉄鋼石を高温で溶融して鉄分を取り出したあとのスラグに、硬度が中間、軟質の岩石数種を混合して更に高温で溶解した溶岩から製造された繊維を用いた。このロックウールは、該ロックウール10gに水を飽和状態にまで吸収させると約95gとなるものであり、950重量%の吸収率を有するものである。更に、ガラス繊維としては、ガラスの原料である珪石を高温で溶融した溶岩から製造したガラス繊維を、強度を向上させるためにポリエステル系樹脂で被覆したものを使用した。
次に、前記複合合成樹脂組成物に対し、下記表2に示す配合の骨材、並びに硬化剤及び硬化促進剤を、モルタルミキサー(株式会社テスコ製、容量;20L、動力;200V、攪拌羽根;フック)を用いて、下記表3に示す配合により、先ず、複合樹脂組成物に対して攪拌しながら骨材を添加して2分間攪拌した後、硬化促進剤を添加して2分間攪拌し、その後、硬化剤を添加して更に3分間練り上げる。
上記のようにして練り上げた混練物を、「JIS A 1132 コンクリートの強度試験用供試体の作り方」に準じて10×10×40cmの曲げ試験体を作成し、試験体打設2日後に脱型し、標準状態での8日気中養生試験体での曲げ試験を「JIS A 1106 コンクリートの曲げ試験方法」に準じて3等分点載荷法により行った。曲げ試験結果を表4に示す。又、上記実施例1の混練物を用いて同様にφ100×200mmの円柱状試験体を作成し、セメント・コンクリート圧縮強度試験方法に準じて強度試験を行い、その結果も表4に併記した。
(実施例3)
液状合成樹脂として、エポシキ系樹脂(二液性)を用いた。又、ロックウール及びガラス繊維は、上記実施例1、2と同様のものを用いた。
前記ロックウールに対し、粘度16000cps以下のエポキシ樹脂の本剤を飽和状態になるまで吸収させた。次に、このエポキシ樹脂を吸収したロックウールの繊維間をばらけさせるためにゆっくりとミキシングした。更に、前記エポキシ樹脂を吸収したロックウールに、合成樹脂で被覆した前記ガラス繊維を、前記エポキシ樹脂量に対して3重量%混合して、ロックウールとガラス繊維とを良くからませるようにミキシングした。次いで、このロックウールとガラス繊維との混合物を、およそ8万cpsに増粘させるために、エポキシ樹脂量に対して5重量%の炭酸カルシウムを増粘剤として、これを5分割し、その1回分を加えて10分間良くミキシングした後、2回目の増粘剤を投入して10分間ミキシングした。次いで、3回目、4回目、5回目と増粘剤を投入して同じく10分間ずつ増粘作業を行い、本発明の複合合成樹脂組成物を得た。次に、土壌1g当たりにPCB標準溶液を0.1μg添加して試料とし、この試料中のPCB含有量を求めた。この試料70gを、上記で得られた本発明の複合合成樹脂組成物に硬化剤を加えたもので図1に示すような直径100mm、高さ50mm、肉厚8mm、内径84mmの蓋付き容器を作成し、該容器中に前記試料を封入した後、前記と同じ複合合成樹脂組成物により密封接着し、下記の条件に従ってPCB溶出量を求めた。尚、用いたPCB標準溶液はn−ヘキサン溶液であり、試料の均一化を考慮し、土壌を湿潤するためn−ヘキサンを土壌10g当たり1mlの割合で添加した。
液状合成樹脂として、エポシキ系樹脂(二液性)を用いた。又、ロックウール及びガラス繊維は、上記実施例1、2と同様のものを用いた。
前記ロックウールに対し、粘度16000cps以下のエポキシ樹脂の本剤を飽和状態になるまで吸収させた。次に、このエポキシ樹脂を吸収したロックウールの繊維間をばらけさせるためにゆっくりとミキシングした。更に、前記エポキシ樹脂を吸収したロックウールに、合成樹脂で被覆した前記ガラス繊維を、前記エポキシ樹脂量に対して3重量%混合して、ロックウールとガラス繊維とを良くからませるようにミキシングした。次いで、このロックウールとガラス繊維との混合物を、およそ8万cpsに増粘させるために、エポキシ樹脂量に対して5重量%の炭酸カルシウムを増粘剤として、これを5分割し、その1回分を加えて10分間良くミキシングした後、2回目の増粘剤を投入して10分間ミキシングした。次いで、3回目、4回目、5回目と増粘剤を投入して同じく10分間ずつ増粘作業を行い、本発明の複合合成樹脂組成物を得た。次に、土壌1g当たりにPCB標準溶液を0.1μg添加して試料とし、この試料中のPCB含有量を求めた。この試料70gを、上記で得られた本発明の複合合成樹脂組成物に硬化剤を加えたもので図1に示すような直径100mm、高さ50mm、肉厚8mm、内径84mmの蓋付き容器を作成し、該容器中に前記試料を封入した後、前記と同じ複合合成樹脂組成物により密封接着し、下記の条件に従ってPCB溶出量を求めた。尚、用いたPCB標準溶液はn−ヘキサン溶液であり、試料の均一化を考慮し、土壌を湿潤するためn−ヘキサンを土壌10g当たり1mlの割合で添加した。
〔浸漬条件〕
以下の項に従い、ガラスビーカーに試料を入れ、静置による浸漬試験とした。
・浸漬溶媒:蒸留水を塩酸にてpH4.0に調整した。
・溶媒比 :試料の表面積1cm2当たりに対し、浸漬溶媒2mlとした。
・温度条件:恒温槽にて40±1℃とした。
・浸漬時間:48時間。
〔測定項目及び測定方法〕
測定項目:PCB
測定方法:JIS−K−0093(ガスクロマトグラフ法)
〔測定結果〕
・試料のPCB含有量:0.10mg/kg
・封入物からの浸漬溶出試験結果:ND(定量下限値(0.0003mg/kg)以下)
以下の項に従い、ガラスビーカーに試料を入れ、静置による浸漬試験とした。
・浸漬溶媒:蒸留水を塩酸にてpH4.0に調整した。
・溶媒比 :試料の表面積1cm2当たりに対し、浸漬溶媒2mlとした。
・温度条件:恒温槽にて40±1℃とした。
・浸漬時間:48時間。
〔測定項目及び測定方法〕
測定項目:PCB
測定方法:JIS−K−0093(ガスクロマトグラフ法)
〔測定結果〕
・試料のPCB含有量:0.10mg/kg
・封入物からの浸漬溶出試験結果:ND(定量下限値(0.0003mg/kg)以下)
〔試験結果〕
本測定に用いた浸漬溶出液量は、640mlであったことから、以下の式により溶出量を求めた。ここに、C:浸漬溶出液のPCB濃度(mg・ml)を定量下限値0.0003mg/kgとした場合、
PCB溶出量(μg)<C×640
<0.19
封入したPCB量が7μgであることから、封入試料からのPCB溶出比は3%以下である。又、クロマトグラムでは、PCB(分子量300〜600)のパターンは全く確認されず、溶出量は皆無であったといえる。
本測定に用いた浸漬溶出液量は、640mlであったことから、以下の式により溶出量を求めた。ここに、C:浸漬溶出液のPCB濃度(mg・ml)を定量下限値0.0003mg/kgとした場合、
PCB溶出量(μg)<C×640
<0.19
封入したPCB量が7μgであることから、封入試料からのPCB溶出比は3%以下である。又、クロマトグラムでは、PCB(分子量300〜600)のパターンは全く確認されず、溶出量は皆無であったといえる。
(実施例4)
前記実施例3において、PCB標準溶液の代わりに下記表5に記載のものを試料として用いた以外は実施例3と同様にして下記の項目について測定を行った。結果を表5に示す。
前記実施例3において、PCB標準溶液の代わりに下記表5に記載のものを試料として用いた以外は実施例3と同様にして下記の項目について測定を行った。結果を表5に示す。
〔測定項目及び測定方法〕
・カドミウム:JIS−K−0102−55(原子吸光光度法)
・鉛 :JIS−K−0102−54(原子吸光光度法)
・六価クロム:JIS−K−0102−65(ジフェニルチオカルバジト吸光光度法)
・砒素 :JIS−K−0102−61(ジエチルチオカルバミン酸銀吸光光度法)
・総水銀 :環境庁告示59号付表3 (原子吸光光度法)
・アルキル水銀:環境庁告示59号付表4 (ガスクロマトグラフ法)
・シアン :JIS−K−0102−38(4−ピリジンカルボン酸ピラゾロン吸光光度法)
・有機りん :環境庁告示59号付表1 (ガスクロマトグラフ法)
・PCB :JIS−K−0093 (ガスクロマトグラフ法)
・銅 :JIS−K−0102−52(原子吸光光度法)
・カドミウム:JIS−K−0102−55(原子吸光光度法)
・鉛 :JIS−K−0102−54(原子吸光光度法)
・六価クロム:JIS−K−0102−65(ジフェニルチオカルバジト吸光光度法)
・砒素 :JIS−K−0102−61(ジエチルチオカルバミン酸銀吸光光度法)
・総水銀 :環境庁告示59号付表3 (原子吸光光度法)
・アルキル水銀:環境庁告示59号付表4 (ガスクロマトグラフ法)
・シアン :JIS−K−0102−38(4−ピリジンカルボン酸ピラゾロン吸光光度法)
・有機りん :環境庁告示59号付表1 (ガスクロマトグラフ法)
・PCB :JIS−K−0093 (ガスクロマトグラフ法)
・銅 :JIS−K−0102−52(原子吸光光度法)
(実施例5)
実施例3で得られたと同じ複合合成樹脂組成物と下記表6に示す試料とを混合して100×185×9mmの平板状不透水性ブロックを形成し、実施例4と同様に溶出試験を行った。結果を表6に示す。
実施例3で得られたと同じ複合合成樹脂組成物と下記表6に示す試料とを混合して100×185×9mmの平板状不透水性ブロックを形成し、実施例4と同様に溶出試験を行った。結果を表6に示す。
(実施例6)
実施例3で得られたと同じ複合合成樹脂組成物の主剤に0mm〜10mmの骨材を、骨材に対して前記合成樹脂が7重量%となるように混合した後、主剤中の合成樹脂量の2分の1の量の硬化剤を投入して混合し、300×300×30mmの平板ブロックを成形した。この場合、骨材と混合した合材を金型に入れ、左官ゴテでその合材を押さえて成形した後、直ちに脱型した。この平板ブロックは、曲げ強度において95kg/cm2を得た。
実施例3で得られたと同じ複合合成樹脂組成物の主剤に0mm〜10mmの骨材を、骨材に対して前記合成樹脂が7重量%となるように混合した後、主剤中の合成樹脂量の2分の1の量の硬化剤を投入して混合し、300×300×30mmの平板ブロックを成形した。この場合、骨材と混合した合材を金型に入れ、左官ゴテでその合材を押さえて成形した後、直ちに脱型した。この平板ブロックは、曲げ強度において95kg/cm2を得た。
(実施例7)
不飽和ポリエステル系樹脂の1000kgを15kgのロックウールに吸収させ炭素繊維5kgを混練したのち、300gの炭酸カルシウムを増粘剤として混合して粘度が15000cpsの複合合成樹脂組成物を作成し、500mm×500mm×10mmのFRPボードを成形した。このFRPボードは、金槌でたたいても破壊することができなかった。
不飽和ポリエステル系樹脂の1000kgを15kgのロックウールに吸収させ炭素繊維5kgを混練したのち、300gの炭酸カルシウムを増粘剤として混合して粘度が15000cpsの複合合成樹脂組成物を作成し、500mm×500mm×10mmのFRPボードを成形した。このFRPボードは、金槌でたたいても破壊することができなかった。
(実施例8)
実施例7と同様にして複合合成樹脂組成物と密粒配合の砕石を混練して合材とし、骨材重量に対して6重量%の複合合成樹脂組成物を混合し、100mm×10mm×600mmのコンクリート用テストピースを手詰めにより作成し、曲げ強度試験を行った結果、108kg/cm2を得た。
実施例7と同様にして複合合成樹脂組成物と密粒配合の砕石を混練して合材とし、骨材重量に対して6重量%の複合合成樹脂組成物を混合し、100mm×10mm×600mmのコンクリート用テストピースを手詰めにより作成し、曲げ強度試験を行った結果、108kg/cm2を得た。
本発明の複合合成樹脂組成物は、これを接着材として骨材と混練することで、目詰まりし難く、維持力に優れ、熱反射も少なく、骨材のトッピングも殆どない、排水機能を有する舖装体やブロック体を構成できる。又、タイヤの摩擦音も吸収して消音性に優れた摩擦性の少ない道路を提供することができる。又、この複合合成樹脂組成物は、厚膜による作用を有することから、ダムやプール及び建造物の水漏れや雨漏れ防止用の塗料としても有効である。更に、石粉や細砂も完全に混練することができる特徴は、有害物による汚染土壌の固化をはじめ、PCB等の封じ込め、プラスチック廃材やガラス片、木片やモミ殻、ゴム片、貝殻片等多くの廃材のリサイクル等も可能とする。又、グレーチング、インターロッキング、平板ブロック等の多くのブロック製造においても、従来のセメント二次製品の製造と同様に製造することができる。更に、護岸の施工においても、セメントの様な汚染がない。又、砂防ダムの施工や擁壁の水抜きにおいても、土砂は留めるが水分は抜いてくれるという効果が得られる。
Claims (19)
- 液状合成樹脂を吸収させたロックウールと、ガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維からなる補強繊維と、増粘剤とを混合してなる複合合成樹脂組成物。
- 前記液状合成樹脂を飽和状態にまでロックウールに吸収させてなる請求項1記載の複合合成樹脂組成物。
- 前記液状合成樹脂に対して前記補強繊維を1〜30重量%の割合で混合してなる請求項1又は2記載の複合合成樹脂組成物。
- 前記液状合成樹脂量に対して前記増粘剤を1〜15重量%の割合で混合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物。
- 液状合成樹脂の硬化剤を更に混合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物。
- 硬化促進剤を更に混合してなる請求項1〜5のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物。
- 前記液状合成樹脂が、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、及び熱硬化性アクリル系樹脂の内から選択される少なくとも1種の熱硬化性樹脂である請求項1〜6のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物。
- 前記ガラス繊維が、ロックウールに吸収させた液状合成樹脂の溶剤に溶解しない合成樹脂により被覆されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物。
- 前記増粘剤が、イソシアネート、粉体状セルロース、及び炭酸カルシウムの内から選択される少なくとも1種である請求項1〜8のいずれがに記載の複合合成樹脂組成物。
- ロックウールに対して液状合成樹脂を吸収させた後、これにガラス繊維、炭素繊維、及びアルミ繊維から選択される少なくとも1種の無機繊維を補強繊維として混合し、更に、その状態を安定化させ、施工又は作業に必要な粘度に調整するために必要な量の増粘剤を、分割して各5分〜10分毎に投入して増粘させることからなる複合合成樹脂組成物の製造方法。
- 前記液状合成樹脂が主剤と硬化剤とよりなる二液性の合成樹脂であり、前記主剤と硬化剤とを混合してロックウールに吸収させてなる請求項10記載の複合合成樹脂組成物の製造方法。
- 前記液状合成樹脂が主剤と硬化剤とよりなる二液性の合成樹脂であり、前記主剤及び硬化剤をそれぞれロックウールに吸収させてなる請求項10記載の複合合成樹脂組成物の製造方法。
- 前記液状合成樹脂が主剤と硬化剤とよりなる二液性の合成樹脂であり、前記主剤をロックウールに吸収させた後、硬化剤を混合してなる請求項10記載の複合合成樹脂組成物の製造方法。
- 更に硬化促進剤を混合する請求項10〜13のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物を成形してなる複合合成樹脂成形体。
- 有害物質を封入してなる請求項15記載の成形体。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物と骨材とからなる舗装構造体。
- 透水性を有する請求項17記載の舖装構造体。
- 1〜9のいずれがに記載の複合合成樹脂組成物に骨材を混合、混練し、これを敷設し、転圧してなる舗装方法。
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2003
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