JP2005139359A - 高分子発光材料及び高分子el素子 - Google Patents

高分子発光材料及び高分子el素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗布又は印刷に好ましく用いることの出来る高分子発光材料及びそれを用いた高分子EL素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aと、2つのビニル基を有するアリール化合物B又は2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cとを重合してなることを特徴とする高分子発光材料を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子発光材料に係り、特に有機EL素子に好適に使用される高分子発光材料及びそれを用いた高分子EL素子に関する。
従来、有機発光材料を用いた発光素子、特に、有機発光材料の電界発光(EL:エレクトロルミネッセンス)を利用した有機EL素子が、自発光型の平面表示素子や平面光源として注目され、活発な研究開発が行われている。
有機EL素子は、基板上に陽極、電荷輸送層、有機発光層、及び陰極を順次積層した構造を有する。このような有機EL素子における発光現象は、次のような機構による。即ち、陽極及び陰極間に直流電圧を印加すると、陽極から正孔、陰極から電子が有機発光層に注入され、印加された電界により有機発光層内を移動し、有機発光層内で再結合して、有機発光層内の有機発光材料が励起される。励起された有機発光材料が基底状態に戻る際に、発光が生ずる。
最近、素子作成の効率化のために、有機発光層を塗布や印刷によって形成する方法が開発されるに至った(例えば、特許文献1参照)。
これに伴い、塗布や印刷による成膜、パターニングが可能な高分子発光材料の開発が求められている。
特開2003−45658号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、塗布、成膜性を決定するにおいて重要である溶媒の溶解性や、発光色の調整が可能である高分子発光材料及びそれを発光層に用いた高分子EL素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aと、2つのビニル基を有するアリール化合物B又は2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cとを重合してなることを特徴とする高分子発光材料を提供する。
かかる高分子発光材料において、アリール化合物Aとして、下記式(1)〜(6)により表わされる化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を、好ましく用いることが出来る。
Figure 2005139359
(式中、Xはハロゲン、Rは、SOAr(Arはアリール基)、SO Me(Meは金属、テトラアルキルアンモニウム、又はトリアリールアルキルアンモニウム)、SO N(R (Rはアルキル基又はアリール基)である。)
また、上に列挙したアリール化合物Aに更に、下記式(7)〜(12)により表わされる化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のアリール化合物Dを加えて重合してもよい。
Figure 2005139359
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基である。)
また、本発明は、少なくとも基板、陽極層、発光層、及び陰極層からなる有機EL素子において、前記発光層に以上説明した高分子発光材料を含むことを特徴とする高分子EL素子を提供する。
以上のように構成される本発明に係る高分子発光材料は、塗布、成膜性を決定するにおいて重要である溶媒の溶解性や発光色の調整が可能であるため、有機EL素子等の発光素子の発光材料として、好適に用いることが可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係る高分子発光材料は、2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aと、2つのビニル基を有するアリール化合物B又は2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cとを重合してなることを特徴とする。以下、モノマーであるアリール化合物A、B、Cについて説明する。
A.アリール化合物A
2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aとしては、上述した式(1)〜(6)により表わされる化合物を挙げることが出来る。この場合、ハロゲンとしては、Br、Iが好ましく、特にBrが好ましい。また、Meで示される金属としては、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属が好ましく、特にNaが好ましい。
なお、上述した式(1)〜(6)により表わされる化合物に対し、電子輸送性、正孔輸送性を改善するため、発光色を制御するため、溶媒への溶解性を向上させるため等を目的として、上述した式(7)〜(12)により表わされるアリール化合物Dを加えることが可能である。この場合、アリール化合物Dのモル数とアリール化合物Aのモル数とを合わせたモル数が、2つのビニル基を有するアリール化合物B又は2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cのモル数と同一になるようにする。
上記式(1)により表わされる化合物の具体例として、下記反応式[1]、[2]に従って得られるアリール化合物A1、及び下記反応式[4]に従って得られるアリール化合物A3があり、上記式(3)により表わされる化合物の具体例として、下記反応式[3]に従って得られるアリール化合物A2があり、上記式(5)により表わされる化合物の具体例として、下記反応式[5]に従って得られるアリール化合物A4があり、上記式(6)により表わされる化合物の具体例として、下記反応式[5]に従って得られるアリール化合物A5がある。
Figure 2005139359
Figure 2005139359
Figure 2005139359
これらのうち、アリール化合物A1、A2、A4の合成例を以下に示す。
1.アリール化合物A1の合成例
上記反応式[1]及び(2)に従って、以下のように、アリール化合物A1、即ち4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル2−(2,5−ジブロモスチリル)ベンゼンスルホネートを合成した。
(a)α−2,5−トリブロモトルエン(S1)の合成(反応式[1])
10g(40.0mmol)の2,5−ジブロモトルエン、10mlの乾燥四塩化炭素、71mg(0.4mmol)のAIBN、及び7.12g(40.0mmol)のN−ブロモスクシンイミドを100mlのシュレンク管に収容した。この混合物を窒素雰囲気で6時間、加熱還流した。常温に冷却した後、混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(100gシリカ、n−ヘキサン)に供し、7.5〜7.9g(収率57−60%)のα−2,5−トリブロモトルエン(S1)を得た。
(b)2,5−ジブロモベンジル−トリフェニルホスホニウムブロミド(S2)の合成(反応式[1])
7.50g(22.8mmol)のS1及び7.18g(27.4mmol)のトリフェニルホスフィンを還流下で2時間、100mlのTHF中で攪拌した。約4℃に1時間冷却した後、析出物を濾過し、冷THFで洗浄し、2,5−ジブロモベンジル−トリフェニルホスホニウムブロミド(S2)を得た。収率は95%であった。
(c)2−ホルミルベンゼンスルホニルクロリド(S3)の合成(反応式[2])
20.0g(96mmol)の2−ホルミルスルホン酸ナトリウム塩、80mlの塩化チオニル、及び1.0mlのDMFを10分間還流した。反応混合物を多量の氷に注いだ。水層に水を加え、400mlとした。生成物をそれぞれ200mlのジクロロメタンにより2回抽出し、併せた有機層を200mlの水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濾過した。溶媒を60℃で、最初に常圧、次いで真空中で除去した。粗生成物に400mlのn−ヘキサンを加え、混合物を常温で15分間攪拌し、濾過した。固形物をn−ヘキサンで2回洗浄し、併せたヘキサン層の溶媒を真空中で除去して、収率64−69%で、2−ホルミルベンゼンスルホニルクロリド(S3)を得た。
(d)4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル2−ホルミルベンゼンスルホネート(S4)の合成(反応式[2])
10.0g(48.5mmol)の4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノールと50mlのトリエチルアミンを、温度計、CaCl管、及び滴下漏斗を備えた300mlの三つ口丸型フラスコに収容した。固形物を溶解した後、この混合物を10℃に冷却し、50mlのジクロロメタン中に10.0g(48.9mmol)の2−ホルミルベンゼンスルホン酸クロリドを含む溶液を滴下した。この混合物を常温で6時間攪拌した。得られた反応混合物を氷に注ぎ、120mlの4NのHClを加えた。生成物をそれぞれ100mlのジクロロメタンにより2回抽出し、併せた有機層を、一回は100mlの水で、一回は飽和NaHCO溶液で(抽出後のNaHCO層のpHが5以上であるかどうかをチェックし、そうでない場合には第2の洗浄工程が必要である)、一回は再び100mlの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濾過した。溶媒を蒸発した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(150gシリカ、ヘキサン−クロロホルム5/2−1/1)に供した。生じた淡黄色の液体をゆるやかに晶出し、真空中60℃で3時間乾燥した(収率82%)。得られた生成物は、NMRにより、4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル2−ホルミルベンゼンスルホネート(S4)であることが同定された。
1H NMR(CDCl,δ/ppm):0.63(s,9H),1.30(s,6H),1.67(s,2H),6.85−6.90(m,2H),7.25−7.29(m,2H),7.64−7.69(m,1H),7.76−7.81(m,1H),7.88−7.91(m,1H),8.14−8.16(m,1H),10.765−10.767(d,1H)
(e)4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル2−(2,5−ジブロモスチリル)ベンゼンスルホネート(アリール化合物A1)の合成(反応式[2])
7.90g(13.3mmol)のS2と5.00g(13.3mmol)のS4を75mlのTHFに溶解した。1.65g(14.7mmol)のt−ブトキシルカリウムを75mlのt−ブタノールに溶解し、これを混合物に、15分間にわたって滴下した。得られた混合物を、常温で1.5時間、還流下で30分間攪拌した。
反応混合物を常温に冷却し、滴下漏斗に移し、50mlのヘキサンを加えた。この混合物をそれぞれ150mlの1/1食塩水で2回洗浄し、100mlの水で1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濾過した。溶媒を真空中で蒸発し、アリール化合物A1を得た。収率:60%
10/1のヘキサン−トルエン系から粗生成物を再結晶した。得られた生成物は、NMRにより、4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル2−(2,5−ジブロモスチリル)ベンゼンスルホネート(アリール化合物A1)であることが同定された。
1H NMR(CDCl,δ/ppm):0.66(s,9H),1.31(s,6H),1.68(s,2H),6.79−6.83(d,1H),6.96−6.99(d,2H),7.07−7.08(d,1H),7.11−7.17(m,2H),7.25−7.37(m,5H),7.40−7.43(d,1H),7.84−7.87(m,1H)。アルキレンプロトンの結合定数は、12.0Hzである。
2.アリール化合物A2の合成例
上記反応式[3]に従って、以下のように、アリール化合物A2、即ち4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−(4−(2,5−ジブロモスチリル)スチリル)ベンゼンスルホネートを合成した。
(a)4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−ビニルベンゼンスルホネート(S5)の合成
18mlのトリエチルアミン中に3.75g(18.2mmol)の4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノールを含む溶液に、18mlのジクロロメタン中に3.75g(18.5mmol)の4−ビニルベンゼンスルホニルクロリドを含む溶液を、約10℃で攪拌しつつ滴下した。この混合物を常温で5時間攪拌した。
80mlの6N−HCLをゆっくり加え、更に10mlのジクロロメタンを加えた。抽出して相分離した後、水層を60mlのジクロロメタンで抽出した。併せた有機層を80mlの6N−HClで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濾過した。溶媒を蒸発した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(150gシリカ、ヘキサン−エチルアセテート10/1)で精製した。収率:93%。
得られた生成物は、NMRにより、4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−ビニルベンゼンスルホネート(S5)であることが同定された。
1H NMR(CDCl,δ/ppm):0.66(s,9H),1.31(s,6H),1.68(s,2H),5.44−5.47(d,1H),5.86−5.91(d,1H),6.69−6.77(m,1H),6.86−6.89(m,2H),7.24−7.27(m,2H),7.45−7.48(d,2H),7.70−7.73(d,2H)。
(b)4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−(4−ホルミルスチリル)ベンゼンスルホネート(S6)の合成
5.64g(15.1mmol)のS5、2.80g(15.1mmol)の4−ブロモベンズアルデヒド、100mg(0.44mmol)の酢酸パラジウム、300g(1.0mmol)のトリ−o−トリホスフィン、及び100mlのDMFをシュレンク管に収容した。10mlのトリエチルアミンを加え、混合物を、窒素雰囲気下、100℃で20時間攪拌した。
反応混合物を、ゆるやかに攪拌しつつ、300mlのクロロホルム、300mlの水、及び15mlの濃HClの混合物に注いだ。有機層を300mlの水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して、濾過した。暗褐色の粘性液体が残るまで、真空中、40−80℃で溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、トルエン)に供した。収率:68%
得られた生成物は、NMRにより、4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−(4−ホルミルスチリル)ベンゼンスルホネート(S6)であることが同定された。
1H NMR(CDCl,δ/ppm):0.67(s,9H),1.32(s,6H),1.69(s,2H),6.88−6.91(d,2H),7.26−7.28(d,4H),7.60−7.62(d,2H),7.68−7.70(d,2H),7.76−7.78(d,2H),7.89−7.91(d,2H),10.02(s,1H)。
(c)4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−(4−(2,5−ジブロモスチリル)スチリル)ベンゼンスルホネート(アリール化合物A2)の合成(反応式[3])
S4の代わりに6.35g(13.3mmol)のS6を用いて、アリール化合物A1を合成したのと同様にして、反応を実施し、アリール化合物A2を得た。収率:89%
得られた生成物は、NMRにより、4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル4−(4−(2,5−ジブロモスチリル)スチリル)ベンゼンスルホネート(アリール化合物A2)であることが同定された。
1H NMR(CDCl,δ/ppm):0.67(s,9H),1.32(s,6H),1.69(s,2H),6.52−6.55(d,1H),6.67−6.70(d,1H),6.87−6.91(m,2H),7.02−7.57(m,13H),7.72−7.77(m,2H)。
3.アリール化合物A3の合成例
上記反応式[5]に従って、アリール化合物A3、即ち2−(2,5−ジブロモスチリル)ベンゼンスルホン酸ナトリウムを合成した。
2.00g(6.08mmol)のS1、1.95g(7.43mmol)のトリフェニルホスフィン、及び50mlの99.5%エタノールを1時間、加熱還流した。この溶液に、1.14g(5.48mmol)のホルミルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を加え、熱い状態で溶解させた。混合物を氷浴により5℃以下に冷却し、99.5%エタノールに溶解したナトリウムの溶液(0.10mol/l、61ml)を、混合物の温度が5℃以下に維持されるような速度で、滴下漏斗により滴下した。5℃で2時間、常温で6時間、攪拌を続行した。
反応混合物に5.0gのシリカを加え、真空中で溶媒を除去した。このドライシリカに10mlの水を加えた。混合物を15分間揺らし、シリカを濾過し、水で1回洗浄し、乾燥した。カラム(55gのシリカ、クロロホルム−メタノール10/1)を調製し、生成物を含むドライシリカをカラムの頂部に充填した。トリフェニルホスフィンオキシドを溶出した後、クロロホルム−メタノール4/1により生成物の溶出を行い、アリール化合物A3を得た。収率は83%であった。
B.アリール化合物B
2つのビニル基を有するアリール化合物Bとして、下記式(13)及び(14)により表わされる化合物を挙げることが出来る。
Figure 2005139359
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基である。)
アリール化合物Bの具体例として、以下の化合物を挙げることが出来る。
2,5−ジアルキル−1,4−ジビニルベンゼン
この化合物は、文献(E. Thorn-Csanyi, P. Kraxner, Macromol. Rapid. Commum. 1995, 16. 147-153; E. Thorn-Csanyi, P. Kraxner, Macromol. Chem. Phys. 1997, 198, 3827-3843)に記載の方法により合成することが出来る。
C.アリール化合物C
2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cとして、下記式(15)及び(16)により表わされる化合物を挙げることが出来る。なお、ホウ酸エステル基には、ホウ酸環状エステル基も含まれる。
Figure 2005139359
(式中、Rは、アルキル基又はアリール基、Rは、下記式により表されるホウ酸基又はホウ酸エステル基である。)
Figure 2005139359
(式中、Rはそれぞれ任意のアルキル基である。)
アリール化合物Cの具体例として、以下の化合物を挙げることが出来る。
2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジアルキルフルオレン
この化合物は、文献(E. Lim, B. J. Jung, H. K. Shim, Macromolecules 2003, 36, 4288-4293; M. Ranger, D. Rondeau, M. Leclerc, Macromolecules 1997, 30, 7686-7691)に記載の方法により合成することが出来る。
D.アリール化合物D
上記式(1)〜(6)により表されるアリール化合物Aに加えられる、上記式(7)〜(12)により表わされるアリール化合物Dの具体例として、以下の化合物を挙げることが出来る。
1,4−ジブロモ−2,5−ジアルキルベンゼン
この化合物は、文献(A.Pelter, I. Jenkins, D.E. Jones, Tetrahedron 1997, 53(30), 10357-10400; M. Rehahn, A.D. Schluter, W.J. Feast, Synthesis 1988, 386-388)に記載の方法により合成することが出来る。
2,7−ジブロモ−9,9−ジアルキルフルオレン
この化合物は、文献(E. Lim, B. J. Jung, H. K. Shim, Macromolecules 2003, 36, 4288-4293; M. Ranger, D. Rondeau, M. Leclerc, Macromolecules 1997, 30, 7686-7691)に記載の方法により合成することが出来る。
N−(4−メチルフェニル)−4,7−ジブロモカルバゾール
この化合物は、文献(J. M. Son, T. Mori, K. Ogino, H. Sano, Y. Ito, Macromolecules 1999, 32, 4849-4854)に記載の方法により合成することが出来る。
4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール
この化合物は、文献(K. Pilgram, M. Zupan, R. Skiles, J. Heterocycl. Chem. 1970, 7, 629-633)により合成することが出来る。
2,3−ジヘキシル−5,8−ジブロモキノキサリン
この化合物は、文献(T. Yaamamoto, K. Sugiayama, T. Kushida, T. Kanbara, J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 3930-3937)により合成することが出来る。
次に、以上説明したアリール化合物A、B、C、Dを用いた重合反応について説明する。
I.アリール化合物Aとアリール化合物Bとの重合反応
2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aと2つのビニル基を有するアリール化合物Bとの重合反応は、例えば、下記反応式[6]に示すように、ヘック(Heck)の反応に従って行うことが出来る。
Figure 2005139359
(式中、Xはハロゲン基、Ar及びArはアリール基、xは自然数を示す。)
II.アリール化合物Aとアリール化合物Cとの重合反応
2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aと、2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cとの重合反応は、例えば、下記反応式[7]に示すように、スズキ(Suzuki)の反応に従って行うことが出来る。
Figure 2005139359
(式中、Xはハロゲン基、Ar及びArはアルキル基、Rは上で定義したホウ酸基又はホウ酸エステル基、xは自然数を示す。)
III.アリール化合物A及びアリール化合物Dとアリール化合物B又はCとの重合反応
この反応において、アリール化合物Aのモル数をx、アリール化合物Dのモル数をy、アリール化合物B又はCのモル数をzとした場合、以下の式を満たすことが望ましい。
x+y=z
0<x
0≦y
以上説明した重合反応に従って行われたポリマーの合成例について説明する。
ポリマーの合成例1
ヘック(Heck)の反応に従い、下記式(17)により表されるポリマー1を合成した。
ウイッティッヒ−ホルナー反応によりテレフタルアルデヒドから合成された1.302g(10.00mmol)のp−ジビニルベンゼン、4.093g(8.89mmol)の1,4−ジブロモ−2,5−ジアルキルベンゼン、0.359g(0.78mmol)の2,3−ジヘキシル−5,8−ジブロモキノキサリン、0.142g(0.32mmol)のアリール化合物A3、90mg(0.4mmol)の酢酸パラジウム、243mg(0.8mmol)のトリ−o−トリルホスフィン、及び100mlのDMFを、窒素雰囲気下で、200mlのシュレンク管に収容した。10mlのトリエチルアミンを加え、混合物を窒素雰囲気下、100℃で20時間攪拌した。1.0ml(10.2mmol)の2−ブロモピリジンを加え、6時間、攪拌を続行した。攪拌しつつ、混合物をゆっくり500mlのメタノールに加えた。濾過によりポリマーを分離した。固形ポリマーをソックスレー抽出器により15時間、アセトンから抽出した。ポリマーの残りの不溶解部分を200mlのクロロホルム中で8時間攪拌し、濾過し、1000mlのメタノール中で再析出させた。濾過及び乾燥し、ポリマー1を収率78%で得た。
Figure 2005139359
(式中、xは自然数を示す。)
ポリマーの合成例2
ヘック(Heck)の反応に従い、下記式(18)により表わされるポリマー2を合成した。
1.302g(10.00mmol)のp−ジビニルベンゼン、3.070g(6.67mmol)の1,4−ジブロモ−2,5−ジアルキルベンゼン、2.019g(3.33mmol)のアリール化合物A1、90mg(0.4mmol)の酢酸パラジウム、243mg(0.8mmol)のトリ−o−トリルホスフィン、及び100mlのDMFを、窒素雰囲気下で、200mlのシュレンク管に収容した。10mlのトリエチルアミンを加え、混合物を窒素雰囲気下、100℃で20時間攪拌した。上述のポリマー1の合成と同様にして、2−ブロモピリジンによるエンドキャッピング等を行い、ポリマー2を収率65%で得た。
Figure 2005139359
(式中、x、y、zは自然数を示す。)
なお、スズキのカップリング反応により、上述した式(1)〜(6)により表わされるアリール化合物Aを重合することが出来る。例えば、上述したアリール化合物A1と、2,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジアルキルフルオレンとを、THF及び/又はトルエン、及び相転移触媒(Aliquat336)と結合したカルボナート塩基水溶液を用いて共重合することにより、ブルーの蛍光を示すオリゴマー又はポリマーを得ることが出来る。
以下、上述した合成例で作成したポリマーを用いて高分子EL素子を作成した実施例について説明する。
実施例1
上述した合成例1で作成したポリマー1を用いて、以下の手順で、図1に示す高分子EL素子を作成した。
まず、図1において、50mm×50mmのパターンにパターニングされたITO付きガラス基板1上に、下記式(19)により表わされるポリ(3,1−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下、PEDOT/PSSと略す)を、スピンコート法により0.1μmの厚さに塗布し、余分なPEDOT/PSSを拭取り、正孔輸送層2を形成した。
Figure 2005139359
(式中、m及びnは自然数を示す。)
次いで、上記式(17)により表わされるポリマー1(x=2.4、y=27.4、z=1.0)を、スピンコート法により0.1μmの厚さに塗布し、余分なポリマー1を拭取り、高分子発光層3を形成した。
次に、高分子発光層3上に真空蒸着により、0.02μmの厚さのカルシウム層と0.2μmの厚さの銀層を製膜し、陰極4を形成した。
以上のように薄膜を積層した構造上にアルミニウム容器6を被せ、光硬化接着剤7により封止した。なお、アルミニウム容器6内には、乾燥剤として酸化バリウムを収容したポリエチレンの袋5を配置した。
以上のようにして作成した高分子EL素子に5Vの電圧を印加したところ、1000cd/mの均一な発光を得ることが出来た。発光波長は550nm、色度はCIE表示でx=0.498、y=0.481mであり、黄色の発光であった。
実施例2
ポリマー1の代わりに、上述した合成例2で作成した、上記式(18)により表わされるポリマー2(x=1、y=2)を用いたことを除いて、実施例1と同様にして、高分子EL素子を作成した。
以上のようにして作成した高分子EL素子に5Vの電圧を印加したところ、1200cd/mの均一な発光を得ることが出来た。発光波長は548nm、色度はCIE表示でx=0.429、y=0.543mであり、黄緑色の発光であった。
なお、ポリマー1及びポリマー2について、それらの各特性を測定した結果を下記表1
及び表2にまとめる。即ち、下記表1は、CIEダイアグラムを示し、下記表2は吸収スペクトル及び発光スペクトルを示す。
Figure 2005139359
Figure 2005139359
上記表1及び2から、ポリマー1及びポリマー2は発光材料として優れた特性を有しており、有機EL素子の発光層に好適に用いることが出来ることがわかる。
本発明に係る有機発光材料は、有機EL素子等の発光素子の発光層に好適に適用することが可能であり、その応用範囲は広い。
本発明の一実施例に係る有機EL素子の構成を示す断面図。
符号の説明
1・・・ITO付きガラス基板、2・・・正孔輸送層、3・・・高分子発光層、4・・・陰極、5・・・酸化バリウムを収容したポリエチレン袋、6・・・アルミニウム容器、7・・・光硬化接着剤。

Claims (4)

  1. 2つのハロゲン基を有するアリール化合物Aと、2つのビニル基を有するアリール化合物B又は2つのホウ酸基若しくはホウ酸エステル基を有するアリール化合物Cとを重合してなることを特徴とする高分子発光材料。
  2. 前記アリール化合物Aは、下記式(1)〜(6)により表わされる化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の高分子発光材料。
    Figure 2005139359
    (式中、Xはハロゲン、Rは、SOAr(Arはアリール基)、SO Me(Meは金属、テトラアルキルアンモニウム、又はトリアリールアルキルアンモニウム)、SO N(R (Rはアルキル基又はアリール基)、xは自然数である。)
  3. 前記アリール化合物Aに更に、下記式(7)〜(12)により表わされる化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のアリール化合物Dを加えて重合してなることを特徴とする請求項2に記載の高分子発光材料。
    Figure 2005139359
    (式中、Rは、アルキル基又はアリール基である。)
  4. 少なくとも基板、陽極層、発光層、及び陰極層からなる有機EL素子において、前記発光層に請求項1〜3のいずれかに記載の高分子発光材料を含むことを特徴とする高分子EL素子。
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