JP2005139113A - 銀系抗菌剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な抗菌活性を備えるとともに、抗菌性を付与すべき各種マトリックスに対して良好に分散可能な抗菌剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】抗菌剤2を、コア4と、該コア4の表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩8とで構成する。この抗菌剤2によれば、難水溶性銀塩を均一にマトリックスに分布させることができ、耐久性に優れた抗菌活性と耐変色性とを備えるマトリックスを構成できる抗菌剤となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】抗菌剤2を、コア4と、該コア4の表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩8とで構成する。この抗菌剤2によれば、難水溶性銀塩を均一にマトリックスに分布させることができ、耐久性に優れた抗菌活性と耐変色性とを備えるマトリックスを構成できる抗菌剤となっている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、銀系抗菌剤及びその製造方法に関する。
近年、清潔志向の高まりに伴って、多くの分野において抗菌化が進められている。従来より、抗菌剤としては有機系抗菌剤と無機系抗菌剤とが知られている。有機系抗菌剤は毒性の高いものが多く、また、それ自体抗菌活性が良好でも揮発性や被酸化性のため抗菌活性が持続しないという問題があった。一方、無機系抗菌剤には、溶解性ガラス、銀担持ゼオライト、酸化チタンなどがあり、安全性及び抗菌活性の面において優れているとされている。しかしながら、溶解性ガラス等の溶解を伴う抗菌剤では、抗菌活性の耐久性が低い傾向があり、一方、一定以上の抗菌活性を維持するためにマトリックスへの添加量を増大させるのに必要な分散性を備えていなかった。また、銀担持ゼオライト系抗菌剤では、抗菌活性の耐久性に優れるものの外部環境により強く変色する場合があった。
ここに、銀塩を均一に酸化ジルコニウム中に分散担持させた抗菌剤や一定粒径以下に微粉化した塩化銀と塩化カリウムなどのアルカリ金属塩化物との混合物を有効成分とする銀系抗菌剤が開示されている(特許文献1、特許文献2)。前者の抗菌剤は、担体である酸化ジルコニウムの原料と銀塩の原料とを含有するスラリーから水を除去し熱処理を行うことで得られるが、得られる銀塩担持酸化ジルコニウム粉末の粒径をコントロールすることは困難であった。また、後者の抗菌剤は、混合粉末ゆえに粒径制御が困難であるとともに、抗菌成分たる塩化銀以外に大量のアルカリ金属塩化合物を伴っているという問題があった。
特開平11−228320号公報
特開2002−161012号公報
抗菌剤は、使用時にはなんらかのマトリックスに分散相として存在することが多い。たとえば、樹脂成形品に抗菌剤を練り込んで使用する場合には、プラスチックマトリックスに混合され分散される。本発明者によれば、このようにマトリックスに分散される場合には、マトリックスにおいて抗菌剤が均一に分散保持されていないと、抗菌活性が低下しやすい他、耐変色性が低下することがわかった。すわなち、十分な分散性能を有していない抗菌剤は、使用状態において抗菌活性が低下する一方変色性が増大することがわかった。
本発明は、良好な抗菌活性を備えるとともに、抗菌性を付与すべき各種マトリックスに対して良好に分散可能な抗菌剤及びその製造方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、耐久性ある抗菌活性と適用製品の外観を良好に維持できる抗菌剤及びその製造方法を提供することを、他の一つの目的とする。
本発明者は、従来抗菌性が低くしかも凝集しやすくて分散性が低い難水溶性の銀塩に着目して検討し、かかる銀塩をコアの表面に被膜状に形成することで、予想を超えて凝集が抑制されてマトリックスへの良好な分散性能を実現できることを見出し、さらに高い抗菌性能を発揮することをも見出し、本発明を完成した。
すわなち、本発明によれば以下の手段が提供される。
すわなち、本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明の抗菌剤は、
コアと、
該コアの表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩と、
を備えることによって特定される。
本発明の抗菌剤によれば、コアと該コアの表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩とを備えるため、抗菌剤自体の流動性及びマトリックスへの分散性が向上し、難水溶性銀塩を均一にマトリックスに分布させることが可能となっている。この結果、本抗菌剤は、耐久性ある抗菌活性と耐変色性とを備えるマトリックスを構成できる抗菌剤となっている。なお、ここで、マトリックスとは、抗菌剤が適用される形態に応じ各種の形態を採ることができるものであり、任意の材料で構成され、任意の三次元形状を有する成形体、被膜、フィルム、シート、液体、ペースト、ゲル、粉末等各種の状態を採りうるものである。
コアと、
該コアの表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩と、
を備えることによって特定される。
本発明の抗菌剤によれば、コアと該コアの表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩とを備えるため、抗菌剤自体の流動性及びマトリックスへの分散性が向上し、難水溶性銀塩を均一にマトリックスに分布させることが可能となっている。この結果、本抗菌剤は、耐久性ある抗菌活性と耐変色性とを備えるマトリックスを構成できる抗菌剤となっている。なお、ここで、マトリックスとは、抗菌剤が適用される形態に応じ各種の形態を採ることができるものであり、任意の材料で構成され、任意の三次元形状を有する成形体、被膜、フィルム、シート、液体、ペースト、ゲル、粉末等各種の状態を採りうるものである。
本発明の抗菌剤におけるコアは、プラスチック材料を主体とすることが好ましく、プラスチック材料としてはスチレン系ポリマー又はメタクリル酸メチル系ポリマーであることが好ましい。本発明の抗菌剤におけるコアは、平均粒径が0.1μm以上100μm以下の粒子であることが好ましく、また、粒子形状は、球状であることが好ましい。
また、前記難水溶性銀塩は、塩化銀、ヨウ化銀、及び硫酸銀からなる群から選択される1種あるいは2種以上とすることができ、好ましくは、塩化銀である。難水溶性銀塩は、前記コア1重量部に対して0.001重量部以上1.0重量部以下備えることが好ましい。
また、本発明の銀系抗菌剤は、
球状でプラスチック材料を主体とするコアと、
該コアの表面の少なくとも一部を被覆する塩化銀と、
を備える、銀系抗菌剤として特定することも可能である。
球状でプラスチック材料を主体とするコアと、
該コアの表面の少なくとも一部を被覆する塩化銀と、
を備える、銀系抗菌剤として特定することも可能である。
本発明の銀系抗菌剤の製造方法は、
銀イオンと、銀イオンと難水溶性銀塩を生成可能な対イオンと、コアと、該コアを分散可能な溶媒と、を含む難水溶性銀塩析出系を調製して、前記難水溶性銀塩を前記コア表面に析出させる工程と、
前記難水溶性銀塩を析出後の前記難水溶性銀塩析出系から溶媒を除去する工程と、
を備えている。
銀イオンと、銀イオンと難水溶性銀塩を生成可能な対イオンと、コアと、該コアを分散可能な溶媒と、を含む難水溶性銀塩析出系を調製して、前記難水溶性銀塩を前記コア表面に析出させる工程と、
前記難水溶性銀塩を析出後の前記難水溶性銀塩析出系から溶媒を除去する工程と、
を備えている。
この銀系抗菌剤の製造方法によれば、前記コアと前記コアの表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩を備える銀系抗菌剤を得ることができる。この方法においては、前記析出工程において、前記難水溶性銀塩析出系を、前記対イオンと前記コアと前記溶媒とを含む系に対して前記銀イオンを供給することにより形成することができ、さらに、前記コアはプラスチック材料を主体とすることができ、プラスチック材料はスチレン系ポリマー又はメタクリル酸メチル系ポリマーとすることが好ましい。また、前記難水溶性銀塩は、塩化銀、酢酸銀、及び炭酸銀からなる群から選択される1種あるいは2種以上とすることができ、好ましくは塩化銀とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について適宜図面を参照しながら説明する。なお、これらの図面に示される本発明の各種の形態は本発明を説明するための一例であって本発明を限定するものではない。
本発明の銀系抗菌剤の一形態を図1に示す。この抗菌剤2は、表面が難水溶性銀塩8によって被覆されたコア4を有している。
本発明におけるコアは、難水溶性銀塩をその外表面に被膜状に保持させるための担体粒子である。したがって難水溶性銀塩の被膜を備えうる表面を備えている限り中空状であっても中実状であってもよく、また、多孔質であってもよいが、好ましくは中実状である。また、コアの外形形状は、球状、薄片状、針状、不定形状等各種の形態を採ることができるが、抗菌剤調製時における溶媒分散性や溶媒との濡れ性、抗菌剤として調製された後の流動性や分散性を考慮すると球状であることが好ましい。
本発明におけるコアは、難水溶性銀塩をその外表面に被膜状に保持させるための担体粒子である。したがって難水溶性銀塩の被膜を備えうる表面を備えている限り中空状であっても中実状であってもよく、また、多孔質であってもよいが、好ましくは中実状である。また、コアの外形形状は、球状、薄片状、針状、不定形状等各種の形態を採ることができるが、抗菌剤調製時における溶媒分散性や溶媒との濡れ性、抗菌剤として調製された後の流動性や分散性を考慮すると球状であることが好ましい。
コアの平均粒径は0.1μm以上であることが好ましい。0.1μm未満であると、難水溶性銀塩で被覆したコア同士の凝集傾向が大きくなり、流動性が低下し、最終製品への分散性が低下する傾向にあるからである。好ましくは、1μm以上である。1μm以上であると1μm未満の場合と比較して、流動性の低下を十分に抑制して取り扱いやすい抗菌剤を得ることができる。また、コアの平均粒径は100μm以下であることが好ましい。100μmを超えると均一な難水溶性銀塩の被膜を形成できず、また、得られる抗菌剤の耐久性低下及び変色傾向の増大等によって最終製品の外観不良が早期に生ずる傾向にある。好ましくは50μm以下である。50μm以下であると、50μm超の場合と比較してこれらの性能の低下傾向を十分に抑制することができる。したがってコアの粒径の好ましい範囲としては0.1μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは1μm以上50μm以下とすることができる。なお、コアの平均粒径は、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法等によって測定することができ、好ましくは、レーザー回折法によって測定する。
コアの材料は特に限定しないで、抗菌剤調製時あるいは抗菌剤の適用先を考慮して公知の材料から選択して用いることができる。例えば、各種の有機材料及び無機材料を用いることができる。無機材料としては、ガラス、セラミックスの他、無機塩類などの各種無機化合物の粉末を用いることができる。有機材料としては、ゴムやプラスチックなどの高分子材料を主体とすることが好ましい。特にプラスチック材料によれば、粒径制御や密度など流動性及び分散性に関連する特性を制御することが容易であるからである。また、抗菌剤調製時に使用する溶媒に応じて適切な濡れ性や溶媒分散性を得ることのできる表面特性(疎水性及び親水性)や密度を制御するのが容易であるからである。
プラスチック材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(MABS樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、液晶ポリマー、熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は単独で、あるいは2種以上をそれぞれあるいは組み合わせてポリマーブレンドとして用いることができる。熱可塑性樹脂を主体とするコアは、抗菌剤をプラスチックマトリックスへ適用する場合にコアを溶融させてプラスチックマトリックスに複合化させることもできる。懸濁重合法が適用される熱可塑性樹脂は球状の粒子を容易に得ることができる点において好ましい。熱可塑性樹脂としては、好ましくは、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらの誘導体等を用いることができる。
なかでも、スチレン単量体ユニットからなるポリマー(ポリスチレン)あるいはスチレン単量体ユニットを有するコポリマーあるいはこれらのいずれかと他のポリマーとのポリマーブレンドを含むスチレン系ポリマーを用いることが好ましい。スチレン系ポリマーは、懸濁重合によって取得される場合には球に近い粒子形状が得られやすいともに、表面疎水性や密度の面において、抗菌剤調製時に使用する溶媒が水のときに有効である。また、スチレン系ポリマーは、水を溶媒として塩化銀などの難水溶性銀塩で被覆した抗菌剤のコアとして使用したときには、溶媒除去後に複合粒子の分離性が良好であり、解砕を省略することも可能である。これらのスチレン系ポリマーは、スチレン単量体ユニットの芳香環の1あるいは2以上の水素原子が置換基により置換されていてもよいし、また、ジビニルベンゼンなどの架橋剤を用いて架橋されていてもよい。
また、メタクリル酸メチル単量体ユニットからなるホモポリマー(ポリメタクリル酸メチル)あるいはこの単量体ユニットを有するコポリマーあるいはこれらのポリマーとのポリマーブレンドを含むメタクリル酸メチル系ポリマーを用いることも好ましい。メタクリル酸メチル系ポリマーは、懸濁重合によって取得される場合には球に近い粒子形状が得られやすい。また、粒径制御の点においても有効である。
また、例えば、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は単独で、あるいは2種以上をそれぞれあるいは組み合わせてポリマーブレンドとして用いることができる。
難水溶性銀塩は、水に難溶あるいは不溶の銀塩をいい、例えば、塩化銀、ヨウ化銀、臭化銀などのハロゲン化銀、炭酸銀、硫酸銀などの無機酸銀、酢酸銀などの有機酸銀を挙げることができる。難水溶性銀塩を実質的な抗菌成分である銀イオンの供給源として用いることで、遊離の銀イオンの溶出を抑制し、結果として適用製品における変色傾向を抑制することができる。また、好ましくは、塩化銀、ヨウ化銀、硫酸銀であり、より好ましくは塩化銀である。塩化銀は、凝集性が強く本抗菌剤への適用が有効であるとともに、水における溶解性が低いため水系から容易に析出させることができるからである。
難水溶性銀塩は、コア1重量部に対して0.001重量部以上の範囲の重量比でコア表面に付与されていることが好ましい。0.001重量部未満であると十分な抗菌性を発揮させることが困難だからである。より好ましくは0.01重量部以上である。0.01重量部以上であると0.01重量部未満である場合と比較して良好な抗菌性を得ることができる。また、難水溶性銀塩は、コア1重量部に対して1.0重量部以下であることが好ましい。1.0重量部を超えると、コア表面上において付与された難水溶性銀塩同士が凝集して抗菌剤の流動性が低下しやすくなるからである。また、変色性が顕著になるからである。より好ましくは0.1重量部以下である。0.1重量部以下であると0.1重量部を超えたときと比べて流動性の低下をよく抑制し、変色性をよく抑制できるからである。したがって、難水溶性銀塩のコアに対する好ましい重量比の範囲は、0.001重量部以上1.0重量部以下とすることができ、より好ましくは、0.01重量部以上0.1重量部以下である。
難水溶性銀塩は、コアの表面の少なくとも一部を被覆するように備えられていればよく、コアの難水溶性銀塩による被覆形態は、コアのおおよそ全表面を被覆する形態に限定するものではない。このようにコアの表面において該表面を被覆する膜状に難水溶性銀塩を備えることで、理論的には明らかではないが、難水溶性の銀塩であっても有効な抗菌活性を発揮しかつ維持することができる。さらに、かかる抗菌特性とともに銀塩において顕著である変色を有効に抑制して良好な耐変色性を実現することができる。加えて、凝集性の強い粉末であっても取り扱いに適した流動性を付与することができ、この結果、抗菌剤を適用すべきマトリックスに対して良好な分散性をもって混合される。抗菌剤の適用先のマトリックスにおいて抗菌剤が良好に分散されて抗菌成分が均一に分布される結果、高い抗菌活性を安定して維持でき、しかも耐変色性に優れる適用製品を得ることができる。さらに、本抗菌剤は、難水溶性銀塩を用いるため、耐熱性、耐水性にも優れている。
以上説明したように、本抗菌剤によれば、従来の抗菌剤に求められていた各種の特性のうち抗菌活性の他、耐変色性、流動性、耐熱性、及び耐水性のうち1種以上を備える抗菌剤を提供することができる。また、本抗菌剤によれば、特に、抗菌活性と耐変色性及び/又は流動性を備える抗菌剤を提供できる。
本抗菌剤は、そのままで使用することもできるが、従来の各種抗菌剤と同様に各種の適用先のマトリックスに分散されて製品に抗菌性を付与することができる。抗菌性製品としては、例えば、抗菌性樹脂成形品、抗菌性コート製品、抗菌性接着剤、抗菌性塗料、抗菌性繊維、抗菌性インク、トナーあるいはペースト、抗菌性エマルジョンあるいはスラリー等を挙げることができる。特に、コアとしてプラスチック材料を主体とする場合は、各種のプラスチックマトリックスに本抗菌剤を良好に分散させることができ、また、特に熱可塑性樹脂コアを軟化あるいは溶融してプラスチックマトリックスに複合化させることもできる。
次に、本発明の銀系抗菌剤の製造方法について説明する。
本発明の方法は、銀イオンと、銀イオンと難水溶性銀塩を生成可能な対イオンと、コアと、該コアを分散可能な溶媒と、を含む難水溶性銀塩析出系を調製して、前記難水溶性銀塩を前記コア表面に析出させる工程と、
前記難水溶性銀塩を析出後の前記難水溶性銀塩析出系から溶媒を除去する工程と、
を備えている。まず、析出工程について説明する。析出工程は、コアの表面に難水溶性銀塩を析出させてその表面の一部を被覆させる工程である。この析出工程では、難水溶性銀塩の構成要素である、銀イオンとその対イオンのほか、コアと、該コアを分散可能な溶媒とを備えている。
本発明の方法は、銀イオンと、銀イオンと難水溶性銀塩を生成可能な対イオンと、コアと、該コアを分散可能な溶媒と、を含む難水溶性銀塩析出系を調製して、前記難水溶性銀塩を前記コア表面に析出させる工程と、
前記難水溶性銀塩を析出後の前記難水溶性銀塩析出系から溶媒を除去する工程と、
を備えている。まず、析出工程について説明する。析出工程は、コアの表面に難水溶性銀塩を析出させてその表面の一部を被覆させる工程である。この析出工程では、難水溶性銀塩の構成要素である、銀イオンとその対イオンのほか、コアと、該コアを分散可能な溶媒とを備えている。
コアとしては、既に述べた各種形態、サイズ、及び材料のものから、本析出工程に適合するものを選択して用いることができる。特に、析出系に使用する溶媒との関係において、適切なものを選択することが好ましい。すわなち、使用溶媒における不溶性及び分散性、乾燥後における解砕性などを考慮して選択することが好ましい。
析出系を構成する溶媒は、コアを分散可能であってかつ難水溶性銀塩を析出する条件を形成可能な溶媒を用いる。用いる溶媒の種類は特に限定しないが、難水溶性銀塩を析出生成させることから、少なくとも溶媒の一部として水を用いることができる。また、適宜、コアの分散性や表面濡れ性を確保するべく適宜有機溶媒を用いることができる。例えば、コアとしてスチレン系ポリマーを用いる場合には、析出系の溶媒として、水のみとするほか、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸などの有機溶媒を水と混合して用いることができる。
析出系における銀イオンの供給体としては、単独で溶媒への溶解性を示す銀塩あるいは酸あるいは塩基の添加により溶媒への溶解性を示す銀塩を用いることができる。例えば、硝酸銀、亜硝酸銀、塩素酸銀等を用いることができる。好ましくは、硝酸銀である。なお、銀イオン供給体としての銀塩は単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
析出系における対イオンの供給体は、析出させようとする難水溶性銀塩の種類によって選択することができる。また、溶解性や溶媒のpHを考慮して適切な化合物を選択することができる。対イオンとしての塩化物イオンの供給体としては、塩酸、塩化アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属の塩化物等を用いることができる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。溶媒に水を用いる場合には、溶解性及びpHの観点から塩化ナトリウムなどの中性塩類を用いることが好ましい。なお、対イオンとしては、各種ハロゲンイオン、炭酸イオン、硫酸イオン等の無機酸イオン、酢酸等の有機酸イオン等を挙げることができる。
析出系においては、銀イオンとその対イオンとは、難水溶性銀塩の理論構成比に対応させる配合比で含めることが好ましい。こうすることで、確実に所望の難水溶性銀塩を生成及び析出させることができる。例えば塩化銀(AgCl)を析出させる場合には、銀イオンと塩化物イオンとが1:1のモル比となるようにすることが好ましい。
析出系は、析出させようとする難水溶性銀塩の種類に応じて、各種イオン供給体、溶媒、さらには液性調整成分などが選択されて調製される。例えば、塩化銀の場合には、一般に硝酸銀溶液(硝酸酸性中)に塩化物溶液を加えて析出させることができる。したがって、銀イオンあるいは塩素イオンと、コアと、溶媒とを含む系を準備しておき、ここに、塩素イオンあるいは銀イオンを添加し混合することで、両イオンが均一に分布して良好な状態で塩化銀を析出可能な析出系を調製することができる。好ましくは、対イオン(塩素イオン)とコアと溶媒とを含む系を準備しておき、この系に銀イオン(硝酸銀等)を加えることが好ましい。こうすることで、コア表面に得ようとする銀塩を確実に析出させることができる。難水溶性塩を形成する対イオンがない状態あるいは銀イオンに対して相対的に少ない状態下でコアに対して銀イオンを添加すると、コアの表面電荷特性等(特に、コアが樹脂の場合に生じやすい)によって、銀イオンが還元され難水溶性塩が析出する前に還元銀が生じて黒化しやすくなるからである。このように、銀が難水溶性銀塩を形成する前に、析出系にて還元銀のほか、コロイドや金属銀などといった安定な形態となることを避けて対イオンとの反応性を維持させるために、コアと対イオンとが予め存在する状態で銀イオンを添加することが好ましいのである。
このように予備的な系に対して銀イオンあるいは対イオンを加えて、両者を含む析出系を調製することのほか、両イオンの存在下、系の液性を調整することによって難水溶性銀塩を析出可能な析出系を調製することもできる。例えば、銀イオン(硝酸酸性中)、コアと溶媒とを含む予備的系に炭酸水素ナトリウムなどの対イオンとして炭酸イオンを供給したときには、炭酸銀は生成・析出しないが、液性を中性域とすると、炭酸銀が析出してくる。
析出系の調製時及び析出系における銀塩の析出過程においては、析出系を遮光することが好ましい。銀塩が光の照射によって分解して暗色化し、あるいは所望の銀塩が生成されないおそれがあるからである。また、析出系の調製時においては、均一な系を形成するべく系を攪拌することが好ましいが、気泡等を発生させない程度に緩やかに攪拌することが好ましい。また、コアを析出系において良好に分散させるためには、予めコアの分散性の良好な有機溶媒中にコアを分散させてスラリー状とした上で析出系溶媒に添加することが有効である。例えば、コアとしてスチレン系ポリマーを用いる場合には、エタノール、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を用いてスラリー状とすることができる。
難水溶性銀塩の析出工程を終えたら、析出した銀塩を含む析出系から溶媒を除去する。溶媒の除去方法は、溶媒の種類によって、ろ過、自然乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥(フリーズドライ)、噴霧乾燥(スプレードライ)等などを単独であるいは組み合わせて用いることができる。例えば、ろ過を行った後、加熱乾燥、送風乾燥、あるいは加熱減圧乾燥することもできる。また、凍結乾燥は、熱変性を回避できる点において有利であり、噴霧乾燥は凝集を抑制できる点において有利である。なお、溶媒除去工程においてあるいは該工程に先立って、析出系における銀イオン及び対イオン以外の成分を適当な溶媒にて洗浄しておくことが好ましい。
析出系から溶媒を除去した後は、必要に応じて解砕等を行い、本発明の抗菌剤を得ることができる。以上のプロセスによれば、コア表面に容易に難水溶性銀塩を被膜状に備えさせることができる。また、凝集性の強い難水溶性銀塩を流動化し、適用するマトリックスへの分散性、混合性に優れた抗菌剤を提供することができる。また、本方法によれば、抗菌活性に優れるとともに、耐変色性及び/又は流動性を兼ね備える抗菌剤を提供することができる。さらに、耐水性や耐熱性に優れる抗菌剤も提供することができる。
本抗菌剤は、以上説明した方法によって製造されることが好ましいが、この方法によらないで、例えば、コアに対して一般的なコーティング装置によって難水溶性銀塩をコーティングすることも可能であり、あるいは化学的機械的処理法によってコアの表面に難水溶性銀塩を付着し被覆させることもできる。
以下、本発明を具体例を挙げて説明するが、これらの具体例は本発明を説明するものであって本発明を限定するものではない。
(抗菌剤の製造)
本実施例では、表1に示す各種のコアを用い、抗菌成分として塩化銀(AgCl)を用いて試料1〜6の計6種の抗菌剤を製造した。表1には、析出系における銀イオン濃度、塩素イオン濃度、反応時間及び温度を示す。なお、いずれの試料においても、反応溶液10mlに対してコア1gを使用した。
本実施例では、表1に示す各種のコアを用い、抗菌成分として塩化銀(AgCl)を用いて試料1〜6の計6種の抗菌剤を製造した。表1には、析出系における銀イオン濃度、塩素イオン濃度、反応時間及び温度を示す。なお、いずれの試料においても、反応溶液10mlに対してコア1gを使用した。
まず、析出時において表1に示す各種の塩素イオン濃度となるように予め濃度が調整された塩化ナトリウム水溶液を調製し、所定量の塩化ナトリウム水溶液に対して所定量の各種コアを分散させた。なお、試料2及び3においては、予めエタノールに使用するコアの全量を分散させておき、この分散液の全量を塩化ナトリウム水溶液に加えて分散させた。なお、コアが別途スラリーとして添加される場合には、予め塩化ナトリウム水溶液において所定の濃度調整がされている。次いで、塩素イオンとコアとが存在する水溶液を攪拌しつつ、析出系の調製時において表1に示す銀イオン濃度となるように予め調整された硝酸銀水溶液の所定量を静かに注ぎ入れた後、反応容器を遮光した。それぞれ5時間静置して塩化銀を析出させた。5時間経過後、反応溶液をろ過し、多量の水で洗浄後、固形分を70℃〜80℃のオーブンにて乾燥させた。
反応溶液の残分(ろ液)をICP発光分光分析装置(Optima 2000DV、パーキンエルマージャパン製)にて分析して、銀イオン濃度(mg/L)を測定し、準備した反応液から析出した塩化銀量を算出するとともに、コアの重量で除してコアの重量当たりの塩化銀量を算出した。また、ろ液中の銀イオン濃度(mg/L)をもとに、塩化銀の反応率(被膜分収率)%を算出した。
また、得られた試料1〜6の各種抗菌剤について、以下の項目を評価した。
1.外観
目視にて色を確認した。
2.耐変色性
ポリプロピレン(トクヤマ製、ME440)に試料1〜6の各種抗菌剤を0.2重量%混合し混練し、その後、射出成形機にてプレート(長さ40mm×幅40mm×厚さ2mm)を作製し、これらのプレートの変色傾向を目視にて観察した。なお、プレートは、キセノンウェザー試験機で24時間光照射した。
3.抗菌性
2.耐変色性におけるのと同様の方法でプレートを作製し、これらのプレートについて、JIS Z2801:2000に基づいて大腸菌に対する抗菌効果を評価した。生菌数が検出限界以下のときを「◎」とし、抗菌活性値が2.0以上のときを「○」とし、抗菌活性値が2.0未満のときを「×」とした。
結果を表1に併せて示す。
1.外観
目視にて色を確認した。
2.耐変色性
ポリプロピレン(トクヤマ製、ME440)に試料1〜6の各種抗菌剤を0.2重量%混合し混練し、その後、射出成形機にてプレート(長さ40mm×幅40mm×厚さ2mm)を作製し、これらのプレートの変色傾向を目視にて観察した。なお、プレートは、キセノンウェザー試験機で24時間光照射した。
3.抗菌性
2.耐変色性におけるのと同様の方法でプレートを作製し、これらのプレートについて、JIS Z2801:2000に基づいて大腸菌に対する抗菌効果を評価した。生菌数が検出限界以下のときを「◎」とし、抗菌活性値が2.0以上のときを「○」とし、抗菌活性値が2.0未満のときを「×」とした。
結果を表1に併せて示す。
次に、実施例1で製造した試料5の抗菌剤を用いて、入手可能な各種抗菌剤とともに性能評価を行なった。評価項目及び評価方法について以下に示し、評価結果を表2に示す。
1.耐変色性
実施例1の耐変色性の評価の項に記載した方法と同様にして、各種抗菌剤を用いて所定のプレートを作製し光照射した。変色がないかほとんどない場合を「○」とし、変色傾向がある場合を「△」とし、顕著な変色傾向がある場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
2.耐熱性
各種抗菌剤につき、TG−GTAを用い250℃まで同一の昇温条件で加熱し、重量や分解等の大きな変化の有無を確認した。変化がないかほとんどない場合を「○」とし、やや変化した場合を「△」とし、顕著に変化した場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
3.耐水性、
各種抗菌剤につき、実施例1の耐変色性の評価の項に記載した方法で作製したプレートを、50℃の水に16時間浸漬し、浸漬前後のプレートの変色等の変化の有無を確認した。変色等の変化がないかほとんどない場合を「○」とし、やや変化した場合を「△」とし、顕著に変化した場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
4.流動性
各種抗菌剤につき、JIS R1639−4を参考に漏斗を通過するのに必要な時間を、実施例1の試料5と比較し、同等の場合を「○」とし、やや遅い場合を「△」とし、顕著に遅い場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
5.抗菌性
各種抗菌剤につき、実施例1の抗菌性の項に記載した方法で試験を行い、評価した。
1.耐変色性
実施例1の耐変色性の評価の項に記載した方法と同様にして、各種抗菌剤を用いて所定のプレートを作製し光照射した。変色がないかほとんどない場合を「○」とし、変色傾向がある場合を「△」とし、顕著な変色傾向がある場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
2.耐熱性
各種抗菌剤につき、TG−GTAを用い250℃まで同一の昇温条件で加熱し、重量や分解等の大きな変化の有無を確認した。変化がないかほとんどない場合を「○」とし、やや変化した場合を「△」とし、顕著に変化した場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
3.耐水性、
各種抗菌剤につき、実施例1の耐変色性の評価の項に記載した方法で作製したプレートを、50℃の水に16時間浸漬し、浸漬前後のプレートの変色等の変化の有無を確認した。変色等の変化がないかほとんどない場合を「○」とし、やや変化した場合を「△」とし、顕著に変化した場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
4.流動性
各種抗菌剤につき、JIS R1639−4を参考に漏斗を通過するのに必要な時間を、実施例1の試料5と比較し、同等の場合を「○」とし、やや遅い場合を「△」とし、顕著に遅い場合を「×」とした。複数サンプルを用いて評価したため、評価がばらついた場合には、例えば「△〜○」等として個別の評価の範囲で示した。
5.抗菌性
各種抗菌剤につき、実施例1の抗菌性の項に記載した方法で試験を行い、評価した。
2 抗菌剤、4 コア、8 難水溶性銀塩。
Claims (15)
- コアと、
該コアの表面の少なくとも一部を被覆する難水溶性銀塩と、
を備える、銀系抗菌剤。 - 前記コアはプラスチック材料を主体とする、請求項1に記載の銀系抗菌剤。
- 前記プラスチック材料はスチレン系ポリマー又はメタクリル酸メチル系ポリマーである、請求項2に記載の銀系抗菌剤。
- 前記コアは、平均粒径が0.1μm以上100μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の銀系抗菌剤。
- 前記コアは球状である、請求項1〜4のいずれかに記載の銀系抗菌剤。
- 前記難水溶性銀塩は、塩化銀、ヨウ化銀、及び硫酸銀からなる群から選択される1種あるいは2種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の銀系抗菌剤。
- 前記難水溶性銀塩は塩化銀である、請求項6に記載の銀系抗菌剤。
- 前記難水溶性銀塩を、前記コア1重量部に対して0.001重量部以上1.0重量部以下備える、請求項1〜7のいずれかに記載の銀系抗菌剤。
- 球状でプラスチック材料を主体とするコアと、
該コアの表面の少なくとも一部を被覆する塩化銀と、
を備える、銀系抗菌剤。 - 銀系抗菌剤の製造方法であって、
銀イオンと、銀イオンと難水溶性銀塩を生成可能な対イオンと、コアと、該コアを分散可能な溶媒と、を含む難水溶性銀塩析出系を調製して、前記難水溶性銀塩を前記コア表面に析出させる工程と、
前記難水溶性銀塩を析出後の前記難水溶性銀塩析出系から溶媒を除去する工程と、
を備える、方法。 - 前記析出工程において、前記難水溶性銀塩析出系を、前記対イオンと前記コアと前記溶媒とを含む系に対して前記銀イオンを供給することにより形成する、請求項9に記載の方法。
- 前記コアはプラスチック材料を主体とする、請求項10又は11に記載の方法。
- 前記プラスチック材料はスチレン系ポリマー又はメタクリル酸メチル系ポリマーである、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
- 前記難水溶性銀塩は、塩化銀、酢酸銀、及び炭酸銀からなる群から選択される1種あるいは2種以上である、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
- 前記難水溶性銀塩は塩化銀である、請求項14に記載の方法。
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JP2003376969A JP2005139113A (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | 銀系抗菌剤及びその製造方法 |
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GB2456407A (en) * | 2007-12-19 | 2009-07-22 | Harman Technology Ltd | Antimicrobial Polymer Compositions |
KR20170012023A (ko) * | 2015-07-23 | 2017-02-02 | 제록스 코포레이션 | 금속 이온 복합체 이오노머 수지를 포함하는 항균 수성 잉크 조성물 |
CN108641506A (zh) * | 2018-04-19 | 2018-10-12 | 苏州诺升功能高分子材料股份有限公司 | 一种基于聚四氟乙烯的复合纳米抗菌分散剂的制备方法 |
-
2003
- 2003-11-06 JP JP2003376969A patent/JP2005139113A/ja active Pending
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