JP2005137127A - モータの絶縁材料劣化検出方法およびこの方法を実施可能なモータ駆動制御装置 - Google Patents

モータの絶縁材料劣化検出方法およびこの方法を実施可能なモータ駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】格別な付加回路を用いることなく、簡便な方法により3相交流モータの各相コイル間を絶縁する絶縁材料の劣化状態を診断する。
【解決手段】3相交流モータ4の各相コイル1,2,3のうち、一相のコイル1スイッチTr1をオンにし、リレーSW1をオンにし駆動電源Vsのプラス側と接続する。他相のコイル3のスイッチTr6をオンにし、リレーSW3をオンにし駆動電源Vsのマイナス側と接続する。他のスイッチTr2〜5およびリレーSW2をオフにする。これより各相コイル1,2,3間を絶縁する絶縁材料13に駆動電源Vsの電圧を印加する。絶縁材料13が劣化している場合、絶縁材料13の漏電電流が抵抗R1を通過するので、アンプAMP1が抵抗R1の端子電圧を検出・増幅してモータコントローラ8へ出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、異なる相のコイル間を絶縁層で絶縁したモータにつき、簡易な構成により、コイルの絶縁層の劣化を検出する技術に関するものである。
電気自動車の駆動方式の一つとして、車輪の中にモータを挿入するインホイールドライブ方式が提案されている。このインホイールドライブ方式はエンジンや無段変速機などのパワーユニットを設ける必要がなく、車室内の有効利用空間が拡大することや各輪独立駆動による従来の自動車と異なる運転感覚が得られるという特徴がある。このインホイールドライブ方式を実現するためにはモータを小型化し、単位重量当たりの出力の高いモータを搭載することが必要となる。モータを小型化しつつ高出力化するには、高電圧駆動が一つの有効な手段となるが、小型モータでは絶縁距離が十分確保しにくい。そこでこのようなモータでは、絶縁抵抗の大きい樹脂などの絶縁材料でコイルの隙間を充填することが考えられる。また、このような方法を採用すると絶縁材料はコイルで発生した熱をモータコアやハウジングを介して放熱するための伝熱材としての機能も期待できるので、モータの小型化には適した方法である。
一方、このような絶縁材料には、電気自動車を長期間にわたって使用することにより機械的・熱的ストレスが加わり、劣化して絶縁性が低下する。異なる2相のコイル間の絶縁層が劣化して導通してしまうと、2相のコイルが同時に励磁されるとともにコイル1相当たりの印加電圧が減少するので、モータの出力が低下してしまう。したがって、モータの出力が顕著に低下する前に劣化を検知しなければならない。
ところで、モータの絶縁劣化を検知する方法として例えば特許文献1に記載のごとく、
モータを収納するハウジングとモータを駆動制御するインバータのマイナス側端子との間に漏電検出用抵抗を設け、この抵抗によりハウジングに生じた漏電電流を電圧に変換して、この電圧が所定電圧値に達することによって漏電を検出している。
特開平7−59257号公報
しかし、上記従来のような漏電検出方法によれば、モータのコイルからハウジングへ流れる電流は検出できるが、コイル間で漏電電流が流れても検知することはできないという問題を生ずる。さりとて、モータに本来機能以外の部品を組み込んでコイル間の漏電電流を検出する手段を新たに設けることとすれば、部品点数が増加して、コスト高になってしまうばかりか、インホイールドライブ方式用のモータを小型化することができなくなる。
本発明は、簡易な構成により、異なる2相のコイル間を絶縁する絶縁材料の絶縁劣化状態を検出することができる方法を提案することを目的とする。
この目的のため本発明によるモータの絶縁材料劣化検出方法は、請求項1に記載のごとく、
モータ駆動回路を構成する各相コイル間を絶縁材料で絶縁したモータにおいて、
前記絶縁材料の劣化を検出するに際し、
前記各相コイルへ駆動用電流を供給する駆動電源の電圧を前記絶縁材料に印加し、該絶縁材料の通電状態に基づき前記絶縁材料の劣化を検出することを特徴としたものである。
また、請求項3に記載のごとく、
モータ駆動回路を構成する各相コイル間を絶縁材料で絶縁したモータの駆動制御を、駆動電源から前記各相コイルへの駆動用電流の制御により遂行するモータ駆動制御装置において、
このモータ駆動制御装置を、前記駆動電源から各相コイルへの駆動用電流の制御が可能な通常制御状態から、前記駆動電源の電圧が前記絶縁材料に印加される絶縁材料劣化検知状態へと切り替える切り替え手段と、
該絶縁材料劣化検知状態への切り替え後における前記絶縁材料の通電状態を検出して該絶縁材料の劣化状態を検知する絶縁劣化検知手段とを具備することを特徴としたものである。
かかる請求項1に記載の本発明によれば、コイル間の漏電電流の検出が可能となり、コイル間の絶縁材料の劣化を検出することができる。したがって、絶縁材料の劣化が顕著となり、モータの出力が大きく低下する前に、絶縁劣化の前兆を検知することができる。
また請求項3に記載の本発明によれば、モータ内に新たな部品を組み込むことなく、簡易な方法によりコイルの絶縁材料の劣化を検出することが可能となり、しかも、コスト上大いに有利であって、インホイールドライブ方式用のモータの小型化を妨げることもない。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例になる絶縁材料劣化検出手段を具えたモータ回路とモータ駆動制御装置の組み合わせを模式的に示す回路構成図である。本実施例のモータ4は電気自動車あるいはハイブリッド自動車において車両駆動力の主体または補助として用いられる3相交流SRモータ(スイッチトリラクタンスモータ、別名VR(variable reluctance)モータ)である。コイル1,2,3は3相交流SRモータ4の固定子巻線を構成し、それぞれU相、V相、W相をなす。U相コイル1の一端は、オン/オフ機能を有するトランジスタ型の半導体素子Tr1を介してプラス線5と接続する。また、U相コイル1の他端は、オン/オフ機能を有するトランジスタ型の半導体素子Tr2を介してマイナス線6と接続する。同様に、V相コイル2の一端は、オン/オフ機能を有するトランジスタ型の半導体素子Tr3を介してプラス線5と接続し、V相コイル2の他端は、オン/オフ機能を有するトランジスタ型の半導体素子Tr4を介してマイナス線6と接続する。同様に、W相コイル3の一端も、オン/オフ機能を有するトランジスタ型の半導体素子Tr5を介してプラス線5と接続し、W相コイル3の他端も、オン/オフ機能を有するトランジスタ型の半導体素子Tr6を介してマイナス線6と接続する。これより、コイル1,2,3には通電可能とする。
さらに、U相コイル1の半導体素子Tr1と接続する上記一端は、ダイオードD2を介してマイナス線6と接続するとともに、U相コイル1の半導体素子Tr2と接続する上記他端は、ダイオードD1を介してプラス線5と接続する。同様に、V相コイル2の半導体素子Tr3と接続する上記一端は、ダイオードD4を介してマイナス線6と接続するとともに、V相コイル2の半導体素子Tr4と接続する上記他端は、ダイオードD3を介してプラス線5と接続する。W相コイル3の半導体素子Tr5と接続する上記一端も、ダイオードD6を介してマイナス線6と接続するとともに、W相コイル3の半導体素子Tr6と接続する上記他端も、ダイオードD5を介してプラス線5と接続する。これより、コイル1,2,3には整流機能を設ける。プラス線5とマイナス線6との間には通電波形を整えるためのコンデンサC1を介挿する。以上より、各相コイル1,2,3と、トランジスタTr1〜6およびダイオードD1〜6からなるモータ制御用インバータと、コンデンサC1は、モータ4を構成する。
プラス線5はジャンクションボックス7のリレーSW1を介して直流電源Vsの正極と接続し、マイナス線6はジャンクションボックス7のリレーSW2を介して直流電源Vsの負極と接続する。
さらに、マイナス線6と直流電源Vsの負極との間にはジャンクションボックス7のリレーSW3を、リレーSW2と並列に挿置する。リレーSW3と直流電源Vsの負極との間には、本発明の目的である漏電検出のためのコンデンサC2と、抵抗R1と、アンプAMP1を相互に並列になるよう介挿する。コイル1,2,3間を流れる漏電電流の計測のため、抵抗R1のインピーダンスは、計測のために必要な分のインピーダンスを確保する程度とする。アンプAMP1は、抵抗R1に作用する端子電圧を増幅してモータコントローラ8へ出力する。
モータコントローラ8は、力行時には、リレーSW3をオフ非接続したままリレーSW1およびSW2をオン接続するとともに、半導体素子Tr1〜Tr6のオン/オフ制御を行って、コイル1,2,3をそれぞれ独立に励磁して、モータ4を力行させる。一方、回生時にはコイル1,2,3に蓄えられたエネルギーを整流して直流電源Vsに戻す。
図2は固定子(ステータ)に6つの突極を持ち、回転子(ロータ)に4つの突極を持つ3相式の6極ステータ×4極ロータの例となるSRモータ4を示す横断面図であり一部を省略したものである。中心軸線Oにあって回転駆動する回転子9の外周には、回転子9を取り巻くように積層鋼板からなる中空円筒形状の固定子(ステータ)10を設ける。 固定子10は積層した電磁素鋼板で構成されている。固定子10の内周には、中心軸線Oに向かって突出する6箇所の突極11,11・・を中心軸線Oと平行に形成し、それぞれの突極11には図中時計回りの方向にU相、V相、W相・・・の順にコイル巻線1,2,3を巻回する。巻回されたコイル巻線1,2,3を絶縁材料12で囲繞し、隣り合う突極11,11の間に画成された溝12,12・・を絶縁材料13で充填する。これより、1つの溝12内に延在する異なった2相のコイル巻線同士は絶縁材料13によって絶縁される。力行時にはU相、V相、W相の順に各コイルに通電することでロータは半時計回りに回転する構成となっている。
次にコイル1,2,3を囲繞して漏電を防止し、放熱を促進する絶縁材料13の劣化検出手段について説明する。例えば図2左側に示した、溝12aのU相コイル1とW相コイル3との間の絶縁材料13aの劣化を検出する場合、モータコントローラ8が図示せざる駆動制御装置(ECU)から駆動指令を受けていない時をみはからってU相コイル1とW相コイル3の間に電圧を印加する。絶縁材料13aが劣化していれば、U相コイル1とW相コイル3の間に漏電が発生し、絶縁材料13aに漏電電流が流れるので、漏電この電流を検出すればよい。 具体的には、車両の起動時、つまり運転者がイグニッションをオンした時に、モータ4の力行運転に入る前に、図1中、モータコントローラ8がジャンクションボックス7内のリレーSW1、SW3をオン接続し、SW2をオフ非接続とする。次に、半導体素子Tr1とTr6をオン接続し、それ以外の半導体素子Tr2〜Tr5はオフ非接続の状態にしておく。すなわち、半導体素子Tr1をオン接続することによりU相コイル1は駆動電源Vsのプラス側電位と等しくなる。また半導体素子Tr6をオン接続することによりW相コイル3は駆動電源Vsのマイナス側電位と等しくなる。これよりU相コイル1とW相コイル3間の絶縁材料13aに駆動電源Vsの電圧を印加する。同様にして、U相コイル1とV相コイル2間の絶縁材料13や、V相コイル2とW相コイル3間の絶縁材料13についても、半導体素子Tr1〜6をオン/オフ制御して電源電圧Vsを印加する。
前記絶縁材料13aが劣化していた場合には絶縁材料13aを介して漏電電流が流れる。
絶縁材料13の劣化状態が進行すると漏電電流が大きくなるところ、本実施例では漏電電流の大きさに応じて抵抗R1の端子電圧は上昇するので、これをアンプAMP1により増幅しモータコントローラ8へ出力して劣化の状態を検知することができる。以上のような検知手順と同様にしてU相コイル1とV相コイル2間の絶縁材料13、V相コイル2とW相コイル3間の絶縁材料13の劣化検知を行う。
以上は絶縁材料13に電圧を印加中、微弱な漏電電流が流れる場合の劣化検知方法であるが、絶縁材料13に流れる電流がパルス的な場合もある。例えば絶縁材料13を構成する樹脂材料に空隙ができたとすると、一般的に空隙は樹脂部分に比べて絶縁破壊電圧が比較的低いため空隙内で部分放電が発生することがある。このような放電の電流はパルス状であり、絶縁材料13に電圧が印加された後に瞬間的にしか電流が流れない可能性が高い。このような電流を適切に計測するため、図1中のコンデンサC2によって電流を積分し、コンデンサC2の端子電圧を、アンプAMP1で増幅してモータコントローラ8に入力し、劣化の状態を検知する。
絶縁材料13の劣化が進行するほど、漏電電流が大きくなって抵抗R1の端子電圧が大きくなるため、モータコントローラ8は、アンプAMP1から得られた電圧データ履歴を、劣化状態の履歴として記憶し、力行時には、記憶した劣化状態データをモータ4の駆動制御に役立てるものとする。また、修理の際には、絶縁材料13の劣化箇所を迅速に特定し、劣化の原因を発見するのに資する。
次に上記絶縁材料の劣化状態データに基づくモータ4の駆動制御について説明する。
一般に、上記の如く絶縁材料13を流れる漏電電流が検出されても、それが微小な場合は直ちに深刻なモータ出力の低下にはつながらない場合が多い。そこでモータコントローラ8は、漏電電流が微小であり絶縁材料13の劣化状態が軽度であると判断すれば、力行時には各相コイル1,2,3に印加する電圧を低減することにより、駆動トルクを下げて、モータ4の発熱を抑えるなどモータ4への負担が少なくなるような制御方法に切り替えるものとし、しばらくの間は車両の自走を可能にする。またモータコントローラ8は、図示せざる警告灯やブザーにより警報を発して、運転者に対する通知を行って、修理を促す。
具体的には、検出した漏電電流に対し段階別のしきい値を設けることで、劣化状態に応じたモータ制御を行うものとする。つまり、劣化の初期(軽度の劣化)では各相コイル1,2,3に印加する電圧を減じ、さらに劣化が進んだ場合(重度の劣化)にはコイル1,2,3へ通電する電流値を下げて、なるべくモータ4の出力低下を先送りにしながらモータ4への負担を軽減するものとする。
なお、上記した劣化時の駆動制御(各相コイル1,2,3に印加する電圧、駆動トルク等)の具体的数値はモータ4の設計要件により決められることはいうまでもない。また、各相コイル1,2,3に印加する電圧を減じるために、半導体素子Tr1〜6のオン時間を短くして通電時間を短くする。もしくはDC/DCコンバータのような昇圧回路を具える場合は昇圧を行わない又は昇圧量を小さく設定するものとする。
以上、本発明になるモータの絶縁材料の劣化検出方法を、3相交流SRモータに用いた実施例につき説明したが、本発明になるモータの絶縁材料の劣化検出方法は、3相以外の多相モータや、その他の構造を有する多相モータのコイル間を絶縁する絶縁材料の劣化検出にも適用できること勿論である。
次に、他の実施例になる絶縁材料の劣化検出手段について説明する。
図3は他の実施例による絶縁材料の劣化検出手段を具えたモータ回路とモータ駆動制御装置の組み合わせを模式的に示す回路構成図である。図1に示した実施例と基本的には共通の回路構成を有するものの、異なる箇所について説明すると、ジャンクションボックス7内にリレーSW3、抵抗R1、コンデンサC2およびアンプAMP1からなる回路を設けずに、半導体素子Tr6と並列に電圧計VM6を設ける。
U相コイル1とW相コイル3間の絶縁劣化状態を検出する際には、モータコントローラ8が、リレーSW1およびSW2をオン接続にするとともに、半導体素子Tr1をオン接続し、半導体素子Tr6のゲートTr6gにトランジスタTr6が飽和領域に達しない程度の電流を与えて半導体素子Tr6をオン接続し、その他の半導体素子Tr2〜Tr5をオフ非接続にする。このとき、半導体素子Tr6のコレクタTr6cとエミッタTr6e間のインピーダンスは、完全にオン接続する場合よりも大きくなっているため、U相コイル1とW相コイル3間の絶縁材料13の漏電電流が半導体素子Tr6を流れる際には、漏電電流が微小であっても、半導体素子Tr6の端子電圧が大きくなる。電圧計VM6は、半導体素子Tr6の端子電圧を検出し、検出した電圧値をモータコントローラ8へ出力する。
なお、上記以外のコイル間の絶縁劣化状態を検出するために、上記と同様、半導体素子Tr2,4と並列に図示せざる電圧計をそれぞれ設ける。
更に他の実施例になる絶縁材料の劣化検出手段について、以下に説明する。
図4は更に他の実施例による絶縁材料の劣化検出手段を具えたモータ回路とモータ駆動制御装置の組み合わせを模式的に示す回路構成図である。図1に示した実施例と基本的には共通の回路構成を有するものの、異なる箇所について説明すると、プラス線5とリレーSW1間に昇圧回路14を新たに設ける。昇圧回路14は直流電源Vsの端子電圧よりも高い電圧をコイル1,2,3へ印加し、モータ4の高速回転を可能にする。
絶縁材料13の劣化状態、例えばU相コイル1とW相コイル3間の絶縁劣化状態を検出する際には、上記最初の実施例と同様にモータコントローラ8が、リレーSW1およびSW3をオン接続し、リレーSW2をオフ非接続するとともに、半導体素子Tr1,6をオン接続し、その他の半導体素子Tr2〜Tr5をオフ非接続にする。このとき、U相コイル1とW相コイル3間の絶縁材料13には昇圧回路14で昇圧された電圧が印加される。
U相コイル1とW相コイル3間の絶縁材料13からリレーSW3を経て抵抗R1またはコンデンサC2へ漏電電流が流れる際には、アンプAMP1が抵抗R1またはコンデンサC2の端子電圧を増幅し、モータコントローラ8へ出力する。
ところで上記した本実施例によれば、モータ4の3相コイル1,2,3間を絶縁する絶縁材料13の劣化を検出する際に、コントローラ8が図1に例示するように半導体素子Tr1をオン接続して、U相コイル1を駆動電源Vsのプラス線5と接続し、半導体素子Tr6をオン接続して、W相コイル3を駆動電源Vsのマイナス線6と接続して、U相コイルとW相コイル間にある絶縁材料13に駆動電源Vsの電圧を印加する。したがって、コイル1,2,3間の漏電が顕著になる前に絶縁劣化を検知することができる。
そして、ジャンクションボックス7のリレーSW1およびSW3をオン接続しつつ、リレーSW2をオフ非接続し、半導体素子Tr1およびTr6をオンにして同じ溝12a内で相互に隣り合う2相のコイルに駆動電源Vsの両極を接続し、絶縁材料13に電圧を印加することから、モータ4に本来の駆動用機能以外の部品を組み込むことなく絶縁材料13の劣化を検出することができる。したがって、簡易な構成によって、絶縁材料13の劣化状態を迅速に判断することが可能となり、新たな部品を追加することによるコストの増大を招くこともなく、インホイールドライブ方式用のモータの小型化を妨げることもない。
また本実施例では、コントローラ8が、モータ4の駆動制御を行う通常制御状態から絶縁材料13に電圧を印加する絶縁材料劣化検知状態へ切り替わることができることから、モータ4の力行運転を阻害することなく絶縁材料13の劣化を検知することができる。さらに、絶縁材料の劣化を検知するために別途のコントローラを設ける必要もなく部品点数の増加およびコストの増大を防止することができる。
また本実施例では、コンデンサC2が、漏電電流の時間積分値を検出することから、漏電電流がパルス的であっても絶縁材料13の劣化を検知することができる。
ほかにも、図3に示した実施例では、モータコントローラ8が、半導体素子Tr6のゲートTr6gへ飽和領域に達しない程度の電流を与えて、半導体素子Tr6がインピーダンスを有する状態でオンにして、U相コイル1とW相コイル間の絶縁材料13に電圧を印加し、半導体素子Tr6と並列に設けた電圧計VM6が半導体素子Tr6の端子電圧を検出することにより漏電電流を検出するため、図1中の抵抗R1、コンデンサC2およびアンプAMP1を別途設ける必要がなく、より簡易な構成を用いて絶縁材料13の劣化を検出することができる。
また、図1および図3に示した実施例では、モータ4駆動用の電源Vsの電圧を用いて、絶縁材料に電圧を印加するため、絶縁劣化検出用に電圧源を別個に設ける必要がなく、車重の増加を防止することができる。
あるいは、図4に示した実施例のように、直流電源Vsの電圧を昇圧してモータを駆動する構成であれば、モータ4駆動用の高電圧を絶縁材料13の劣化検出に流用することにより、わずかな劣化も検出が可能になる。したがって、劣化をより早期に発見することができる。
絶縁材料の劣化が進行するほど漏電電流が大きくなることに着目し、本実施例では、モータコントローラ8が検出した漏電電流値に基づいて絶縁材料13の劣化状態を判断し、劣化が軽度であれば、通常の駆動制御から、力行中のモータ4の最大出力を低減したり、各相コイル1,2,3の印加電圧を低減したりして、モータ4に負担がかからないような非常時の駆動制御に切り換わる。したがって、絶縁材料13に過大な熱ストレスがかからないようにして、絶縁劣化が進行するのを抑えつつ、しばらくの間は車両が走行をつづけることができるようになる。
さらに本実施例では、モータコントローラ8が、絶縁材料の劣化状態の履歴を記憶しておくため、修理時には、絶縁材料13の劣化箇所と劣化原因を迅速かつ容易に特定することができる。
また本実施例では、車両の起動時に劣化状態を検出するよう構成したことから、車両が完全に停止中で、回転子9が停止しており、回転子9および固定子10の消磁中に絶縁材料13に電圧を印加することができる。したがって、磁束により誘起される電流の影響を排除して漏電電流のみを精度よく検知することでき、正確に劣化状態を検知することができる。なお、劣化の検出は、運転者がアクセル開度操作を行っていない時に実行すればよいから、アクセルを離した時やブレーキをかけた時にも、劣化状態を検出し、絶縁材料13をモニターし続けることで絶縁材料13の不良を早期に発見することができる。
本発明の一実施例になる絶縁材料の劣化検出手段を具えたモータ回路とモータ駆動制御装置の組み合わせを模式的に示す回路構成図である。 同実施例になる6極ステータ×4極ロータの3相式SRモータを、回転軸直角方向に切断して示す横断面図である。 本発明の他の実施例になる絶縁材料の劣化検出手段を具えたモータ回路とモータ駆動制御装置の組み合わせを模式的に示す回路構成図である。 本発明の更に他の実施例になる絶縁材料の劣化検出手段を具えたモータ回路とモータ駆動制御装置の組み合わせを模式的に示す回路構成図である。
符号の説明
1 U相コイル
2 V相コイル
3 W相コイル
4 モータ
5 プラス線
6 マイナス線
7 ジャンクションボックス
8 モータコントローラ
9 回転子
10 固定子
11 突極
12 溝
13 絶縁材料
14 昇圧回路
SW1,SW2,SW3 リレー
Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6 トランジスタ型スイッチ
D1,D2,D3,D4,D5,D6 ダイオード
C1,C2 コンデンサ
R1 抵抗
AMP1 端子電圧検出用アンプ
Vs 駆動電源
VM6 電圧計

Claims (15)

  1. モータ駆動回路を構成する各相コイル間を絶縁材料で絶縁したモータにおいて、
    前記絶縁材料の劣化を検出するに際し、
    前記各相コイルへ駆動用電流を供給する駆動電源の電圧を前記絶縁材料に印加し、該絶縁材料の通電状態に基づき前記絶縁材料の劣化を検出することを特徴とするモータの絶縁材料劣化検出方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記各相コイルのうち、相互に隣り合う1相のコイルを前記駆動電源のプラス側と接続し、他相のコイルを前記駆動電源のマイナス側と接続することにより、前記絶縁材料に対する電圧の印加を行うことを特徴とするモータの絶縁材料劣化検出方法。
  3. モータ駆動回路を構成する各相コイル間を絶縁材料で絶縁したモータの駆動制御を、駆動電源から前記各相コイルへの駆動用電流の制御により遂行するモータ駆動制御装置において、
    このモータ駆動制御装置を、前記駆動電源から各相コイルへの駆動用電流の制御が可能な通常制御状態から、前記駆動電源の電圧が前記絶縁材料に印加される絶縁材料劣化検知状態へと切り替える切り替え手段と、
    該絶縁材料劣化検知状態への切り替え後における前記絶縁材料の通電状態を検出して該絶縁材料の劣化状態を検知する絶縁劣化検知手段とを具備することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記切り替え手段は、前記各相コイルのうち、相互に隣り合う1相のコイルを前記駆動電源のプラス側と接続し、他相のコイルを前記駆動電源のマイナス側と接続することにより、モータ駆動制御装置を、前記駆動電源の電圧が前記絶縁材料に印加される状態へと切り替えるものであることを特徴とする絶縁材料劣化検出可能なモータ駆動制御装置。
  5. 請求項3または4に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記絶縁劣化検知手段は、前記絶縁材料に流れる漏電電流の電流値、若しくは、電流の時間積分値を検出し、これら電流値またはその時間積分値を基に絶縁材料の劣化状態を検知するものであることを特徴とするモータ駆動制御装置。
  6. 前記各相コイルの一端をオン/オフスイッチを介して前記駆動電源のプラス側と接続し、他端をオン/オフスイッチを介して前記駆動電源のマイナス側と接続し、該オン/オフスイッチをオン/オフ制御することにより、前記通常制御状態でのモータ駆動制御を行うようにした、請求項3乃至5のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記切り替え手段は、前記各相コイルのうち、相互に隣り合う1相のコイルのプラス側にある前記オン/オフスイッチをオンにして前記駆動電源のプラス側と接続するとともに、他相のコイルのマイナス側にある前記オン/オフスイッチをオンにして前記駆動電源のマイナス側と接続することにより、前記絶縁材料劣化検知状態への切り替えを行うよう構成したことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  7. 請求項6に記載のモータ駆動制御装置において、前記オン/オフスイッチが半導体素子からなることを特徴とするモータ駆動制御装置。
  8. 請求項7に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記モータがSRモータを構成することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  9. 請求項7または8に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記切り替え手段は、前記半導体素子をオンにする場合に、該半導体素子のゲート端子へ飽和領域に達しない程度の電流を与えるものであり、
    前記絶縁劣化検知手段は、該半導体素子の端子電圧を検出するよう構成したことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  10. 請求項3乃至9のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記切り替え手段は、絶縁材料に印加する電圧を前記駆動電源の電圧と同じにすることを特徴とするモータ駆動制御装置。
  11. 請求項3乃至9のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記駆動電源の電圧を昇圧する昇圧手段を設け、
    前記切り替え手段は、この昇圧された電圧を絶縁材料に印加することを特徴とするモータ駆動制御装置。
  12. 請求項3乃至11のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、絶縁材料の劣化状態に応じて前記モータの最大出力を制限するよう構成したことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  13. 請求項項3乃至12のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、モータ力行中は、絶縁材料の劣化状態に応じて、前記各相コイルの印加電圧を低減するよう構成したことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  14. 請求項3乃至13のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、絶縁材料の劣化状態の履歴を記憶する絶縁材料劣化履歴記憶手段を設けたことを特徴とするモータ駆動制御装置。
  15. 請求項項3乃至14のいずれか1項に記載のモータ駆動制御装置において、
    前記絶縁劣化検知手段は、車両の起動時、アクセルを離した時、ブレーキをかけた時のいずれ1つ以上の時に作動するよう構成したことを特徴とする車両用モータ駆動制御装置。
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