JP2005137060A - 突入電流防止装置およびそれを用いる画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンデンサインプット型の負荷などのように、電源投入時に突入電流が発生する負荷へ電源供給を行うにあたって用いられる突入電流防止装置において、突入電流の発生を確実に防止しつつ、定常動作時には必要な負荷電流を充分に供給できるようにする。
【解決手段】 負荷22への電源供給ライン23にFET26などの可変インピーダンス素子から成るパワー素子を直列に介在し、制御回路25がそのパワー素子の制御端子の電流または電圧を制御することで前記突入電流の流入を抑制するにあたって、前記制御端子への電流または電圧の作成のために、制御マイコン31およびデジタル/アナログ変換回路32を使用する。そして、前記パワー素子の制御端子に印加する電流または電圧を、電源投入時には突入電流の発生を抑制することができるレベルとし、通常動作時には充分な負荷電流を供給できるレベルとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電源投入時の突入電流を防止するための装置に関し、またインターロック機能や省電力機能を有し、前記の突入電流防止装置を電源回路に搭載する画像形成装置に関する。
図3は、典型的な従来技術の突入電流防止装置1の電気的構成を示すブロック図である。この突入電流防止装置1は、画像形成装置の電源回路に搭載され、大略的に、図示しない安定化電源回路で作成された予め定められるハイレベル+B、たとえば24Vの電源電圧を負荷2へ供給する電源供給ライン3に直列に介在される駆動電圧遮断回路4と、制御回路5とを備えて構成される。
前記駆動電圧遮断回路4は、前記電源供給ライン3に直列に挿入され、ソースが前記安定化電源回路側に接続され、ドレインが前記負荷2へ接続されるpチャネルFET(電界効果トランジスタ)6と、そのゲート−ソース間に並列に挿入されるツェナダイオード7および抵抗8を備えて構成される。
一方、前記制御回路5は、制御マイコン11と、その制御マイコン11から出力される制御信号を分圧する分圧抵抗12,13と、分圧された制御信号がベースに与えられるnチャネルの制御トランジスタ14と、そのコレクタからの制御出力を前記pチャネルFET6のゲートに与える抵抗15とを備えて構成されている。
したがって、制御マイコン11が通電を指示するハイレベルの制御信号を出力すると、前記制御トランジスタ14がオンし、pチャネルFET6のゲート電圧VGが低下してゲート−ソース間電圧VGSが発生し、ソース−ドレイン間が低インピーダンスとなってドレイン電流IDが流れ、負荷2へ電源供給が行われる。そして、突入電流防止動作は、前記ゲート−ソース間に設けられているツェナダイオード7が前記ゲート−ソース間電圧VGSをツェナ電圧に維持し、これによって前記ソース−ドレイン間のインピーダンスをそのツェナ電圧に対応した一定レベルに維持することで実現され、負荷2が直流負荷16に対して、ノイズ除去や平滑用にコンデンサ17を備えるコンデンサインプット型の負荷であっても、電源投入時に発生する突入電流が一定レベルに抑制される。
また、特許文献1には、前記pチャネルFET6のゲート−ソース間に、さらにコンデンサを設け、該コンデンサが放電された状態にある初期状態(電源投入直後)では前記pチャネルFET6のゲート−ソース間電圧VGSを略0Vとして、該pチャネルFET6のインピーダンスを無限大の状態から徐々に通電を開始することが記載されている。
特公平6−81420号公報
上述の従来技術のように、pチャネルFET6のゲート電圧を、CR等で多少鈍らせたとしても、FETのスイッチングスピードは速く、突入電流を抑えきれないという問題がある。
また一般に、電界効果トランジスタのゲート−ソース間電圧VGSの変化に対して、ドレイン電流IDの変化は急峻である。素子によっても差があるが、ゲート−ソース間電圧VGSの1Vの変化に対して、ドレイン電流IDの変化量は10Aにもなる。したがって、ツェナダイオード7のツェナ電圧の選定が困難になっている。
すなわち、前記突入電流を最小にするためには前記ツェナ電圧の低いものを選定して前記ゲート−ソース間電圧VGSを低くすればよいが、ツェナダイオード7のばらつきによって、規定よりもツェナ電圧が低くなると、ドレイン電流IDを、必要な定格電流分だけ流せなくなってしまうことになる。反対に、必要な定格電流を確保するために、前記ばらつきを考慮して前記ツェナ電圧に余裕を見すぎてしまうと、前記突入電流の抑制効果が薄くなってしまう。
したがって、前記ツェナ電圧がいかにばらついたとしても、ドレイン電流IDの定格分は最低限確保する形で定数の選定を行うことが必要となり、前記ゲート−ソース間電圧VGSは高めの設定となる。このため、前記突入電流は、たとえば10〜30Aとばらついた値となり、また数値的にも大きく、効果のある突入電流の防止対策がなされていないのが実情である。
以上のことから、突入電流値が大きくばらついた場合に備えて、前記電源電圧+Bを出力する安定化電源回路の出力端に設けられ、突入電流を考慮した大容量のコンデンサ(不図示)を削除できないのが現状である。また、ロジック回路のGNDへの突入電流の回り込みによって生じる回路誤動作、リセットICの誤動作を防止するためのコンデンサに対しても、削除できないのが現状である。
本発明の目的は、突入電流の発生を確実に防止しつつ、定常動作時には必要な負荷電流を充分に供給することができる突入電流防止装置およびそれを用いる画像形成装置を提供することである。
本発明の突入電流防止装置は、負荷への電源供給ラインに直列にパワー素子を介在し、制御回路が前記パワー素子の制御端子の電流または電圧を制御することで前記負荷への突入電流の流入を抑制するようにした突入電流防止装置において、前記制御回路は、前記負荷に適応し、前記突入電流の発生を抑制することができる制御パターンの電流または電圧データを発生するデータ信号発生回路と、前記データ信号に対応した電流または電圧を発生し、前記パワー素子の制御端子に印加するデジタル/アナログ変換回路とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、コンデンサインプット型の負荷などのように、電源投入時に突入電流が発生する負荷へ電源供給を行うにあたって用いられる突入電流防止装置において、負荷への電源供給ラインにFETなどの可変インピーダンス素子から成るパワー素子を直列に介在し、制御回路がそのパワー素子の制御端子の電流または電圧(前記FETの場合は電圧)を制御することで前記突入電流の流入を抑制するにあたって、本発明では、前記制御端子への電流または電圧の作成のために、データ信号発生回路およびデジタル/アナログ変換回路を使用する。
そして前記データ信号発生回路は、前記突入電流の発生を抑制することができる制御パターンの電流または電圧データを発生し、それをデジタル/アナログ変換回路でアナログの電流または電圧に変換し、前記パワー素子の制御端子に印加する。前記突入電流の発生を抑制することができる制御パターンの電流または電圧は、たとえばコンデンサの容量と負荷の定格電流などの負荷における突入電流の発生要因に適応して決定すればよい。具体的には、たとえば、負荷へ流す電流を、電源投入時には定格電流より充分小さいレベルとし、負荷のコンデンサの充電が完了してからは前記定格電流のレベルに戻すというような2段階の制御や、前記コンデンサの充電状態の変化に追従した多段階の制御が考えられる。
したがって、前記パワー素子の制御端子の電流または電圧を適切に制御し、電源投入時における突入電流の発生を確実に防止しつつ、定常動作時には必要な負荷電流を充分に供給することができる。これによって、電源供給を行う安定化電源回路の出力端に、突入電流を考慮したコンデンサを設ける必要がなくなり、またロジック回路のGNDへの突入電流の回り込みによって生じる回路誤動作、リセットICの誤動作を防止するためのコンデンサも設ける必要がなくなり、低コスト化を図ることができる。
また、本発明の突入電流防止装置では、前記パワー素子はpチャネルFETから成り、前記デジタル/アナログ変換回路の電源を負荷への電源と共用することを特徴とする。
上記の構成によれば、pチャネルFETを用いることで、電源側にソースが接続され、負荷側にドレインが接続され、ソース電圧VSに対してゲート電圧VGが低くなることで該FETがオンする。
したがって、前記デジタル/アナログ変換回路が前記FETのゲートに印加する電圧は電源電圧よりも低くてよく、該デジタル/アナログ変換回路の電源としては、負荷への電源を共用することができ、構成を簡略化することができる。
さらにまた、本発明の画像形成装置は、前記の突入電流防止装置を、インターロックスイッチに連動して負荷への電源遮断を行う電源回路および/または省電力モード時には負荷への電源供給を制限する電源回路に用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、画像形成装置では、ジャムなどのトラブルが発生すると、その収拾のために、操作者が、高電圧が加わっていたり、高温になっていたりする内部を触れることになり、安全を確保するために負荷への電源供給を遮断するインターロックスイッチが設けられており、電源回路は、そのインターロックスイッチに連動している。また、長時間待機状態が続くと、定着ローラの温度を下げるなどの省電力モードに切換わるモード切換え機能を備えており、電源回路は、そのモード切換えに連動している。
そこで、前記の突入電流防止装置をそれらの電源回路に用いることで、頻繁に行われる電源再投入の際に、突入電流を確実に防止することができ、効果的である。
本発明の突入電流防止装置は、以上のように、コンデンサインプット型の負荷などのように、電源投入時に突入電流が発生する負荷へ電源供給を行うにあたって用いられる突入電流防止装置において、負荷への電源供給ラインにFETなどの可変インピーダンス素子から成るパワー素子を直列に介在し、制御回路がそのパワー素子の制御端子の電流または電圧を制御することで前記突入電流の流入を抑制するにあたって、データ信号発生回路が前記突入電流の発生を抑制することができる制御パターンの電流または電圧データを発生し、それをデジタル/アナログ変換回路でアナログの電流または電圧に変換し、前記パワー素子の制御端子に印加する。
それゆえ、前記パワー素子の制御端子の電流または電圧を適切に制御し、電源投入時における突入電流の発生を確実に防止しつつ、定常動作時には必要な負荷電流を充分に供給することができる。
さらにまた、本発明の画像形成装置は、前記の突入電流防止装置を、インターロックスイッチに連動して負荷への電源遮断を行う電源回路および/または省電力モード時には負荷への電源供給を制限する電源回路に用いる。
それゆえ、頻繁に行われる電源再投入の際に、突入電流を確実に防止することができ、効果的である。
図1は、本発明の実施の一形態の突入電流防止装置21の電気的構成を示すブロック図である。この突入電流防止装置21は、画像形成装置の電源回路に搭載され、大略的に、図示しない安定化電源回路で作成された予め定められるハイレベル+B、たとえば24Vの電源電圧を負荷22へ供給する電源供給ライン23に直列に介在される駆動電圧遮断回路24と、制御回路25とを備えて構成される。
前記駆動電圧遮断回路24は、前記電源供給ライン23に直列に挿入され、ソースが前記安定化電源回路側に接続され、ドレインが前記負荷22へ接続されるpチャネルFET(電界効果トランジスタ)26と、そのゲート−ソース間に挿入され、非動作時にゲート電圧をソース電圧に固定することで発振などを抑制し、動作を安定させるための抵抗27とを備えて構成される。
一方、前記制御回路25は、制御マイコン31と、その制御マイコン31から出力される制御データを電圧信号に変換し、前記pチャネルFET26のゲートに与えるデジタル/アナログ変換回路32とを備えて構成されている。前記負荷22は、直流負荷33に対して、ノイズ除去や平滑用にコンデンサ34を備えるコンデンサインプット型の負荷である。
上述のように構成される突入電流防止装置21において、制御マイコン31が出力した前記制御データに対応して、デジタル/アナログ変換回路32はアナログ制御電圧を前記pチャネルFET26のゲートに与え、前記ゲート電圧が低くなる程、該pチャネルFET26のゲート−ソース間電圧VGSが大きくなってソース−ドレイン間のインピーダンスが小さくなり、負荷22に大きな電流が流れることになる。そして、概略的には、本発明の突入電流防止動作は、前記ゲート電圧を電源電圧+Bに近い状態から低い状態に切換えることで、pチャネルFET26のドレイン電流IDを、抑制した状態から定格状態に増加させることで実現する。
図2は、pチャネルFET26の動作特性を示すグラフである。この図2は、ドレイン電流IDの定格値が10AのpチャネルFET26の例を示しており、この場合の駆動最小電圧は2V程度であり、その時のドレイン電流IDは2〜3Aである。そして、前記10Aの定格電流を得るためには、前記ゲート−ソース間電圧VGSには5V程度必要になる。一方、前記コンデンサ34は、たとえば400μFの容量を有している。
したがって、制御マイコン31は、電源が投入されると、電源電圧+Bの24Vに対して、先ずデジタル/アナログ変換回路32の出力電圧を22Vに設定し、これによって前記ゲート−ソース間電圧VGSを前記駆動最小電圧の2Vとし、前記2〜3A程度のドレイン電流IDでコンデンサ34を充電させる。その後、2msec程度が経過すると、前記コンデンサ34が満充電となり、直流負荷33への印加電圧が前記24Vに到達し、安定すると、制御マイコン31は、デジタル/アナログ変換回路32の出力電圧を19Vに設定し、これによって前記ゲート−ソース間電圧VGSを5Vとし、ドレイン電流IDを定格電流値の10Aにする。この時、前記のようにコンデンサ34が満充電であり、ドレイン電流IDの増加に対して、突入電流が発生することはない。
このようにして、電源供給ライン23に直列に介在されたpチャネルFET26のゲート電圧、したがってドレイン電流IDを適切に段階的に制御し、電源投入時における突入電流の発生を確実に防止しつつ、定常動作時には必要な負荷電流を充分に供給することができる。
これによって、前記電源電圧+Bを出力する安定化電源回路の出力端には、突入電流を考慮したコンデンサを設ける必要がなくなり、またロジック回路のGNDへの突入電流の回り込みによって生じる回路誤動作、リセットICの誤動作を防止するためのコンデンサも設ける必要がなくなり、低コスト化を図ることができる。さらにまた、後述のインターロックスイッチの突入電流による接点溶着の恐れがなくなり、信頼性を向上することもできる。
上述の説明では、デジタル/アナログ変換回路32の出力電圧は2段階に切換えられただけであるけれども、前記コンデンサ34などの負荷22における突入電流の発生要因に対応して、小刻みに多段階に切換えられてもよく、また切換えタイミングも、前記のように突入電流の発生要因であるコンデンサ34の容量と突入電流抑制時における通電電流値とから充分な安定時間を予測して切換えるだけでなく、実際に負荷22へ印加される電圧をアナログ/デジタル変換回路でデジタル値に変換して前記制御マイコン31にフィードバックし、それに応じて切換えるようにしてもよい。
また、パワー素子として、前記pチャネルFET26を使用しているので、該pチャネルFET26の制御電圧を発生する前記デジタル/アナログ変換回路32の出力電圧は、負荷22へ供給される電源電圧+B以下とすることができ、該デジタル/アナログ変換回路32の電源を負荷22の電源と共用し、構成を簡略化することができる。
さらにまた、本突入電流防止装置21が搭載される画像形成装置では、前記制御マイコン31は、インターロックスイッチに連動しており、またモード切換えにも使用される。前記インターロックスイッチは、ジャムなどのトラブルが発生すると、その収拾のために、操作者が、高電圧が加わっていたり、高温になっていたりする内部を触れることになるので、安全を確保するために負荷への電源供給を遮断するものである。また、動作モードとしては、たとえば定着ローラの温度が高く、直ちに画像形成を開始できる通常モードと、待機状態が予め定める時間継続すると移行し、省電力化のために定着ローラの温度を下げるなどの省電力モードとが設定されている。
前記制御マイコン31は、前記インターロックスイッチがオンすると、また省電力モードから通常モードに復帰すると、前記pチャネルFET26をオンにして電源投入を行い、負荷22への電源供給を可能にする。その際、該制御マイコン31が上述のような突入電流防止動作を行う。このように画像形成装置に該突入電流防止装置21を用いることで、頻繁に行われる電源再投入の際に、突入電流を確実に防止することができ、効果的である。
本発明の実施の一形態の突入電流防止装置の電気的構成を示すブロック図である。 pチャネルFETの動作特性を示すグラフである。 典型的な従来技術の突入電流防止装置の電気的構成を示すブロック図である。
符号の説明
21 突入電流防止装置
22 負荷
23 電源供給ライン
24 駆動電圧遮断回路
25 制御回路
26 pチャネルFET
27 抵抗
31 制御マイコン
32 デジタル/アナログ変換回路
33 直流負荷
34 コンデンサ

Claims (3)

  1. 負荷への電源供給ラインに直列にパワー素子を介在し、制御回路が前記パワー素子の制御端子の電流または電圧を制御することで前記負荷への突入電流の流入を抑制するようにした突入電流防止装置において、
    前記制御回路は、
    前記負荷に適応し、前記突入電流の発生を抑制することができる制御パターンの電流または電圧データを発生するデータ信号発生回路と、
    前記データ信号に対応した電流または電圧を発生し、前記パワー素子の制御端子に印加するデジタル/アナログ変換回路とを含むことを特徴とする突入電流防止装置。
  2. 前記パワー素子はpチャネルFETから成り、前記デジタル/アナログ変換回路の電源を負荷への電源と共用することを特徴とする請求項1記載の突入電流防止装置。
  3. 前記請求項1または2記載の突入電流防止装置を、インターロックスイッチに連動して負荷への電源遮断を行う電源回路および/または省電力モード時には負荷への電源供給を制限する電源回路に用いることを特徴とする画像形成装置。
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