JP2005136240A - 熱電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 携帯機器の温度差発電や局所冷却などに利用できる小型の熱電素子を実現するために、製造しやすい簡単な構成でかつ熱電性能にも優れた熱電素子の構造を提供する。
【解決手段】 P型熱電半導体の列とN型熱電半導体の列が交互に複数配列し、隣り合った極性の異なる熱電半導体の柱端面を電気的に接続する配線電極を有する熱電素子であり、最外列となる熱電半導体の少なくとも一部が、内列に位置する熱電半導体の約1/2の断面積になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は温度差発電や冷却に用いる熱電素子に関するものであり、特に小型で高性能の素子を提供する素子構造に関する。
熱電対は極性の異なる2種類の熱電半導体を接続し、その両端に温度差を与えることにより電極間に電圧を発生し、反対に電極から電流を流すと温度差を生じる性質を持つ。この熱電対を複数直列化し、熱・電気変換特性を増幅利用しているのが熱電素子である。
たとえば熱電素子は熱を電気エネルギーに変換できる特徴を生かして発電素子に、あるいは電気エネルギーで温度差を生じる特徴を生かして対象物を冷やしたりする冷却素子に応用される。
ところで熱電素子は構造やその動作が簡単なため、他の熱/電気変換システムに比べて小型化に有利なところから発電素子としては腕時計などの携帯用電子機器内部での発電、また冷却素子としては半導体素子やセンサー素子などの局所的な冷却への応用が広がっている。
熱電素子として発電あるいは冷却に使われている半導体材料の中でもっとも一般的なのはビスマス(Bi)とテルル(Te)を主成分にしたいわゆるBiTe合金である。この材料は室温近辺で現在もっとも性能が良いため各所で多用されている。BiTe合金は添加物により他の熱電半導体材料と同様にP型とN型の極性を有するものがあり、両者を電気的に接続して対にしたものが熱電対と呼ばれる。熱電素子は異種極性の熱電半導体を柱状に加工し、熱電対を構成しつつ、さらにそれを複数接続して構成されている。
従来の熱電素子の構造と製造方法は、たとえば、まずセラミックスの二枚の平板状基板に所定のパターンにて金属膜電極を形成する。複数のP型とN型の熱電半導体は柱状に加工されその上下に置いて半田層を介して上下二枚の基板の金属膜電極に接合する。金属膜電極は隣り合ったP型とN型の熱電半導体を接続し熱電対を形成し、さらに複数の熱電対が直列化した構成となっている。P型とN型の熱電半導体は縦横とも極性の異なるのもが交互に、つまりは千鳥状に配列しており複雑な配列になっている。ただし千鳥状の配列のため、すべての熱電半導体を無駄なく配線することが可能である。
しかしながら、それは従来の熱電素子が1cm角以上ほどの比較的大きなものであり、利用する環境にも余裕があったからである。しかし、数mmほどの局所を冷却したり、込み入った電子機器のなかで用いる場合は、さらに小型の熱電素子が必要であり、必ずしも従来の構造が小型化に適しているとは考えられない。
また、この方法は一つの素子について柱を1本ずつ配列していく必要がある。BiTe合金は非常に脆い材料であることから、アスペクト比が非常に大きな柱を並べたり、さらには本数が多くなっていくと歩留まりも低下することから、大量な製造をするのにもこの方法は必ずしも適しているとは考えられない。
そこでこの熱電素子製造を少しでも簡単にするために異なった熱電半導体の配列方法が考えられる(たとえば、特許文献1参照)。その構造を図12に示す。ここではP型熱電半導体のみあるいはN型熱電半導体のみの同極性の柱が一列に並び、その列が交互に配列している。これであれば熱電半導体の配列が非常に単純化されているので、新規な製造方
法を用いることもできる。
上記文献の技術では、薄い板状に加工したP型熱電半導体材料とN型熱電半導体材料に断熱材を挟みながら交互に積層し、積層面に垂直な方向に一定間隔で溝を形成し、柱状P型熱電半導体及び柱状N型熱電半導体を形成する。さらに柱状P型熱電半導体と柱状N型熱電半導体は、それぞれの両端面で配線電極により直列に接続される。配線電極を形成する方法としては、蒸着等の真空技術を用いて金属膜を形成し、その金属膜をフォトリソグラフィーの手法を用いてパターン化することで実現する。
特開昭63−20880号公報(図1)
前記の公報のように板状の材料を断熱材を介して積層することで、脆い熱電半導体を用いても小さな熱電素子構造を実現することが出来る。しかし、N型熱電半導体とP型熱電半導体がそれぞれ列を成した単純な構造では、配線の折返し部分にあたる最外列と接続する配線電極は縦横方向で隣り合った柱ではなく、対角方向に位置した柱を接続するようになる。
図12から明らかなように従来の配線形態であると、最外列の柱を1本おきにしか使えない。配線に関与せず残った柱は、熱電素子の上下方向において単に熱を逃がすだけで、温度差を形成するあるいは発電するなどの基本的性能に関与せず、素子全体としての性能は低下してしまう。
また、最外列と接続する配線電極自体も対角線方向に形成されているため、電気的なショートを回避するには配線幅が小さくなり、配線抵抗が上昇して性能低下が起こってしまう。さらにこの素子構造では、柱の間隔を狭くして高密度化しようと考えても、もはやこの配線方法形態ではすぐに限界が生じてしまう。
そこで考えられるのが折返し部分の配線方法として図13に示した形態をとるものである。図13に示した素子もP型熱電半導体の列とN型熱電半導体の列が交互に並んだ構成であるが、最外列の熱電半導体に接する配線電極はL型の構造をしている。このL型配線電極は最外列の2本の熱電半導体とその内列の1本の熱電半導体を接続している。
このように図13の配線構成を用いれば、配線の折返し部分において柱の無駄がなくなり、また電極自体も幅を小さくする必要がないため、電気抵抗が上昇するような問題もない。ただし、L型電極は最外列の2本の熱電半導体を並列化して利用していることから、他の1本だけ使用している熱電対と比べこの部分だけの抵抗が1/2となる。
たとえば熱電素子に電流を流して冷却素子として利用する場合、所定の温度差や吸熱量を得るためには、熱電半導体にはそれに対応した最適電流密度が存在する。しかし、図13の構成であると1本だけを利用しているところと、2本並列に利用しているところでは抵抗値が異なることから、温度差や吸熱量の分布が生じてしまい、熱電素子全体としては性能的に劣ることになる。
上記の目的を達成するために本発明の熱電素子の構造および製造方法においては下記に記載する手段を採用する。
すなわち本発明の熱電素子は、複数の柱状P型熱電半導体からなるP型半導体列と複数の柱状N型熱電半導体からなるN型半導体列が交互に複数配列し、隣り合った極性の異な
る熱電半導体の柱端面を電気的に接続する配線電極を有する熱電素子であり、最外列となるN型半導体列あるいはP型半導体列に含まれる熱電半導体の少なくとも一部が、内列に位置する熱電半導体の約1/2の断面積になっていることを特徴とする。
さらに配線電極は隣り合った極性の異なる1本ずつの熱電半導体を接続するI型配線電極と最外列の2本の熱電半導体とその内列にある極性の異なる1本の熱電半導体とを接続するL型配線電極を有することが好ましい。
あるいは複数の柱状P型熱電半導体からなるP型半導体列と複数の柱状N型熱電半導体からなるN型半導体列のそれぞれ2列ずつが交互に複数配列し、さらに最外列には隣り合う内列の熱電半導体とは極性の異なる1列のN型半導体列あるいは1列のP型半導体列を有し、隣り合った2本ずつのP型熱電半導体と2本ずつのN型熱電半導体とをその柱端面で電気的に接続するI型配線電極と、最外列に含まれる2本のN型熱電半導体(P型熱電半導体)と最外列のN型半導体列(P型半導体列)の内側2列に含まれる2本のP型熱電半導体(N型熱電半導体)とをその端面で電気的に接続するL型配線電極とを有することを特徴とする。
本発明の熱電素子は、柱状P型熱電半導体の列と柱状N型熱電半導体の列が交互に複数配列する単純な配列構造を利用しているため、簡単な製造方法が利用でき小型の熱電素子製造に適している。さらに最外列のN型半導体列あるいはP型半導体列を約1/2の断面積に成形して、折返し部分の配線電極をL型として最外列の熱電半導体2本とその内列の熱電半導体1本を接続することで次のような効果が得られる。
まずは熱電半導体の柱をすべて利用でき無駄な柱が生じない。また、対角方向の配線電極がないために、電極幅減少による抵抗増大もなく、ショートの危険性も無いことから高密度化にも対応可能である。さらに1/2の断面積の柱を2本並列に利用することで、内列の1本ずつの熱電対と同じ抵抗値になり、抵抗値の違いが生じないことから、温度分布や吸熱量の分布が生じない。これらのことから本発明は、従来に比べ性能的に優れた小型の熱電素子を提供できる。
さらに柱状P型熱電半導体の列と柱状N型熱電半導体の列のそれぞれ二列ずつが交互に複数配列し、最外列には一列のN型半導体列あるいはP型半導体列を有し、最外列の2本の熱電半導体と内列の2本の熱電半導体との接続にL型配線電極を導入したことで、こちらもすべての柱の利用できる。さらに配線抵抗増大もなく、高密度化にも対応できる。また温度分布や吸熱量分布がなく、性能的に非常にすぐれた小型の素子が実現可能である。
[第1の実施の形態]
以下、図面を用いて本発明の熱電素子の最適な実施形態を説明する。図1には本発明の熱電素子の配線電極部分から見た平面図を図2には柱の横方向から見た断面図を示している。また図3〜図6は本発明の熱電素子の製造工程を示している。
図1に示すように本発明の熱電素子には、まずN型熱電半導体10が一列に並んだN型半導体列15とP型熱電半導体20が一列に並んだP型半導体列25が交互に複数並んで配置している。ここではN型熱電半導体10にBiSeTe合金を、P型熱電半導体20にはBiSbTe合金をそれぞれ用いている。また、図2から分かるようにそれぞれの熱電半導体は上面から下面へ長く伸びた形状をしており、すなわち柱状になっている。
ただし、本発明の熱電素子は、複数並んだN型半導体列15とP型半導体列25の最外
列に含まれるN型熱電半導体10あるいはP型熱電半導体20は、その内側の列に含まれる熱電半導体より細く加工され、その面積で約1/2になっているところが特徴的である。
そしてN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の柱の側面を電気的に絶縁しさらに両者を固定するために、それぞれの素子の間隙にはエポキシ系接着剤からなる断熱材40を設けている。
さらにN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の両端面には金属膜からなる配線電極30を設けている。ここでは配線電極30の材料にニッケル/銅/ニッケルの多層膜を用いている。配線電極30は基本的には隣り合ったN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の1本ずつを柱の端面において接続するI型配線電極30(a)からなるが、最外列の熱電半導体に接するものはL型配線電極30(b)となっている。L型配線電極30(b)は最外列の2本の熱電半導体とその内列にあり極性の異なる1本の熱電半導体の計3本を同時に接続している。
I型配線電極30(a)は図2から見ても明らかなように、柱の上下において接続するN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の柱が1本ずつずれた配置をとっている。さらにL型配線電極30(b)は最外列部分で折り返す構造となっていることから、本発明の熱電素子では多数のN型熱電半導体10とP型熱電半導体20とが配線電極30によって交互に直列化する構造となっている。
図示はしていないがL型配線電極30(b)は柱の上下の配線面において最外列のN型熱電半導体10あるいはP型熱電半導体20を2本接続している。つまり最外列の2本のN型熱電半導体10あるいはP型熱電半導体20は上下のL型配線電極30(b)によって並列化された状態となっている。つまり最外列の熱電半導体はその内列に含まれる他の熱電半導体の1/2の断面積になっていることから、2本並列化することで内列に含まれる多くの熱電半導体とおなじ抵抗値になる。
続いて本発明の熱電素子の製造方法について説明する。はじめに、図3に示すようにN型半導体ブロックとP型半導体ブロックとに縦溝1を形成し、縦隔壁2を残してN型櫛歯素子3とP型櫛歯素子4を作製する。この時、N型櫛歯素子3とP型櫛歯素子4とで、縦溝1のピッチを同一にし、かつ一方のブロックの縦溝1幅が他方のブロックの縦隔壁2幅よりも大きくなるようにする。ここではN型熱電半導体としてBiSeTe合金の焼結体、P型熱電半導体としてBiSbTe合金の焼結体を用いた。加工は、ダイシングソーあるいはワイヤーソーなどを用いて行う。
つづいてN型櫛歯素子3とP型櫛歯素子4を、互いに縦溝1に相手の縦隔壁2を挿入し合って組み合わせて一体化する。両者を組み合わせた図を図4に示す。組み合わせた2つの櫛歯素子は嵌合部に断熱材40を設けて固着することで一体化櫛歯素子5とする。流動性の高い絶縁性接着剤中に組み合わせた櫛歯素子を部分的に浸漬し、毛管現象により接着剤を縦溝1と縦隔壁2との隙間に充填すれば絶縁を保ちつつ断熱材40で固着が行える。ここで断熱材40に用いる接着剤としては低粘度のエポキシ系の接着剤を用いることとする。
このように組み合わせた一体化櫛歯素子5には、図5に示すように横溝6と横隔壁7を形成するように再度の加工を行う。横溝6は櫛歯を細く加工して柱状にするために行い、前述のような組合せは行わないことから、出来るだけ細いことが望ましい。そして横溝6にも初めの組合せを行ったときと同じように、エポキシ系接着剤を充填し固着させ、再度断熱材40を形成する。
横溝6はN型櫛歯素子3の面から形成しても、これとは逆にP型櫛歯素子4側の面から形成してもよい。この時切り込む側のN型櫛歯素子3あるいはP型櫛歯素子4の溝が形成されていない基台部分は除去した後に溝加工を行った方が良い。基台部を除去するのは、初めに加工した縦溝1が観察できることから、横溝6との直交性がとりやすいためである。また、基台部がない方が、加工深さが小さくなるため深さ方向での柱曲がりが低減できる効果もある。
断熱材40を形成した一体化櫛歯素子5はその上下面を研削で除去し平坦化する。すると柱状のN型熱電半導体10の列とP型熱電半導体20の列が交互に並んだ状態になる。そしてさらに全体の列の最外列にあるN型熱電半導体10とP型半導体20はダイシングソーなどによる加工にて約半分の断面積に加工し、細く仕上げる。
こののち、特に高い信頼性が必要な場合は、研削面の加工変質層を除去する意味で硝酸や塩酸などのエッチング液をもちいて、加工面を数ミクロンエッチングする。つづいてN型熱電半導体10とP型熱電半導体20との配線を行う。まずニッケルからなる金属板に所望の配線パターンの形状をした開口部を設け、開口部から隣り合ったN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の端面が見えるように位置合わせを行い密着して固定する。真空蒸着装置に設置し、ニッケルあるいはパラジウムを100nm蒸着する。この方法は一般にマスク蒸着法と呼ばれるものである。ここで蒸着層は隣り合った2本の熱電半導体素子端面をすべて覆う必要はなく、2本が電気的に接続できる形状なら多少小さくても良い。
蒸着工程につづいて無電解ニッケルメッキ液に浸漬し、ニッケルの皮膜を形成する。ニッケル皮膜は蒸着によって形成したニッケルあるいはパラジウムを反応の核として成長することから、蒸着層の上にまず形成される。また、蒸着金属が接触しているN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の露出端面にもニッケル皮膜は形成される。無電解メッキだけで十分なメッキ厚が確保できない場合は、さらに電解ニッケルメッキを行うが、総厚としてニッケルメッキの厚みは数μmである。
ニッケル膜は熱電半導体との密着をとるためと不純物の拡散を防ぐために施すが、ニッケルメッキだけでは比抵抗がやや大きいため、さらに配線抵抗を下げるためにニッケルメッキにつづいて銅メッキを行う。銅メッキは電解メッキを利用する。銅メッキは必要に応じて数μmから数10μmの厚みで形成する。
さらに銅メッキにつづいて再度ニッケルメッキと必要に応じて金メッキを行う。これらのニッケル、金のメッキは銅を腐食から守る意味と、実装時にリード線などを接続する時に使いやすいからである。以上の工程にから図1に見られる配線電極30が形成され、本発明の熱電素子が出来上がる。図1では便宜的に配線電極30は蒸着膜の形状で描いているが、工程で述べたように実際のメッキ膜は露出している熱電半導体の端面にも形成されている。
ここで述べた工程の説明では熱電素子は1個ずつ作製しているが、熱電素子の数倍の大きさの熱電半導体を出発材料とし、櫛歯素子の形成も熱電素子に含まれる熱電半導体素子よりも数倍多く加工することで、多数個の同時作製も可能である。
〔第2の実施の形態〕
図7には第2の実施の形態における熱電素子の構造を示す。基本的にN型熱電半導体10で形成されているN型半導体列15、P型熱電半導体20で形成されているP型半導体列25、断熱材40、配線電極30から構成されることは第1の実施の形態と同じである。
ここで第2の実施の形態においては、最外列を除いて2列のN型半導体列15が隣り合って配置し、また2列のP型半導体列25が隣り合って配置し、さらにその2列ずつの異種の半導体列が交互に配列している。そして最外列には1列のみのN型半導体列15あるいはP型半導体列25が配置している。
そして、熱電半導体の端面には第1の実施の形態と同様に2種類の配線電極30、I型配線電極30(a)とL型配線電極30(b)が配されている。I型配線電極30(a)は半導体列に対して直交するように長手方向が位置するが、隣り合った2本ずつのN型熱電半導体10とP型熱電半導体20の合計4本の熱電半導体の端面に接している。当然反対の端面にも同様な配線電極30があるが、ここでは2本おきにずれた構成をとっており、つまりは同種の熱電半導体2本を並列化しつつ、となりの異種の熱電半導体と電気的に接触することとなっている。
また、L型配線電極30(b)は最外列にある2本のN型熱電半導体10あるいはP型熱電半導体20とその内列2列に含まれる2本の異種の熱電半導体とを、つまりは4本の熱電半導体の端面を接続している。この2種類の配線電極30によって熱電素子に含まれる熱電半導体は直列化されている。そして、ここではI型配線電極30(a)とL型配線電極30(b)ともに2本のN型熱電半導体10と2本のP型熱電半導体20とを並列化して熱電対を形成していることから、熱電対の電気的性能はどこにおいても変わらなくなっている。
さらに第2の実施の形態について製造方法を説明する。はじめに、第1の実施の形態と同様に図8に示すようにN型半導体ブロックとP型半導体ブロックとに縦溝1を形成し縦隔壁2を残すが、さらに縦隔壁2の厚み方向のほぼ中央に分離溝8を形成する。これにより本実施の形態での縦隔壁2は2枚の板から成り立っている。分離溝8は縦溝1を形成する前に所望の位置にあらかじめ形成しておいてもよい。この工程によりN型櫛歯素子3とP型櫛歯素子4が作製される。
この時N型櫛歯素子3とP型櫛歯素子4とで、縦溝1のピッチを同一にし、かつ一方のブロックの縦溝1幅が他方のブロックの2枚の板からなる縦隔壁2幅よりも大きくなるようにする。ここでもN型熱電半導体としてBiSeTe合金の焼結体、P型熱電半導体としてBiSbTe合金の焼結体を用いた。加工は、ダイシングソーあるいはワイヤーソーなどを用いて行う。
つづいてN型櫛歯素子3とP型櫛歯素子4を、互いに縦溝1に相手の縦隔壁2を挿入し合って組み合わせて一体化する。両者を組み合わせた図を図9に示す。組み合わせた2つの櫛歯素子は嵌合部および分離溝8に断熱材40を設けて固着することで一体化櫛歯素子5とする。流動性の高い絶縁性接着剤中に組み合わせた櫛歯素子を部分的に浸漬し、毛管現象により接着剤を縦溝1と縦隔壁2との隙間に充填すれば絶縁を保ちつつ断熱材40で固着が行える。ここで断熱材40に用いる接着剤としては低粘度のエポキシ系の接着剤を用いることとする。
このように組み合わせた一体化櫛歯素子5には、図10に示すように横溝6と横隔壁7を形成するように再度の加工を行う。横溝6は櫛歯を細く加工して柱状にするために行い、前述のような組合せは行わないことから、出来るだけ細いことが望ましい。そして横溝6にも初めの組合せを行ったときと同じように、エポキシ系接着剤を充填し固着させ、再度断熱材40を形成する。
横溝6はN型櫛歯素子3の面から形成しても、これとは逆にP型櫛歯素子4側の面から
形成してもよい。この時切り込む側のN型櫛歯素子3あるいはP型櫛歯素子4の溝が形成されていない基台部分は除去した後に溝加工を行った方が良い。基台部を除去するのは、初めに加工した縦溝1が観察できることから、横溝6との直交性がとりやすいためである。また、基台部がない方が、加工深さが小さくなるため深さ方向での柱曲がりが低減できる効果もある。
断熱材40を形成した一体化櫛歯素子5はその上下面を研削で除去し平坦化する。すると柱状のN型熱電半導体10の列とP型熱電半導体20の列が2列ずつ交互に並んだ状態になる。そしてさらに全体の列の最外列にあるN型熱電半導体10とP型熱電半導体20はダイシングソーなどによる加工にて除去する。このようにして図11に示すように配線前の熱電素子が完成する。
この後、図7に示したようにI型配線電極30(a)とL型配線電極30(b)の形成を行う。ここではそれぞれ4本の熱電半導体に接触するような形状に加工を行うが、形成方法は第1の実施の形態と同じである。
この第2の実施の形態においても、熱電素子の作製は一個ずつ行うこともできるが、数個分の大きさの熱電半導体から加工を始め、多数個同時に処理を行うことも可能である。
このようにして製造された熱電素子は、最外列のN型半導体列15とP型半導体列25を形成する際も、柱を部分的に加工する工程が無いことから、外周部すべてに断熱材40を残すことが可能である。これにより、熱電半導体が露出する部分が無くなり、耐湿性などの信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態における熱電素子の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造方法を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造方法を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造方法を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である 本発明の実施の形態における熱電素子の構造を示す平面図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。 本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。 従来の熱電素子の構造を示す平面図である。 従来の熱電素子の構造を示す平面図である。
符号の説明
1 縦溝
2 縦隔壁
3 N型櫛歯素子
4 P型櫛歯素子
5 一体化櫛歯素子
6 横溝
7 横隔壁
8 分離溝
10 N型熱電半導体
15 N型半導体列
20 P型熱電半導体
25 P型半導体列
30 配線電極
30(a) I型配線電極
30(b) L型配線電極
40 断熱材


Claims (3)

  1. 複数の柱状P型熱電半導体からなるP型半導体列と複数の柱状N型熱電半導体からなるN型半導体列が交互に複数配列し、
    隣り合った極性の異なる熱電半導体の柱端面を電気的に接続する配線電極を有する熱電素子であり、
    最外列となるN型半導体列またはP型半導体列に含まれる熱電半導体の少なくとも一部が、内列に位置する熱電半導体の約1/2の断面積になっている熱電素子。
  2. 前記配線電極は隣り合った極性の異なる1本ずつの熱電半導体を接続するI型配線電極と最外列の2本の熱電半導体とその内列にある極性の異なる1本の熱電半導体とを接続するL型配線電極を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 複数の柱状P型熱電半導体からなるP型半導体列と複数の柱状N型熱電半導体からなるN型半導体列のそれぞれ2列ずつが交互に複数配列し、
    さらに最外列には隣り合う内列の熱電半導体とは極性の異なる1列のN型半導体列または1列のP型半導体列を有し、
    隣り合った2本ずつのP型熱電半導体と2本ずつのN型熱電半導体とをその柱端面で電気的に接続するI型配線電極と、
    最外列に含まれる2本のN型熱電半導体(P型熱電半導体)と最外列のN型半導体列(P型半導体列)の内側2列に含まれる2本のP型熱電半導体(N型熱電半導体)とをその端面で電気的に接続するL型配線電極とを有する熱電素子。


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