JP2005135830A - コイン形非水電解液電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電特性、及び信頼性の面で、正極ペレットを用いたコイン形電池、特に厚さが薄く、且つ面積の広い正極ペレットを用いる場合であっても、量産性を損なうことのないコイン形電池を提供する。
【解決手段】リチウム、若しくはリチウム合金からなる負極5、活物質を含む正極合剤をペレット状に成形した正極4を備えた発電要素を扁平形状の電池容器に収容したコイン形電池において、ペレット状の正極は、ラス芯材4aからなる集電体を有し、前記ラス芯材の下端部がペレットの下部主面に位置し、正極ケース1に接することに特徴を有し、この正極は、正極合剤がラス芯材の片面側から充填され、前記ラス芯材を含む正極合剤を所定厚さに圧延した後、ペレット状に打ち抜いたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、機器の電源やメモリバックアップ用電源等に使用される非水電解液電池、特に厚さが1.2mm以下に設定されたコイン形の前記電池において、正極ペレットと正極ケースとの電気的接触を良好にすることで、高負荷での放電特性、電池の生産性を改善したコイン形非水電解液電池に関する。
コイン形非水電解液電池(以下、単に「コイン形電池」)は、円筒形電池と比較して、部品点数が少なく、生産性が良い点等のメリットが多く、薄型の機器での使用が好適である。その正極は、正極活物質、導電材、結着剤を含む正極合剤を扁平な円柱形状に打ち抜き、成形したペレット状の正極(以下、正極ペレットとする)を使用している。
近年、機器の薄型化に対する要求が大きく、これに呼応してコイン形電池も薄型化が望まれている。併せて高機能化への対応、動作時間の延長への要求も大きく、高容量化が併せて望まれている。これら相反する要望に応えるためには、電池直径と厚さとの比(電池直径/厚さ)を大きくする必要があり、電池を構成する要素単位での薄型化が不可欠である。
しかし、正極ペレットは、薄型化を進めた場合、生産時に割れや捩れを生じ易い。ペレット強度を確保するには、多量の結着剤を使用する必要があり、電極に占める活物質、及び導電材の相対比率が小さくなってしまう。その結果、極板での反応性低下を招き、高負荷での放電特性の悪化、放電容量の低下という特性上の問題を生じる。さらに電池全体の薄型化に伴ってケースと正極ペレットの接触性が悪化する問題も有しており、前記放電特性の悪化を助長することになってしまう。
これら問題に対して、円筒形電池と同様にパンチングメタル、或いはエキスパンドメタルを正極集電体に採用し、正極ペレットの剛性確保と集電性向上を両立させる構成が考えられる。しかし、エキスパンドメタルを集電体に用いる周知の円筒形電池では、集電体の空間中に正極合剤が位置し、集電体の厚さは極板厚さに対して略同一となっている。この構成をコイン形電池、特に薄型化を志向した前記電池に採用した場合、正負極の極間距離が小さくなることから、集電体の端部がペレット表面から突出するケースでは負極との短絡を生じる虞があり、コイン形電池の信頼性低下に繋がってしまう。一方、パンチングメタルを集電体に採用した場合、加工性の面で薄肉化が困難であり、さらに後述する形状面での特質を鑑みると、正極ペレットでの集電体が占める体積比率が高まってしまう。これらは、正極ペレットの容量密度の低下に繋がることから、高い放電容量が要求されるコイン形電池にとって好適な対策であると言えない。
また具体的な提案として、特許文献1は、後者の問題に対し、正極ケースのペレット対向面に導電性塗料を塗布し、正極ペレットと正極ケースの電気的接触を良好にする構成を提案している。この構成によれば、集電体の採用に伴う上記の問題点は生じない。しかし、塗料の塗布、乾燥の工程が付加される点、高負荷での放電特性を悪化させ、性能が得られない点で課題が残ってしまう。
一方、特許文献2は集電体をケースの内部に予め固着する構成を示唆しており(同文献0021欄は正極活物質、電子伝導助剤から正極を作製することを記載)を採用し、極板とケースとの接触性を改善することを示唆している。この提案では、薄肉の集電体をケース内面に固着するには、工数の増加を招いてしまい、量産性を重視するコイン形電池では
好ましくない。さらに、正極ペレットを集電体に押圧することで電気的接触を確保している。しかし、押圧の際、ペレットの欠けや割れが生じ易く、放電容量、信頼性の低下に繋がってしまう。
特開平5−21075号公報 特開平8−111239号公報
本発明は、上記従来の問題点を鑑み放電特性、及び信頼性の面での課題を解決するものであり、正極ペレットを用いたコイン形電池、特に厚さが薄く、且つ面積の広い正極ペレットを用いる場合であっても、量産性を損なうことなく、前記課題を解決したコイン形電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る電池は、リチウム、若しくはリチウム合金からなる負極、活物質を含む正極合剤をペレット状に成形した正極(正極ペレット)を備えた発電要素を扁平形状の電池容器に収容したコイン形非水電解液電池であって、正極ペレットは、ラス芯材からなる集電体を有し、前記ラス芯材の下端部がペレットの下部主面に位置し、且つ前記ラス芯材の上端部がぺレット状の正極内部に位置することをすることを特徴とする。
さらに上記構成を有するコイン形電池にて、正極ペレットの集電体となるラス芯材に対して正極合剤をその片面側から充填し、さらに前記ラス芯材を含む正極合剤を所定厚さに圧延後、ペレット状に打ち抜いた正極を備えるものである。
上記の如く本発明のコイン形電池は、正極合剤と集電体であるラス芯材が一体となった正極ペレットを用いること、正極ペレットと正極ケースが接するペレットの下部主面にラス芯材の少なくとも下端部を露出させること、セパレータを臨む正極ペレットの上端面からラス芯材の端面を露出させないように、ラス芯材の上端部を正極ペレットの内部に位置させることで、上記各特許文献に開示された電池と相違しており、集電体としてラス芯材を採用する点、正極合剤をラス芯材の片面側から充填し(以下、「片面充填」とする)、正極ペレットの片面側にラス芯材を配置する点に構成上の特徴を有するものである。そこで、本発明をその特徴点に基づき説明する。
ラス芯材は、金属メッシュの一種であり、網目形状を有するものである。ラス芯材は、網目形状に合わせた刃型を用いて箔状の金属薄板に一定の刻み幅を設け、前記金属薄板を刻み幅方向に対して垂直方向に拡開しつつ、網目を形成することで作製される。この作製方法では、刻み部分が山型に引伸ばされるので、網目形状の空間部分はスクラップとならず、金属薄板を有効活用できる特徴を有する。
さらに、ラス芯材を用いた集電体は、金属メッシュ状物を用いた他の集電体との比較において、以下に述べるような特徴を有する。
すなわち、上記の特許文献1にて引用された金網は、縦方向と横方向に金属線材を編むことによって網目を形成する。編みにより網目を形成することから、線材に解れが発生する問題点を有する。また、各線材の接点は縦と横の線材が交わる部分のみであり、前記解れが生じた部位では電気的接続も失われてしまう。しかし、ラス芯材は、金属箔を拡開にて網目形成を行う一体構造を採用することから解れの発生、及び解れ部位での電気的接続の喪失は想定されない。さらに接点自体が存在しないことから、集電体全体での電気抵抗も少なくなる特徴も有する。
また、パンチングメタルは、ラス芯材と一体構造を採用する点では共通するが、開口率の面でラス芯材を大きく下回ってしまう。また、空間部分を打抜にて形成するパンチングメタルは材料ロス、破棄物が発生することから、ラス芯材はコスト面でも優位性を持つ。
一方、エキスパンドメタルは網目形状をプレス部の拡開にて形成しており、ラス芯材はエキスパンドメタルの技術的範疇に含まれるとも判断される。このエキスパンドメタルは、通常、厚さ0.5mm程度を下限とする金属薄板を出発材として用い、この薄板に一定の刻み幅を形成した後、拡開により網目を形成しており、ラスメタルとは製造法も酷似している。しかし、前記のような金属薄板を出発材とするエキスパンドメタルは、厚さ1.6mmを下回るようなコイン形電池に適用した場合、集電体厚さの薄化が困難なことから、上述した負極との短絡発生が懸念される。特にエキスパンドメタルは、厚さの平坦性に乏しいことを鑑みると前記懸念を助長させてしまう。
本発明におけるラス芯材は、上記のような問題点を踏まえて検討されたものであり、厚さ0.02mm〜0.2mm程度の超薄金属箔に刻み幅を設け、拡開することでエキスパンド加工を行い、さらに圧延を行うことで平坦性を確保するものである。よって、本発明に係るラス芯材は、上記の通りエキスパンドメタルの技術範疇に含まれるが、周知のエキスパンドメタルに対して出発材の厚さ、平坦性の面で相違点を有する。本願明細書では、前記の相違点に基づいて両者を明確に区別しており、本発明に係るラス芯材は、厚さ0.02mm〜0.2mm程度の超薄金属箔となる金属薄板に刻み幅を設け、拡開したエキスパンドメタルを指すものとする。
次に、上記の特徴点を有するラス芯材を用いた正極ペレットについて説明する。本発明に係る正極ペレットは、上述の如く説明したラス芯材を用いた集電体に対して、正極活物質、導電材、結着材を含む正極合剤が片面充填された極板を用いている。この片面充填の極板は、ラス芯材の片面より正極合剤を充填することで作製され、さらに前記の極板に所定厚さに達する様に圧延処理を施し、円筒形状にプレス加工にて打ち抜くことで、正極ペレットが作製される。
詳細には、ラス芯材の一方面は、正極合剤の充填工程において周知慣用の塗布、充填手段によって、この面のみから正極合剤を充填されており(以下、この一方面を「充填面」とする)、ラス芯材の他方面(以下、この他方面を「集電体面」とする)はラス芯材を保持している。充填が施された極板は、充填側面に正極活物質のみとなる合剤層を形成しており、集電体面にラス芯材の端部を露出させている。さらに、充填後の極板は所定の厚さに達するまで圧延を施すが、圧延後の極板においても前記合剤層、及び集電体の位置関係が変動することはなく、集電体面にはラス芯材の端部が露出する形態となる。所定の厚さに調整された極板は、円筒形にプレス加工にて打ち抜くことで正極ペレットが作製される。
上述の如く作製された正極ペレットは、片面充填することで集電体面側のみにラス芯材を配置した構成となっている。そして、この正極ペレットは、集電体面が正極ケースに接するように配置される。ラス芯材の集電体は、正極ペレットと正極ケースとの導電性を確保しており、また正極ペレットの機械的強度も確保している。このため、正極ペレットは、柔軟性、すなわち靱性にも富み、割れや捩れに対して十分な強度を確保でき、電池厚さが1.6mm以下、特に電池厚さに対する直径の比(電池直径/厚さ)が13以上になる極薄、径大のコイン形電池へも適用が可能な正極ペレットが得られる。
さらにセパレータに対向する充填面は、ラス芯材が位置しておらず、正極合剤のみとなる構成である。前記の構成によれば、ラス芯材の端部が充填面から露出することはなく、
ラス芯材によるセパレータの破損、負極との短絡が大幅に抑制され、コイン形電池の信頼性を損ねることはない。
以上のことから、本発明に係るコイン形電池は、ラス芯材の配置位置を効果的に設定することに技術的意義があることは明らかであり、円筒形電池に採用された集電体構成とは、技術的思想を全く異とするものである。すなわち、円筒形電池で慣用の構成は、エキスパンドメタルからなる集電体の厚さ方向全体に正極合剤を充填するものである。この構成において、集電体は渦巻状に巻回される極板において活物質の確実に保持することを主たる目的としている。これに対して、本発明の集電体は、ラス芯材に片面充填を施すことで合剤層を形成している。合剤層は、集電体−負極の短絡発生を抑制しており、ラス芯材の集電体は正極ケースとの導電性確保、及び正極ペレットの強度確保に寄与している。さらに、これらの複合的な作用効果として、結着剤、及び導電剤の使用量も必要最低限に抑えられるので、放電容量、及び特性の向上に貢献できるものである。してみれば、円筒形電池における集電体は、本発明に係るコイン形電池の作用効果を何ら奏するものでないと言える。
さらにまた、本発明のコイン形電池は、不織布からなるセパレータを用いるものである。上記の通り本発明のコイン形電池は、集電体の付加に起因する集電体−負極缶での短絡発生を大幅に抑制できる。このため、機械的強度に優れたフィルム状のセパレータを採用する必要性が低下し、不織布セパレータが使用できる。不織布セパレータは、フィルムセパレータに比較して電解液の保液能力が高いことから、放電特性を向上させる効果が得られる。換言すれば、金属バリに対する機械強度、特に貫通への強度に劣るが放電特性の向上寄与が顕著な不織布のセパレータを用いる場合であっても、正極ペレット表面でのバリ発生が確実に防止され、高い信頼性を確保するものである。
本発明は、ラス芯材に片面充填された正極ペレットを用いることで、放電特性、及び信頼性を向上させるものであり、特に厚さが薄く、且つ面積の広い正極ペレットを用いる場合であっても、量産性を損なうことなく、高負荷での放電特性に優れたコイン形電池を提供できる特有の効果を奏し、その工業的価値は極めて大なるものである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態におけるラス芯材の様態を示す模式図である。図1(a)は、フープ状に巻回されたラス芯材を示しており、ラス芯材の外観を示している。このラス芯材は、網目形状に合わせた刃型を用いて箔状の金属薄板に一定の刻み幅を設ける工程、前記金属薄板を刻み幅方向に対して垂直方向に拡開しつつ、網目を形成する工程を経た後、均一な厚さに調整する圧延工程、圧延後の芯材を洗浄した後にフープ状に巻回することで作製される。前記の金属薄板としては、厚さ0.15mm程度の板材を用いるのが好ましい。また、ラス芯材の材質としては、有機電解液に適用可能な材料であれば良く、各種鉄−ニッケル合金に加え、チタン等が使用可能である。
図1(b)は、同ラス芯材の網目構造を示す模式図である。この図において、LWはメッシュの長目方向中心距離、SWはメッシュの短目方向中心距離、Wは刻み幅、Tはラス厚、tは材料板厚を示す。本実施形態では、材料板厚tが0.15mm程度の板材を出発材としており、拡開後のLWを1.5mm、SWを1.1mm、Wを0.20mmとしている。また、ラス厚Tは、ラス加工終了後に調厚をかけることで、0.16mmとしている。ラス芯材は、その形状上の特徴から、出発材となる金属薄板の板厚方向に対して略垂直方向に拡開される。このため、ラス芯材の厚みは、刻み幅と拡開の度合いによって定ま
る。よって、図1から明らかなように、出発材の板厚とラス芯材の厚みとは異なるものである。
上記の工程により作製されたラス芯材は、正極活物質を充填、圧延した後、正極ペレットを形成するために、プレス加工により円柱状に打ち抜かれる。本実施形態では、正極合剤は、活物質である二酸化マンガン、導電剤であるカーボン、および結着剤であるフッ素樹脂を混合したものである。この正極合剤を、図1に示すラス芯材の片面側より充填した後、厚さ0.5mmに達するまで圧延を施すことでラス芯材に正極合剤が片面充填された正極シートが作製される。そして、正極シートを直径13mmに打ち抜き、250℃にて12時間乾燥した。以上の工程により、本実施形態における正極ペレットが作製される。
図2は、本実施形態でのコイン形電池の模式構成を示す縦断面図である。本実施形態の正極ペレットは、上記の通り活物質に二酸化マンガンを用いており、負極に金属リチウムを組み合わせることで、リチウム−二酸化マンガン系のコイン形非水電解液電池が作製される。
図2において、正極ケース1は正極端子を兼ねており、耐食性に優れたステンレス鋼からなっている。また、正極ケース1のカシメ部内側面には、図示しないがアスファルトを主成分とする封止剤を塗布して被膜を形成している。封口板2は、負極端子を兼ねており、正極1と同様に耐食性に優れたステンレス鋼からなる。これら正極ケース1、封口板2は、ポリプロピレンからなるガスケットにて絶縁される。このガスケット3は、正極ケース1の周縁部を金型にてカシメ封口することで、正極ケース1及び封口板2から構成される電池容器の内部を密閉に保持する。
正極4は上記の直径13mmに成形された正極ペレットを使用しており、ラス芯材の端部が露出するラス芯材面4aを正極ケース1に対向するように配置した。
負極5は金属リチウムであり、フープ状の金属リチウムを正極シートと同様に円形に打ち抜いた後、封口板2の凸部内面に加圧にて圧着している。また、正極4,負極5の間にはセパレータ6を配置している。このセパレータ6は、ポリプロピレン製の不織布からなる。また、図示はしていないが、電解液にはプロピレンカーボネートと、1,2ジメトキシエタンとの等容積混合溶媒に、過塩素酸リチウムを1モル/lの割合で溶解したものを用いた。
以下、本発明の実施例として、上記最良の実施形態に係る電池、並びに比較電池を作製し、本発明による効果を検証した。
(電池の作製)
本発明に係るコイン形電池は、上述した最良の実施形態に従い作製されたコイン電池を用いており、これを電池Aとする。
また、比較例としては、ラス芯材の有無、配置、セパレータの構成を換えた電池を作製した。比較例1として、正極4にラス芯材を用いず、本実施形態と同一の正極合剤を用い、打状成型したペレットを250℃にて12時間乾燥してものを用いた。他の構成および電池作製工程を電池Aと同一とすることで比較電池を作製した。これを電池Bとする。
また、別の比較例として、セパレータ6にポリプロピレン製の微多孔膜を用い、他の構成および電池作製工程を電池Aと同一とすることで比較電池を作製した。これを電池Cとする。さらにまた、本実施形態に係る正極ペレットを用い、ラス芯材の端部が露出するラ
ス芯材面4aがセパレータ6を臨む様に配置した。他の構成および電池作製工程を電池Aと同一とすることで比較電池を作製した。これを電池Dとする。
上記の通り作製された電池A乃至電池Dは、何れも電池直径16mm、厚さが約1.2mmである。尚、各電池の作製個数は各々100である。また、電池A乃至電池Dの放電容量はほぼ同一であり、電池電圧が3Vから2.5Vに達するまでの放電において約40mAhである。
(電池の評価)
本実施例におけるコイン形電池の評価は、強負荷放電特性、内部短絡の発生状況を基準とした。強負荷での放電特性の評価は、−10℃の温度槽内に電池を放置した後、パルス放電を行い、電池電圧により評価した。パルス放電は、各電池を放電抵抗200Ωに接続し、5秒間放電したときの最低電池電圧の平均値とした。図3は、電池A乃至電池Dでの評価結果である。
また、内部短絡の評価は、落下試験後における電池電圧の変化を確認した。落下試験は、ポリテトラフルオロエチレン製の厚さ1cmの板上に1mの高さから任意の方向に10回自然落下させた。この落下試験前後での電池電圧の変化を確認し、5%以上低下した電池を内部短絡の発生した電池として計数した。表3は、内部短絡の発生状況を示しており、発生状況は各々の電池での評価個数100に対する内部短絡の発生個数である。
Figure 2005135830
図3および表1より、本発明に係る電池Aは、強負荷での放電特性、内部短絡の発生状況から判断して最も良好な状況を示している。
比較例である電池Bは、内部短絡を発生しないものの、パルス放電時の最低電池電圧が電池Aより劣っていた。この原因は、ラス芯材が存在しないため、正極での反応効率が劣っていると考えられる。また、電池Cは、内部短絡を発生しないもののパルス放電時の最低電池電圧が電池Aより著しく劣っていた。これは、セパレータ7に保持される電解液量が減少し、正負極間での反応性が低下したものと考えられる。
一方、電池Dは、パルス放電時の最低電圧は電池Aに次いで高い電圧であった。しかし、内部短絡の発生数が多かった。これは、正極ラス芯材面4aが正極ケース1に直に接していないことに起因して、正極ケース1と正極活物質間の反応効率が若干低下したものと推察される。また、落下試験時の衝撃によりラス芯材面4aのラス芯材の端部がセパレータ7を貫通し、負極5と内部短絡したものと考えられる。
なお、本発明者らは、上記の実施形態、並びに本実施例とは異なる正極活物質を用いたコイン形電池を作製することで、本発明の効果が正極活物質の種類に関係なく発揮されることを確認している。本実施例では詳細を記載していないが、活物質としてフッ化黒鉛を用い、電解液にガンマブチルラクトンと1,2ジメトキシエタンの混合溶媒を用いた等容積混合溶媒にホウフッ化リチウムを1モル/lの割合で溶解したものを用い、その他の電池構成および電池作製工程を電池Aと同一としたものを作製し、評価を実施した。その結果、同様の効果が得られることを確認したものである。
以上のように本発明に係るコイン形電池は、ラス芯材に片面充填された正極ペレットを用いることで、放電特性、及び信頼性を向上させるものである。特に厚さが薄く、且つ面積の広い正極ペレットを用いたコイン形電池での利用が好ましい。さらに、正極ペレットの機械的強度に優れるため、コイン形状の電池以外であっても適用可能であり、電池形状の柔軟性を高めることができる。このため、任意形状に打ち抜いた正極、負極、セパレータを使用し、ラミネート材の外装材を組み合わせることで、ドーナツ状といった任意形状の電池を作製できることから、本発明は広い利用可能性を有する。
(a)本発明におけるラス芯材の外観を示す模式図(b)同ラス芯材の網目構造を示す模式図 本実施形態でのコイン形電池の模式構成を示す縦断面図 本実施例における電池の放電特性を示す比較関係図
符号の説明
1 正極ケース
2 封口板
3 ガスケット
4 正極
4a 正極ラス芯材面
5 負極
6 セパレータ

Claims (3)

  1. リチウム、若しくはリチウム合金からなる負極、活物質を含む正極合剤をペレット状に成形した正極を備えた発電要素を扁平形状の電池容器に収容したコイン形非水電解液電池であって、
    ペレット状の正極は、ラス芯材からなる集電体を有しており、前記ラス芯材の下端部がペレットの下部主面に位置し、正極ケースに接し、且つ前記ラス芯材の上端部がぺレット状の正極内部に位置することを特徴とするコイン形非水電解液電池。
  2. 正極合剤がラス芯材の片面側から充填され、前記ラス芯材を含む正極合剤を所定厚さに圧延した後、ペレット状に打ち抜いた正極を備える請求項1記載のコイン形非水電解液電池。
  3. 不織布からなるセパレータを備える請求項1記載のコイン形非水電解液電池。
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