JP2005135229A - 半導体集積回路の自動設計方法 - Google Patents

半導体集積回路の自動設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 詳細配線での制約が少ない、クロストークの影響を低減する半導体集積回路の自動設計方法を提供する。
【解決手段】 クロストーク評価部が基準記憶領域に格納されたクロストーク基準を読み出し、複数の概略格子からなるスイッチボックスを通過する概略配線のうちからクロストークの影響を受けやすい概略配線を抽出するステップ、境界点制約設定部が配線制約記憶領域に格納された配線制約条件を読み出し、クロストークの影響を受けやすい概略配線がスイッチボックスの境界と交差する位置を、配線制約条件に基づいて制限する境界点制約を設定するステップ、詳細配線処理部が境界点制約に基づいてスイッチボックスの詳細配線を行うステップを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体集積回路の設計方法に係り、特に半導体集積回路の配線の自動設計方法に関する。
半導体集積回路の微細化に伴って配線間の距離が短くなるため、配線間の結合容量等に起因するクロストークが半導体集積回路の特性に与える影響が大きくなっている。配線間のクロストークの影響は、クロストークノイズやクロストーク遅延等がある。「クロストークノイズ」とは、影響を及ぼす配線を伝搬する信号の変化により、隣接する配線に電圧変化が発生することをいう。以下において、クロストークの影響を受ける配線を「被害配線」、影響を及ぼす配線を「攻撃配線」という。クロストークノイズにより、半導体集積回路の誤動作が発生する可能性がある。又、「クロストーク遅延」とは、攻撃配線と被害配線の信号到着時刻が重なった場合に、先に信号の変化が始まっている被害配線が攻撃配線の信号の変化の影響を受け、被害配線の信号の伝搬時間に遅延が発生することをいう。クロストーク遅延により、半導体集積回路の誤動作や特性劣化が発生する。
一般に、半導体集積回路の配線方法は、先ず、回路素子の配置を決定した半導体集積回路の配線領域を複数の概略格子に分割する。次に、配線がどの概略格子を通過するかを決定する概略配線を行う。その後、それぞれの概略格子内の配線の配置を決定する詳細配線を行う。クロストークによる影響を低減するために、概略配線の後、仮の詳細配線を行ってクロストークの影響を評価し、評価結果に基づいて配線が概略格子の境界と交差する位置を設定し、再度概略配線を行う配線方法が提案されている(特許文献1参照。)。又、概略配線処理を行った後、クロストーク遅延の可能性を検討し、詳細配線前に配線が概略格子の境界と交差する位置を設定することにより、クロストークの影響を改善する方法が提案されている(非特許文献1参照。)。
特開2000−223578号公報 エイチ・ピー・ツェン(H.-P.Tseng)、ルイス・シェファー(Louis Scheffer)、カール・セッチェン(Carl Sechen)著、「米国電子通信技術者協会トランサクション・オン・コンピュータエイデッド・デザイン・オブ・インテグレイテッド・サーキッツ・アンド・システムズ、第20巻、第4号(IEEE Trans. Computer-Aided Design of Integrated Circuits and Systems vol.20 No.4)」、2001年、p.528−544
しかしながら、特許文献1に記載の配線方法では、配線が概略格子と交差する境界上の位置が詳細配線前にすべて設定されるため、詳細配線での制約が厳しい。更に、配線間容量の低減のために配線間隔を広くする必要があるが、配線密度が高い領域では配線間隔を十分に広くすることができず、クロストークの低減が困難である。
一方、非特許文献1に記載の方法では、詳細配線前に全配線の概略格子と交差する境界上の位置をすべて決定するため、詳細配線での制約が大きく、概略格子内の配線密度が高い場合に詳細配線が困難になる。更に、クロストークの影響を遅延時間に換算して考慮するため、クロストークノイズの影響を検討することができない。又、攻撃配線同士の信号到着時刻の重なりを考慮した配線の最適化を行うことができない。
上記問題点を鑑み、本発明は、詳細配線での制約が少ない、クロストークの影響を低減する半導体集積回路の自動設計方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、(イ)クロストーク評価部が、基準記憶領域に格納されたクロストーク基準を読み出し、複数の概略格子からなるスイッチボックスを通過する概略配線のうちからクロストークの影響を受けやすい概略配線を抽出するステップと、(ロ)境界点制約設定部が、配線制約記憶領域に格納された配線制約条件を読み出し、クロストークの影響を受けやすい概略配線がスイッチボックスの境界と交差する位置を、配線制約条件に基づいて制限する境界点制約を設定するステップと、(ハ)詳細配線処理部が、境界点制約に基づいてスイッチボックスの詳細配線を行うステップとを含む半導体集積回路の自動設計方法であることを要旨とする。
第2の特徴は、複数の概略格子からなるスイッチボックスが、複数個連続して配置された半導体集積回路において、複数個のスイッチボックスについて順に詳細配線を行う自動設計方法であって、(イ)影響配線処理部が、既に詳細配線を行った第1のスイッチボックスにおいてクロストークの影響を受ける概略配線に対する攻撃配線の信号到着時刻範囲を影響配線記憶領域に格納するステップと、(ロ)クロストーク評価部が、基準記憶領域に格納されたクロストーク基準を読み出し、第1のスイッチボックスに連続し、処理対象となる第2のスイッチボックスを通過する概略配線のうちからクロストークの影響を受けやすい概略配線を抽出するステップと、(ハ)境界点制約設定部が、配線制約記憶領域に格納された配線制約条件と影響配線記憶領域に格納された信号到着時刻範囲を読み出し、クロストークの影響を受けやすい概略配線が第2のスイッチボックスの境界点制約が設定されていない境界と交差する位置を、配線制約条件と信号到着時刻範囲に基づいて制限する境界点制約を設定するステップと、(ハ)詳細配線処理部が、境界点制約に基づいて第2のスイッチボックスの詳細配線を行うステップとを含む半導体集積回路の自動設計方法であることを要旨とする。
本発明によれば、詳細配線での制約が少ない、クロストークの影響を低減する半導体集積回路の自動設計方法を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、平面寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法や配置等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1及び第2の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1に示す本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法は、例えば図2に示すような設計装置によって実行することが可能である。図2に示す設計装置は、入力装置200と、記憶装置300と、CPU400と出力装置500とを備える。記憶装置300は、回路情報記憶領域301、基準記憶領域302、配線制約記憶領域303、回路配置記憶領域311、概略格子記憶領域312、概略配線記憶領域313、スイッチボックス記憶領域314、境界点設定記憶領域315、詳細配線記憶領域316及びマスクパターン記憶領域317を備える。回路情報記憶領域301には、半導体集積回路の論理情報や電気的な接続情報等の回路情報が格納される。基準記憶領域302にはクロストーク基準が格納される。配線制約記憶領域303には配線制約条件が格納される。回路配置記憶領域311には、半導体集積回路チップ上に配置された回路素子の配置情報等が格納される。概略格子記憶領域312には、半導体集積回路の配線領域を概略格子に分割した後の回路素子の配置情報等が格納される。概略配線記憶領域313には、概略配線の通過する概略格子の情報等が格納される。スイッチボックス記憶領域314には、スイッチボックスを通過する概略配線の情報等が格納される。境界点設定記憶領域315には境界点制約が格納される。詳細配線記憶領域316にはスイッチボックス毎に行われる詳細配線の結果が格納される。マスクパターン記憶領域317には、詳細配線された後の半導体集積回路のマスクパターンが格納される。
又、CPU400は、回路素子配置処理部401、概略配線処理部402、スイッチボックス処理部403、クロストーク評価部404、境界点制約設定部405、詳細配線処理部406及びマスクパターン作成部407を備える。回路素子配置処理部401は、回路情報記憶領域301に格納された回路情報を読み出して、半導体集積回路チップ上に回路素子を配置する。概略配線処理部402は、回路情報記憶領域301に格納された回路情報を読み出して、概略配線を行う。スイッチボックス処理部403は、複数の概略格子からスイッチボックスを構成し、詳細配線を行うスイッチボックスの選択を行う。クロストーク評価部404は、クロストーク基準を読み出して、概略配線のクロストークの影響の受けやすさを評価する。境界点制約設定部405は、配線制約条件を読み出して、詳細配線における概略配線の境界点制約を設定する。詳細配線処理部406は、境界点制約を読み出して、スイッチボックスの詳細配線を行う。マスクパターン作成部407は、回路配置記憶領域311と詳細配線記憶領域316の情報を読み出して、マスクパターンの作成を行う。
図2に示す設計装置では、入力装置200から設計を行う半導体集積回路の論理情報や電気的な接続情報が読み込まれて、CPU400によって回路素子の配置と概略配線が行われ、更に、スイッチボックスが設定される。又、入力装置200から、クロストーク基準と配線制約条件が読み込まれる。スイッチボックスを通過する配線について、読み込まれたクロストーク基準に基づき、クロストークの影響の受けやすさが判定される。クロストークの影響を受けやすいと判定された配線について、配線が通過できるスイッチボックスの境界点の制限が配線制約条件に基づいてスイッチボックス単位で設定される。設定された境界点の制限を参照して詳細配線が行われ、すべてのスイッチボックスの詳細配線が終了後に、回路素子の配置情報と詳細配線の情報からマスクパターンが作成される。
ここで、「スイッチボックス」とは複数の概略格子から構成されており、詳細配線を行う単位である。1つのスイッチボックスは、例えば5行5列、或いは7行7列等の複数の概略格子のユニットとして設定される。概略格子は最小線幅の配線が10〜30本程度通過可能な大きさであるため、スイッチボックスの1辺は50〜200本程度の配線が通過可能である。又、「クロストーク基準」とはクロストークの影響を受けやすいか受けにくいかを分類する判定基準であり、配線長等が使用可能である。尚、「クロストークを受けやすい配線」とは、クロストークの攻撃配線または被害配線になる可能性のある配線のことである。配線長が長いほどクロストークの影響を受けやすいが、クロストークの影響の受けやすさは配線幅や配線間隔等の設計ルールや配線を伝搬する信号の電圧値等に依存する。一般に、半導体集積回路の微細化が進むと、クロストークの影響を受けやすい配線長は短くなる。例えば、0.18μm設計ルールでは長さが300μm以上の配線をクロストークの影響を受けやすい配線として分類することが可能である。ただし、配線の厚み等にも依存するため、必要に応じてクロストーク基準の検討が行われる。又、「配線制約条件」は、例えばクロストークの影響を受けやすい配線同士は隣接した境界点を通過できない等の制限を規定したものである。ここで、配線がスイッチボックスと交差する境界上の位置を「境界点」という。又、以下において、詳細配線においてそれぞれの配線が通過可能な境界点を設定した制限を「境界点制約」という。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法の基本的なステップを、図1のフローチャート、図2の設計装置及び図3を用いて説明する。
(イ)先ず、図1のステップS101において、図2に示した入力装置200から半導体集積回路の回路情報が入力されて回路情報記憶領域301に格納される。又、入力装置200からクロストーク基準が入力され、基準記憶領域302に格納される。更に、配線制約条件が入力装置200から入力され、配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)次に、ステップS102において、回路情報記憶領域301に格納された回路情報を読み出して、回路素子配置処理部401によって回路素子の配置が決定される。図3に示した半導体集積回路チップ100上の端子a1、端子a2、端子b1、端子b2、端子c1、端子c2、端子d1、端子d2は図示を省略した回路素子の入出力端子である。決定された回路素子の配置情報及び各回路素子の入出力端子配置情報等は回路配置記憶領域311に格納される。
(ハ)次に、ステップS103において、概略配線処理部402によって回路素子の配置を決定した半導体集積回路の配線領域を複数の概略格子に分割する。図3は、半導体集積回路チップ100の配線領域を一点鎖線で表示した20行20列の概略格子に分割した例を示している。分割された概略格子の情報は概略格子記憶領域312に格納される。
(ニ)ステップS104において、回路情報記憶領域301に格納された回路情報及び回路配置記憶領域311に格納された回路素子の入出力端子配置情報を読み出し、概略配線処理部402によって回路素子間の配線がどの概略格子を通過するかを決定する概略配線が行われる。図3に示した例では、配線11〜配線14が概略配線されている。配線11は端子a1と端子a2とを接続し、配線12は端子b1と端子b2とを接続している。又、配線13は端子c1と端子c2とを接続し、配線14は端子d1と端子d2とを接続している。概略配線の結果は概略配線記憶領域313に格納される。
(ホ)次に、ステップS105において、スイッチボックス処理部403によって、概略配線が行われた半導体集積回路の配線領域を複数のスイッチボックスに再分割する。前述したように、スイッチボックスは3行3列、5行5列、7行7列等の複数の概略格子をユニットとして構成される。図3に示した例では、半導体集積回路チップ100の配線領域は5行5列の概略格子からなるスイッチボックスに再分割されている。ただし、スイッチボックス10以外のスイッチボックスは表示を省略している。スイッチボックス10を配線11〜配線14が通過している。スイッチボックスを構成する概略格子やスイッチボックスを通過する概略配線、境界点の情報等がスイッチボックス記憶領域314に格納される。
(ヘ)ステップS106において、スイッチボックス処理部403によって、スイッチボックス記憶領域314に格納された複数のスイッチボックスの情報から詳細配線を行うスイッチボックスの優先順位が決定される。スイッチボックスの詳細配線を行う優先順位は、配線密度の高いスイッチボックス、或いはクロストークの影響を受けやすい配線密度の高いスイッチボックスから先に行うように決定することが効率的であり、望ましい。
(ト)次に、ステップS107において、クロストーク評価部404によって、基準記憶領域302に格納されたクロストーク基準を読み出して、選択されたスイッチボックスを通過する概略配線をクロストークの影響を受けやすい概略配線とクロストークの影響を受けにくい概略配線とに分類する。分類された結果は、概略配線記憶領域313にそれぞれの概略配線の情報として追加して格納される。
(チ)次に、ステップS108において、概略配線記憶領域313に格納された概略配線の情報と配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件とを読み出し、境界点制約設定部405によって詳細配線の境界点制約を設定する。境界点制約を設定する方法は、後述するようにクロストークの影響を考慮してなされる。設定した境界点制約は境界点設定記憶領域315に格納される。
(リ)次に、ステップS109において、境界点設定記憶領域315に格納された境界点制約を読み出して、詳細配線処理部406によってスイッチボックスの詳細配線を行う。詳細配線の結果は詳細配線記憶領域316に格納される。
(ヌ)次に、ステップS110において、すべてのスイッチボックスの詳細配線が終了したかどうか判断し、詳細配線が終了していないスイッチボックスがある場合は、ステップS106に戻り、次のスイッチボックスの詳細配線を行う。すべてのスイッチボックスの詳細配線が終了していれば、詳細配線を終了する。
(ル)次に、ステップS111において、回路配置記憶領域311に格納された回路素子の配置情報と詳細配線記憶領域316に格納された詳細配線の情報が呼び出され、マスクパターン作成部407によって半導体集積回路のマスクパターン情報が作成される。作成されたマスクパターン情報はマスクパターン記憶領域317に格納される。マスクパターン情報は出力装置500から電子ファイル等の形式で出力が可能であり、フォトリソグラフィ用マスクやレチクルの作成等に使用される。
上記の説明においては、クロストークの影響を受けやすい概略配線と受けにくい概略配線の分類をステップS107として、ステップS106におけるスイッチボックス選択後に行う例を説明した。しかし、例えば配線長を基準にして分類する場合は、ステップS104における概略配線を行った後等で分類することができる。
次に、クロストークの影響を受けやすい配線と受けにくい配線の分類を配線長で行う場合の例を、図3を用いて例示的に説明する。スイッチボックス10の境界点は、図4に示すように境界点P1〜境界点P6である。
(イ)図1のステップS101において、クロストーク基準となる配線長が図2に示した基準記憶領域302に格納される。更に、クロストークの影響を受けやすい配線同士が隣接した境界点を通過しないという配線制約条件が配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)ステップS107において、クロストーク評価部404によって基準記憶領域302に格納されたクロストーク基準が読み出され、配線11〜配線14がクロストークの影響を受けやすい配線と受けにくい配線とに分類される。その結果、例えば、図5に示すような配線11と配線12はクロストークの影響を受けやすく、配線13と配線14はクロストークの影響を受けにくいという分類結果が概略配線記憶領域313に格納される。
(ハ)次に、ステップS108において、境界点制約設定部405によって、配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件が読み出され、配線制約条件に基づいて境界点制約が設定される。具体的には、配線11と配線12とが隣接した境界点を通過しないという制限を含む境界点制約が設定され、例えば図6に示すような境界点制約が設定される。設定された境界点制約は境界点設定記憶領域315に格納される。図6は配線が通過可能な境界点を示し、例えば配線11は境界点P1、境界点P3、境界点P5を通過できることを示している。境界点P1は配線12、配線13、配線14も通過可能であるが、例えば配線11が境界点P1を通過すると設定された場合は、他の配線は境界点P1とは異なる境界点を通過するように設定される。この場合、配線12が通過できるのは境界点P3又は境界点P5になる。又、クロストークの影響を受けにくい配線13と配線14には通過する境界点の制限がない。
(ニ)次に、ステップS109において、詳細配線処理部406によって、図6の境界点制約が読み出され、スイッチボックス10の詳細配線を行った例を図7に示す。配線11は境界点P3、配線12は境界点P5、配線13は境界点P4、配線14は境界P1を通過している。
上記の説明のように、本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法においては、配線の通過するスイッチボックスの境界点の設定のみを行うため、全配線領域を設定するよりも設計時間を短くすることができる。又、クロストークの影響を受けやすい配線が通過する境界点のみを制限した境界点制約に基づくため、詳細配線での制約が厳しくない。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法によれば、クロストークの影響を受けやすい配線同士が隣接したスイッチボックスの境界点を通過しないように境界点制約を設定することにより、詳細配線での制約が少なく設計時間の短い、クロストークの影響を低減した半導体集積回路を提供することができる。
上記の説明においては、説明をわかりやすくするため、スイッチボックス10の境界点制約が1辺の境界にある場合について説明したが、他の辺の境界に境界点制約を設定することができるのは勿論である。又、図6では配線11と配線12が通過できる境界点が境界点P1、境界点P3、境界点P5とした境界点制約の例を示したが、例えば、配線11と配線12が通過できる境界点を境界点P2、境界点P4、境界点P6とした境界点制約を設定できることは勿論である。
図1に示した一連の自動設計操作は、図1と等価なアルゴリズムのプログラムにより、図2に示した設計装置を制御して実行出来る。このプログラムは、図2に示した設計装置を構成する記憶装置300に記憶させればよい。また、このプログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、この記録媒体を図2に示した記憶装置300に読み込ませることにより、本発明の一連の自動設計操作を実行することができる。ここで、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような媒体などを意味する。具体的には、フレキシブルディスク、CD−ROM,MOディスク、カセットテープ、オープンリールテープなどが「コンピュータ読取り可能な記録媒体」に含まれる。
(第1の変形例)
クロストーク遅延が発生する可能性が高い信号到着時刻が重なる配線が、隣接した境界点を通過しないように境界点制約を設定することにより、更に半導体集積回路におけるクロストークの影響を低減することができる。ただし、配線の信号到着時刻は入力パターン等に依存するため、一定の範囲を持たせて検討する必要があり、以下において「信号到着時刻範囲」とする。以下に、本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法における、配線の信号到着時刻範囲を考慮した境界点制約の設定と詳細配線の例を、図2の設計装置と図8のフローチャートを用いて説明する。配線の信号到着時刻範囲を考慮した境界点制約を設定することが図1に示した自動設計方法と異なる点である。詳細配線を行うスイッチボックス10を、クロストークの影響の受けやすさを図9に示す配線21〜配線25が通過している場合を例示的に説明する。図10のタイミングチャートに示すように、配線21の信号到着時刻範囲は時間t1〜時間t3であり、配線22の信号到着時刻範囲は時間t2〜時間t4である。したがって、配線21と配線22の信号到着時刻範囲は時間t2〜時間t3が重なっている。又、配線23の信号到着時刻範囲は時間t5〜時間t8であり、配線24の信号到着時刻範囲は時間t6〜時間t7である。したがって、配線23と配線24の信号到着時刻範囲は時間t6〜時間t7が重なっている。
(イ)図8のステップS201において、配線信号到着時刻範囲が重なるクロストークの影響を受けやすい配線が隣接した境界点を通過しないという配線制約条件が、図2に示した配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)図8のステップS208において、クロストークの影響を受けやすい配線21〜配線24の信号到着時刻範囲が回路情報記憶領域301に格納された回路情報から抽出される。抽出された信号到着時刻範囲は概略配線記憶領域313に格納される。
(ハ)次に、ステップS209において、境界点制約設定部405によって、概略配線記憶領域313に格納された信号到着時刻範囲と配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件とが読み出され、配線制約条件に基づいて境界点制約が設定される。具体的には、「配線21と配線22は隣接した境界点を通過しない」、「配線23と配線24は隣接した境界点を通過しない」、という制限を含む境界点制約が設定される。その結果、例えば図11に示すような境界点制約が設定され、境界点設定記憶領域315に格納される。
(ニ)ステップS210において、詳細配線処理部406によって、境界点設定記憶領域315に格納された境界点制約が読み出され、スイッチボックス10の詳細配線が行われる。図12は、図11の境界点制約に基づいてスイッチボックス10の詳細配線を行った例である。配線21は境界点P3、配線22は境界点P5、配線23は境界点P4、配線24は境界P6、配線25は境界P1を通過している。
配線信号到着時刻範囲が重なるクロストークの影響を受けやすい配線が隣接した境界点を通過しないという配線制約条件によって、半導体集積回路におけるクロストークの影響を低減することができる。他は、図1に示す第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法と基本的に同様であるので、重複した説明を省略する。
(第2の変形例)
配線の信号到着時刻範囲を考慮した詳細配線の他の例として、信号到着時刻範囲が重なる配線毎に配線グループに分類する方法を用いた境界点制約の設定と詳細配線の例を、図2の設計装置と図13のフローチャートを用いて説明する。配線の信号到着時刻範囲によって配線グループを設定し、境界点制約を設定することが図1に示した自動設計方法と異なる点である。以下の説明においては、クロストークの影響の受けやすさが図9に示すような配線21〜配線25が、詳細配線を行うスイッチボックス10を通過している場合を例示的に示す。配線21〜24の信号到着時刻範囲は図10のタイミングチャートに示される。
(イ)図13のステップS301において、異なる配線グループが隣接する境界点を通過するという配線制約条件が、図2に示す配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)ステップS308において、回路情報記憶領域301に格納された回路情報からスイッチボックス10を通過するクロストークの影響を受けやすい概略配線の信号到着時刻範囲が抽出される。抽出された信号到着時刻範囲は概略配線記憶領域313に格納される。
(ハ)次に、ステップS309において、概略配線処理部402によって概略配線記憶領域313に格納された信号到着時刻範囲が読み出され、信号到着時刻範囲が重なる配線毎に配線グループに分類される。具体的には、配線21と配線22が同じ配線グループ、配線23と配線24が同じ配線グループに分類される。分類された情報は概略配線記憶領域313に格納される。
(ニ)ステップS310において、境界点制約設定部405によって、概略配線記憶領域313に格納された配線グループの分類情報と配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件とが読み出され、配線制約条件に基づいて境界点制約が設定される。設定された境界点制約は境界点設定記憶領域315に格納される。
(ホ)ステップS311において、詳細配線処理部406によって、境界点設定記憶領域315に格納された境界点制約が読み出されスイッチボックス10の詳細配線が行われる。
上記の方法によっても、例えば図12に示した詳細配線と同様の結果が得られる。即ち、異なる配線グループが隣接する境界点を通過するという配線制約条件によって詳細配線を行った場合、クロストーク遅延が発生する可能性が高い信号到着時刻範囲が重なる配線は隣接する境界点を通過しない。このため、半導体集積回路におけるクロストークの影響を低減することができる。他は、図1に示す第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法と基本的に同様であるので、重複した説明を省略する。
(第3の変形例)
半導体集積回路に複数のクロック信号系がある場合、異なるクロック信号系に属する配線間では、信号到着時刻範囲が重なるかどうかは不明である。したがって、クロック信号系が異なる配線間では常に信号到着時刻範囲が重なると考える必要がある。本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法における、半導体集積回路に複数のクロック信号系がある場合の境界点制約の設定と詳細配線の例を図2の設計装置と図14のフローチャートを用いて説明する。配線の複数のクロック信号系を考慮した境界点制約を設定することが図1に示した自動設計方法と異なる点である。以下に、図15に示す信号系に属する配線31〜配線34が詳細配線を行うスイッチボックス10を通過する場合を例示的に説明する。又、配線31〜配線34はクロストークの影響を受けやすい配線である。
(イ)図14のステップS401において、クロック信号系が異なるクロストークの影響を受けやすい配線が隣接した境界点を通過しないという配線制約条件が、図2に示した配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)ステップS408において、回路情報記憶領域301に格納された回路情報から配線31〜配線34の属するクロック信号系を抽出し、同じクロック系に属する配線は同一の配線グループとする。具体的には、第1クロック信号系に属する配線31と配線32を、例えば第1配線グループとする。又、第2クロック信号系に属する配線33と配線34を、例えば第2配線グループとする。配線グループの情報は概略配線記憶領域313に格納される。
(ハ)次に、ステップS409において、境界点制約設定部405によって概略配線記憶領域313に格納された配線グループの情報と配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件とが読み出され、配線制約条件に基づいて境界点制約が設定される。具体的には、例えば「配線31及び配線32は、配線33又は配線34と隣接した境界点を通過しない」という制限を含む境界点制約が設定される。その結果、例えば図16に示すような境界点制約が設定される。設定された境界点制約は境界点設定記憶領域315に格納される。
(ニ)次に、ステップS410において、詳細配線処理部406によって、境界点設定記憶領域315に格納された境界点制約が読み出され、スイッチボックス10の詳細配線が行われる。図17は、図16の境界点制約に基づいてスイッチボックス10の詳細配線を行った例である。配線31は境界点P1、配線32は境界点P2、配線33は境界点P4、配線34は境界P6を通過している。
異なるクロック信号系に属するクロストークの影響を受けやすい配線が、隣接した境界点を通過しないという境界点制約を設定することにより、信号到着時刻範囲が重なるかどうか不明な異なるクロック信号系に属する配線間でのクロストークの影響を減少させることができる。他は、図1に示す第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法と基本的に同様であるので、重複した説明を省略する。
(第4の変形例)
信号の遷移時間が長い配線の信号が変化している間に、信号の遷移時間が短い配線の信号が変化することにより、信号の遷移時間が長い配線にクロストークノイズやクロストーク遅延が発生する可能性がある。したがって、信号の遷移時間の差が大きな配線が隣接しないようにする必要がある。本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法における、配線を伝搬する信号の遷移時間が異なる場合の境界点制約の設定と詳細配線の例を図2の設計装置と図18のフローチャートを用いて説明する。配線を伝搬する信号の遷移時間を考慮した境界点制約を設定することが図1に示した自動設計方法と異なる点である。以下に、詳細配線を行うスイッチボックス10を、クロストークの影響を受けやすい図19に示す信号の遷移時間を有する配線41〜配線45が通過する場合を例示的に説明する。クロストーク遅延が発生する信号の遷移時間の差は、配線幅や配線間隔等の設計ルールや配線を伝搬する信号の電圧値等に依存する。ここでは、1ns以上の差がある場合にクロストーク遅延が発生する可能性が高い場合を例として、以下に説明する。
(イ)図18のステップS501において、信号の遷移時間の差が1ns以上の配線が隣接した境界点を通過しないという配線制約条件が、図2に示した配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)次に、ステップS508において、回路情報記憶領域301に格納された回路情報から配線41〜配線45の信号の遷移時間が抽出され、概略配線記憶領域313に格納される。
(ハ)次に、ステップS509において、境界点制約設定部405によって、概略配線記憶領域313に格納された配線の信号の遷移時間と配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件とが読み出され、配線制約条件に基づいて境界点制約が設定される。具体的には、「配線41及び配線42は、配線45と隣接した境界点を通過しない」という制限を含む境界点制約が設定され、例えば図20に示すような境界点制約が境界点設定記憶領域315に格納される。
(ニ)次に、ステップS510において、詳細配線処理部406によって、境界点設定記憶領域315に格納された境界点制約が読み出され、境界点制約に基づいてスイッチボックス10の詳細配線が行われる。図21は、図20の境界点制約に基づいてスイッチボックス10の詳細配線を行った例である。配線41は境界点P1、配線42は境界点P3、配線43は境界点P4、配線44は境界P5、配線45は境界P6を通過している。
信号の遷移時間の差が大きな配線が隣接した境界点を通過しない境界点制約を設定する方法としては、例えば信号の遷移時間の順に配線を並べて境界点を通過させる方法がある。
信号の遷移時間の差が大きな配線を隣接させないことにより、半導体集積回路にクロストークノイズやクロストーク遅延の発生する可能性を低減することができる。他は、図1に示す第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法と基本的に同様であるので、重複した説明を省略する。
(第2の実施の形態)
既に第1の実施の形態で説明したように、複数の概略格子からなるスイッチボックスが複数個連続して配置された半導体集積回路の詳細配線の設計は、スイッチボックスを特定の優先順位に従い、順に詳細配線していく。この場合、例えば、図24に示す既に詳細配線が行われた第1のスイッチボックス50において配線52が被害配線であり、配線51が攻撃配線であるとすれば、配線51と信号到着時刻範囲が重なる配線が配線52に隣接しないように、処理対象となる第2のスイッチボックス60の境界点制約を設定する必要がある。隣接する複数の攻撃配線の信号到着時刻範囲が重なった場合は、被害配線に発生するクロストークノイズが非常に大きくなり、半導体集積回路が誤動作する可能性が高くなるためである。図24は、既に詳細配線が行われた第1のスイッチボックス50の被害配線を考慮して、処理対象となる第2のスイッチボックス60の詳細配線を行った例である。第1のスイッチボックス50を配線51、配線52、配線53が通過し、配線52は配線51からクロストークの影響を受ける被害配線である。第2のスイッチボックス60を、図25に示す配線52、配線53、配線61、配線62が通過している。図26のタイミングチャートに示すように、第2のスイッチボックス60を通過するクロストークの影響を受けやすい配線53の信号到着時刻範囲は時間t2〜時間t4であり、配線61の信号到着時刻範囲は時間t5〜時間t8である。又、第1のスイッチボックス50において配線52の攻撃配線になっている配線51の信号到着時刻範囲は時間t1〜時間t3である。即ち、配線53と配線51の信号到着時刻範囲は時間t2〜時間t3が重なっている。したがって、配線52と配線53が隣接した第2のスイッチボックス60の境界点を通過しないように境界点制約が設定され、詳細配線されている。
上記に説明したような自動配線を実現するために、本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法は、図22に示ように、詳細配線処理済のスイッチボックスでの被害配線を考慮した境界点制約を設定するためのステップを含む点が、第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法と異なる。
図22に示す半導体集積回路の自動設計方法は、例えば図23に示すような設計装置によって実行することが可能である。図23に示す設計装置は、入力装置200と、記憶装置300と、CPU400と出力装置500とを備える。記憶装置300は、回路情報記憶領域301、基準記憶領域302、配線制約記憶領域303、回路配置記憶領域311、概略格子記憶領域312、概略配線記憶領域313、スイッチボックス記憶領域314、境界点設定記憶領域315、詳細配線記憶領域316、マスクパターン記憶領域317及び影響配線記憶領域318を備える。
又、CPU400は、回路素子配置処理部401、概略配線処理部402、スイッチボックス処理部403、クロストーク評価部404、境界点制約設定部405、詳細配線処理部406、マスクパターン作成部407及び影響配線処理部408を備える。
記憶装置300が影響配線記憶領域318を備えること、及びCPU400が影響配線処理部408を備えることが、図2に示した設計装置と異なる点である。影響配線処理部408は、詳細配線を行っているスイッチボックスを通過する概略配線から、詳細配線処理済みのスイッチボックスにおいて被害配線になっている配線(以下において「第1被害配線」という。)があるかどうか判断し、第1被害配線がある場合は、第1被害配線の情報とその被害配線に対する攻撃配線(以下において「第1攻撃配線」という。)の信号到着時刻範囲を抽出する。抽出した第1攻撃配線の信号到着時刻範囲は、影響配線記憶領域318に格納される。
詳細配線を行っているスイッチボックスに第1被害配線があるかどうか判断するためには、例えば詳細配線を行ったスイッチボックスにおいて被害配線になった配線がある場合に、図22のステップS612において、第1被害配線であるという情報を図23に示した詳細配線記憶領域316に格納しておく。これにより、その後のスイッチボックスの詳細配線において第1被害配線になっているかどうか判断することができる。又、詳細配線記憶領域316に第1攻撃配線の信号到着時刻範囲等の情報を格納しておくことにより、攻撃配線の信号到着時刻領域を抽出する際に利用できる。
以下に、詳細配線処理済スイッチボックスにおいて被害配線になっている配線がある場合の境界点制約の設定と詳細配線の例を図22のフローチャートと図23の設計装置を用いて説明する。以下においては、図24に示した第1のスイッチボックス50の詳細配線の後に、第2のスイッチボックス60の詳細配線を行った場合を例示的に説明する。
(イ)先ず、図22のステップS601において、図23に示した入力装置200から、第1攻撃配線と信号到着時刻範囲が重なる配線が、第1被害配線と隣接した境界点を通過しないという配線制約条件が配線制約記憶領域303に格納される。
(ロ)ステップS608において、影響配線処理部408によって、詳細配線記憶領域316に格納された詳細配線の情報と概略配線記憶領域に格納された概略配線の情報を読み込み、詳細配線の情報と概略配線の情報を参照して、選択されたスイッチボックスを通過する概略配線に第1被害配線があるかどうか判断する。第1被害配線がなければ、ステップS612に移る。第1被害配線がある場合は、第1攻撃配線の信号到着時刻範囲を詳細配線記憶領域316から抽出し、影響配線記憶領域318に格納する。
(ハ)次に、ステップS610において、クロストークの影響を受けやすい配線53と配線61の信号到着時刻範囲が回路情報記憶領域301に格納された回路情報から抽出される。抽出された信号到着時刻範囲は概略配線記憶領域313に格納される。
(ニ)次に、ステップS611において、境界点制約設定部405によって、影響配線記憶領域318に格納された第1攻撃配線の信号到着時刻範囲と、概略配線記憶領域313に格納された概略配線の信号到着時刻範囲と、配線制約記憶領域303に格納された配線制約条件とが読み出され、配線制約条件に基づいて境界点制約が設定される。具体的には、「配線52と配線53は隣接した境界点を通過しない」という制限を含む境界点制約が設定される。その結果、例えば図27に示す境界点制約が設定され、境界点設定記憶領域315に格納される。
(ホ)次に、ステップS612において、詳細配線処理部406によって、境界点設定記憶領域315に格納された境界点制約が読み出され、境界点制約に基づいて第2のスイッチボックス60の詳細配線が行われる。図24は、図27の境界点制約に基づいて第2のスイッチボックス60の詳細配線を行った例である。配線52は境界点P3、配線53は境界点P5、配線61は境界点P1、配線62は境界点P6を通過している。詳細配線において被害配線になった場合は、詳細配線記憶領域316に被害配線であるという情報と、攻撃配線の信号到着時刻範囲を格納する。
以上に説明したように、詳細配線処理済みスイッチボックスの被害配線であることを考慮して、信号到着時刻範囲が重なる複数の攻撃配線と被害配線を隣接させないことにより、クロストークノイズによる半導体集積回路の誤動作が発生する可能性を低減することができる。他は、第1の実施の形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
既に述べた第1及び第2の実施の形態の説明においては、詳細配線における配線制約条件が1つの場合について説明したが、複数の配線制約条件を設定して詳細配線を行うことができ、半導体集積回路におけるクロストークの影響を低減することができる。又、配線密度が高いためにすべての配線制約条件を満足できない場合には、半導体集積回路におけるクロストークの影響の大きさを勘案するなどして、配線制約条件に優先順位をつけることができる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法を実行する設計装置を示す模式的な回路構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法による概略配線とスイッチボックスを説明するための半導体集積回路チップの上面図である。 境界点を説明するためのスイッチボックスの上面図である。 スイッチボックスを通過する配線のクロストークの影響の受けやすさを示す表である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法による境界点制約の例を示す表である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法によるスイッチボックスの詳細配線の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法を説明するフローチャートである。 スイッチボックスを通過する配線のクロストークの影響の受けやすさを示す表である。 スイッチボックスを通過する配線の信号到着時刻範囲を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法による境界点制約の例を示す表である。 本発明の第1の実施の形態の第1の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法によるスイッチボックスの詳細配線の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の第2の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法を説明するフローチャートである。 スイッチボックスを通過する配線の属するクロック信号系を示す表である。 本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法による境界点制約の例を示す表である。 本発明の第1の実施の形態の第3の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法によるスイッチボックスの詳細配線の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態の第4の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法を説明するフローチャートである。 スイッチボックスを通過する配線の信号の遷移時間を示す表である。 本発明の第1の実施の形態の第4の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法による境界点制約の例を示す表である。 本発明の第1の実施の形態の第4の変形例に係る半導体集積回路の自動設計方法によるスイッチボックスの詳細配線の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法を実行する設計装置を示す模式的な回路構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法によるスイッチボックスの詳細配線の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法において、スイッチボックスを通過する配線を説明する表である。 本発明の第1の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法及び第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法において、スイッチボックスを通過する配線と詳細配線処理済みスイッチボックスを通過する配線の信号到着時刻範囲を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る半導体集積回路の自動設計方法による境界点制約の例を示す表である。
符号の説明
10…スイッチボックス
11〜14…配線
21〜25…配線
31〜34…配線
41〜45…配線
50…第1のスイッチボックス
51〜53…配線
60…第2のスイッチボックス
61〜62…配線
100…半導体集積回路チップ
200…入力装置
300…記憶装置
301…回路情報記憶領域
302…基準記憶領域
303…配線制約記憶領域
311…回路配置記憶領域
312…概略格子記憶領域
313…概略配線記憶領域
314…スイッチボックス記憶領域
315…境界点設定記憶領域
316…詳細配線記憶領域
317…マスクパターン記憶領域
318…影響配線記憶領域
400…CPU
401…回路素子配置処理部
402…概略配線処理部
403…スイッチボックス処理部
404…クロストーク評価部
405…境界点制約設定部
406…詳細配線処理部
407…マスクパターン作成部
408…影響配線処理部
500…出力装置
a1、a2…端子
b1、b2…端子
c1、c2…端子
d1、d2…端子

Claims (5)

  1. クロストーク評価部が、基準記憶領域に格納されたクロストーク基準を読み出し、複数の概略格子からなるスイッチボックスを通過する概略配線のうちからクロストークの影響を受けやすい概略配線を抽出するステップと、
    境界点制約設定部が、配線制約記憶領域に格納された配線制約条件を読み出し、前記クロストークの影響を受けやすい概略配線が前記スイッチボックスの境界と交差する位置を、前記配線制約条件に基づいて制限する境界点制約を設定するステップと、
    詳細配線処理部が、前記境界点制約に基づいて前記スイッチボックスの詳細配線を行うステップ
    とを含むことを特徴とする半導体集積回路の自動設計方法。
  2. 前記配線制約条件が、信号の到着時刻範囲の重なる概略配線に関する制約を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路の自動設計方法。
  3. 前記配線制約条件が、異なるクロック信号系に属する概略配線に関する制約を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路の自動設計方法。
  4. 前記配線制約条件が、前記概略配線の信号の遷移時間の差に基づく概略配線に関する制約を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体集積回路の自動設計方法。
  5. 複数の概略格子からなるスイッチボックスが、複数個連続して配置された半導体集積回路において、前記複数個のスイッチボックスについて順に詳細配線を行う自動設計方法であって、
    影響配線処理部が、既に詳細配線を行った第1のスイッチボックスにおいてクロストークの影響を受ける概略配線に対する攻撃配線の信号到着時刻範囲を影響配線記憶領域に格納するステップと、
    クロストーク評価部が、基準記憶領域に格納されたクロストーク基準を読み出し、前記第1のスイッチボックスに連続し、処理対象となる第2のスイッチボックスを通過する概略配線のうちからクロストークの影響を受けやすい概略配線を抽出するステップと、
    境界点制約設定部が、配線制約記憶領域に格納された配線制約条件と前記影響配線記憶領域に格納された前記信号到着時刻範囲を読み出し、前記クロストークの影響を受けやすい概略配線が前記第2のスイッチボックスの境界点制約が設定されていない境界と交差する位置を、前記配線制約条件と前記信号到着時刻範囲に基づいて制限する境界点制約を設定するステップと、
    詳細配線処理部が、前記境界点制約に基づいて前記第2のスイッチボックスの詳細配線を行うステップ
    とを含むことを特徴とする半導体集積回路の自動設計方法。
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