JP2005134796A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 このようなトナーを用いる場合、連続稼働すると現像剤中に隙間が多く発生し、これを長期間放置すると、その隙間が埋まる。この放置後の稼働時におけるTセンサの目標値は、隙間の多い状態に適したものとなっているので、Tセンサの検知結果から把握されるトナー濃度と実際のトナー濃度との間に大きな差が生じ、その結果過剰なトナー補給が行われる。これを抑制すべく、放置後は、Pセンサ103による検出動作間隔mを通常30枚であるところを10枚に変更し、この状態で、抑制動作回数Kが0になるまで目標値Vtrefの補正処理を実行する。このような制御を行うことにより、従来よりも短い期間で、過剰なトナー補給動作を停止させることができる。
【選択図】 図1
Description
Tセンサとしては、現像剤中の所定領域内に存在するキャリア(磁性体)の透磁率を測定する透磁率センサが広く採用されている。このTセンサを用いたトナー濃度の検出方法は次のようなものである。すなわち、現像剤中のトナー濃度が高くなると、図11(a)に示すように、キャリア間に多数のトナーが介在する結果、キャリア同士の距離が遠くなる。そのため、Tセンサの検出エリア内に存在するキャリアの透磁率は低くなり、Tセンサの出力電圧は低くなる。一方、現像剤中のトナー濃度が低くなると、図11(b)に示すように、キャリア間に介在するトナーの量が少なくなるので、キャリア同士の距離が近くなり、Tセンサの検出エリア内に存在するキャリアの透磁率は高くなる。その結果、Tセンサの出力電圧は高くなる。したがって、Tセンサの出力電圧が低ければトナー濃度が高いと判断でき、Tセンサの出力電圧が高ければトナー濃度が低いと判断できる。
すなわち、例えば、現像剤の流動性が悪化した状態で画像形成装置の電源を落とし、翌朝に画像形成装置の電源を投入して画像形成を行おうとする場合を考える。この場合、流動性が悪化した現像剤が撹拌されることなく一晩放置されることになる。放置直前の現像剤は、図12(a)に示すように隙間の多い状態となっている。このとき、実際の現像剤のトナー濃度は適切な濃度となっている。しかし、翌朝には、現像剤がいわゆる締まった状態となり、図12(b)に示すように隙間が少ない状態となる。したがって、放置直前に比べてキャリア間の距離が狭くなる。そして、このような状態で画像形成装置が稼働し、画像形成が行われる。画像形成装置の稼働開始時におけるTセンサの目標値は、放置直前の値、すなわち、キャリア間の距離が広い状態に最適なものとなるように補正された値である。したがって、このときのTセンサの目標値は、キャリア間の距離が狭い状態である放置直後の現像剤について最適なものではない。その結果、Tセンサの検出値はこの目標値よりも高くなり、トナーが不足していると判断され、実際の現像剤のトナー濃度は適切な濃度になっているにもかかわらず、トナー補給が行われてしまう。これにより、実際の現像剤のトナー濃度が高くなりすぎてしまい、地汚れやトナー飛散を発生させていたのである。
本例では、通紙枚数30枚ごとに、1回のPセンサの検出動作を行い、Tセンサの目標値補正を行っている。稼働開始時における目標値は、放置直前の目標値のままであるので、比較的低い値となっている。一方、放置により現像剤の隙間が少なくなっており、キャリア間の距離が狭い結果、Tセンサの検出値はどんどん高まっていく。Tセンサの目標値は、図示のように、Pセンサの検出動作により段階的に高くなるように補正される。しかし、Tセンサの検出値が高まっている間は、トナー補給動作が継続され、トナーが過剰に補給されることになる。そして、この過剰なトナー補給動作は、最終的には、Pセンサによる検出及びTセンサの目標値補正を、本例では4回行うことで停止する。したがって、翌朝に稼働を開始してから120枚の画像形成を行う間という長期間にわたって過剰にトナーが供給される。その結果、実際の現像剤のトナー濃度は上昇の一途をたどり、翌朝に稼働を開始してから120枚の画像形成を行う期間に加え、更に、その後、実際の現像剤のトナー濃度が目標とする濃度付近まで低下するまでの間、地汚れやトナー飛散が発生してしまう。
また、このような問題は、変性ポリエステル樹脂を基材としたトナーを用いる場合に限らず、劣化により現像剤の流動性を悪化させやすい特性をもったトナーであれば、同様に生じ得るものである。
また、Tセンサが現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するものであれば、透磁率センサに限らず、上記問題は発生し得る。
また、請求項2の発明は、潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、上記トナー補給装置によりトナーを補給したにもかかわらず、上記トナー濃度センサで検知したパラメータがトナー濃度の低下を示したときには、所定期間、トナー補給動作が強制的に停止するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成装置において、上記補正処理の実行間隔を短くする又はトナー補給動作が強制的に停止するのは、上記トナー補給装置によりトナーを補給したにもかかわらず上記トナー濃度センサで検知したパラメータがトナー濃度の低下を示し、かつ、上記パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が所定の閾値濃度を越えているときであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、上記現像装置の非稼働時間を計測する計時手段を設け、該計時手段の計測時間が基準時間を越えたときには、所定期間、該計時手段の計測時間が該基準時間以下であるときよりも、上記補正処理の実行間隔が短くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、上記現像装置の非稼働時間を計測する計時手段を設け、該計時手段の計測時間が基準時間を越えたときには、所定期間、トナー補給動作が強制的に停止するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、上記所定期間の終期は、上記パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が基準濃度となったときであることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記キャリアとして磁性キャリアを用い、上記トナー濃度センサとして、現像剤密度に関連するパラメータである現像剤の透磁率を検知する透磁率センサを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、上記トナーとして、変性ポリエステル樹脂を基材としたトナーを用いたことを特徴とするものである。
そこで、請求項1の画像形成装置は、上記異常な状況が起こったときには、所定期間、通常時よりも、上記補正処理の実行間隔を短くする。すなわち、Pセンサ(パターン濃度センサ)によるトナーパターンの検出結果に基づいてTセンサの目標値を補正する処理の実行間隔を短くする。これにより、Tセンサの目標値の見直し時期の間隔が短くなり、その目標値を適切な値へ従来よりも速やかに修正することができる。その結果、トナー補給動作の継続時間を従来よりも短くでき、速やかに過剰なトナー補給を停止させることができる。
また、請求項2の画像形成装置は、上記異常な状況が起こったときには、トナー補給動作を強制的に停止する。これにより、実際の現像剤のトナー濃度が適切であるにもかかわらずトナー補給動作が継続されてしまう事態を抑制し、速やかに過剰なトナー補給を停止させることができる。
また、請求項4及び5の画像形成装置は、現像装置の非稼働時間を計測し、その計測時間が基準時間を越えたか否かを判断する。現像装置の非稼働時間が長くなると、上述したように、現像剤中の隙間が少なくなり、再稼働時にはトナー補給装置によりトナーを補給したにもかかわらずTセンサで検知したパラメータがトナー濃度の低下を示すような異常な状況が起こり得る。そして、請求項4の画像形成装置は、上記判断の結果、計測時間が基準時間を超えたと判断したら、所定期間、上述した請求項1の画像形成装置と同様に、上記補正処理の実行間隔を短くする。一方、請求項5の画像形成装置は、上述した請求項2の画像形成装置と同様に、トナー補給動作を強制的に停止する。よって、請求項3及び4の画像形成装置では、隙間が多い現像剤を放置した後に生じ得る過剰なトナー補給を、速やかに停止させることができる。
まず、本実施形態に係る複写機の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。図2において、複写機本体100には、その上に画像読取装置200が取り付けられ、シートバンク300上に載置されている。画像読取装置200の上には、背面側(図中紙面裏側)を支点にして回動自在に構成された自動原稿搬送装置400が取り付けられている。
また、自動原稿搬送装置400には、図示しない原稿セット台が設けられており、原稿の排出位置には、図示しない原稿スタック台が設けられている。自動原稿搬送装置400は、複数の原稿搬送ローラを備えており、この原稿搬送ローラによって、原稿は、原稿セット台から画像読取装置200のコンタクトガラス57上の読取位置を経て原稿スタック台まで搬送される。
また、シートバンク300には、内部に、記録材である紙やOHPフィルム等のシートSを収納するシートカセット61が複数重ねて設けられている。各シートカセット61には、それぞれ呼出ローラ62、供給ローラ63、分離ローラ64が設けられている。シートカセット61の図中右側には、複写機本体100のシート搬送路Rへと通じる上述した供給路R1が形成されている。この供給路R1にも、シートを搬送するいくつかのシート搬送ローラ66が設けられている。
また、複写機本体100には、図中右側に、手差し供給部68が設けられている。この手差し供給部68には、手差しトレイ67が開閉自在に設けられており、その手差しトレイ67上にセットした手差しシートをシート搬送路Rへと導く上述した手差し供給路R2が形成されている。この手差し供給部68にも、シートカセット61と同様に、呼出ローラ62、供給ローラ63、分離ローラ64が設けられている。
上記複写機を用いてコピーをとるとき、まず、図示しないメインスイッチをオンするとともに、自動原稿搬送装置400の原稿セット台に原稿をセットする。ブック原稿のような場合には、自動原稿搬送装置400を開いて画像読取装置200のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押える。そして、図示しないスタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、その原稿を原稿搬送ローラにより原稿搬送路を通してコンタクトガラス57上へと移動させてから画像読取装置200を駆動し、原稿内容を読み取って原稿スタック台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に直接原稿をセットしたときは、直ちに画像読取装置200を駆動して原稿内容を読み取る。原稿内容を読み取る際、画像読取装置200は、光源53をコンタクトガラス57に沿って移動させながら、その光源53からの光をコンタクトガラス57上の原稿面に照射する。そして、その反射光を複数のミラー54で結像用光学レンズ55まで案内してイメージセンサ56に入れ、そのイメージセンサ56で原稿内容を読み取る。
なお、シートSの両面に画像を形成する場合には、排出分岐爪34を切り替え、シートSの片面にトナー像を転写した後、これをシート搬送路Rから反転路R3に入れる。このシートSは、シート搬送ローラ66で搬送してスイッチバック位置44へ入れられた後、スイッチバックローラ43でスイッチバックされ、今度は再搬送路R4に入れられ、シート搬送ローラ66で再びシート搬送路Rに導かれる。そして、上述と同様にしてシートの反対面にもトナー像を転写する。
このトナーボトル23は、円筒状のボトル本体24にキャップ部25が備わっている。ボトル本体24の内部には補給用のトナーを収容した収容空間が形成されており、その収容空間には螺旋状の突起が形成されている。トナーボトル23をトナー補給装置20にセットする場合、まず、ボトル本体24の底部(キャップ部25の反対端部)とボトル駆動モータ26の駆動軸とを係合させる。これと同時に、キャップ部25はトナー補給装置20に対して固定される。そして、キャップ部25に設けられたレバー25aを操作すると、キャップ部25に形成されたトナー排出口25bが開口する。このようにしてセットされた後、ボトル駆動モータ26が駆動すると、ボトル本体24が回転し、上記螺旋状の突起によって収容空間内のトナーがキャップ部25内へ搬送される。キャップ部25内のトナーは、トナー排出口25bから現像装置12内へ搬送される。このような構成により、ボトル駆動モータ26の駆動を制御することで、現像装置12へ供給するトナーの量(トナー補給量)を調節することができる。
図4は、本実施形態におけるトナー濃度制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態においては、現像装置12にトナー濃度センサ(Tセンサ)102が設けられており、また感光体10の表面に対向するようにパターン濃度センサ(Pセンサ)103が設けられている。Tセンサ102は、現像剤の一部における透磁率を検知するものであって、透磁率が高いほど出力電圧(検出値)が高くなる一般的な透磁率センサである。なお、本実施形態では、Tセンサとして透磁率センサを用いているが、現像装置12に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知できるものであれば、これに限られない。また、Pセンサ103は、反射型の光学センサであり、トナー量の変化によって変動する反射光量から、感光体10上のトナーパターンの濃度を検出する。このPセンサ103は、トナー量が少ないほどすなわちトナーパターンの濃度が低いほど出力電圧が低い。なお、Pセンサも、感光体10上のトナーパターンの濃度が検出できるものであれば、これに限られない。これらのセンサ102,103の出力信号は、補給動作制御手段及び目標値補正手段としての制御部101へ入力される。
また、制御部101は、画像を30枚出力するたびに、Pセンサ103からの検出値Vspを受け、上記目標値Vtrefの補正処理を行う。具体的には、その検出値Vspが規定値(目標とするトナーパターン濃度)Vsprefよりも下回っていると判断したら、上記目標値Vtrefが低くなるように補正する。その結果、Tセンサ102の検出値Vtが、それまでは目標値Vtrefを下回っていたとしても、補正後の目標値Vtref以上であればトナー補給動作が開始され、画像濃度が上昇する。一方、Pセンサ103の検出値Vspが規定値Vspref以上であると判断したら、上記目標値Vtrefが高くなるように補正する。その結果、Tセンサ102の検出値Vtが、それまでは目標値Vtref以上であったとしても、補正後の目標値Vtrefを下回ればトナー補給動作が停止し、画像濃度が低下する。
図1は、本制御例1における過剰なトナー補給を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例1において、Pセンサ103の検知動作間隔mは30枚に初期設定されている(S1)。制御部101は、上述したように、Tセンサ102及びPセンサ103の検出値を用いてトナー補給動作を制御する。この制御中、制御部101は、トナー補給動作が行われていた場合(S2)、Tセンサ102の検出値Vtが上昇傾向であるか否かを判断する(S3)。このとき、Tセンサ102の検出値Vtが上昇傾向でなければ、Tセンサ102の検出値はトナー濃度の上昇を示しているので正常である。一方、Tセンサ102の検出値Vtが上昇傾向であると判断された場合、これは、トナーが補給されたにもかかわらず、Tセンサ102の検出値がトナー濃度の低下を示しており、異常な状況である。しかし、トナー補給動作中にTセンサ102の検出値Vtが上昇傾向であっても、場合によっては画像濃度も低下している事態も考えられる。例えば、画像面積率が非常に高い画像を連続して形成するような場合には、トナー補給量がトナー消費量に追いつかず、トナーが補給されたにもかかわらずTセンサ102の検出値がトナー濃度の低下を示すことがあり得る。このような場合には正常である。よって、本制御例1では、更に確認のため、Pセンサ103の検出値Vspが所定の閾値濃度である規定値Vsprefよりも高いか否かも判断する(S4)。この判断の結果、Pセンサ103の検出値Vspが規定値Vsprefよりも高い場合、画像濃度も高まっているので、過剰なトナー補給が行われていることが確認できる。
具体的には、まず、検出動作間隔mを短くしてPセンサ103による検出を行う回数(以下、「抑制動作回数」という。)Kを10回に設定する(S5)。そして、Pセンサ103による検出動作間隔mを10枚に設定し(S6)、この状態で、抑制動作回数Kが0になるまで、上述したトナー濃度制御における目標値Vtrefの補正処理を実行する(S7〜S9)。抑制動作回数Kが0になったら、検出動作間隔mを初期設定時の30枚に戻す(S10)。このような制御を行うことにより、上記異常な状況が起きたら、画像出力回数当たりで通常よりも3倍多く、Tセンサ102の目標値Vtrefの補正処理を実行することができる。その結果、図5に示すように、上記異常な状況が起きた後、画像出力が50枚程度されたあたりで、過剰なトナー補給動作を停止させることができた。したがって、図13に示したように、画像出力が120枚程度されるまで過剰なトナー補給動作が停止しなかった従来の場合に比べて、過剰なトナー補給が行われる期間が、画像出力枚数単位で考えると半分以下となった。そして、地汚れやトナー飛散が従来に比べてかなり抑制された。
なお、本制御例1では、抑制動作回数Kを10回としているが、この回数は、連続画像形成スピードの低下を抑制する観点からはなるべく少ない方が望ましい。図5に示した結果からすれば、抑制動作回数Kを5回ぐらいにすることも可能である。
図6は、本制御例2における過剰なトナー補給を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例2においても、過剰なトナー補給が行われていることを確認する処理は、上記制御例1と同じである(S11〜S14)。本制御例2では、過剰なトナー補給が行われていることが確認されたら、トナー補給動作を強制的に停止し、以後のトナー補給を禁止する(S15)。そして、Pセンサの検出値Vspが規定値Vspref以下になるまで、画像出力30枚ごとにPセンサによる検出動作を行う動作を繰り返す(S16,S17)。この間は、Tセンサ102の目標値Vtrefの補正処理は行わない。トナー補給を禁止した状態で画像形成を行っていくと、トナーが消費される結果、画像濃度が低下し、Pセンサの検出値Vspが下がる。そして、この検出値Vspが規定値Vspref以下になったら、トナーパターンの濃度が目標濃度まで下がったことになるので、Tセンサ102の目標値Vtrefを、この時点でTセンサ102により検出された検出値Vtに設定する(S18)。そして、禁止されていたトナー補給動作を解禁して(S19)、以降、新たに設定した目標値Vtrefに基づき、上述したトナー濃度制御を行う(S20)。
図8は、本制御例3におけるトナー濃度制御装置の構成を示すブロック図である。
本制御例3においては、図4に示した上記実施形態のトナー濃度制御装置の構成に、放置時間を計測する計時手段としてのタイマー104が追加されている。このタイマー104は、制御部101に接続されており、制御部101からの計測開始命令に応じて時間計測を開始し、計測時間Tが予め決められた基準時間Trefに達したら、その旨を制御部101に通知する。
本制御例3は、上述した制御例1や制御例2のようにTセンサ102の検出値VtやPセンサ103の検出値Vspから、過剰なトナー補給が行われていることを確認する処理はしない。その代わり、上記タイマー104により現像剤の放置時間を計測し、放置時間が基準時間を越えるか否かの判断を行う。そして、放置時間が基準時間を越えた場合、以降に行われる画像形成動作の際には、過剰なトナー補給が行われるものとして、上記制御例1と同じように、Tセンサの目標値Vtrefの補正処理の間隔を細かくして、この目標値Vtrefを速やかに適切な値に修正する。
具体的に説明すると、本制御例3においてもPセンサ103の検知動作間隔mは30枚に初期設定されている(S21)。制御部101は、上述したように、Tセンサ102及びPセンサ103の検出値を用いてトナー補給動作を制御する。この制御中、制御部101は、現像装置12が駆動中であるか否かを監視する(S22)。そして、現像装置12の駆動が停止したら、タイマー104へ計測開始命令が出力され、タイマー104は時間を計測する(S23)。タイマー104の計測時間Tが基準時間Trefに達する前に(S24)、現像装置の駆動が再開された場合(S22)、制御部101はタイマー104へ計測中止命令とリセット命令を出力する。一方、タイマー104の計測時間Tが基準時間Trefに達したら(S24)、制御部101は、上記制御例1と同じように、抑制動作回数Kを10回に設定し(S25)、Pセンサ103による検出動作間隔mを10枚に設定した後(S26)、抑制動作回数Kが0になるまで、上述したトナー濃度制御における目標値Vtrefの補正処理を実行する(S27〜S29)。そして、抑制動作回数Kが0になったら、検出動作間隔mを初期設定時の30枚に戻す(S30)。
なお、本制御例3では、抑制動作回数Kを10回としているが、上記制御例1の場合と同様に、図5に示した結果からすれば、抑制動作回数Kを5回ぐらいにすることも可能である。
図10は、本制御例4における過剰なトナー補給を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。
本制御例4は、上記制御例3と同じように、タイマー104を備えたトナー濃度制御装置を用いて行われ、現像剤の放置時間を計測する(S31〜S34)。そして、放置時間が基準時間を越えた場合、以降に行われる画像形成動作の際には、過剰なトナー補給が行われるものとして、上記制御例2と同じように、トナー補給動作を強制的に停止し、以後のトナー補給を禁止する(S35)。そして、Pセンサの検出値Vspが規定値Vspref以下になるまで、画像出力30枚ごとにPセンサによる検出動作を行う動作を繰り返し(S36,S37)、この検出値Vspが規定値Vspref以下になったら、Tセンサ102の目標値Vtrefを検出値Vtに設定する(S38)。その後、禁止されていたトナー補給動作を解禁して(S39)、以降、新たに設定した目標値Vtrefに基づき、上述したトナー濃度制御を行う(S40)。
そして、上記制御例1では、トナー補給装置20によりトナーを補給したにもかかわらず、Tセンサ102で検知した透磁率がトナー濃度の低下を示したときには、所定期間、トナーを補給したときにTセンサ102で検知した透磁率がトナー濃度の上昇を示す通常時よりも、上記補正処理の実行間隔を短くする。これにより、上述したように、トナーを補給したにもかかわらずTセンサ102で検知した透磁率がトナー濃度の低下を示す異常な状況下で発生する過剰なトナー補給が行われる期間を短くでき、地汚れやトナー飛散を従来に比べてかなり抑制できる。
また、上記制御例2では、トナー補給装置20によりトナーを補給したにもかかわらず、Tセンサ102で検知した透磁率がトナー濃度の低下を示したときには、所定期間、トナー補給動作が強制的に停止する。この構成によっても、上述したように、地汚れやトナー飛散を従来に比べて抑制できる。
特に、上記制御例1及び上記制御例2では、トナー補給装置20によりトナーを補給したにもかかわらずTセンサ102で検知した透磁率がトナー濃度の低下を示すだけでなく、Pセンサ103で検出した検出値Vspが所定の閾値濃度(規定値Vspref)を越えているときに、上記補正処理の実行間隔を短くする、又はトナー補給動作が強制的に停止する。これにより、過剰なトナー補給が行われていることを確実に確認できる。
一方で、上記制御例3では、現像装置12の非稼働時間を計測する計時手段としてのタイマー104を設け、このタイマー104の計測時間Tが基準時間Trefを越えたときには、上記制御例1と同様に、所定期間、計測時間Tが基準時間Tref以下であるときよりも、上記補正処理の実行間隔を短くする。この構成によれば、現像剤が長期間放置されることによって起こり得る上記異常な状況下で発生する過剰なトナー補給が行われる期間を短くでき、地汚れやトナー飛散を従来に比べてかなり抑制できる。
また、上記制御例4では、タイマー104の計測時間Tが基準時間Trefを越えたときには、上記制御例2と同様に、所定期間、トナー補給動作が強制的に停止する。この構成によっても、上述したように、現像剤が長期間放置されることによって起こり得る上記異常な状況下で発生する過剰なトナー補給が行われる期間を短くでき、地汚れやトナー飛散を従来に比べて抑制できる。
また、上記制御例2及び上記制御例4では、上記所定期間の終期が、Pセンサ103で検出したトナーパターンの濃度(検出値Vsp)が基準濃度(規定値Vspref)となったときに設定してある。これにより、実際の現像剤のトナー濃度が最適濃度になった時点で、上記補正処理の実行間隔を短くし、又はトナー補給動作が強制的に停止するという過剰トナー補給の抑制動作を終了することができる。よって、過剰トナー補給の抑制動作を行う期間を最小限にとどめることができる。なお、上記制御例1及び上記制御例3では、設定した抑制動作回数(10回)が終了した時点で、過剰トナー補給の抑制動作を終了するように構成されているが、これに代えて、上記制御例2及び上記制御例4と同様に、Pセンサ103で検出したトナーパターンの濃度(検出値Vsp)が基準濃度(規定値Vspref)となった時点で、過剰トナー補給の抑制動作を終了するように構成してもよい。逆に、上記制御例2及び上記制御例4を、設定した抑制動作回数(10回)が終了した時点で過剰トナー補給の抑制動作を終了するように構成することもできる。
また、本実施形態では、キャリアとして磁性キャリアを用い、Tセンサ102として、現像剤密度に関連するパラメータである現像剤の透磁率を検知する透磁率センサを用いている。これにより、従来から広く利用されているTセンサを用いる構成において、上述した過剰トナー補給の抑制動作を採用することができ、地汚れやトナー飛散を従来に比べて抑制できる。
また、本実施形態では、トナーとして、変性ポリエステル樹脂を基材としたトナーを用いている。このようなトナーは、上述したように、ブレードでクリーニングする際の除去効率を高めやすい、界面活性剤がトナー内部に残存したりトナーの帯電を阻害したりすることもないというメリットがある。しかし、その反面、現像剤の流動性を悪化させやすいというデメリットがあり、上記異常な状況を発生させやすく、上述した地汚れやトナー飛散が生じやすい。しかし、これは、上述した過剰トナー補給の抑制動作を採用することで十分に抑制できるので、地汚れやトナー飛散を抑制した状態で、上記メリットを享受できる。
12 現像装置
20 トナー補給装置
23 トナーボトル
26 ボトル駆動モータ
101 制御部
102 Tセンサ
103 Pセンサ
104 タイマー
Claims (8)
- 潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、
画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、
上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、
上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、
該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、
該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、
上記トナー補給装置によりトナーを補給したにもかかわらず、上記トナー濃度センサで検知したパラメータがトナー濃度の低下を示したときには、所定期間、トナーを補給したときに該トナー濃度センサで検知したパラメータがトナー濃度の上昇を示す通常時よりも、上記補正処理の実行間隔を短くしたことを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、
画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、
上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、
上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、
該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、
該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、
上記トナー補給装置によりトナーを補給したにもかかわらず、上記トナー濃度センサで検知したパラメータがトナー濃度の低下を示したときには、所定期間、トナー補給動作が強制的に停止するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1又は2の画像形成装置において、
上記補正処理の実行間隔を短くする又はトナー補給動作が強制的に停止するのは、上記トナー補給装置によりトナーを補給したにもかかわらず上記トナー濃度センサで検知したパラメータがトナー濃度の低下を示し、かつ、上記パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が所定の閾値濃度を越えているときであることを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、
画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、
上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、
上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、
該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、
該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、
上記現像装置の非稼働時間を計測する計時手段を設け、
該計時手段の計測時間が基準時間を越えたときには、所定期間、該計時手段の計測時間が該基準時間以下であるときよりも、上記補正処理の実行間隔が短くなるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体上の潜像を、現像装置によりトナーとキャリアとを含む現像剤を用いて現像し、これにより得たトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであって、
画像形成により消費された分のトナーを現像装置内の現像剤へ補給するトナー補給装置と、
上記現像装置に収容されている現像剤の一部について現像剤密度に関連するパラメータを検知するトナー濃度センサと、
上記潜像担持体上に画像濃度検出用のパターン潜像を作像し、これを該現像装置によって現像して得たトナーパターンの濃度を検出するパターン濃度センサと、
該トナー濃度センサの検出結果に基づいて、その検出値が目標値に一致するように該トナー補給装置のトナー補給動作を制御する補給動作制御手段と、
該パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が目標とする濃度となるようなトナー補給動作がなされるように該目標値を補正する補正処理を、所定のタイミングで実行する目標値補正手段とを備えた画像形成装置において、
上記現像装置の非稼働時間を計測する計時手段を設け、
該計時手段の計測時間が基準時間を越えたときには、所定期間、トナー補給動作が強制的に停止するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4又は5の画像形成装置において、
上記所定期間の終期は、上記パターン濃度センサで検出したトナーパターンの濃度が基準濃度となったときであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、
上記キャリアとして磁性キャリアを用い、
上記トナー濃度センサとして、現像剤密度に関連するパラメータである現像剤の透磁率を検知する透磁率センサを用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7の画像形成装置において、
上記トナーとして、変性ポリエステル樹脂を基材としたトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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