JP2005134562A - 表示装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 輝点などの表示欠点を解消する。
【解決手段】 一対の基板1、5と、前記一対の基板1,5間に介在する表示媒体層とを有し、表示欠点が存在する表示装置であって、前記一対の基板1,5のうち少なくとも一方の基板は、前記表示欠点に対応する領域に、他の領域での透過率よりも透過率を低下させる、密閉された低透過率層9を有する。
【効果】 低透過率層9の形成領域D2における入射光8の透過率が低下するので、輝点領域D2における透過率が低下し、輝点が目立たなくなる。
【選択図】 図3
【解決手段】 一対の基板1、5と、前記一対の基板1,5間に介在する表示媒体層とを有し、表示欠点が存在する表示装置であって、前記一対の基板1,5のうち少なくとも一方の基板は、前記表示欠点に対応する領域に、他の領域での透過率よりも透過率を低下させる、密閉された低透過率層9を有する。
【効果】 低透過率層9の形成領域D2における入射光8の透過率が低下するので、輝点領域D2における透過率が低下し、輝点が目立たなくなる。
【選択図】 図3
Description
本発明は表示装置およびその製造方法に関する。
液晶表示装置の表示欠点として、輝点や滅点(暗点)、低輝点が挙げられる。これらの表示欠点のなかでも、輝点は画面を黒表示させたときに発生する光抜け部分であるので、特に視認され易い。
輝点の発生原因の一つとして、液晶層中に混入した異物が挙げられる。そこで、輝点の修正方法として、異物に対してパルスレーザ光を照射することにより、異物を粉砕する方法が挙げられる(例えば特許文献1参照)。しかし、異物が金属などの導電性異物である場合には、レーザ光による熱によっても形状が殆ど変化しないので、異物を粉砕することが困難である。また、導電性異物が粉砕された場合、粉砕された異物が正常な他の画素部に分散して、異物起因の輝点を増加させるおそれもある。
改良された異物粉砕方法が特許文献2に開示されている。特許文献2の方法では、画像表示検査時に発見される輝点が樹脂状異物によるものか、あるいは金属系異物によるものかによって、異物を粉砕するか、画素電極を部分的に除去するかのいずれかの修正が行なわれる。しかし、画像表示検査は、一般にはディスプレイの外部から拡大観察光学系を通して目視により行なわれるので、樹脂状異物か金属系異物かの判別は困難である。また、画素電極を部分的に除去した場合には、輝点の問題は解消されるものの、白表示時に滅点(暗点)が観察されるという新たな問題が生じる。
他の輝点修正方法が特許文献3に開示されている。特許文献3の方法では、輝点欠陥に対応する領域の基板表面に凹陥加工部を形成し、凹陥加工部の底面を粗面形状に形成する。特許文献3の方法によれば、凹陥加工部の底面が粗面形状であるので、光が散乱される。したがって、輝点画素の存在が周囲の正常画素に対して目立たない状態になる。
特開平5−303066号公報
特開平8−286208号公報
特開平4−301617号公報
しかし、特許文献3の方法は以下の問題を有することが判明した。通常、液晶表示装置の基板の外側面には、位相差膜や偏光膜が積層される。基板の外側面に凹陥加工部が形成されると、凹陥加工部の底面と位相差膜や偏光膜の表面との間に空気の層が形成される。温度変化などにより凹陥加工部内の空気が膨張や収縮すると、位相差膜や偏光膜に凹凸やしわが生じるので、点状や線状、しみ状の表示欠点が生じるおそれがある。
本発明は表示欠点を解消することを目的の一つとする。また本発明は欠点修正に伴う他の表示欠点の発生を防ぐことを他の目的とする。
本発明の表示装置は、一対の基板と、前記一対の基板間に介在する表示媒体層とを有し、表示欠点が存在する表示装置であって、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板は、前記表示欠点に対応する領域に、他の領域での透過率よりも透過率を低下させる、密閉された低透過率層を有する。
一対の基板のうち低透過率層を有する少なくとも一方の基板は、ガラス基板や石英ガラス基板、透明プラスチック基板などの透明基板である。「表示媒体層」には、互いに対向する電極間の電位差により光透過率が変調される層、互いに対向する電極間を流れる電流により自発光する層が含まれる。表示媒体層は、例えば液晶層、無機または有機エレクトロルミネッセンス(EL)層(白色発光層)などである。
「表示欠点」とは、表示装置の表示領域に現れる点状や線状、しみ状などの欠陥である。例えば点状の「表示欠点」には、黒表示信号を与えても輝度の高い状態を保つ輝点、白表示信号を与えても輝度の低い状態を保つ滅点(暗点)、信号印加の有無に関係なく中間的な輝度の高い状態を保つ低輝点、画素電極やブラックマスクの一部が欠落したピンホール、気泡状欠点が含まれる。なお、表示欠点を生じさせる因子には、液晶層内や基板内、その他の膜内の異物、基板に積層された各膜(例えば電極、カラーフィルタ、配向膜、位相差膜、偏光膜、反射膜)間の異物、TFTの成膜工程時におけるパターンニング不良部分、画素電極やカラーフィルタ、ブラックマスクの破れや傷の部分、配向膜の異常部分などが含まれる。
本発明の表示装置によれば、表示欠点に対応する領域に低透過率層が形成されているので、欠点領域における透過率が低下し、欠点(特に輝点)が目立たなくなる。
本発明の表示装置において、前記低透過率層は光散乱特性を有することが好ましい。低透過率層が光散乱特性を有することによって、表示欠点が発生している領域に隣接する他の領域を散乱光が透過する。表示画面上において表示欠点が発生している領域の濃淡度と周囲の領域の濃淡度とが近似したものになる。また、表示欠点が発生した領域に対して周囲の領域がいわば「にじんだ」状態になる。これにより、表示欠点の存在が周囲に対して目立たない状態になる。
本発明の表示装置において、前記低透過率層はレーザ照射により形成されていることが好ましい。複数のレーザを組み合わせて、基板内部の所定箇所にそれぞれの焦点を合わせると、集光された高強度のレーザ光は基板内部に非線形吸収現象を引き起こす。その結果、基板内部に微細な複数のクラックが点状に生じる。点状に生じたクラックは光を散乱させる特性を有するので、本発明における低透過率層として機能する。
前記低透過率層は光入射側の基板に形成されていることが好ましい。例えば透過型液晶表示装置においては、観察者側の基板に低透過率層が形成されている場合、表示欠点の修正を行なった部分が視認される可能性があるからである。
本発明の表示装置は、前記一方の基板の外側面に積層された機能性膜をさらに有していても良い。機能性膜には、位相差膜、偏光膜、反射膜が含まれる。
本発明の方法は、本発明の表示装置を製造する方法であって、前記表示欠点の存在を検出する工程と、検出された前記表示欠点に対応する領域における前記一方の基板にレーザ照射を行なって、密閉された前記低透過率層を形成する工程とを含む。レーザ照射によれば、基板表面に損傷を与えずに、低透過率層を基板内に密閉して形成することができる。また基板厚み方向における低透過率層の位置を調整することができる。特許文献3の方法では、基板表面をレーザエッチングするので、エッチング時に塵埃や溶融痕が生じるおそれがあり、これらを除去する後工程が必要となる。しかし、本発明の方法では基板表面に損傷を与えないので、その必要がない。
本発明によれば、表示欠点に対応する領域に低透過率層が形成されているので、表示欠点を解消することができる。また、低透過率層は基板内に密閉されており、基板表面は平坦(面一)であるので、位相差膜や偏光膜を基板面に積層したときに、位相差膜や偏光膜に凹凸やしわが生じない。したがって、欠点修正に伴う他の表示欠点の発生を防ぐことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、液晶表示装置を例に説明するが、本発明の表示装置は液晶表示装置に限定されず、例えばPDP(Plasma Display Panel)、有機または無機EL(Electro Luminescence)表示装置、エレクトロクロミック表示装置などにも適用することができる。また、以下の液晶表示装置は透過型であるが、反射型または透過反射両用型の液晶表示装置にも適用することができる。さらに、以下の実施形態では液晶駆動素子としてTFTが用いられているが、MIM(Metal Insulator Metal) などの他のアクティブ駆動素子を用いても良く、あるいは駆動素子を用いないパッシブ(マルチプレックス)駆動でも良い。
図1は、液晶表示装置を模式的に示す断面図である。図1に示す液晶表示装置は、カラーフィルタ基板10と、TFT基板20と、両基板に挟まれた液晶層30とを有する。カラーフィルタ基板10は、透明なガラス基板1と、ガラス基板1上に形成されたカラーフィルタ2およびブラックマスク3と、カラーフィルタ2およびブラックマスク3上に形成された透明共通電極4と、透明共通電極4を覆う配向膜(不図示)とを有する。TFT基板20は、透明なガラス基板5と、ガラス基板5上に形成されたTFT6と、TFT6と電気的に接続された画素電極7と、画素電極7を覆う配向膜(不図示)とを有する。なお、TFT基板20のガラス基板5上には、行方向に延びる複数の走査配線(不図示)と、行方向に対して略直交する列方向に延びる複数の信号配線(不図示)とが形成され、走査配線と信号配線との交差部近傍にTFT6が形成されている。
カラーフィルタ基板10およびTFT基板20は、公知の方法によりそれぞれ作製され、シール材(不図示)を介して貼り合わされる。シール材に形成された開口から液晶材料を注入した後、開口を封止材により封口することにより、両基板10,20間に液晶層30が形成される。しかし図1に示すように、液晶材料を封入する際に、異物FMが両基板10,20間に混入する場合がある。
図2は、異物FMが存在する画素を模式的に示す平面図である。異物FMが混入すると、液晶表示装置を黒表示させたとき、異物FM周辺の液晶分子の配向が乱れるので、光源などから液晶表示装置に入射する入射光8の一部が抜けて光漏れが起きる。すなわち異物FM周辺に輝点BDが生じる。
輝点の検出は、液晶表示装置に入射光8を照射し、駆動状態にある液晶表示装置の表示画像を表示画面上に投影し、この投影像を検査員が視認して行なうことができる。あるいは表示画像を検査員が直接視認して行なうことができる。また、特許文献1に示すように、CCD(電荷結合素子)カメラや連続レーザ光を用いて、あるいは目視により輝点を検出しても良い。
図3は、本実施形態の液晶表示装置を模式的に示す断面図である。本実施形態の液晶表示装置は、TFT基板20のガラス基板5内部であって、輝点に対応する領域D2に、他の領域での透過率よりも透過率を相対的に低下させる低透過率層9を有する。
輝点に対応する領域は、異物FMが占有する領域D1と必ずしも一致しない。本実施形態では、異物FM周辺に輝点BDが生じており、異物FMが占有する領域D1を含む周辺の領域D2が輝点に対応する領域となる。なお、異物FMが金属などの導電性である場合には、異物FMを介して透明共通電極4と画素電極7との間が短絡することがある。この場合、異物FMが存在する画素全体が輝点となるので、その画素領域が輝点に対応する領域となる。
低透過率層9は、ガラス基板5内部に形成されている。言い換えれば、低透過率層9はガラス基板5により密閉されている。密閉された低透過率層9は、例えば複数の発振レーザ光を組み合わせてガラス基板5内に照射し、その焦点に微細なクラックを複数生じさせることにより形成することができる。発振レーザ光を用いて基板内部に微細なクラックを生じさせるために、ガラス質装飾品を作製するためのガラス内部マーキング技術(例えば特開平11-157300 号公報参照)を採用しても良い。
微細なクラックが生じた領域は光散乱特性を有しており、クラックが生じた領域を透過する光は散乱される。これにより、低透過率層9の領域における光透過率は、他の領域における光透過率よりも相対的に低下する。図4は、低透過率層9形成後における画素を模式的に示す平面図である。図4に示すように、輝点に対応する領域D2に低透過率層9が形成されているので、輝点領域D2における透過率が低下し、輝点が目立たなくなる。
低透過率層9の輝度低減効果を光量で表現すると、低透過率層9形成後の光量を形成前の光量の80%〜10%程度の範囲に制御することが可能である。これにより、黒表示時における輝点や白表示時における滅点を目立たなくすることができる。本実施形態では、低透過率層9形成前の光量の50%±10%程度に低減させることにより、輝点および滅点が目立たなくなる。なお、低透過率層9の輝度低減効果(透過率)は、層9の厚みやクラックの密度などにより調整することができる。
本実施形態の低透過率層9は光散乱特性を有しているので、低透過率層9により入射光8が拡散され、低透過率層9の領域における輝度レベルが表示画面上において、周囲の領域における輝度レベルと差のないレベルにまで低下される。また、入射光8が拡散され、かつ拡散された光が液晶層30で若干の散乱作用を受けるので、入射光8の一部が輝点領域に隣接する周囲の領域を透過し、さらに輝点領域へ帰還する成分が生じる。したがって、表示画面上において輝点領域の濃淡度と周囲の領域の濃淡度が近似し、かつ周囲の領域からの光の侵入によって周囲の領域の色が輝点領域に対していわば「にじんだ」状態になる。すなわち輝点が修正される。
本実施形態では、低透過率層9が輝点に対応する領域D2に形成されているが、本実施形態のように低透過率層9が光散乱特性を有する場合には、領域D2よりも狭い領域あるいは異物FMが占有する領域D1よりも狭い領域に低透過率層9が形成されていても良い。低透過率層9が光散乱特性を有する場合には、低透過率層9の領域よりも広い領域で輝点修正効果が期待できるからである。なお、輝点を修正するために必要な、低透過率層9の形成領域の広さは、基板の厚み方向における低透過率層9の位置によっても異なり得る。
輝点が修正された液晶表示装置の両ガラス基板1,5の外側面に偏光膜(不図示)を貼り付ける。本実施形態では、ガラス基板5の外側面に凹陥加工部を形成せずに低透過率層9を形成している。したがって、ガラス基板5の外側面は平坦な状態であるので、貼り付けた偏光膜とガラス基板5の外側面との間に空気の層が形成され難い。これにより、偏光膜に凹凸やしわが生じないので、輝点修正に伴う他の表示欠点の発生を防ぐことができる。
さらに、観察者側(視認側)に対して反対側(本実施形態ではTFT基板20側)にバックライト(不図示)を配置することにより、本実施形態の透過型液晶表示装置が製造される。なお、必要に応じて、ガラス基板1,5と偏光膜との間に位相差膜を介在させても良い。
本実施形態では、低透過率層9が一方のガラス基板5内に形成されているが、低透過率層9が他方のガラス基板1内に形成されていても良い。あるいは低透過率層9が両方のガラス基板1,5内にそれぞれ形成されていても良い。但し、透過型液晶表示装置では、観察者側(視認側)の基板1内に低透過率層9が形成されている場合、表示欠点の修正を行なった部分が視認される可能性があるので、光源側の基板5内に形成することが好ましい。
本実施形態の液晶表示装置は透過型であるが、本発明の表示装置は反射型や反射透過両用型であっても良い。表示装置が反射型である場合や表示装置が透過両用型であり、かつ表示欠点が反射領域内に存在する場合には、観察者側(視認側)の基板内に低透過率層9を形成する。
本実施形態では液晶層30内に異物FMが混入した場合について説明したが、表示欠点を生じさせる因子は異物に限らない。例えばTFTの成膜工程時におけるパターンニング不良部分、画素電極やカラーフィルタ、ブラックマスクの破れや傷の部分、配向膜の異常部分などによっても表示欠点が生じ得る。また表示欠点を生じさせる因子の存在場所は液晶層30内に限らない。例えば基板内やその他の膜内に発生することがあり、各膜(例えば電極、カラーフィルタ、配向膜、位相差膜、偏光膜、反射膜)間あるいは基板とこれに積層される膜との間に発生することがある。
本実施形態では、偏光膜を基板面に貼り付ける前に低透過率層9を形成しているが、偏光膜を基板面に貼り付けた後に低透過率層9を形成しても良い。ガラス内部マーキング技術を用いることにより、ガラス基板5の外側面に凹陥加工部を形成せずに、ガラス基板5内部に低透過率層9を直接形成することができるからである。
本実施形態では、表示欠点のうち輝点が生じる場合について説明したが、滅点(暗点)や低輝点が生じる場合にも、低透過率層9を形成することにより表示欠点を修正することが可能である。但し、滅点(暗点)や低輝点を修正するには、観察者側の基板内に光散乱特性を有する低透過率層9を形成することが好ましく、さらに表示欠点の領域を含むより広い領域に形成することが好ましい。
本発明の表示装置は、液晶表示装置、PDP、有機または無機EL表示装置、エレクトロクロミック表示装置などに利用することができる。
1,5 ガラス基板
2 カラーフィルタ
3 ブラックマスク
4 透明共通電極
6 TFT
7 画素電極
8 入射光
9 低透過率層
10 カラーフィルタ基板
20 TFT基板
30 液晶層
FM 異物
D1 異物FMが占有する領域
D2 輝点に対応する領域
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Claims (7)
- 一対の基板と、前記一対の基板間に介在する表示媒体層とを有し、表示欠点が存在する表示装置であって、
前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板は、前記表示欠点に対応する領域に、他の領域での透過率よりも透過率を低下させる、密閉された低透過率層を有する表示装置。 - 前記低透過率層は光散乱特性を有する、請求項1に記載の表示装置。
- 前記低透過率層はレーザ照射により形成された、請求項1に記載の表示装置。
- 前記低透過率層は光入射側の基板に形成された、請求項1に記載の表示装置。
- 前記表示媒体層は液晶層である、請求項1に記載の表示装置。
- 前記一方の基板の外側面に積層された機能性膜をさらに有する、請求項1に記載の表示装置。
- 請求項1に記載の表示装置を製造する方法であって、
前記表示欠点の存在を検出する工程と、
検出された前記表示欠点に対応する領域における前記一方の基板にレーザ照射を行なって、密閉された前記低透過率層を形成する工程とを含む表示装置の製造方法。
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