JP2005133839A - 断続装置用電磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断続装置の伝達トルクを微少な範囲から大きな範囲で容易に低コストで調整する。
【解決手段】 コイル73の磁束を磁路の一部をなす回転部材25を介し断続装置に伝達して断続させる断続装置用電磁石1を、回転部材25に着脱可能に支持され、回転部材25との間で磁路に沿った第1の隙間81を形成する第1のコア部材33と、第1コア部材33に着脱自在に支持され、回転部材25との間に磁路に沿った第2の隙間87を形成する第2のコア部材35と、第1のコア部材33に着脱可能に支持されたコイル73とで構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、断続装置(例えば、クラッチ装置)を断続させる断続装置用電磁石に関する。
特許文献1に電磁系脱装置及びその製造方法が記載されており、特許文献2に駆動力伝達装置が記載されている。
特許文献1に記載された電磁系脱装置は、回転ケース、回転ケースに連結された入力軸、インナーシャフト、インナーシャフトに連結された出力軸、メインクラッチ、ボールカム、パイロットクラッチ、アーマチャ、電磁石、ロータなどから構成されている。
電磁石はコイルとこれを保持するコアからなり、ロータは回転ケースに対し一体回転可能に連結されていると共に、電磁石の磁路の一部を構成している。電磁石のコアはベアリングを介してロータに支承されていると共に、ロータとの間で磁路に沿った2個所の隙間(エアギャップ)を形成している。
電磁系脱装置は自動2輪車の発進クラッチであり、電磁石を励磁すると磁路に磁束ループが形成されてアーマチャが吸引され、パイロットクラッチが締結されてボールカムにエンジンの駆動力が掛かり、発生したカムスラスト力によってメインクラッチ(電磁系脱装置)が連結されて駆動輪に駆動力が伝達される。
電磁石の励磁を停止するとパイロットクラッチが開放されてボールカムのカムスラスト力が消失し、メインクラッチが開放されて電磁系脱装置の連結が解除され、駆動輪が切り離される。
特許文献2に記載された駆動力伝達装置は、回転ケース、インナーシャフト、メインクラッチ、ボールカム、パイロットクラッチ、アーマチャ、電磁石、ロータなどから構成されている。
電磁石はコイルとこれを保持するコアからなり、ロータは回転ケースに対し一体回転可能に連結されていると共に、電磁石の磁路の一部を構成している。電磁石のコアはベアリングを介してロータに支承されていると共に、ロータとの間で磁路に沿った2個所の隙間(エアギャップ)を形成している。
駆動力伝達装置は4輪駆動車において後輪とトランスファとを連結する後輪側プロペラシャフトを分断して配置されており、電磁石を励磁すると磁路に磁束ループが形成されてアーマチャが吸引され、パイロットクラッチを締結させる。パイロットクラッチが締結されるとボールカムにエンジンの駆動力が掛かり発生したカムスラスト力によってメインクラッチ(駆動力伝達装置)が連結されて後輪側に駆動力が伝達され、車両は4輪駆動状態になる。
電磁石の励磁を停止すると、パイロットクラッチが開放されてボールカムのカムスラスト力が消失し、メインクラッチが開放されて駆動力伝達装置の連結が解除され、後輪側が切り離されて車両は前輪駆動の2輪駆動状態になる。
また、ロータには、磁路の断面積を調整するためにリング状の磁路調整部材が螺着されており、磁路調整部材を回転させてその軸方向位置を変えることによって隙間での磁路断面積を調整し、電磁石によるアーマチャの吸引力及びメインクラッチ(駆動力伝達装置)による伝達トルクを調整している。
特開2003−130086号公報(図1) 特開平10−329562号公報(図1)
特許文献1に記載された電磁系脱装置の場合、伝達トルク(電磁石によるパイロットクラッチの締結力:メインクラッチによる伝達トルク)を調整するために、電磁石に基準コイルを仮組みし、基準コイルへの通電電流値と伝達トルク値とを測定して基準コイルと通電電流値との関係特性を求め、この測定値の関係特性と目標特性との相異に基づいて実際に用いるコイルの巻数を決定し、決定された巻数のコイルを基準コイルに替えて組み付ける。
目標特性は製品個々に異なり、従って、このような複雑な処理(工程)によるトルク調整を製品それぞれに実施しなければならないから、面倒であり、大きなトルク調整コストが掛かる。
また、特許文献2の駆動力伝達装置では、伝達トルクを調整するためにロータに磁路調整部材を螺着し、その位置を変えることによって磁路の断面積を調整するように構成されているから、微調整が難しく、振動などを受けて磁路調整部材がロータ上で回転すると、磁路の断面積が変わって伝達トルクが変動する恐れがある。
そこで、この発明は、磁路の一部をなす回転部材(ロータ)を介しコイルの磁束を断続装置に伝達して断続させる断続装置用電磁石であって、断続装置の伝達トルクを微少な範囲から大きな範囲で、容易に、低コストで調整することができる断続装置用電磁石の提供を目的としている。
請求項1の発明は、コイルの磁束を磁路の一部をなす回転部材を介して断続装置に伝達し断続させる断続装置用電磁石であって、前記回転部材側に着脱自在に支持され、前記コイルを着脱自在に支持すると共に、前記回転部材との間で前記磁路に沿った第1の隙間を形成する第1のコア部材と、前記第1コア部材に着脱自在に支持され、前記回転部材との間で前記磁路に沿った第2の隙間を形成する第2のコア部材とからなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された断続装置用電磁石であって、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材との間で、前記コイルが位置決めされていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載された断続装置用電磁石であって、前記第1のコア部材と前記第2のコア部材が回転方向に位置決めされていると共に、止め輪によって軸方向に位置決めされていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載された断続装置用電磁石であって、前記コイルが、樹脂によって形態を保持され、回り止めされていることを特徴とする。
請求項1の断続装置用電磁石は、磁路の一部をなしコイルを着脱可能に支持する第1のコア部材と、第1のコア部材と着脱可能な支持関係にあり磁路の一部をなし第2のコア部材とからなると共に、第1のコア部材と回転部材との間で磁路に沿った第1の隙間を形成させ、第2のコア部材と回転部材との間で磁路に沿った第2の隙間を形成させている。
第1又は第2の隙間を決定するために第1又は第2のコア部材を選定して第1又は第2の隙間を狭くすれば、磁束が増加し、例えば、磁束による吸引部材として断続作用を引き起こすアーマチャに対する吸引力が強くなって断続装置の伝達トルクが大きくなる。同様に、第1又は第2の隙間を広くすれば、磁束が減少して断続装置の伝達トルクが小さくなる。
従って、巻数の異なるコイルと、それぞれの隙間部での寸法の異なる第1コア部材と第2のコア部材を、それぞれ適当な種類用意すれば、これらを組み合わせるだけで、部材単位が小さいので低コストで、また、容易に、伝達トルク(磁路の磁気抵抗)を微少なレベルで調整することができ、伝達トルクの大きなバラツキを抑制することができる。
このような理由により、図8の電磁系脱装置501と異なって、基準コイルに対して巻数を決定したコア部が一体化された部材単位の大きなコイルを製品上で基準コイルと交換する必要がなくなり、このように面倒な工程を製品それぞれに実施する必要がなくなるから、トルク調整コストの大幅な低減が可能になる。
さらに、コイルが第1のコア部材に着脱可能に支持されているから、異なった巻数のコイルに交換する際も、コイルだけ単独で交換することが可能になり、容易に伝達トルクを調整できる。
また、特許文献2の駆動力伝達装置と異なって、磁路調整部材の取り付け位置の変動による磁路断面積の変化と、伝達トルクの変動などからも考慮すると必要な。
また、本発明の断続装置用電磁石を用いた装置を分解・修理する際も、第2のコア部材とコイルは、ベアリングや回転部材や静止側部材などの周辺部材に対して干渉、破損などの悪影響を及ぼさないよう、必要な部材のみ、必要な順序で分解・組付が可能となる。
請求項2の断続装置用電磁石は、請求項1の構成と同等の効果が得られる。
また、第1のコア部材と第2のコア部材のうち少なくとも一方のコア部材に対してコイルが位置決めされているから、振動などを受けてもコイルが移動し、異音を発生することはなく、断続装置用電磁石の磁気特性と断続機能が安定維持される。
なお、コイルの位置決めに第1コア部材と第2コア部材の間を利用すれば、他の位置決め手段が不要になるから、それだけ低コストに構成することができる。
請求項3の断続装置用電磁石は、請求項1または請求項2の構成と同等の効果が得られる。
また、第1のコア部材と第2のコア部材が回転方向に位置決めされ、規制部材で軸方向に位置決めされたことにより、両コア部材の軸方向位置が決定され、第1コア部材と回転部材間の隙間(第1の隙間)と、第2コア部材と回転部材間の隙間(第2の隙間)が安定維持され、断続装置用電磁石の磁気特性と断続機能が安定する。
請求項4の断続装置用電磁石は、請求項1〜請求項3の構成と同等の効果が得られる。
また、コイルがベース部材によって形態を保持され、第1のコア部材又は第2のコア部材に対して回り止めされたことにより、コイルのガタが防止されるから、断続装置用電磁石の磁気特性と断続機能が安定維持される。
なお、ベース部材とはコイル線を包み込む樹脂部材(のモールド)やコイル線を凹部に収容するボビン状の部材などである。ベース部材から一体部材として延設される部分または別体でベース部材と一体的に固着する部分が第1又は第2のコア部材に対して回り止めされることが好ましい。
次に実施形態について説明する
<実施形態>
図1〜図7によって断続装置用電磁石1(本発明の一実施形態)と、これを用いて構成された電磁カップリング3の説明をする。図1は断続装置用電磁石1と電磁カップリング3とを示しており、電磁カップリング3は4輪駆動車の動力系に用いられている。なお、左右の方向はこの車両の左右の方向であり、図1の右方はこの4輪駆動車の前方(エンジン側)に相当する。
[断続装置用電磁石1の構成]
断続装置用電磁石1は、コイル73の磁束を、磁路の一部をなすロータ25(回転部材)を介してパイロットクラッチ13(断続装置)に伝達し断続させる断続装置用電磁石であり、ロータ25が相対回転可能なようにベアリングを介してロータ25側に組付可能(着脱可能であっても良い)に支持され、コイル73を着脱可能に径方向支持すると共に、ロータ25との間にエアギャップ81(磁路に沿った第1の隙間)を形成する第1のコア部材33と、第1コア部材33に着脱可能に中間ばめ又はすき間ばめにより、径方向に対して支持され、ロータ25との間にエアギャップ87(磁路に沿った第2の隙間)を形成する第2のコア部材35とから構成されている。
これに加えて、第1のコア部材33と第2のコア部材33の両方に対して、すなわち第1のコア部材33と第2のコア部材35との間でコイル73が軸方向の位置決めされており、第1のコア部材33と第2のコア部材35が回転方向に位置決めされていると共に止め輪91によって軸方向に位置決めされ、コイル73が樹脂によって形態を保持され、回り止めされている。
従って、巻数の異なるコイルと、磁路方向隙間部での寸法の異なる第1コア部材と第2のコア部材をそれぞれ適当な種類用意してこれらを組み合わせるだけで、下記のように、パイロットクラッチ13の伝達トルク(磁路の磁気抵抗:磁束の強さ)の微少な調整や、伝達トルクの大きなバラツキの調整を容易に行うことができると共に、伝達トルクの調整コストが大幅に低減される。
また、異なった巻数のコイルに交換する際も、ボールベアリング31が破損する恐れはなく、これに伴う部品コストの上昇が避けられる。
[上記4輪駆動車の動力系の構成]
電磁カップリング3が用いられた4輪駆動車の動力系は、エンジン(原動機)、トランスミッション、後輪側へ駆動力を伝達するギヤ組としてのトランスファ、フロントデフ(エンジンの駆動力を左右の前輪に配分するデファレンシャル装置)、前車軸、左右の前輪、前側の後輪用プロペラシャフト、電磁カップリング3、後側の後輪用プロペラシャフト、リヤデフ(エンジンの駆動力を左右の後輪に配分するデファレンシャル装置)、後車軸、左右の後輪などから構成されている。
エンジンの駆動力は、トランスミッションからフロントデフに伝達され、フロントデフから前車軸を介して左右の前輪に配分される。エンジンの駆動力はトランスファから前側のプロペラシャフトを介して電磁カップリング3に伝達され、このとき電磁カップリング3が連結されていると、駆動力は後側のプロペラシャフトを介してリヤデフに伝達され、リヤデフから後車軸を介して左右の後輪に配分されて車両は4輪駆動状態になる。また、電磁カップリング3の連結が解除されると、後側のプロペラシャフト以下が切り離されて車両は前輪側のみで駆動される2輪駆動状態になる。電磁カップリング3は、このように4輪駆動車の後輪側動力伝達系に配置された前側と後側のプロペラシャフトの間に介在し、後輪側の連結と切り離しを行うと共に、後輪側に伝達される駆動力の大きさを制御する。
電磁カップリング3は、本発明の断続装置用電磁石1、回転ケース5、インナーシャフト7、多板式のメインクラッチ9、ボールカム11、多板式のパイロットクラッチ13(断続装置)、アーマチャ15、コントローラなどから構成されており、車体側に支持された防護ケーシングの中に収容されている。
回転ケース5は、軸用スチール材で一体に形成されたフランジ部17及び動力伝達軸19、鉄系の強度材料で作られている円筒状部材21、オーステナイト系ステンレス鋼(非磁性体)で作られている円筒部材23、断続装置用電磁石1の一部を構成するロータ25(回転部材)から構成されており、フランジ部17と円筒状部材21、円筒状部材21と円筒部材23は互いに溶接されている。また、ロータ25は円筒部材23の後部側開口に螺着され、ナット27のダブルナット機能によって固定されている。
動力伝達軸19は、両側シール型のボールベアリング29を介して防護ケーシングに支承され、ロータ25は、ボールベアリングを介して防護ケーシングに支承されており、断続装置用電磁石1の一部を構成する第1のコア部材33と第2のコア部材35は、両側シール型のボールベアリング31を介してロータ25に支承されている。また、動力伝達軸19は継ぎ手を介してトランスファ側の(前側の)プロペラシャフトに連結されており、エンジンの駆動力はこれらの動力伝達部材を介して動力伝達軸19(回転ケース5)に伝達される。
インナーシャフト7は、後方から回転ケース5に貫入しており、前端部をボールベアリング37によってフランジ部17に支承され、後部側をニードルベアリング39によってロータ25に支承されている。インナーシャフト7には連結軸がスプライン連結され、この連結軸は継ぎ手を介してリヤデフ側の(後側の)プロペラシャフトに連結されており、インナーシャフト7の回転はこれらの動力伝達部材を介してリヤデフに伝達される。
また、回転ケース5の円筒部材23とロータ25との間にはOリング41が配置され、ロータ25とインナーシャフト7との間には、ニードルベアリング39の前方に、断面がX字状のシールであるXリング43が配置されており、これらのOリング41とXリング43とによって電磁カップリング3(回転ケース5)は密封されている。密封された回転ケース5には、フランジ部17に設けられたオイル孔45からオイルが注入されており、オイルを注入した後このオイル孔45はチェックボール47を圧入してシールされている。
メインクラッチ9は、回転ケース5(円筒部材21)とインナーシャフト7との間に配置されており、そのアウタープレート49は円筒部材21の内周に形成されたスプライン部51に連結され、インナープレート53はインナーシャフト7の外周に形成されたスプライン部55に連結されている。
ボールカム11は、プレッシャープレート57とカムリング59との間に配置されている。プレッシャープレート57は、内周をインナーシャフト7のスプライン部55に連結され、カムリング59は、インナーシャフト7の外周に相対回転自在に配置されており、カムリング59とロータ25との間にはボールカム11のカム反力を受けるスラストベアリング61とワッシャ63が配置されている。
パイロットクラッチ11は、回転ケース5(円筒部材23)とカムリング59との間に配置されており、そのアウタープレート65は円筒部材23の内周に形成されたスプライン部67に連結され、インナープレート69はカムリング59の外周に形成されたスプライン部71に連結されている。
アーマチャ15は、パイロットクラッチ11とプレッシャープレート57との間に配置され、外周を円筒部材23のスプライン部67に連結して軸方向移動自在に配置されている。
断続装置用電磁石1は、上記の第1のコア部材33(図2と図3に示す)及び第2のコア部材35(図4と図5に示す)と、コイル73(図6と図7に示す)から構成されている。
上記のように、第1コア部材33はベアリング31を介してロータ25上に支承されており、図1のように、スナップリング75,77と、ロータ25上に形成されてベアリング31が突き当たる段差部79とによって軸方向に位置決めされている。この状態で、第1コア部材33とロータ25との間には径方向に第1のエアギャップ81が形成される。
また、第2コア部材35は第1コア部材33の外周に装着されると共に、第2コア部材35は内周に形成された軸方向の凸部83を第1コア部材33の外周に形成された軸方向の凹部85に係合させて回転方向に位置決め(回り止め)されており、この状態で、第2コア部材35とロータ25との間には、径方向に第2のエアギャップ87が形成される。
コイル73は、複数巻きされたコイル銅線を堤包み込み一体化可能なベース部材として樹脂89のモールドによって形態を保持され、第1コア部材33の外周に装着されている。また、コイル73は、第2コア部材35の組み付け前に、第1コア部材33に組み付けられ、第2コア部材35は、第1コア部材33に組み付けられた状態で、第1コア部材33に形成され軸方向一方側の移動が規制部材としての鍔部91(第1のコア部材と一体に形成されている)との間にコイル73を挟んで軸方向に位置決めする。また、第2コア部材35は鍔部91とコイル73と第1コア部材33に取り付けられた容易な組付けを可能にするため止め輪としてのスナップリング93とによって軸方向他方側に位置決めされている。
また、コア部材33とコア部材35とコイル73は、このように組み付けられた状態で、ロータ25に形成された凹部95に上記のエアギャプ81,87を介して貫入していると共に、コア部材35に取り付けられた連結ピン97によって防護ケーシング側に連結され、回り止めされている。さらに、コイル73はその引き出し部99を、コア部材35に形成された凹部101に係合させることによって回り止めされている。また、コイル73のリード線103は上記の引き出し部99からグロメットを通して防護ケーシングの外部に引き出され、コントローラを介して車載のバッテリに接続されている。
コア部材33とコア部材35とエアギャプ81,87とロータ25とパイロットクラッチ13とアーマチャ15とによってコイル73の磁路が構成されている。
ロータ25は非磁性体である鋼材のリング105によって径方向の外側と内側に分断され、パイロットクラッチ13の各プレート65,69には、リング105と対応する径方向位置に、周方向等間隔に設けられた切り欠き107とこれらの切り欠き107を連結するブリッジ部が設けられており、リング105と切り欠き107とによって磁路上での磁束の短絡が軽減されている。
コントローラは、コイル73の励磁、励磁電流の制御、励磁停止などを行う。
コイル73が励磁されると、磁路に磁束ループ109が発生してアーマチャ15が吸引され、パイロットクラッチ13を押圧し締結させてパイロットトルク(伝達トルク)を発生させる。パイロットトルクが発生すると、回転ケース5からパイロットクラッチ13とカムリング59とを介してボールカム11に、パイロットトルクの大きさに応じてエンジンの駆動力が掛かり、発生したカムスラスト力によりプレッシャープレート57を介してメインクラッチ9が押圧されて締結し、電磁カップリング3が連結される。また、上記のように回転ケース5の円筒部材23が非磁性体のステンレス鋼材で作られており、磁束ループ109から円筒部材23側に磁束が漏洩することが防止されアーマチャ15に磁束が効率良く導かれるから、パイロットクラッチ13は所定のパイロットトルクが得られ、電磁カップリング3は所定の連結トルクが得られる。
電磁カップリング3が連結されると、エンジンの駆動力はインナーシャフト7からリヤデフ側のプロペラシャフトなどを介してリヤデフに伝達され、リヤデフから左右の後輪に配分されて車両は4輪駆動状態になり、悪路などの走破性や、車体の安定性が向上する。
このとき、コントローラによりコイル73の励磁電流を調整し磁力を制御すると、パイロットクラッチ13の滑り率が変化してパイロットトルクが変わり、ボールカム11のカムスラスト力が変化し、メインクラッチ9の連結力(電磁カップリング3を介して後輪側に送られる伝達トルクの大きさ)を調整することができる。このような連結力調整によって前後輪間の駆動力配分比を任意に制御することができ、例えば、旋回走行中にこのような制御を行うと車両の操縦性や安定性などが向上する。
また、コイル73の励磁を停止するとパイロットクラッチ13が開放されてボールカム11のカムスラスト力が消失し、メインクラッチ9が開放されて電磁カップリング3の連結が解除される。
電磁カップリング3の連結が解除されると、リヤデフ側プロペラシャフトから後輪までが切り離されて車両は前輪駆動の2輪駆動状態になり、エンジンの燃費が向上する。
コイル73の巻数を増やせば磁束が増加し、第1のエアギャップ81と第2のエアギャップ87を狭くすれば磁気抵抗の減少に伴って磁束が増加し、アーマチャに対する吸引力が強くなってパイロットクラッチ13のパイロットトルクが大きくなる。また、コイル73の巻数を減らすか第1と第2のエアギャップ81,87を広くすれば磁束が減ってパイロットトルクが小さくなる。
従って、巻数の異なるコイル73と、エアギャップ81,87での寸法の異なる第1コア部材33と第2コア部材35をそれぞれ適当な種類用意すれば、これらを組み合わせるだけで、低コストで、容易に、パイロットトルク(メインクラッチ9:電磁カップリング3による伝達トルク)を適格に調整することができ、また、伝達トルクの大きなバラツキを調整することもできる。
なお、電磁カップリング3(インナーシャフト7)が回転すると、内部に封入されているオイルは遠心力によってボールベアリング37と、インナーシャフト7の複数箇所に設けられた径方向流路111を通り、ベアリング37、メインクラッチ9、ボールカム11、パイロットクラッチ13、スラストベアリング61、ワッシャ63などを潤滑・冷却する。また、メインクラッチ9の各インナープレート53にはオイル孔113が設けられており、ボールカム11、パイロットクラッチ13、ベアリング61側へのオイルの移動を促進し、これらの潤滑・冷却効果を向上させている。また、プレッシャープレート57には貫通孔115が形成されており、この貫通孔115はオイルによるプレッシャープレート57の移動抵抗を軽減してメインクラッチ9の操作レスポンスを向上させると共に、オイルの流路になってボールカム11、パイロットクラッチ13側へのオイルの移動を促進し、これらの潤滑・冷却効果を向上させる。
こうして、断続装置用電磁石1が構成されている。
[断続装置用電磁石1の効果]
断続装置用電磁石1は、上記のように構成されたことによって次のような効果が得られる。
コア部材を磁路の一部をなしコイルを着脱可能に支持する第1のコア部材33と、第1のコア部材と着脱可能な支持関係にあり磁路の一部をなし第2のコア部材35とで構成すると共に、第1コア部材33とロータ25との間で磁路に沿った第1のエアギャップ81を形成し、第2コア部材35とロータ25との間で磁路に沿った第2のエアギャップ87を形成し、第1コア部材33によって第2コア部材35とコイル73を着脱可能に支持したことにより、巻数の異なるコイル73と、各エアギャップ81,87部での寸法の異なる第1コア部材33と第2のコア部材35をそれぞれ適当な種類用意すれば、これらを組み合わせるだけで、部材単位が小さいので低コストで、容易に、伝達トルクを精密に調整することができ、伝達トルクの大きなバラツキを抑制することができる。
また、コイル73が第1コア部材33に着脱可能に支持されているから、異なった巻数のコイル73に交換する場合でも、コイル73だけをボールベアリング31から取り外すことなく、コイル73だけを単独で交換できるから、容易に伝達トルクを微調整できる。
また、従来例の駆動力伝達装置と異なって、磁路調整部材の取付け位置の変動に伴う磁路断面積の変化と、伝達トルクの変動などからも考慮することも必要ない。
また、第1コア部材33と第2コア部材35との間でコイル73を位置決めしたから、走行中の振動などを受けてもコイル73が移動することはなく、断続装置用電磁石1の磁気特性と断続機能が安定する。
また、コイル73の位置決めにコア部材33,35を利用したことにより、他の位置決め手段が不要になり、それだけ低コストに構成されている。
また、各コア部材33,35を、凹部85と凸部83の係合によって回り止めし、スナップリング93で軸方向に位置決めしたから、両コア部材33,35のガタが防止され、コア部材33とロータ25間のエアギャップ81と、コア部材35とロータ25間のエアギャップ87が安定し、断続装置用電磁石1の磁気特性と断続機能が安定する。
また、コイル73が樹脂モールドによって形態を保持され、回り止めされているから、コイル73のガタが防止され、断続装置用電磁石1の磁気特性と断続機能が安定する。
また、電磁カップリング3(断続装置用電磁石1)を分解・修理する場合、第2のコア部材35とコイル73は、ベアリングやロータ25や静止側部材などの周辺部材に対して干渉、破損などの悪影響を及ぼさないよう必要な部材のみ、必要な順序で分解・組付が可能となる。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、上記実施形態と異なって、磁路に沿った第1の隙間及び第2の隙間は径方向に限らない。例えば、磁路に沿った隙間が第1及び第2のコア部材と回転部材との間で軸方向に形成される構成であれば、第1の隙間及び第2の隙間は軸方向であってもよい。
また、第1、第2の隙間は軸方向又は径方向で同じ方向に向いて並列して形成されていても良い。
産業状の利用可能性
一実施形態の断続装置用電磁石1を用いた電磁カップリング3を示す断面図である。 断続装置用電磁石1に用いられた第1コア部材33の断面図である。 第1コア部材33の正面図である。 断続装置用電磁石1に用いられた第2コア部材35の断面図である。 第2コア部材35の正面図である。 断続装置用電磁石1に用いられたコイル73の断面図である。 コイル73の正面図である。
符号の説明
1 断続装置用電磁石
13 パイロットクラッチ(断続装置)
25 ロータ(回転部材)
33 第1のコア部材
35 第2のコア部材
73 コイル
81 エアギャップ(磁路に沿った第1の隙間)
87 エアギャップ(磁路に沿った第2の隙間)
89 樹脂(ベース部材)
93 スナップリング(規制部材)

Claims (4)

  1. コイルで発生する磁束の磁路の一部をなす回転部材を介して断続装置に伝達し断続させる断続装置用電磁石であって、
    前記回転部材と共に磁路の一部をなし、前記コイルを着脱可能に支持すると共に、前記回転部材との間で前記磁路に沿った第1の隙間を形成する第1のコア部材と、
    前記第1コア部材と着脱可能な支持関係にあり、磁路の一部をなすと共に、前記回転部材との間で前記磁路に沿った第2の隙間を形成する第2のコア部材とからなることを特徴とする断続装置用電磁石。
  2. 請求項1に記載された発明であって、
    前記第1のコア部材と前記第2のコア部材のうち少なくとも一方のコア部材に対して、前記コイルが位置決めされていることを特徴とする断続装置用電磁石。
  3. 請求項1または請求項2に記載された発明であって、
    前記第1のコア部材と前記第2のコア部材が、回転方向に位置決めされていると共に、規制部材によって軸方向に位置決めされていることを特徴とする断続装置用電磁石。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載された発明であって、
    前記コイルが、ベース部材によって形態を保持され、前記第1のコア部材又は前記第2のコアに回り止めされていることを特徴とする断続装置用電磁石。
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