JP2005133338A - 住宅の基礎構造及びその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 掘削土量を少なくでき、基礎の浮き上がりに対する抵抗力を高めると共に、安定した支持力を得ることのできる住宅の基礎構造及びその構築方法を提供する。
【解決手段】 底部に開口11を有し、上端部に円形の天井部12を有する円筒形フーチング13、13aが、地中14に水平間隔をあけて所定の高さレベルで複数個埋設されて構成されたフーチング群基礎15と、フーチング群基礎15に連結して設けられ、上部に住宅16を取付け可能な布基礎及びべた基礎17のいずれか1つとを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅の基礎構造及びその構築方法に係り、更に詳細には、台風や地震等による揺れや衝撃に対しても安定した支持力を保持できる住宅の基礎構造及びその構築方法に関する。
住宅の基礎は縁の下の力持ちと言われるように、住宅(家)を支え、大地に固定する重要な役割を持っている。基礎は住宅の構造や重量、更には地盤の状態を考えて、その構造や寸法が決められている。住宅の基礎構造として、一般的に、堅くてしっかりした地盤には連続布基礎構造が採用され、一方、軟らかくて弱い地盤には連続布基礎構造の底面を逆T字型に広げた強化型連続布基礎構造が採用されたり、杭基礎構造やべた基礎構造が用いられている場合もある。
杭基礎構造は、地下の堅い層まで杭を打って、杭頭と杭頭とを鉄筋コンクリート梁で結び、その上に連続布コンクリートを築く構造であり、杭として鉄筋コンクリート杭以外にも、鋼管製の杭本体の下端に底板を設け、この底板に掘削刃を取付けると共に、杭本体の下端部外周面に螺旋翼を突設した鋼管杭が使用されることもある(例えば、特許文献1参照)。
近年の社会情勢の変化により、経済性が最優先される風潮となって、もともと作業性が悪かった連続布基礎構造に代わって、べた基礎構造の採用が多くなった。即ち、連続布基礎構造においては、根入れ部分の掘削土量が多く、掘削した溝の周辺に掘削土を蓄積し、コンクリート壁構築後、埋め戻しに使用するが、蓄積された土が障害となって、割栗地業( 割栗石と称する砕石を小端立てに敷きつめ、突き固めて地盤を密実にすること) や鉄筋組立コンクリート打設等の一連の作業効率を悪くしたり、建設機械等の使用に制約となっていた。様々な経緯を経て、住宅に対する瑕疵担保期間が長くなり、べた基礎構造が最近の主流となってきた。
図11に示すように、べた基礎構造70においては、整地された地面71に割栗地業72を施し、その上方に格子状に組み立てられた鉄筋73を配置して、生コンクリート74を流し込み、鉄筋コンクリート盤75をつくる。鉄筋コンクリート盤75の周囲部分のコンクリートの厚さT1 を中央部分の厚さt1 の2倍程度にするが、その厚さT1 は大体30cmである。ここで、鉄筋コンクリート盤75の上面76を地盤77の表面78より、例えば、h=5cm高くすると、鉄筋コンクリート盤75の地中部分の深さ(根入れ)Kは25cmであり、基礎の根入れ深さとしては極めて浅い。
特開昭59−85028号公報(第1図、第2図)
しかしながら、前記従来のべた基礎構造70においては、未だ解決すべき以下のような問題があった。
べた基礎構造70は基礎自体が相当重たくなり、この特徴が有利に働くか又は不利に働くかは、地盤77の強度や住宅自体の構造等で変わってくる。
図12(A)に示すように、根入れの浅いべた基礎構造70は1枚板のような基礎であり、その上に建築される住宅79の重心Gが基礎の中心Oから外れる(図12(A)では左側に外れる)と、図12(B)に示すように、べた基礎構造70の両端で地盤77に作用する荷重は異なり、通常、荷重の分布状態は台形状になる。このようなべた基礎構造70に設けた住宅79にさまざまな外力(台風、地震、交通機関等による揺れや衝撃)が働いた場合には、図12(C)に示すように、図12(B)で述べたべた基礎構造70の両端での荷重のアンバランスは更に大きくなり、この結果、べた基礎構造70と共に住宅79が傾くことになる。
更に、宅地は周囲の一部に擁壁が築かれ盛土地盤を保護しているが、擁壁の裏込め土の突き固めが不十分で軟弱である場合、宅地の隅に建設される住宅では、基礎の下の土に対する拘束が弱く、基礎を含めた住宅の荷重により土が擁壁側へ押し出されて基礎が沈下して住宅が傾くという問題もあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、掘削土量を少なくでき、基礎の浮き上がりに対する抵抗力を高めると共に、安定した支持力を得ることのできる住宅の基礎構造及びその構築方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の住宅の基礎構造は、底部に開口を有し、上端部に円形の天井部を有する円筒形フーチングが、地中に水平間隔をあけて所定の高さレベルで複数個埋設されて構成されたフーチング群基礎と、前記フーチング群基礎に連結して設けられ、上部に住宅を取付け可能な布基礎及びべた基礎のいずれか1つとを備えている。
請求項2記載の住宅の基礎構造は、請求項1記載の住宅の基礎構造において、前記円筒形フーチングの天井部直下には砂利地業が施工されている。
請求項3記載の住宅の基礎構造は、請求項1及び2記載の住宅の基礎構造において、前記円筒形フーチングは鉄筋コンクリート製である。
前記目的に沿う請求項4記載の住宅の基礎構造の構築方法は、地盤の所定の位置に水平間隔をあけて円筒状の溝を複数個掘削し、前記各溝の上端部を除いて該溝に第1のコンクリートを打設し、打設された前記各第1のコンクリートの筒内上部に砂利を敷き詰め、敷き詰められた前記各砂利上及び前記各第1のコンクリート上に第2のコンクリートを打設してフーチング群基礎を形成し、さらに、該フーチング群基礎に連結され、上部に住宅を取付ける布基礎及びべた基礎のいずれか1つを設ける。
請求項5記載の住宅の基礎構造の構築方法は、請求項4記載の住宅の基礎構造の構築方法において、前記円筒状の溝の形成は、大径パイプの外周面に細い幅の板が螺旋状に立設されたスクリューを備え、かつ前記大径パイプの下端円周部に複数の掘削刃が設けられた掘削治具を掘削機に取付けて行なう。
請求項6記載の住宅の基礎構造の構築方法は、請求項4及び5記載の住宅の基礎構造の構築方法において、前記各第1のコンクリート及び前記各第2のコンクリートを打設する前に、各打設部に補強材を入れる。
請求項1〜3記載の住宅の基礎構造においては、上端部に円形の天井部を有する円筒形フーチングが複数個埋設されて構成されたフーチング群基礎に連結して、上部に住宅を取付け可能な布基礎及びべた基礎のいずれか1つが設けられているので、円筒形フーチングの外周面と接する地盤との間に大きな摩擦力を得ることができ、かつ、円筒形フーチングの内部の地盤を拘束できるため、大きな支持力を得ることができる。従って、複数個の円筒形フーチングからなるフーチング群基礎に布基礎及びべた基礎のいずれか1つを介して取付けられた住宅は、揺れや衝撃によっても、不等沈下して傾くことを防止することができる。
しかも、複数個の円筒形フーチングからなるフーチング群基礎を設けないで布基礎又はべた基礎のみを形成する場合と比較して、割栗地業を砂利地業に簡略化することができる。また、複数個の円筒形フーチングからなるフーチング群基礎では、従来のフーチング基礎と比べて、土の掘削、地業、型枠組立、鉄筋組立、土の埋め戻し、残土処分等一連の工事すべてにおいて簡略化することができる。特に、掘削する土量が少なくて済むので、掘削作業が簡略化されると共に、埋め戻し作業が簡単になり、さらに、掘削した土を一時的に保管する場所が少なくて済む。
特に、請求項2記載の住宅の基礎構造においては、円筒形フーチングの天井部直下には砂利地業が施工されているので、円筒形フーチングの沈下がさらに抑制される。
請求項3記載の住宅の基礎構造においては、円筒形フーチングは鉄筋コンクリート製であるので、円筒形フーチング自体の強度が向上し、これにより、揺れや衝撃によっても住宅の不等沈下をさらに防止できる。
請求項4〜6記載の住宅の基礎構造の構築方法は、円筒状の溝に第1のコンクリートを打設した後、第1のコンクリートの筒内上部に砂利を敷き詰め、敷き詰められた各砂利上及び各第1のコンクリート上に第2のコンクリートを打設してフーチング群基礎を形成し、さらに、フーチング群基礎に布基礎又はべた基礎を設ける。
従って、施工する布基礎又はべた基礎は、従来の場合と比較して根入れを浅くでき、円筒状の溝も含めて掘削する土量が少なくて済むので、掘削作業が簡略化されると共に、埋め戻し作業が簡単になり、さらに、掘削した土を一時的に保管する場所が狭くてよく、残土処分(産廃)が少なくて済む。
また、最終配置される位置に円筒状の溝を形成し、この溝に第1のコンクリートを打設し、さらに、第1のコンクリートの上に第2のコンクリートを打設することによりフーチング群基礎を形成できるので、作業が簡略化され、この結果、工程が短縮されると共に、工事費用が安くできる。
請求項5記載の住宅の基礎構造の構築方法においては、大径パイプの外周面に細い幅の板が螺旋状に巻かれたスクリューを備え、かつ大径パイプの先端円周部に複数の掘削刃が取付けられた掘削治具を掘削機に取付けて、掘削治具の押し付け及び回転により溝を形成するので、掘削作業が簡略化される。
請求項6記載の住宅の基礎構造の構築方法においては、各第1のコンクリート及び各第2のコンクリートを打設する前に、各打設部に補強材を入れるので、フーチング群基礎の強度がアップし、これにより、揺れや衝撃によっても不等沈下をさらに防止できる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る住宅の基礎構造を適用した住宅を含む全体構成図、図2は同住宅の基礎構造の平面図、図3(A)、(B)はそれぞれ、同住宅の基礎構造の円筒形フーチングを含む周囲部分、中央部分の断面構成を示す説明図、図4(A)、(B)はそれぞれ、同住宅の基礎構造の円筒形フーチングを含まない周囲部分、中央部分の断面構成を示す説明図、図5(A)、(B)はそれぞれ、同住宅の基礎構造の構築方法に使用する鉄筋の正面図、平面図、図6は同住宅の基礎構造の構築方法に用いる掘削治具を設けた掘削機の構成図、図7は同住宅の基礎構造の構築方法に用いる掘削治具の正面図、図8及び図9は同住宅の基礎構造の構築方法の工程図、図10は本発明の他の実施の形態に係る住宅の基礎構造を適用した住宅を含む全体構成図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る住宅の基礎構造10は、底部に開口11を有し、上端部に円形の天井部12を有する円筒形フーチング13、13aが、地中14に水平間隔をあけて所定の高さレベルで複数個(本実施の形態では、円筒形フーチング13が15個、円筒形フーチング13aが6個、合計21個)埋設されて構成されたフーチング群基礎15と、フーチング群基礎15に連結して設けられ、上部に住宅16を取付け可能なべた基礎17とを備えており、平面視して矩形状に形成されている。以下、これらについて詳しく説明する。なお、円筒形フーチング13、13aは、従来の台形型フーチング基礎とは、形状等を含めいろいろの面で異なるものである。また、図1に示す住宅16は宅地の隅に建設されており、宅地は周囲の一部に間知ブロック積擁壁18が築かれ、盛土地盤19を保護している。
図3(A)及び図4(A)と、図3(B)及び図4(B)とを比較すると明らかなように、住宅の基礎構造10の周囲部分(円筒形フーチング13を含む、矩形状の4辺部分)、中央部分(円筒形フーチング13aを含む、周囲部分の内側部分)では若干構造が異なっている。なお、図3(A)、(B)はそれぞれ、図2の矢視A−A断面、矢視B−B断面を、図4(A)、(B)はそれぞれ、図2の矢視C−C断面、矢視D−D断面を表している。
図3(A)に示すように、住宅の基礎構造10の周囲部分においては、円筒形フーチング13の天井部12の上面20は、GL(グランドレベル)から深さF(例えば、150mm)の高さレベルに位置している。円筒形フーチング13は、円周下部に段差21を有する円板状の天井部12と、天井部12の段差21に上端部が嵌入して一体的に設けられた円筒状の側板部22とを備えている。
円筒形フーチング13は、鉄筋コンクリート製であり、側板部22には補強材の一例である筒状の鉄筋23が設けられており、天井部12には鉄筋23の上端に接続された、補強材の一例である外形形状が円形で格子状の鉄筋24が設けられている(図5(A)、(B)参照)。ただし、コンクリートは、側板部22を形成する第1のコンクリート24aと、天井部12を形成する第2のコンクリート24bからなっている。円筒形フーチング13の天井部12の直下には、厚さT(例えば、100mm)の砂利地業25が施工されている。円筒形フーチング13の寸法は、高さH、外径D、内径dであり、一例として、H=1500mm、D=900mm、d=640mmとしている。
図3(B)に示すように、住宅の基礎構造10の中央部分においては、円筒形フーチング13aの天井部12の上面20は、GL(グランドレベル)から深さf(例えば、50mm)の高さレベルに位置している点が異なるのみで、その他は周囲部分と同じである。図2に示す周囲部分に矩形状に配置された15個の円筒形フーチング13と、円筒形フーチング13の内側に矩形状に配置された6個の円筒形フーチング13aとによりフーチング群基礎15が構成されている。フーチング群基礎15においては、円筒形フーチング13、13aの外周面と接する地盤との間に大きな摩擦力を得ることができ、かつ、円筒形フーチング13、13aの内部の地盤を拘束できるため、大きな支持力を得ることができる。
図2、図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、フーチング群基礎15上には、べた基礎17が一体的に形成されている。図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、べた基礎17は、円筒形フーチング13の天井部12を除く周囲部分の整地された整地面27に幅W(例えば、400mm)、厚さm(例えば、100mm)で施工された平面視して矩形状の外側砂利地業28と、外側砂利地業28の内側に、円筒形フーチング13aの天井部12を除く整地された整地面29全面に施工された厚さt(例えば、100mm)の内側砂利地業30とから成る総砂利地業31を有している。
べた基礎17は、さらに、総砂利地業31及び円筒形フーチング13、13a上方に、格子状に配置された補強材の一例である鉄筋32を入れてコンクリート33が打設されて、上面37が平面に構成された矩形状の鉄筋コンクリート盤34を備えている。鉄筋コンクリート盤34の周囲部分は、図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、中央部分に比べて厚さが厚くなっており、その分、補強材の一例である鉄筋35、36が設けられている。
図2、図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、鉄筋コンクリート盤34の上面37には、厚さn、高さSの連続布コンクリート壁38が立設されている。連続布コンクリート壁38においては、コンクリート38aの内部に補強材の一例である格子状の鉄筋39が配置されている。なお、図3(A)、(B)及び図4(A)、(B)に示すように、鉄筋23、24、32、35、36、39は一体的に接続されている。また、鉄筋コンクリート盤34の上面37は、グランドレベルより高さu(例えば、5cm)だけ高いレベルに設けられている。かかる構成によって、住宅16は、住宅の基礎構造10のべた基礎17の連続布コンクリート壁38を介して取付けられることになる。従って、フーチング群基礎15にべた基礎17を介して取付けられた住宅16は、揺れや衝撃によっても、不等沈下して傾くことを防止できる。
なお、GL(グランドレベル)から整地面29までの深さF(図11の深さKに相当する)は、15cmとなり、深さKより10cm浅くできる。従って、従来の住宅の基礎構造に比較して、掘削する土量が少なく(例えば、従来の30〜50%)でき、このため、掘削作業が簡略化され、また埋め戻し作業が簡単になり、さらに、掘削した土を一時的に保管する場所が少なくて済む。
次に、図6〜図8を参照しながら、住宅の基礎構造10を構成する円筒形フーチング13(13aも同じ)の形成作業に使用する掘削治具40及び掘削治具40を取付ける掘削機41について説明する。
図6に示すように、掘削機41は、キャタピラー式の移動車体42と、移動車体42に360°水平に旋回可能に設けられ運転室43を有する旋回フレーム44と、旋回フレーム44に取付けられたリンク式のアーム機構45と、アーム機構45の先端部に設けられたオーガマシン46と、オーガマシン46に取付けられ、下端部に掘削治具40を脱着可能で、上下動及び回転可能なロッド47とを備えている。
図7に詳細を示すように、掘削治具40は、ロッド47の下端部にジョイント部49を介して取付けられた掘削治具本体50を備えている。
掘削治具本体50は、鋼管からなる大径パイプ51と、大径パイプ51の外周面52に細い幅の板が螺旋状に立設されたスクリュー53と、大径パイプ51の下端円周部に略等ピッチで設けられた複数の掘削刃54とを備えている。
例えば、内側は空で先端まで開放された大径パイプ51の直径Y=660mm、スクリュー53の片側の幅X=120mmである。掘削刃54は大径パイプ51の先端円周部とスクリュー53の先端に、地盤に喰い込み易いように留意した取付けがしてある。一方、掘削刃54の反対側、即ち、掘削治具本体50の上部にはジョイント部49が設けられ、ロッド47が接続できる構造になっている。掘削治具40の長さZは2m程度であり、掘削機41にはオーガマシン46が組み込まれており、作業場への出し入れが容易な大きさとしている。掘削機41のオーガマシン46にロッド47を取付けて、ロッド47に掘削治具40を接続するようになっている。オーガマシン46の回転部には、中心にロッド47を挿通する孔があり、この孔にはロッド47の任意の位置を締め付け、オーガマシン46の回転をロッド47に伝えるためのチャックが装着されている。ロッド47をチャックから解放した状態で、オーガマシン46をリーダー47aの上方に移動させてから、ロッド47をチャックで締め付けて回転させ、掘削治具40を回すことができるようになっている。
かかる構成によって、図8(a)、(b)に示すように、掘削機41に掘削治具40を取付け、所定の位置に移動して、掘削治具40を地面に接地させた後、掘削治具40を回転させながら一定の押し込み力で押し込むことにより、地中14に円筒状の溝56を形成することができる。
即ち、オーガマシン46を稼働してロッド47を回転させて掘削治具40を回すと、掘削治具40は地盤に喰い込み削り、掘削を開始する。その際、オーガマシン46の推進力をコントロールして掘削すると、掘削された土はスクリュー53によって地表に排出されるが、内部の土は残る。所定の深さ(例えば、図3(A)のF+H)の掘削が終わったら、掘削治具40を引き抜くとスクリュー53の回転により筒状の溝56が形成されている。リーダー47aは、オーガマシン46を垂直に上下させ、ロッド47を介して掘削治具40の押し込みストロークVを表示する。なお、図6中の符号46aはリーダー47aを支え、固定するための支柱を表している。
次いで、本発明の一実施の形態に係る住宅の基礎構造の構築方法について、主として図8(a)〜(e)及び図9(f)〜(k)を参照しながら説明する。
(a)掘削治具40を取付けた掘削機41を所定の位置に移動し、掘削治具40の下端部に取付けた掘削刃54を地面(GL)に接地させた後、掘削治具40を回転させながら一定の押し込み力で押し込む。
(b)掘削治具40の押し込み量をリーダー47aにより確認しながら、所定の押し込みストロークVまで掘削治具40を地中14に押し込み、その後、掘削治具40を引き上げて、円筒状の溝56を形成する。
(c)筒状の鉄筋23を吊り具57を介してホイスト等により吊り下げて、溝56に挿入する。
(d)鉄筋23を溝56に建て込める。
前記(a)〜(d)を所定の回数繰り返し、地盤の所定の位置に水平間隔をあけて掘削した各56溝に鉄筋23を建て込める。ただし、周囲部分(円筒形フーチング13の位置)は中央部分(円筒形フーチング13aの位置)に比べて、若干( 例えば、100mm)深く掘削する。
(e)各溝56の上端部を除いて各溝56に第1のコンクリート24aを打設する。
(f)打設された各第1のコンクリート24aの筒内上部の鋤取りを行なう。
(g)鋤取りされた部位の直上に砂利を敷き詰め、砂利地業25を施工する。
(h)円筒形フーチング13の天井部12を除く周囲部分の整地された整地面27に外側砂利地業28を施工する。砂利地業25、28の上方に鉄筋23に接続して鉄筋24、35、36、39を順次接続して施工し、砂利地業25直上及び第1のコンクリート24a上に第2のコンクリート24bを打設して、円筒形フーチング13、13aが埋設されて構成されたフーチング群基礎15を形成する。
(i)外側砂利地業28の内側に、円筒形フーチング13aの天井部12を除く整地された整地面29全面に内側砂利地業30を施工して、外側砂利地業28及び内側砂利地業30から成る総砂利地業31を形成する。その後、総砂利地業31の上方に鉄筋32を鉄筋35、36、39と一体的に施工する。
(j)総砂利地業31直上にコンクリート33を打設して、フーチング群基礎15上に一体的に鉄筋コンクリート盤34を形成する。
(k)鉄筋コンクリート盤34上にコンクリート38aを打設して連続布コンクリート壁38を形成し、住宅の基礎構造10を構築する。
図10には、本発明の他の実施の形態に係る住宅の基礎構造60を適用した住宅63を含む全体構成図を示す。住宅の基礎構造60は住宅の基礎構造10と同様、地中14に埋設された複数個の円筒形フーチング61からなるフーチング群基礎62と、フーチング群基礎62に連結して設けられ上部に住宅63を取付け可能なべた基礎64とを備えている。図10に示す住宅63は、住宅16と同様、宅地の隅に建設されており、宅地は周囲の一部にL型擁壁26が築かれ、盛土地盤65を保護している。
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の住宅の基礎構造及びその構築方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態において、フーチング群基礎15に連結してべた基礎17を設けたが、これに限定されず、必要に応じて、別の基礎である布基礎(連続基礎)を設けることもできる。
円筒形フーチング13、13aの天井部12直下に砂利地業を25を施工したが、これに限定されず、必要に応じて、砂利地業25を省略することもできる。また、状況に応じて、砂利地業25の代わりに、割栗地業を施工することもできる。
円筒形フーチング13、13aを鉄筋コンクリート製としたが、これに限定されず、必要に応じて、コンクリートのみとしたり、また鉄筋の代わりに、例えば、金網やプラスチック等の補強材を使用することもできる。なお、ここでいうコンクリートとは、本来のコンクリート(セメント+砂+砂利+水の混合物)の外、モルタル(セメント+砂+水の混合物)、セメントペースト(セメント+水の混合物)を含めたものをいう。
円筒状の溝56の形成において、掘削機41に取付けた掘削治具40により行なったが、これに限定されず、状況に応じて、その他の掘削手段で溝56を形成することもできる。
本発明の一実施の形態に係る住宅の基礎構造を適用した住宅を含む全体構成図である。 同住宅の基礎構造の平面図である。 (A)、(B)はそれぞれ、同住宅の基礎構造の円筒形フーチングを含む周囲部分、中央部分の断面構成を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ、同住宅の基礎構造の円筒形フーチングを含まない周囲部分、中央部分の断面構成を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ、同住宅の基礎構造の構築方法に使用する鉄筋の正面図、平面図である。 同住宅の基礎構造の構築方法に用いる掘削治具を設けた掘削機の構成図である。 同住宅の基礎構造の構築方法に用いる掘削治具の正面図である。 同住宅の基礎構造の構築方法の工程図である。 同住宅の基礎構造の構築方法の工程図である。 本発明の他の実施の形態に係る住宅の基礎構造を適用した住宅を含む全体構成図である。 従来例に係る住宅の基礎構造のべた基礎構造である。 (A)〜(C)は同住宅の基礎構造の荷重分布の説明図である。
符号の説明
10:住宅の基礎構造、11:開口、12:天井部、13、13a:円筒形フーチング、14:地中、15:フーチング群基礎、16:住宅、17:べた基礎、18:間知ブロック積擁壁、19:盛土地盤、20:上面、21:段差、22:側板部、23:鉄筋(補強材) 、24:鉄筋(補強材) 、24a:第1のコンクリート、24b:第2のコンクリート、25:砂利地業、26:L型擁壁、27:整地面、28:外側砂利地業、29:整地面、30:内側砂利地業、31:総砂利地業、32:鉄筋(補強材) 、33:コンクリート、34:鉄筋コンクリート盤、35:鉄筋(補強材) 、36:鉄筋(補強材) 、37:上面、38:連続布コンクリート壁、38a:コンクリート、39:鉄筋(補強材) 、40:掘削治具、41:掘削機、42:移動車体、43:運転室、44:旋回フレーム、45:アーム機構、46:オーガマシン、46a:支柱、47:ロッド、47a:リーダー、49:ジョイント部、50:掘削治具本体、51:大径パイプ、52:外周面、53:スクリュー、54:掘削刃、56:溝、57:吊り具、60:住宅の基礎構造、61:円筒形フーチング、62:フーチング群基礎、63:住宅、64:べた基礎、65:盛土地盤

Claims (6)

  1. 底部に開口を有し、上端部に円形の天井部を有する円筒形フーチングが、地中に水平間隔をあけて所定の高さレベルで複数個埋設されて構成されたフーチング群基礎と、
    前記フーチング群基礎に連結して設けられ、上部に住宅を取付け可能な布基礎及びべた基礎のいずれか1つとを備えたことを特徴とする住宅の基礎構造。
  2. 請求項1記載の住宅の基礎構造において、前記円筒形フーチングの天井部直下には砂利地業が施工されていることを特徴とする住宅の基礎構造。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の住宅の基礎構造において、前記円筒形フーチングは鉄筋コンクリート製であることを特徴とする住宅の基礎構造。
  4. 地盤の所定の位置に水平間隔をあけて円筒状の溝を複数個掘削し、
    前記各溝の上端部を除いて該溝に第1のコンクリートを打設し、
    打設された前記各第1のコンクリートの筒内上部に砂利を敷き詰め、
    敷き詰められた前記各砂利上及び前記各第1のコンクリート上に第2のコンクリートを打設してフーチング群基礎を形成し、
    さらに、該フーチング群基礎に連結され、上部に住宅を取付ける布基礎及びべた基礎のいずれか1つを設けることを特徴とする住宅の基礎構造の構築方法。
  5. 請求項4記載の住宅の基礎構造の構築方法において、前記円筒状の溝の形成は、大径パイプの外周面に細い幅の板が螺旋状に立設されたスクリューを備え、かつ前記大径パイプの下端円周部に複数の掘削刃が設けられた掘削治具を掘削機に取付けて行なうことを特徴とする住宅の基礎構造の構築方法。
  6. 請求項4及び5のいずれか1項に記載の住宅の基礎構造の構築方法において、前記各第1のコンクリート及び前記各第2のコンクリートを打設する前に、各打設部に補強材を入れることを特徴とする住宅の基礎構造の構築方法。
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JP2012237092A (ja) * 2011-05-09 2012-12-06 Plant Trees Co Ltd 建築物
CN109356530A (zh) * 2018-12-19 2019-02-19 宁波市政工程建设集团股份有限公司 一种软土地基旋挖钻机用作业平台及使用方法
CN110823631A (zh) * 2019-12-04 2020-02-21 尹与瑗 一种混凝土钻芯机

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