JP2005133211A - 熱処理システム - Google Patents

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碩一 中島
Kikuo Maeda
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Abstract

【課題】 各鋼製部品における熱処理品質のむらや、鋼製部品間における熱処理品質のばらつきを抑制する。
【解決手段】 二次処理装置2の加熱機21は、軸受部品を誘導加熱(高周波加熱)により加熱するものであり、高周波加熱装置で構成される。この加熱機21において、各軸受部品はピース・バイ・ピースで、A1変態点を越える温度で所定時間加熱される。各軸受部品をピース・バイ・ピースで加熱するので、各軸受部品における熱処理品質のむらや、軸受部品相互間における熱処理品質のばらつきが少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸受部品等の鋼製部品に二段の熱処理を施す熱処理システムに関するものである。
例えば、減速機、ドライブピニオン、トランスミッション等に使用される軸受は、高荷重、潤滑剤への異物(ギヤの摩耗粉等)の混入など、厳しい条件下で運転されるが、近時の高速化や小型化等の要求に伴い、使用条件の厳しさの度合いは益々増大する傾向にある。このような近時の傾向に鑑み、下記の特許文献1では、転動疲労寿命、耐割れ強度、耐経年寸法変化という基本性能に優れた軸受部品を得ることができる熱処理方法を提供している。この熱処理方法は、軸受部品用の鋼をA1変態点を越える浸炭窒化処理温度で浸炭窒化処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上で浸炭窒化処理の温度未満の焼入れ温度域(790℃〜830℃)に再加熱して焼入れを行うものである。
上記の熱処理方法によれば、熱処理後の軸受部品のミクロ組織におけるオーステナイト結晶粒が平均粒径で8μm以下にまで微細化され、軸受部品の転動疲労寿命、シャルピー衝撃値、破壊靭性値、圧壊強度などが向上し、基本性能に優れた軸受部品を得ることができる。
特開2003−226918号公報
本発明の課題は、軸受部品等の鋼製部品に上記の熱処理方法を施すための熱処理システムを提供することであり、特に、各鋼製部品に均質な熱処理を施すことができる熱処理システムを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、鋼製部品をA1変態点を越える一次加熱温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却することにより表層部に窒素富化層を形成する一次処理装置と、該一次処理装置による熱処理を経た鋼製部品を、誘導加熱によりA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却する二次処理装置とを備えた熱処理システムを提供する。
一次処理装置は、鋼製部品をA1変態点を越える一次加熱温度に加熱し、その表層部に窒素を拡散させて窒素富化層を形成した後、A1変態点未満に冷却する。その後、二次処理装置において、A1変態点を越える二次加熱温度に誘導加熱して再焼入れを行うので、加熱温度と加熱時間のコントロールを通じて、熱処理後の鋼製部品のミクロ組織におけるオーステナイト結晶粒を微細化することができ、例えばJIS G0551に規定されたオーステナイト結晶粒度試験方法による粒度番号が10番を越える微細な結晶粒を得ることが可能となる。これにより、転動疲労寿命、耐割れ強度、耐経年寸法変化に優れた鋼製部品を得ることができる。
また、二次処理装置における鋼製部品の焼入れを誘導加熱方式(例えば高周波焼入れ)により各鋼製部品ごとに行うので(ピース・バイ・ピース)、各鋼製部品における熱処理品質のむらや、鋼製部品間における熱処理品質のばらつきが少なく、均質で信頼性の高い鋼製部品を得ることができる。二次処理装置において、鋼製部品を誘導加熱方式で二次加熱温度に加熱した後、型焼入れを行っても良い。ここで、型焼入れとは、被加熱品を型で拘束した状態で焼入れする処理方法をいい、型に圧力を加えて拘束するプレス焼入れも含む意である。
一次処理装置において、鋼製部品の表層部に窒素を拡散させて窒素富化層を形成する手段として、窒化、浸炭窒化があるが、加熱温度や脱炭防止を考慮すると浸炭窒化によるのが好ましい。とりわけ、コスト面や品質面などからガス浸炭窒化が好ましい。
一次処理装置と二次処理装置は、何れも、鋼製部品を所要温度(一次加熱温度、二次加熱温度)に加熱するための加熱機と、その後に冷却するための冷却機とを基本構成として含んでいる。例えば、一次処理装置でガス浸炭窒化を行う場合、一次処理装置の加熱機としては、浸炭性ガスにアンモニアを添加した雰囲気ガス中で鋼製部品を加熱する加熱炉が使用される。この加熱炉は、連続式、バッチ式の如何を問わない。二次処理装置の加熱機は、鋼製部品を誘導加熱(例えば高周波加熱)により加熱するものであり、高周波加熱装置で構成される。一次処理装置および二次処理装置の冷却機における冷却方式は特に問わず、空冷、N2ガス等によるガス冷、油冷、水冷、塩浴による冷却等、種々の方式を採用することができる。
本発明によれば、二次処理装置における鋼製部品の焼入れを誘導加熱方式(例えば高周波焼入れ)により各鋼製部品ごとに行うので(ピース・バイ・ピース)、各鋼製部品における熱処理品質のむらや、鋼製部品間における熱処理品質のばらつきが少なく、転動疲労寿命、耐割れ強度、耐経年寸法変化に優れ、かつ、均質で信頼の性の高い鋼製部品を得ることができる。
以下、鋼製部品の一例として軸受部品を使用し、これに適用した本発明の一実施形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る熱処理システムの構成を概念的に示している。この熱処理システムは、一次処理装置1と二次処理装置2とで構成される。図示しない鍛造、旋削等の成形工程で成形された軸受部品は、一次処理装置1および二次処理装置2に順次移送され、それぞれの装置で加熱・冷却されて二段の熱処理が施される。
ここでいう軸受部品は、玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、針状ころ軸受等の転がり軸受の構成部品を意味する。図2は、一例として外輪41、内輪42、および転動体43を主要な構成部品とする深溝玉軸受4を示しており、これら外輪41・内輪42および転動体43がここでいう軸受部品に該当する。これら軸受部品の素材としては、SUJ2等の軸受鋼の他、C:0.6〜1.3wt%、Si:0.3〜3.0wt%、Mn:0.2〜1.5wt%、Cr:0.3〜5.0wt%、Ni:0.1〜3wt%を含む(望ましくはMo:0.05〜0.25wt%未満、V:0.05〜1.0wt%をさらに含む)高温用の軸受鋼や、C:0.4〜0.8wt%、Si:0.2〜0.9wt%、Mn:0.7〜1.3wt%、Cr:0.7wt%以下を含む中炭素鋼等も使用することができる。
一次処理装置1は、加熱機11、冷却機12、および洗浄機13で構成される。加熱機11は、例えば、浸炭性ガスにアンモニアを添加した雰囲気ガス中で軸受部品を加熱する加熱炉で構成される。この加熱機11において、軸受部品は、図3に示すように、A1変態点を越える一次加熱温度T1(800℃〜950℃、例えば850℃)で所定時間(例えば40分)加熱され、これにより活性状態の窒素が軸受部品の表層部に拡散して窒素富化層(この例では浸炭窒化層)が形成される。この一次加熱は、基本的には表面に窒素富化層を形成することを目的とするものであるから、少なくとも窒化すればよく、必ずしも浸炭は必要ではない。但し、条件よっては、例えば脱炭が懸念される場合や使用鋼材の炭素量が少なく、十分な硬度を確保できない場合等は、窒化の他に浸炭も不可欠となる。加熱後の軸受部品は、図3に示すように、冷却機12にてMs点以下に冷却(例えば油冷)され、さらに洗浄機13に移送されて冷却液(例えば油)の洗浄除去が行われる。尚、冷却機12では、Ms点以下の温度に冷却する他、500℃程度で恒温保持してもよい。また、図1では、一次処理装置1の加熱機11として、連続式の加熱炉を例示しているが、同図に点線で示すように、バッチ式の加熱炉11’を採用しても良い。さらに、図1では、一次処理装置1の冷却機12として油冷を例示しているが、同図に点線で示すように、空冷やガス冷、例えばN2ガスによるガス冷の冷却機12’を採用しても良い。この場合、冷却機12’において、軸受部品に対する冷却液の付着がなくなるので、後続の洗浄機13を省略して、冷却機12’から二次処理装置2の加熱機21に軸受部品を直接移送する構成とすることができる。これにより、一次処理装置1の構成を簡略にすることができると同時に、工程時間を短縮することができる。
一次処理装置1による熱処理を経た軸受部品は、コンベヤ等の搬送手段を介して二次処理装置2に移送される。二次処理装置2は、加熱機21、冷却機22、洗浄機23、および焼戻し機24で構成される。加熱機21は、軸受部品を誘導加熱(高周波加熱)により加熱するものであり、高周波加熱装置で構成される。この加熱機21において、各軸受部品はピース・バイ・ピースで、図3に示すように、A1変態点以上の二次加熱温度T2(例えば880℃〜900℃)で所定時間(例えば1.5〜2秒)誘導加熱される。図3では、二次加熱温度T2を一次加熱温度T1よりも低温にする場合を例示しているが、二次加熱温度T2はT1以上であってもよい。誘導加熱では、加熱温度や加熱時間を精密にコントロールすることができ、かつ短時間の処理になるので、軸受部品のミクロ組織におけるオーステナイト結晶粒を微細化することができる。この時、オーステナイト結晶粒が微細化されるか否かは、加熱温度と加熱時間の積で評価することができ、例えば誘導加熱機21での最高加熱温度が低い場合には加熱時間をその分長くすることにより、オーステナイト結晶粒の微細化が可能となる。また、各軸受部品をピース・バイ・ピースで加熱するので、各軸受部品における熱処理品質のむらや、軸受部品相互間における熱処理品質のばらつきが少ない。
加熱後の軸受部品は、図3に示すように、冷却機22にてMs点以下に冷却(例えば油冷)され、さらに洗浄機23に移送されて冷却液の洗浄除去が行われる。その後、この軸受部品は焼戻し機24に移送され、適当な温度T3(例えば180℃)で焼戻される。尚、焼戻し機24は、二次処理装置2と分離して設置しても良い。また、冷却機22を空冷、ガス冷、水冷方式とすることにより、洗浄機23を省略することもできる。
以上の過程で熱処理された軸受部品では、表層に窒素富化層(窒素含有量0.1〜0.7wt%)が形成されるため、Hv700以上の高い表面硬度が得られ、かつ、ミクロ組織中のオーステナイト結晶粒が微細化されてその結晶粒度は10番を越えるものとなる。また、軸受部品の破壊応力値2650MPa以上、鋼中の水素濃度0.5ppm以下、残留オーステナイト量13〜25%であり、通常品を遥かに凌ぐ良好な物性値が得られる。従って、耐割れ強度、耐摩耗性等を向上させることができ、さらには転動疲労寿命の向上に顕著な効果が得られる。
以上に述べた一次加熱温度T1、二次加熱温度T2、焼戻し温度T3は何れも鋼材として軸受鋼SUSJ2を使用する場合を例示したものである。使用する鋼材の種類によっては、これらの温度T1、T2、T3は上記例示とは異なる温度をとる場合がある。また、以上の説明では熱処理の対象として軸受部品を例示したが、本発明はこれに限らず、高い転動疲労寿命や耐割れ強度等が要求される機械部品、例えば等速自在継手の構成部品、さらには鋼製部品一般に広く適用することができる。
実施形態に係る熱処理システムの構成を概念的に示す図である。 深溝玉軸受の断面図である。 上記熱処理装置における熱処理のサイクル図である。
符号の説明
1 一次処理装置
2 二次処理装置
4 転がり軸受
11 加熱機(一次加熱)
12 冷却機
21 加熱機(二次加熱)
22 冷却機
41 外輪
42 内輪
42 転動体

Claims (3)

  1. 鋼製部品をA1変態点を越える一次加熱温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却することにより表層部に窒素富化層を形成する一次処理装置と、該一次処理装置による熱処理を経た鋼製部品を、誘導加熱によりA1変態点を越える温度に加熱した後、A1変態点未満に冷却する二次処理装置とを備えた熱処理システム。
  2. 一次処理装置が、ガス浸炭窒化させる加熱機を含む請求項1記載の熱処理システム。
  3. 二次処理装置において、型焼入れを行う請求項1又は2に記載の熱処理システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105039880A (zh) * 2015-08-12 2015-11-11 航天材料及工艺研究所 小管嘴、大直径、大长径比的柱形铝合金内胆热处理方法

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