JP2005133186A - 析出型銅合金の熱処理方法と析出型銅合金および素材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】析出型銅合金を溶体化処理後、70%以上の加工度で冷間圧延し、次いで、所定温度まで50℃/秒以上の加熱速度で急速加熱することで析出物及を微細化し、その直後に100℃/秒以上の冷却速度で冷却することによって微細化した析出物を維持する。
Description
(加工条件)
熱処理前の金属の塑性加工における加工度も重要な因子である。加工によって析出の駆動力となる加工歪を生じさせることで、析出の発生を促すためである。具体的には熱処理前に行われる加工の加工度は70%以上であることが必要で、これ未満の加工度では析出が起こりにくくなる。この場合、熱処理温度を上げれば析出は起こるが、析出物の粗大化が起こってしまう。
よって、熱処理前の加工度は70%以上が必要で、80%以上であれば望ましい。
なお、この場合における加工度とは、以下の式によって定義される。
R=(S0−S)/S0×100
R:加工度(%)
S0:加工前の板条の断面積(mm2)
S:加工後の板条の断面積(mm2)
本発明の核となるのは、急速加熱による析出物の微細化である。本発明者等の検討によれば、析出型銅合金において、加熱速度が50℃/秒未満では、析出物の大きさはあまり変わらないことが判明した。よって、析出物を微細化するには加熱速度は50℃/秒が必要であり、十分に微細化するには、加熱速度は100℃/秒が望ましく、200℃/秒以上であればさらに好適である。一方、加熱速度が500℃/秒以上では、析出物のそれ以上の微細化効果は望めない。
急速加熱の加熱速度を50℃/秒以上として加熱しても、急速加熱後の冷却速度が100℃未満の場合は、析出物が粗大になる傾向が認められた。よって、冷却速度は100℃/秒以上が必要で、200℃/秒以上であればより好適である。なお、以後の説明においては、「急速加熱」の用語にはその後の冷却も含むものとする。
(熱間圧延)
鋳塊の鋳造組織を破壊するために熱間圧延を行う。熱間圧延中に温度が低下すると、析出反応が進むことによって析出粒子の粗大化が起こる。また、鋳造時に偏析したFeを始めとする添加元素を均一に母相中に固溶させる必要がある。そのために、熱間圧延開始時点での温度を800℃以上とし、熱間圧延中の温度低下を防ぐため、終了時の温度を700℃以上とすることが望ましい。
溶体化処理を行うのは、後の時効処理で高強度の材料を得るためである。処理温度が高いほうがFeのマトリックス中への固溶量が増し、時効後の強度が高くなる。このような効果を得るためには処理温度が高いほど良く、700℃以上とすることが望ましい。また、このときの再結晶の結晶粒径が大きくなると、後工程の再結晶処理時の結晶粒径を微細化することが困難になるため、結晶粒径は50μm以下であることが望ましい。また、溶体化処理の際、冷却速度は速いほど高強度が得られやすく、具体的には水冷を行うことが望ましい。
Fe:0.8%(質量%、以下同様)を含み残部Cuおよび不可避的不純物からなる銅合金を真空溶解炉(VIM炉)で溶製し2kgの鋳塊を得た。鋳造組織を破壊するため、鋳片(厚さ25mm)を850℃で0.5h加熱後、板厚12mmまで熱間圧延し、900℃で3h溶体化処理後水冷した。表面の酸化スケール除去を機械加工で行い、片面1.5mmずつ表裏面を研削し板厚9mmとした。これを加工度83%で冷間圧延し板厚1.5mmの素条を得た。
実施例1の1.5mmの素条を用い、さらに加工度90%で冷間圧延して板厚0.15mmとした。これを幅10mm×長さ50mmの大きさに切出し、表2に示す熱処理条件(加熱速度、加熱温度)で通電加熱試験機にて加熱し、再結晶が生じる加熱温度に達したら水冷した。
この熱処理によって得られた試験片について、組織に影響を与えないように電解研磨し、EPMA (Electron Prove Micro Analysis)の組成像で組織観察を行い、切断法にて平均結晶粒径を求めた。この結果を併せて表2に示す。なお、表2には、実施例1で行った析出のための熱処理条件を併記した。
Claims (9)
- 析出型銅合金を溶体化処理後、70%以上の加工度で冷間圧延し、次いで、所定温度まで50℃/秒以上の加熱速度で急速加熱することで析出物を微細化し、その直後に100℃/秒以上の冷却速度で冷却することによって微細化した析出物を維持することを特徴とする析出型銅合金の熱処理方法。
- 請求項1に記載の処理が行われた析出型銅合金を70%以上の加工度で冷間圧延し、次いで、所定温度まで加熱することで微細化した再結晶粒を得ることを特徴とする析出型銅合金の熱処理方法。
- 前記析出型銅合金は、Fe:0.2〜2.0質量%,残部Cuおよび不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の析出型銅合金の熱処理方法。
- 前記急速加熱の前記所定温度は500〜800℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の析出型銅合金の熱処理方法。
- 請求項2に記載の前記所定温度は400〜500℃であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の析出型銅合金の熱処理方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理方法によって熱処理された析出型銅合金。
- 析出物の平均粒径が25nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の析出型銅合金。
- 平均結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項6または7に記載の析出型銅合金。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の析出型銅合金からなる素材。
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WO2007007517A1 (ja) | 2005-07-07 | 2007-01-18 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 高強度および優れた曲げ加工性を備えた銅合金および銅合金板の製造方法 |
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2003
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WO2007007517A1 (ja) | 2005-07-07 | 2007-01-18 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | 高強度および優れた曲げ加工性を備えた銅合金および銅合金板の製造方法 |
EP2439296A2 (en) | 2005-07-07 | 2012-04-11 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Copper alloy having high strength and superior bending workability, and method for manufacturing copper alloy plates |
US9976208B2 (en) | 2005-07-07 | 2018-05-22 | Kobe Steel, Ltd. | Copper alloy with high strength and excellent processability in bending and process for producing copper alloy sheet |
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