JP2005132980A - 土壌改良材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粉砕処理を施さなくても土壌改良材として利用することができ、且つ、多種の原料を添加しなくても効率良く土壌を改良することができる、製鋼スラグを利用した土壌改良材を提供する。
【解決手段】 本発明に係る土壌改良材は、CaOの含有量が38質量%以上で、MnOの含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下の製鋼スラグ、または、当該製鋼スラグの100質量部に対し、生石灰及び消石灰の何れか一方或いは双方を合わせて20質量部以下を含む混合物からなる。この場合に、前記製鋼スラグを、その粒径が5mmを越えるものの比率が10質量%以下であり、且つ、1mm以下の粒径の比率が60質量%以上とすることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、軟弱な地盤を硬化させ、強度を向上させるための土壌改良材に関し、詳しくは、鉄鋼生産時に副産物として生成する製鋼スラグを利用した土壌改良材に関するものである。
軟弱な地盤などを硬化させて土地の有効利用を図る目的で、土壌に土壌改良材を混入する土木工事が行われている。この土壌改良材としては、一般にポルトランドセメントや高炉セメントが用いられている。これらのセメントは土壌を硬化する目的には有効であるが、土壌改良には多量の土壌改良材が必要であるため、より安価で有効な材料が求められていた。
そうした観点から、鉄鋼生産における副産物である製鋼スラグを利用した土壌改良材が提案されている。例えば、特許文献1には、遊離石灰を10質量%以上含み、塩基度が5以上であり、粒度が比表面積のブレーン値で1000〜3000cm2 /gである粉化崩壊スラグ100質量部に対し、水砕した高炉スラグの微粉末を10〜30質量部及び石膏10〜30質量部を含む地盤改良材が提案されている。これは、主に、製鋼スラグ中の遊離石灰と高炉スラグ中のSiO2 との反応によってCaO−SiO2 −H2 系の水和物を形成させ、この水和物によって土壌を硬化させる技術である。
しかしながら、特許文献1の技術では、反応を効率的に進めるために、製鋼スラグの粒度を、比表面積のブレーン値で1000〜3000cm2 /gに調製する必要があり、そのため、場合によっては、製鋼スラグを粉砕してブレーン値を測定する、という操作を繰り返し行う必要があった。また、微粉末の高炉スラグに加えて更に石膏を製鋼スラグに添加する必要があり、多種の材料を使用することにより、原料コストが上昇するのみならず、これらの原料を混合する操作が必要であった。
また、特許文献2には、水分を含む土壌に、最大粒径が3〜50mmの範囲に入るように破砕した製鋼スラグ及び/または溶銑予備処理スラグを、配合後の総乾燥質量に対して15〜65質量%、水砕した高炉スラグの微粉末を0.5〜5質量%、石膏を0.5〜10質量%、石炭灰を1〜10質量%、アルミナ系物質を1〜10質量%配合し、前記土壌を硬化させる方法が提案されている。特許文献2によれば、高価なセメント、石灰、アルミナ含有粘土鉱物を使用することなく、主に産業廃棄物を利用して土壌を硬化させることができるとしている。
しかしながら、特許文献2の方法でも、製鋼スラグを破砕して適当な粒径とするための破砕コストが必要であり、また、多種の材料を所定の配合で均質に混合する操作が必要であり、土壌改良材として使用する管理コストが上昇するという懸念があった。
特開平4−320488号公報 特開平9−100470号公報
上記のように、従来の製鋼スラグを利用した土壌改良材では、製鋼スラグを破砕及び粉砕し、粉砕後、篩分けによって粒度を調製する必要があるうえに、添加物として、水砕した高炉スラグの微粉末、石膏、石炭灰、アルミナ系物質など多種の材料を混合して土壌へ混入させる必要があるため、粉砕コストや原料コスト、更には混合のためのコストが必要で、全体のコストが増加してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、粉砕処理を施さなくても土壌改良材として利用することができ、且つ、多種の原料を添加しなくても効率良く土壌を改良することができ、その結果、土壌改良に要する全体のコストを極めて少なくすることの可能な、製鋼スラグを利用した土壌改良材を提供することである。尚、本発明において、土壌の改良とは、土壌を硬化させることをいう。
本来、製鋼スラグは、製鋼精錬過程において溶銑中の不純物を除去するために生成させたスラグであり、スラグの塩基度、即ちスラグ中のCaOとSiO2 との質量比(CaO/SiO2 )が高いという特徴がある。塩基度が高いスラグは、冷却中の相変態による粉化や固化後にCaOがCa(OH)2 に変質するときの膨張により、粉化しやすいという性質がある。この性質を利用することにより、破砕処理及び粉砕処理を施さなくても、土壌改良材に適したサイズに粉化させることができる。但し、この粉化は必ずしも均一に発生するとは限らないため、前述した従来の技術では、製鋼スラグの粉砕工程及び篩分け工程が必要であった。尚、この性質のために、製鋼スラグを土木材として使用する場合には、製鋼スラグを放置(エージング)して、粉化が十分に進んだ状態にしなければ使用できないという欠点が生じる。
本発明者等は、製鋼スラグの組成を鋭意研究することによって、製鋼スラグが均一に粉化すると同時に、土壌改良材として使用したときに余分な添加物を混合しなくても、有効な土壌改良効果を発揮することのできるスラグ組成を特定した。そして、この組成の製鋼スラグを土壌改良材として利用することで、上記課題を達成することができるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、第1の発明に係る土壌改良材は、CaOの含有量が38質量%以上で、MnOの含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下の製鋼スラグ、または、当該製鋼スラグの100質量部に対し、生石灰及び消石灰の何れか一方或いは双方を合わせて20質量部以下を含む混合物、からなることを特徴とするものである。
第2の発明に係る土壌改良材は、第1の発明において、前記製鋼スラグは、その粒径が5mmを越えるものの比率が10質量%以下であり、且つ、1mm以下の粒径の比率が60質量%以上であることを特徴とするものである。
本発明によれば、CaOの含有量が38質量%以上、MnOの含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下の製鋼スラグを土壌改良材の主たる構成材料とするので、地金回収のための破砕及び磁選後に粉砕工程を設けなくても、土壌改良材として有効な粒度に自然に崩壊・粉化し、粉化したものをそのまま土壌改良材として利用することができるのみならず、余計なSiO2 源、Al23 源を添加しなくても有効に土壌を改良する、即ち硬化することができる。そのため、粉砕作業及び多種の原料のハンドリングなどの煩雑な操作を不要とすることができ、土壌改良に要する全体のコストを極めて少なくすることが可能となる。
また、製鋼スラグの粒度を、粒径5mmを越えるものの比率が10質量%以下とし、且つ、1mm以下の粒径の比率を60質量%以上とすることで、より少ない土壌改良材で良好な土壌改良効果を得ることができる。
本発明では、土壌改良材として、CaO含有量が38質量%以上、MnO含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下の製鋼スラグを使用する。この組成範囲であるならば、例えば、転炉の脱炭精錬で発生するスラグであっても、また、脱燐処理などの溶銑の予備処理で発生するスラグであっても、何れで発生するスラグでも構わない。
CaO含有量を38質量%以上、MnO含有量を4質量%以下にすることで、製鋼スラグ中のCaOの水和反応に起因して製鋼スラグの粉化が効果的に生じる。MnO含有量が4質量%を超える場合には、この水和反応による粉化が阻害されやすく、粉化しきらないスラグが増えてしまうため、土壌改良材として使用するにあたり、別途粉砕処理が必要となるため、MnO含有量は4質量%以下にする必要がある。CaO含有量が38質量%未満の場合には、粉化に寄与するCaO分が少なくなり、粉化が阻害されるので、CaO含有量は38質量%以上にする必要がある。CaO含有量は多いほうが粉化に有利であるが、下記の理由により塩基度を5以下とする必要があるため、製鋼スラグ中のSiO2 含有量に応じて、CaO含有量には上限が存在する。CaO含有量を38質量%以上、MnO含有量を4質量%以下にすることで、土壌改良材として有効な粉状の製鋼スラグを歩留り良く、製造することができる。
また、同時に、上記組成の製鋼スラグは、スラグ中のCaOが土壌中のSiO2 、Al23 などと直接反応して硬化するので、土壌改良の効果を上げることができるが、この時、スラグ中のMnO含有量が4質量%を超える場合には、この硬化反応が抑制される恐れがある。この点からも、MnO含有量は4質量%以下にする必要がある。もちろん、MnOを含まない製鋼スラグであってもよい。
製鋼スラグの塩基度が高いと、土壌改良材として使用したときに、土壌改良後の土壌のアルカリ度が高くなる傾向にあるため、塩基度は5以下にする必要がある。塩基度が5を超えると、土壌改良後の土壌からの溶出水のpHが12を超える値になることがあり、消石灰そのものからの溶出水のpH(≒12〜13)に近い水準にまで達してしまう恐れがある。従って、本発明では、土壌改良材として利用する製鋼スラグの塩基度は5以下に限定する。塩基度の下限値は、スラグ中のCaO含有量が38質量以上である限り、特に限定する必要はないが、低くなるとCaOの水和反応が生じ難くなってスラグの粉化が抑制されるので、1.5以上の塩基度を確保することが好ましい。
本発明では、上記組成の製鋼スラグに、生石灰或いは消石灰を、単独で添加してもまたは双方を同時に添加しても、土壌改良材として使用することができる。生石灰や消石灰を加えて土壌改良材中のCaOの含有量を調整することにより、硬化までの時間を促進させたり、硬化後の強度を向上させることができる。但し、生石灰の添加量と消石灰の添加量との総量が製鋼スラグ100質量部に対して20質量部を超えると、土壌改良後の土壌からの溶出水のアルカリ度が上昇し過ぎる可能性があるので、生石灰及び消石灰の添加量の総量は、製鋼スラグ100質量部に対して20質量部以下にする必要がある。
製鋼スラグの組成は、精錬に供する溶銑や合金鉄などの組成と、精錬後の溶銑或いは溶鋼の目的組成とで決定される。従って、本発明において土壌改良材として使用する、CaO含有量が38質量%以上、MnO含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下の製鋼スラグは、製鋼工場の操業に応じて製鋼スラグの組成を分析し、該当する製鋼スラグを別置きすることで、容易に得ることができる。
この製鋼スラグは、CaO含有量が38質量%以上、MnO含有量が4質量%以下の組成であるので、冷却過程及び冷却後に自然に粉化するため、特段の粉砕処理などを行わなくても土壌改良材として好適に使用できる。一般に製鋼スラグには、地金などが混入していることが多いので、地金回収のための破砕、磁選といった通常のスラグ処理を実施した後に土壌改良材としても、もちろん問題ない。この場合、土壌改良の効果を高めるために、粒径が5mmを越えるものの比率を10質量%以下とし、且つ、1mm以下の粒径のものが60質量%以上となるように調製すると、更に好適である。
土壌の改良は、製鋼スラグ中のCaO成分が土壌中のSiO2 、Al23 などと反応して結合することにより、土壌全体の硬度を高めることによって達成されるので、粒径が5mmを超える製鋼スラグでは、比表面積が小さく、土壌中のSiO2 、Al23 などとの結合が比較的少ない。そこで、粒径が5mmを越えるものの比率を10質量%以下にすることで、土壌改良の効果が大きくなる。より好ましくは、5mmの篩目で篩分けして最大粒径を5mmに調製する。また、1mm以下の粒径のものが60質量%未満の場合にも、やはり土壌中のSiO2 、Al23 などとの結合がやや少なくなるので、1mm以下の粒径のものを、60質量%以上とすることで、土壌改良の効果は更に大きくなる。従って、5mmを越える粒径の比率を10質量%以下とし、且つ、1mm以下の粒径の比率を60質量%以上とすることで、土壌改良材として使用する製鋼スラグが少量でも、大きな土壌改良効果が得られる。
CaO含有量が38質量%以上、MnO含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下である製鋼スラグは、自然に粉化しやすいため、地金回収のための破砕及び磁選を施した後、スラグヤードにて放置して自然エージングするだけで、その多くは、最大粒径が5mm以下で、且つ1mm以下の粒径のものが60質量%以上になり、5mmの篩目で篩分けするだけで十分であるが、製鋼スラグを冷却する過程において、スラグ温度が500℃から300℃程度の期間に、スラグに散水して冷却を促進させることで、粉化が促進する。また、冷却後、スラグヤードにおいてエージングする間に、製鋼スラグの堆積した山へ水蒸気を吹き込み、水蒸気エージングを施すことも、スラグの粉化を促進させるので、好適である。
転炉における溶銑の脱炭精錬で得られた、組成の異なる6種類の製鋼スラグを、冷却条件及びエージング条件を変えて粉化させ、粉化後に粒度を測定する試験を実施した。表1に、製鋼スラグの組成、冷却・エージング条件、及び、粒度測定結果を示す。
Figure 2005132980
スラグA、スラグB及びスラグCは、本発明に係る製鋼スラグであり、一方、スラグD、スラグE及びスラグFは、本発明の範囲外の製鋼スラグである。スラグDは、塩基度が5を超えると共にMnOの含有量が4質量%を超えており、スラグEは、CaO含有量が38質量%に達せず、スラグFは、MnOの含有量が4質量%を超えている。各々約500トンのこれらの製鋼スラグに対して表1に示す冷却・エージング条件の処理を施した。
即ち、スラグAは、スラグヤードにて山積みして冷却し、そのまま3ヶ月間放置して、自然エージングを行った。スラグBは、スラグヤードにて山積みして冷却し、冷却中、山積みしたスラグの表面温度が500℃まで冷却した時点以降、山積みしたスラグ全体に散水しながら冷却した。スラグCは、スラグヤードにて山積みして冷却した後、山積みしたスラグをキャンバスで覆い、山積みしたスラグの内部へノズルを差し込み、このノズルから毎時約10トンの水蒸気を吹き込み、水蒸気エージングを3日間実施した。本発明の範囲外のスラグD〜Fは、スラグAと同様に自然エージングを3ヶ月間施し、粉化させた。
所定のエージング処理後、それぞれの製鋼スラグから10kgの試料を採取し、採取した試料を5mmの篩目で篩分けし、更に、篩下を1mmの篩目で篩分けして、スラグの粒度分布を調査した。
スラグの粒度分布は、表1に示すように、本発明に係る製鋼スラグである、スラグA、スラグB及びスラグCでは、3通りの冷却・エージング条件によって調製しても、粒径が5mm以下のものの歩留りが90%を超えており、特段の破砕工程及び粉砕工程を施すことなく、ほとんどが5mm以下の粒径であった。また、粒径が1mm以下のものの比率が60質量%を超えていて、土壌改良材として使用するのに、何ら問題のないことが分かった。
本発明の範囲外の製鋼スラグであるスラグDは、塩基度が5.3と高いものの、MnOの含有量が4質量%を超えているため、粉化が抑制され、粒径が5mm以下のものの歩留りは83%でやや低く、更に、粒径が1mm以下の比率も小さくなっていた。スラグEは、CaOの含有量が少ないために粉化し難く、粒径が5mm以下のものの歩留りは低く、粒径が1mm以下のものの割合も低い。スラグFは、MnOの含有量が4質量%を超えているため、粉化が抑制され、粒径が5mm以下のものの歩留りは低く、粒径が1mm以下のものの割合も低い。
次いで、表1に示すスラグを用いて軟弱土の土壌改良試験を実施した。用いたスラグは表1に示すスラグA、B、C、D、Fであり、軟弱土に混合し、土壌の強度を測定することで土壌改良効果を評価した。また、土壌からの溶出水のpHも測定した。
本発明例1〜3では、本発明の範囲内の製鋼スラグA,B,Cが5mm以下の粒径のものが10質量%以下であるため、篩分けせずそのまま使用した。また、本発明例4では、製鋼スラグCに関して、5mmの篩目で篩分けした篩下の5mm以下のもの90質量部と、篩上に残った5mmを越える粒径のもの10質量部とを混合したものを用いて土壌改良試験を行った。更に、比較例1では、製鋼スラグAを用いたが、本発明の範囲を越える量の消石灰を加えた。比較例2,3では、本発明の範囲外の製鋼スラグであるスラグD,Fについて、5mmの篩目で篩分けし、5mm以下の粒径のものを用いて土壌改良試験を実施した。
軟弱土としては、含水率が46質量%、土粒子の密度が2.7g/cm3 、最大粒径が2mmで、砂分(0.075〜2mm)が15質量%、シルト分(0.005〜0.075mm)が50質量%、粘土分(0.005mm未満)が35質量%である性状の土壌を用いた。
土壌の強度は、土質工学会の基準であるJSF511−1990に規定される土の一軸圧縮試験方法に準拠して行った。また、土壌のアルカリ度は、土質工学会の基準であるJSF211に規定される土壌からの溶出水のpHを、pHメーターを用いて測定した。
製鋼スラグと軟弱土、更に、これらに適宜、生石灰或いは消石灰を加えて所定の配合割合で配合し、水を加えずにミキサーで3分間混合し、混合物を直径が50mm、高さが100mmの円柱状の型枠内に詰め、水分が蒸発しない条件で20℃に保持し、これを一軸圧縮試験用の供試体とした。供試体は、それぞれの試験で10個ずつ作成し、混合後7日後及び28日後にそれぞれ5個ずつ、圧縮強度の測定を行い、その平均値を圧縮強度とした。圧縮強度の測定後、各供試体をビーカーに移し、質量比で3倍の純水を加え、3分間攪拌し、これを1時間放置した後にその上澄み液のpHを測定した。
製鋼スラグと軟弱土との配合比は、軟弱土と製鋼スラグとの割合を90対10の一定とし、これに適宜、生石灰或いは消石灰を混合した。表2に、合計7回実施した各試験の配合割合、及び、土壌の強度、土壌からの溶出水のpH測定値を示す。
尚、軟弱土のみの圧縮強度を測定するべく、軟弱土を直径50mm、高さ100mmの円柱状型枠に詰め、水分が蒸発しない条件で20℃に保持して一軸圧縮試験用の供試体を10個作成したが、7日後、28日後の何れの時期においても、硬化せず、型枠を外した時点で供試体が崩れ、圧縮強度の測定はできなかった。
Figure 2005132980
本発明に係るスラグA、B、Cを本発明の配合条件で配合した本発明例1〜4では、7日目において既に圧縮強度が0.1N/mm2 以上であり、28日目には0.2N/mm2 を超えていて、通常の地盤(圧縮強度0.1N/mm2 以上)と比べて遜色のない程度に土壌改良されていることが分かった。また、土壌改良後の土壌から溶出する水のアルカリ度は、7日目で既に12以下となり、28日目には11以下になっており、地下水などへ与える影響は少ないことが分かった。
これに対して、比較例1では、用いたスラグは本発明に係るスラグAではあるものの、消石灰の添加量が本発明の範囲を超えたため、圧縮強度は本発明例1〜4と比較しても遜色ない結果であったが、溶出水のアルカリ度が28日を経過しても、未だ12を超えて高かった。土壌からの溶出水のアルカリ度には明確な基準はないが、生石灰や消石灰そのものからの溶出水がpH12〜13であることを考慮すると、土壌改良材を施工後、できるだけ速やかに、溶出水のアルカリ度はpH12未満となることが好ましいと考えられる。
また、比較例2は、塩基度が5を超えて且つMnO含有量が4質量%を超えるスラグDを土壌改良に使用した例である。この例では、前述した表1に示すように、1mm以下の粒径のものが50質量%程度しかないため、土壌改良効果が少なく、7日目の圧縮強度は0.1N/mm2 未満であり、人が乗っただけで沈んでしまう程度であった。28日目の圧縮強度は0.1N/mm2 を超えたものの、土壌改良後に要求される圧縮強度である0.2N/mm2 には達していなかった。
更に、比較例3では、MnO含有量が4質量%を超えるスラグFを使用しているため、前述した表1に示すように、1mm以下の粒径のものが42質量%と少ないことから、土壌改良効果は比較例2に比べて更に低下し、7日目及び28日目の何れも、圧縮強度は0.1N/mm2 を下回っていた。

Claims (2)

  1. CaOの含有量が38質量%以上で、MnOの含有量が4質量%以下であり、塩基度が5以下の製鋼スラグ、または、当該製鋼スラグの100質量部に対し、生石灰及び消石灰の何れか一方或いは双方を合わせて20質量部以下を含む混合物、からなることを特徴とする土壌改良材。
  2. 前記製鋼スラグは、その粒径が5mmを越えるものの比率が10質量%以下であり、且つ、1mm以下の粒径の比率が60質量%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の土壌改良材。
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CN105036673A (zh) * 2015-08-09 2015-11-11 北华航天工业学院 一种粘性土固化剂及其用于处理粘性土软基的方法

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