JP2005129627A - 熱電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、二種類のクラスレート化合物を含有することを特徴とする熱電変換素子。n型熱電変換素子としては、電子移動度が100〜5000cm2/V・sのクラスレート化合物と、電子濃度が1.0×1020〜1.0×1022/cm3のクラスレート化合物とが用いられ、p型熱電変換素子としては、ホール移動度が100〜2000cm2/V・sのクラスレート化合物と、ホール濃度が1.0×1020〜1.0×1022/cm3のクラスレート化合物とが用いられることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
<1> 少なくとも、二種類のクラスレート化合物を含有することを特徴とする熱電変換素子である。
本発明の熱電変換素子は、少なくとも、二種類のクラスレート化合物を含有することを特徴とする。クラスレート化合物は、格子熱伝導率が低いという特徴を有する。よって、熱電変換素子の性能指数を向上させるためには、クラスレート化合物の電気伝導率を高くすることが重要である。本願発明は、少なくとも二種類のクラスレート化合物を併用することにより、電気伝導率の向上を図り、優れた性能指数を有する熱電変換素子を実現した。
<第一の態様>
図1は、本発明に係るn型熱電変換素子の第一の態様を示す概略構成図である。第一の態様のn型熱電変換素子10は、マトリックスを構成する母材12と、母材12中に分散された微粒子14とで構成される。母材12は、クラスレート化合物Aを含有し、微粒子14は、クラスレート化合物Bを含有する。電子濃度の高いクラスレート化合物Bを含有する微粒子14を、電子移動度の高いクラスレート化合物Aを含有する母材12に分散させることにより、n型熱電変換素子10の電子濃度を最適化し、電気伝導率をさらに向上させることができる。その結果として、n型熱電変換素子10の性能指数を向上させることができる。
微粒子状に粉砕されたクラスレート化合物Aと、微粒子状に粉砕されたクラスレート化合物Bとを、エタノール等の有機溶剤中に加え、超音波攪拌器等により攪拌して、クラスレート化合物A微粒子とクラスレート化合物B微粒子とを含む分散液を調製する工程と、前記分散液を乾燥させてクラスレート化合物を成形する工程と、前記クラスレート化合物を焼結する工程とを経て第一の態様のn型熱電変換素子は製造される。この場合、クラスレート化合物Aの平均粒径は、10〜100μmが好ましく、10〜70μmがさらに好ましい。クラスレート化合物Bの平均粒径は、100〜1000nmが好ましく、100〜500nmがさらに好ましい。クラスレート化合物Aとクラスレート化合物Bとの調合比は、体積比で95:5〜30:70が好ましく、90:10〜50:50がより好ましい。
図2は、本発明に係るn型熱電変換素子の第二の態様を示す概略構成図である。第二の態様のn型熱電変換素子20は、粒子の焼結により形成された多孔体22と、多孔体22の空隙に含浸された充填材24とで構成される。多孔体22を形成する粒子は、クラスレート化合物Aを含有し、充填材24は、クラスレート化合物Bを含有する。電子移動度の高いクラスレート化合物Aを含有する粒子から形成された多孔体22の空隙に電子濃度の高いクラスレート化合物Bを含有する充填材24を充填することにより、ゼーベック係数が向上する。これは、多孔体22の空隙に含浸したクラスレート化合物Bが、ナノワイヤーに近い構造となるため、n型熱電変換素子20が超格子の特性を発現するためと推測される。
粒子状のクラスレート化合物Aを焼結し、多孔体22を形成する工程と、クラスレート化合物Bを多孔体22の空隙に含浸させる工程とを経て第二の態様のn型熱電変換素子は製造される。この場合、クラスレート化合物Aの融点は、クラスレート化合物Bの融点よりも高いことが好ましい。クラスレート化合物Bを多孔体22の空隙に含浸させる方法としては、例えば、溶融したクラスレート化合物B中に多孔体22を浸す方法が挙げられる。多孔体22を形成する粒子の平均粒径は、10〜100μmが好ましく、20〜75μmがさらに好ましい。
図3は、本発明に係るn型熱電変換素子の第三の態様を示す概略構成図である。第三の態様のn型熱電変換素子30は、クラスレート化合物Aを含有する薄膜32と、クラスレート化合物Bを含有する薄膜34とが交互に積層された構造を有する。薄膜を交互に積層することにより、電子濃度を向上した状態で電子移動度を向上させることができる。また、ゼーベック係数を向上させることができる。これは、薄膜32と薄膜34とを交互に積層することにより、超格子構造が形成されるためと推測される。
原材料として、Ba(99.99%)、Ga(99.999%)、Ge(99.9999%)、Si(99.9999%)を用い、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で所望のモル比に秤量し、アーク溶解により、クラスレート化合物BとしてBa8Ga15Ge31を、クラスレート化合物AとしてBa8Ga15Si31を合成した。3×3×0.3mmの形状のBa8Ga15Ge31及びBa8Ga15Si31を作製し、室温においてVan der Pauw法を用いて電子濃度及び電子移動度を測定したところ、Ba8Ga15Ge31の電子濃度は1.0×1022/cm3、電子移動度は1.1cm2/V・sであり、Ba8Ga15Si31の電子濃度は1.0×1019/cm3、電子移動度は250cm2/V・sであった。
原材料として、Ba(99.99%)、Ga(99.999%)、Ge(99.9999%)、Si(99.9999%)を用い、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で所望のモル比に秤量し、アーク溶解により、クラスレート化合物DとしてBa8Ga18-xOxGe28(0.03≦x≦0.05)を、クラスレート化合物CとしてBa8Ga18Si28を合成した。実施例1における電子移動度及び電子濃度の測定方法と同様の方法によりホール濃度及びホール移動度を測定したところ、Ba8Ga18-xOxGe28(0.03≦x≦0.05)のホール濃度は5.0×1021/cm3、ホール移動度は13cm2/V・sであり、Ba8Ga18Si28のホール濃度は3.2×1017/cm3、ホール移動度は1300cm2/V・sであった。
なお、電気伝導率は、実施例1と同様にして測定した。
原材料として、Ba(99.99%)、Ga(99.999%)、Sn(99.9999%)、Si(99.9999%)を用い、アルゴン雰囲気のグローブボックス中で所望のモル比に秤量し、アーク溶解により、クラスレート化合物BとしてBa8Ga14Sn32を、クラスレート化合物AとしてBa8Ga15Si31を合成した。実施例1と同様にして電子濃度及び電子移動度を測定したところ、Ba8Ga14Sn32の電子濃度は1.0×1021/cm3、電子移動度は16cm2/V・sであり、Ba8Ga15Si31の電子濃度は1.0×1019/cm3、電子移動度は250cm2/V・sであった。
n型熱電変換素子Aと同様の方法によりクラスレート化合物BとしてBa8Ga15Ge31を、クラスレート化合物AとしてBa8Ga15Si31を合成した。Ba8Ga15Ge31とBa8Ga15Si31とをそれぞれ平均粒径50μmに粉砕し、放電プラズマ焼結した。放電プラズマ焼結は、圧力50MPa、温度800℃、時間60分で行った。Ba8Ga15Si31とBa8Ga15Ge31とをターゲットとして、スパッタ装置を用いて交互に積層し、本発明に係る第三の態様のn型熱電変換素子Iを作製した。この場合のBa8Ga15Si31の膜厚は30nm、Ba8Ga15Ge31の膜厚は50nmであり、各100層積層させた。n型熱電変換素子Iのゼーベック係数は、350V/mK(T=600℃)であった。Ba8Ga15Si31及びBa8Ga15Ge31各々のゼーベック係数は、250V/mK(T=600℃)であり、積層することにより、ゼーベック係数が向上することが明らかとなった。これは、Ba8Ga15Si31とBa8Ga15Ge31とを積層することにより、超格子構造が形成され、量子効果が生じているためであると考えられる。
12 母材
14 微粒子
20 熱電変換素子(第二の態様)
22 多孔体
24 充填材
30 熱電変換素子(第三の態様)
32 クラスレート化合物Aを含有する薄膜
34 クラスレート化合物Bを含有する薄膜
Claims (11)
- 少なくとも、二種類のクラスレート化合物を含有することを特徴とする熱電変換素子。
- 前記クラスレート化合物の一種は、電子移動度が100〜5000cm2/V・sのクラスレート化合物Aであり、他の一種は、電子濃度が1.0×1020〜1.0×1022/cm3のクラスレート化合物Bであることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
- 母材と、前記母材中に分散された微粒子とで構成される熱電変換素子であって、
前記母材は、前記クラスレート化合物Aを含有し、前記微粒子は、前記クラスレート化合物Bを含有することを特徴とする請求項2に記載の熱電変換素子。 - 粒子の焼結により形成された多孔体と、前記多孔体の空隙に含浸された充填材とで構成される熱電変換素子であって、
前記粒子は、前記クラスレート化合物Aを含有し、前記充填材は、前記クラスレート化合物Bを含有することを特徴とする請求項2に記載の熱電変換素子。 - 前記焼結は、放電プラズマ焼結法によることを特徴とする請求項4に記載の熱電変換素子。
- 二種類の薄膜が交互に積層された構造を有する熱電変換素子であって、
前記薄膜の一種は、前記クラスレート化合物Aを含有し、他の一種は、前記クラスレート化合物Bを含有することを特徴とする請求項2に記載の熱電変換素子。 - 前記クラスレート化合物の一種は、ホール移動度が100〜2000cm2/V・sのクラスレート化合物Cであり、他の一種は、ホール濃度が1.0×1020〜1.0×1022/cm3のクラスレート化合物Dであることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
- 母材と、前記母材中に分散された微粒子とで構成される熱電変換素子であって、
前記母材は、前記クラスレート化合物Cを含有し、前記微粒子は、前記クラスレート化合物Dを含有することを特徴とする請求項7に記載の熱電変換素子。 - 粒子の焼結により形成された多孔体と、前記多孔体の空隙に含浸された充填材とで構成される熱電変換素子であって、
前記粒子は、前記クラスレート化合物Cを含有し、前記充填材は、前記クラスレート化合物Dを含有することを特徴とする請求項7に記載の熱電変換素子。 - 前記焼結は、放電プラズマ焼結法によることを特徴とする請求項9に記載の熱電変換素子。
- 二種類の薄膜が交互に積層された構造を有する熱電変換素子であって、
前記薄膜の一種は、前記クラスレート化合物Cを含有し、他の一種は、前記クラスレート化合物Dを含有することを特徴とする請求項7に記載の熱電変換素子。
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JP2012521648A (ja) * | 2009-03-24 | 2012-09-13 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 自己組織化熱電材料 |
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