JP2005128195A - 3次元表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備え、前記観察者から最も奥にある表示装置以外の表示装置は透過型表示装置である3次元表示装置であって、前記複数の表示装置の中の少なくとも1個の表示装置を振動させる手段を備える。前記手段は、2以上の表示装置を振動させ、当該2以上の表示装置の振動が非同期である。前記手段は、2以上の表示装置を振動させ、当該2以上の表示装置の振動方向として、振動方向が逆方向のものを含む。
【選択図】 図1
Description
これらの3次元表示装置に使用される透過型表示装置では、図12に示すように、複数の画素10の重心位置が周期的になるように、複数の画素10が配置される。
そのため、前述の各特許文献に記載されている3次元表示装置では、各透過型表示装置の画素パターンが干渉して、モアレ(干渉縞)が発生するという問題点があった。
このモアレの発生を防止するために、前述の特許文献2には、複数の透過型表示装置の間に拡散板を配置することが記載されている。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備える3次元表示装置において、正面輝度を低下させることなく、モアレの発生を防止することが可能となる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
即ち、本発明の3次元表示装置は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備え、前記観察者から最も奥にある表示装置以外の表示装置は透過型表示装置である3次元表示装置であって、前記複数の表示装置の中の少なくとも1個の表示装置を振動させる手段を備えることを特徴とする。
また、本発明では、前記手段が、2以上の表示装置を振動させ、当該2以上の表示装置の振動が非同期であることを特徴とする。
また、本発明では、前記手段が、2以上の表示装置を振動させ、当該2以上の表示装置の振動方向として、振動方向が逆方向のものを含むことを特徴とする。
また、本発明では、前記手段が、モータ、または圧電素子などの振動子、あるいは、ピエゾ素子、あるいはソレノイドなどのアクチュエータであることを特徴とする。
また、本発明では、前記手段による振動方向が、前記各表示装置の重なり方向に直交する方向であり、当該振動の振幅幅が、前記表示装置の画素の周期の1/2の整数倍であることを特徴とする。
また、本発明は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備え、前記観察者から最も奥にある表示装置以外の表示装置は透過型表示装置である3次元表示装置であって、前記複数の表示装置は、作動中に振動する装置に固定され、前記各表示装置毎に、前記表示装置の前記作動中に振動する装置に対する固定強度が異なることを特徴とする。
また、本発明の好ましい実施例では、前記3次元表示装置は、前述の特許文献1に記載されているDFD(Depth Fused 3-D)方式の3次元表示装置である。
本発明によれば、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備える3次元表示装置において、モアレの発生を防止することが可能となる。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1の3次元表示装置の概略構成を示す模式図である。
本実施例では、図1に示すように、観察者100の前面に、透過型表示装置(101,102)(透過型表示装置101が透過型表示装置102より観察者100に近い)を配置する。
本実施例では、透過型表示装置101に、例えば、車両などの動画像を表示し、透過型表示装置102に、背景画像を表示することにより、観察者100に奥行きのある画像を提示することが可能である。
ここで、透過型表示装置(101,102)としては、液晶表示装置(例えば、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶ディスプレイ、ホモジニアス型液晶ディスプレイ、強誘電液晶ディスプレイ、ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイ、高分子分散型液晶ディスプレイ、ホログラフィック高分子分散型液晶ディスプレイ、あるいはこれらの組み合わせ)、あるいは、EL表示装置などが使用される。
本実施例において、透過型表示装置(101,102)が、液晶表示装置などの場合は、図1に示すように、観察者100から見て最も後方に、光源110を配置する必要があるが、透過型表示装置102がEL表示装置などの自発光型表示装置の場合は、光源110は必要ない。
この場合に、振動子120による透過型表示装置102の振動方向は、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向(図1に示すAの方向)、あるいは、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向と直交する方向であってもよい。
振動子120による透過型表示装置102の振動方向が、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向と直交する方向の場合には、振動子120による振動の振幅幅が、透過型表示装置102の画素の周期の1/2の整数倍であると、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレ(干渉縞)が完全に消去される。
しかしながら、振動子120による振動の振幅幅が、透過型表示装置102の画素の周期の1/2の整数倍でなくても、透過型表示装置(101,102)の画素パターンも振動に同期して変移するので、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストを低下させることができ、実質的にモアレの発生を少なくすることができる。
また、振動子120による透過型表示装置102の振動方向が、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向(図1に示すAの方向)であっても、透過型表示装置(101,102)の画素パターンも振動に同期して変移するので、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストを低下させることができ、実質的にモアレの発生を少なくすることができる。
この場合には、透過型表示置102の振動によりスピーカ機能を実現することが可能である。
なお、本実施例では、振動子120は透過型表示装置102に取り付けられているが、透過型表示装置101と透過型表示装置102の2つに取り付けるようにしてもよい。
さらに、本実施例において、透過型表示装置は2つに限定されるものではなく、2つ以上の透過型表示装置を使用することも可能である。
この場合に、振動子120により、2個以上の透過型表示装置を振動させるときに、各透過型表示装置の振動の周期を非同期にすると、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストをより低下させることができる。
また、振動子120により、2個以上の透過型表示装置を振動させるときに、各透過型表示装置の振動方向として、逆方向の振動を含むようにすると、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストをより低下させることができる。
図2は、本発明の実施例2の3次元表示装置の概略構成を示す模式図である。
本実施例の3次元表示装置は、振動子120に代えて、アクチュエータ130を使用した点で前述の実施例の3次元表示装置と相異する。
以下、本実施例について、前述の実施例との相違点を中心に説明する。
なお、本実施例においても、透過型表示装置(101,102)としては、液晶表示装置(例えば、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶ディスプレイ、ホモジニアス型液晶ディスプレイ、強誘電液晶ディスプレイ、ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイ、高分子分散型液晶ディスプレイ、ホログラフィック高分子分散型液晶ディスプレイ、あるいはこれらの組み合わせ)、あるいは、EL表示装置などが使用される。
但し、本実施例において、透過型表示装置(101,102)が、液晶表示装置などの場合は、図2に示すように、観察者100から見て最も後方に、光源110を配置する必要があるが、透過型表示装置102がEL表示装置などの自発光型表示装置の場合は、光源110は必要ない。
この場合に、アクチュエータ130による透過型表示装置102の振動方向は、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向(図2に示すAの方向)、あるいは、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向と直交する方向であってもよい。
アクチュエータ130による透過型表示装置102の振動方向が、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向と直交する方向の場合には、アクチュエータ130による振動の振幅幅が、透過型表示装置102の画素の周期の1/2の整数倍であると、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレ(干渉縞)が完全に消去される。
しかしながら、アクチュエータ130による振動の振幅幅が、透過型表示装置102の画素の周期の1/2の整数倍でなくても、透過型表示装置(101,102)の画素パターンも振動に同期して変移するので、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストを低下させることができ、実質的にモアレの発生を少なくすることができる。
また、振動子120による透過型表示装置102の振動方向が、各透過型表示装置(101,102)の重なり方向(図1に示すAの方向)であっても、透過型表示装置(101,102)の画素パターンも振動に同期して変移するので、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストを低下させることができ、実質的にモアレの発生を少なくすることができる。
この場合には、透過型表示置102の振動によりスピーカ機能を実現することが可能である。
なお、本実施例では、アクチュエータ130は透過型表示装置102に取り付けられているが、透過型表示装置101と透過型表示装置102の2つに取り付けるようにしてもよい。
さらに、本実施例において、透過型表示装置は2つに限定されるものではなく、2つ以上の透過型表示装置を使用することも可能である。
この場合に、アクチュエータ130により、2個以上の透過型表示装置を振動させるときに、各透過型表示装置の振動の周期を非同期にすると、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストをより低下させることができる。
また、アクチュエータ130により、2個以上の透過型表示装置を振動させるときに、各透過型表示装置の振動方向として、逆方向の振動を含むようにすると、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレのコントラストをより低下させることができる。
図3は、本発明の実施例3の3次元表示装置の概略構成を示す模式図である。
本実施例でも、図3に示すように、観察者100の前面に、透過型表示装置(101,102)(透過型表示装置101が透過型表示装置102より観察者100に近い)を配置する。
なお、本実施例においても、透過型表示装置(101,102)としては、液晶表示装置(例えば、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶ディスプレイ、ホモジニアス型液晶ディスプレイ、強誘電液晶ディスプレイ、ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイ、高分子分散型液晶ディスプレイ、ホログラフィック高分子分散型液晶ディスプレイ、あるいはこれらの組み合わせ)、あるいは、EL表示装置などが使用される。
但し、本実施例において、透過型表示装置(101,102)が、液晶表示装置などの場合は、図3に示すように、観察者100から見て最も後方に、光源110を配置する必要があるが、透過型表示装置102がEL表示装置などの自発光型表示装置の場合は、光源110は必要ない。
即ち、図3に示すように、各透過型表示装置(101,102)は、作動中に振動する装置の筐体150に取り付けられる。
そして、各透過型表示装置(101,102)毎に、透過型表示装置の、作動中に振動する装置に対する固定強度を異ならせる。なお、図3では、透過型表示装置101を強固に筐体150に取り付け、透過型表示装置102を、バネなどで緩く筐体150に取り付けた場合を図示している。
これにより、原動機などを備える装置の作動中に各透過型表示装置は振動するが、前述したように、各透過型表示装置毎に、透過型表示装置の原動機などを備える装置に対する固定強度が異なっているので、各透過型表示装置の振動周期が異なることになる。
したがって、前述の各実施例と同様、モアレのコントラストを低下させることができ、実質的にモアレの発生を少なくすることができる。
なお、本実施例において、透過型表示装置は2つに限定されるものではなく、2つ以上の透過型表示装置を使用することも可能である。
図4は、本発明の実施例4の3次元表示装置の概略構成を示す模式図である。
本実施例では、図4に示すように、観察者100の前面に、複数の透過型表示装置、例えば、透過型表示装置(101,102)(透過型表示装置101が透過型表示装置102より観察者100に近い)と、種々の光学素子と、光源110を用いて光学系103を構築する。
透過型表示装置(101,102)としては、液晶表示装置(例えば、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶ディスプレイ、ホモジニアス型液晶ディスプレイ、強誘電液晶ディスプレイ、ゲスト−ホスト型液晶ディスプレイ、高分子分散型液晶ディスプレイ、ホログラフィック高分子分散型液晶ディスプレイ、あるいはこれらの組み合わせ)、あるいは、EL表示装置などが使用される。
また、光学素子としは、例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲面鏡、プリズム、偏光素子、波長板などを用いる。
図4に示す3次元表示装置は、透過型表示装置(101,102)として液晶表示装置を使用するものであり、そのため、光源110が、観察者100から見て最も後方に配置された場合を示す。
以下、図4〜図9を用いて、DFD方式の3次元表示装置の原理について説明する。
初めに、図5に示すように、観察者100に提示したい3次元物体104を、観察者100から見て、透過型表示装置(101,102)へ射影した像(以下、「2D化像」と呼ぶ。)である2D化像(105,106)を生成する。
この2D化像の生成方法としては、例えば、観察者100の視線方向から3次元物体104をカメラ撮影した二次元像を用いる方法、あるいは別の方向から撮影した複数枚の二次元像から合成する方法、あるいはコンピュータグラフィックによる合成技術やモデル化を用いる方法など種々の方法がある。
この2D化像(105,106)を、図4に示すように、透過型表示装置101と透過型表示装置102との双方に、観察者100の右眼と左眼を結ぶ線上の一点から見て重なるように、2D化像(107,108)として表示する。
これは、例えば、2D化像(105,106)の各々の中心位置や重心位置の配置と、各々の像の拡大/縮小率を制御することで可能となる。
前記構成を有する装置上で、観察者100が見る像は、2D化像108を透過し、さらに2D化像107を透過した光によって生成される。
その変え方の一例を以下に述べる。
なお、ここでは、白黒図面であるため、分かりやすいように図面上では透過度が低い方を濃く示してある。
例えば、3次元物体104が透過型表示装置101上にある場合には、図6に示すように、透過型表示装置101上の透過度を、2D化像107の輝度が3次元物体104の輝度に等しくなるように設定し、透過型表示装置102上の2D化像108の部分の透過度を、例えば、その透過型表示装置102の最大値とする。
次に、例えば、3次元物体104が観察者100より少し遠ざかって、透過型表示装置101より透過型表示装置102側に少し寄った位置にある場合には、図7に示すように、透過型表示装置101上の2D化像107の部分の透過度を少し増加させ、透過型表示装置102上の2D化像108の部分の透過度を少し減少させる。
さらに、例えば、3次元物体104が透過型表示装置102上にある場合には、図9に示すように、透過型表示装置102上の透過度を、2D化像108の輝度が3次元物体104の輝度に等しくなるように設定し、透過型表示装置101上の2D化像107の部分の透過度を、例えば、透過型表示装置101の最大値とする。
このように表示することにより、人の生理的あるいは心理的要因あるいは錯覚により、表示しているのが2D化像(107,108)であっても、観察者100にはあたかも透過型表示装置(101,102)の中間に3次元物体104が位置しているように感じられる。
即ち、例えば、透過型表示装置(101,102)の2D化像(107,108)の部分の透過度をほぼ同じに設定した場合には、透過型表示装置(101,102)の奥行き位置の中間付近に3次元物体104があるように感じられる。
なお、図4では、光源110が、観察者100から見て最も後方に配置されるが、透過型表示装置102がEL表示装置などの自発光型表示装置の場合は、光源110は必要ない。
前述したようなDFD(Depth Fused 3-D)方式の3次元表示装置において、透過型表示装置101および透過型表示装置102の少なくとも一方を、前述した各実施例に記載した方法により振動させることにより、各透過型表示装置(101,102)の画素パターンが干渉することにより生じるモアレを消去、あるいはコントラストを低下させることができ、実質的にモアレの発生を少なくすることができる。
図10に示すように、透過型表示装置101は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル201と、偏光板(203,2031)とを有し、透過型表示装置102は、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル202と、偏光板(213,2131)とを有する。
液晶表示パネル(201,202)の内部には、カラーフィルタ(図示せず)も設けられる。また、偏光板213の後方(偏光板213の透過型表示装置101と反対の側)に、光源(バックライト)110が配置される。
液晶表示パネル(201,202)は、各画素単位で、偏光の方向を変化できるので、出射光の偏光方向と、出射側の偏光板の偏光方向により、出射する光の強度を変化でき、全体として光の透過度を変化させることができる。
したがって、液晶表示パネル(201,202)の各画素単位に、通過する光の偏光方向を制御することにより、液晶表示パネル201および液晶表示パネル202毎に、独立に透過度を変化させることができる。
ここで、透過型表示装置(101,102)上に表示される2D化像(107,108)は、カラー画像の二次元像である。
なお、図10に示す透過型表示装置は、前述の実施例1〜3の透過型表示装置にも適用可能である。
図11は、本発明の実施例4の3次元表示装置の変形例の概略構成を示す模式図である。
図11に示す3次元表示装置では、透過型表示装置101が、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル201と偏光板203とを有し、透過型表示装置102が、偏光可変装置として機能する液晶表示パネル202と偏光板2131を有する。
即ち、図11に示す3次元表示装置では、偏光板203と、偏光板2131との間に、液晶表示パネル201と、液晶表示パネル202とが配置される。
また、偏光板2131の後方(偏光板2131の透過型表示装置101と反対の側)に、光源(バックライト)110が配置される。
液晶表示パネル(201,202)は、ツイストネマティック型液晶ディスプレイ、イン・プレイン型液晶表示装置、ホモジニアス型液晶表示装置、強誘電液晶表示装置、反強誘電液晶表示装置などから偏光板を取り除いた装置である。
また、液晶表示パネル(201,202)の内部には、カラーフィルタ(図示せず)も設けられる。
図11に示す3次元表示装置でも、各透過型表示装置(101,102)に表示される2D化像(107,108)における、観察者100から見た像の輝度を、図4〜図9で説明したように変化させることにより、透過型表示装置(101,102)上、あるいは、透過型表示装置101と透過型表示装置102との間の任意の位置に、3次元立体像を表示することが可能である。
前述の図10に示すように、透過型表示装置101として、両側に偏光板(203,2031)を設けた液晶表示パネル201、および、透過型表示装置102として、両側に偏光板(213,2131)を設けた液晶表示パネル202を使用する場合には、光源110からの照射光の光路中に4枚の偏光板(203,2031,213,2131)が挿入されることになるので、全体としての透過度が低くなり、表示が暗くなる欠点がある。
これに対して、図11に示す3次元表示装置では、液晶表示パネル(201,202)を、2枚の偏光板(203,2131)で挟むようにしたので、表示が暗くなるのを防止することができる。
また、図11に示す3次元表示装置では、液晶表示パネル(201,202)における輝度を実質的に大きな自由度で制御できる利点も有する。
すなわち、図10に示す透過型表示装置(101,102)の場合には、光源110からの照射光は、各透過型表示装置(101,102)を通過する間に変化しない、あるいは減少するしかなく、各透過型表示装置(101,102)における輝度は、変化しない、あるいは、減少するしかない。
しかも、偏光方向は、各液晶表示パネル(201,202)でほぼ加算されて回転していくが、出射側の偏光板203の外から観察した場合、出射側の偏光板203の透過偏光方向を基準として0〜90度までは各液晶表示パネル(201,202)の輝度は減少し、90〜180度までは輝度は上昇し、180〜270度までは輝度は減少し、270〜360度までは輝度は上昇するというように輝度の上昇、減少を繰り返せる。
したがって、各液晶表示パネル(201,202)の輝度は、その直前の偏光可変装置の輝度に比べて、上昇することも、変化しないことも、減少することも可能となる。
但し、実際には、例えば、ツイストネマティック型液晶表示装置などにおいては、最大の角度変化が90度である場合が多いため、これを考慮して設計を行う必要がある。
なお、前述の説明では、2D化像を表示する透過型表示装置の中で主に2つの透過型表示装置に関してのみ記述し、かつ観察者100に提示する3次元物体が2つの透過型表示装置の間にある場合について説明したが、2D化像を表示する透過型表示装置の個数がこれよりも多く、あるいは提示する3次元物体の位置が異なる場合であっても、同様な構成が可能であることは明らかである。
さらに、本実施例における二次元像の表示面は、本発明の趣旨から見て、必ずしも平面である必要はなく、球面や楕円面や二次曲面や他の複雑な曲面であっても同様な効果が得られることは明らかである。
同様に、本実施例の3次元表示装置は、前述の特許文献に記載したように、3次元物体自体が移動する場合にも使用できる。
2D化像が3次元的に移動する場合、2D化像の左右・上下方向への移動に関しては通常の二次元表示装置の場合と同様に各透過型表示装置(101,102)内での動画再生によって可能であり、奥行き方向への移動に関しては、前述の特許文献1に記載したように、各透過型表示装置(101,102)に表示される2D化像(107,108)の透過度(即ち、観察者100から見た輝度)の変化を時間的に行うことで、3次元像の動画を表現することが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
100 観察者
101,102 透過型表示装置
103 光学系
104 3次元物体
105,106,107,108 2D化像
110 光源
120 振動子
130 アクチュエータ
150 作動中に振動する装置の筐体
201,202 液晶表示パネル
203,213,2031,2131 偏光板
Claims (10)
- 観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備え、
前記観察者から最も奥にある表示装置以外の表示装置は透過型表示装置である3次元表示装置であって、
前記複数の表示装置の中の少なくとも1個の表示装置を振動させる手段を備えることを特徴とする3次元表示装置。 - 前記手段は、2以上の表示装置を振動させ、
当該2以上の表示装置の振動が非同期であることを特徴とする請求項1に記載の3次元表示装置。 - 前記手段は、2以上の表示装置を振動させ、
当該2以上の表示装置の振動方向として、振動方向が逆方向のものを含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元表示装置。 - 前記手段は、振動子、あるいはアクチュエータであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の3次元表示装置。
- 前記振動子は、モータ、あるいは圧電素子であることを特徴とする請求項4に記載の3次元表示装置。
- 前記アクチェータは、ピエゾ素子、あるいはソレノイドであることを特徴とする請求項4に記載の3次元表示装置。
- 前記手段による振動方向は、前記各表示装置の重なり方向に直交する方向であり、
当該振動の振幅幅は、前記表示装置の画素の周期の1/2の整数倍であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の3次元表示装置。 - 前記手段による振動方向は、前記各表示装置の重なり方向であり、
当該振動によりスピーカ機能を実現することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の3次元表示装置。 - 観察者から見て異なった奥行き位置に配置される複数の表示装置を備え、
前記観察者から最も奥にある表示装置以外の表示装置は透過型表示装置である3次元表示装置であって、
前記複数の表示装置は、作動中に振動する装置に固定され、
前記各表示装置毎に、前記表示装置の前記作動中に振動する装置に対する固定強度が異なることを特徴とする3次元表示装置。 - 前記各表示装置に表示される2次元像は、前記観察者から見て異なった奥行き位置に配置されるそれぞれの表示装置に対して、表示対象物体を前記観察者の視線方向から射影した二次元像であって、かつ、前記各表示装置に表示される2次元像における前記観察者から見た輝度を、前記表示対象物体の奥行き位置に応じてそれぞれ独立に変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の3次元表示装置。
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