JP2000333211A - 三次元表示方法およびヘッドマウントディスプレイ装置 - Google Patents

三次元表示方法およびヘッドマウントディスプレイ装置

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JP2000333211A
JP2000333211A JP11137492A JP13749299A JP2000333211A JP 2000333211 A JP2000333211 A JP 2000333211A JP 11137492 A JP11137492 A JP 11137492A JP 13749299 A JP13749299 A JP 13749299A JP 2000333211 A JP2000333211 A JP 2000333211A
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史朗 陶山
Hideaki Takada
英明 高田
Kazutake Kamihira
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体視の生理的要因間での矛盾を抑制でき、
かつ電気的に書換え可能で、動画表示が可能な三次元表
示方法を提供する。 【解決手段】 観察者の左眼および右眼のそれぞれに対
して、奥行き位置の異なる複数の表示面を配置し、当該
複数の表示面に二次元像をそれぞれ表示して、三次元立
体像を表示する三次元表示方法であって、表示対象物体
を前記観察者の左眼および右眼から見た視差像から、前
記観察者の左眼および右眼に対する各表示面に表示され
る二次元像が前記観察者の左眼および右眼から見て重な
るようにされた左眼および右眼用の複数の二次元像を生
成し、前記観察者の左眼および右眼に対する各表示面に
表示される二次元像の輝度を、各表示面毎に各々独立に
変化させて、前記観察者の左眼および右眼に対する各表
示面に、前記左眼および右眼用の二次元像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元表示方法お
よびヘッドマウントディスプレイ装置に係わり、特に、
三次元立体像を情報量を少なくして、電子的に動画再生
できる三次元表示方法およびヘッドマウントディスプレ
イ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気的に書き換え可能な動画の立
体表示を行うヘッドマウントディスプレイ装置として
は、図11に示すような平面表示装置がよく知られてい
る。この図11に示す平面表示装置は、液晶表示装置
(LCD)(53L,53R)と凸レンズ(54L,5
4R)を用いるものであり、以下、図11に示す平面表
示装置の原理について説明する。3次元物体501を異
なる方向から見た像(これを視差像と呼ぶ)を、例え
ば、カメラ(52L,52R)によって撮像する。この
カメラ(52L,52R)からの映像をそれぞれ左右の
液晶表示装置(53L,53R)に入力し、表示する。
観察者は、左右の液晶表示装置(53L,53R)の別
な表示画像を、それぞれ別々の凸レンズ(54L,54
R)を通して、左右の眼(55L,55R)で別々に観
察する。これにより、観察者は、同時に両眼により視差
像506を観察でき、両眼視差による立体視が可能とな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
11に示す平面表示装置では、奥行き方向の一定の範囲
における両眼視差を提示することはできるが、両眼視
差、輻輳と、眼のピントとの間に矛盾が生ずるため、自
然な立体視が困難である。即ち、前記図11に示す平面
表示装置では、眼のピントは凸レンズ(54L,54
R)の焦点距離と、液晶表示装置(53L,53R)の
位置により決定される位置に固定される。また、両眼の
輻輳角の変化量を大きくとるためには、液晶表示装置
(53L,53R)のサイズを精細度を保ちながらきわ
めて大きくする必要がある。このように、前記図11に
示す平面表示装置では、自然な立体視にとって必要な両
眼視差、輻輳、眼のピントとの間に矛盾が生じ、疲労感
を感じるという問題点があった。本発明は、前記従来技
術の問題点を解決するためになされたものであり、本発
明の目的は、立体視の生理的要因間での矛盾を抑制で
き、かつ電気的に書換え可能で、動画表示が可能な三次
元表示方法を提供することにある。また、本発明の他の
目的は、立体視の生理的要因間での矛盾を抑制でき、か
つ電気的に書換え可能で、動画表示が可能なヘッドマウ
ントディスプレイ装置を提供することにある。本発明の
前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の
記述及び添付図面によって明らかにする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。即ち、本発明は、観察者の左眼およ
び右眼のそれぞれに対して、奥行き位置の異なる複数の
表示面を配置し、前記観察者の左眼および右眼に対する
複数の表示面に二次元像をそれぞれ表示して、三次元立
体像を表示する三次元表示方法であって、表示対象物体
を前記観察者の左眼から見た視差像から、前記観察者の
左眼に対する各表示面に表示される二次元像が前記観察
者の左眼から見て重なるようにされた左眼用の複数の二
次元像を生成し、前記観察者の左眼に対する各表示面に
表示される二次元像の輝度を、各表示面毎に各々独立に
変化させて、前記観察者の左眼に対する各表示面に前記
左眼用の二次元像を表示し、また、表示対象物体を前記
観察者の右眼から見た視差像から、前記観察者の右眼に
対する各表示面に表示される二次元像が前記観察者の右
眼から見て重なるようにされた右眼用の複数の二次元像
を生成し、前記観察者の右眼に対する各表示面に表示さ
れる二次元像の輝度を、各表示面毎に各々独立に変化さ
せて、前記観察者の右眼に対する各表示面に、前記右眼
用の二次元像を表示することを特徴とする。また、本発
明は、前記表示対象物体が、観察者に近い奥行き位置に
表示される物体である場合に、前記複数の表示面のうち
の観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を
高くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像
の輝度を低くし、また、前記表示対象物体が、観察者か
ら遠い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記
複数の表示面のうちの観察者に近い表示面に表示する前
記二次元像の輝度を低くし、観察者から遠い表示面に表
示する前記二次元像の輝度を高くすることを特徴とす
る。また、本発明は、前記二次元像を、観察者の見る総
体的な輝度が元の表示対象物体の輝度と等しくなるよう
に、前記複数の表示面に表示される二次元像の輝度を変
化させることを特徴とする。また、本発明は、観察者の
左眼から見て奥行き位置がそれぞれ異なる複数の表示
面、および観察者の右眼から見て奥行き位置がそれぞれ
異なる複数の表示面に、それぞれ二次元像を表示して三
次元立体像を表示するヘッドマウントディスプレイ装置
であって、前記左眼および右眼用の複数の表示面と、観
察者の左眼および右眼との相対的位置を固定する第1の
手段と、表示対象物体を前記観察者の左眼から見た視差
像から、前記観察者の左眼に対する各表示面に表示され
る二次元像が前記観察者の左眼から見て重なるようにさ
れた左眼用の複数の二次元像を生成する第2の手段と、
表示対象物体を前記観察者の右眼から見た視差像から、
前記観察者の右眼に対する各表示面に表示される二次元
像が前記観察者の右眼から見て重なるようにされた右眼
用の複数の二次元像を生成する第3の手段と、前記第2
の手段で生成された左眼用の各二次元像を、前記左眼用
の複数の表示面の少なくとも2つの表示面に表示する第
4の手段と、前記第3の手段で生成された右眼用の各二
次元像を、前記右眼用の複数の表示面の少なくとも2つ
の表示面に表示する第5の手段と、前記左眼用の少なく
とも2つの表示面に表示される二次元像の輝度を、前記
左眼用の少なくとも2つの表示面毎に各々独立に変化さ
せる第6の手段と、前記右眼用の少なくとも2つの表示
面に表示される二次元像の輝度を、前記右眼用の少なく
とも2つの表示面毎に各々独立に変化させる第7の手段
とを具備することを特徴とする。また、本発明は、前記
第4の手段、あるいは第5の手段が、複数の二次元表示
装置と、前記複数の二次元表示装置のうち観察者より最
も遠い奥行き位置に配置される二次元表示装置と組み合
わされ、当該二次元表示装置の表示を観察者の視線上の
像として配置する全反射鏡あるいは部分反射鏡と、前記
観察者より最も遠い奥行き位置に配置される二次元表示
装置以外の二次元表示装置と組み合わされ、各二次元表
示装置の表示をそれぞれ観察者の視線上の像として配置
する部分反射鏡とから構成されることを特徴とする。ま
た、本発明は、前記第4の手段、あるいは第5の手段
が、複数の二次元表示装置と、前記複数の二次元表示装
置のうち観察者より最も遠い奥行き位置に配置される二
次元表示装置と組み合わされ、当該二次元表示装置の表
示を観察者の視線上の像として配置する全反射鏡とレン
ズの組合わせ、あるいは部分反射鏡とレンズの組合わせ
と、前記観察者より最も遠い奥行き位置に配置される二
次元表示装置以外の二次元表示装置と組み合わされ、各
二次元表示装置の表示をそれぞれ観察者の視線上の像と
して配置する部分反射鏡とレンズの組合わせとから構成
されることを特徴とする。また、本発明は、前記第4の
手段、あるいは第5の手段が、観察者から見て異なった
奥行き位置に配置される透過状態と散乱状態の切替制御
が可能な複数の散乱板と、前記各散乱板に二次元像を投
射する複数の投射型二次元表示装置と、前記複数の散乱
板と前記複数の投射型二次元表示装置との間に配置さ
れ、前記複数の散乱板の透過状態と散乱状態との切替に
同期して透過状態と遮断状態を切替る複数のシャッタと
から構成されることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一機能を有するものは同一符
号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0006】[実施の形態1]以下の実施の形態では、
像を配置する「面」という表現を用いるが、これは光学
などで多用される像面などと同様な表現であり、かつこ
のような像面を実現する手段としては、種々の光学素子
(例えば、レンズ、全反射鏡、部分反射鏡、曲鏡、プリ
ズム、偏光素子、波長板など)と二次元表示装置(例え
ば、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、
プラズマディスプレイ、FEDディスプレイ、DMDデ
ィスプレイ、プロジェクション型ディスプレイ、線描画
型ディスプレイなど)を用いて、多くの光学的組み合わ
せ技術により、実現可能なことは明らかである。また、
以下の実施の形態では、提示する三次元物体を主に2つ
の面に二次元像として表示する場合について述べるが、
これを2つ以上の面としても同様な効果が期待できるこ
とは明らかである。図1は、本発明の実施の形態2のヘ
ッドマウントディスプレイ装置の原理を説明するための
図である。本実施の形態では、観察者100の右眼と左
眼の前面に、複数の面、例えば、面(1R1,1R2,
1L1,1L2)(例えば、面(1R1,1L1)が面
(1R2,1L2)より観察者100に近い)を設定
し、これらの面に複数の二次元像を表示するために、例
えば、二次元表示装置と、種々の光学素子を用いて、光
学系103を右眼用と左眼用とに各々構築する(詳細
は、実施の形態2で後述する)。
【0007】この二次元表示装置としては、例えば、C
RT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズ
マディスプレイ、FEDディスプレイ、プロジェクショ
ン型ディスプレイ、線描画型ディスプレイなどが、ま
た、光学素子としては、例えば、レンズ、全反射鏡、部
分反射鏡、曲境、プリズム、偏光素子、波長板などが使
用可能である。ここで、観察者100は、これらの面
(1R1,1R2,1L1,1L2)に表示された複数
の二次元像と、観察者100の左眼、右眼との相対位置
を固定するため、例えば、固定治具110を装着する。
次に、観察者100に提示したい三次元物体の左眼用の
視差像と、右眼用の視差像とを生成する。この左眼用の
視差像から、図1に示すように、各面(1L1,1L
2)に表示される二次元像(1L5,1L6)が、観察
者100の左眼から見て重なるようにされた二次元像
(1L5,1L6)を生成する。同様に、右眼用の視差
像から、各面(1R1,1R2)に表示される二次元像
(1R5,1R6)が、観察者100の右眼から見て重
なるようにされた二次元像を(1R5,1R6)を生成
する。この左右の視差像を生成する方法は、例えば、各
眼の視線方向から三次元物体をカメラで撮影した二次元
像を用いる方法、別の方向からから撮影した複数枚の二
次元像から合成する方法、あるいはコンピュータグラフ
ィックによる合成技術、あるいはモデル化を用いる方法
など種々の方法がある。
【0008】本実施の形態における重要な要点は、前記
構成を有する装置で、二次元像(1R5,1R6,1L
5,1L6)の各々の輝度を、観察者100から見た総
体的な輝度を一定に保ちつつ(即ち、観察者100から
見た総体的な輝度が三次元物体の輝度と等しくなるよう
に)、三次元物体の奥行き位置に対応して変えることで
ある。
【0009】その変え方の一例を、以下に述ベる。な
お、両眼ともに同様であるため、図2ないし図5では右
眼のみを記し、さらに、図2ないし図5では、白黒図面
であるため、分かりやすいように輝度が高い方を濃く示
している。例えば、三次元物体を、面(1R1,1L
1)上の位置に対応する奥行き位置に表示する場合に
は、図2に示すように、面(1R1,1L1)の二次元
像(1R5,1L5)の輝度を三次元物体の輝度に等し
くし、面(1R2,1L2)上の二次元像(1R6,1
L6)の輝度はゼロとする。次に、例えば、三次元物体
が観察者100より少し遠ざかり、三次元物体を、面
(1R1,1L1)より面(1R2,1L2)側に少し
寄った位置の奥行き位置に表示する場合には、図3に示
すように、二次元像(1R5,1L5)の輝度を少し下
げ、二次元像(1R6,1L6)の輝度を少し上げる。
さらに、例えば、三次元物体が観察者100よりさらに
遠ざかり、三次元物体を、面(1R1,1L1)より面
(1R2,1L2)側にさらに寄った位置の奥行き位置
に表示する場合には、図4に示すように、二次元像(1
R5,1L5)の輝度をさらに下げ、二次元像(1R
6,1L6)の輝度をさらに上げる。遂に、例えば、三
次元物体を、面(1R2,1L2)上に対応する奥行き
位置に表示する場合には、図5に示すように、面(1R
2,1L2)上の二次元像(1R6,1L6)の輝度を
三次元物体の輝度に等しくし、面(1R1,1L1)上
の二次元像(1R5、1L5)の輝度をゼロとする。
【0010】本実施の形態では、左右の眼に提示される
二次元像は、左右の視差像であるため、人の視差による
要因のみで、従来のヘッドマウントディスプレイ装置と
同様、観察者は立体知覚できる。さらに、本実施の形態
のように、左右の視差像を表示することにより、人の生
理的要因、あるいは心理的要因により、表示している面
が、面(1R1,1L1,1R2,1L2)と奥行き方
向に離れた面であっても、観察者100のピント調節
は、面(1R1,1L1)と面(1R2,1L2)との
中間にある三次元物体の位置に定位する。即ち、例え
ば、面(1R1,1L1)と面(1R2,1L2)とに
ほぼ等輝度の二次元像を表示した場合には、面(1R
1,1L1)と面(1R2,1L2)の奥行き位置の中
間付近に三次元物体があるように感じられる。本実施の
形態では、前記図11に示した従来装置とは異なり、実
際に像を表示する面が、その錯覚位置を挟んで少なくと
も2つ以上存在するため、従来装置にあった両眼視差、
輻輳と、ピント調節との間の矛盾を大きく抑制でき、眼
精疲労などを抑制できると考えられる。また、従来装置
と大きく異なり、ピント調節が完全に錯覚位置に合致す
る利点を有する。また、本実施の形態では、左眼、右眼
双方において、完全に重なった像を用いるため、提示す
る三次元立体像の解像度を容易に高められる利点を有す
る。
【0011】さらに、本実施の形態では、左眼、右眼に
個別に装置を取り付けるため、観察者100の動きや眼
の動きに対応して視差像を表示しやすく、かつ完全に重
なった状態を維持しやすい利点を有する。また、本実施
の形態では、2次元像の輝度の変化のみによる人の生理
的または心理的要因、あるいは人の錯覚を利用している
ため、光源として、特に、レーザーなどのコヒーレント
光源を必要とせず、かつカラー化も容易である利点を有
している。また、本実施の形態では、機械的駆動部を含
まないため、軽量化、信頼性の向上などに適している利
点を有する。なお、本実施の形態においては、二次元像
を配置する面の中で主に2つの面に関してのみ説明し、
かつ観察者100に提示する三次元物体が2つの面の間
にある場合について述べたが、二次元像を配置する面の
個数がこれよりも多く、あるいは提示する三次元物体の
位置が異なる場合であっても、同様な構成が可能である
ことは明らかである。本実施の形態は、各二次元表示装
置が動画対応できる表示速度を有しているだけで、観察
者からみて左右上方向には動画表示ができることは明ら
かであり、かつ、奥行き方向にも、複数の面の輝度変化
を1フレーム毎に行っていけば可能であり、前記実施の
形態1と同様、動画表示ができることも明らかである。
また、前記した二次元像は、1フレーム中に表示するの
であれば、同時に表示しても、別々の時間に表示して
も、あるいはある時間だけ同時に表示して、他の時間は
別々に表示しても、残像効果の原理から同様な効果が得
られることは明らかである。
【0012】[実施の形態2]以下、前記実施の形態に
使用可能な光学系103について説明する。図6は、前
記実施の形態に使用可能な光学系103の一例を示す図
である。図6に示す光学系は、複数の二次元表示装置
(201,202)と、全反射鏡203(例えば、反射
率/透過率=100/0)、部分反射鏡204(例え
ば、反射率/透過率=50/50)とを使用するもので
ある。ここで、複数の二次元表示装置(201,20
2)は、例えば、CRT、液晶ディスプレイ、LEDデ
ィスプレイ、プラズマディスプレイ、FEDディスプレ
イ、DMDディスプレイ、プロジェクション型ディスプ
レイ、線描画型ディスプレイなどで構成される。図6に
示す光学系において、各々の配置を変えることにより、
二次元表示装置201の2次元像が全反射鏡203で反
射し、部分反射鏡204を透過してできる面205と、
二次元表示装置202の二次元像が部分反射鏡204を
反射してできる面206とを奥行き方向に異なる位置に
配置することができる。図6に示す光学系では、鏡(全
反射鏡203、部分反射鏡204)のみを用いるため、
画質の劣化が少ない利点を有する。
【0013】図7は、前記実施の形態に使用可能な光学
系103の他の例を示す図である。図7に示す光学系
は、図6に示す光学系に凸レンズ(207,208)な
どを含めることにより、面の位置をよりフレキシブルに
変更できるようにしたものである。図7に示す光学系で
は、複数の二次元表示装置(201,202)と、全反
射鏡203(例えば、反射率/透過率=100/0)、
部分反射鏡204(例えば、反射率/透過率=50/5
0)の構成に、例えば、凸レンズ(207,208)を
加えて像位置を変えることにより、装置の大きさの制約
などにより限られていた面205と面206の位置関係
をより柔軟に設定することができる。勿論、凸レンズだ
けでなく組み合わせレンズなどを用いたレンズ光学系を
用いることにより、歪みなどの点で有利になる場合もあ
ることは通常のレンズ光学系と同様である。また、この
場合は虚像を用いる場合を例として示したが、実像を用
いる場合でも同様なことができることは明らかである。
【0014】図8は、前記実施の形態に使用可能な光学
系103の他の例を示す図である。図8に示す光学系
は、図6に示す光学系に、さらに二次元表示装置を追加
したものである。即ち、複数の二次元表示装置(21
1,212,213,214,215)と、例えば、全
反射鏡216(例えば、反射率/透過率=100/
0)、部分反射鏡217(例えば、反射率/透過率=5
0/50)、218(例えば、反射率/透過率=33.
3/66.7)、219(例えば、反射率/透過率=2
5/75)、220(例えば、反射率/透過率=20/
80)を用いて光学系を構成したものである。図8に示
す光学系において、各々の配置を変えることにより、二
次元表示装置211の二次元像が全反射鏡216を反射
して部分反射鏡(217〜220)を透過してできる面
221と、二次元表示装置(212〜215)の二次元
像が各々部分反射鏡(217〜220)で反射し、さら
に部分反射鏡を透過してできる面(222〜225)
を、各々奥行き方向に異なる位置に配置することができ
る。この図8に示す光学系では、鏡のみを用いるため、
画質の劣化が少ない利点を有する。なお、図8では、二
次元表示装置が5個の場合について述べたが、それ以外
の個数でも同様な構成が可能なことは明らかである。こ
の場合においても、図7に示すように、レンズ光学系を
付加することにより、面の位置を制御しやすくなること
は同様に明らかである。
【0015】図9は、前記実施の形態に使用可能な光学
系103の他の例を示す図である。図9に示す光学系
は、複数のプロジェクタ型二次元表示装置(231,2
32,233,234,235)と、シャッタ(24
1,242,243,244,245)と、散乱板(2
36,237,238,239,240)とを用いて、
各プロジェクタ型二次元表示装置(231〜235)か
らシャッタ(241〜245)を介して散乱板(236
〜240)に二次元像を投影することにより、複数の二
元像を配置するための光学系を構成したものである。こ
こで、各プロジェクタ型二次元表示装置(231〜23
5)は、例えば、CTR型、LCD型、ILV型、DM
D型等で構成される。また、散乱板(236〜240)
は、例えば、高分子分散型液晶素子、ホログラフィック
高分子分散型液晶素子、液晶とマルチレンズアレイの組
合せ素子などのように、散乱状態/透過状態、反射状態
/透過状態を制御でき、さらに、シャッタ(241〜2
45)は、例えば、ツイストネマティック液晶素子、強
誘電液晶素子、あるいは機械的シャッタ素子などのよう
に透過状態/遮断状態を制御できるものとする。散乱板
(236〜240)を奥行き位置を変えて配置し、これ
らの散乱板(236〜240)に、各プロジェクタ型二
次元表示装置(231〜235)の各々のピント面を合
わせて二次元像を投射し、かつ散乱板(236〜24
0)の散乱状態/透過状態のタイミングと、シャッタ
(241〜245)の透過状態/遮断状態のタイミング
を合わせて駆動することにより、時分割で、散乱板(2
36〜240)上に形成される面の奥行き位置を制御で
きる。この図9に示す光学系のように、プロジェクタ型
二次元表示装置(231〜235)を用いる場合には、
装置のレイアウトの自由度が大きい利点を有する。な
お、この図9に示す光学系では、プロジェクタ型二次元
表示装置が5個の場合について述べたが、それ以外の個
数でも同様な構成が可能なことは明らかである。また、
シャッタ(241〜245)の代わりに、プロジェクタ
型二次元表示装置(231〜235)のランプをON/
OFFしてもよいことは明らかである。
【0016】前記実施の形態では、ヘッドマウントディ
スプレイ装置付近、または内部あるいはこれより奥に面
がある場合について主に述べたが、これらの面を光学装
置を追加することにより、二次元表示装置より離して、
あるいは前面に配置することも容易に可能である。その
一例を、図10に示す。例えば、前記実施の形態に示す
光学系301の前面に、例えば、レンズ光学系303を
配置することにより、内部の面302を外部の面304
の位置へ変換できることは明らかである。このような場
合には、三次元立体像が空間に浮いて再現されるため、
三次元立体像が装置内部や後方にある場合に比べ、人に
とってより三次元に感じやすいという利点を有する。以
上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態
に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。本発明によれば、立体視の生理的要因
間の矛盾を抑制でき、かつ情報量を少なくでき、電気的
に書き換え可能な三次元動画像を再生することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のヘッドマウントディス
プレイ装置の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態1のヘッドマウントディス
プレイ装置における三次元立体像の表示方法を説明する
ための図である。
【図3】本発明の実施の形態1のヘッドマウントディス
プレイ装置における三次元立体像の表示方法を説明する
ための図である。
【図4】本発明の実施の形態1のヘッドマウントディス
プレイ装置における三次元立体像の表示方法を説明する
ための図である。
【図5】本発明の実施の形態1のヘッドマウントディス
プレイ装置における三次元立体像の表示方法を説明する
ための図である。
【図6】本発明の実施の形態1に使用可能な光学系の一
例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に使用可能な光学系の他
の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1に使用可能な光学系の他
の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1に使用可能な光学系の他
の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1に使用可能な光学系の
他の例を示す図である。
【図11】従来の電気的に書き換え可能な動画の立体表
示を行うヘッドマウントディスプレイ装置を示す図であ
る。
【符号の説明】
52L,52R…カメラ、53L,53R…液晶表示装
置、54L,54R,207,208…凸レンズ、55
L,55R…左右の眼、100…観察者、103,30
1…光学系、110…固定治具、205,206,22
1〜225,302,304,1R1,1R2,1L
1,1L2…面、201,202,211〜215…二
次元表示装置、203,216…全反射鏡、204,2
17〜220…部分反射鏡、231〜235…プロジェ
クタ型二次元表示装置、236〜240…散乱板、24
1〜245…シャッタ、303…レンズ光学系、501
…三次元物体、506…視差像、1R5,1R6,1L
5,1L6…二次元像。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 5/36 510 G09G 5/36 510V (72)発明者 上平 員丈 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5C061 AA29 AB04 AB12 AB14 AB16 AB18 5C080 AA01 AA09 BB05 CC04 DD01 EE17 EE28 FF09 GG07 JJ02 JJ06 5C082 AA27 AA34 BA12 BA47 BD06 CA11 CA56 CA76 DA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察者の左眼および右眼のそれぞれに対
    して、奥行き位置の異なる複数の表示面を配置し、前記
    観察者の左眼および右眼に対する複数の表示面に二次元
    像をそれぞれ表示して、三次元立体像を表示する三次元
    表示方法であって、 表示対象物体を前記観察者の左眼から見た視差像から、
    前記観察者の左眼に対する各表示面に表示される二次元
    像が前記観察者の左眼から見て重なるようにされた左眼
    用の複数の二次元像を生成し、 前記観察者の左眼に対する各表示面に表示される二次元
    像の輝度を、各表示面毎に各々独立に変化させて、前記
    観察者の左眼に対する各表示面に前記左眼用の二次元像
    を表示し、 また、表示対象物体を前記観察者の右眼から見た視差像
    から、前記観察者の右眼に対する各表示面に表示される
    二次元像が前記観察者の右眼から見て重なるようにされ
    た右眼用の複数の二次元像を生成し、 前記観察者の右眼に対する各表示面に表示される二次元
    像の輝度を、各表示面毎に各々独立に変化させて、前記
    観察者の右眼に対する各表示面に、前記右眼用の二次元
    像を表示することを特徴とする三次元表示方法。
  2. 【請求項2】 前記表示対象物体が、観察者に近い奥行
    き位置に表示される物体である場合に、前記複数の表示
    面のうちの観察者に近い表示面に表示する前記二次元像
    の輝度を高くし、観察者から遠い表示面に表示する前記
    二次元像の輝度を低くし、 また、前記表示対象物体が、観察者から遠い奥行き位置
    に表示される物体である場合に、前記複数の表示面のう
    ちの観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度
    を低くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元
    像の輝度を高くすることを特徴とする請求項1に記載の
    三次元表示方法。
  3. 【請求項3】 前記二次元像を、観察者の見る総体的な
    輝度が元の表示対象物体の輝度と等しくなるように、前
    記複数の表示面に表示される二次元像の輝度を変化させ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の三
    次元表示方法。
  4. 【請求項4】 観察者の左眼から見て奥行き位置がそれ
    ぞれ異なる複数の表示面、および観察者の右眼から見て
    奥行き位置がそれぞれ異なる複数の表示面に、それぞれ
    二次元像を表示して三次元立体像を表示するヘッドマウ
    ントディスプレイ装置であって、 前記左眼および右眼用の複数の表示面と、観察者の左眼
    および右眼との相対的位置を固定する第1の手段と、 表示対象物体を前記観察者の左眼から見た視差像から、
    前記観察者の左眼に対する各表示面に表示される二次元
    像が前記観察者の左眼から見て重なるようにされた左眼
    用の複数の二次元像を生成する第2の手段と、 表示対象物体を前記観察者の右眼から見た視差像から、
    前記観察者の右眼に対する各表示面に表示される二次元
    像が前記観察者の右眼から見て重なるようにされた右眼
    用の複数の二次元像を生成する第3の手段と、 前記第2の手段で生成された左眼用の各二次元像を、前
    記左眼用の複数の表示面の少なくとも2つの表示面に表
    示する第4の手段と、 前記第3の手段で生成された右眼用の各二次元像を、前
    記右眼用の複数の表示面の少なくとも2つの表示面に表
    示する第5の手段と、 前記左眼用の少なくとも2つの表示面に表示される二次
    元像の輝度を、前記左眼用の少なくとも2つの表示面毎
    に各々独立に変化させる第6の手段と、 前記右眼用の少なくとも2つの表示面に表示される二次
    元像の輝度を、前記右眼用の少なくとも2つの表示面毎
    に各々独立に変化させる第7の手段とを具備することを
    特徴とするヘッドマウントディスプレイ装置。
  5. 【請求項5】 前記第4の手段、あるいは第5の手段
    は、複数の二次元表示装置と、 前記複数の二次元表示装置のうち観察者より最も遠い奥
    行き位置に配置される二次元表示装置と組み合わされ、
    当該二次元表示装置の表示を観察者の視線上の像として
    配置する全反射鏡あるいは部分反射鏡と、 前記観察者より最も遠い奥行き位置に配置される二次元
    表示装置以外の二次元表示装置と組み合わされ、各二次
    元表示装置の表示をそれぞれ観察者の視線上の像として
    配置する部分反射鏡とから構成されることを特徴とする
    請求項4に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
  6. 【請求項6】 前記第4の手段、あるいは第5の手段
    は、複数の二次元表示装置と、 前記複数の二次元表示装置のうち観察者より最も遠い奥
    行き位置に配置される二次元表示装置と組み合わされ、
    当該二次元表示装置の表示を観察者の視線上の像として
    配置する全反射鏡とレンズの組合わせ、あるいは部分反
    射鏡とレンズの組合わせと、 前記観察者より最も遠い奥行き位置に配置される二次元
    表示装置以外の二次元表示装置と組み合わされ、各二次
    元表示装置の表示をそれぞれ観察者の視線上の像として
    配置する部分反射鏡とレンズの組合わせとから構成され
    ることを特徴とする請求項4に記載のヘッドマウントデ
    ィスプレイ装置。
  7. 【請求項7】 前記第4の手段、あるいは第5の手段
    は、観察者から見て異なった奥行き位置に配置される透
    過状態と散乱状態の切替制御が可能な複数の散乱板と、 前記各散乱板に二次元像を投射する複数の投射型二次元
    表示装置と、 前記複数の散乱板と前記複数の投射型二次元表示装置と
    の間に配置され、前記複数の散乱板の透過状態と散乱状
    態との切替に同期して透過状態と遮断状態を切替る複数
    のシャッタとから構成されることを特徴とする請求項4
    に記載のヘッドマウントディスプレイ装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の表示面と観察者との間に、レ
    ンズ光学系を設置したことを特徴とする請求項4ないし
    請求項7のいずれか1項に記載のヘッドマウントディス
    プレイ装置。
  9. 【請求項9】 前記第6の手段、あるいは前記第7の手
    段は、前記表示対象物体が、観察者に近い奥行き位置に
    表示される物体である場合に、前記少なくとも2つの表
    示面のうちの観察者に近い表示面に表示する前記二次元
    像の輝度を高くし、観察者から遠い表示面に表示する前
    記二次元像の輝度を低くし、 また、前記表示対象物体が、観察者から遠い奥行き位置
    に表示される物体である場合に、前記少なくとも2つの
    表示面のうちの観察者に近い表示面に表示する前記二次
    元像の輝度を低くし、観察者から遠い表示面に表示する
    前記二次元像の輝度を高くすることを特徴とする請求項
    4ないし請求項8のいずれか1項に記載のヘッドマウン
    トディスプレイ装置。
  10. 【請求項10】 前記第6の手段、あるいは前記第7の
    手段は、観察者の見る総体的な輝度が元の表示対象物体
    の輝度と等しくなるように、前記少なくとも2つの表示
    面に表示される二次元像の輝度を変化させることを特徴
    とする請求項4ないし請求項9のいずれか1項に記載の
    ヘッドマウントディスプレイ装置。
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