JP2005127273A - 内燃機関 - Google Patents

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Takayuki Touto
孝之 冬頭
Kiyomi Nakakita
清己 中北
Yoshihiro Hotta
義博 堀田
Kazuhisa Inagaki
和久 稲垣
Shoji Nakahara
彰治 仲原
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Abstract

【課題】圧縮行程終期において燃焼室内のガスの成層化をより適切に行う。
【解決手段】スワール上流側吸気ポート16を、シリンダ10周壁側で且つスワール上流側である領域2と、シリンダ10中心側で且つスワール下流側である領域3と、に分割する仕切壁36が設けられている。領域2からシリンダ10内に吸入されるガスにおける所定成分の濃度を、領域3からシリンダ10内に吸入されるガス及びスワール下流側吸気ポート18からシリンダ10内に吸入されるガスにおける所定成分の濃度より濃くすることにより、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化の度合いを向上させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃焼室内のガスの成層化を行う内燃機関に関する。
内燃機関においては、燃焼室内のガスの燃焼を適切に行うために、燃焼室内のガスの成層化が行われている。このガスの成層化を行う内燃機関の従来例が特開2001−280139号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1においては、スワール上流側吸気ポートからシリンダ内下側及びスワール下流側吸気ポートからシリンダ内上側へそれぞれ組成の異なるガスを吸入することにより、シリンダ内上側及び下側に組成の異なるガスのスワール流を形成している。これによって、圧縮行程終期における燃焼室内のガスの成層化を図っている。そして、スワール上流側の吸気バルブとスワール下流側の吸気バルブとでスワール上流側の吸気バルブの方が早期に開くように開弁時期の位相をずらすことにより、燃焼室内におけるガスの成層化の向上を図っている。さらに、スワール上流側吸気ポートに仕切壁を設け、仕切壁により分けられた各領域から組成の異なるガスをシリンダ内へ吸入することにより、燃焼室内におけるガスの成層化の向上を図っている。なお、特許文献1において排気成分に関する成層化を行う場合は、排気ポートの排気成分を吸気ポートへ環流させる外部EGRを用いて排気成分をシリンダ内に吸入している。EGRガスの吸気ポートへの供給流量は、内燃機関の運転状態に応じて制御弁により制御される。
特開2001−280139号公報
特許文献1においては、スワール上流側吸気ポートに仕切壁を設けているが、仕切壁の最適な配設位置についてまでは開示がなく、仕切壁の配設の仕方が不適切であると逆に燃焼室内におけるガスの成層化の度合いが低下してしまう。そして、スワール上流側の吸気バルブとスワール下流側の吸気バルブとで開弁時期の位相をずらしているが、スワール上流側吸気ポートとスワール下流側吸気ポートとでシリンダ内へのガスの吸入量はほとんど差がないため、濃いガスを供給する方の吸気ポートにおけるガスの濃度には限度があり、その結果、燃焼室内におけるガスの成層化の度合いにも限度がある。
また、特許文献1において排気成分に関する成層化を行う場合は、外部EGRを用いて排気成分をシリンダ内に吸入しているが、外部EGRを用いて排気成分に関する成層化を行うと、排気成分に関する成層化を適切に行うことができない場合がある。例えばEGRガスを吸気ポートに環流させてシリンダ内に供給する場合は、吸気ポートでEGRガスが新気によって希釈された状態でシリンダ内に吸入されることになるため、燃焼室内における排気成分に関する成層化の度合いが低下してしまう。そして、排気成分に関する成層化の度合いを内燃機関の運転状態に応じて変化させる場合を考えると、内燃機関の運転状態の変化に対してEGRガスのシリンダ内への供給量に応答遅れが生じるため、排気成分に関する成層化を適切に行うことが困難となる。さらに、EGRガスの吸気ポートへの供給流量を内燃機関の運転状態に応じて制御弁により制御しているため、吸気ポート周辺の構成が複雑化してしまい、内燃機関の大型化及びコスト高を招いてしまう。
以上のように、特許文献1においては、燃焼室内のガスのより適切な成層化を行うための構成について、まだ改善の余地がある。
本発明は、燃焼室内のガスの成層化をより適切に行うことができる内燃機関を提供することを目的の1つとする。また、本発明は、機関の大型化及びコスト高を招くことなく燃焼室内のガスの成層化を行うことができる内燃機関を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る内燃機関は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る内燃機関は、吸気行程においてシリンダ内上側及び下側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成されるように、スワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートからそれぞれ所定成分の濃度が異なるガスをシリンダ内へ吸入することで、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化を行う内燃機関であって、スワール上流側吸気ポートを、シリンダ周壁側で且つスワール上流側である第1領域と、シリンダ中心側で且つスワール下流側である第2領域と、に分割する仕切壁が設けられており、前記第1領域からシリンダ内に吸入されるガスは、スワール下流側吸気ポートからシリンダ内に吸入されるガスと所定成分の濃度が異なることを要旨とする。
この本発明においては、スワール上流側吸気ポートを、シリンダ周壁側で且つスワール上流側である第1領域と、シリンダ中心側で且つスワール下流側である第2領域と、に分割する仕切壁が設けられている。そして、第1領域からシリンダ内に吸入されるガスとスワール下流側吸気ポートからシリンダ内に吸入されるガスとで、所定成分の濃度を異ならせることにより、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化の度合いを向上させることができる。したがって、燃焼室内のガスの成層化をより適切に行うことができる。
この本発明に係る内燃機関において、前記第1領域からシリンダ内に吸入されるガスは、前記第2領域からシリンダ内に吸入されるガス及びスワール下流側吸気ポートからシリンダ内に吸入されるガスより所定成分の濃度が濃いものとすることもできる。この本発明に係る内燃機関において、スワール上流側吸気ポートには、前記第2領域からシリンダ内へのガスの吸入を遮断する遮断手段が設けられており、吸気行程において前記第1領域のガスがスワール下流側吸気ポートのガスより早期にシリンダ内に吸入されるものとすることもできる。この本発明に係る内燃機関において、スワール上流側吸気ポートはタンジェンシャルポートであり、スワール下流側吸気ポートはヘリカルポートであるものとすることもできる。
また、本発明に係る内燃機関は、吸気行程においてシリンダ内上側及び下側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成されるように、スワール上流側吸気バルブ及びスワール下流側吸気バルブを開けてスワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートからそれぞれ所定成分の濃度が異なるガスをシリンダ内へ吸入することで、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化を行う内燃機関であって、所定成分の濃度が濃い方のガスは、所定成分の濃度が薄い方のガスよりシリンダ内への吸入量が少ないことを要旨とする。
この本発明においては、所定成分の濃度が濃い方のガスについて所定成分の濃度が薄い方のガスよりシリンダ内への吸入量を少なくすることにより、濃い方のガスにおける所定成分の濃度をさらに濃くすることができるので、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化の度合いを向上させることができる。したがって、燃焼室内のガスの成層化をより適切に行うことができる。
この本発明に係る内燃機関において、所定成分の濃度が濃い方のガスをシリンダ内へ吸入させる吸気バルブは、所定成分の濃度が薄い方のガスをシリンダ内へ吸入させる吸気バルブより開弁期間及びフルリフト量の少なくとも一方が少ないものとすることもできる。
また、本発明に係る内燃機関は、吸気行程においてスワール上流側吸気バルブ及びスワール下流側吸気バルブを開けてスワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートからそれぞれ所定成分の濃度が異なるガスをシリンダ内へ吸入する内燃機関であって、スワール上流側吸気バルブとスワール下流側吸気バルブとが略同時に開く場合は、シリンダ内下側及び上側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成されないようにスワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートの形状が設定されており、スワール上流側吸気バルブとスワール下流側吸気バルブとで開弁タイミングを異ならせることにより、シリンダ内下側及び上側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成され、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化が行われることを要旨とする。
この本発明においては、スワール上流側吸気バルブとスワール下流側吸気バルブとで開弁タイミングを異ならせることにより、吸気ポート周辺の構成が複雑化することなく圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化を行うことができる。したがって、機関の大型化及びコスト高を招くことなく燃焼室内のガスの成層化を行うことができる。
この本発明に係る内燃機関において、スワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートは、ともにヘリカルポートであるものとすることもできる。
また、本発明に係る内燃機関は、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化を行う内燃機関であって、吸気行程の際に、シリンダ内が排気成分で略満たされておりピストンが下死点側へ移動しているときに吸気バルブを開け、吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成することにより、圧縮行程開始時においてシリンダ下側の排気成分の濃度がシリンダ上側より濃いことを要旨とする。
この本発明においては、シリンダ内が排気成分で略満たされておりピストンが下死点側へ移動しているときに吸気バルブを開け、吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成することにより、排気ポートの排気成分を吸気ポートへ環流させる外部EGRを用いることなく、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化を行うことができる。したがって、燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化をより適切に行うことができる。
この本発明に係る内燃機関において、排気行程の際に、ピストンが上死点に達して下死点側へ移動しても吸気バルブを開けずに排気バルブを開状態にして、排気ポートの排気成分をシリンダ内へ逆流させることにより、吸気バルブを開ける前にシリンダ内を排気成分で略満たすものとすることもできる。この本発明に係る内燃機関において、排気行程の際に、ピストンが上死点に達する前に排気バルブを閉じてシリンダ内の排気成分を閉じこめることにより、吸気バルブを開ける前にシリンダ内を排気成分で略満たすものとすることもできる。この本発明に係る内燃機関において、シリンダ内が排気成分で略満たされておりピストンが下死点側へ移動しているときに、スワール下流側吸気バルブを開けスワール下流側吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成するとともに、スワール上流側吸気バルブを開けスワール下流側吸気ポートのガスより排気成分の濃いガスをスワール上流側吸気ポートから吸入してシリンダ内下側にスワール流を形成するものとすることもできる。
また、本発明に係る内燃機関は、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化を行う内燃機関であって、吸気行程の際にピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じて排気バルブを一時的に開け、排気ポートの排気成分を逆流させてシリンダ内上側にスワール流を形成することにより、圧縮行程開始時においてシリンダ上側の排気成分の濃度がシリンダ下側より濃いことを要旨とする。
この本発明においては、吸気行程の際にピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じて排気バルブを一時的に開け、排気ポートの排気成分を逆流させてシリンダ内上側にスワール流を形成することにより、排気ポートの排気成分を吸気ポートへ環流させる外部EGRを用いることなく、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化を行うことができる。したがって、燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化をより適切に行うことができる。
この本発明に係る内燃機関において、吸気行程の際に吸気ポートから吸入されたガスはシリンダ内にスワール流を形成し、シリンダ内上側に形成される排気成分のスワール流が吸気ポートから吸入されたガスのスワール流と同一方向であるものとすることもできる。この態様の本発明に係る内燃機関において、前記排気ポートは、スワール上流側排気ポート及びスワール下流側排気ポートにより構成され、前記排気バルブは、スワール上流側排気バルブ及びスワール下流側排気バルブにより構成され、スワール上流側排気ポート及びスワール下流側排気ポートはともにヘリカルポートであり、ピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じてスワール上流側排気バルブ及びスワール下流側排気バルブを一時的に開けるものとすることもできる。この態様の本発明に係る内燃機関において、前記排気ポートは、スワール上流側排気ポート及びスワール下流側排気ポートにより構成され、前記排気バルブは、スワール上流側排気バルブ及びスワール下流側排気バルブにより構成され、スワール下流側排気ポートはタンジェンシャルポートであり、ピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じてスワール上流側排気バルブを開けずにスワール下流側排気バルブを一時的に開けるものとすることもできる。この本発明に係る内燃機関において、スワール上流側吸気バルブを開けスワール上流側吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内下側にスワール流を形成するとともに、スワール下流側吸気バルブを開けスワール上流側吸気ポートのガスより排気成分の濃いガスをスワール下流側吸気ポートから吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成するものとすることもできる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
「第1実施形態」
図1〜3は、本発明の第1実施形態に係る内燃機関の構成の概略を示す模式図であり、図1は燃焼室周辺の内部構成図を示し、図2はシリンダ及び吸気ポートの外観斜視図を示し、図3はシリンダ及び吸気ポートの上面図を示す。本実施形態に係る内燃機関は、吸気行程においてシリンダ10内上側及び下側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流を同一方向に形成することにより、燃焼室12内のガスが燃焼する直前の圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化を行うものである。
そして、本実施形態に係る内燃機関は、頂面の中央部にキャビティ部34が形成されたピストン14と、シリンダ10内の上方に配設されたスワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18と、スワール上流側吸気ポート16とシリンダ10内とを開閉するスワール上流側吸気バルブ20と、スワール下流側吸気ポート18とシリンダ10内とを開閉するスワール下流側吸気バルブ22と、シリンダ10内の上方に配設されたスワール上流側排気ポート24及びスワール下流側排気ポート26と、スワール上流側排気ポート24とシリンダ10内とを開閉するスワール上流側排気バルブ28と、スワール下流側排気ポート26とシリンダ10内とを開閉するスワール下流側排気バルブ30と、を備えている。
吸気行程においては、スワール下流側吸気バルブ22及びスワール上流側吸気バルブ20が開き、第1吸気ガス52がスワール下流側吸気ポート18からシリンダ10内へ吸入されるとともに、第2吸気ガス54がスワール上流側吸気ポート16からシリンダ10内へ吸入される。ここで、第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とで、所定成分の濃度が異なっている。具体例としては、EGRを行う際に第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とで排気成分の濃度が異なっている例や、第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とで予混合気の空燃比が異なっている例等が挙げられる。
図2に示すように、スワール下流側吸気ポート18の形状の一例はヘリカルポート形状であり、第1吸気ガス52のシリンダ10下方向の速度成分は小さく、第1吸気ガス52のシリンダ10周壁に沿ったスワール流がシリンダ10内上側に形成される。一方、図2に示すように、スワール上流側吸気ポート16の形状の一例はタンジェンシャルポート形状であり、第2吸気ガス54がシリンダ10斜め下方向に流出し、第2吸気ガス54のシリンダ10周壁に沿った第1吸気ガス52と同一方向のスワール流がシリンダ10内下側に形成される。以上の動作によって、吸気行程において所定成分の濃度が異なる吸気ガス52,54の同一方向のスワール流がシリンダ10内上側及び下側にそれぞれ形成される。
圧縮行程においては、シリンダ10内へ吸入された吸気ガス52,54がピストン14により圧縮される。圧縮行程の後半には、ピストン14の頂面の周辺部上に存在するガスが中央部のキャビティ部34内へ流入するスキッシュ流が発生するとともに、遠心力によってキャビティ部34の周壁に沿って流れ、キャビティ部34の底面に向かう。図4(A)〜(C)に示すように、キャビティ部34内は、第2吸気ガス54でほぼ満たされた状態から、時間の経過とともに中央領域に第1吸気ガス52が流入する。その結果、キャビティ部34内の中央領域に第1吸気ガス52が主に分布し、キャビティ部34内の周辺領域及び底部領域に第2吸気ガス54が主に分布する。そして、第1吸気ガス52の濃度と第2吸気ガス54の濃度とがほぼ等しくなる境界面は、図1に示すように、燃焼室12の天井面中心部を中心とする概略扁平半球面38となる。
以下、圧縮行程終期においてキャビティ部34内の中央領域すなわち概略扁平半球面38の内側における所定成分の濃度がキャビティ部34内の周辺領域及び底部領域すなわち概略扁平半球面38の外側における所定成分の濃度より濃い成層状態を「正成層」と称することにする。一方、圧縮行程終期においてキャビティ部34内の周辺領域及び底部領域すなわち概略扁平半球面38の外側における所定成分の濃度がキャビティ部34内の中央領域すなわち概略扁平半球面38の内側における所定成分の濃度より濃い成層状態を「逆成層」と称することにする。また、圧縮行程終期においてキャビティ部34内の中央領域すなわち概略扁平半球面38の内側における所定成分の濃度がキャビティ部34内の周辺領域及び底部領域すなわち概略扁平半球面38の外側における所定成分の濃度とほぼ等しい(成層化されていない)状態を「均質」と称することにする。なお、成層状態を示す「正成層」、「逆成層」及び「均質」の用語の意味は、各実施形態において上記の同一の意味で用いられる。
以上の動作によって、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの所定成分に関する成層化が行われる。一方、成層化を行わない場合は、第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とで所定成分の濃度をほぼ等しくする。なお、吸気行程及び圧縮行程におけるより詳細な動作については、特開2001−280139号公報(特許文献1)を参照されたい。
そして、燃焼室12内のガスが燃焼(火花点火機関の場合はプラグの点火による燃焼、圧縮点火機関の場合は圧縮着火による燃焼)することで、図示しないクランク軸に回転力を発生させる。燃焼後におけるシリンダ10内のガスは、排気行程においてスワール上流側排気バルブ28及びスワール下流側排気バルブ30が開くことで、スワール上流側排気ポート24及びスワール下流側排気ポート26へ排出される。
次に、本願発明者が行った解析結果について説明する。
本実施形態においては、スワール上流側吸気ポート16を分割する仕切壁36を設けるが、スワール上流側吸気ポート16をどのように分割すれば成層化の向上効果が大きいかをシミュレーションにより調べた。
図5(A)に示すように、タンジェンシャルポート形状のスワール上流側吸気ポート16を仕切壁36−1,36−2により領域1〜4に4分割し、吸気行程において領域1〜4のいずれか1領域からシリンダ10内へ所定ガスを吸入させるシミュレーションを行った。その場合の圧縮行程終期における燃焼室12内の所定ガスに関する濃度分布を調べた。ここで、仕切壁36−1はスワール上流側吸気ポート16をシリンダ10周壁側領域(領域1,2)及びシリンダ10中心側領域(領域3,4)に分割し、仕切壁36−2はスワール上流側吸気ポート16をスワール上流側領域(領域2,4)及びスワール下流側領域(領域1,3)に分割する。したがって、図5(A)において、領域1はシリンダ10周壁側で且つスワール下流側であり、領域2はシリンダ10周壁側で且つスワール上流側であり、領域3はシリンダ10中心側で且つスワール下流側であり、領域4はシリンダ10中心側で且つスワール上流側である。
図5(B)に示すように、領域2からシリンダ10内へ所定ガスを吸入させることにより、圧縮行程終期において燃焼室12内の所定ガスに関する成層化の度合い(以下成層度とする)を向上できることがわかる。そこで、本実施形態では、図3及び図6(D)に示すように、スワール上流側吸気ポート16を、シリンダ10周壁側で且つスワール上流側である領域2と、シリンダ10中心側で且つスワール下流側である領域3と、に分割する仕切壁36を設ける。この仕切壁36をスワール上流側吸気ポート16に設けることによって、圧縮行程終期における燃焼室12内の成層度を向上させる。
ここで、図6(A)に示すように、仕切壁36が無く、スワール上流側吸気ポート16からEGR成分を含むガス(EGR率53.2%)をシリンダ10内に吸入するとともに、スワール下流側吸気ポート18から新気をシリンダ10内に吸入することで、正成層化を行う場合の解析結果を図6(B),(C)に示す。図6(B)は圧縮行程中期におけるシリンダ10内の排気成分に関する濃度分布を示し、図6(C)は圧縮行程終期における燃焼室12内の排気成分に関する濃度分布を示す。
一方、図6(D)に示すように、スワール上流側吸気ポート16に仕切壁36を設け、領域2からほぼEGR成分で満たされたガス(EGR率96.9%)をシリンダ10内に吸入するとともに、領域3及びスワール下流側吸気ポート18から新気をシリンダ10内に吸入することで、正成層化を行う場合の解析結果を図6(E),(F)に示す。図6(E)は圧縮行程中期におけるシリンダ10内の排気成分に関する濃度分布を示し、図6(F)は圧縮行程終期における燃焼室12内の排気成分に関する濃度分布を示す。なお、図6(B),(C)と図6(E),(F)とで、シリンダ10内平均のEGR率がほぼ等しくなるように、シリンダ10内へ吸入するガスのEGR率が設定されている。
図6(C),(F)に示すように、スワール上流側吸気ポート16に仕切壁36を設けて領域2からシリンダ10内へEGRガスを吸入させることにより、圧縮行程終期における燃焼室12内の排気成分に関する成層度(最も濃度が濃い部分と最も濃度が薄い部分との比)を1.3から1.5に向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態においては、スワール上流側吸気ポート16を、シリンダ10周壁側で且つスワール上流側である領域2と、シリンダ10中心側で且つスワール下流側である領域3と、に分割する仕切壁36が設けられている。そして、領域2からシリンダ10内に吸入されるガスにおける所定成分の濃度を、領域3からシリンダ10内に吸入されるガス及びスワール下流側吸気ポート18からシリンダ10内に吸入されるガスにおける所定成分の濃度より濃くすることにより、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの所定成分に関する正成層化の度合いを向上させることができる。したがって、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化をより適切に行うことができる。
「第2実施形態」
図7は、本発明の第2実施形態に係る内燃機関の構成の概略を示す模式図であり、シリンダ及び吸気ポートの上面図を示す。本実施形態においては、第1実施形態と比較して、スワール上流側吸気ポート16の領域3とシリンダ10内とを開閉可能なバルブ40が設けられている。
本実施形態において、燃焼室12内のガスの所定成分に関する成層化を行うときは、バルブ40を閉じて領域3からシリンダ10内へのガスの吸入を遮断する。そして、スワール下流側吸気ポート18から第1吸気ガス52を吸入してシリンダ10内上側にスワール流を形成するとともに、スワール上流側吸気ポート16の領域2から第2吸気ガス54を吸入してシリンダ10内下側にスワール流を形成する。さらに、吸気行程において、領域2からの第2吸気ガス54がスワール下流側吸気ポート18からの第1吸気ガス52より早期にシリンダ10内に吸入されるように、スワール上流側吸気バルブ20をスワール下流側吸気バルブ22より早期に開ける。図8(A),(B)はその例を示し、図8(A)はスワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早期に開くようにスワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期の位相をずらした場合を示す。そして、図8(B)はスワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早期に開き、フルリフトタイミングが早く、且つ開弁期間及びフルリフト量が多い場合を示す。このように、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで、開弁タイミングだけでなく、開弁期間及びフルリフト量の少なくとも一方を異ならせることも可能である。
ここで、第2吸気ガス54における所定成分の濃度を第1吸気ガス52における所定成分の濃度より濃くすることにより、所定成分に関する正成層化を行うことができる。一方、第1吸気ガス52における所定成分の濃度を第2吸気ガス54における所定成分の濃度より濃くすることにより、所定成分に関する逆成層化を行うことができる。
また、成層化を行わない場合は、バルブ40を開け、第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とで所定成分の濃度をほぼ等しくする。さらに、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期を同位相にする。成層化を行う場合と行わない場合とで吸気バルブのリフト特性が異なるが、リフト特性を異ならせることについては周知の可変バルブタイミング機構を用いることで実現可能である。
なお、他の構成及び動作については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
ここで、仕切壁36及びバルブ40が無く、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期が同位相である場合の解析結果を図9(A)に示す。図9(A)は、スワール上流側吸気ポート16からEGR成分を含むガスをシリンダ10内に吸入するとともにスワール下流側吸気ポート18から新気をシリンダ10内に吸入することで、排気成分に関する正成層化を行う場合であり、圧縮行程におけるシリンダ10内の排気成分の濃度分布を示す。
次に、仕切壁36を設けてバルブ40を閉じ、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期が同位相である場合の解析結果を図9(B)に示す。図9(B)も、スワール上流側吸気ポート16からEGR成分を含むガスをシリンダ10内に吸入するとともにスワール下流側吸気ポート18から新気をシリンダ10内に吸入することで、排気成分に関する正成層化を行う場合であり、圧縮行程におけるシリンダ10内の排気成分の濃度分布を示す。図9(B)の解析結果によれば、図9(A)の解析結果よりスワール強度は向上するが、圧縮行程終期において成層化が行われない。
次に、仕切壁36を設けてバルブ40を閉じ、スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早期に開くようにスワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期の位相をずらした場合の解析結果を図9(C)に示す。図9(C)も、スワール上流側吸気ポート16からEGR成分を含むガスをシリンダ10内に吸入するとともにスワール下流側吸気ポート18から新気をシリンダ10内に吸入することで、排気成分に関する正成層化を行う場合であり、圧縮行程におけるシリンダ10内の排気成分の濃度分布を示す。なお、図9(A)〜(C)で、シリンダ10内平均のEGR率がほぼ等しくなるように、シリンダ10内へ吸入するガスのEGR率が設定されている。
図9(C)の解析結果によれば、図9(A)の解析結果よりスワール強度が向上し、成層度も向上させることができる。さらに、濃度分布の軸対称性も向上させることができる。
このように、本実施形態においては、領域3からシリンダ10内へのガスの吸入を遮断し、スワール下流側吸気ポート18からシリンダ10内に吸入される第1吸気ガス52と領域3からシリンダ10内へ吸入される第2吸気ガス54とで所定成分の濃度を異ならせている。さらに、スワール上流側吸気バルブ20をスワール下流側吸気バルブ22より早期に開けることにより、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの所定成分に関する成層化の度合いを向上させることができる。したがって、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化をより適切に行うことができる。
「第3実施形態」
本実施形態においては、第1実施形態と比較してスワール上流側吸気ポート16の仕切壁36が省略されている。
本実施形態において、燃焼室12内のガスの所定成分に関する成層化を行うときは、所定成分の濃度が濃い方の吸気ガスのシリンダ10内への吸入量を所定成分の濃度が薄い方の吸気ガスより少なくする。そのために、所定成分の濃度が濃い方の吸気ガスをシリンダ10内へ吸入させる吸気バルブは、所定成分の濃度が薄い方の吸気ガスをシリンダ10内へ吸入させる吸気バルブより開弁期間及びフルリフト量の少なくとも一方が少ない。これによって、所定成分の濃度が濃い方の吸気ガスのシリンダ10内への吸入量が減少する分、その吸気ガスにおける所定成分の濃度を濃くすることができるので、成層度を向上させることができる。以下、本実施形態におけるスワール上流側吸気バルブ20及びスワール下流側吸気バルブ22のリフト特性について、幾つか具体例を挙げて説明する。
図10(A)〜(C)は、スワール下流側吸気ポート18から所定成分の濃度が濃い方の第1吸気ガス52を吸入してシリンダ10内上側にスワール流を形成するとともに、スワール上流側吸気ポート16から所定成分の濃度が薄い方の第2吸気ガス54を吸入してシリンダ10内下側にスワール流を形成することにより、逆成層化を行う場合のバルブリフト特性例を示す。一方、図10(D)、(E)は、スワール下流側吸気ポート18から所定成分の濃度が薄い方の第1吸気ガス52を吸入してシリンダ10内上側にスワール流を形成するとともに、スワール上流側吸気ポート16から所定成分の濃度が濃い方の第2吸気ガス54を吸入してシリンダ10内下側にスワール流を形成することにより、正成層化を行う場合のバルブリフト特性例を示す。
図10(A)は、スワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20より開弁期間及びフルリフト量が少ない場合を示す。さらに、スワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20より遅いタイミングで開き且つフルリフトタイミングが遅く、スワール下流側吸気バルブ22がスワール上流側吸気バルブ20とほぼ同じタイミングで閉じる場合を示す。
図10(B)は、スワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20より開弁期間が少ない場合を示す。さらに、スワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20より遅いタイミングで開きフルリフトタイミングが遅く且つ遅いタイミングで閉じる場合を示す。なお、図10(B)の場合は、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで、フルリフト量はほぼ等しい。
図10(C)は、スワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20よりフルリフト量が少ない場合を示す。さらに、スワール下流側吸気バルブ22はスワール上流側吸気バルブ20とほぼ同じタイミングで開きフルリフトタイミングがほぼ同じで且つほぼ同じタイミングで閉じる場合を示す。
図10(D)は、スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より開弁期間及びフルリフト量が少ない場合を示す。さらに、スワール上流側吸気バルブ20がスワール下流側吸気バルブ22とほぼ同じタイミングで開き、フルリフトタイミングが早く且つ早いタイミングで閉じる場合を示す。
図10(E)は、スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より開弁期間が少ない場合を示す。さらに、スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早いタイミングで開きフルリフトタイミングが早く且つ早いタイミングで閉じる場合を示す。なお、図10(E)の場合は、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで、フルリフト量はほぼ等しい。
また、成層化を行わない場合は、第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とで所定成分の濃度をほぼ等しくし、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期を同位相にする。成層化を行う場合と行わない場合とで吸気バルブのリフト特性が異なるが、リフト特性を異ならせることについては周知の可変バルブタイミング機構を用いることで実現可能である。
なお、他の構成及び動作については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
ここで、図11(A)に示すようにスワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期が同位相、すなわち第1吸気ガス52と第2吸気ガス54とでシリンダ10内への吸入量がほぼ等しい場合におけるシリンダ10内の予混合気に関する濃度分布の解析結果を図11(B)〜(D)に示す。図11(B)は吸気行程中期における濃度分布を示し、図11(C)は圧縮行程初期における濃度分布を示し、図11(D)は圧縮行程終期における濃度分布を示す。また、図11(B)〜(D)は、シリンダ10内平均で当量比がほぼ0.2となるように、スワール下流側吸気ポート18から予混合気が濃い方の第1吸気ガス52(当量比0.4)をシリンダ10内に吸入するとともに、スワール上流側吸気ポート16から予混合気が薄い方の第2吸気ガス54(当量比0)をシリンダ10内に吸入した場合の解析結果である。
一方、図11(E)に示すようにスワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20より開弁期間及びフルリフト量が少ない場合におけるシリンダ10内の予混合気に関する濃度分布の解析結果を図11(F)〜(H)に示す。図11(F)は吸気行程中期における濃度分布を示し、図11(G)は圧縮行程初期における濃度分布を示し、図11(H)は圧縮行程終期における濃度分布を示す。また、図11(F)〜(H)は、シリンダ10内平均で当量比がほぼ0.2となるように、スワール下流側吸気ポート18から予混合気が濃い方の第1吸気ガス52(当量比0.9)をシリンダ10内に吸入するとともに、スワール上流側吸気ポート16から予混合気が薄い方の第2吸気ガス54(当量比0)をシリンダ10内に吸入した場合の解析結果である。
図11に示すように、本実施形態の吸気バルブのリフト特性により、圧縮行程終期における燃焼室12内の予混合気に関する成層度を1.3から2.5に向上させることができる。このように、本実施形態においては、所定成分の濃度が濃い方の吸気ガスのシリンダ10内への吸入量を所定成分の濃度が薄い方の吸気ガスより少なくすることにより、圧縮行程終期における燃焼室12内のガスの成層度を向上させることができる。したがって、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化をより適切に行うことができる。
「第4実施形態」
本実施形態においても、第1実施形態と比較してスワール上流側吸気ポート16の仕切壁36が省略されている。そして、本実施形態においては、スワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18の形状の一例は、図12に示すように、ともにヘリカルポート形状である。
本実施形態の構成において、まずスワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで、図13(A)に示すように開弁時期が同位相である場合を考える。その場合におけるシリンダ10内の排気成分に関する濃度分布の解析結果を図13(B)〜(D)に示す。ここで、図13(B)は圧縮行程初期における濃度分布を示し、図13(C)は圧縮行程中期における濃度分布を示し、図13(D)は圧縮行程後期における濃度分布を示す。また、図13(B)〜(D)は、スワール下流側吸気ポート18からEGR率の低い方の第1吸気ガス52をシリンダ10内に吸入するとともに、スワール上流側吸気ポート16からEGR率の高い方の第2吸気ガス54をシリンダ10内に吸入した場合の解析結果である。
スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期が同位相である場合は、スワール下流側吸気ポート18から吸入された第1吸気ガス52及びスワール上流側吸気ポート16から吸入された第2吸気ガス54は、シリンダ10内上側及び下側に濃度の異なるスワール流を形成しない。そして、図13(B)〜(D)に示すように、第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54は、吸気行程後には絡み合う2つの螺旋状の流れを形成し、圧縮行程後期には混ざり合って成層化が行われない。すなわち、この場合、圧縮行程終期における成層状態は「均質」となる。
次に、スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早期に開くように、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁時期の位相をずらした場合(図13(E)に示す場合)を考える。その場合におけるシリンダ10内の排気成分に関する濃度分布の解析結果を図13(F)〜(I)に示す。図13(F)は圧縮行程初期における濃度分布を示し、図13(G)は圧縮行程中期における濃度分布を示し、図13(H)は圧縮行程後期における濃度分布を示し、図13(I)は圧縮行程終期における濃度分布を示す。また、図13(F)〜(I)は、スワール下流側吸気ポート18からEGR率の低い方の第1吸気ガス52をシリンダ10内に吸入するとともに、スワール上流側吸気ポート16からEGR率の高い方の第2吸気ガス54をシリンダ10内に吸入した場合の解析結果である。
スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早く開くことで、吸気行程の際にスワール上流側吸気ポート16から吸入された第2吸気ガス54がピストン14の下死点への移動によりシリンダ10内下側へ引っ張られてシリンダ10内下側にスワール流を形成するとともに、スワール下流側吸気ポート18から吸入された第1吸気ガス52がシリンダ10内上側にスワール流を形成する。したがって、吸気行程の際に、シリンダ10内下側の排気成分の濃度がシリンダ10内上側の排気成分の濃度より濃い状態で、排気成分に関する成層化が行われる。その後、図13(F)〜(H)に示すように圧縮行程の際にもこの成層状態が維持され、図13(I)に示すように圧縮行程終期において排気成分に関する正成層化が行われる。
一方、スワール上流側吸気バルブ20の方がスワール下流側吸気バルブ22より早期に開く状態で、スワール下流側吸気ポート18からEGR率の高い方の第1吸気ガス52をシリンダ10内に吸入するとともにスワール上流側吸気ポート16からEGR率の低い方の第2吸気ガス54をシリンダ10内に吸入することにより、圧縮行程終期において排気成分に関する逆成層化が行われる。
また、スワール下流側吸気バルブ22の方がスワール上流側吸気バルブ20より早期に開く場合は、吸気行程の際に第1吸気ガス52の方がシリンダ10内下側にスワール流を形成する。この場合は、スワール下流側吸気ポート18からEGR率の高い方の第1吸気ガス52をシリンダ10内に吸入するとともにスワール上流側吸気ポート16からEGR率の低い方の第2吸気ガス54をシリンダ10内に吸入することにより、圧縮行程終期において排気成分に関する正成層化が行われる。一方、スワール下流側吸気ポート18からEGR率の低い方の第1吸気ガス52をシリンダ10内に吸入するとともにスワール上流側吸気ポート16からEGR率の高い方の第2吸気ガス54をシリンダ10内に吸入することにより、圧縮行程終期において排気成分に関する逆成層化が行われる。ただし、スワール下流側吸気バルブ22及びスワール上流側吸気バルブ20の両方が開いているときは、スワール上流側吸気ポート16からの第2吸気ガス54がスワール下流側吸気ポート18からの第1吸気ガス52よりシリンダ10内下側へ流れようとする。したがって、スワール下流側吸気バルブ22の方をスワール上流側吸気バルブ20より早期に開けることにより成層化を行う場合は、スワール下流側吸気バルブ22の開弁時期とスワール上流側吸気バルブ20の開弁時期とのオーバーラップ期間が短い方が好ましい。
なお、他の構成及び動作については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態においては、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁タイミングが同じときは、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化が行われない。ただし、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁タイミングが異なるときは、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化が行われる。このように、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで開弁タイミングを異ならせることにより、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの成層化を行うことができる。したがって、吸気ポート16,18周辺の構成が複雑化することなく、燃焼室12内のガスの成層化を行うことができる。
なお、成層化を行う場合と行わない場合とで吸気バルブのリフト特性が異なるが、リフト特性を異ならせることについては周知の可変バルブタイミング機構を用いることで実現可能である。また、本実施形態においても、スワール上流側吸気バルブ20とスワール下流側吸気バルブ22とで、開弁タイミングだけでなく、開弁期間及びフルリフト量の少なくとも一方を異ならせることも可能である。その場合は、第3実施形態と同様に、所定成分の濃度が濃い方のガスをシリンダ10内へ吸入させる吸気バルブについて、開弁期間及びフルリフト量の少なくとも一方を少なくすることが好ましい。
「第5実施形態」
本実施形態においても、第1実施形態と比較してスワール上流側吸気ポート16の仕切壁36が省略されている。そして、本実施形態においては、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの排気成分に関する成層化を行う。
正成層化を行う場合は、図14(A)に示すように、スワール上流側吸気バルブ20及びスワール下流側吸気バルブ22を開ける前に、シリンダ10内を排気成分(残留ガス)で略満たした状態にする。ここで、図15(A)のバルブタイミング線図に示すように、排気行程の際にピストン14が上死点に達して下死点側への移動を開始しても、吸気バルブ20,22を開けることなく排気バルブ28,30を開状態とすることにより、排気ポート24,26の排気成分をシリンダ10内へ逆流させる。この排気成分の逆流によって、吸気バルブ20,22を開ける前にシリンダ10内を排気成分で略満たすことができる。あるいは、図15(B)のバルブタイミング線図に示すように、排気行程の際にピストン14が上死点に達する前に排気バルブ28,30を閉じてシリンダ10内の排気成分(残留ガス)を閉じこめることによっても、吸気バルブ20,22を開ける前にシリンダ10内を排気成分(残留ガス)で略満たすことができる。なお、図15(B)のバルブタイミング線図においては、バルブオーバーラップ期間は無く、排気バルブ28,30が閉じた後にクランク軸が所定角度回転してから吸気バルブ20,22が開く(負のオーバーラップ)。
そして、図14(B)に示すように、シリンダ10内が排気成分(残留ガス)で略満たされておりピストン14が下死点側へ移動しているときに、吸気バルブ20,22を開ける。吸気バルブ20,22が開くと、スワール下流側吸気ポート18及びスワール上流側吸気ポート16から第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54がそれぞれシリンダ10内に吸入される。ここで、第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54は、例えばともに新気である。そして、シリンダ10下方向の速度成分が小さい吸気ガス52,54のスワール流がシリンダ10内上側に形成されるように、スワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18の形状が設定されている。一例を挙げると、スワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18の形状は、ともにヘリカルポート形状とする。吸気バルブ20,22が開くと、図14(B)に示すように、シリンダ10内の排気成分(残留ガス)は第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54(ともに新気)のスワール流により押しのけられるとともに、ピストン14の下死点への下降によりシリンダ10内下側に引っ張られて下降する。
その結果、圧縮行程開始時(吸気行程後)には、図14(C)に示すように、シリンダ10内上側には新気が主に分布し、シリンダ10内下側には排気成分(残留ガス)が主に分布する。すなわち、圧縮行程開始時において、シリンダ10内下側の排気成分(残留ガス)の濃度がシリンダ10内上側の排気成分(残留ガス)の濃度より濃い状態で、排気成分(残留ガス)に関する成層化が行われる。この圧縮行程開始時における排気成分に関する成層化によって、圧縮行程終期において排気成分に関する正成層化が行われる。
一方、逆成層化を行う場合は、図16(A)に示すように、まず吸気行程の際にスワール下流側吸気バルブ22及びスワール上流側吸気バルブ20が開き、スワール下流側吸気ポート18及びスワール上流側吸気ポート16から第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54がそれぞれシリンダ10内に吸入される。ここで、第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54は、例えばともに新気である。また、シリンダ10内に僅かに残っていた排気成分(残留ガス)は、シリンダ10内にほぼ均等に拡散する。
そして、図17のバルブタイミング線図に示すように、ピストン14が下死点に達する前に吸気バルブ20,22を閉じる。その後排気バルブを一時的に開けることにより、排気ポートの排気成分をシリンダ10内に逆流させる。ここで、吸気ガス52,54のスワール流と同一方向でシリンダ10下方向の速度成分が小さい排気成分56のスワール流がシリンダ10内上側に形成されるように、排気ポートの形状及び開ける排気バルブが設定されている。例えば、図18(A)に示すように、スワール上流側排気ポート24及びスワール下流側排気ポート26の形状をともにスワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18と略同一形状のヘリカルポート形状とする。この場合は、吸気バルブ20,22を閉じた後にスワール上流側排気バルブ28とスワール下流側排気バルブ30の両方を開ける。あるいは、図18(B)に示すように、スワール上流側排気ポート24及びスワール下流側排気ポート26の形状をタンジェンシャルポート形状とすることもできる。この場合は、吸気バルブ20,22を閉じた後にスワール上流側排気バルブ28を開けずにスワール下流側排気バルブ30のみを開ける。排気バルブが開いて排気ポートの排気成分56がシリンダ10内に逆流すると、図16(B)に示すように、シリンダ10内の新気は排気成分56のスワール流により押しのけられるとともに、ピストン14の下死点への下降によりシリンダ10内下側に引っ張られて下降する。
その結果、圧縮行程開始時には、図16(C)に示すように、シリンダ10内上側には排気成分が主に分布し、シリンダ10内下側には新気が主に分布する。すなわち、圧縮行程開始時において、シリンダ10内上側の排気成分の濃度がシリンダ10内下側の排気成分の濃度より濃い状態で、排気成分に関する成層化が行われる。この圧縮行程開始時における排気成分に関する成層化によって、圧縮行程終期において排気成分に関する逆成層化が行われる。
ここで、排気成分に関する正成層化を行う場合における吸気バルブ20,22を開くタイミングについては、成層化を行わない「均質」の場合よりタイミングが遅くなる。そして、正成層化を行う場合における排気バルブ28,30を閉じるタイミングについては、図15(A)に示すバルブタイミング線図の場合は「均質」の場合よりタイミングが遅くなり、図15(B)に示すバルブタイミング線図の場合は「均質」の場合よりタイミングが早くなる。一方、排気成分に関する逆成層化を行う場合における吸気バルブ20,22を閉じるタイミングについては、「均質」の場合よりタイミングが早くなる。このように、排気成分に関する成層化を行う場合と行わない場合とで、吸気バルブ20,22及び排気バルブ28,30のリフト特性が異なるが、リフト特性を異ならせることについては周知の可変バルブタイミング機構を用いることで実現可能である。
なお、他の構成及び動作については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。また、本実施形態のように、排気ポートの排気成分を吸気ポートへ環流させることなく行うEGRを内部EGRと称することにする。
このように、本実施形態においては、排気ポートの排気成分を吸気ポートへ環流させる外部EGRを用いることなく、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの排気成分に関する成層化を行うことができる。したがって、燃焼室12内のガスの排気成分に関する成層化をより適切に行うことができる。さらに、燃焼室12内における正成層〜均質〜逆成層の成層状態の変更を応答よく行うことができる。
「第6実施形態」
本実施形態においても第5実施形態と同様に、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの排気成分に関する成層化を行う。ただし、本実施形態では、第5実施形態の内部EGRと外部EGRの両方を用いる。
正成層化を行う場合は、図19(A)に示すように、スワール上流側吸気バルブ20及びスワール下流側吸気バルブ22を開ける前に、シリンダ10内を排気成分(残留ガス)で略満たした状態にする。吸気バルブ20,22を開ける前にシリンダ10内を排気成分(残留ガス)で略満たす動作については、第5実施形態と同様であるため説明を省略する。
そして、図19(B)に示すように、シリンダ10内が排気成分(残留ガス)で略満たされておりピストン14が下死点側へ移動しているときに、吸気バルブ20,22を開ける。吸気バルブ20,22が開くと、スワール下流側吸気ポート18及びスワール上流側吸気ポート16から第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54がそれぞれシリンダ10内に吸入される。ここで、第1吸気ガス52は例えば新気であり、第2吸気ガス54は例えばEGR成分を含むガス(排気成分のみ、またはEGR率の高いガス)である。そして、シリンダ10下方向の速度成分が小さい第1吸気ガス52のスワール流がシリンダ10内上側に形成され第2吸気ガス54のスワール流がシリンダ10内下側に形成されるように、スワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18の形状が設定されている。例えば、スワール上流側吸気ポート16の形状はタンジェンシャルポート形状とし、スワール下流側吸気ポート18の形状はヘリカルポート形状とする。吸気バルブ20,22が開くと、図19(B)に示すように、シリンダ10内の排気成分は第1吸気ガス52(新気)のスワール流により押しのけられるとともに、ピストン14の下死点への下降によりシリンダ10内下側に引っ張られて下降する。
その結果、圧縮行程開始時(吸気行程後)には、図19(C)に示すように、シリンダ10内上側には新気が主に分布し、シリンダ10内下側には排気成分が主に分布する。すなわち、圧縮行程開始時において、シリンダ10内下側の排気成分の濃度がシリンダ10内上側の排気成分の濃度より濃い状態で、排気成分に関する成層化が行われる。この圧縮行程開始時における排気成分に関する成層化によって、圧縮行程終期において排気成分に関する正成層化が行われる。
一方、逆成層化を行う場合は、図20(A)に示すように、まず吸気行程の際にスワール下流側吸気バルブ22及びスワール上流側吸気バルブ20が開き、スワール下流側吸気ポート18及びスワール上流側吸気ポート16から第1吸気ガス52及び第2吸気ガス54がそれぞれシリンダ10内に吸入される。ここで、第1吸気ガス52は例えばEGR成分を含むガス(排気成分のみ、またはEGR率の高いガス)であり、第2吸気ガス54は例えば新気である。そして、既述の正成層化を行う例と同様に、シリンダ10下方向の速度成分が小さい第1吸気ガス52のスワール流がシリンダ10内上側に形成され第2吸気ガス54のスワール流がシリンダ10内下側に形成されるように、スワール上流側吸気ポート16及びスワール下流側吸気ポート18の形状が設定されている。
そして、図17に示すように、ピストン14が下死点に達する前に吸気バルブ20,22を閉じる。その後排気バルブを一時的に開くことにより、排気ポートの排気成分をシリンダ10内に逆流させる。ここで、既述の第5実施形態と同様に、吸気ガス52,54のスワール流と同一方向でシリンダ10下方向の速度成分が小さい排気成分56のスワール流がシリンダ10内上側に形成されるように、排気ポートの形状及び開ける排気バルブが設定されている。例えば、スワール上流側排気ポート24及びスワール下流側排気ポート26の形状をともにスワール下流側吸気ポート18と略同一形状のヘリカルポート形状とし、吸気バルブ20,22を閉じた後にスワール上流側排気バルブ28とスワール下流側排気バルブ30の両方を開ける。あるいは、スワール上流側排気ポート24及びスワール下流側排気ポート26の形状をタンジェンシャルポート形状とし、吸気バルブ20,22を閉じた後にスワール上流側排気バルブ28を開けずにスワール下流側排気バルブ30のみを開ける。排気バルブが開いて排気ポート内の排気成分56がシリンダ10内に逆流すると、図20(B)に示すように、シリンダ10内の新気はピストン14の下死点への下降によりシリンダ10内下側に引っ張られて下降する。
その結果、圧縮行程開始時には、図20(C)に示すように、シリンダ10内上側には排気成分が主に分布し、シリンダ10内下側には新気が主に分布する。すなわち、圧縮行程開始時において、シリンダ10内上側の排気成分の濃度がシリンダ10内下側の排気成分の濃度より濃い状態で、排気成分に関する成層化が行われる。この圧縮行程開始時における排気成分に関する成層化によって、圧縮行程終期において排気成分に関する逆成層化が行われる。
なお、他の構成及び動作については第5実施形態と同様であるため説明を省略する。
本実施形態においても、内部EGRを用いて排気成分に関する成層化を行うことにより、燃焼室12内のガスの排気成分に関する成層化をより適切に行うことができる。さらに、燃焼室12内における正成層〜均質〜逆成層の成層状態の変更を応答よく行うことができる。
ここで、図15(B)のバルブタイミング線図により内部EGRを行うことで正成層化を行った場合の解析結果を図21に示す。このように、本実施形態によれば、内部EGRを用いることにより、圧縮行程終期において燃焼室12内のガスの排気成分に関する成層化を行うことができる。
各実施形態において、正成層〜均質〜逆成層の成層状態については、内燃機関の回転速度及び負荷等の運転状態に応じて変更することも可能である。例えば、排気成分に関する成層化の場合は、低回転速度及び低負荷運転のときは正成層化を行い、中回転速度及び中負荷運転のときは均質化を行い、高回転速度及び高負荷運転のときは逆成層化を行うことも可能である。
各実施形態における燃焼室12内のガスの成層化の具体例については、主に排気成分に関する成層化の場合について説明した。ただし、第1〜4実施形態においては、例えば予混合気の成層化等、他の種類のガスに関する成層化も行うことができる。
また、本発明は、火花点火機関及び圧縮点火機関に関係なく適用可能である。そして、本発明は、燃料を吸気管内に噴射する内燃機関及び燃料を筒内に直接噴射する内燃機関に関係なく適用可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の内部構成の概略を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る内燃機関の構成の概略を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る内燃機関の構成の概略を示す上面図である。 圧縮行程におけるシリンダ内のガスの濃度分布を示す図である。 スワール上流側吸気ポートを4分割した場合における燃焼室内のガスの濃度分布を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る内燃機関による成層度向上を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関の構成の概略を示す上面図である。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関の動作を説明するための吸気バルブのリフト特性例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関による成層度向上を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る内燃機関の動作を説明するための吸気バルブのリフト特性例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る内燃機関による成層度向上を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る内燃機関の構成の概略を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る内燃機関による成層度向上を示す図である。 本発明の第5実施形態に係る内燃機関の動作を説明する図である。 本発明の第5実施形態に係る内燃機関の動作を説明するためのバルブタイミング線図である。 本発明の第5実施形態に係る内燃機関の動作を説明する図である。 本発明の第5実施形態に係る内燃機関の動作を説明するためのバルブタイミング線図である。 本発明の第5実施形態に係る内燃機関に用いられる排気ポートの例を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る内燃機関の動作を説明する図である。 本発明の第6実施形態に係る内燃機関の動作を説明する図である。 本発明の第6実施形態に係る内燃機関による成層度向上を示す図である。
符号の説明
10 シリンダ、12 燃焼室、14 ピストン、16 スワール上流側吸気ポート、18 スワール下流側吸気ポート、20 スワール上流側吸気バルブ、22 スワール下流側吸気バルブ、24 スワール上流側排気ポート、26 スワール下流側排気ポート、28 スワール上流側排気バルブ、30 スワール下流側排気バルブ、36 仕切壁、40 バルブ、52 第1吸気ガス、54 第2吸気ガス。

Claims (17)

  1. 吸気行程においてシリンダ内上側及び下側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成されるように、スワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートからそれぞれ所定成分の濃度が異なるガスをシリンダ内へ吸入することで、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化を行う内燃機関であって、
    スワール上流側吸気ポートを、シリンダ周壁側で且つスワール上流側である第1領域と、シリンダ中心側で且つスワール下流側である第2領域と、に分割する仕切壁が設けられており、
    前記第1領域からシリンダ内に吸入されるガスは、スワール下流側吸気ポートからシリンダ内に吸入されるガスと所定成分の濃度が異なることを特徴とする内燃機関。
  2. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    前記第1領域からシリンダ内に吸入されるガスは、前記第2領域からシリンダ内に吸入されるガス及びスワール下流側吸気ポートからシリンダ内に吸入されるガスより所定成分の濃度が濃いことを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項1に記載の内燃機関であって、
    スワール上流側吸気ポートには、前記第2領域からシリンダ内へのガスの吸入を遮断する遮断手段が設けられており、
    吸気行程において前記第1領域のガスがスワール下流側吸気ポートのガスより早期にシリンダ内に吸入されることを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    スワール上流側吸気ポートはタンジェンシャルポートであり、スワール下流側吸気ポートはヘリカルポートであることを特徴とする内燃機関。
  5. 吸気行程においてシリンダ内上側及び下側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成されるように、スワール上流側吸気バルブ及びスワール下流側吸気バルブを開けてスワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートからそれぞれ所定成分の濃度が異なるガスをシリンダ内へ吸入することで、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化を行う内燃機関であって、
    所定成分の濃度が濃い方のガスは、所定成分の濃度が薄い方のガスよりシリンダ内への吸入量が少ないことを特徴とする内燃機関。
  6. 請求項5に記載の内燃機関であって、
    所定成分の濃度が濃い方のガスをシリンダ内へ吸入させる吸気バルブは、所定成分の濃度が薄い方のガスをシリンダ内へ吸入させる吸気バルブより開弁期間及びフルリフト量の少なくとも一方が少ないことを特徴とする内燃機関。
  7. 吸気行程においてスワール上流側吸気バルブ及びスワール下流側吸気バルブを開けてスワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートからそれぞれ所定成分の濃度が異なるガスをシリンダ内へ吸入する内燃機関であって、
    スワール上流側吸気バルブとスワール下流側吸気バルブとが略同時に開く場合は、シリンダ内下側及び上側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成されないようにスワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートの形状が設定されており、
    スワール上流側吸気バルブとスワール下流側吸気バルブとで開弁タイミングを異ならせることにより、シリンダ内下側及び上側に所定成分の濃度が異なるガスのスワール流が形成され、圧縮行程終期において燃焼室内のガスの所定成分に関する成層化が行われることを特徴とする内燃機関。
  8. 請求項7に記載の内燃機関であって、
    スワール上流側吸気ポート及びスワール下流側吸気ポートは、ともにヘリカルポートであることを特徴とする内燃機関。
  9. 圧縮行程終期において燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化を行う内燃機関であって、
    吸気行程の際に、シリンダ内が排気成分で略満たされておりピストンが下死点側へ移動しているときに吸気バルブを開け、吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成することにより、圧縮行程開始時においてシリンダ下側の排気成分の濃度がシリンダ上側より濃いことを特徴とする内燃機関。
  10. 請求項9に記載の内燃機関であって、
    排気行程の際に、ピストンが上死点に達して下死点側へ移動しても吸気バルブを開けずに排気バルブを開状態にして、排気ポートの排気成分をシリンダ内へ逆流させることにより、吸気バルブを開ける前にシリンダ内を排気成分で略満たすことを特徴とする内燃機関。
  11. 請求項9に記載の内燃機関であって、
    排気行程の際に、ピストンが上死点に達する前に排気バルブを閉じてシリンダ内の排気成分を閉じこめることにより、吸気バルブを開ける前にシリンダ内を排気成分で略満たすことを特徴とする内燃機関。
  12. 請求項9〜11のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    シリンダ内が排気成分で略満たされておりピストンが下死点側へ移動しているときに、スワール下流側吸気バルブを開けスワール下流側吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成するとともに、スワール上流側吸気バルブを開けスワール下流側吸気ポートのガスより排気成分の濃いガスをスワール上流側吸気ポートから吸入してシリンダ内下側にスワール流を形成することを特徴とする内燃機関。
  13. 圧縮行程終期において燃焼室内のガスの排気成分に関する成層化を行う内燃機関であって、
    吸気行程の際にピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じて排気バルブを一時的に開け、排気ポートの排気成分を逆流させてシリンダ内上側にスワール流を形成することにより、圧縮行程開始時においてシリンダ上側の排気成分の濃度がシリンダ下側より濃いことを特徴とする内燃機関。
  14. 請求項13に記載の内燃機関であって、
    吸気行程の際に吸気ポートから吸入されたガスはシリンダ内にスワール流を形成し、
    シリンダ内上側に形成される排気成分のスワール流が吸気ポートから吸入されたガスのスワール流と同一方向であることを特徴とする内燃機関。
  15. 請求項14に記載の内燃機関であって、
    前記排気ポートは、スワール上流側排気ポート及びスワール下流側排気ポートにより構成され、
    前記排気バルブは、スワール上流側排気バルブ及びスワール下流側排気バルブにより構成され、
    スワール上流側排気ポート及びスワール下流側排気ポートはともにヘリカルポートであり、
    ピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じてスワール上流側排気バルブ及びスワール下流側排気バルブを一時的に開けることを特徴とする内燃機関。
  16. 請求項14に記載の内燃機関であって、
    前記排気ポートは、スワール上流側排気ポート及びスワール下流側排気ポートにより構成され、
    前記排気バルブは、スワール上流側排気バルブ及びスワール下流側排気バルブにより構成され、
    スワール下流側排気ポートはタンジェンシャルポートであり、
    ピストンが下死点に達する前に吸気バルブを閉じてスワール上流側排気バルブを開けずにスワール下流側排気バルブを一時的に開けることを特徴とする内燃機関。
  17. 請求項13〜16のいずれか1に記載の内燃機関であって、
    スワール上流側吸気バルブを開けスワール上流側吸気ポートからガスを吸入してシリンダ内下側にスワール流を形成するとともに、スワール下流側吸気バルブを開けスワール上流側吸気ポートのガスより排気成分の濃いガスをスワール下流側吸気ポートから吸入してシリンダ内上側にスワール流を形成することを特徴とする内燃機関。
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