JP2005127096A - 建物の開閉体用ロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電に伴う運動エネルギーのロスが少なく、発電効率が非常に効率的であり、また、発電のための操作ストロークが短くて済むため、操作レバーの操作力を非常に軽くすることができる建物の開閉体用ロック装置を提供する。
【解決手段】建物の開閉体用ロック装置を、自己発電可能で、かつ、送信機能を有して構成し、ロック装置のハウジング内には、該ハウジングに回転自在に軸支されてなる操作レバーと、該操作レバーの軸のハウジング内部に固定された主ギアと、該主ギアに噛合する従動ギアと、該従動ギアに固定された作動体と、上記ハウジングに一端部が固定され他端部に支持杆の中間部が連結されてなる固定杆と、上記支持杆の両端部に夫々固定された鋼球と、該鋼球の一方が揺動する範囲内に配設された圧電発電装置と、から構成し、上記鋼球を共振動させることにより圧電発電装置の圧電素子を連続的に殴打し発電するように構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、建物の窓や扉等の開閉体に取り付けられたクレセント錠等のロック装置に係り、特に、外部電源を用いることなく開閉体が不正に開けられたときに、該状態を通信により外部へと知らしめることが可能な建物の開閉体用ロック装置に関する。
近年、窓ガラスを壊し、ロック装置を開けて空き巣に入るピッキングと呼ばれる犯罪が多発しており、これを防ぐため各種のセキュリティ装置が提案されている。
このような窓やドア等に取り付けられる従来のセキュリティ装置は、一般的には、窓やドア等のロック部等に後付けされる方式のものが殆どであるため、外側から容易に発見されやすく、また、ガラスを壊す等して、その作動を故意に停止させることも可能である。しかも、サッシの開閉を利用したタイプのものにあっては、通信性能を確保するために、サッシの一部に切り欠きを開設しなければならず、かかる作業が非常に煩雑であり、また、この切り欠きにより外部から発見し易い、という課題を有していた。
さらに、従来のこの種のセキュリティ装置では、作動用電源の配線も後付けする必要であり、また、一家屋全部の窓やドアにこの従来のセキュリティ装置を取り付ける場合には、設備コスト及び工事コストが非常に高くなる他、全てのセキュリティ装置に、常時、電源を供給しておかなければならないため、ランニングコストも嵩む、という問題を有していた。
またさらに、上記従来のセキュリティ装置にあっては、同種のものを数多く取り付けなければならないため、開閉箇所の特定を瞬時に判断することが難しく、また、単体で機能するため、他のセキュリティシステムと複合させることが困難である等、実用上、非常に多くの解決しなければならない問題を有していた。
このような問題を解決するため、近年では、特許文献1に示す建物の開閉体が提案されている。
この先の発明によれば、外部から発見することが非常に難しく、また、外部配線工事も不要な自己発電・自動送信機能付きのモジュールを内蔵したロック装置が一体的に取り付けられた窓や扉等の建物用の開閉体とすることで、従来の開閉体自体の構造を変更することなく、非常に高いセキュリティ性能を簡単に得ることができると共に、従来のような専門の電気配線工事も不要となるので工事費を大幅にカットすることができ、しかも、発信器毎にIDを設定できるため、受信側で発信箇所を瞬時に特定することができて、従来の集中セキュリティシステムとも容易にジョイント可能であり、さらには、外部電源を必要としないので、外部電源が遮断された場合でも機能させることができ、ランニングコストもほとんど掛からない建物の開閉体が提供される。
特願2002−253046号
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、上記先の発明を技術的前提とし、発電に伴う運動エネルギーのロスが少なく、発電効率が非常に効率的であり、また、発電のための操作ストロークが短くて済むため、操作レバーの操作力を非常に軽くすることができる建物の開閉体用ロック装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するため、この発明に係る建物の開閉体用ロック装置は、請求項1に記載したように、建物の窓や扉等の開閉体を開閉自在にロック自在なロック装置を、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを有して構成し、該ロック装置のハウジング内には、該ハウジングに回転自在に軸支されてなる操作レバーと、該操作レバーの軸のハウジング内部に固定された主ギアと、該主ギアに噛合する従動ギアと、該従動ギアに固定された作動体と、上記ハウジングに一端部が固定され他端部に支持杆の中間部が連結されてなる固定杆と、上記支持杆の両端部に夫々固定された鋼球と、該鋼球の一方が揺動する範囲内に配設された圧電発電装置と、を有して構成されてなり、上記鋼球の他方は、上記操作レバーの回動に伴い正逆回転する従動ギアの作動体によって殴打されて振動し、この他方の鋼球の振動に伴い共振動を開始する上記一方の鋼球が圧電発電装置の圧電素子を連続的に殴打することで発電し、該発電された電力を利用して上記モジュールを作動させることで、当該ロック装置の施錠又は開錠状態の情報を通信することを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の圧電発電装置に、上記圧電素子の歪変形により発電された電流を整流する整流回路を配設したことを特徴とする。
以上説明したように、この発明に係る建物の開閉体用ロック装置は、建物の窓や扉等の開閉体を開閉自在にロック自在なロック装置を、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを有して構成し、ロック装置のハウジング内には、該ハウジングに回転自在に軸支されてなる操作レバーと、該操作レバーの軸のハウジング内部に固定された主ギアと、該主ギアに噛合する従動ギアと、該従動ギアに固定された作動体と、上記ハウジングに一端部が固定され他端部に支持杆の中間部が連結されてなる固定杆と、上記支持杆の両端部に夫々固定された鋼球と、該鋼球の一方が揺動する範囲内に配設された圧電発電装置と、を有して構成されてなり、上記鋼球の他方は、上記操作レバーの回動に伴い正逆回転する従動ギアの作動体によって殴打されて振動し、この他方の鋼球の振動に伴い共振動を開始する上記一方の鋼球が圧電発電装置の圧電素子を連続的に殴打することで発電し、該発電された電力を利用して上記モジュールを作動させることで、当該ロック装置の施錠又は開錠状態の情報を通信するように構成したので、発電に伴う運動エネルギーのロスが少なく、発電効率が非常に効率的であり、また、発電のための操作ストロークが短くて済むため、操作レバーの操作力を非常に軽くすることができる、という優れた効果を得ることができる。
以下、添付図面に示す発明の実施例1に基づき、この発明を詳細に説明する。
図1乃至図7は、この発明の実施例1を示しており、該実施例1では、この発明を建物の窓等の開口に装着されたアルミサッシ製の戸(図示せず)に取り付けられたクレセント錠1に適用した場合を示している。勿論、この発明の適用例は、本実施例1のクレセント錠に限定されるものではなく、開き戸の扉、引戸の戸片、雨戸、観音開きの扉や窓、天窓等に取り付け可能な各種ロック装置にも適用可能である。
本実施例1に係るクレセント錠1は、例えば、アルミサッシ製で中空部を有する略ロ字形窓枠に板ガラスが嵌め込まれて構成された2枚の引戸の窓枠重合部に取り付けられ、クレセント錠1でロック可能に構成されている。
このクレセント錠1の基本的な構成は、断面略コ字状に形成されたハウジング2と、操作レバー3と、この操作レバー3に連設され、かつ軸4を回転中心として回転自在に保持された略半円状の係止体5と、から構成されており、操作レバー3を把持して係止体5を回転操作することで、該係止体5を他方の引戸に取り付けられた係止体(図示せず)に係合させ、ロックするように構成されている。
また、この実施例1では、上記軸4の内方側先端部、即ち、ハウジング2の内部に主ギア6を回転自在に軸支すると共に、該主ギア6に噛合する従動ギア7をハウジング2の内部に回転自在に軸支し、さらに、該従動ギア7の軸には作動体8を固定して構成されている。
また、上記ハウジング2にはバネ材で形成された固定杆9の一端部が固定され、該固定杆9の他端部には、バネ材で形成された支持杆10の中間部が固定され、該支持杆10の両端部には、夫々鋼球11A,11Bが固定されており、該鋼球11Bが揺動する範囲内には圧電発電装置12が配設されて構成されている。
このように構成されたクレセント錠1にあっては、上記操作レバー3を開錠方向(図3参照)或は施錠方向(図4参照)に回動すると、これに伴い主ギア6が回転し、該主ギア6の回動によって従動ギア7も回動するので、該従動ギア7に固定された作動体8は回転し、その先端部が鋼球11Aを殴打する。
そして、上記作動体8によって殴打されることで、上記鋼球11Aは振り子状に往復振動し、該鋼球11Aの振動に伴い鋼球11Bは共振動を開始し、該鋼球11Bの往復振動する度に圧電発電装置12の圧電素子を連続的に殴打して発電する。
尚、図示はしないが、上記ハウジング2内には、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールが収納され、該モジュールは、上記圧電発電装置12で発電された電力を利用して作動され、当該クレセント錠1の施錠又は開錠状態の情報を通信するように構成されている。
このモジュールは、図6に示すように、発電部15と送信回路部16と、から構成されている。
モジュールの発電部15は、圧電素子発電部21と整流回路22と、から構成されており、また、送信回路部16は、制御部23と発信部24とアンテナ25と、から構成されている。
上記圧電発電部21は、図5に示す圧電素子12a,12bとクッション材19と、から構成されている。尚、上記圧電素子12a,12bは、この実施例1では、PZT系の2枚の板形の圧電セラミックス板を分極が互いに逆になるように接合して、直列に接続された発電構成として分極による打消しが防止されて発電性能が高められるように構成されている。
圧電セラミックス板は、チタンジルコン酸亜鉛系の素材が用いられ、また、クッション材19としては、合成樹脂材、ゴム材或はこれらをスポンジ状に形成した軟質材料を用いることができ、具体的には、発泡ポリエチレンが好適である。さらに、この実施例1では、鋼球11A,11Bを、圧電素子を破壊しない程度に重量が重く発電効率が良好なタングステンや鉄などを用いることができ、また、圧電素子の鋼球衝突面部をプロテクタでコーティングしてもよく、この場合には、加工性に優れたリン青銅やステンレス等の硬い金属或は合成樹脂などを用いることができる。
さらに、この圧電素子12a,12bは、上記クッション材19の中央部分又は両端部に接着剤で部分的に接着されている。勿論、接着剤以外の固定手段で固着してもよい。
整流回路22は、圧電素子発電部21で出力された交流電力を整流して脈流にする回路であり、所要数のダイオードで全波整流の回路が形成される。
制御部23は、クレセント錠1がロック状態かアンロック状態かを判定し、ロック状態が解除されたときに、該情報を図7に示す受信器31へと送信するように制御する回路である。
また、発信部24は、特に図示はしないが、通信制御手段と信号スイッチ手段と信号発生手段とを有して構成されている。この内、通信制御手段は通信に必要な動作を行う手段であり、電力が前記の方法で供給されることで動作を開始して信号スイッチ手段をON作動させると共に、発信のためのデータを信号発生手段へと送る。
この発信のためのデータとしては、少なくとも、当該クレセント錠1が設置されたサッシまたはクレセント錠1に関するIDデータが含まれる。
また、上記信号発生手段は、上記通信制御手段から受け取った発信のためのデータを所定の無線信号に変換してアンテナ25から発信する。勿論、この実施例1において、圧電発電装置12がバッテリーを備えて構成されている場合には、上記通信制御手段が発信のために必要なデータを全て信号発生手段へと送り終えた後、該通信制御手段が作動して、放電を停止させるように制御するのが望ましい。
このように構成されてなる発電部15は、発電された電流を整流回路22で整流して発信回路部16を作動させ、該発信回路部16は、特定の周波数からなる電波(不正侵入告知信号)を、例えば集中セキュリティ管理装置の受信機31へと送信する。
尚、この実施例1では、圧電素子が応力を受け発電すると略同時に受信器31が作動して信号を発信するように構成されているが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、より安定した電波信号を送信する場合には、日常的なクレセント錠1の開閉作動により得られる振動により発電された電流を一定電圧までバッテリーに蓄電し、余剰の電流は放電するように構成してもよい。
この場合には、特に図示はしないが、前記整流回路22で得られた脈流を直流として充電するコンデンサからなる充電手段と、この充電手段の充電量を圧電素子の発電のタイミングに応じて間歇的に監視し判定する手段と、この判定手段により充電手段の充電量が発信可能なレベルに達すると充電手段の放電を開始させ、発信部24へと電力を供給する自己保持型電流スイッチ等で構成される放電スイッチを付設して構成するのが望ましい。
また、この実施例1における上記受信器31は、クレセント錠1が取り付けられた引戸から離間した場所や気付き易い任意の場所に設置されている。具体的には、一戸建ての家屋の場合には、居間や台所、就寝室等に設置し、ビル等の建物の場合には管理室、或は、契約警備会社若しくは協力が得られるならば警察等に設置することができる。
また、この受信器31は、1台で複数のクレセント錠1からの信号を受信できるように構成されており、アンテナ32と、受信部33と、制御部34と出力部35及び電源36と、から構成されている。
受信部33では、各クレセント錠1からの信号を受信し、該信号を制御部34へと送り、該制御部34では、受信部33で受信した信号がいずれのクレセント錠1からの信号であるかを各クレセント錠1に付与されたID情報に基づきこれを判別回路(図示せず)で自動的に判別し、出力部35へと当該判別情報を送る。
出力部35は、制御部34からの判別信号に基づき、例えば、家屋等に設置した受信器31を備えた警報装置や、ネットワークを介して契約警備会社、警察等の他、居住者のパソコンや携帯電話、緊急連絡先等へと自動的に侵入情報を送信するように構成されている。勿論、屋内に設置する場合には、当該受信器31にLED等を配置し、このLEDの点滅によって侵入箇所を迅速に視認することができるように構成するのが望ましい。さらに、この出力部35は、家人の出入りの際や日常的な窓(クレセント錠1)の開閉の際にも、侵入信号を発信するため、わずらわしい場合もあることから、メインスイッチやリモートコントローラまたは携帯電話等でその作動の要否をON・OFF制御できるように構成するのが望ましい。
尚、上記各実施例では、クレセント錠1を引戸に配設した場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、例えば、窓がヒンジ開閉方式のものに適用されるクレセント錠を含む各種錠にも適宜設計変更して適用することができる。
この発明の実施例1に係る建物の開閉体であるクレセント錠の構成を示す背面図である。 同クレセント錠の正面側斜視図である。 同クレセント錠の開錠状態を示す説明図である。 同クレセント錠の施錠途中状態を示す説明図である。 同モジュールの回路構成を示すブロック図である。 同モジュールの圧電発電部の構成例を示す断面図である。 本実施例1に用いられる受信器の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
W 窓
1 クレセント錠
2 ハウジング
3 操作レバー部
4 軸
6 主ギア
7 従動ギア
8 作動体
9 固定杆
10 支持杆
11A,11B 鋼球
12 圧電発電装置
12a,12b 圧電素子
15 発電部
16 送信回路部
21 圧電素子発電部
22 整流回路
23 制御部
24 発信部
25 アンテナ

Claims (2)

  1. 建物の窓や扉等の開閉体を開閉自在にロック自在なロック装置を、自己発電可能で、かつ、送信機能を備えたモジュールを有して構成し、該ロック装置のハウジング内には、該ハウジングに回転自在に軸支されてなる操作レバーと、該操作レバーの軸のハウジング内部に固定された主ギアと、該主ギアに噛合する従動ギアと、該従動ギアに固定された作動体と、上記ハウジングに一端部が固定され他端部に支持杆の中間部が連結されてなる固定杆と、上記支持杆の両端部に夫々固定された鋼球と、該鋼球の一方が揺動する範囲内に配設された圧電発電装置と、を有して構成されてなり、上記鋼球の他方は、上記操作レバーの回動に伴い正逆回転する従動ギアの作動体によって殴打されて振動し、この他方の鋼球の振動に伴い共振動を開始する上記一方の鋼球が圧電発電装置の圧電素子を連続的に殴打することで発電し、該発電された電力を利用して上記モジュールを作動させることで、当該ロック装置の施錠又は開錠状態の情報を通信することを特徴とする建物の開閉体用ロック装置。
  2. 前記圧電発電装置には、上記圧電素子の歪変形により発電された電流を整流する整流回路と、が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の建物の開閉体用ロック装置。
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