JP2005126883A - レース編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエステル繊維を柄糸として使用し、ソフトで光沢性に優れた柄部を発現させるためのレース編地を提供する。
【解決手段】 レース編地の柄部の全部又は一部を、沸水収縮率及び180℃での乾熱収縮率が−7〜6%、破断伸度が60〜170%、ヤング率が40CN/dtex以下のポリエステルマルチフィラメントからなる柄糸にて構成し、このレース編地を湿熱及び乾熱処理の仕上げ加工したときには、レース編地の柄部の全部又は一部において、柄糸のポリエステルマルチフィラメントの構成単繊維が相互に斜交することなく平行に引き揃えられ、3本以上の単繊維の側面が横並びに配列して光沢面を形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、柄糸にて柄部形成のレース編地に関する。
従来、レース編地における柄部形成の柄糸にはレーヨン、ナイロン繊維が主に用いられているが、レーヨンは、国内での生産がなくなったことから、原糸の入手、品質、コストの面で問題があるだけでなく、最近ではレース編地をブラジャー用として熱賦型加工によりカップに成型する方法も採用され増えているが、レーヨンは、熱賦型性の面でも問題があり、ナイロン繊維は、原糸コストが高く又地糸がナイロン繊維のレース編地では、多色表現、蛍光鮮明色表現が得られない等の問題がある。
一方、ポリエステル繊維は、柄糸にカチオン染料可染性ポリエステル繊維の仮撚加工糸が一部使用されているだけで、レーヨン、ナイロン繊維に比べ、風合いが硬く、特に光沢性に劣ることにより、レース編地における柄糸としては殆ど使用されていないのが現状である。
一般に、ポリエステル繊維において繊維断面を扁平とした扁平繊維とするならば、その扁平面によって光沢を発揮するといわれ、扁平繊維を他繊維と混繊して光沢性を発揮させようとする提案もあるが(例えば特許文献1参照)、混繊糸等の繊維が集合した糸の形態では、扁平繊維の扁平面での重なり合いによって大きな光沢面の形成には至らず、部分的にチラチラした光沢を発揮するものになるに過ぎない。
特開平11−140734号公報
本発明の目的は、ポリエステル繊維を柄糸として使用し、ソフトで光沢性に優れた柄部を発現させるためのレース編地を提供することにある。
本発明の要旨は、レース編地の柄部の全部又は一部が下記条件(a)〜(d)を満足するポリエステルマルチフィラメントからなる柄糸にて構成されたことを特徴とするレース編地、にある。
(a)−7%≦BWS≦6%
(b)−7%≦HAS≦6%
(c)60%≦DE≦170%
(d)ヤング率≦40CN/dtex
(但し、BWSは沸水中、30分での沸水収縮率、HASはBWS測定後、乾熱180℃、30分での乾熱収縮率、DEは破断伸度を示す)
本発明は、レース編地の構成に係わり、本発明によれば、柄部の全部又は一部をポリエステルマルチフィラメントからなる湿熱及び乾熱で伸長する自発伸長性糸或いは高伸度低収縮性糸の柄糸にてレース編地を構成したことにより、このレース編地を生機として、柄部がレーヨンやナイロン繊維以上のソフトで高光沢性を有する仕上げ加工レース編地を得ることができ、本発明におけるレース編地の自発伸長性糸或いは高伸度低収縮性糸を仕上げ加工における湿熱処理及び乾熱処理で伸長させ或いは低収縮させて得られたレース編地は、その柄部がソフトで高光沢性を有するだけでなく、熱賦型加工が可能であり、また抗ピリング性が向上し、特に柄糸の自発伸長性糸がカチオン染料可染性のポリエステルマルチフィラメントからなるときは、柄糸がカチオン染料で染色され、地糸のナイロン繊維或いは柄糸に併用した場合のレーヨン又はナイロン繊維との染め分けによる洗濯、摩擦、耐光等が高堅牢度の多色表現が可能である。また本発明でのポリエステルマルチフィラメントがレーヨンやナイロン繊維より低コストで得られることにより、またレース編地の製造時及び仕上げ加工時の生産安定性、歩留まり向上により、生産コストの低減を可能とする。
本発明のレース編地は、レース編地の柄部の全部又は一部が下記条件(a)〜(d)を満足する自発伸長性或いは高伸度低収縮性及び低ヤング率のポリエステルマルチフィラメントからなる柄糸にて構成される。
(a)−7%≦BWS≦6%
(b)−7%≦HAS≦6%
(c)60%≦DE≦170%
(d)ヤング率≦40CN/dtex
なお、BWSは沸水中、30分での沸水収縮率、HASはBWS測定後、乾熱180℃、30分での乾熱収縮率、DEは破断伸度を示す。
ポリエステルマルチフィラメントの沸水収縮率が−7%未満或いは乾熱収縮率が−7%未満では、ポリエステルマルチフィラメントの構造が不安定となりポリエステルマルチフィラメント自体の生産を困難にするだけでなく、レース編地を編成した後の染色、熱セットを含む染色加工等の仕上げ加工でのポリエステルマルチフィラメントの伸長の制御を困難にし、沸水収縮率が6%を超える或いは乾熱収縮率が6%を超えると、光沢性の発現を阻害し、好ましくは沸水収縮率及び乾熱収縮率がそれぞれ−5〜3%であり、また破断伸度が60%未満では、光沢性の発現を阻害し、170%を超えると、レース編地の編成を困難にする。
また、ポリエステルマルチフィラメントは、そのヤング率が40CN/dtex以下であることが必要である。本発明におけるポリエステルマルチフィラメントは、そのヤング率が、通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントのヤング率が90〜140CN/dtexであることに比べ、極めて低いものである。因みにナイロン6,6繊維のヤング率は27〜46CN/dtex、レーヨンのヤング率は57〜75CN/dtexである。本発明では用いるポリエステルマルチフィラメントのヤング率が低いことにより、従来にない極めてソフトな風合いをレース編地の柄部に与える。
本発明における前記条件(a)〜(d)を満足するポリエステルマルチフィラメントは、例えば共重合成分として5−ナトリウムスルフォイソフタル酸成分及びアジピン酸成分をポリエチレンテレフタレートに共重合させたポリマーを用い、溶融吐出し、2500〜3500m/分で巻き取った未延伸糸を、1.1〜1.5倍に延伸した後、5%以上緩和処理することにより得られる。
本発明におけるポリエステルマルチフィラメントは、特にその単繊維の断面形状が三角断面のポリエステルマルチフィラメントであることが高光沢性を発現させるうえで望ましい。単繊維の断面形状が扁平断面或いは四角以上の円形断面に近づく多角断面であると、マルチフィラメントでの単繊維表面の乱反射により高光沢性の発現が阻害されやすい。
更に、本発明におけるポリエステルマルチフィラメントは、5−ナトリウムスルフォイソフタル酸及びアジピン酸をポリエチレンテレフタレートに共重合させたポリマーからなるものであることが、低ヤング率が得られる点で好ましいだけでなく、共重合成分に基づくカチオン染料可染性を有し、多色表現を可能にするうえでも好ましい。また、本発明におけるポリエステルマルチフィラメントは、高光沢性を発現させるうえで、酸化チタン等の艶消剤の含有量が0.4重量%以下、即ち艶消剤を含まぬか或いは含んでも0.4重量%を超えぬことが好ましい。
本発明におけるレース編地は、地糸と柄糸にて形成され、地糸には、特に限定されるものではないが、レース編地としての強伸度とソフトな風合いを保持するため、好ましくはポリアミドマルチフィラメントが用いられ、また必要によりストレッチ性の付与のためポリウレタン糸が用いられる。レース編地の編成には、好ましくはリバー編機、ラッセル編機が用いられ、任意の模様の柄部が形成される。
レース編地の編成に当たっては、本発明におけるポリエステルマルチフィラメントは、その複数本が合糸され200〜1000T/Mの撚数に下撚りされたものを、更に複数本150〜900T/Mの撚数に上撚りして撚糸とした状態で柄糸として用いられることが好ましく、下撚り、上撚りの撚数が少ない程光沢性が発現し易くなるが、前記各撚り範囲より少ない撚数では編成が困難となり、また前記各撚り範囲より多い撚数では、当然ながら光沢性の発現が困難となる。
本発明におけるポリエステルマルチフィラメントからなる柄糸は、収縮差を利用して膨らみを付与する目的で通常延伸糸と複合してもよく、また杢調等の異色効果を狙ってナイロン等他繊維と複合して用いてもよい。この場合収縮差が大きすぎると柄表面の荒れや柄糸の浮きによるスナッギングを生じ易くなるので沸水収縮率及び180℃での乾熱収縮率の差は15%以下が好ましい。なお、本発明において自発伸長性糸と高伸度低収縮性糸を複合したものを柄糸として用いることにより柄表面荒れのないスナッギングの生じ難いマイルドな膨らみのある良好な柄が得られる。
本発明のレース編地は、湿熱処理及び乾熱処理或いはこれらの熱処理を伴う仕上げ加工が施されたときには、柄糸のポリエステルマルチフィラメントが破断伸度60〜170%、ヤング率40CN/dtex以下のポリエステルマルチフィラメントであり、そのレース編地の柄部の全部又は一部において、柄糸であるポリエステルマルチフィラメントの構成単繊維が相互に斜交することなく平行に引き揃えられ、3本以上の単繊維の側面が横並びに配列して光沢面を形成しているレース編地となる。
かかる光沢面をなす糸構造のレース編地は、前述した構成のレース編地に湿熱処理及び乾熱処理或いはこれらの熱処理を伴う仕上げ加工を施す際、湿熱処理には沸水での湿熱処理、乾熱処理には少なくとも180℃の温度での乾熱処理が用いられ、湿熱処理及び乾熱処理は、独立の工程であってもよいが、染色加工を含む仕上げ加工する際の沸騰染色等での湿熱処理及び熱セット等での乾熱処理であることが加工コストの低減化の点で好ましい。湿熱処理及び乾熱処理におけるその処理順序、回数は、任意であって、特に制限はない。
レース編地の湿熱処理及び乾熱処理或いはこれらの熱処理を伴う仕上げ加工、特に染色加工時においては、柄部の柄糸のポリエステルマルチフィラメントは、沸水での湿熱処理及び少なくとも180℃の温度での乾熱処理によって、その構成の各単繊維が自発伸長性或いは高伸度低収縮性を有すると共に、ヤング率が低いことによりマルチフィラメントとしての単繊維の束が扁平状の束になり、しかも柄糸としての撚糸状態のポリエステルマルチフィラメントは、束のまま単繊維が相互にマイグレーションすることなく長手方向に長く平行に引き揃えの扁平状面を形成し、視覚的にも光沢面と認識し得るうえで3本以上の単繊維の側面が並列して光沢面を形成し、特に単繊維断面が三角形状であるときにはその一つの平坦面を表面にして密接に並列して大きな光沢面を形成する。
本発明のレース編地は、前述したように柄糸のポリエステルマルチフィラメントが、カチオン染料可染性で、艶消剤含有量0.4重量%以下、単繊維断面形状が三角断面のポリエステルマルチフィラメントであることが好ましい。また、地糸には好ましくはナイロンマルチフィラメントが用いられることから、地編部或いは柄糸の一部に他繊維が併用されていたとしても、仕上げ加工の際の染色加工によって、柄糸のカチオン染料可染性ポリエステルマルチフィラメントがカチオン染料で染色され、地糸、柄糸にそれぞれ適用の染料、例えばナイロンマルチフィラメントには反応性染料、酸性染料によっての染め分けによる多色表現が可能であるだけでなく、熱賦型加工が可能であることから、例えばブラジャーのカップの成型を熱賦型加工で容易にすることができ、それぞれの使用分野での製品製造時の多様化及びコストダウンを可能とする。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本明細書及び実施例における沸水収縮率、乾熱収縮率、破断伸度及びヤング率の測定は、以下のようにして行った。
(沸水収縮率(BWS)):
原糸を枠周1m、10回巻きに綛取りし、0.033CN/dtexの荷重下での綛長がL0の試料を、無荷重下で沸騰水(100℃)中で30分間処理し、処理前と同荷重下での綛長L1を求め、次式により算出した。
BWS(%)=[(L0−L1)/L0]×100
(乾熱収縮率(HAS)):
BWSを測定した後の綛状の試料を、乾燥機中で無荷重下180℃で30分間処理し、0.033CN/dtexの荷重下での綛長L2を求め、次式により算出した。
HAS(%)=[(L0−L2)/L0]×100
(破断伸度(DE)):
島津製作所(株)製オートグラフSD−100C特形を用い、試長200mm、引張速度200mm/分で応力−伸長曲線を測定し、繊維の破断点での伸度(%)を求めた。
(ヤング率(初期引張抵抗度)):
JIS L−1013に準拠して測定した。
(実施例1)
5−ナトリウムスルフォイソフタル酸1モル%及びアジピン酸5モル%を共重合させたポリエチレンテレフタレートからなり艶消剤の酸化チタン無添加のポリマーを、孔形状三角、孔数48の紡糸口金を用いて紡糸温度277℃、吐出量24g/分で溶融紡糸し、2700m/分で巻き取って86dtex/48フィラメントの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を一段目延伸倍率1.226、二段目延伸倍率1.006、一段目引取りローラー温度95℃、二段目引取りローラー温度90℃、緩和率15%、緩和温度170℃の条件で延伸、緩和処理して単繊維断面が正三角断面のポリエステルマルチフィラメント自発伸長性糸を得た。得られた自発伸長性糸は、沸水収縮率−1.2%、乾熱収縮率−2.6%、破断伸度130%、ヤング率33CN/dtexであった。この自発伸長性糸を3本合糸後Z方向600T/Mに下撚り後、下撚り糸2本をS方向500T/Mに上撚りしてなる撚糸を柄糸として用いた。
レース編地の編成には、ラッセル編機を用い、地糸とした33dtex/26フィラメントのナイロン6,6マルチフィラメントでレース地、前記柄糸で花柄とするレース編地を編成した。得られたレース編地は生機幅128cmであった。その生機をノニオン界面活性剤1g/リットル、ソーダ灰1g/リットルの浴で80℃で30分精練し、水洗、風乾した後、乾熱195℃で1分間所定の135cm巾に中間セットし、染料0%、酢酸ソーダ、酢酸各0.5g/リットル、浴比1:30の浴で100℃で60分染色し、水洗、風乾した後、乾熱160℃で1分間前記と同じ所定巾に仕上げセットした。なお、染色で染料0%としたのは柄糸としてレーヨンを用いた場合と比較する上でそれぞれに使用の染料による影響をなくするためである。得られた評価結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1で得たと同じ未延伸糸を、下記の条件で延伸、緩和処理し、正三角断面のポリエステルマルチフィラメント高伸度低収縮性糸を得た。
一段目延伸倍率:1.156
二段目延伸倍率:0.943
一段目引取りローラー温度:110℃
二段目熱板温度:170℃
得られた高伸度低収縮性糸は、破断伸度102.2%、ヤング率38CN/dtex、沸水収縮率1.1%、乾熱収縮率2.0%であった。この高伸度低収縮性糸を、実施例1と同様に下撚り、上撚りしてなる撚糸を柄糸として用い、レース編成、染色加工を実施した。その評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で用いた自発伸長性糸と実施例2で用いた高伸度低収縮性糸とを2:1の割合で用い、実施例1と同様に下撚り、上撚りしてなる撚糸を柄糸として用い、レース編成、染色加工を実施した。その評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、吐出量を34g/分に変更した以外は実施例1と同様にして126dtex/48フィラメントの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を一段目延伸倍率1.011、二段目延伸倍率1.52、一段目引取りローラー温度80℃、熱セット温度145℃の条件で延伸、熱セット処理して単繊維断面が正三角断面のポリエステルマルチフィラメント延伸糸を得た。得られた延伸糸は、沸水収縮率8.3%、乾熱収縮率13%、破断伸度30%、ヤング率75CN/dtexであった。この延伸糸を、実施例1と同様に下撚り、上撚りしてなる撚糸を柄糸として用い、実施例1と同様にしてレース編地の編成、精練、中間セット、染色、仕上げセットを行った。
(比較例2)
柄糸として、実施例1で用いた柄糸の代わりに、比較例1で得たと同じ単繊維三角断面のポリエステルマルチフィラメント延伸糸を原糸としてヒーター温度160℃で仮撚加工して得た仮撚加工糸(沸水収縮率2.2%、破断伸度25.2%、ヤング率70CN/dtex)を、実施例1と同様に下撚り、上撚りしてなる撚糸を柄糸として用い、実施例1と同様にしてレース編地の編成、精練、中間セット、染色、仕上げセットを行った。
(比較例3)
柄糸として、実施例1で用いた柄糸の代わりに、167dtex/50フィラメントのレーヨンマルチフィラメントをZ方向400T/Mに下撚り後、下撚り糸2本をS方向350T/Mに上撚りしてなる撚糸を柄糸として用いた以外は、実施例1と同様にしてレース編地の編成、精練、中間セット、染色、仕上げセットを行った。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた仕上げ加工レース編地について、それらの花柄部での柄糸の単繊維束の扁平度及び配列状態(MG値)、光沢性、風合いを評価し、それらの結果をまとめて表1に示した。
なお、評価方法は、以下の方法で行った。
単繊維束の扁平度:電子顕微鏡により単繊維束断面を測定し、(単繊維束の巾)/(単繊維束の厚み)より求めた。
単繊維束のMG値:電子顕微鏡100倍の視野における単繊維束の長手方向の300μmの長さの範囲内で、(単繊維が真っ直ぐ連なっている本数)から(単繊維が他の単繊維を横切るか或いは途中で他の単繊維の陰になる本数)を引いた数値で、単繊維が真っ直ぐ連なっている本数を10としたときの換算値で、10回測定の平均値で示した。MG値が大きい方が光沢が向上する。
光沢性:官能試験により判定し、従来から柄糸として使用のレーヨン並の光沢のものを○とし、これより光沢性に優れるものを◎とし、劣るものを△とした。
風合い:官能試験により判定し、従来から柄糸として使用のレーヨン並の風合いのものを○とし、これよりソフトなものを◎とし、ソフトさに欠けるものを△とした。
Figure 2005126883
本発明のレース編地は、ソフトで光沢性に優れた柄部を発現させるのに極めて有利なものであり、そして前記レース編地を生機として湿熱処理及び乾熱処理を伴う染色加工等の仕上げ加工を施したときには、ソフトでレーヨンを凌駕するような光沢性に優れた柄部を有するものとなり、また柄糸がカチオン染料可染性であるときには、従来のナイロン繊維使用のものでは得られぬ多色表現が可能であり、更に熱賦型加工可能なるものであり、本発明のレース編地更にはこのレース編地に仕上げ加工を施したレース編地は、カーテン、テーブルクロス等のインテリヤ分野、婦人下着、ブラジャー等の婦人衣料分野にて好適に使用し得る。

Claims (2)

  1. レース編地の柄部の全部又は一部が下記条件(a)〜(d)を満足するポリエステルマルチフィラメントからなる柄糸にて構成されたことを特徴とするレース編地。
    (a)−7%≦BWS≦6%
    (b)−7%≦HAS≦6%
    (c)60%≦DE≦170%
    (d)ヤング率≦40CN/dtex
    (但し、BWSは沸水中、30分での沸水収縮率、HASはBWS測定後、乾熱180℃、30分での乾熱収縮率、DEは破断伸度を示す)
  2. ポリエステルマルチフィラメントが、単繊維断面形状が三角断面のポリエステルマルチフィラメントである請求項1に記載のレース編地。
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