JP2005126633A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 難燃性及び可撓性の両者を向上させることができる難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 この難燃性樹脂組成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂と(B)ポリアクリロニトリル系樹脂とからなるマトリックス樹脂100重量部に対して(C)金属水酸化物80〜180重量部、(D)赤燐3〜20重量部等を含有している。上記(B)成分中のアクリロニトリル成分の比率は、85重量%を超えるものが好ましく、90重量%以上であるものが特に好ましい。さらに、(A)成分100重量部のうち、(A−1)ポリプロピレンを30〜80重量部含有させるとともに、(A−2)ポリオレフィン系軟質樹脂を20〜70重量部含有させることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物に関するものである。より詳しくは、難燃性及び可撓性に優れた電気・電子用部品、自動車用部品等の材料となる難燃性樹脂組成物に関するものである。
従来、この種の難燃性樹脂組成物としては、樹脂組成物にハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン等のアンチモン系難燃剤を配合する手法が一般的であるが、これらは環境負荷物質であることから近年では難燃性樹脂組成物のノンハロゲン化及びノンアンチモン化の要求が高まっている。この要求に鑑み、前記ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤等を含有しない難燃性樹脂組成物としては以下に示すものが知られている(例えば、特許文献1〜特許文献5参照)。すなわち、特許文献1及び2に示す難燃性樹脂組成物は、主成分であるポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)に酸素原子を含有する合成樹脂(エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等)が配合されているものである。
また、特許文献3に示す難燃性樹脂組成物は、エチレン/酢酸ビニル共重合体又はエチレン/アクリル酸エチル共重合体から選ばれる少なくとも一種に、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体を配合したものをマトリックス樹脂としたものである。
さらに、特許文献4及び特許文献5に示す難燃性樹脂組成物は、主成分であるポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)に窒素化合物、ホウ素系化合物等が添加されているものである。なお、この窒素化合物としては、メラミンやメラミンシアヌレート、燐酸メラミン等のメラミン誘導体が挙げられる。また、ホウ素系化合物としては、ホウ酸、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
特開平7−33990号公報 特開平7−133370号公報 特開2003−165875号公報 特開平8−176450号公報 特開2000−103910号公報
ところが、上記特許文献1及び特許文献2の難燃性樹脂組成物では、その難燃性を向上させるべくポリオレフィン系樹脂100重量部に対して凡そ200重量部の金属水酸化物を配合する必要があることから、これに伴って成形体の可撓性が低下する。加えて、上記特許文献1〜特許文献5の難燃性樹脂組成物では、ポリオレフィン系樹脂に酸素原子を含有する合成樹脂、窒素化合物、ホウ素系化合物等を配合して難燃性を向上させた場合には、これに反して引張強度等の引張特性が十分に得られず、所望の可撓性を付与することができなかった。すなわち、上記従来の難燃性樹脂組成物では、その難燃性及び可撓性の両者を共に向上させるには不十分なものであった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、難燃性及び可撓性の両者を向上することができる難燃性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の難燃性樹脂組成物は、(A)ポリオレフィン系樹脂と、(B)ポリアクリロニトリル系樹脂とからなるマトリックス樹脂100重量部に対し、(C)金属水酸化物80〜180重量部及び(D)赤燐3〜20重量部の各成分を含有してなり、前記(B)成分中のアクリロニトリル成分が85重量%を超えることを要旨とする。
請求項2に記載の発明の難燃性樹脂組成物は、請求項1に記載の発明において、前記マトリックス樹脂100重量部のうち、前記(B)成分を1〜10重量部含有することを要旨とする。
請求項3に記載の発明の難燃性樹脂組成物は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記マトリックス樹脂100重量部のうち、前記(A)成分として(A−1)ポリプロピレン30〜80重量部及び(A−2)ポリオレフィン系軟質樹脂20〜70重量部を含有することを要旨とする。
請求項4に記載の発明の難燃性樹脂組成物は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記(C)成分は水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム又は水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種であり、その平均粒径は0.1〜20μmであることを要旨とする。
請求項5に記載の発明の難燃性樹脂組成物は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記マトリックス樹脂100重量部に対して(E)カーボンブラックを1〜5重量部含有することを要旨とする。
本発明の難燃性樹脂組成物によれば、難燃性及び可撓性の両者を向上することができる。
以下、本発明を具体化した最良の形態について詳細に説明する。
本実施形態の難燃性樹脂組成物は、難燃性が要求される電気・電子用部品、自動車用部品、精密機器用部品等の材料として使用されるものである。この難燃性樹脂組成物は(A)ポリオレフィン系樹脂と(B)ポリアクリロニトリル系樹脂(PAN)とからなるマトリックス樹脂、(C)金属水酸化物、(D)赤燐等から構成されている。
まず、上記マトリックス樹脂について説明する。このマトリックス樹脂を構成する上記(A)成分としては、ノンハロゲン系樹脂が挙げられ、その具体例としては、(A−1)ポリオレフィン系樹脂、(A−2)ポリオレフィン系軟質樹脂等が挙げられる。
前記(A−1)成分としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体等が挙げられる。この(A−1)成分は、それぞれ単独で配合してもよく、複数種をブレンドして配合してもよい。本実施形態の(A−1)成分としては、これらの中でも引張特性等の機械的物性に優れたポリプロピレンが好ましい。このポリプロピレンとしては、ホモポリマーであることが好ましいが、これに限らず一部共重合しているものであってもよい。
前記(A−2)成分としては、前記(A−1)成分よりも柔軟なポリオレフィン系樹脂が挙げられる。すなわち、JIS K 6253に準拠するタイプDデュロメータにより測定した硬度が(A−1)成分よりも低いポリオレフィン系樹脂を示す。なおこのとき、(A−2)成分の硬度は60未満、(A−1)成分の硬度は60以上である。
この(A−2)成分としては、エチレン及びプロピレンより選ばれる少なくとも一種と、アクリル酸エステル(メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等)、酢酸ビニル等より選ばれる少なくとも一種との共重合体や、ポリオレフィンエラストマー(TPO)等が挙げられる。この共重合体の具体例としては、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。また、前記ポリオレフィンエラストマーの具体例としては、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/α−オレフィン共重合体、エチレン/プロピレン/ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン/α−オレフィン/ジエン三元共重合体等が挙げられる。この(A−2)成分は、それぞれ単独で配合してもよく、複数種をブレンドしてもよい。本実施形態の(A−2)成分としては、これらの中でも可撓性を向上させるべくエチレン/プロピレン共重合体(EPR)を用いるのが好ましい。
また、当該マトリックス樹脂を構成する上記(B)成分は、難燃性樹脂組成物から得られる成形体の難燃性を向上させるべく配合される。この(B)成分としては、ポリアクリロニトリル単独重合体、アクリロニトリル成分を含む共重合体、又はこれらを主成分としたブレンド等が挙げられる。同アクリロニトリル成分の共重合成分である化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又はこれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩やアリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、スチレンスルホン酸又はこれらのアルカリ金属塩メチルやスチレン、α―メチルスチレン、t−ブチルスチレン、N―置換マレイミド、ブタジエン等より選ばれる少なくとも一種が挙げられ、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン樹脂(AAS樹脂)等も含まれる。
上記(A)成分は、単独で配合してもよく、複数種をブレンドしてもよい。本実施形態の(A)成分としては、これらの中でも前記成形体の可撓性を向上させるべく、前記マトリックス樹脂100重量部のうち、(A−1)成分を30〜80重量部、(A−2)成分を20〜70重量部含有するものが好ましい。
前記(A−1)成分の含有量が30重量部未満の場合及び(A−2)成分の含有量が70重量部を超える場合には、機械的強度が十分に得られないおそれがある。一方、(A−1)成分の含有量が80重量部を超える場合及び(A−2)成分の含有量が20重量部未満の場合には、成形体の可撓性が十分に得られず、これに伴って脆くなるおそれがある。
また、本実施形態の難燃性樹脂組成物としては、成形体の難燃性を向上させるべく、前記マトリックス樹脂100重量部のうち、上記(B)成分を1〜10重量部含有するものが好ましい。この(B)成分の含有量が1重量部未満の場合には、成形体の難燃性及び機械的物性の向上が十分に図れない可能性がある。一方、(B)成分の含有量が10重量部を超える場合には、該(B)成分と前記(A−1)成分及び(A−2)成分との相溶性が低下するとともに、成形体の機械的特性が十分に得られないおそれがある。
さらに、上記(B)成分におけるアクリロニトリル成分の比率は、85重量%を超えるものが好ましく、90重量%以上であるものが特に好ましい。同アクリロニトリル成分の比率が85重量%以下の場合には、成形体の難燃性及び機械的物性の十分な向上が図れないおそれがある。
上記(C)成分である金属水酸化物は、成形体の難燃性及び強度を向上させるべく配合される。この(C)成分は二価又は三価の金属の水酸化物であり、前記成形体の難燃性を向上することができることから水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。同金属水酸化物の平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、さらに好ましくは0.5〜10μmである。同金属水酸化物の平均粒径が0.1μm未満の場合には、凝集による分散不良が発生し、所望の難燃性樹脂組成物が得られないおそれがある。一方、同金属水酸化物の平均粒径が20μmを超える場合には、成形体の難燃性及び機械的物性の十分な向上が図れないおそれがある。
この(C)成分の含有量は、前記マトリックス樹脂100重量部に対して80〜180重量部である。(C)成分の含有量が80重量部未満の場合には、成形体の難燃性が低下するおそれがある。一方、(C)成分の含有量が180重量部を超える場合には、該成形体を少し曲げただけでその表面が白化する。すなわち、これに伴って機械的物性が十分に得られず、外観不良が生じるおそれがある。
上記(D)成分である赤燐は成形体の難燃性を向上させるべく配合される。この(D)成分は、取扱性に優れることから、表面被覆赤燐を配合するか又は前記(A)成分等とのマスターバッチとして配合することが好ましい。前記表面被覆赤燐は、赤燐の表面が金属酸化物、熱硬化性樹脂又はこれらの混合物で表面被覆されたものである。なお、この金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、チタン−コバルト複合金属酸化物、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン等が挙げられ、熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。また、前記マスターバッチは、赤燐と(A)成分とを混練し、ペレット状等に成形したものである。このとき、成形体の難燃性を十分に発揮させるべく、前記表面被覆赤燐中の赤燐含有量は90重量%以上であることが好ましい。
この(D)成分の平均粒径は、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは20〜40μmである。この赤燐の平均粒径が1μm未満の場合には、得られる難燃性樹脂組成物において分散不良となるおそれがあった。一方、赤燐の平均粒径が50μmを超える場合には、成形体の難燃性が十分に得られないおそれがある。
(D)成分の含有量は、前記マトリックス樹脂100重量部に対して5〜15重量部である。この(D)成分の含有量が5重量部未満の場合には、成形体の難燃性の向上が十分に図れないおそれがある。一方、(D)成分の含有量が15重量部を超える場合には、成形体の優れた機械的物性が得られないおそれがある。
さて、上記難燃性樹脂組成物を調製するには、まず(A)〜(D)の各成分を予め混合する。その後、バンバリーミキサー、オープンロール、単軸又は二軸の連続混練機、ヘンシェルミキサー等を用いて前記各成分の混合物を溶融混練することにより所望の難燃性樹脂組成物が得られる。そして、上記成形体は、この難燃性樹脂組成物を用いて射出成形、シート押出、真空成形、異型成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形等の方法により成形される。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態の難燃性樹脂組成物は(A)ポリオレフィン系樹脂と(B)ポリアクリロニトリル系樹脂とからなるマトリックス樹脂、(C)金属水酸化物、(D)赤燐等から構成されている。そして、前記(B)成分におけるアクリロニトリル成分の含有量は85重量%を超えるものである。このため、本実施形態の難燃性樹脂組成物から得られる成形体においては、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂等が配合されている上記従来例に比べて、難燃性の向上を図ることができるとともに、(B)成分の配合により可撓性の向上を図ることができる。
・ 本実施形態の難燃性樹脂組成物においては、前記マトリックス樹脂100重量部のうち、(B)成分の含有量は1〜10重量部である。このように構成した場合、難燃性の向上を図る一方で可撓性の低下の要因となる(C)成分及び(D)成分の含有量を増加させることなく、前記成形体の難燃性及び可撓性をそれぞれバランス良く向上させることができる。
・ 本実施形態の難燃性樹脂組成物においては、前記マトリックス樹脂100重量部のうち、(A−1)成分の含有量は30〜80重量部、(A−2)成分の含有量は20〜70重量部である。このように構成した場合、前記成形体の難燃性及び可撓性をそれぞれバランス良く向上させることができる。
・ 本実施形態の難燃性樹脂組成物において難燃性を向上させる目的で添加される金属水酸化物の平均粒径は、0.1〜20μmに設定されている。このように構成した場合、同金属水酸化物の凝集による分散不良等を抑制し、所望の特性(難燃性及び可撓性)を発揮する難燃性樹脂組成物を得ることができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記成形体の難燃性及び機械的特性を向上させるべく上記(A)〜(D)成分の他に(E)カーボンブラックを配合してもよい。この(E)成分としては、樹脂添加物用に市販されている任意のカーボンブラックでよく、(A)成分等とのマスターバッチであってもよい。この(E)成分の含有量は、前記マトリックス樹脂100重量部に対して1〜5重量部である。(E)成分の含有量が1重量部未満の場合には、成形体の難燃性が十分に得られず、これに加えて赤燐の赤色が同成形体に残留するおそれがある。一方、(E)成分の含有量が5重量部を超える場合には、成形体の機械的物性や耐熱性が十分に得られないおそれがある。このように構成した場合、成形体の外観不良を抑制することができるとともに、難燃性及び可撓性をそれぞれバランス良く向上させることができる。
・ 前記成形体の難燃性及び機械的特性を向上させるべく上記(A)〜(D)成分の他に(F)無機フィラーを配合してもよい。この(F)成分としては、マイカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、鉄粉末、酸化チタン、シリカ等が挙げられる。
・ 本実施形態の難燃性樹脂組成物に、燐酸メラミン、ポリ燐酸メラミン、メラミンシアヌレート、脂肪酸メラミン等のメラミン誘導体、燐酸アンモニウム、ポリ燐酸アミド、ベンゾグアナミン、黒鉛、変性シリコーンオイル、シリコーン粉末等の難燃剤を少量添加してもよい。このように構成した場合、難燃性樹脂組成物から得られる成形体の難燃性をさらに向上させることができる。
・ 用途や目的に応じて本実施形態の難燃性樹脂組成物に、滑剤,酸化防止剤,帯電防止剤,紫外線吸収剤、抗菌剤、防カビ剤、顔料、染料、可塑剤、耐候剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
・ 本実施形態の難燃性樹脂組成物は、電気・電子用部品、自動車用部品、精密機器用部品等の成形体の材料に限らず、塗料等のコーティング剤として使用してもよい。
・ 上記(A)成分と(B)成分との相溶性を向上させるために、ポリマーアロイ相溶化剤を配合してもよい。なお、このポリマーアロイ相溶化剤としては、ポリスチレン−ポリイミドブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリメタクリル酸メチルブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリエチレンブロックコポリマー、ポリスチレン−ポリアクリル酸エチルグラフトコポリマー、ポリスチレン−ポリブタジエングラフトコポリマー、ポリプロピレン−エチレン−プロピレン−ジエンゴムグラフトコポリマー、ポリプロピレン−ポリアミドグラフトコポリマー、ポリアクリル酸エチル−ポリアミドグラフトコポリマー、カルボキシル化ポリエチレン、MAH化ポリプロピレン、MAH化EPR等が挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
表1に示す各成分を配合し、バンバリーミキサーにて170℃で混練し、上記難燃性樹脂組成物を調製した。そして、カレンダー押し出し機を用いて同難燃性樹脂組成物を所定の厚みで押し出し、各実施例及び比較例の試験片を作製した。なお、表1における各成分の含有量を示す数値の単位は重量部である。
Figure 2005126633
このとき、表1中の各成分は以下に示すものである。
PP(A−1):日本ポリケム株式会社製、ノバテック(R)PP・EG7F
TPO(A−2):ポリオレフィンエラストマー、出光石油化学株式会社製、R110MP
EEA(A−2):三井デュポン株式会社製、エバフレックス(R)−EEA・A−710
EVA(A−2):三井デュポン株式会社製、エバフレックス(R)EV260
PAN:三井化学株式会社製
A:HN−1000M(アクリロニトリル成分:約95重量%)
B:バレックス(R)#1000(アクリロニトリル成分:約85重量%)
C:バレックス(R)#1320(アクリロニトリル成分:約75重量%)
Mg(OH)2:神島化学工業株式会社製、マグW−H3、平均粒径2.5μm
Al(OH)3:巴工業株式会社製、B−303、平均粒径3.8μm
赤燐 :燐化学工業株式会社製、ノーバエクセル(R)140、平均粒径25〜35μm
カーボンブラック :東洋インキ製造株式会社製、TVP0623BLACK
硫酸バリウム:堺化学株式会社製、B−55
マイカ:株式会社クラレ製、クラライトマイカ・60−C
表1に示す各実施例及び各比較例について、以下の(1)から(3)に示す項目に関し、性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(1)難燃性評価
スガ試験機株式会社製のUL94燃焼性試験機を用いて各実施例及び各比較例の試験片(1/16インチ及び1/32インチの厚み)の垂直燃焼試験を行った。なおこのとき、各実施例及び各比較例では、それぞれ5本の試験片を用い、V−0基準を満たすか否か評価した。
(2)引張特性評価
JIS K7113に準拠して各実施例及び各比較例の試験片の降伏点強度及び破断伸びを測定した。なお、降伏点に達しないものは「なし」とした。
(3)可撓性評価
各実施例及び各比較例において、厚さ1/16インチ、幅10mmのシート状の試験片を180度折り曲げ(第1段階)、さらに反対側へ180度折り曲げる(第2段階)ことにより、各試験片の可撓性を評価した。この評価は、以下の4段階で行った。
若干白化するものの特に問題なく可撓性に優れる(◎)
明らかな白化が起こるが、ひび等はなく可撓性が良好(○)
第1段階で白化し、第2段階でひびが入る又は折れ、可撓性が不良(△)
第1段階でひびが入る又は折れ、可撓性が不良(×)
Figure 2005126633
表1及び表2示すように、実施例1〜実施例5ではいずれもポリアクリロ二トリル成分が85重量%よりも多く含有されるポリアクリロ二トリル系樹脂が配合されていることから、難燃性について良好な結果が得られた。また、実施例1〜実施例5ではいずれもポリオレフィン系軟質樹脂としてポリオレフィンエラストマーが含有されているため、引張り特性及び可撓性についても良好な結果が得られた。
比較例1では、各実施例に対しポリアクリロニトリル系樹脂及びポリオレフィンエラストマーが含有されていないため、難燃性、張り特性及び可撓性が低下する結果となった。また、比較例2では、各実施例に対しポリアクリロニトリル系樹脂及びポリオレフィンエラストマーを含有しない代わりにMg(OH)2が大量に配合されているため、難燃性が向上する一方で引張り特性及び可撓性が低下する結果となった。比較例3では、上記実施例2に対しポリアクリロニトリル系樹脂を含有せず、その代わりにエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)を配合したことから、難燃性が著しく低下する結果となった。
さらに、比較例4では、上記実施例4に対し赤燐を含有せず、その代わりにポリアクリロニトリル系樹脂の配合量を所定範囲以上に増加したため、引張特性及び可撓性が低下する結果となった。加えて、比較例5及び比較例6では、ポリアクリロ二トリル系樹脂のポリアクリロ二トリル成分が所定量(85重量%)以下であるため、難燃性、引張特性及び可撓性がともに低下する結果となった。

Claims (5)

  1. (A)ポリオレフィン系樹脂と、(B)ポリアクリロニトリル系樹脂とからなるマトリックス樹脂100重量部に対し、(C)金属水酸化物80〜180重量部及び(D)赤燐3〜20重量部の各成分を含有してなり、前記(B)成分中のアクリロニトリル成分が85重量%を超えることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記マトリックス樹脂100重量部のうち、前記(B)成分を1〜10重量部含有する請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記マトリックス樹脂100重量部のうち、前記(A)成分として(A−1)ポリプロピレン30〜80重量部及び(A−2)ポリオレフィン系軟質樹脂20〜70重量部を含有する請求項1又は請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記(C)成分は水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム又は水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種であり、その平均粒径は0.1〜20μmである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記マトリックス樹脂100重量部に対して(E)カーボンブラックを1〜5重量部含有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
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