JP2005126310A - 薄膜形成用処理剤および薄膜形成方法ならびに光学フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガラス等に近赤外線遮蔽性、意匠性を付与できる薄膜形成用処理剤および薄膜形成方法ならびに光学フィルターを提供する。
【解決手段】 (1)貴金属ナノロッド、(2)有機金属化合物、(3)溶媒、および(4)粘度調製剤を含有する薄膜形成用処理剤をガラス、或いはセラミック、或いは金属等の基板表面に塗布、乾燥の後、焼成することで貴金属ナノロッドを凝集させることなく固定した金属酸化物薄膜を基板表面に形成する。ナノロッド短軸に由来する性質と長軸に由来する性質を発現せしめ、意匠性、近赤外線遮蔽性の両機能を付与することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス等に近赤外線遮蔽性、意匠性を付与できる薄膜形成用処理剤および薄膜形成方法ならびに光学フィルターに関する。
建築物、車両などの窓、室内装飾に使用されているガラスは、意匠性を付与すべく所望の色彩に着色されている。ガラスを着色する方法としては、(イ)球形をした貴金属ナノ粒子を有機金属化合物と共に基材表面に焼き付け耐久性に優れた着色膜を得る方法、(ロ)貴金属錯体と有機金属化合物とを基材表面に焼き付け着色する方法、(ハ)銅、或いは銀化合物を基材表面に塗布、焼成することでイオン交換により着色する方法、等が提案されている。(例えば特許文献1参照)
一方で、冷房負担の軽減と防眩効果を奏する熱線遮蔽ガラスが求められている。また、プラズマディスプレイ装置においては、プラズマ放電に伴って放出される近赤外線が、家電製品のリモコン動作の誤作動を引き起こすことが知られており、プラズマディスプレイパネルの前面ガラスに近赤外線遮蔽性を付与する試みがなされている。ガラスに近赤外線遮蔽機能を持たせる方法としては、(ニ)ITO、ATO等の透明導電材料ナノ粒子を、ゾルゲルガラスを媒質として基材表面に固定する方法、(ホ)スパッタリング法により金属薄膜を基材表面に形成する方法、(ヘ)CVDにより金属酸化物膜を基材表面に形成する方法、等が提案されている。(例えば特許文献2参照)
また最近では、可視光、近赤外光に対して選択的な吸収機能を有する光学フィルターが知られている。具体的には、透明な基板上にロッド状の金属微粒子を樹脂成分中に分散させた高分子フィルムを積層した光学フィルターであって、ロッドの長軸に起因する可視光、近赤外光の吸収を利用したものである。(例えば特許文献3参照)
特開平08−73240号公報 特開昭10−265718号公報 特開2003−315531号公報
しかし、(イ)〜(ハ)のような着色ガラスでは熱線遮蔽効果を期待することはできず、(ニ)〜(ヘ)のような熱線遮蔽ガラスにあっては求められる意匠性に対応できず、いずれも単一機能しか有さない。
またロッド状の金属微粒子を樹脂成分中に分散した高分子フィルムを積層した光学フィルターでは、ロッド状の金属微粒子を固定している媒質が高分子であるため、環境条件などによって高分子が劣化するといった問題があった。更に、ロッド状の金属微粒子は外部からエネルギーが与えられると安定な形状、即ち球状に変形するため、該光学フィルターに熱エネルギーなどが付与されるとロッドに起因する性能を失ってしまい、改良の余地があった。
上記問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、貴金属ナノロッドの持つ単軸に由来する性質と長軸に由来する性質を同時に発現させることで、着色性、熱線遮蔽性に優れ、しかも外部エネルギーによる前記性能の損失を抑制し、環境条件により劣化し難い薄膜形成用処理剤および薄膜形成方法ならびに光学フィルターを提供する。
即ち、本発明は、(1)貴金属ナノロッド、(2)有機金属化合物、(3)溶媒、および(4)粘度調製剤を含有することを特徴とした薄膜形成用処理剤である。また前記薄膜形成用処理剤であって、(1)貴金属ナノロッドが、金、銀、白金、パラジウム、およびそれらの合金からなる群より少なくとも一種選ばれること;(2)有機金属化合物が、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムからなる群より少なくとも一種選ばれる金属を含有すること;(4)粘度調製剤が、ニトロセルロースであることを特徴とした発明である。
また本発明は、(1)貴金属ナノロッド、(2)有機金属化合物、(3)溶媒、および(4)粘度調製剤を含有する薄膜形成用処理剤を基板に塗布、乾燥の後、焼成することを特徴とした薄膜形成方法である。また前記薄膜形成方法であって、(1)貴金属ナノロッドが、金、銀、白金、パラジウム、およびそれらの合金からなる群より少なくとも一種選ばれること;(2)有機金属化合物が、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムからなる群より少なくとも一種選ばれる金属を含有すること;(4)粘度調製剤が、ニトロセルロースであること;塗布、乾燥の後、100℃以上400℃未満で熱処理した後、400℃以上800℃以下で焼成することを特徴とした発明である。
更に本発明は、貴金属ナノロッドを金属酸化物中に分散して固定した薄膜を設けたことを特徴とする光学フィルターである。また前記光学フィルターであって、貴金属ナノロッドの貴金属が、金、銀、白金、パラジウム、およびそれらの合金からなる群より少なくとも一種選ばれること;金属酸化物が、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムからなる群より少なくとも一種選ばれる金属を含有することを特徴とした発明である。
本発明によれば、貴金属ナノロッドを金属酸化物膜中に凝集することなく固定させることで、ナノロッド短軸に由来する性質と長軸に由来する性質を発現せしめ、意匠性、近赤外線遮蔽性の両機能を付与することができる。また、貴金属ナノロッドが固定された薄膜が金属酸化物であることから優れた耐久性を有すると共に、薄膜に外部エネルギーが付与されても貴金属ナノロッドの変形を抑制することができるといった効果がある。さらに、高屈折材料になるように金属酸化物の処理剤配合を設計することで、ナノロッドを固定している膜が高反射率化し、近赤外線遮蔽性、意匠性等をより向上させることができる。
本発明に係る薄膜形成用処理剤は、(1)貴金属ナノロッド、(2)有機金属化合物、(3)溶媒、および(4)粘度調製剤を含有するものであって、該薄膜形成用処理剤をガラス、或いはセラミック、或いは金属等の基板表面に塗布、乾燥の後、焼成することで貴金属ナノロッドを凝集させることなく固定した金属酸化物薄膜を基板表面に形成することができる。
(1)貴金属ナノロッドは、短軸長2〜30nm、長軸長5〜300nmの円柱状の形態を有し、金、銀、プラチナ、パラジウム等の貴金属、或いはその合金で構成されるが、好ましくは焼成においても酸化され難い金、プラチナである。貴金属ナノロッドとしては、ソフトテンプレート法と呼ばれる化学還元法で作製されたもの、ハードテンプレート法と呼ばれる電解還元法で作製されたものなどが提案されているが、本発明で使用する貴金属ナノロッドは作製方法には限定されずいずれの貴金属ナノロッドも使用できる。また貴金属ナノロッドの性質は構成する金属種、短軸長、長軸長により決定されるため、所望とする特性からこれら要因を選択しなければならない。尚、該貴金属ナノロッドを処理剤中で凝集、沈降することなく安定して存在させるためには、貴金属ナノロッドの長軸長が200nm未満であることが望ましい。
貴金属ナノロッドの短軸に由来する性質とは可視域に吸収を持つことであり、長軸に由来する性質とは可視域以上の長波長域に吸収を持つことである。また貴金属ナノロッドのアスペクト比を変化させることで長軸に由来する吸収波長を可視域から赤外域まで自在に変化できることも、貴金属ナノロッドの優れた性質のひとつである。尚、アスペクト比は1が球であることを示すので、貴金属ナノロッドのアスペクト比は1より大きい必要がある。
本発明に使用する(1)貴金属ナノロッドの添加量は、所望とする特性、処理液塗布方法、基材への処理液付着量により適宜決めなければならない。例えば金ナノロッドを使用した処理剤の場合、スクリーン印刷法(紗種:ポリエステル#250)によりガラス基材に塗布し、金ナノロッドの長軸に由来する吸収ピークの吸光度を0.5程度得たいのであれば、処理液中に金ナノロッドを、0.2〜0.4wt%添加すればよい。
(2)有機金属化合物は、低温でリジッドな構造を形成し貴金属ナノロッドの熱による変形を抑制できるものが用いられる。その理由としては、貴金属ナノロッドが熱によりアスペクト比が小さくなる方向に変形するため、リジッドな構造で焼成時の熱変形を抑制しないとナノロッドの長軸に由来する特性を充分に発揮できなくなるためである。すなわち低温とは貴金属ナノロッドが大きく変形しない温度域を指し、その温度域は貴金属ナノロッド種により異なるが、具体的には400℃未満でリジッドな構造を形成することが望ましい。このリジッドな構造は有機金属化合物が縮重合することにより形成されると推察される。
尚、(2)有機金属化合物は焼成により金属酸化物と変化し、薄膜においては貴金属ナノロッドを分散して固定する媒質として、外部エネルギーによる貴金属ナノロッドの変形を抑制せしめることができる。
好ましい(2)有機金属化合物としては、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、アルミニウムなどの金属のエトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシド類、アセチルアセトン塩、グリコレート塩等のキレート類、ヒドロキシステアレート、ヒドロキシラクテート等のアシレート類をあげることができる。これらは単独で使用するに限らず、併用することができる。
本発明に使用する(2)有機金属化合物の添加量は、(1)貴金属ナノロッドに含まれる貴金属原子数(N)に対して(2)有機金属化合物に含まれる金属原子数(M)の割合が、M/N=0.5以上であることが望ましい。M/Nの上限値は、他の添加物の添加量により自ずと制限される。M/Nが0.5未満の場合、焼成時に(1)貴金属ナノロッドが凝集し、本発明の目的とする効果を充分には得られない。
(3)溶媒は、(1)貴金属ナノロッドを分散でき、(2)有機金属化合物、(4)粘度調製剤を溶解できるものであれば特に限定されるものではない。また(3)溶媒は基材への処理液塗布方法により適宜選択する必要があり、例えば、メタクレゾール、ジメチルホルムアミド、カルビトール、α−テレピネオール、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコール、パラキシレン、トルエンなどの高沸点溶剤が、スクリーン印刷やフレキソ印刷などを利用して各処理液をガラス基板表面に塗布するうえで好ましい。
本発明に使用する(4)粘度調製剤は、前述の(3)溶媒に可溶であって、処理液塗布方法に適応した粘性を処理液に与えるものであり、焼成時に速やかに分解、揮発する有機高分子を使用することが好ましい。また焼成膜の耐久性を考慮すると、炭素などの焼成後残分ができるだけ少ない化合物を選択することが望ましい。粘性調製剤として具体的にはニトロセルロース、エチルセルロースなどのセルロース類、ポリ塩化ビニル類、ポリメチルメタクリレートなどのポリアクリル類などの樹脂が挙げられる。中でもニトロセルロースは比較的低温で爆発的に分解、揮発するため、より強固な薄膜を得ることができることから好ましく用いられる。
本発明に使用する(3)溶媒、(4)粘度調製剤の添加量は、処理剤の塗布方法により適宜決定される。
上記薄膜形成用処理剤の調製方法は特に限定されないが、例えば、はじめに容器に所定量の(3)溶媒を計りとり、該容器を40〜80℃に設定したウォーターバスにセットする。その後、粘度調製剤(4)を前記容器に加えて15〜30分間攪拌する。さらに貴金属ナノロッド(1)、有機金属化合物(2)を加えて10〜20分間攪拌した後、室温で冷却し、本発明で用いる処理剤を得る。
以上の如く作製された薄膜形成用処理剤は、透明ガラス等の基板上にスプレー、ディップ、ロールコート、スピンコート、フローコート、ナイフコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの方法で塗布する。処理剤の塗布量は、焼成後の膜厚が、10〜500nmになるよう、処理液配合、塗布方法、塗布条件等により調整され、40〜400℃で乾燥した後、400〜800℃で焼成し、冷却を経て薄膜を形成できる。尚、薄膜に充分な耐久性を与えるためには、600〜800℃で焼成することが望ましい。
尚、乾燥の後、100℃以上400℃未満で熱処理した後、400℃以上800℃以下で焼成することで、焼成時の貴金属ナノロッドの熱変形を抑制した薄膜を得ることができる。この100℃以上400℃未満の熱処理においては、貴金属ナノロッドが大きな熱変形をせず、かつ有機金属化合物がリジッドな構造を形成することができる。つまりリジッドな構造を予め形成せしめてから焼成することで、貴金属ナノロッドが熱変形し難いといった効果がある。
このようにして得られた薄膜は、貴金属ナノロッドを金属酸化物中に分散して固定された薄膜であって、貴金属ナノロッドの短軸に由来する吸収と、長軸に由来する吸収が確認される。尚、比較的低温でリジッドな構造を形成する(2)有機金属化合物を配合しない系の処理剤を用いた場合、処理基板を高温で焼成して得られた薄膜はこの二つの吸収が重なりあう現象が確認される。これは焼成によって貴金属ナノロッドが変形しアスペクト比が減少する、すなわち粒子化してロッド形状が損なわれることに起因すると考えられるが、本発明では比較的低温でリジッドな構造を形成する(2)有機金属化合物を配合しているため、高温焼成においても貴金属ナノロッドの変形が抑制され、短軸由来の吸収と長軸由来の吸収が重なりあうことがない。
尚、この薄膜を用いて光学フィルターを得ることができる。例えば、ガラス等の透明基板上に積層したり、ガラス等の透明基板間に介在させたりすることで、短軸に由来する吸収性能と長軸に由来する吸収性能を有する光学フィルターとなる。この光学フィルターを、建築物、車両等のガラスとして適用する場合は1500nm付近に、プラズマディスプレイ用のフィルターとして適用する場合は800nm付近に吸収特性が発現できるよう構成することが好ましい。
80℃に温度調節されたウォーターバスにプロペラ攪拌機、撹拌容器を設置し、表1に示された配合量に従って、先ず溶媒に粘度調整剤を溶解し、次にナノロッド分散液、あるいはナノ粒子分散液と有機金属化合物を添加、混合した。その後室温まで自然冷却してそれぞれの処理剤を作製した。
表1に示す各処理剤を厚さ3mm×50mm×50mmの透明なガラス基板上にスクリーン印刷法(紗種:ポリエステル#250、パターン:40×30mmベタ、スキージー:ウレタン製硬度70度)により塗布し、150℃の熱風循環式オーブンで5分間乾燥し、大気雰囲気中で600℃のマッフル炉中で10分間焼成し、最後に自然冷却してそれぞれの試料を得た。尚、配合量の単位はwt%である。
金ナノロッドは、ソフトテンプレート法により作製された単軸長10nm、長軸長40nmのものをトルエンに分散した状態で使用した。分散液の金含有量は10wt%である。金ナノ粒子は粒子径3nmのものをトルエンに分散した状態で使用した。分散液の金含有量は5wt%である。
Figure 2005126310
1.吸収スペクトル特性
得られた試料を近赤外可視分光光度計により、波長1500〜400nmの吸光度を測定した。結果を図1に示す。
実施例1、実施例2のスペクトルには600nmと700nmに二つの吸収ピークが観測され、600nmのピークは金ナノロッド短軸に由来する、700nmのピークは金ナノロッド長軸に由来するプラズモン電子共鳴吸収と考えられる。
比較例1に金ナノロッドの代わりに金ナノ粒子を使用した例を示す。630nmにナノ粒子のプラズモン電子共鳴吸収が観測されるのみであって、熱線遮蔽効果は確認されなかった。
2.耐磨耗性評価
実施例1、実施例2の耐摩耗性をテーバー摩耗試験で評価した。試験条件は、摩耗輪:CS−10F、荷重:2.45N、回数:500回転である。実施例1は膜表面にわずかに摩耗痕が見られたのに対して、実施例2では膜の脱落が観察された。
3.透過電子顕微鏡像
乾燥、焼成工程間の熱処理の有無による貴金属ナノロッドの変形について調べた。
表1の実施例1に示す配合の処理剤を、厚さ3mmの透明なガラス基板上にスクリーン印刷法(紗種:ポリエステル#250、パターン:40×30mmベタ、スキージー:ウレタン製硬度70度)により塗布し、150℃の熱風循環式オーブンで5分間乾燥した後、300℃で780分間熱処理を行った。そして、大気雰囲気中で600℃のマッフル炉中で10分間焼成し、最後に自然冷却して薄膜付ガラスを得た。一方で、300℃で780分間熱処理を行わなかった以外は同様にして薄膜付ガラスを得た。
各試料をフッ酸蒸気にさらした後、水に浸漬して薄膜をガラスから剥離させた。これをカーボンメッシュですくい取って風乾し、透過型電子顕微鏡(TEM)用試料とした。各試料のTEM像を図2(熱処理あり)、図3(熱処理なし)に示す。
図2、図3共に、アスペクト比2程度の貴金属ナノロッドが観察されるが、その数は図2(熱処理あり)の方が多く、乾燥、焼成工程間に熱処理を施すことで、貴金属ナノロッドの変形をより抑制できていることがわかる。
本発明にかかる薄膜形成用処理剤および薄膜形成方法ならびに光学フィルターは、建築物、車両等のガラスや、プラズマディスプレイ用フィルターに適用される。
本発明に係る実施例および比較例の吸収スペクトル特性を示す図である。 本発明に係る実施例で、乾燥、焼成工程の間に熱処理を施した薄膜のTEM像である。 本発明に係る実施例で、乾燥、焼成工程の間に熱処理を施していない薄膜のTEM像である。

Claims (12)

  1. (1)貴金属ナノロッド、(2)有機金属化合物、(3)溶媒、および(4)粘度調製剤を含有することを特徴とした薄膜形成用処理剤。
  2. (1)貴金属ナノロッドの貴金属が、金、銀、白金、パラジウム、およびそれらの合金からなる群より少なくとも一種選ばれる請求項1記載の薄膜形成用処理剤。
  3. (2)有機金属化合物が、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムからなる群より少なくとも一種選ばれる金属を含有する請求項1または2記載の薄膜形成用処理剤。
  4. (4)粘度調製剤が、ニトロセルロースである請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜形成用処理剤。
  5. (1)貴金属ナノロッド、(2)有機金属化合物、(3)溶媒、および(4)粘度調製剤を含有する薄膜形成用処理剤を基板に塗布、乾燥の後、焼成することを特徴とした薄膜形成方法。
  6. (1)貴金属ナノロッドが、金、銀、白金、パラジウム、およびそれらの合金からなる群より少なくとも一種選ばれる請求項5記載の薄膜形成方法。
  7. (2)有機金属化合物が、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムからなる群より少なくとも一種選ばれる金属を含有する請求項5または6記載の薄膜形成方法。
  8. (4)粘度調製剤が、ニトロセルロースである請求項5〜7のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  9. 塗布、乾燥の後、100℃以上400℃未満で熱処理した後、400℃以上800℃以下で焼成する請求項5〜8のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  10. 貴金属ナノロッドを金属酸化物中に分散して固定した薄膜を設けたことを特徴とする光学フィルター。
  11. 貴金属ナノロッドの貴金属が、金、銀、白金、パラジウム、およびそれらの合金からなる群より少なくとも一種選ばれる請求項10記載の光学フィルター。
  12. 金属酸化物が、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミニウムからなる群より少なくとも一種選ばれる金属を含有する請求項10または11記載の光学フィルター。
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