JP2005125690A - インクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、画像濃度の制御が正確に行えるインクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 色材を含む第1のインクにより画像を形成し、次いで白色顔料を含有する第2のインクにより該画像を修正するインクジェット画像形成方法において、第1のインクと第2のインクが混合しないことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 色材を含む第1のインクにより画像を形成し、次いで白色顔料を含有する第2のインクにより該画像を修正するインクジェット画像形成方法において、第1のインクと第2のインクが混合しないことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、インクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法に関し、画像濃度の制御が正確に行えるインクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成出来るため、写真、各種印刷、プルーフ、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを吐出、制御する画像記録装置や、色再現域、耐久性、吐出適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、画像記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
また、最近ではデジタルデータに基づいてカラー画像を形成することが頻繁に行われるようになっているが、インクジェット記録方式は記録装置の個体差が大きく、カラーマネージメントシステムなどのソフトウエアにより個体差をなくす対応がとられてきた。しかしながらプルーフの分野ではリモートプルーフが本格的に検討されるようになってきており、記録装置間の個体差がなく、かつ低濃度部から高濃度部にわたるより厳密な色の調整が要求される。
例えば、被記録材に対して有色インクによりドットをプリントする第1のプリント手段と、前記被記録材に対して白色または無色インクによりドットをプリントする第2のプリント手段と、前記有色インクによりプリントされるドットのサイズを制御する第1の制御手段と、前記有色インクによるドットに前記白色または無色インクによるドットが重ねてプリントされるように制御する第2の制御手段とを備えた、インクジェットプリンタが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、最小サイズの黒インクによるドットよりも更に濃度の低いドットをプリントすることにより、灰色のドットをプリントし、低濃度領域の階調性を向上させるものである。
該公報に記載された発明は、白インクにより濃度を低下させた色を作成し、これにより低濃度部のみの階調再現力を高めることを狙った技術であり、本願発明が意図する低濃度部から高濃度部にわたる濃度補正をするという概念はなく、一度画像を形成した後に補正するという概念もない。
また、有色である第1の顕像剤によって画像形成される有色領域データのみからなる画像データに対し、該画像データ内に存在するシャギーを抽出するシャギー抽出手段と、上記シャギー抽出手段によって抽出されたシャギーに対して、第2の顕像剤によって上記シャギーの角を被覆するための被覆データを形成する被覆データ形成手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。これにより、印字画像の斜めエッジ部分に生じるシャギーのギザギザに白トナーを被せて印字し、シャギーの角のとがりをなくし、シャギーを滑らかにするスムージング効果を得ることで高精彩な画像を再現出来ることが述べられている。しかし、本願発明が意図する濃度の調整に関しては何ら述べられていない。
一方、白色インクと白色以外のインクを重ね合わせて画像を再現する技術が開示されているが(例えば、特許文献3参照。)、該公報はインクの滲み改良が狙いであり、本出願とは目的が異なる。
更に、インク滴を記録媒体に噴射して画像を記録するインクジェット記録方法において、画像読取装置を設け、記録媒体自身の画像を読み込み、それに応じて該記録媒体の処理及び該記録媒体への印写を行うことを特徴とするインクジェット記録方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。これにより、両面コピーする場合等に生じる裏面の画像の影響、あるいは記録媒体にある汚れ等を目立たなくすることが出来ると述べている。該公報は不要な画像を消去することが目的であり、本願発明が意図する濃度補正という概念はない。
よって、インクジェット記録装置間の個体差がなく、かつ低濃度部から高濃度部にわたるより厳密な色の調整を達成する技術が要望されている。
特開平11−58707号公報
特開2001−341352号公報
特開2003−145745号公報
特開2003−182054号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的はインクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法に関し、画像濃度の制御が正確に行えるインクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
色材を含む第1のインクにより画像を形成し、次いで白色顔料を含有する第2のインクにより該画像を修正するインクジェット画像形成方法において、第1のインクと第2のインクが混合しないことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
(請求項2)
第2のインク画像部の透過率が80%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
(請求項3)
第2のインクが活性光線硬化型白色インクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット画像形成方法。
(請求項4)
少なくとも1種ずつのイエロー、マゼンタ、シアン、黒インクを吐出する第1のインクジェットヘッドと、白インクを吐出する第2のインクジェットヘッドを有し、第2のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッドによる画像形成後に画像形成するように配置されたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
(請求項5)
請求項4に記載の装置を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
(請求項6)
請求項1〜3、5のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法を用いることを特徴とするプルーフ画像形成方法。
(請求項1)
色材を含む第1のインクにより画像を形成し、次いで白色顔料を含有する第2のインクにより該画像を修正するインクジェット画像形成方法において、第1のインクと第2のインクが混合しないことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
(請求項2)
第2のインク画像部の透過率が80%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
(請求項3)
第2のインクが活性光線硬化型白色インクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット画像形成方法。
(請求項4)
少なくとも1種ずつのイエロー、マゼンタ、シアン、黒インクを吐出する第1のインクジェットヘッドと、白インクを吐出する第2のインクジェットヘッドを有し、第2のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッドによる画像形成後に画像形成するように配置されたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
(請求項5)
請求項4に記載の装置を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
(請求項6)
請求項1〜3、5のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法を用いることを特徴とするプルーフ画像形成方法。
本発明により、画像濃度の制御が正確に行えるインクジェット画像形成方法、画像形成装置及びそれを用いたプルーフ画像形成方法を提供することが出来る。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、色材を含む第1のインクにより画像を形成し、次いで白色顔料を含有する第2のインクにより該画像を修正するインクジェット画像形成方法において、第1のインクと第2のインクが混合しないことを特徴とするインクを用いることにより、着色インクによる画像を形成後、これを測定し所望の濃度になっていない場合に、白色インクを重ね撃ちすることにより濃度を制御し、補正可能であることを見出した。更に、該白色インクに活性線硬化型インクを用いることで、滲みにくく、濃度の制御が正確に行えるということを見出し、本発明を成すに至った次第である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクセットにおいては、第2のインクが白色顔料を含む白色インクであり、色材を含む第1のインク(以下、カラーインクともいう)と混合しないことを特徴とする。
本発明に係る白色インクに用いられる白色顔料は、インク組成物を白色にするものであればよく、通常、この分野に用いられる白色顔料を用いることが出来るが、このような白色顔料として、無機白色顔料や有機白色顔料、白色の中空ポリマー微粒子を用いることが好ましい。
無機白色顔料としては、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。本発明においては、特に、酸化チタンが隠蔽性及び着色性、分散粒径の観点で好ましい。特に、隠蔽性に関しては、第2のインク画像部の透過率が80%以下であることが好ましく、一つの好ましい態様としては透過率が20%以下の白色インクであり、他の好ましい態様としては、透過率が20〜90%、好ましくは50〜85%、より好ましくは60〜80%である。このような透過率の異なるインクにより、大幅な補正の場合は透過率が20%以下であるインクを用い、修正が微少であれば上記透過率の高いインクを用い微調整することが可能である。
有機白色顔料としては、特開平11−129613号に示される有機化合物塩や特開平11−140365号、特開2001−234093号に示されるアルキレンビスメラミン誘導体が挙げられる。
上記白色顔料の具体的な市販品としては、ShigenoxOWP、ShigenoxOWPL、ShigenoxFWP、ShigenoxFWG、ShigenoxUL、ShigenoxU(以上、ハッコールケミカル社製、いずれも商品名)などが挙げられる。
白色の中空ポリマー微粒子としては、米国特許第4,089,800号に開示されている、実質的に有機重合体で作らた熱可塑性を示す微粒子などが挙げられる。白色顔料は単独で用いても良いし、併用しても良い。
白色顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることが出来る。また、白色顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤は高分子分散剤を用いることが好ましい。
高分子分散剤としてはZeneca社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種白色顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、白色顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は溶剤または重合性化合物で行うが、後述する活性光線照射による硬化性を有するインクの場合は、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
分散は、平均粒径を0.1〜1.0μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、白色顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク隠蔽性及び硬化感度を維持することが出来る。
白色顔料は、透過率を制御する為に含有量を適宜変更出来るが、インク組成物全体の1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%の範囲で含有されることが好ましい。含有量がこれより少ないと隠蔽性が得られず、これより多いとインクジェットによる出射性が悪くなり、目詰まりなどの原因になる。
本発明のインクセットは、カラーインクと白色インクとで構成されているが、カラーインクと白色インクが混合しないように、カラーインクを吐出しカラー画像を形成した後に、時間差を設け白色インクを吐出し該カラー画像の上に白色インクを重ねることが好ましい。時間差はカラーインクが記録材料上で乾燥し、白色インクを重ねても混合しない時間を測定し適宜決定すればよい。また、各カラーインクには着色剤と共に、重合性化合物及び光重合開始剤を含有し記録材料上に射出した後活性光線を照射して硬化を行い、更に重合性化合物及び光重合開始剤を含有し活性光線で硬化する白色インクを重ねることも好ましい態様である。
以下、本発明に用いられる重合性化合物について説明する。
本発明に用いられる重合性化合物の第一の形態としては、オキセタン化合物とエポキシ化合物またはビニルエーテル化合物が挙げられる。
上記オキセタン化合物のインク組成物全体に占める割合が65〜95質量%であることが好ましい。特開2001−220526号において、オキセタン化合物を含有したインクジェット記録方式用のエネルギー線硬化型インク組成物が開示されており、オキセタン化合物のインク組成物全体に占める割合を65〜95質量%とすることが好ましい。
本発明で用いることの出来るオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を意味し、例えば、特開2001−220526号、特開2001−310937号に記載されているような、公知のオキセタン化合物を使用することが出来る。
本発明に用いられるオキセタン化合物において、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、作製したインクの粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、またインクのガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
以下、本発明に用いられるオキセタン環を有する化合物の具体例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
一般式(1)において、R1は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
一般式(2)において、R1は、上記一般式(1)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては、下記一般式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基も挙げることが出来る。
一般式(3)において、R4は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
一般式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、またはC(CH3)2を表す。
一般式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(6)で示される基から選択される基も挙げることが出来る。
一般式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
例示化合物1は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボニル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(2)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(7)で示される化合物がある。一般式(7)において、R1は、前記一般式(1)のR1と同義である。
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(8)で示される化合物が挙げられる。
一般式(8)において、R1は、前記一般式(1)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3または4である。
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(9)で示される化合物が挙げられる。
一般式(9)において、R8は前記一般式(6)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の化合物が挙げられる。
次いで、本発明に用いられるエポキシ化合物について説明する。
上記エポキシ化合物は、例えば、特開2001−55507号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−310938号などに示されている、公知のあらゆるエポキシ化合物が使用出来る。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造される、ジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル、及びノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸化物等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、オキセタン化合物と共に上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
次いで、本発明に用いられるビニルエーテル化合物について説明する。
本発明に用いられるビニルエーテル化合物としては、公知のあらゆるビニルエーテル化合物を使用出来、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジビニルエーテル化合物またはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、オキセタン化合物と共に上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明に用いられる重合性化合物の第2の形態としては、ピロール及び置換ピロール、アニリン及び置換アニリン、チオフェン及び置換チオフェンが挙げられる。
置換ピロールとしては、N−メチルピロール、N−エチルピロール等のN−アルキルピロール類、N−フェニルピロール等のN−アリールピロール類、2−ニトロフェニルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−クロルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロルピロールなど、置換アニリンとしては、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−ジメチルアニリン、N−ジエチルアニリン、クロルアニリン、ジクロルアニリン、クロル−N−メチルアニリン、クロル−N−ジメチルアニリン、ジクロル−N−アセチルアニリン、フェニレンジアミンなど、置換チオフェンとしては、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−クロルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジクロルチオフェン、2,2′−ビチオフェンなどがある。
本発明におけるラジカル重合性化合物の具体例を挙げる。
〈アクリレート類の例〉
単官能アルキルアクリレート類の例:メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能アルキルアクリレート類の例:メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:2−メトキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:β−カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
二官能アクリレート類の例:1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO(プロピレンオキサイド)変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート。
三官能アクリレート類の例:グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
〈メタクリレート類の例〉
単官能アルキルメタクリレート類の例:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能アルキルメタクリレート類の例:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:2−メトキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:β−カルボキシエチルメタクリレート、こはく酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
2官能メタクリレート類の例:1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート。
三官能メタクリレート類の例:グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
4官能以上のメタクリレート類の例:ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
アリレート類の例:アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレート。
酸アミド類の例:アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
〈スチレン類の例〉
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシカルボニルスチレン、p−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
〈他のビニル化合物の例〉
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等。
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等。
上記のラジカル重合性化合物は、以下に示すメーカーの市販品として、容易に入手することが出来る。例えば、共栄社油脂化学工業社製の「ライトアクリレート」、「ライトエステル」、「エポキシエステル」、「ウレタンアクリレート」及び「高機能性オリゴマー」シリーズ、新中村化学社製の「NKエステル」及び「NKオリゴ」シリーズ、日立化成工業社製の「ファンクリル」シリーズ、東亞合成化学社製の「アロニックスM」シリーズ、大八化学工業社製の「機能性モノマー」シリーズ、大阪有機化学工業社製の「特殊アクリルモノマー」シリーズ、三菱レイヨン社製の「アクリエステル」及び「ダイヤビームオリゴマー」シリーズ、日本化薬社製の「カヤラッド」及び「カヤマー」シリーズ、日本触媒社製の「アクリル酸/メタクリル酸エステルモノマー」シリーズ、日本合成化学工業社製の「NICHIGO−UV紫光ウレタンアクリレートオリゴマー」シリーズ、信越酢酸ビニル社製の「カルボン酸ビニルエステルモノマー」シリーズ、興人社製の「機能性モノマー」シリーズ等が挙げられる。本発明のラジカル重合性化合物は、ただ一種のみ用いても、所望とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合したものを用いてもよい。
マレイミド誘導体としては公知の化合物が使用出来る。例えば、特開昭61−250064号、特開昭62−64813号、特開昭62−79243号、特開平6−298817号、特開平11−124403号、特開平11−292874号、特開平11−302278号、特開2000−264922号、「Polymer Materials Science and Engineering」第72巻、第470〜472頁(1995年)、「Polymer Preprints」第37巻、第348〜349頁(1996年)、「第4回フュージョンUV技術セミナー」第43〜77頁(1996年)、「Polymer Letters」第6巻、第883〜888頁(1998年)、「第9回フュージョンUV技術セミナー」第5〜20頁(2001年)等に記載された化合物が使用出来る。
本発明で用いることの出来る光重合開始剤としては、公知のあらゆる光酸発生剤を挙げることが出来る。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192頁参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることが出来る。
本発明で用いることの出来るオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることが出来、その具体的な化合物を、以下に例示する。
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることが出来、以下にその具体的な化合物を例示する。
第4に、鉄アレン錯体を挙げることが出来る。
本発明に係るインクは、特開平8−248561号、特開平9−34106号をはじめてとし、既に公知となっている活性光線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、吐出安定性向上、記録材料のカール・しわの低減を可能となり好ましい。
本発明に係るカラーインクにおいては、上述の活性光線硬化型の各組成物と共に、各種公知の染料または顔料を含有しているが、好ましくは顔料を含有する。
本発明で好ましく用いることの出来る顔料を、以下に列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
本発明のインクにおいては、着色剤濃度としては、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
本発明のインクにおいては、着色剤濃度としては、インク全体の1〜10質量%であることが好ましい。
本発明に係るインクには、必要に応じて、その他の成分を添加することが出来る。
線源としてUV光、可視光、赤外光を用いる場合は、それぞれの波長に応じたラジカル重合開始剤、開始助剤、増感色素を添加するのが普通である。これらの量は通常インク全体の1〜10質量部が必要となる。開始剤等は公知の様々な化合物を使用することが出来るが、上記重合性化合物に溶解するものから選択する。具体的な開始剤としては、キサントンまたはチオオキサントン系、ベンゾフェノン系、キノン系、フォスフィンオキシド系が挙げられる。
また、保存性を高めるために、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが出来る。本発明のインクは40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。オレフィンやPET等の記録媒体への密着性を改善するためには、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることが好ましい。
具体的には、特開2001−49200号の公報の5〜6頁に記載されている、高分子量の粘着性ポリマー((メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステル、からなる共重合物)や、重合性不飽和結合を持つ低分子量粘着付与性樹脂などである。
記録媒体との密着性を改善するため、乾燥性に影響しない極微量の有機溶剤を添加してもよい。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。
また、インク色材による遮光効果のため、感度低下を防ぐ手段として、開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
インク組成物の粘度が30℃において10〜500mPa・s、また40℃以上(上限は50℃ぐらい)に加熱することにより7〜30mPa・sになるよう組成比を決めるのが好ましい。
その理由は、室温での粘度を上げることにより、吸収性のある記録媒体にもインクの浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、着弾時のドット滲みを抑えることが出来、画質が改善される。また、表面張力の違う基材間でも同じようなドットが形成されるため、同じような画質が得られる。10mPa・s未満では、滲み防止効果が小さい。500mPa・sより大きいと、インク液の供給に問題が生じる。
また、安定な出射性を得るためにはインク組成物の40℃以上における粘度が7〜30mPa・sとなることが好ましい。
本発明で用いることの出来る記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることが出来、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、延伸ナイロン(ONy)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムを挙げることが出来る。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用出来る。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
これら各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは、素材の特性により大きく異なり、記録材料によってはインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成出来る。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応出来る等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明のインクセットを用いた画像形成方法においては、前述のように、白色インクをカラーインクにより形成された画像領域に射出し、濃度補正を行うことを特徴とする。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚に特に制限はなく、記録材料の種類によって適宜変更出来る。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えてもよく、また記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、2〜20μmであることが好ましく、記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚に特に制限はなく、記録材料の種類によって適宜変更出来る。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えてもよく、また記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、2〜20μmであることが好ましく、記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
尚、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成出来る。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜1.0秒、更に好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜1.0秒、更に好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることが出来る。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特に、シュリンクラベルなどへの印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用出来ないのが現状であった。
本発明では、254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成出来、かつ、記録材料の収縮も実用上許容レベル内に収められる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、熱陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
次いで、本発明で用いることの出来るインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明に係る記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明で用いることの出来る記録装置の一態様であり、本発明に係る記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明に係る記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、有色インク記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5、白色インク記録ヘッド8、スキャナー部9等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現出来る。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された有色インク記録ヘッド3及び白色インク記録ヘッド8の走査を行う。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する有色インク記録ヘッド3を複数個、白色インク記録ヘッドを少なくとも1個吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1ではヘッドキャリッジ2がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の有色インク記録ヘッド3とホワイト(W:白色インク)の白色インク記録ヘッド8とを収納するものとして描図を行っているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3及び8の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3及び8は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3及び8により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3及び8は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、コンピュータ上(図示せず)にある元画像データを再現するように記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。更に、得られた画像をスキャナー部9により読み取りコンピュータで元画像データとの濃度差を演算処理し、画像濃度の補正が必要な場合は補正データを白色インク記録ヘッドに送り、白色インク記録ヘッドより補正に必要な量の白色インクを前記画像上に重ね打ちを行う。
上記走査を適宜回数行い、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行った後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行いながら、記録ヘッド3及び8により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行う。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3及び8からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
この時、カラーインクと白色インクの射出順序としては、前述のようにカラーインクを射出し、スキャナー部9で画像データを読み取った後、白色インクをその印字部に射出することが好ましい。その際、カラーインクと白色インクが混合しない程度に時間差を設けるか、あるいはカラーインクを射出し、活性光線を照射して硬化させた後、白色インクをその印字部に射出し、次いで活性光線を照射して硬化させてもよい。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行うことが出来好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することが出来る。
照射手段4は、記録ヘッド3及び8がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定出来る最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3及び8全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離をh1とした時、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離(h2)を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離(d)を離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することが出来る。
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。更に、ヘッドキャリッジ8に白色インクが装填されたインクジェット記録ヘッドを配置する。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることが出来る。
また、画像データを読み取るスキャナー部9をヘッドキャリッジ2とヘッドキャリッジ8の間に配置し、前述のように得られた画像データ情報をコンピュータに送る。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2、8及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。カラーインクと白色インクの射出方法は前記した方法で行われる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《カラーインクの調製》
下記の方法に従って、表1に記載の4色のカラーインクを調製した。
下記の方法に従って、表1に記載の4色のカラーインクを調製した。
各カラーインクの調製は、分散剤(PB822 味の素ファインテクノ社製)を5質量部と、各光重合性化合物(OXT−221、RSOX、Vikoflex7010)、フッ素系ノニオン界面活性剤(メガファックF475、メガファックEXP.TF907)をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間かけて撹拌、混合して溶解させた。次いで、この溶液に表1に記載の各色材を添加した後、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて2時間分散処理を行った。次いで、ジルコニアビーズを取り除き、光ラジカル発生剤(イルガキュア651)、光酸発生剤(Chivacure9000)を添加し、これをプリンタ目詰まり防止のため0.8μmメンブランフィルターで濾過して、ブラックインク(K)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)を調製した。尚、上記調製した各カラーインクの粘度は、36〜38mPa・sの範囲であった。
《白色インクの調製》
(白色顔料分散物の調製)
以下の各組成物を加圧ニーダーにより配合し、次いでロールミルによって練肉・分散を行い、白色顔料分散物を得た。
(白色顔料分散物の調製)
以下の各組成物を加圧ニーダーにより配合し、次いでロールミルによって練肉・分散を行い、白色顔料分散物を得た。
酸化チタン(平均粒径0.20μm、屈折率2.52) 25.00質量部
中性高分子分散剤 1.25質量部
オキセタン化合物(OXT−221:東亞合成化学社製) 73.75質量部
(白色インクの調製)
表1記載の材料及び割合で上記カラーインクの調製と同様に組成物を混合した後、絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過し、活性光線硬化型の白色インクを得た。
中性高分子分散剤 1.25質量部
オキセタン化合物(OXT−221:東亞合成化学社製) 73.75質量部
(白色インクの調製)
表1記載の材料及び割合で上記カラーインクの調製と同様に組成物を混合した後、絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過し、活性光線硬化型の白色インクを得た。
《インクジェット画像形成》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図2に記載のラインヘッド方式からなるインクジェット記録装置10台(記録装置1〜10)に、上記調製したカラーインク(4色)と白色インクからなる各インクセットを装填し、コンピュータ上(図示せず)にある元画像データに基づき、Y、M、C、K4色のインクを上質紙、キャストコート紙、PETフィルム上に吐出しインクジェット画像形成を行い、照射手段4にて紫外線を照射しインク画像を硬化した。次いで、スキャナー部9にて得られた画像データを読み取り画像情報をコンピュータに送り、元画像データとの濃度差を演算し、元画像濃度に対し形成されたインクジェット画像濃度が高い場合は、コンピュータよりカラーインクの印字部に濃度差に対応した量の白色インクを射出する補正データを送り濃度補正を行った。更に照射手段4にて紫外線を照射しインク画像を硬化した。この一連の動作は連続して行った。
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図2に記載のラインヘッド方式からなるインクジェット記録装置10台(記録装置1〜10)に、上記調製したカラーインク(4色)と白色インクからなる各インクセットを装填し、コンピュータ上(図示せず)にある元画像データに基づき、Y、M、C、K4色のインクを上質紙、キャストコート紙、PETフィルム上に吐出しインクジェット画像形成を行い、照射手段4にて紫外線を照射しインク画像を硬化した。次いで、スキャナー部9にて得られた画像データを読み取り画像情報をコンピュータに送り、元画像データとの濃度差を演算し、元画像濃度に対し形成されたインクジェット画像濃度が高い場合は、コンピュータよりカラーインクの印字部に濃度差に対応した量の白色インクを射出する補正データを送り濃度補正を行った。更に照射手段4にて紫外線を照射しインク画像を硬化した。この一連の動作は連続して行った。
インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。各カラーインクが着弾した後、キャリッジ間のランプユニットにより、瞬時(着弾後0.5秒未満)に、照射光源(高圧水銀ランプVZero085、INTEGRATION TECHNOLOGY社製、ピーク波長:254nm、最大照度:400mW/cm2)を用いて紫外線照射してインクを硬化した。上記白色インクを着弾した後、同様に紫外線照射してインクを硬化したが、画像記録後に観察したところカラーインクと白色インクは混合されていなかった。また総インク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。尚、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
以上のようにして得られた記録装置1〜10の濃度測定結果を表2に示す。また、白インクを用いずに(補正なし)インクジェット画像を形成した試料を比較とし、結果を表3に示した。
尚、各試料は、Y、M、C、K各画像の高濃度部と中濃度部をX−Rite508型濃度計(X−Rite社製)で裏に白紙を当てて反射濃度を測定した。
表2、表3より、本発明に係る白インクで濃度補正した場合は、比較に対し記録装置間での濃度ばらつきが大幅に低減していることが明らかである。
また、記録媒体が異なっても本発明の効果が再現されることが分かった。
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 白色インク記録ヘッド
9 スキャナー部
P 記録材料
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 白色インク記録ヘッド
9 スキャナー部
P 記録材料
Claims (6)
- 色材を含む第1のインクにより画像を形成し、次いで白色顔料を含有する第2のインクにより該画像を修正するインクジェット画像形成方法において、第1のインクと第2のインクが混合しないことを特徴とするインクジェット画像形成方法。
- 第2のインク画像部の透過率が80%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
- 第2のインクが活性光線硬化型白色インクであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット画像形成方法。
- 少なくとも1種ずつのイエロー、マゼンタ、シアン、黒インクを吐出する第1のインクジェットヘッドと、白インクを吐出する第2のインクジェットヘッドを有し、第2のインクジェットヘッドが第1のインクジェットヘッドによる画像形成後に画像形成するように配置されたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
- 請求項4に記載の装置を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
- 請求項1〜3、5のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法を用いることを特徴とするプルーフ画像形成方法。
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2003
- 2003-10-27 JP JP2003365606A patent/JP2005125690A/ja active Pending
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