以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明に係る遊技用装置(カードユニット20,20’)は、図1に示すように、遊技場に備えられる遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられ、貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付けて、該受け付けた貨幣の金額の少なくとも一部に相当する受付有価価値の大きさ(入金された金額)の範囲内における所定の大きさの有価価値(玉貸設定金額)に相当する遊技媒体(パチンコ玉)を貸与する遊技用装置(カードユニット20,20’)である。また本発明に係る遊技用システム1,1は、該遊技用装置と通信可能であり、遊技場の閉店に伴う閉店処理を実行するための閉店処理信号を該遊技用装置に対して配信する管理装置(システムコンピュータ50,50’)を含むものである。そして、これら遊技用装置及び遊技用システム1,1’は、遊技場の閉店処理時において、遊技用装置の記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でない旨を報知することを特徴とするものである。
本発明には、記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさが零でない旨を報知するにあたり、図8に示すように、遊技用装置(カードユニット20)において閉店処理信号を検出したときに、記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零であるか否かを判定し、該記憶手段に記憶された有価価値の大きさが零でないと判定されたときに、該記憶手段に記憶された有価価値の大きさが零でない旨を報知する第1実施形態に係る遊技用システム1と、図10に示すように、遊技場の閉店に伴う閉店処理を実行する際に、管理装置(システムコンピュータ50’)において管理装置側記憶手段(ハードディスク53’)に記憶された有価価値の大きさ(残額)が零であるか否かを遊技用装置毎に判定し、管理装置側記憶手段(ハードディスク53’)に記憶された有価価値の大きさ(残額)が零でないと判定された遊技用装置に対して、前記記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でない旨を示す報知指示信号を配信し、遊技用装置(カードユニット20’)が報知指示信号を受信したことに基づいて、前記記憶手段に記憶された有価価値の大きさが零でない旨を報知する第2実施形態に係る遊技用システム1’とが含まれる。
以下においては、まず第1実施形態に係る遊技用システム1について説明し、次に第2実施形態に係る遊技用システム1’について第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。なお、以下においては、遊技場の閉店に伴う閉店処理が各遊技用装置(カードユニット20,20’)の動作停止である例について説明する。また、以下の説明中ではリーダ/ライタを「R/W」と略記する。
[1.第1実施形態に係る遊技用システム1]
第1実施形態に係る遊技用システム1は、図1に示すように、パチンコ機10に対応して設けられるカードユニット20と、複数のカードユニット20と通信可能なシステムコンピュータ50とを含むものである。なお、ここでは遊技用システム1はシステムコンピュータ50と通信可能な精算装置60も含むものとする。この遊技用システム1では、紙幣2,硬貨3,封入カード4,及び精算カード5が使用される。
紙幣2は貨幣の一例であって、ここでは図2に示すように、1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類の紙幣である。また硬貨3も貨幣の一例であって、ここでは図2に示すように、100円硬貨,及び500円硬貨の2種類の硬貨である。
封入カード4は記憶手段の一例であって、後述する紙幣識別機23又は硬貨識別機24により受け付けられた(即ち入金された)紙幣2又は硬貨3の金額の少なくとも一部に相当する受付有価価値の大きさを記憶するものである。本実施形態では、受付有価価値の大きさは入金された金額であって、図4のS12及びS17に示すように、該入金された金額が入金残額として後述する入金IDと対応付けて記録(記憶)される。
この封入カード4は、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、入金IDや入金残額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。この封入カード4は、遊技者が指触不能な態様でカードユニット20の内部に封入されている。
精算カード5は精算用記録媒体の一例であって、有価価値の大きさと、入金IDが記録されるものであり、ここでは図4のS32に示すように、後述する入金IDと対応付けて、該有価価値の大きさであるカード残額が記録される。この精算カード5も、長方形状を呈するプラスチック製の薄板における所定の部位に、入金IDやカード残額等が記録される記録領域(図示外)が形成されてなるものであり、ここでは該記録領域として不揮発性のEEPROMを備える非接触式の集積回路を搭載したICカードである。この精算カード5は、入金ID及びカード残額が記録されていない状態で遊技場の店員により発行され、カードユニット20に挿入されて使用される。
カードユニット20は遊技用装置の一例であって、図1及び図2(a)に示すように、パチンコ機10に対応して(ここではパチンコ機10の左側に隣接して)設けられている。ここでパチンコ機10は遊技機の一例であって、遊技場における遊技島(図示外)において機種等に従って所定の位置に配置され、遊技媒体であるパチンコ玉を遊技領域に打ち込むことにより遊技を行うものであり、ここでは対応するカードユニット20と通信可能であり、該カードユニット20との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて玉貸処理が行われる、いわゆるCR式のパチンコ機である。
このパチンコ機10は、図2(a)に示すように、その前面に遊技領域,上皿,下皿,及び発射ハンドル等を備えると共に、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び精算カード返却ボタン16を備え、図1に示すように、その内部に遊技制御基板11,払出制御基板12,及び玉払出装置13等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
遊技制御基板11は、パチンコ機10における遊技状態を制御するものである。払出制御基板12は、カードユニット20の後述する玉貸通信部21bと通信可能に接続され、パチンコ機10とカードユニット20との間における通信を司るものである。これにより、玉貸処理が行われる場合に、パチンコ機10とカードユニット20との間でパチンコ玉の貸出に関する信号のやり取りが行われる。また払出制御基板12は、玉払出装置13と接続され、該玉払出装置13を制御するものである。さらに払出制御基板12は、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び精算カード返却ボタン16とも接続されている。玉払出装置13は、玉貸処理が行われて遊技者に貸し出されたパチンコ玉や、遊技の結果として遊技者に付与されるパチンコ玉(いわゆる賞球)を払い出すものである。ここで残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び精算カード返却ボタン16は、パチンコ機10の前面に配置されているものであるが、前記払出制御基板12を介してカードユニット20と通信可能に接続されているため、カードユニット20に属するものである。
残度数表示器14は、封入カード4に記録された入金残額に相当する残度数又は精算カード5に記録されたカード残額に相当する残度数を表示するための表示器である。ここで残度数は、入金残額やカード残額が所定の比率で変換されたもの(例えば100円=1度数)である。玉貸ボタン15は、封入カード4に記録された入金残額又は精算カード5に記録されたカード残額を使用した玉貸操作を受け付けるボタンである。精算カード返却ボタン16は排出操作受付手段の一例であって、精算カードR/W26に挿入(留保)されている精算カード5をカードユニット20外部に排出するための排出操作を受け付けるものである。
カードユニット20は、縦長の箱型の形状を呈するものであり、図2(a)に示すように、その前面に多機能ランプ27,紙幣挿入口23a,硬貨挿入口24a,硬貨返却ボタン24e,硬貨返却口24f,封入カード確認窓25a,及び精算カード挿入口26a等を備え、図2(b)及び図2(c)に示すように、その内部に紙幣識別機23,システムコンピュータ用通信部21a,玉貸通信部21b,制御部22,硬貨識別機24,封入カードR/W25,精算カードR/W26,及び精算カード回収部26b等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
システムコンピュータ用通信部21aは、後述するシステムコンピュータ50の通信部51と通信可能に接続されており、カードユニット20とシステムコンピュータ50との間における通信を司るものである。このシステムコンピュータ用通信部21aは閉店処理信号受信手段の一例であって、図8のS102に示すように、後述する閉店処理信号配信手段(通信部51)から配信されてくる閉店処理信号を受信するものである。またシステムコンピュータ用通信部21aは、図4のS13に示すように、受付有価価値の大きさ(入金された金額)をカードユニット20外部のシステムコンピュータ50に対して送信するものである。またシステムコンピュータ用通信部21aは、図4のS23に示すように、後述する貸与処理手段(制御部22)により貸与処理(玉貸処理)に使用される貸与有価価値の大きさ(使用金額)を封入カード4に記憶された入金IDと共にシステムコンピュータ50に対して送信するものである。またシステムコンピュータ用通信部21aは、図4のS42に示すように、カード残額有りの精算カード5を受け付けたときに、該受け付けた精算カード5から読み取ったカード残額と、該受け付けた精算カード5から読み取った入金IDをシステムコンピュータ50に対して送信するものである。さらにシステムコンピュータ用通信部21aは、図4のS53に示すように、精算カード5のカード残額を使用した玉貸処理に使用される使用金額を、該精算カード5に記録から読み取った入金IDと共にシステムコンピュータ50に対して送信するものである。
玉貸通信部21bは、前述の如くパチンコ機10の払出制御基板12と通信可能に接続されている。
制御部22は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット20に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部22は貸与処理手段の一例であって、前記記憶手段(封入カード4)により記憶された受付有価価値の大きさ(入金された金額)の範囲内における所定の大きさの有価価値(玉貸設定金額)に相当する遊技媒体(パチンコ玉)を貸与するための貸与処理(玉貸処理)を行うものであり、具体的には、玉貸ボタン15が操作されて玉貸操作を受け付けたときに、封入カード4に記録された入金残額と予め設定された玉貸設定金額(例えば500円)とを比較して、入金残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行い、入金残額<玉貸設定金額であれば該入金残額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。
また制御部22は記録媒体貸与処理手段の一例であって、精算カード5が遊技用装置(カードユニット20)外部から挿入されたときに、該挿入されている精算カード5の記録情報から特定される有価価値の大きさ(カード残額)が零でないことを条件として、該特定される有価価値の大きさ(カード残額)の範囲内における所定の大きさの有価価値(玉貸設定金額)に相当する遊技媒体を貸与するための記録媒体貸与処理(カード残額を使用した玉貸処理)を行うものであり、具体的には、カード残額有りの精算カード5が挿入されている状態で、玉貸ボタン15が操作されて玉貸操作を受け付けたときに、精算カード5に記録されたカード残額と予め設定された玉貸設定金額(例えば500円)とを比較して、カード残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行い、カード残額<玉貸設定金額であれば該カード残額に相当するパチンコ玉の払出を払出制御基板12に対して指示する処理を行う。
また制御部22は減算手段の一例であって、前記貸与処理手段(制御部22)により遊技媒体(パチンコ玉)の貸与に使用される貸与有価価値の大きさ(使用金額)を前記記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)から減算するものであり、具体的には、前記玉貸処理が行われたときに、入金残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額を使用金額として封入カード4に記録された入金残額から減算する処理を行い、入金残額<玉貸設定金額であれば該入金残額を使用金額として封入カード4に記録された入金残額から減算する処理を行う(即ち入金残額が零になる)。
また制御部22は記録媒体減算処理手段の一例であって、前記記録媒体貸与処理手段(制御部22)により記録媒体貸与処理(カード残額を使用した玉貸処理)に使用される有価価値の大きさ(使用金額)を、挿入されている精算用記録媒体(精算カード5)の記録情報(入金ID及びカード残額)から特定される有価価値の大きさ(カード残額)から減算するための減算処理を行うものであり、具体的には、前記玉貸処理が行われたときに、カード残額≧玉貸設定金額であれば該玉貸設定金額を使用金額として精算カード5に記録されたカード残額から減算する処理を行い、カード残額<玉貸設定金額であれば該カード残額を使用金額として精算カード5に記録されたカード残額から減算する処理を行う(即ちカード残額が零になる)。
また制御部22は閉店処理信号検出手段の一例であって、遊技場の閉店に伴う閉店処理を実行するための閉店処理信号を検出するものであり、ここでは前記閉店処理信号受信手段であるシステムコンピュータ用通信部21aが閉店処理信号を受信したときに、該受信した閉店処理信号を検出する。
また制御部22は判定手段の一例であって、閉店処理信号検出手段(制御部22)により閉店処理信号を検出したとき(即ちシステムコンピュータ用通信部21aが閉店処理信号を受信したとき)に、記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零であるか否かを判定するものである。具体的には、後述する図8のS102に示す閉店処理信号を受信したときに、入金残額の有無,精算カード5が挿入(留保)されているか否か,及び精算カード5が挿入されている場合には精算カードのカード残額の有無を判定することによって状態判定(カードユニット20が後述する状態1〜5のいずれに属するかの判定)を行う。この状態判定については遊技用システム1の作用の説明において詳述する。
また制御部22は、後述する紙幣識別機23又は硬貨識別機24により紙幣2又は硬貨3が受け付けられて入金されると、後述する図4のS11に示すように、精算カードR/W26に精算カード5が留保されているか否かを判定するものである。即ち入金されたときに、精算カード5が挿入されているか否かを判定し、精算カードR/W26に精算カード5が挿入されていると判定された場合には、該挿入されている該精算カードのカード残額が零であるか否かを判定する。該判定によって精算カード5が挿入されており、かつ該精算カード5に記録されているカード残額が零であると判定されたときには、精算カード5が留保されている(挿入された状態で留保されている)と判定する。
また制御部22は有価価値返却処理手段の一例であって、カードユニット20外部からカード残額が無く、入金IDが記録されていない精算カード5が挿入されたときに、記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でないことを条件として、該挿入されている精算カード5の記録情報(入金ID及びカード残額)から記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)を特定可能とする処理を行うと共に、該記憶手段に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)を消去する処理を行い、該精算カード5をカードユニット20外部に排出する有価価値返却処理を行うものである。また有価価値返却処理手段である制御部22は、排出操作受付手段(精算カード返却ボタン16)により排出操作を受け付けたときに、後述する留保手段(精算カードR/W26)により精算カード5が留保されており、かつ記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でないことを条件として、留保(挿入されている状態で留保)されている精算カード5に対して前記有価価値返却処理を行うものである。
ここで有価価値返却処理は、具体的には図4のS32及びS33に示すように、挿入されている精算カード5に、封入カード4に記憶している入金残額と入金IDとを記録して、封入カード4に記憶している入金残額と入金IDを消去した後、該挿入されている精算カード4をカードユニット20の外部に排出する処理である。即ち有価価値返却処理手段である制御部22は、封入カード4に記憶している入金残額と入金IDを精算カード5に記録するための指示を精算カードR/W26に対して送信し、封入カード4に記憶している入金残額と入金IDを消去するための指示を封入カードR/W25に対して送信する。さらに前記封入カード4に記憶している入金残額と入金IDが精算カード5に記録されたことに基づいて、精算カード5を排出するための指示を精算カードR/W26に対して送信するものである。
また制御部22は、図4のS31及びS41に示すように、精算カード5が挿入されて受け付けられたときに、封入カード4に記録されている入金残額が零であるか否かを判定し、また該受け付けた精算カード5のカード残額が零であるか否かを判定するものである。
このカードユニット20において玉貸処理が行われるときには、該カードユニット20と対応するパチンコ機10との間で、以下のような信号のやり取りが行われる。
まずカードユニット20は、玉貸ボタン15の操作を制御部22により検出すると、1度数に相当するパチンコ玉数(例えば消費税を考慮しないのであれば25個、消費税を考慮するのであれば消費税率に応じて24個,23個…等の、具体的な玉数であり、予めシステムコンピュータ50等により設定され、カードユニット20に配信されている)である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信する。
該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、前記払出要求玉数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から払出要求玉数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号をカードユニット20の制御部22に対して送信する。
該払出結果信号を受信したカードユニット20は、前記払出要求信号に示される払出要求玉数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、1度数分の前記減算処理として、封入カード4に記録された入金残額又は精算カード5に記録されたカード残額からパチンコ玉の貸与に使用された1度数に相当する金額を減算すると共に、残度数表示器14に表示された残度数から1度数を減算する。そしてカードユニット20は、これら1度数分の玉貸処理を玉貸設定度数分だけ繰り返し、該玉貸設定度数分の玉貸処理の終了に基づいて、玉貸終了信号をパチンコ機10の払出制御基板12に対して送信し、玉貸処理を終了する。
なおパチンコ機10において、玉払出装置13から払い出されたパチンコ玉は、上皿に供給され、発射ハンドルの操作により遊技領域の内部に打ち込まれて、遊技が行われる。そして該打ち込まれたパチンコ玉が、遊技領域に形成された入賞口に入賞すると、払出制御基板12から発せられる払出信号に基づいて、賞球として玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて、上皿又は下皿に供給される。
紙幣識別機23は貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、入金残額及びカード残額が零である状態で、紙幣挿入口23aから前記4種類の紙幣2を受け付けて、該受け付けた紙幣2を識別する識別機である。なお紙幣識別機23により受け付けられた紙幣2は、紙幣通路23bを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた紙幣搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。
硬貨識別機24も貨幣受付手段の一例であって、貨幣を受け付けるものであり、ここでは図2(b)に示すように、入金残額及びカード残額が零である状態で、硬貨挿入口24aから前記2種類の硬貨3を受け付けて、硬貨通路24bを通じて搬送された硬貨3を識別する識別機である。なお硬貨識別機24により受け付けられた硬貨3も、硬貨通路24cを通じてカードユニット20の背面から外部に排出され、遊技島に設けられた硬貨搬送機構(図示外)により搬送されて、金庫(図示外)に回収される。硬貨返却ボタン24eは、硬貨通路24bや硬貨識別機24において詰まった硬貨3の返却操作を受け付けるためのボタンであり、遊技者により硬貨返却ボタン24eが操作されると、該詰まった硬貨3が硬貨通路24dを通じて硬貨返却口24fに戻る。
封入カードR/W25は、該封入カードR/W25の内部に封入されている封入カード4に対して入金ID及び入金残額を記録する(書き込む)と共に、該封入カード4に記録された入金残額を読み取るものであり、ここでは前記ICカードである封入カード4に対応したICカードR/Wを備えている。なお封入カードR/W25の内部に封入されている封入カード4は、封入カード確認窓25aを介して遊技者が視認可能であると共に指触不能である。
精算カードR/W26は、精算カード挿入口26aから精算カード5を受け付けて、該受け付けた精算カード5に対して入金ID及びカード残額を記録する(書き込む)と共に、該精算カード5に記録された入金ID及びカード残額を読み取るものであり、ここでは前記ICカードである精算カード5に対応したICカードR/Wを備えている。
また精算カードR/W26は留保手段の一例であって、図4のS55に示すように、挿入されている精算カード5の記録情報(入金ID及びカード残額)から特定される有価価値の大きさ(カード残額)が記録媒体減算処理手段(制御部22)による減算処理後に零になったときに、該挿入されている精算カードをカードユニット20内部に留保するものである。即ち精算カードR/W26は、受け付けている精算カード5のカード残額が零になっても、該精算カード5を精算カード挿入口26aから排出せずに、精算カードR/W26の内部に留保(保持)しておくものである。
また精算カードR/W26は留保媒体記録処理手段の一例であって、留保手段(精算カードR/W26)により精算カード5がカードユニット20内部に留保されている状態で、貨幣受付手段(紙幣識別機23,硬貨識別機24)により貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付けたときに、該留保されている精算カード5の記録情報(入金ID及びカード残額)から受付有価価値の大きさ(入金された金額)を特定可能とするための留保媒体記録処理を行うものである。ここで留保媒体記録処理は、具体的には図7のS72’及びS77’に示すように、入金された金額を、該入金に応じてシステムコンピュータ50において生成された入金IDと対応付けて、留保されている精算カード5に記録する処理である。
多機能ランプ27は、予め定められた複数の色のうちのいずれかの色で点灯又は点滅することによってカードユニット20の状態を報知するランプである。この多機能ランプ27は報知手段の一例であって、判定手段(制御部22)により記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でないと判定されたときに、該記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でない旨を報知するものであり、ここでは緑色で点滅することによって該有価価値の大きさが零でない旨を報知する。
また多機能ランプ27は有価媒体報知手段の一例であって、精算カード5が挿入されている状態において、閉店処理信号検出手段(制御部22)が閉店処理信号を検出したときに、判定手段(制御部22)により該挿入されている精算カード5の記録情報(入金ID及びカード残額)から特定される有価価値の大きさ(カード残額)が零でないと判定されたことを条件として、該記録情報から特定される有価価値の大きさが零でない精算カード5が挿入されている旨を報知するものである。具体的には、挿入されている精算カード5から読み取ったカード残額が零でないときには、青色で点灯することにより該カード残額が零でない精算カード5が挿入されている旨を報知する。さらに多機能ランプ27は、黄色点灯することによりカード残額無しの精算カード5を留保している旨の報知を行うものである。また多機能ランプ27は、カードユニット20の正常動作時(ここではカード残額無しの精算カード5を留保している状態ではなく、システムコンピュータ50と通信不能なオフライン状態でもない場合)には緑色で点灯している。
システムコンピュータ50は管理装置の一例であって、遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられるものであり、図1に示すように接続される通信部51,制御部52,ハードディスク53,及びディスプレイ54等を備えている。
通信部51は、前述の如くカードユニット20のシステムコンピュータ用通信部21aと通信可能に接続されており、システムコンピュータ50とカードユニット20との間における通信を司るものであると共に、精算装置60の後述する通信部61と通信可能に接続されており、システムコンピュータ50と精算装置60との間における通信を司るものである。この通信部51は閉店処理信号配信手段の一例であって、遊技場の閉店に伴う閉店処理を実行するための閉店処理信号を通信接続された各カードユニット20に対して配信するものである。
ハードディスク53は、図4のS15に示すように、システムコンピュータ用通信部21aから受信した受付有価価値の大きさ(入金された金額)と、後述する制御部52により生成された入金IDとを対応付けて記憶するものである。またハードディスク53は返却情報記憶手段の一例であって、カードユニット20から受信した返却情報を記憶するものである。この返却情報は前記有価価値返却処理を行った旨を示す情報であり、図8のS172に示すように、精算カード5に記録される入金IDと共に送信されるものである。
制御部52は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク53に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、システムコンピュータ50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部52は、図4のS14に示すように、システムコンピュータ用通信部21aから受信した受付有価価値の大きさ(入金された金額)を特定するための入金IDを生成するものである。
また制御部52は、システムコンピュータ用通信部21aから受信した有価価値の大きさ(使用金額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下であるか否かを判定するものである。また制御部52は、システムコンピュータ用通信部21aから受信した有価価値の大きさ(使用金額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下であると判定されたことを条件として、図4のS24に示すように、システムコンピュータ用通信部21aから受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶された有価価値の大きさ(残額)から該入金IDと共に受信した貸与有価価値の大きさ(使用金額)を減算するものである。
また通信部51は、図4のS16に示すように、制御部52により生成された入金IDを受付有価価値の大きさ(入金された金額)の送信元である遊技用装置(カードユニット20)に対して送信するものである。
また通信部51は、図5のS65に示すように、後述する精算装置60の通信部61から受信した有価価値の大きさ(カード残額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下であると制御部52により判定されたことを条件として、精算を許諾する旨を示す情報を精算装置60に対して返信するものである。
さらに通信部51は、図4のS44に示すように、システムコンピュータ用通信部21aから受信した記録媒体貸与処理(カード残額を使用した玉貸処理)に使用される有価価値の大きさ(使用金額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下である(即ち照合OKである)と制御部52により判定されたことを条件として、前記遊技媒体(パチンコ玉)の貸与を許諾する旨(照合OKである旨)を前記入金ID及び使用金額の送信元である遊技用装置(カードユニット20)に対して返信するものである。
ディスプレイ54は、各種の情報を表示するための表示デバイスであり、例えば液晶ディスプレイである。このディスプレイ54は出力手段の一例であって、返却情報記憶手段(ハードディスク53)に記憶された返却情報を視認可能な態様で出力するものである。ここでは後述する図9(b)に示すように、返却情報に含まれる入金IDとカード金額に加えて、該入金IDの送信先であったカードユニット20のユニットIDを出力している。
精算装置60は、遊技場内の所定箇所(例えば遊技島の端部や景品交換カウンタの近傍等)に設けられ、図3(a)に示すように、キオスク端末型の形状を呈するものであり、その前面に精算カード挿入口63a,紙幣払出口65a,硬貨払出口66a,及びディスプレイ64等を備え、図1に示すように、その内部に通信部61,制御部62,精算カードR/W63,紙幣払出機65,及び硬貨払出機66等を備えており、これらの各構成要素は図1に示すように接続されている。
通信部61は、システムコンピュータ50の通信部51と通信可能に接続されており、精算装置60とシステムコンピュータ50との間における通信を司るものである。この通信部61は、後述する図7に示すように、入金IDとカード残額とが記録された精算カード5を受け付けたときに、該受け付けた精算カード5から読み取ったカード残額と入金IDとをシステムコンピュータ50に対して送信するものである。
制御部62は、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、精算装置60に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。
精算カードR/W63は、精算カード挿入口63aから精算カード5を受け付けて、該精算カード5に記録された入金ID及びカード残額を読み取ると共に、該受け付けた精算カード5から入金ID及びカード残額を消去するものであり、ここでは前記ICカードである精算カード5に対応したICカードR/Wを備えている。
精算カード回収部63bは、精算カードR/W63により受け付けている精算カード5から入金ID及びカード残額が消去されたときに、該受け付けている精算カード5を回収するものであり、具体的には、該受け付けている精算カード5を精算装置60の背面方向に搬送して精算カード回収部63bの内部に回収(収納)する。この精算カード回収部63bは、複数枚の精算カード5を回収可能である。
ディスプレイ64は、図3(b)に示すように、各種の情報を表示するための表示デバイスである。このディスプレイ64では、精算カード5を受付可能なときに、D1に示すように、精算カード5の挿入を促す旨が表示される。また貨幣を返却するときに、D2に示すように、残額を返却する旨,及び精算カード5を回収する旨が表示される。なお図5のS64に示す処理において精算カード5に記録されたカード残額≦ハードディスク53に記憶されている残額でないときには、D3に示すように、精算カード5に異常がある旨が表示される。
紙幣払出機65及び硬貨払出機66は、精算を許諾する旨を示す情報が返信されてきたことを条件として、カード残額に相当する金額の貨幣を遊技者に返却するものであり、具体的には、紙幣払出機65の背後に設けられる紙幣収納部65bから所定数の紙幣2を取り出して紙幣払出口65aから払い出すと共に、硬貨払出機66の上部に設けられる硬貨収納部66bから所定数の硬貨3を取り出して硬貨払出口66aから払い出す。
以上に説明した遊技用システム1の作用について説明する。まず図4を参照して、貨幣を受け付けて玉貸処理を行うときのカードユニット20とシステムコンピュータ50の作用について説明する。
まずカードユニット20において、紙幣識別機23又は硬貨識別機24により紙幣2又は硬貨3が受け付けられて入金(ここでは10000円)がされると(S11)、精算カードR/W26に精算カード5が挿入されているか否かが制御部22により判定される。ここでは精算カード5が挿入されていない(即ち精算カード5が留保されていない)と判定されるので、該入金された金額を入金残額として封入カード4に記録して(S12)、該入金残額に相当する残度数を残度数表示器14に表示し、前記入金された金額を特定可能な情報をカードユニット20からシステムコンピュータ50に対して送信する(S13)。なお、精算カード5が挿入されていると判定された場合には、該挿入されている精算カード5に記録されたカード残額が零であるか否かを制御部22により判定し、該カード残額が零でない場合には前記受け付けられた貨幣が排出され遊技者に返却される。また、精算カード5に記録されたカード残額が零であると判定された場合(即ち精算カード5が留保されていると判定された場合)の作用については、図6及び図7を用いて後述する。
次に該入金された金額を特定可能な情報を受信したシステムコンピュータ50においては、該入金された金額を特定可能な入金IDを制御部52により生成して(S14)、該生成した入金IDと対応付けて前記入金された金額を残額としてハードディスク53に記憶し(S15)、前記生成した入金IDをシステムコンピュータ50から送信元のカードユニット20に対して送信する(S16)。そして該生成した入金IDを受信したカードユニット20においては、該受信した入金IDを封入カード4に記録する(S17)。
次にカードユニット20において、玉貸ボタン15が操作されて玉貸操作が受け付けられると(S21)、入金残額を使用した前記玉貸処理を貸与処理手段である制御部22によって行い、封入カード4に記録された入金残額からパチンコ玉の貸与に使用される使用金額(ここでは500円)を減算する減算処理を減算手段である制御部22により行って(S22)、残度数表示器14に表示された残度数から使用金額に相当する度数を減算し、入金IDと使用金額を特定可能な情報とをカードユニット20からシステムコンピュータ50に対して送信する(S23)。そして該入金IDと使用金額を特定可能な情報とを受信したシステムコンピュータ50においては、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額から該受信した使用金額を減算する(S24)。
次にカードユニット20において、精算カードR/W26によりカード残額無しの精算カード5(遊技者が遊技を終了するタイミングで遊技場の店員から入手したもの,又は遊技者が遊技を終了する前の任意のタイミングで遊技場の店員から入手したもの)が受け付けられると(S31)、封入カード4に記録された入金残額が零であるか否かを判定手段である制御部22によって判定すると共に、、該精算カード5のカード残額が零であるか否かを判定する。ここで制御部22により入金残額が零でなく、かつカード残額が零であると判定されたことを条件として、制御部22により有価価値返却処理が行われる。即ち封入カード4に記録された入金IDを挿入されている精算カード5に記録し、封入カード4に記録された入金残額をカード残額として挿入されている精算カード5に記録し、封入カード4の記録内容(入金ID及び入金残額)を消去する(S32)と共に、カード残額有りの精算カード5を精算カード挿入口26aから排出して遊技者に返却する(S33)。さらに残度数表示器14に表示されている残度数を零クリアする。
次にカードユニット20において、精算カードR/W26により精算カード5(ここでは入金IDがN00002でカード残額が500円のもの)が受け付けられると(S41)、制御部22により封入カード4に記録されている入金残額の有無,及び挿入されている精算カード5に記録されているカード残額の有無が判定され、入金残額が無く、かつカード残額が有ることを条件として、該精算カード5に記録された入金ID及びカード残額を精算カードR/W26により読み取り、該読み取った入金IDとカード残額を特定可能な情報とをカードユニット20からシステムコンピュータ50に対して送信する(S42)。なお、制御部22の判定によって入金残額が有り、かつカード残額が有ると判定された場合には、挿入された精算カード5が排出され遊技者に返却される。
次に該入金IDとカード残額を特定可能な情報とを受信したシステムコンピュータ50においては、該受信した入金IDに基づいて、該受信したカード残額と前記ハードディスク53に記憶されている残額とを照合し(S43)、照合OK(ここではカード残額≦ハードディスク53に記憶されている残額)であることを条件として、照合OKを示す情報をシステムコンピュータ50から送信元のカードユニット20に対して送信する(S44)。そして該照合OKを示す情報を受信したカードユニット20においては、玉貸操作を受付可能な状態となり(S45)、前記読み取ったカード残額に相当する残度数を残度数表示器14に表示する。なお、照合OKであって、カード残額<ハードディスク53に記憶されている残額であるときには、ハードディスク53に記憶されている残額がカード残額に書き換えられ(即ち小さい方の残額に書き換えられ)、カード残額=ハードディスク53に記憶されている残額となる。なお、照合NG(即ちカード残額>ハードディスク53に記憶されている残額)であるときには、該照合NGである旨を前記入金ID及びカード残額の送信元であるカードユニット20に対して返信する。照合NGである旨を受信したカードユニット20においては、玉貸可能な状態とならずに受け付けている精算カード5が返却される。
次に玉貸操作を受付可能な状態のカードユニット20において、玉貸ボタン15が操作されて玉貸操作が受け付けられると(S51)、記録媒体貸与処理(精算カード5のカード残額を使用した玉貸処理)を記録媒体貸与処理手段である制御部22によって行い、精算カード5に記録されたカード残額からパチンコ玉の貸与に使用される使用金額(ここでは500円)を減算する前記減算処理を減算手段である制御部22により行って(S52)、残度数表示器14に表示された残度数から使用金額に相当する度数を減算し、入金IDと使用金額を特定可能な情報とをカードユニット20からシステムコンピュータ50に対して送信する(S53)。そして該入金IDと使用金額を特定可能な情報とを受信したシステムコンピュータ50においては、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額から該受信した使用金額を減算する(S54)。
ここでカードユニット20において、精算カードR/W26により受け付けている精算カード5に記録されたカード残額が減算手段である制御部22による減算処理後に零になると、該受け付けている精算カード5を遊技用装置内部に挿入されている状態で留保する(S55)。このときカード残額無しの精算カード5を留保している旨を示す旨を、多機能ランプ27を黄色点灯することにより報知する(S56)。これによれば、カード残額無しの精算カード5を挿入しなくても入金残額の返却が可能な状態であることを遊技者に対して確実に認識させることができるので、遊技者が無駄に精算カード5の発行を受けることが防止できる。
なお精算カード5に記録されたカード残額が零でない状態で精算カード返却ボタン16が操作されたときには、該カード残額有りの精算カード5が精算カード挿入口26aから排出されて遊技者に返却される。遊技者が、このとき(又は前記有価価値返却処理におけるS33において)カードユニット20から排出されたカード残額有りの精算カード5を、精算装置60の精算カード挿入口63aから挿入すると、図5に示すように、精算カード5(ここでは入金IDがN00001でカード残額が9500円のもの)が精算カードR/W63により受け付けられ(S61)、精算カード5から入金IDとカード残額を読み取り(S62)、システムコンピュータ50に対して、該読み取ったカード残額と入金IDを送信する(S63)。ここでシステムコンピュータ50のハードディスク53には、入金IDと対応付けて残額が記憶されている。
前記送信されたカード残額及び入金IDを受信したシステムコンピュータ50においては、該受信したカード残額と、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額との照合を行い(S64)、照合OK(即ち受信したカード残額≦記憶されている残額)であることを条件として、精算装置60に対して、精算を許諾する旨の情報を返信する(S65)。さらに、ハードディスク53に記憶された入金IDと残額が消去される。なお、照合NG(即ち受信したカード残額>記憶されている残額)であるときには、該照合NGである旨を精算装置60に対して返信する。照合NGである旨を受信した精算装置60においては、貨幣の払出が行われずに受け付けている精算カード5が返却される。
精算を許諾する旨の情報を受信した精算装置60においては、前記読み取ったカード残額に相当する金額の貨幣を紙幣払出機65及び/又は硬貨払出機66から払い出して遊技者に返却し(S66)、精算カード5から入金IDとカード残額を消去して、該精算カード5を精算カード回収部63bの内部に回収する(S67)。
次に精算カード5が留保されている状態 (この状態では前述したS11において精算カード5が留保されており、該精算カード5のカード残額が無しと制御部22により判定される)における遊技用システム1の作用について図6及び図7を用いて説明する。なお、以下の説明では遊技用システム1が行う2種類の処理方法について説明するが、これらの処理方法のいずれの方法を用いても本発明に適合する。
まず第1の処理方法について図6を用いて説明する。まずカードユニット20において、紙幣識別機23又は硬貨識別機24により紙幣2又は硬貨3が受け付けられて入金(ここでは10000円)がされると(S71)、制御部22により精算カードR/W26にカード残額無しの精算カード5が挿入されている(即ち精算カード5が留保されている)と判定され、入金された金額を封入カード4に入金残額として記録する(S72)と共に、該入金された金額をシステムコンピュータ50に対して送信する(S73)。システムコンピュータ50においては制御部52が該入金された金額を特定するための入金IDを生成し(S74)、該生成された入金IDと対応付けて前記入金された金額を残額としてハードディスク53に記憶する(S75)と共に、該生成した入金IDを前記入金された金額の送信元であるカードユニット20に対して送信する(S76)。カードユニット20においては、受信した入金IDを封入カード4に記録する(S77)と共に、入金残額に相当する残度数を残度数表示器14に表示する。
次にカードユニット20において、玉貸ボタン15が操作されて玉貸操作が受け付けられると(S81)、入金残額を使用した前記玉貸処理を貸与処理手段である制御部22によって行い、封入カード4に記録された入金残額からパチンコ玉の貸与に使用される使用金額(ここでは500円)を減算する減算処理を減算手段である制御部22により行って(S82)、残度数表示器14に表示された残度数から使用金額に相当する度数を減算し、入金IDと使用金額を特定可能な情報とをカードユニット20からシステムコンピュータ50に対して送信する(S83)。そして該入金IDと使用金額を特定可能な情報とを受信したシステムコンピュータ50においては、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額から該受信した使用金額を減算する(S84)。
次にカードユニット20において、精算カード返却ボタン16が操作されて排出操作が受け付けられると(S91)、精算カードR/W26により精算カード5が遊技用装置内部に留保されているか否か,及び封入カード4に記録された入金残額が零であるか否かを判定手段である制御部22によって判定し、該精算カード5が遊技用装置内部に留保されており、かつ入金残額が零でないと判定されたことを条件として、留保されている精算カード5に対して有価価値返却処理を行う(S92)。即ち封入カード4に記録された入金IDを留保されている精算カード5に記録し、封入カード4に記録された入金残額をカード残額として留保されている精算カード5に記録し、封入カード4の記録内容(入金ID及び入金残額)を消去すると共に、カード残額有りの精算カード5を精算カード挿入口26aから排出して遊技者に返却する。さらに残度数表示器14に表示されている残度数を零クリアする。即ちこの第1の処理方法は、排出操作受付手段(精算カード返却ボタン16)により排出操作を受け付けたときに、留保手段(精算カードR/W26)により精算カード5がカードユニット20内部に留保されており、かつ記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でないことを条件として、有価価値返却処理を有価価値返却処理手段(制御部22)により行うものである。
次に第2の処理方法について図7を用いて説明する。この第2の処理方法では精算カード5が留保されている状態において、入金残額が封入カード4に記録される第1の処理方法と異なり、精算カード5が留保されている状態において、入金残額が該留保されている精算カード5に記録される。
まずカードユニット20において、紙幣識別機23又は硬貨識別機24により紙幣2又は硬貨3が受け付けられて入金(ここでは10000円)がされると(S71’)、制御部22により精算カードR/W26にカード残額無しの精算カード5が挿入されている(即ち精算カード5が留保されている)と判定され、入金された金額を精算カード5にカード残額として記録する(S72’)と共に、該入金された金額をシステムコンピュータ50に対して送信する(S73’)。システムコンピュータ50においては制御部52が該入金された金額を特定するための入金IDを生成し(S74’)、該生成された入金IDと対応付けて前記入金された金額を残額としてハードディスク53に記憶する(S75’)と共に、該生成した入金IDを前記入金された金額の送信元であるカードユニット20に対して送信する(S76’)。カードユニット20においては、受信した入金IDを精算カード5に記録する(S77’)と共に、入金残額に相当する残度数を残度数表示器14に表示する。即ちこの第2の処理方法は、留保手段(精算カードR/W26)により精算カード5がカードユニット20内部に留保されている状態で、貨幣受付手段(紙幣識別機23,硬貨識別機24)により貨幣を受け付けたときに、該留保されている精算カード5の記録情報(入金ID及び入金残額)から受付有価価値の大きさ(入金された金額)を特定可能とするための留保媒体記録処理を留保媒体記録処理手段(精算カードR/W26)により行うものである。
次にカードユニット20において、玉貸ボタン15が操作されて玉貸操作が受け付けられると(S81’)、精算カード5のカード残額を使用した玉貸処理(即ち記録媒体貸与処理)を記録媒体貸与処理手段である制御部22によって行い、精算カード5に記録されたカード残額からパチンコ玉の貸与に使用される使用金額(ここでは500円)を減算する減算処理を記録媒体減算処理手段である制御部22により行って(S82’)、残度数表示器14に表示された残度数から使用金額に相当する度数を減算し、入金IDと使用金額を特定可能な情報とをカードユニット20からシステムコンピュータ50に対して送信する(S83’)。そして該入金IDと使用金額を特定可能な情報とを受信したシステムコンピュータ50においては、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額から該受信した使用金額を減算する(S84’)。
次にカードユニット20において、精算カード返却ボタン16が操作されて排出操作が受け付けられると(S91’)、残度数表示器14に表示されている残度数を零クリアして、精算カードR/W26に留保しているカード残額有りの精算カード5を精算カード挿入口26aから排出して遊技者に返却する(S92’)。
以上に説明した第1の処理方法及び第2の処理方法のうちのいずれの処理方法によって処理を行うかは、予めシステムコンピュータ50側で設定することが可能であり、システムコンピュータ50が該設定を各カードユニット20に対して配信して各カードユニット20において該受信した設定に応じた処理方法(即ち第1の処理方法又は第2の処理方法)に従って処理を行うことが可能となっている。
次に、遊技場の閉店に伴う閉店処理を行う際の遊技用システム1の作用について図8及び図9を用いて説明する。まず、遊技場の店員が、図9(a)に示すようにシステムコンピュータ50のディスプレイ54に表示される閉店処理実行画面において、閉店処理ボタンにカーソルを合わせてマウスボタンをクリックすることで、該閉店処理ボタンが選択され(S101)、該システムコンピュータ50と通信接続された各カードユニット20に対して閉店処理信号が送信される(S102)。閉店処理信号を受信・検出したカードユニット20においては、該カードユニット20の状態判定が行われる(S103)。
このS103における状態判定は、封入カード4に記録されている入金残額の有無,精算カード5が挿入(留保)されているか否か,及び(精算カード5が挿入(留保)されていると判定された場合には)該挿入(留保)されている精算カード5に記録されているカード残額の有無を制御部22によって判定するものであり、この判定結果に基づいてカードユニット20の状態が図8に示す状態1〜状態5のいずれに属するかを判定する。
この状態判定において、入金残額無し,精算カード5の挿入無しの場合には状態1であると判定され、該状態1であると判定されたことに基づいてカードユニット20の動作が停止し、多機能ランプ27が消灯される(S181)。即ち閉店処理が行われる。
次に状態判定において、入金残額無し,精算カード5の挿入有り,カード残額無しの場合(即ちカード残額無しの精算カード5が留保されている状態)には状態2であると判定され、該状態2であると判定されたことに基づいて精算カード5がカードユニット20から排出され(S111)、カードユニット20の動作が停止し、多機能ランプ27が消灯される(S181)。
このように、留保手段(精算カードR/W26)により精算カード5が留保されている状態で、制御部22により閉店処理信号を検出したときに、封入カード4に記録された入金残額が零であり、かつ挿入されている(挿入された状態で留保されているものも含む)精算カード5に記録されているカード残額が零であると制御部22により判定されたことを条件として(即ち状態2であることを条件として)、精算カード5をカードユニット20外部に排出するので、翌日の開店時に、カード残額無しの精算カード5が挿入された状態のままカードユニット20内部に残っていることが無く、遊技者が精算カード5や他の遊技用媒体(例えば会員カード)をカードユニット20に挿入できないという不都合を回避できる。
次に状態判定において、入金残額無し,精算カード5の挿入有り,カード残額有りの場合には状態3であると判定され、該状態3である旨を制御部22のRAMに記憶した後、該カード残額有りの精算カード5を留保している旨を多機能ランプ27により報知する。この状態で、精算カード返却ボタン16が操作されると(S131)、該精算カード排出操作を検知した制御部22がRAMの記憶内容を参照することによって状態3である旨が記憶されていることを確認し、該精算カード5を排出した後、該報知を終了(つまり多機能ランプ27を消灯)してカードユニット20の動作が停止する(S181)。なお、該カード残額有りの精算カード5が排出される際に、システムコンピュータ用通信部21aからシステムコンピュータ50に対して該精算カード5に記録されている入金ID及び精算カード5を排出した旨を示す情報(排出情報)が当該カードユニット20を特定可能なユニットIDと共に送信され(S133)、システムコンピュータ50において、受信した排出情報及びユニットIDが、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額と共にハードディスク53に記憶される(S134)。
このように有価媒体報知手段である多機能ランプ27によってカード残額有りの精算カード5が挿入されている(挿入された状態で留保されているものも含む)旨の報知が行われている状態で、精算カード返却ボタン16が操作されたときに、挿入されている精算カード5をカードユニット20外部に排出した後に該報知を終了するので、遊技場の店員が該報知が行われているカードユニット20を確認して排出操作を行うことによりカード残額有りの精算カード5を確実に回収することができる。
次に状態判定において、入金残額有り,精算カード5の挿入無しの場合には状態4であると判定され、該状態4である旨を制御部22のRAMに記憶した後、入金残額が有る旨を報知する(S141)。この状態で、遊技場の店員により精算カード5が挿入されると、該精算カード5の挿入を検知した制御部22がRAMの記憶内容を参照することによって状態4である旨が記憶されていることを確認し、該挿入された精算カード5のカード残額が零であると判定した後に、前記図4のS32〜S33と同様の有価価値返却処理が行われる(S171)。さらに、該有価価値返却処理が行われたことに基づいて、精算カード5に記録される入金IDと、有価価値返却処理を行った旨を示す返却情報が当該カードユニット20を特定可能なユニットIDと共にシステムコンピュータ50に対して送信され(S172)、前記入金残額有りの報知が終了(多機能ランプ27が消灯)してカードユニット20の動作が停止する(S181)。入金ID,ユニットID及び返却情報を受信したシステムコンピュータ50においては、受信した返却情報及びユニットIDが、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額と共にハードディスク53に記憶される(S173)。
このように閉店処理信号を検出したとき(受信したとき)に、封入カード4に記録された入金残額が零でないと判定された場合には該入金残額が零でない旨を報知するので、遊技場の店員が入金残額が残存しているカードユニット20を確認して、該入金残額が残存しているカードユニット20に対して適切な処理(ここでは入金残額を精算カード5に記録する)を行うことにより、該カードユニット20に入金残額が残存していない状態で翌日の開店を迎えることができる。これによって、遊技者が遊技を行うパチンコ機10を選択する際に、カードユニット20に前日分の入金残額が残存している状態であることにより該カードユニット20に対応するパチンコ機10が既に占有されている(他の遊技者によって遊技が行われようとしている)と誤って判断することがなく、パチンコ機10の稼働率の低下を防止することができる。
また封入カード4に記録された入金残額が零でない旨が報知されている状態で精算カード5が挿入されたときに、有価価値返却処理を行った後に報知を終了するので、封入カード4に残存している入金残額を確実に零にした状態で翌日の開店を迎えることができる。
次に状態判定において、入金残額有り,精算カード5の挿入有り,カード残額無しの場合(即ちカード残額無しの精算カード5が留保されている状態)には状態5であると判定され、該状態5である旨を制御部22のRAMに記憶した後、入金残額が有る旨を報知する(S141)。この状態で、遊技場の店員により精算カード返却ボタン16が操作されると、該精算カード排出操作を検知した制御部22がRAMの記憶内容を参照することによって状態5である旨が記憶されていることを確認し、該挿入されている(挿入された状態で留保されている)精算カード5を使用して、前記図4のS32〜S33と同様に有価価値返却処理が行われる(S171)。さらに、該有価価値返却処理が行われたことに基づいて、精算カード5に記録される入金IDと、有価価値返却処理を行った旨を示す返却情報がシステムコンピュータ50に対して送信され(S172)、前記入金残額有りの報知が終了(多機能ランプ27が消灯)してカードユニット20の動作が停止する(S181)。入金ID及び返却情報を受信したシステムコンピュータ50においては、受信した返却情報が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている残額と共にハードディスク53に記憶される(S173)。
なお、前述した図7に示す第2の処理方法が設定されている場合には、精算カード5が留保されている状態で入金されたときに、入金された金額が封入カード4ではなく精算カード5に記録されるため、状態5(入金残額有り,精算カード5の挿入有り)とはならない。従って、第2の処理方法が設定されている場合には状態1〜4のいずれに属するかの判定を行っても良い。
ここで上記S173においてハードディスク53に記憶された返却情報と、S134においてハードディスク53に記憶された排出情報に関しては、図9(b)に示すようにして残有り精算カード排出履歴として、各返却情報及び排出情報に対応するユニットID,入金ID,及び残額をディスプレイ54に表示することが可能である。このユニットIDは、入金IDの送信先であるカードユニット20を特定可能な情報であり、これによっていずれのカードユニット20でカード残額有りの精算カード5の返却(排出)が行われたかを把握することができる。
また、カード残額有りの精算カード5の返却(排出)が行われたカードユニット20のユニットIDと共に、入金ID及びカード残額をディスプレイ54に視認可能な態様で出力することにより、カード残額有りの精算カード5が返却(排出)された旨を、詳細な情報(ユニットID,入金ID,及びカード残額)と共に遊技場側で確認できるので、カード残額を遊技場の店員が着服するといった不正の発見や防止に役立てることができる。
なお、上記説明した遊技用システム1においては、カードユニット20が閉店処理信号受信手段(システムコンピュータ用通信部21a)及び閉店処理信号検出手段(制御部22)を備えており、カードユニット20と通信可能に接続されたシステムコンピュータ50の閉店処理信号配信手段(通信部51)から送信された閉店処理信号を、前記閉店処理信号受信手段(システムコンピュータ用通信部21a)が受信したときに、前記閉店処理信号検出手段(制御部22)が該閉店処理信号受信手段により受信した閉店処理信号を検出し、該閉店処理信号の検出に基づいて判定手段(制御部22)により記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零であるか否かの判定が行われて、該有価価値の大きさ(入金残額)が零であると判定されたときに報知手段(多機能ランプ27)により報知が行われたが、本発明に係る遊技用装置(カードユニット20)は、前記閉店処理信号を遊技用装置外部から受信することなく、遊技用装置単独でも前記有価価値の大きさの判定を行って、前記有価価値の大きさが零でない旨の報知を行うことが可能である。
即ち遊技用装置(カードユニット20)においては、閉店処理信号検出手段(制御部22)が閉店処理信号を検出したことに基づいて、記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零であるか否かを判定するものであるため、遊技用装置外部から受信した信号の検出に限らず、例えばカードユニット20に備えられたスイッチの操作を検出する場合等も閉店処理信号の検出に含まれる。従って、例えば閉店時に遊技場の店員によってカードユニット20のスイッチ(例えば電源スイッチ)が操作された際に、制御部22によって封入カード4に記憶された入金残額が零であるか否かの判定が行われて、入金残額が零でないと判定されたときに多機能ランプ27が該入金残額が零でない旨を報知することが可能である。このように遊技用装置(カードユニット20)は管理装置と通信接続されていない状態でも本発明に適合するものである。
[2.第2実施形態に係る遊技用システム1’]
次に第2実施形態に係る遊技用システム1’について第1実施形態と異なる点について説明する。第2実施形態に係る遊技用システム1’は、図1に示すように第1実施形態の遊技用システム1と同様に、パチンコ機10に対応して設けられるカードユニット20’と、複数のカードユニット20’と通信可能なシステムコンピュータ50’とを含むものである。この遊技用システム1’では、第1実施形態と同様の紙幣2,硬貨3,封入カード4,及び精算カード5が使用される。
カードユニット20’は遊技用装置の一例であって、図1及び図2に示すように、第1実施形態と同様のパチンコ機10に対応して設けられている。このカードユニット20’は、第1実施形態に係るカードユニット20と比較して、システムコンピュータ用通信部21aに代えてシステムコンピュータ用通信部21a’を備える点,制御部22に代えて制御部22’を備える点,及び多機能ランプ27に代えて多機能ランプ27’を備える点のみが異なり、その他の点は同様である。
システムコンピュータ用通信部21a’は、後述するシステムコンピュータ50’の通信部51’と通信可能に接続されており、カードユニット20’とシステムコンピュータ50’との間における通信を司るものである。このシステムコンピュータ用通信部21a’は第1実施形態に係るシステムコンピュータ用通信部21aと同様に、図4のS13に示すように、受付有価価値の大きさ(入金された金額)をカードユニット20’外部のシステムコンピュータ50’に送信するものであり、第2実施形態においては受付有価価値の大きさを遊技用装置外部に送信する受付価値送信手段として定義される。またシステムコンピュータ用通信部21a’は第1実施形態に係るシステムコンピュータ用通信部21aと同様に、図4のS23に示すように、貸与処理手段(制御部22’)により貸与処理(玉貸処理)に使用される貸与有価価値の大きさ(使用金額)を封入カード4に記憶された入金IDと共にシステムコンピュータ50’に送信するものであり、第2実施形態においては貸与有価価値の大きさを遊技用装置外部に送信する貸与価値送信手段として定義される。
またシステムコンピュータ用通信部21a’は第1実施形態に係るシステムコンピュータ用通信部21aと同様に、図4のS42に示すように、カード残額有りの精算カード5を受け付けたときに、該受け付けた精算カード5から読み取ったカード残額と、該受け付けた精算カード5から読み取った入金IDをシステムコンピュータ50’に対して送信するものである。さらにシステムコンピュータ用通信部21a’は第1実施形態に係るシステムコンピュータ用通信部21aと同様に、図4のS53に示すように、精算カード5のカード残額を使用した玉貸処理に使用される使用金額を、該精算カード5に記録から読み取った入金IDと共にシステムコンピュータ50’に対して送信するものである。
制御部22’は第1実施形態に係る制御部22と同様に、CPU,RAM,ROM等を備えており、ROMに記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、カードユニット20’に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部22’は第1実施形態に係る制御部22と同様に、貸与処理手段,記録媒体貸与処理手段,減算手段,及び記録媒体減算処理手段としての機能を有するものであるが、第1実施形態に係る制御部22と異なり、閉店処理信号検出手段及び判定手段としては機能しないものである。
また制御部22’は第1実施形態に係る制御部22と同様に、紙幣識別機23又は硬貨識別機24により紙幣2又は硬貨3が受け付けられて入金されると、前記図4のS11に示すように、精算カードR/W26に精算カード5が留保されているか否かを判定するものである。さらに制御部22’は第1実施形態に係る制御部22と同様に、前記図4のS31及びS41に示すように、精算カード5が挿入されて受け付けられたときに、封入カード4に記録されている入金残額が零であるか否かを判定し、また該受け付けた精算カード5のカード残額が零であるか否かを判定するものである。
多機能ランプ27’は第1実施形態に係る多機能ランプ27と同様に、予め定められた複数の色のうちのいずれかの色で点灯又は点滅することによってカードユニット20の状態を報知するランプである。この多機能ランプ27’は報知手段の一例であるが、第1実施形態に係る多機能ランプ27と異なり、後述する報知指示信号配信手段(通信部51’)により配信された報知指示信号を受信したことに基づいて、該記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でない旨を報知するものである。ここでは第1実施形態に係る多機能ランプ27と同様に、緑色で点滅することによって該有価価値の大きさが零でない旨を報知する。また多機能ランプ27’は第1実施形態に係る多機能ランプ27と同様に有価媒体報知手段としての機能を有するものである。
システムコンピュータ50’は遊技用装置(カードユニット20’)と通信可能な管理装置の一例であって、図1に示すように、第1実施形態に係るシステムコンピュータ50と同様に遊技場内の所定箇所(例えば管理事務所等)に設けられている。このシステムコンピュータ50’は、第1実施形態に係るシステムコンピュータ50と比較して、通信部51に代えて通信部51’を備える点,制御部52に代えて制御部52’を備える点,及びハードディスク53に代えてハードディスク53’を備える点が異なり、その他の点は同様である。
通信部51’は第1実施形態に係る通信部51と同様に、カードユニット20’のシステムコンピュータ用通信部21a’と通信可能に接続されており、システムコンピュータ50’とカードユニット20’との間における通信を司るものであると共に、精算装置60の通信部61と通信可能に接続されており、システムコンピュータ50’と精算装置60との間における通信を司るものである。この通信部51’は第1実施形態に係る通信部51と異なり、閉店処理信号配信手段としては機能せず、後述する制御部52’により残額が零であると判定されたカードユニット20’に対してのみ閉店処理信号を配信するものである。
この通信部51’は報知指示信号配信手段の一例であって、後述する管理装置側判定手段(制御部52’)により後述する管理装置側記憶手段(ハードディスク53’)に記憶された有価価値の大きさ(残額)が零でないと判定された遊技用装置(カードユニット20’)に対して、記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でない旨を示す報知指示信号を配信するものである。
また通信部51’は第1実施形態に係る通信部51と同様に、制御部52’により生成された入金IDを受付有価価値の大きさ(入金された金額)の送信元である遊技用装置(カードユニット20’)に対して送信するものである。
また通信部51’は第1実施形態に係る通信部51と同様に、図5のS65に示すように、制御部52’により精算装置60の通信部61から受信した有価価値の大きさ(カード残額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下であると判定されたことを条件として、精算を許諾する旨を示す情報を精算装置60に対して返信するものである。
さらに通信部51’は第1実施形態に係る通信部51と同様に、図4のS44に示すように、制御部52’によりシステムコンピュータ用通信部21a’から受信した記録媒体貸与処理(カード残額を使用した玉貸処理)に使用される有価価値の大きさ(使用金額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下である(即ち照合OKである)と判定されたことを条件として、前記遊技媒体(パチンコ玉)の貸与を許諾する旨(照合OKである旨)を前記入金ID及び使用金額の送信元である遊技用装置(カードユニット20’)に対して返信するものである。
ハードディスク53’は第1実施形態に係るハードディスク53と異なり、管理装置側記憶手段の一例であって、受付価値送信手段(システムコンピュータ用通信部21a’)から受信した受付有価価値の大きさ(入金された金額)を遊技用装置毎(各カードユニット20’を個々に識別可能なユニットID毎)に記憶するものである。具体的には、システムコンピュータ用通信部21a’から受信した受付有価価値の大きさ(入金された金額)と、後述する制御部52’により生成された入金IDとを対応付けて記憶すると共に、該入金IDの送信先であるカードユニット20’のユニットID(各カードユニット20’を個々に識別可能な情報)も対応付けて記憶するものである。またハードディスク53’は第1実施形態に係るハードディスク53と同様に、返却情報記憶手段として機能するものである。
制御部52’は第1実施形態における制御部52と同様に、CPU,RAM,ROM等を備えており、ハードディスク53’に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、システムコンピュータ50’に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。この制御部52’は、図4のS14に示すように、システムコンピュータ用通信部21a’から受信した受付有価価値の大きさ(入金された金額)を特定するための入金IDを生成するものである。
制御部52’は第1実施形態における制御部52と同様に、システムコンピュータ用通信部21a’から受信した有価価値の大きさ(使用金額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下であるか否かを判定するものである。また制御部52’はシステムコンピュータ用通信部21a’から受信した有価価値の大きさ(使用金額)が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶されている有価価値の大きさ(残額)以下であると判定されたことを条件として、図4のS24に示すようにシステムコンピュータ用通信部21a’から受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶された有価価値の大きさ(残額)から該入金IDと共に受信した貸与有価価値の大きさ(使用金額)を減算するものであり、第2実施形態においては、貸与価値送信手段(システムコンピュータ用通信部21a’)から受信した貸与有価価値の大きさ(使用金額)を、ハードディスク53’に遊技用装置毎(ユニットID毎)に記憶された有価価値の大きさ(残額)から減算する管理装置側減算手段として定義される。
なお、制御部52’は第1実施形態における制御部52と異なり、管理装置側判定手段の一例であって、遊技場の閉店に伴う閉店処理を実行する際に、管理装置側記憶手段(ハードディスク53’)に記憶された有価価値の大きさ(残額)が零であるか否かを遊技用装置毎(ユニットID毎)に判定するものである。
以上に説明した遊技用システム1’の作用について説明する。なお、カードユニット20’が貨幣を受け付けたときの遊技用システム1’の作用,及び精算装置60の作用については、第1実施形態で図4〜図7を用いて説明した作用と同様であり、説明を省略する。
次に、遊技場の閉店に伴う閉店処理を行う際の遊技用システム1’の作用について図9及び図10を用いて説明する。まず、遊技場の店員が図9(a)に示すようにシステムコンピュータ50’のディスプレイ54に表示される閉店処理実行画面において、閉店処理ボタンにカーソルを合わせてマウスボタンをクリックすることで、該閉店処理ボタンが選択され(S101’)、各カードユニット20’毎(ユニットID毎)に残額が零であるか否かの判定が制御部52’により行われる(S102’)。その結果、残額が零であると判定されたカードユニット20’に対しては閉店処理信号が送信され(S103’)、残額が零でないと判定されたカードユニット20’に対しては報知指示信号が送信される(S106’)。
カードユニット20’において、閉店処理信号を受信した場合には、精算カード5が挿入(留保)されているか否か,及び(精算カード5が挿入(留保)されていると判定された場合には)該挿入(留保)されている精算カード5に記録されているカード残額の有無を制御部22’によって判定し、この判定結果に基づいてカードユニット20’の状態が図10に示す状態1’〜状態3’のいずれに属するかを判定する(S104’)。
この状態判定において、精算カード5の挿入無しの場合には状態1’であると判定され、実施形態1において状態1であると判定されたときと同様に、カードユニット20’の動作が停止し、多機能ランプ27’が消灯される(S181’)。即ち閉店処理が行われる。
次にS104’の状態判定において、精算カード5の挿入有り,カード残額無しの場合(即ちカード残額無しの精算カード5が留保されている状態)には状態2’であると判定され、実施形態1において状態2であると判定されたときと同様に、精算カード5がカードユニット20’から排出され(S111’)、カードユニット20’の動作が停止し、多機能ランプ27’が消灯される(S181’)。
次にS104’の状態判定において、精算カード5の挿入有り,カード残額有りの場合には状態3’であると判定され、実施形態1において状態3であると判定されたときと同様に、該状態3’である旨を制御部22’のRAMに記憶した後、該カード残額有りの精算カード5を留保している旨を多機能ランプ27’により報知する。この状態で、精算カード返却ボタン16が操作されると(S131’)、該精算カード排出操作を検知した制御部22’がRAMの記憶内容を参照することによって状態3である旨が記憶されていることを確認し、該精算カード5を排出した後、該報知を終了(つまり多機能ランプ27’を消灯)してカードユニット20’の動作が停止する(S181’)。なお、該カード残額有りの精算カード5が排出される際に、システムコンピュータ用通信部21a’からシステムコンピュータ50’に対して該精算カード5に記録されている入金ID及び精算カード5を排出した旨を示す情報(排出情報)が当該カードユニット20’を特定可能なユニットIDと共に送信され(S133’)、システムコンピュータ50’において、受信した排出情報及びユニットIDが、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶されている残額と共にハードディスク53’に記憶される(S134’)。
次にカードユニット20’において、報知指示信号を受信した場合には、精算カード5が挿入されているか否かを制御部22’によって判定し、この判定結果に基づいてカードユニット20’の状態が図10に示す状態4’又は状態5’のいずれに属するかを判定する(S106’)。
この状態判定において、精算カード5の挿入無しの場合には状態4’であると判定され、実施形態1において状態4であると判定されたときと同様に、該状態4’である旨を制御部22’のRAMに記憶した後、入金残額が有る旨を報知する(S141’)。この状態で、遊技場の店員により精算カード5が挿入されると、該精算カード5の挿入を検知した制御部22’がRAMの記憶内容を参照することによって状態4’である旨が記憶されていることを確認し、該挿入された精算カード5のカード残額が零であると判定した後に、前記図4のS32〜S33と同様の有価価値返却処理が行われる(S171’)。さらに、該有価価値返却処理が行われたことに基づいて、精算カード5に記録される入金IDと、有価価値返却処理を行った旨を示す返却情報が当該カードユニット20’を特定可能なユニットIDと共にシステムコンピュータ50’に対して送信され(S172’)、前記入金残額有りの報知が終了(多機能ランプ27’が消灯)してカードユニット20’の動作が停止する(S181’)。入金ID,ユニットID及び返却情報を受信したシステムコンピュータ50’においては、受信した返却情報及びユニットIDが、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶されている残額と共にハードディスク53’に記憶される(S173’)。
このようにカードユニット20’がシステムコンピュータ50’から報知指示信号を受信したときに、該入金残額が零でない旨を報知するので、遊技場の店員が入金残額が残存しているカードユニット20’を確認して、該入金残額が残存しているカードユニット20’に対して適切な処理(ここでは入金残額を精算カード5に記録する)を行うことにより、該カードユニット20’に入金残額が残存していない状態で翌日の開店を迎えることができる。これによって、遊技者が遊技を行うパチンコ機10を選択する際に、カードユニット20’に前日分の入金残額が残存している状態であることにより該カードユニット20’に対応するパチンコ機10が既に占有されている(他の遊技者によって遊技が行われようとしている)と誤って判断することがなく、パチンコ機10の稼働率の低下を防止することができる。
次にS106’の状態判定において、精算カード5の挿入有り,カード残額無しの場合(即ちカード残額無しの精算カード5が留保されている状態)には状態5’であると判定され、実施形態1において状態5’であると判定されたときと同様に、該状態5’である旨を制御部22’のRAMに記憶した後、入金残額が有る旨を報知する(S141’)。この状態で、遊技場の店員により精算カード返却ボタン16が操作されると、該精算カード排出操作を検知した制御部22’がRAMの記憶内容を参照することによって状態5’である旨が記憶されていることを確認し、該挿入されている(挿入された状態で留保されている)精算カード5を使用して、前記図4のS32〜S33と同様に有価価値返却処理が行われる(S171’)。さらに、該有価価値返却処理が行われたことに基づいて、精算カード5に記録される入金IDと、有価価値返却処理を行った旨を示す返却情報がシステムコンピュータ50’に対して送信され(S172’)、前記入金残額有りの報知が終了(多機能ランプ27’が消灯)してカードユニット20’の動作が停止する(S181’)。入金ID及び返却情報を受信したシステムコンピュータ50’においては、受信した返却情報が、受信した入金IDと対応付けてハードディスク53’に記憶されている残額と共にハードディスク53’に記憶される(S173’)。
なお、前述した図7に示す第2の処理方法が設定されている場合には、精算カード5が留保されている状態で入金されたときに、入金された金額が封入カード4ではなく精算カード5に記録されるため、状態5’(入金残額有り,精算カード5の挿入有り)とはならない。従って、第2の処理方法が設定されている場合には報知指示信号を受信したことに基づいて状態4’であると判定しても良い。
最後に、本発明の変形例について説明する。
上記の実施形態では、図11(a)に示すように、記憶手段である封入カード4に入金ID及び入金残額が記録され、精算用記録媒体である精算カード5に入金ID及びカード残額が記録され、システムコンピュータ50,50’のハードディスク53,53’に入金ID及び残額が記憶される例について説明したが、これらの記録内容・記憶内容は、図11(b)〜(f)に示す変形例1〜5であっても良い。ただし記録内容・記憶内容は、変形例1〜5に示すものには限られず、各変形例を適宜組み合わせたものでも良い。
まず図11(b)に示す変形例1のように、封入カード4に代えて制御部22,22’のRAMを記憶手段とし、該記憶手段である制御部22,22’のRAMに入金ID及び入金残額が記録され、精算用記録媒体である精算カード5に入金ID及びカード残額が記録され、システムコンピュータ50,50’のハードディスク53,53’に入金ID及び残額が記憶されるようにしても良い。この場合には、遊技用装置(カードユニット20,20’)に、封入カード4及び封入カードR/W25を設ける必要がなくなる。
また図11(c)に示す変形例2のように、記憶手段である封入カード4に入金ID及び入金残額が記録され、精算用記録媒体である精算カード5に前記記録情報として入金IDのみが記録され(即ちカード残額が記録されず)、システムコンピュータ50,50’のハードディスク53,53’に入金ID及び残額が記憶されるようにしても良い。この場合には、精算カードR/W26により精算カード5から読み取られた入金IDがカードユニット20,20’からシステムコンピュータ50,50’に対して送信され、該入金IDを受信したシステムコンピュータ50,50’において、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53,53’に記憶されている残額が特定される。なお、封入カード4に記録されるのは入金IDだけでも良く、この場合にも、精算カードR/W26により精算カード5から読み取られた入金IDがカードユニット20,20’からシステムコンピュータ50,50’に対して送信され、該入金IDを受信したシステムコンピュータ50,50’において、該受信した入金IDと対応付けてハードディスク53,53’に記憶されている残額が特定される。
また図11(d)に示す変形例3のように、記憶手段である封入カード4に該封入カード4を個々に特定可能な情報である封入カードID及び入金残額が記録され、精算用記録媒体である精算カード5に記録情報として該精算カード5を個々に特定可能な情報である精算カードID及びカード残額が記録され、システムコンピュータ50,50’のハードディスク53,53’に封入カードID及び入金残額と精算カードID及びカード残額とが記憶されるようにしても良い。即ち入金されたときに生成される入金IDではなく、封入カード4に予め記録されている封入カードIDや、精算カード5に予め記録されている精算カードIDと対応付けて、残額を管理するようにしても良い。この場合には、システムコンピュータ50,50’の制御部52,52’により入金IDを生成する必要がなくなる。なお、封入カード4に記録されるのは封入カードIDだけでも良く、精算カード5に記録されるのは精算カードIDだけでも良い。この場合にも、封入カードR/W25により封入カード4から読み取られた封入カードIDや精算カードR/W26により精算カード5から読み取られた精算カードIDがカードユニット20,20’からシステムコンピュータ50,50’に対して送信され、該封入カードIDや精算カードIDを受信したシステムコンピュータ50,50’において、該受信した封入カードIDと対応付けてハードディスク53,53’に記憶されている入金残額や、該受信した精算カードIDと対応付けてハードディスク53,53’に記憶されているカード残額が特定される。
また図11(e)に示す変形例4のように、封入カード4に代えて制御部22,22’のRAMを記憶手段とし、該記憶手段である制御部22,22’のRAMに遊技用装置(カードユニット20,20’)を個々に特定可能な情報であるユニットID及び入金残額が記録され、精算用記録媒体である精算カード5に前記記録情報として該精算カード5を個々に特定可能な情報である精算カードID及びカード残額が記録され、システムコンピュータ50,50’のハードディスク53,53’にユニットID及び入金残額と精算カードID及びカード残額とが記憶されるようにしても良い。即ち入金されたときに生成される入金IDではなく、遊技用装置を個々に特定可能なユニットIDや、精算カード5に予め記録されている精算カードIDと対応付けて、残額を管理するようにしても良い。この場合には、遊技用装置(カードユニット20,20’)に、封入カード4及び封入カードR/W25を設ける必要がなくなると共に、システムコンピュータ50,50’の制御部52,52’により入金IDを生成する必要がなくなる。
また図11(f)に示す変形例5のように、封入カード4に入金残額のみが記録され(即ち各種のIDが記録されず)、精算用記録媒体である精算カード5に前記記録情報としてカード残額のみが記録される(即ち各種のIDが記録されない)ようにしても良い。即ち残額をID管理しないようにしても良い。これによれば、システムコンピュータ50,50’を設ける必要がなくなる。
上記の実施形態では、図2に示すように、紙幣識別機23にて受付可能な紙幣2の種類が1000円紙幣,2000円紙幣,5000円紙幣,及び10000円紙幣の4種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な紙幣2の種類は、該4種類のうちの任意の1種類又は2種類以上でも良い。同様に、上記の実施形態では、硬貨識別機24にて受付可能な硬貨3の種類が100円硬貨,及び500円硬貨の2種類である例について説明したが、これに限らず、受付可能な硬貨3の種類は、該2種類のうちの任意の1種類でも良い。なお貨幣として紙幣2及び硬貨3の双方を受け付けるものには限られず、紙幣2又は硬貨3のいずれか一方のみを受け付けるものでも良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)により受け付けられた貨幣(紙幣2,硬貨3)が遊技用装置(カードユニット20,20’)外部に排出されて、紙幣搬送機構,硬貨搬送機構により搬送される例について説明したが、これに限らず、該受け付けられた貨幣は、遊技用装置内部に貯留されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)において、有体物である貨幣(紙幣2,硬貨3)を受け付ける例について説明したが、これに限らず、無体物である貨幣(例えば電子マネー等の貨幣金額に相当する金額データや、クレジットカードから特定される与信金額や、デビットカードから特定される預金金額等)を接触又は非接触で受け付けるようにしても良い。
上記の実施形態では、貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)により受け付けた貨幣の金額が受付有価価値の大きさとして受付価値情報送信手段(システムコンピュータ用通信部21a,21a’)によりシステムコンピュータ50,50’に送信される例について説明したが、これに限らず、例えば貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)により受け付けた貨幣の金額(例えば10000円)のうち、一部の金額(例えば1000円)が自動的に遊技媒体(パチンコ玉)の貸与処理に使用され、残りの金額(例えば9000円)が受付有価価値の大きさとしてシステムコンピュータ50,50’に送信されても良い。即ち、受付価値情報送信手段(ここではシステムコンピュータ用通信部21a,21a’)は、貨幣受付手段(紙幣識別機23、硬貨識別機24)により受け付けた貨幣の金額(例えば10000円)の少なくとも一部(例えば9000円)に相当する受付有価価値の大きさを遊技用装置外部に送信するものである。
上記の実施形態では、封入カード4が非接触式のICカードである例について説明したが、これに限らず、該封入カード4は、接触式の集積回路,磁気,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。
上記の実施形態では、精算用記録媒体(精算カード5)が非接触式のICカードである例について説明したが、これに限らず、該精算用記録媒体は、接触式の集積回路,磁気,二次元コード(例えばバーコード),三次元コード,又は光干渉(例えばホログラム)等により情報を記録するものでも良い。また精算用記録媒体の形状はカード型には限られず、コイン型であっても良い。
上記の実施形態では、遊技機がパチンコ機10である例について説明したが、これに限らず、該遊技機は、例えば遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン,遊技媒体としてパチンコ玉を使用するスロットマシンであるパチロット,遊技媒体であるパチンコ玉が指触不能に封入された封入式のパチンコ機,パチンコ玉やメダルを用いることなく得点データを使用して遊技可能なパチンコ機やスロットマシン,遊技領域やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機,リールが画像にて表示される画像式のスロットマシン等であっても良い。
上記の実施形態では、遊技用装置(カードユニット20,20’)において玉貸処理が行われるときに、1度数に相当するパチンコ玉数(例えば消費税を考慮しないのであれば25個、消費税を考慮するのであれば消費税率に応じて24個,23個…等の、具体的な玉数)である払出要求玉数のパチンコ玉の払出を要求する払出要求信号がパチンコ機10に対して送信される例について説明したが、該玉貸処理は、例えば以下の変形例1又は変形例2に示す如く行われるようにしても良い。
まず変形例1として、パチンコ機10において、遊技用装置からの1回の払出要求に応じて払い出すパチンコ玉の数(以下「単位払出数」という。)を設定変更可能に構成すると共に、遊技用装置において、該設定された単位払出数を予め記憶可能に構成した場合には、以下のようにして玉貸処理を行う。まず遊技用装置は、玉貸ボタン15の操作を制御部22,22’により検出すると、パチンコ玉の払出を要求する払出要求信号(具体的な払出要求玉数は示さない信号)を払出制御基板12に対して送信する。該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、前記単位払出数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から単位払出数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、実際に払い出したパチンコ玉の数である払出結果玉数を示す払出結果信号を制御部22,22’に対して送信する。該払出結果信号を受信した遊技用装置は、前記予め記憶している単位払出数と、該払出結果信号に示される払出結果玉数とを照合し、照合OKである場合には、前記1度数分の減算処理を行い、その後、前記玉貸設定度数分の玉貸処理を行う。
ここで払出結果玉数を示す払出結果信号は、パチンコ機10の払出制御基板12から出力されるようにしても良いし、払い出されたパチンコ玉の数を検出する図示しない払出検出センサから出力されるようにしても良い。また遊技用装置において予め記憶しておく単位払出数は、カード会社の管理装置や遊技場の管理装置(システムコンピュータ50,50’)で設定し、遊技用装置に配信して記憶するようにすれば良い。そして、例えば前記単位払出数と払出結果玉数との照合NGの場合に、遊技用装置を不能動化するように構成すれば、遊技場が実際の申告よりも小さい単位払出数をパチンコ機10において設定するような不正を防止できる。
また変形例2として、前記単位払出数が一定(例えば25個)である場合には、以下のようにして玉貸処理を行う。まず遊技用装置は、玉貸ボタン15の操作を制御部22,22’により検出すると、パチンコ玉の払出を要求する払出要求信号(具体的な払出要求玉数は示さない信号)を払出制御基板12に対して送信する。該払出要求信号を受信したパチンコ機10は、玉払出装置13からパチンコ玉の払出が可能であるか否かを確認し、該確認結果が可能である場合には、玉貸準備信号を制御部22,22’に対して送信する。該玉貸準備信号を検出した遊技用装置は、玉貸指令信号を払出制御基板12に対して送信し、該玉貸指令信号を受信したパチンコ機10は、前記単位払出数のパチンコ玉の払出を指示する払出信号を払出制御基板12から玉払出装置13に対して出力し、これに基づいて、玉払出装置13から単位払出数分のパチンコ玉の払出を行い、該払出の終了に基づいて、1度数分の玉貸処理の完了を示す玉貸完了信号を制御部22,22’に対して送信する。該払出結果信号を受信した遊技用装置は、前記1度数分の減算処理を行い、その後、前記玉貸設定度数分の玉貸処理を行う。
上記の実施形態では、遊技媒体を貸与するための貸与処理や記録媒体貸与処理が、パチンコ玉を貸与する玉貸処理である例について説明したが、これに限らず、該貸与処理や記録媒体貸与処理は、前記メダルを貸与するメダル貸出処理や、前記画像式のパチンコ機やスロットマシンにおいて有価価値の大きさを遊技媒体としての得点に変換して遊技に使用させる処理等でも良い。
上記の実施形態では、玉貸処理が行われた場合に、遊技用装置(カードユニット20)と遊技機(パチンコ機10)との間でパチンコ玉の貸与に関する信号のやり取りが行われて、該遊技機に設けられた玉払出装置13からパチンコ玉が払い出されて貸与される例について説明したが、これに限らず、遊技用装置に設けられた図示しない玉払出装置からパチンコ玉が払い出されて貸与されるようにしても良い。
上記の実施形態では、図2に示すように、残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び精算カード返却ボタン16が遊技機(パチンコ機10)に設けられ、遊技用装置(カードユニット20,20’)と接続されている例について説明したが、これに限らず、これら残度数表示器14,玉貸ボタン15,及び精算カード返却ボタン16の一部又は全部を遊技用装置に設けるようにしても良い。
上記の実施形態では、入金残額及びカード残額が零である状態で貨幣(紙幣2及び/又は硬貨3)を受付可能である例について説明したが、これに限らず、入金残額が零でない場合や、カード残額が零でない場合にも、貨幣を受付可能としても良い。
上記の実施形態では、有価価値の大きさとして金額自体が記憶・管理されている例について説明したが、これに限らず、該有価価値の大きさとして、該金額が所定の比率で換算された残度数や点数等が記憶・管理されるようにしても良い。
上記の実施形態では、留保手段が精算カードR/W26である例について説明したが、これに限らず、留保手段として精算カード5を留保するための機構を別に設けても良い。例えば、精算カードR/W26の奥方向に精算カード5の収納部を設けて該収納部にカード残額が零となった精算カード5が留保(収納)されるようにしても良い。この収納部に精算カード5が留保(収納)されており、封入カード4に記録された入金残額が零でないときに精算カード返却ボタン16が操作されると、収納部に留保(収納)されていた精算カード5が精算カードR/W26に搬送され、該搬送された精算カード5に対して有価価値返却処理が行われる。なお、図8のS161及び図10のS161’において、精算カード返却ボタン16が操作された場合についても同様に、収納部に留保(収納)されていた精算カード5が精算カードR/W26に搬送され、該搬送された精算カード5に対して有価価値返却処理が行われる。
上記の実施形態では、報知手段である多機能ランプ27,27’が緑色で点滅することによって記憶手段(封入カード4)に記憶された有価価値の大きさ(入金残額)が零でない旨を報知する例について説明したが、これに限らず、報知手段は遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられる呼出ランプ装置であっても良く、多機能ランプ27,27’及び呼出ランプ装置の両方であっても良い。このときには、カードユニット20,20’及び呼出ランプ装置が遊技用装置として機能する。さらに、別の装置で報知が行われても良く、遊技場の店員が、記憶手段に記憶された有価価値の大きさが零でない旨を確認可能な報知態様であれば良い。
上記実施形態では、有価媒体報知手段である多機能ランプ27,27’が青色で点灯することによって、記録情報(入金ID及びカード残額)から特定される有価価値の大きさ(カード残額)が零でない精算カード5が挿入されている旨を報知する例について説明したが、これに限らず、有価媒体報知手段は遊技機(パチンコ機10)に対応して設けられる呼出ランプ装置であっても良く、多機能ランプ27,27’及び呼出ランプ装置の両方であっても良い。このときには、カードユニット20,20’及び呼出ランプ装置が遊技用装置として機能する。さらに、別の装置で報知が行われても良く、遊技場の店員が、記録情報(入金ID及びカード残額)から特定される有価価値の大きさ(カード残額)が零でない旨を確認可能な報知態様であれば良い。
上記の実施形態では、図8のS171及び図10のS171’に示すように、入金残額が精算カード5に記録され、カードユニット20,20’から排出されたカード残額有りの精算カード5を遊技場の店員が回収する例について説明したが、これに限らず、例えば図12に示すようにシステムコンピュータ50,50’において、ハードディスク53,53’に記憶している残額が零でないカードユニット20,20’をディスプレイ54に表示し、入金残額クリアボタンを選択することによって、該表示されている残額が零でないカードユニット20,20’に対して封入カード4に記録している入金残額を零とする(入金残額をクリアする)旨を示す情報を送信すると共に、ハードディスク53,53’に記憶しているカードユニット20,20’の残額及び入金IDを消去(ただしここで消去される残額及び入金IDは別途ログデータとしてシステムコンピュータ50,50’に保存しておく)するようにしても良い。これによればカードユニット20,20’の入金残額を一括して零にすることができ、遊技場の店員が入金残額を精算カード5に記録して回収する手間が省ける。
なお、上記第2の実施形態においては、閉店処理信号又は報知指示信号を受信したカードユニット20’において、精算カード5が挿入(留保)されているか否か,及び精算カード5のカード残額が零であるか否かをカードユニット20’の制御部22’により判定(状態判定)しているが、これに限らず、これらの判定をシステムコンピュータ50’の制御部52’で判定するようにしても良い。例として、封入カード4を特定可能な封入カードIDを各封入カード4に記録しておくと共に、精算カード5を特定可能な精算カードIDを各精算カード5に記録しておき、システムコンピュータ50’側では前記封入カードIDと対応付けて入金残額を記憶すると共に、前記精算カードIDと対応付けてカード残額を記憶する。これによって、例えばカードユニット20’が入金残額有りの状態でカード残額無しの精算カード5を受け付けたときには該精算カード5から読み取った精算カードIDを、封入カード4から読み取った封入カードIDと共にシステムコンピュータ50’に対して送信し、システムコンピュータ50’においては、受信した封入カードIDと対応付けて記憶されている入金残額を、受信した精算カードIDと対応付けてカード残額として記憶する(入金残額は消去する)。このように、入金残額及びカード残額の両残額をシステムコンピュータ50’側で管理することが可能であり、この場合には、システムコンピュータ50’において、各カードユニット20’に精算カード5が挿入(留保)されているか否かを併せて管理することにより、即ち図10に示す状態1〜5の判定をシステムコンピュータ50’側の制御部52’で行うことが可能となる。従って、システムコンピュータ50’は各カードユニット20’に対して各カードユニット20’の属する状態(1’〜5’)を示す情報を送信し、該状態(1’〜5’)を示す情報を受信したカードユニット20’において、各状態(1’〜5’)に応じた処理を行うことが可能である。