ところで、特許文献1には、遊技機の出荷方法として、遊技盤を遊技枠とセットで出荷するいわゆる本体出荷のみが開示されているに過ぎない。しかし現状では、本体出荷に加え、遊技盤のみを出荷するいわゆる遊技盤出荷も行われている。このため、遊技機の製造ラインには、遊技盤のみを製造する遊技盤製造ラインと、遊技盤を枠体に組み付けて遊技機本体を製造する本体製造ラインとが存在し、通常は遊技盤の製造と遊技機本体の製造とが並列的に同時進行される。しかし、特許文献1に記載の技術内容では、2種類の出荷形態があることについては全く考慮されていない。
よって、作業者は、遊技盤製造ラインの製造スピード、本体製造ラインの製造スピード、さらには遊技盤出荷ライン及び本体出荷ラインの出荷スピードに考慮しつつ遊技盤の振分けを行わなければならない。その結果、作業者による振分けミスが生じる可能性が高くなり、出荷形態に応じて効率よく振分けを行うことができなくなる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、出荷形態に応じて効率よく振分けを行うことが可能な遊技機の製造ラインを提供することにある。また、本発明の他の目的は、遊技盤製造ラインでの遊技盤の製造終了と略同時に遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを完了することができる遊技機の製造ラインを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技盤の製造を行う遊技盤製造ラインと、前記遊技盤製造ラインで製造された前記遊技盤を出荷する遊技盤出荷ラインと、前記製造された遊技盤を枠体に組み付けて遊技機本体を製造する本体製造ラインと、前記本体製造ラインで製造された前記遊技機本体を出荷する本体出荷ラインとを有する遊技機の製造ラインであって、前記遊技盤製造ラインで製造された前記遊技盤を、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数との割合に応じた所定の振分け割合で、前記遊技盤出荷すべき予定個数を分割して設定した所定個数及び前記本体出荷すべき予定個数を分割して設定した所定個数ごとに、前記遊技盤出荷ラインと前記本体製造ラインとに交互に振り分ける遊技盤振分け手段を備えたことを特徴とする遊技機の製造ラインをその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によると、遊技盤振分け手段による遊技盤の振分けにより、遊技盤出荷を行いつつ本体製造ラインへの遊技盤の供給も可能となる。よって、遊技盤製造ラインでの遊技盤の製造終了と略同時に遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを完了することができる。従って、先程とは異なる種類の遊技盤の製造を時間をおかずに開始することができるとともに、その振分けを開始することができる。
さらに、遊技盤製造ラインで製造された遊技盤が、遊技盤振分け手段により、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数との割合に応じた所定の振分け割合で、遊技盤出荷すべき予定個数を分割して設定した所定個数及び本体出荷すべき予定個数を分割して設定した所定個数ごとに、遊技盤出荷ラインと本体製造ラインとに交互に振り分けられる。そのため、作業者が遊技盤出荷と本体出荷の数量をチェックしながら遊技盤を振り分ける必要がなくなり、効率の良い振分けが可能となる。加えて、遊技盤振分け手段による振分け作業の機械化(自動化)により、作業者による振分けミスもなくなる。ゆえに、出荷形態に応じて効率よく振分けを行うことができる。
遊技盤を振り分ける方法としては、例えば、遊技盤を導く方向をアクチュエータによって遊技盤出荷ライン側または本体製造ライン側に切り替える方法が挙げられる。それ以外にも、例えば、第1のアクチュエータによって遊技盤を遊技盤出荷ラインに導き、第2のアクチュエータによって遊技盤を本体製造ラインに導く方法を用いてもよい。また、ロボットによって遊技盤を把持して遊技盤出荷ラインまたは本体製造ラインに搬送する方法を用いてもよい。
また、例えば、遊技盤の出荷量を500枚、遊技機本体の出荷量を1000台に設定し、遊技盤出荷:本体出荷=1:2に設定した場合、遊技盤出荷ラインに遊技盤出荷すべき予定個数と略同数の遊技盤を連続して導いた後、本体製造ラインに本体出荷すべき予定個数と略同数の遊技盤を連続して導くようにすることは好ましくない。なぜなら、異なる種類の遊技盤を製造する場合、互いの混同を避けるために、例えば遊技盤Aの振分けが完全に終了した後で、遊技盤Bの振分けを開始したいからである。従って、遊技盤出荷すべき予定個数を分割して設定した所定個数及び本体出荷すべき予定個数を分割して設定した所定個数は、比較的少数であることがよい。例えば、遊技盤出荷ラインへの1枚の遊技盤の供給と、本体製造ラインへの2枚の遊技盤の供給とが交互に行われるようにしてもよい。このようにすれば、遊技盤出荷を行いつつ、本体製造ラインを介して本体出荷を行い得る。通常、出荷に際しては、出荷先ごとに所定数の遊技盤と遊技機本体とを1単位(ロット)として詰め合わせて準備が行われる。この場合、遊技盤出荷と本体出荷とが略同時になされれば、随時出来上がったものから出荷準備、即ち遊技盤と遊技機本体との詰め合わせを行うことができる。よって、遊技盤出荷ラインへの遊技盤の振り分けと本体製造ラインへの遊技盤の振分けとを、最も効率良く行うことができる。
ここで、「枠体」は、外枠の開口前面側に開閉及び着脱自在に組み付けられた前枠であることが好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数との最大公約数で両個数を各々除した簡単な整数比に基づき、前記遊技盤出荷ラインと前記本体製造ラインとに振り分ける前記所定個数を決定することを要旨とする。
従って、請求項2に記載の発明によれば、1回ごとに遊技盤出荷ラインと本体製造ラインとに振り分けられる遊技盤の所定個数を少なく設定できるため、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを略同時に終えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数とを所定の桁数で端数処理し、その処理後の各個数を最大公約数で除した簡単な整数比に基づき、前記遊技盤出荷ラインと前記本体製造ラインとに振り分ける前記所定個数を決定することを要旨とする。
遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数との最大公約数で両個数を各々除した簡単な整数比が大きくなってしまう場合、例えば、遊技盤出荷すべき予定個数及び本体出荷すべき予定個数の少なくとも一方が割り切れない数である場合、1回ごとに遊技盤出荷ラインと本体製造ラインとに振り分けられる所定個数が大きくなってしまう。このため、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを略同時に終えることが困難になる。
その点、請求項3に記載の発明によれば、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数とをあらかじめ所定の桁数で端数処理しておき、その処理後の各個数を最大公約数で除すことにより簡単な整数比が導出される。そして、その整数比に基づくことで、1回ごとに遊技盤出荷ラインと本体製造ラインとに振り分けられる遊技盤の所定個数を少なく設定できる。従って、遊技盤出荷すべき予定個数及び本体出荷すべき予定個数の少なくとも一方に端数が存在する場合であっても、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを略同時に終えることができる。
なお、端数処理の方法としては、所定の桁数の四捨五入、切り捨て、切り上げなどの方法を用いることが挙げられる。また、「所定の桁数」は、遊技盤出荷すべき予定個数及び本体出荷すべき予定個数において、できるだけ下の位(例えば、百の位よりも十の位、十の位よりも一の位)であることが好ましい。このようにすれば、遊技盤出荷ラインと本体製造ラインとに連続して振り分ける遊技盤の数を少なくできる。
また、最後に振り分ける遊技盤の数を、端数処理分の誤差を補正した上で決定する。そして、決定された数に応じた遊技盤を連続して一方のラインに振り分けることにより、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを略同時に終えることができる。
例えば、遊技盤の予定個数を500枚、遊技機本体の予定個数を1002枚に設定し、遊技盤の予定個数と遊技機本体の予定個数とを一の位で端数処理(四捨五入)する。その結果、端数処理後の遊技盤の予定個数が500枚、端数処理後の遊技機本体の予定個数が1000枚に近似される。そして、遊技盤出荷ラインに連続して振り分ける遊技盤の数を5枚に決定し、本体製造ラインに連続して振り分ける遊技盤の数を10枚に決定した場合、最後に本体製造ラインに10枚の遊技盤を振り分けると、端数処理分の誤差が生じ、遊技機本体の予定個数が2枚不足する。この場合、最後に振り分ける遊技盤の数を、2枚の遊技盤を加算した12枚に決定し、12枚の遊技盤を連続して本体製造ラインに振り分けることにより、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを略同時に終えることができる。
また、遊技盤の予定個数を500枚、遊技機本体の予定個数を998枚に設定し、遊技盤の予定個数と遊技機本体の予定個数とを一の位で端数処理(四捨五入)する。その結果、端数処理後の遊技盤の予定個数が500枚、端数処理後の遊技機本体の予定個数が1000枚に近似される。そして、遊技盤出荷ラインに連続して振り分ける遊技盤の数を5枚に決定し、本体製造ラインに連続して振り分ける遊技盤の数を10枚に決定した場合、最後に本体製造ラインに10枚の遊技盤を振り分けると、端数処理分の誤差が生じ、遊技機本体が予定個数よりも2枚余分に製造されてしまう。この場合、最後に振り分ける遊技盤の数を、不足した2枚の遊技盤を減算した8枚に決定し、8枚の遊技盤を連続して本体製造ラインに振り分けることにより、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを略同時に終えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記本体製造ラインにおける製造進行状況を把握する進行状況把握手段を備え、前記進行状況把握手段で把握した実際の製造進行状況が、あらかじめ決定された製造進行計画から外れた場合、前記遊技盤振分け手段は、少なくとも前記製造進行状況が前記製造進行計画どおりになるまでの一定期間、前記遊技盤の振分け割合を変更することを要旨とする。
遊技盤出荷ラインは、製造が完了した遊技盤をそのまま出荷するラインであるため、出荷が滞ることは少ない。これに対して、本体出荷ラインでは、本体製造ラインでの製造に際して組み付けに手間取ったりして予想以上に時間がかかったり、チェックに際して不具合が発見されてラインの可動が停止されることもある。即ち、遊技盤出荷ラインに比べれば滞る可能性が高い。つまり、様々な要因により、本体製造ラインが遊技機本体を製造進行計画どおりに製造することができるとは限らない。
その点、請求項4に記載の発明によれば、本体製造ラインの実際の製造進行状況が製造進行計画よりも遅れた場合には、少なくとも前記製造進行状況の遅れが解消されて前記製造進行計画どおりになるまでの一定期間、遊技盤振分け手段が遊技盤出荷ラインに優先的に遊技盤を振り分ける。これにより、遊技盤製造ラインからの本体製造ラインへの遊技盤の供給が過剰となるのを避けることができる。一方、本体製造ラインの実際の製造進行状況が製造進行計画よりも進んだ場合には、少なくとも前記製造進行状況の進みが解消されて前記製造進行計画どおりになるまでの一定期間、遊技盤振分け手段が本体製造ラインに優先的に遊技盤を振り分ける。
従って、遊技盤振分け手段は、本体製造ラインにおける製造進行状況に応じて振分けを行うことにより、遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを最も効率良く、しかも並列的に同時進行させることができる。仮に、この振分けを作業者が行う場合には、遊技盤製造ラインの製造スピード、本体製造ラインの製造スピード、さらには遊技盤出荷ライン及び本体出荷ラインの出荷スピードに考慮しつつ遊技盤の振分けを行わなければならない。そのため、多大な労力や熟練を要し、振分けミスも生じ易くなるが、遊技盤振分け手段を用いる場合には、その心配がない。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記進行状況把握手段は、前記本体製造ラインにおける複数の工程のうち少なくとも1つの工程の所要時間を計測可能な計測手段であり、前記工程の所要時間をあらかじめ決定することにより前記製造進行計画を立て、前記計測手段で実測した前記工程の所要時間から前記製造進行状況を把握し、前記製造進行計画に比して前記製造進行状況が進んでいる場合には、少なくとも前記製造進行状況の進みが解消されて前記製造進行計画どおりになるまでの一定期間、前記遊技盤振分け手段により前記本体製造ラインに優先的に前記遊技盤を振り分ける一方、前記製造進行計画に比して前記製造進行状況が遅れている場合には、少なくとも前記製造進行状況の遅れが解消されて前記製造進行計画どおりになるまでの一定期間、前記遊技盤振分け手段により前記遊技盤出荷ラインに優先的に前記遊技盤を振り分けることを要旨とする。
従って、請求項5に記載の発明によると、進行状況把握手段として、本体製造ラインの複数の工程のうち少なくとも1つの工程の所要時間を計測する計測手段が用いられているため、製造進行状況を高い精度で把握することができる。よって、遊技盤振分け手段により、遊技盤を遊技盤出荷ラインと本体製造ラインとに正確に振り分けることができる。
なお、進行状況把握手段は、単位時間内に本体製造ラインを通過する遊技盤の数を計測するカウンタであってもよいし、単位時間内に本体製造ラインを通過する遊技盤を撮影し、撮影された画像を処理することによって遊技盤の通過数を把握する画像処理手段などであってもよい。
なお、計測手段は、本体製造ラインの複数の工程のうち1つの工程の所要時間のみを計測するのではなく、全工程の所要時間を計測するようにしてもよい。これにより、本体製造ラインのどの工程で滞りが生じているかを正確に知ることができる。さらに、本体製造ラインの全工程の所要時間を計測するだけでなく、本体出荷ラインの複数の工程のうち少なくとも1つの工程の所要時間も含めて計測するようにしてもよい。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、出荷形態に応じて効率よく振分けを行うことが可能な遊技機の製造ラインを提供することができる。また、遊技盤製造ラインでの遊技盤の製造終了と略同時に遊技盤出荷ライン及び本体製造ラインへの振分けを完了することができる遊技機の製造ラインを提供することができる。
以下、本発明を遊技機の製造ラインに具体化した一実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
図1に示されるように、遊技機の製造ライン11は、遊技機本体としてのパチンコ機本体40や、パチンコ機本体40を構成する遊技盤21を製造するためのものである。製造ライン11は、遊技盤製造ライン12、遊技盤出荷ライン13、本体製造ライン14及び本体出荷ライン15を有している。遊技盤製造ライン12の終端は遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに分岐され、本体製造ライン14の終端は本体出荷ライン15の始端に接続されている。即ち、製造ライン11は、遊技盤製造ライン12→遊技盤出荷ライン13の順に遊技盤21が流れるルートと、遊技盤製造ライン12→本体製造ライン14→本体出荷ライン15の順に遊技盤21(パチンコ機本体40)が流れるルートとを有している。
図2には、遊技盤製造ライン12によって製造される遊技盤21が示されている。遊技盤21を構成する遊技盤本体21aの遊技盤面22には、複数の釘が打ち込まれている。これにより、操作手段49(図3参照)によって発射された遊技球は、釘に当たって跳ねたり、複数の釘によって形成される案内路に案内されたりしながら、落下するようになっている。また、遊技盤面22には、落下する遊技球の向きを変える複数の風車24が取り付けられている。さらに、遊技盤面22には複数の入賞口25が設けられている。これらの入賞口25に遊技球が入ると、遊技者に所定数の遊技球が払い出されるようになっている。
遊技盤21の遊技盤面22の略中央部には、矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材(センター役物)26が装着されている。大型装飾部材26の奥側には、可視表示部H(表示画面)を備えた液晶式図柄表示装置27が配設されている。なお、可視表示部Hは矩形状開口部から露出しており、視認可能とされている。この液晶式図柄表示装置27の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う普通電動役物を備えた始動入賞口28が配設されている。また、始動入賞口28の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口29が配置されている。
また、図3には、前記本体製造ライン14によって製造される前記パチンコ機本体40の機表側が略示されている。機体の外郭をなす外枠41(枠体)の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の前枠43が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠43の前面側には、ガラス保持枠44及び上球皿45がともに横開き状態で開閉可能に組み付けられている。ガラス保持枠44は、機内部に配置された遊技盤21を透視保護するためのガラス枠を備えている。また、上球皿45の両側方には、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音など)を出力するスピーカ47が設けられている。また、前枠43の下部には、下球皿48及び操作手段49などが装着されている。
図1に示される前記遊技盤製造ライン12では、前記遊技盤本体21a(図2参照)に対して、セル(図示略)を貼付する工程、多軸穴あけを施す工程、ゲージプレスを行う工程及びルータ加工を施す工程が順次行われるようになっている。そして、遊技盤本体21aに、複数の釘(図示略)を打ち込む工程と、図2に示される風車24、入賞口25、大型装飾部材26、液晶式図柄表示装置27、始動入賞口28及び大入賞口29などを取り付ける工程と、液晶式図柄表示装置27を制御する表示制御基板(図示略)を装着する工程とが順次行われることにより、遊技盤21が製造されるようになっている。その後、遊技盤製造ライン12では、製造された遊技盤21の良否を検査する工程と、遊技盤21に貼付されたバーコードシールから、機種名、製造業者名、部品分類、製造日、シリアル番号などの情報を含むバーコードを、バーコード読取装置(図示略)によって読み取る工程とが順次行われるようになっている。なお、本実施形態ではバーコードが用いられているが、QRコードなどの他のコードを用いてもよい。
図1に示される前記遊技盤出荷ライン13では、バーコードに含まれる情報と保証番号とを関連付ける工程と、保証番号に対応した遊技盤保証番号票を遊技盤本体21aに貼付する工程と、保証番号に対応した基板管理番号票を表示制御基板に貼付する工程とが順次行われるようになっている。そして、それぞれの番号票の照合が確認されると、遊技盤21が出荷先(遊技ホール)ごとに梱包されて出荷されるようになっている。
また、前記本体製造ライン14では、前記遊技盤製造ライン12にて製造された遊技盤21を前記前枠43(図3参照)に組み付ける工程が行われるようになっている。そして、図3に示される外枠41に前枠43を組み付け、さらに該前枠43にガラス保持枠44、上球皿45、スピーカ47、下球皿48及び操作手段49などを取り付ける工程と、機裏側に、スピーカ47を制御する音声制御基板(図示略)、遊技機全体を制御する主制御基板(図示略)及び発光装飾を行う発光体(図示略)を制御するランプ制御基板(図示略)を装着する工程とが順次行われることにより、パチンコ機本体40(図3参照)が製造されるようになっている。その後、本体製造ライン14では、製造されたパチンコ機本体40の良否を検査する工程と、パチンコ機本体40に貼付されたバーコードシールから、機種名、製造業者名、部品分類、製造日、シリアル番号などの情報を含むバーコードを、前記バーコード読取装置によって読み取る工程とが順次行われるようになっている。
図1に示される前記本体出荷ライン15では、バーコードに含まれる情報と保証番号とを関連付ける工程と、保証番号に対応した遊技盤保証番号票を遊技盤本体21aに貼付する工程と、保証番号に対応した本体枠保証番号票を外枠41に貼付する工程と、保証番号に対応した基板管理番号票を主制御基板に貼付する工程とが順次行われるようになっている。そして、それぞれの番号票の照合が確認されると、パチンコ機本体40が出荷先(遊技ホール)ごとに梱包されて出荷されるようになっている。
図1に示されるように、前記遊技盤製造ライン12と、前記遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14との接続部分には、遊技盤振分け手段としての振分け装置30が設置されている。振分け装置30はロッド付きエアシリンダ31を備えている。このエアシリンダ31は、空気圧によって遊技盤製造ライン12の幅方向(図1における矢印A1,A2方向)に出没するロッド31aを備えている。ロッド31aが矢印A1方向に突出した場合、遊技盤21は、ロッド31aの先端の押圧プレートに押圧されて遊技盤出荷ライン13側に搬入されるようになっている。また、ロッド31aが矢印A2方向に没入した場合、遊技盤21は、ロッド31aに押圧されずにそのまま直進して、本体製造ライン14側に搬入されるようになっている。
図1に示されるように、本体製造ライン14の始端側(遊技盤出荷ライン13との分岐部分)には、遊技盤検出センサ19が設けられている。遊技盤検出センサ19は、本体製造ライン14における1つの工程を通過する遊技盤21を検出して遊技盤検出信号を出力するようになっている。本実施形態において、前記遊技機検出センサ19は、遊技盤製造ライン12の全工程が完了してから、本体製造ライン14において遊技盤21の外枠41への組み付けを開始するまでの製造側前工程に設けられている。
図1に示されるように、前記振分け装置30は、データ入力操作部51と、表示手段としての液晶ディスプレイ52とを備えている。液晶ディスプレイ52は、前記パチンコ機本体40の出荷進行状況などを表示するようになっている。よって、例えば、「本体出荷が遅れています。」、「遊技盤出荷が遅れています。」などといった文章を液晶ディスプレイ52に表示することで、本体製造ライン14の製造進行状況などを作業者に報知することができる。従って、作業者は、液晶ディスプレイ52の表示を確認することで、製造ライン11上に発生した問題を把握することができる。なお、本実施形態では、振分け装置30は液晶ディスプレイ52を備えているが、省略した構成としてもよい。
図4に示されるように、製造ライン11は、製造ライン11全体を制御する制御部50を備えている。制御部50はCPU50aを備えており、CPU50aには、ROM50b、RAM50c及びインターフェイス(I/F)50dが接続されている。CPU50aは、製造ライン11全体を制御するための各種処理を実行し、その処理結果に応じて各種の制御コマンドを演算処理するようになっている。そして、CPU50aは、前記制御コマンドを所定の制御信号として出力するようになっている。ROM50bには、製造ライン11を制御するための制御プログラムなどが記憶されている。また、RAM50cには、製造ライン11の動作に必要な各種の情報が一時的に記憶されるようになっている。
図4に示されるように、インターフェイス50dには、データ入力操作部51、前記エアシリンダ31、前記遊技盤検出センサ19及び前記液晶ディスプレイ52が接続されている。
データ入力操作部51は、前記遊技盤21の予定出荷個数を示す遊技盤出荷データ、前記パチンコ機本体40の予定出荷個数を示す本体出荷データ、遊技盤21及びパチンコ機本体40の出荷に必要な予定時間を示す出荷時間データなどの各種データを入力するためのものである。これらのデータは、遊技盤21の機種ごとに入力されるようになっている。また、これらのデータは、インターフェイス50d及びCPU50aを介してRAM50cに記憶されるようになっている。
CPU50aは、RAM50cに記憶された遊技盤出荷データ、本体出荷データ及び出荷時間データなどに基づいて、前記本体製造ライン14における製造進行計画を算出するようになっている。具体的には、CPU50aは、1分当たり何台のパチンコ機本体40を製造するか、パチンコ機本体40の製造が開始されてから所定時間が経過するまでの間に何台のパチンコ機本体40を製造するか、などを算出するようになっている。例えば、パチンコ機本体40の予定出荷個数を1000台に設定し、パチンコ機本体40の製造に必要な予定時間を500分に設定した場合、1分当たりのパチンコ機本体40の製造数は2台となる。また、パチンコ機本体40の製造が開始されてから1時間後のパチンコ機本体40の製造数は120台となり、2時間後のパチンコ機本体40の製造数は240台となる。
また、CPU50aは、遊技盤出荷データ及び本体出荷データに基づいて、遊技盤21の予定出荷個数とパチンコ機本体40の予定出荷個数との最大公約数で両個数を各々除すことにより、両個数の簡単な整数比を導出するようになっている。そして、CPU50aは、導出された簡単な整数比に基づき、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を決定し、決定されたそれぞれの所定個数を遊技盤振分けデータとしてRAM50cに記憶させるようになっている。
なお、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)は、遊技盤21の機種ごとに設定されるようになっている。例えば、ある遊技ホールに対して、それぞれデザインの異なるセルが貼付された遊技盤A、遊技盤B、遊技盤Cを所定数ずつ出荷する契約がある場合を想定する。この場合は、それぞれの遊技盤A〜Cに対して、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤A〜Cの所定個数(連続搬入数)がそれぞれ設定される。
また、遊技盤21の予定出荷個数を500枚、パチンコ機本体40の予定出荷個数を1000台に設定した場合、両個数の最大公約数は500となる。この場合、両個数を最大公約数で各々除すと、遊技盤出荷:本体出荷=1:2という整数比が導出される。その結果、導出された整数比に基づき、遊技盤出荷ライン13に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)が1枚に決定され、本体製造ライン14に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)が2枚に決定される。そして、決定されたそれぞれの所定個数が遊技盤振分けデータとしてRAM50cに記憶される。よって、1回ごとに遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分けられる遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を少なく設定できるため、遊技盤製造ライン12での遊技盤21の製造終了と略同時に、遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14への振分けを完了することができる。
なお、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を、導出された整数比の倍数となるように決定してもよい。例えば、遊技盤出荷ライン13に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を2枚に決定し、本体製造ライン14に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を4枚に決定してもよい。
一方、遊技盤21の予定出荷個数を504枚、パチンコ機本体40の予定出荷個数を999台に設定した場合、両個数の最大公約数は9となる。そのため、両個数を最大公約数で各々除すことにより整数比を導出しても、遊技盤出荷:本体出荷=56:111となるため、簡単な整数比とはならない。この場合、CPU50aは、遊技盤21の予定出荷個数(504枚)とパチンコ機本体40の予定出荷個数(999台)とを所定の桁数(一の位)で端数処理(四捨五入)するようになっている。その結果、端数処理後の遊技盤21の予定出荷個数が500枚、端数処理後のパチンコ機本体40の予定出荷個数が1000台に近似される。そして、CPU50aは、近似された両個数に基づいて、遊技盤21の予定出荷個数を500枚、パチンコ機本体40の予定出荷個数を1000台に設定した場合と同様の処理を行うようになっている。その結果、遊技盤出荷ライン13に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)が1枚に決定されるとともに、本体製造ライン14に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)が2枚に決定され、決定されたそれぞれの所定個数が遊技盤振分けデータとしてRAM50cに記憶される。なお、端数処理による誤差を補正するために、最後に遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)はそれぞれ1枚となる。
よって、1回ごとに遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分けられる遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を少なく設定できる。従って、所定の桁数(一の位)が0ではない場合であっても、遊技盤製造ライン12での遊技盤21の製造終了と略同時に、遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14への振分けを完了することができる。
そして、CPU50aは、決定された所定個数ごとに、遊技盤21を遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに交互に振り分けるようになっている。例えば、遊技盤出荷ライン13に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)が1枚に決定され、本体製造ライン14に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)が2枚に決定された場合、図5に示されるように、遊技盤出荷ライン13に1枚の遊技盤21が連続して搬入され、本体製造ライン14に2枚の遊技盤21が連続して搬入されるようになっている。
例えば、1枚の遊技盤21を遊技盤出荷ライン13に振り分ける場合、CPU50aは、RAM50cに記憶された遊技盤振分けデータに基づいて、前記エアシリンダ31を駆動する電磁弁(図示略)の制御を行う制御回路にHレベルの駆動信号を出力する。すると、電磁弁が駆動して流路が切り替わることによりエアシリンダ31に圧力流体が供給され、エアシリンダ31の前記ロッド31aが突出する。その結果、1枚の遊技盤21が、ロッド31aに押圧されて遊技盤出荷ライン13に振り分けられる。そして、1枚の遊技盤21の振分けが終了すると、CPU50aは、再び制御回路にHレベルの駆動信号を出力する。すると、再び電磁弁が駆動して流路が切り替わることによりエアシリンダ31に圧力流体が供給され、ロッド31aが没入する。
一方、遊技盤21を本体製造ライン14に振り分ける場合には、CPU50aは、RAM50cに記憶された遊技盤振分けデータに基づいて、制御回路にLレベルの駆動信号を出力する。この場合、電磁弁が駆動して流路が切り替わることはないため、ロッド31aが突出することもない。よって、遊技盤21は、ロッド31aに押圧されずに本体製造ライン14に振り分けられる。
図4に示される前記遊技盤検出センサ19からの遊技盤検出信号が入力されると、CPU50aは、最初の遊技盤検出信号が入力されてから次の遊技盤検出信号が入力されるまでの時間、即ち、最初の遊技盤21が製造側前工程に搬入されてから次の遊技盤21が製造側前工程に搬入されるまでの所要時間を計測するようになっている。それとともに、CPU50aは、パチンコ機本体40の製造開始からの経過時間を計測するようになっている。また、CPU50aは、パチンコ機本体40の製造開始からの遊技盤検出信号の入力回数を計測するようになっている。
そして、CPU50aは、所要時間、経過時間、遊技盤検出信号の入力回数の計測結果に基づいて、前記本体製造ライン14における製造進行状況を算出するようになっている。具体的には、CPU50aは、所要時間の計測結果に基づいて、1分当たり何台のパチンコ機本体40が製造されたかを算出するようになっている。また、CPU50aは、経過時間及び入力回数の計測結果により、パチンコ機本体40の製造開始から所定時間が経過するまでの間に何台のパチンコ機本体40が製造されたかを算出するようになっている。例えば、パチンコ機本体40の予定出荷個数を1000台に設定し、パチンコ機本体40の製造に必要な予定時間を500分に設定した場合、1分当たりのパチンコ機本体40の製造数は2台となる。また、パチンコ機本体40の製造開始から1時間後のパチンコ機本体40の製造数は120台となり、2時間後のパチンコ機本体40の製造数は240台となる。ここで、CPU50aは、進行状況把握手段及び計測手段として用いられている。そして、CPU50aは、液晶ディスプレイ52に表示制御信号を出力して、CPU50aによって算出された製造進行状況を液晶ディスプレイ52に表示させるようになっている。
図4に示されるCPU50aは、遊技盤検出信号に基づいて計測された実際の製造進行状況と、本体製造ライン14における製造進行計画とを比較するようになっている。
製造進行計画に比して製造進行状況が遅れている場合、CPU50aは、エアシリンダ31を駆動して遊技盤出荷ライン13に優先的に遊技盤21を振り分けるようになっている。例えば、1分当たりのパチンコ機本体40の製造数を2台とし、製造開始から1時間後のパチンコ機本体40の製造数を120台と計画したのにもかかわらず、本体製造ライン14が何らかの理由で止まることにより、1分当たりのパチンコ機本体40の製造数が0台となり、1時間後のパチンコ機本体40の製造数が70台しかないとする。このとき、CPU50aは、エアシリンダ31を駆動して、遊技盤出荷ライン13に3枚の遊技盤21を振り分けるとともに、本体製造ライン14への遊技盤21の振り分けを停止するようになっている(図7参照)。これにより、遊技盤製造ライン12からの本体製造ライン14への遊技盤21の供給が過剰となるのを避けることができる。そして、本体製造ライン14が再開したときには、CPU50aは、エアシリンダ31を駆動して本体製造ライン14に優先的に遊技盤21を振り分けるようになっている(図6参照)。その後、遊技盤検出信号に基づいて計測された実際の製造進行状況が製造進行計画と一致すると、製造進行状況の遅れが解消されて製造進行計画どおりになるため、CPU50aは、遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14への遊技盤21の振分け割合を元通りにする。
また、製造進行計画に比して製造進行状況が進んでいると仮定した場合、CPU50aは、エアシリンダ31を駆動して本体製造ライン14に優先的に遊技盤21を振り分けるようになっている。例えば、1分当たりのパチンコ機本体40の製造数を2台とし、製造開始から1時間後のパチンコ機本体40の製造数を120台と計画したのにもかかわらず、実際には、1分当たりのパチンコ機本体40の製造数が3台もあり、1時間後のパチンコ機本体40の製造数が130台もあるとする。この場合、遊技盤出荷ライン13に1枚の遊技盤21が振り分けられ、本体製造ライン14に2枚の遊技盤21が振り分けられているとする(図5参照)。このとき、CPU50aは、エアシリンダ31を駆動して、遊技盤出荷ライン13に1枚の遊技盤21を振り分けるとともに、本体製造ライン14に3枚の遊技盤21を振り分けるようになっている(図6参照)。そして、遊技盤検出信号に基づいて計測された実際の製造進行状況が製造進行計画と一致すると、製造進行状況の進みが解消されて製造進行計画どおりになる。このため、CPU50aは、遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14への遊技盤21の振分け割合を元通りにする。
従って、振分け装置30は、本体製造ライン14における製造進行状況に応じて振分けを行うことにより、遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14への振分けを最も効率良く、しかも並列的に同時進行させることができる。仮に、この振分けを作業者が行う場合には、遊技盤製造ライン12の製造スピード、本体製造ライン14の製造スピード、さらには遊技盤出荷ライン13及び本体出荷ライン15の出荷スピードに考慮しつつ遊技盤21の振分けを行わなければならない。そのため、多大な労力や熟練を要し、振分けミスも生じ易くなるが、振分け装置30を用いる場合には、その心配がない。
次に、図8のフローチャートに基づいて、遊技機の製造ライン11によって製造された遊技盤21及びパチンコ機本体40を出荷する方法について説明する。
まず、遊技盤製造ライン12において、遊技盤本体21aに対して、セルを貼付する工程、多軸穴あけを施す工程、ゲージプレスを行う工程及びルータ加工を施す工程が順次行われる。そして、遊技盤本体21aに、複数の釘を打ち込む工程と、風車24、入賞口25、大型装飾部材26、液晶式図柄表示装置27、始動入賞口28及び大入賞口29などを取り付ける工程と、表示制御基板を装着する工程とが順次行われることにより、遊技盤21が製造される。
そして、遊技盤製造ライン12の最終段階において、同遊技盤製造ライン12にて製造された遊技盤21の良否が検査される(ステップS11)。次に、遊技盤21に貼付されたバーコードシールから、機種名、製造業者名、部品分類、製造日、シリアル番号などの情報を含むバーコードが、バーコード読取装置によって読み取られる(ステップS12)。
そして、遊技盤製造ライン12にて製造された遊技盤21が、振分け装置30によって遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに交互に振り分けられる(ステップS13)。ここで、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)は、遊技盤21の予定出荷個数とパチンコ機本体40の予定出荷個数との最大公約数で両個数を各々除すことにより導出された両個数の簡単な整数比に基づいて決定される。
遊技盤出荷ライン13では、ステップS12において読み取られたバーコードに含まれる情報と保証番号とが関連付けられる(ステップS14)。そして、保証番号に対応した遊技盤保証番号票が遊技盤本体21aに貼付され(ステップS15)、保証番号に対応した基板管理番号票が表示制御基板に貼付される(ステップS16)。そして、それぞれの番号票の照合が確認されると(ステップS17)、遊技盤21が出荷先(遊技ホール)ごとに梱包されて出荷される。
なお、パチンコ遊技機(パチンコ機本体40)については、各種法令や業界団体の自己規制などに伴う数多くの詳細な規則が存在している。これらの規則により、例えば管理すべき各部材に、メーカーの都合だけでNo.表示の如き計数管理手段を取り付けることが困難であったりする。その他、製造出荷後の遊技ホールなどによる不正な改造を防止などするために、出荷されるそれぞれのパチンコ機本体40に対して、全ての規則を遵守していることを公的に証明する保証書、いわゆる証紙(遊技盤保証番号票、基板管理番号票及び後記する本体枠保証番号票)を添付することが義務付けられている。前記証紙は、前述の如く出荷されるパチンコ機本体40ごとに個別に発行されるものであり、発行に際しては設置される場所、即ち顧客先情報などが必要とされ、これらの情報について証紙固有の保証番号が付与されている。
また、本体製造ライン14では、遊技盤製造ライン12にて製造された遊技盤が外枠41に組み付けられる(ステップS18)。そして、前枠43、ガラス保持枠44、上球皿45、スピーカ47、下球皿48及び操作手段49などが取り付けられ、機裏側に、音声制御基板、主制御基板及びランプ制御基板が装着されることにより、パチンコ機本体40が製造される。その後、本体製造ライン14では、製造されたパチンコ機本体40の良否が検査され(ステップS19)、パチンコ機本体40に貼付されたバーコードシールから、機種名、製造業者名、部品分類、製造日、シリアル番号などの情報を含むバーコードが、バーコード読取装置によって読み取られる(ステップS20)。
そして、本体出荷ライン15では、ステップS12,S20において読み取られたバーコードに含まれる情報と保証番号とがそれぞれ関連付けられる(ステップS21)。そして、保証番号に対応した遊技盤保証番号票が遊技盤本体21aに貼付され(ステップS22)、保証番号に対応した本体枠保証番号票が外枠41に貼付され(ステップS23)、保証番号に対応した基板管理番号票が主制御基板に貼付される(ステップS24)。そして、それぞれの番号票の照合が確認されると(ステップS25)、パチンコ機本体40が出荷先(遊技ホール)ごとに梱包されて出荷される。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)振分け装置30による遊技盤21の振分けにより、遊技盤出荷を行いつつ本体製造ライン14への遊技盤21の供給も可能となる。よって、遊技盤製造ライン12での遊技盤21の製造終了と略同時に遊技盤出荷ライン13及び本体製造ライン14への振分けを完了することができる。従って、先程とは異なる種類の遊技盤の製造を時間をおかずに開始することができるとともに、その振分けを開始することができる
さらに、遊技盤製造ライン12で製造された遊技盤21が、振分け装置30により、遊技盤21の予定出荷個数を分割して設定した所定個数(連続搬入数)及びパチンコ機本体40の予定出荷個数を分割して設定した所定個数(連続搬入数)ごとに、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに交互に振り分けられる。そのため、作業者が遊技盤出荷と本体出荷の数量をチェックしながら遊技盤21を振り分ける必要がなくなり、効率の良い振分けが可能となる。加えて、振分け装置30による振分け作業の機械化(自動化)により、作業者による振分けミスもなくなる。ゆえに、出荷形態に応じて効率よく振分けを行うことができる。
しかも、遊技盤出荷を行いつつ、同時に本体製造ライン14を介して本体出荷を行うことも可能となる。よって、遊技盤出荷及び本体出荷を略同時に行うことができる。
(2)遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)は、遊技盤検出センサ19から出力された遊技盤検出信号に基づいて見直される。よって、見直しが行われない特許文献1の場合に比べて、遊技盤21の振分けを精密に制御することができる。
(3)本実施形態では、進行状況把握手段として、遊技盤出荷ライン13の1つの工程の所要時間を計測するとともに、本体製造ライン14の1つの工程の所要時間を計測するCPU50aが用いられているため、製造進行状況を高い精度で把握することができる。よって、振分け装置30により、遊技盤21を遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに正確に振り分けることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分けられる遊技盤21の所定個数(連続搬入数)は、遊技盤21の予定出荷個数とパチンコ機本体40の予定出荷個数との最大公約数で両個数を各々除した簡単な整数比に基づいて決定されるようになっていた。しかし、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分けられる遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を、遊技盤21の予定出荷個数及びパチンコ機本体40の予定出荷個数のうち少ないほうの個数の1/10以下(好ましくは1/20以下)となるように設定してもよい。
例えば、遊技盤21の予定出荷個数を500枚、パチンコ機本体40の予定出荷個数を1000台に設定した場合、両個数のうち少ないほうの個数の1/10は50となる。この場合、遊技盤出荷ライン13と本体製造ライン14とに振り分けられる遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を50以下となるように設定してもよい。例えば、遊技盤出荷ライン13に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を5枚に設定し、本体製造ライン14に振り分ける遊技盤21の所定個数(連続搬入数)を7枚に設定してもよい。
・上記実施形態では、振分け装置30は、遊技盤21を遊技盤出荷ライン13に導くエアシリンダ31を備えていた。しかし、振分け装置30に、遊技盤21を遊技盤出荷ライン13に導く第1のアクチュエータと、遊技盤21を本体製造ライン14に導く第2のアクチュエータとをそれぞれ別個に設けてもよい。
・なお、上記実施形態では、遊技盤検出センサ19は、本体製造ライン14における製造側前工程を通過する遊技盤21を検出して、遊技盤検出信号を出力するようになっていた。しかし、遊技盤検出センサ19は、本体製造ライン14における他の工程(例えば、遊技盤21を外枠41に組み付ける工程、前枠43、ガラス保持枠44、上球皿45、スピーカ47、下球皿48及び操作手段49などを取り付ける工程、機裏側に、音声制御基板、主制御基板及びランプ制御基板を装着する工程など)を通過する遊技盤21を検出して、遊技盤検出信号を出力するようにしてもよい。また、遊技盤検出センサ19は、本体製造ライン14における全工程を通過する遊技盤21を検出して、遊技盤検出信号を出力するようにしてもよい。
・上記実施形態では、遊技盤検出センサ19は本体製造ライン14に設けられていた。しかし、遊技盤検出センサ19を、遊技盤出荷ライン13の始端側(本体製造ライン14との分岐部分)にも設けてよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)前記遊技盤振分け手段は、前記遊技盤を前記遊技盤出荷ラインに導く第1のアクチュエータと、前記遊技盤を前記本体製造ラインに導く第2のアクチュエータと備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機の製造ライン。
(2)前記遊技盤振分け手段は、前記進行状況把握手段によって把握された前記製造進行状況を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項4または5に記載の遊技機の製造ライン。
(3)前記進行状況把握手段は前記遊技盤出荷ラインにも設けられており、前記遊技盤出荷ラインに設けられた前記進行状況把握手段は、前記遊技盤出荷ラインにおける出荷進行状況を把握することを特徴とする請求項4または5、技術的思想(2)のいずれか1つに記載の遊技機の製造ライン。
(4)遊技盤の製造を行う遊技盤製造ラインと、前記遊技盤製造ラインで製造された前記遊技盤を出荷する遊技盤出荷ラインと、前記製造された遊技盤を枠体に組み付けて遊技機本体を製造する本体製造ラインと、前記本体製造ラインで製造された前記遊技機本体を出荷する本体出荷ラインとを有する遊技機の製造ラインであって、前記遊技盤製造ラインで製造された前記遊技盤を、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数との割合に応じた所定の振分け割合で、前記遊技盤出荷ラインと前記本体製造ラインとに所定個数ごとに交互に振り分ける遊技盤振分け手段を備えたことを特徴とする遊技機の製造ライン。
(5)遊技盤の製造を行う遊技盤製造ラインと、前記遊技盤製造ラインで製造された前記遊技盤を出荷する遊技盤出荷ラインと、前記製造された遊技盤を枠体に組み付けて遊技機本体を製造する本体製造ラインと、前記本体製造ラインで製造された前記遊技機本体を出荷する本体出荷ラインとを有する遊技機の製造ラインであって、前記遊技盤製造ラインで製造された前記遊技盤を、遊技盤出荷すべき予定個数と本体出荷すべき予定個数との割合に応じた所定の振分け割合で、前記遊技盤出荷ラインと前記本体製造ラインとに振り分ける遊技盤振分け手段を備えるとともに、前記遊技盤振分け手段による振り分けを行う際の前記遊技盤出荷ラインへの連続搬入数及び前記本体製造ラインへの連続搬入数が、前記遊技盤出荷すべき予定個数及び前記本体出荷すべき予定個数のうち少ないほうの個数の1/10以下となるように設定されていることを特徴とする遊技機の製造ライン。
(6)遊技盤を枠体に組み付けて遊技機本体を製造する本体製造ラインにおける製造進行状況を把握し、把握した実際の製造進行状況があらかじめ決定された製造進行計画から外れた場合、少なくとも前記製造進行状況が前記製造進行計画どおりになるまでの一定期間、前記遊技盤の振分け割合を変更することを特徴とする遊技盤の振り分け方法。