JP2005124485A - キムチの劣化防止剤 - Google Patents
キムチの劣化防止剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005124485A JP2005124485A JP2003363803A JP2003363803A JP2005124485A JP 2005124485 A JP2005124485 A JP 2005124485A JP 2003363803 A JP2003363803 A JP 2003363803A JP 2003363803 A JP2003363803 A JP 2003363803A JP 2005124485 A JP2005124485 A JP 2005124485A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- kimchi
- vitamin
- deterioration
- inhibitor
- tea
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Abstract
【課題】 キムチの貯蔵期間中の劣化を防止することにより流通期間を延長させキムチの可食期間を延長させる方法を提供する。
【解決手段】 キムチの製造初期段階に茶抽出物と、ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を併用するキムチ劣化防止剤を添加することで、キムチの発酵を調整し貯蔵期間中の劣化を防止することにより、キムチの流通期間を延長させキムチをおいしく食べられる期間を延長させ、さらに併用しないものに比べ味や色の良いものに仕上がる。
【解決手段】 キムチの製造初期段階に茶抽出物と、ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を併用するキムチ劣化防止剤を添加することで、キムチの発酵を調整し貯蔵期間中の劣化を防止することにより、キムチの流通期間を延長させキムチをおいしく食べられる期間を延長させ、さらに併用しないものに比べ味や色の良いものに仕上がる。
Description
本発明はキムチの製造初期の段階に茶抽出物及びビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオンから選ばれる一種以上を含有するキムチ劣化防止剤を添加し、光による劣化や酸化、腐敗菌による酸敗を防止し、かつ、キムチ発酵に必要な乳酸菌の働きを調整することでキムチの発酵を調整し貯蔵期間中の劣化を防止することにより、キムチの流通期間を延長させ、キムチをおいしく可食期間を延長させる技術に関する。
日本国内において、近年韓国風の食事に関心が高まってきておりその中でも韓国の伝統食品であるキムチ類は、白菜キムチ、カクテキ、ドンチミ(薄い塩水につけた大根を輪切りにしたキムチのひとつ)などその種類が多様であり、独特な風味を有する嗜好食品として成長している。キムチは本場韓国からの輸入品の数も年々増えてきたおり、日本国内においても企業的規模で生産、販売される割合が大きく増加している。
このようなキムチは、光による食感、風味の劣化、耐酸性の腐敗発酵微生物によるpHの低下、または発酵熟成過程中に酸度が増加し、軟らかくなり、酸味が増して食べられなくなるというように風味の変化が著しいため、商品化して流通過程にのせることに難しさがある。特に韓国から日本への輸入品に関しては、流通期間が長い為その風味、食感を維持することが難しい。また、昨今の健康志向により減塩化が進み、キムチの腐敗を防ぐ効果が弱くなってきており、貯蔵方法が問題となってきている。
貯蔵性を向上させるために、発酵末期に繁殖する乳酸菌など耐酸性微生物を殺菌しようとすれば80〜90℃で20〜25分間の加熱処理をする方法があるが、このような加熱処理はキムチの味と組織に顕著な変化をもたらしてその官能的品質を著しく損なう欠点がある。また、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸ブチル、デヒドロ酢酸ナトリウムなど合成保存料の使用や発生した腐敗微生物に対する抗菌剤も考えられるが、消費者の安全性への懸念から嫌悪される傾向にある。さらに、茶抽出物等の安全な天然の素材を単独で用いてキムチの劣化を防止する方法も考えられているが、キムチそのものが着色し、また茶独特の苦味が強いためキムチの風味を損ねてしまう(例えば、特許文献1参照。)。このため安全な天然の素材を用いながらも、キムチの可食期間を延長して貯蔵性を向上させ、かつキムチの味、におい、テクスチャなどの官能的品質を保つための研究が必要であり、キムチを漬ける過程から消費に至るまでのキムチの乳酸発酵過程を予測し調整することは、良質のキムチを生産するために大変重要なことである。
本発明は前記の問題点を解決するためのものであり、本発明の技術的課題はキムチ類の貯蔵期間を延長させ、キムチをおいしく食べられる期間を延長させるための方法を提供することである。
本発明者は上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、キムチの製造段階に茶抽出物及び、ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有するキムチの劣化防止剤又は劣化防止剤を含有するキムチ用組成物を添加することにより本課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、色調を変化させることなく、光による劣化や酸化を防止することにより、キムチの流通期間を延長させキムチをおいしく食べられる期間を延長させることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明における茶抽出物の原料は、特に限定するものではなく、植物学的にはツバキ科の植物であるCamellia sinensisの葉より製造される不発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、発酵茶である紅茶が挙げられる。それらの中で、好ましくは不発酵茶である緑茶を用いるのが良い。抽出物は、茶葉または茶葉を粉砕したものを、水または熱水もしくはグリセリンやエタノールなどのアルコールにより抽出した画分、または酢酸エチル可溶画分、アセトン可溶画分より得たものなどが挙げられ、さらに好ましくは(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれるカテキン類の1種または2種以上が挙げられる。上記カテキン類の含量は特に限定するものではないが、使用する茶抽出物中に60%以上含有されていることが好ましく、さらには70%以上含有されていることがよい。
本発明における茶抽出物の原料は、特に限定するものではなく、植物学的にはツバキ科の植物であるCamellia sinensisの葉より製造される不発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、発酵茶である紅茶が挙げられる。それらの中で、好ましくは不発酵茶である緑茶を用いるのが良い。抽出物は、茶葉または茶葉を粉砕したものを、水または熱水もしくはグリセリンやエタノールなどのアルコールにより抽出した画分、または酢酸エチル可溶画分、アセトン可溶画分より得たものなどが挙げられ、さらに好ましくは(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれるカテキン類の1種または2種以上が挙げられる。上記カテキン類の含量は特に限定するものではないが、使用する茶抽出物中に60%以上含有されていることが好ましく、さらには70%以上含有されていることがよい。
茶抽出物と併用する物質は抗酸化能を有するものであれば特に限定されないが、一般に抗酸化剤として使用されているビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオン及びこれらの類縁体がより好ましい。
また、キムチとは大根、白菜などの材料に塩から、唐辛子、ネギ、ニンニク、生姜、野菜などの材料を混ぜて作り、乳酸菌の発酵によって熟成したもの、もしくは白菜などの材料を各種調味料に漬け込んだものである。
さらに、キムチ用組成物とはイワシのエキスやアミの塩辛、唐辛子等からなるキムチを漬け込む為のたれ(ヤンニョン)、もしくは各種調味料からなるキムチを漬け込む為のたれである。
本発明によるキムチ劣化防止剤を使用する時期については特に限定されないが、キムチの製造初期段階において使用することが好ましい。
以下に実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
実施例1
おろし玉ねぎ70g、おろしニンニク80g、おろししようが10g、唐辛子(粗挽き、細挽き)100g、煮干の出し汁100g、あみの塩辛50g、砂糖100g、塩小さじ1、ゴマ大さじ1を混ぜ合わせ、30分放置し、キムチ用漬け込みだれを得た。
おろし玉ねぎ70g、おろしニンニク80g、おろししようが10g、唐辛子(粗挽き、細挽き)100g、煮干の出し汁100g、あみの塩辛50g、砂糖100g、塩小さじ1、ゴマ大さじ1を混ぜ合わせ、30分放置し、キムチ用漬け込みだれを得た。
実施例2
白菜(2.5kg/1株)をきれいに手入れをして洗った後、4等分して5w/v%の粗塩水(約400ml/1株)に約1.5時間漬け、しんなりさせた。次に白菜1株に対して3w/w%の粗塩を葉の間に摺り込み、粗塩を摺り込んだ白菜は先の塩水に戻し、約15時間塩漬けした後、流水中で2回洗浄して5時間脱水して、塩漬け白菜を得た。
白菜(2.5kg/1株)をきれいに手入れをして洗った後、4等分して5w/v%の粗塩水(約400ml/1株)に約1.5時間漬け、しんなりさせた。次に白菜1株に対して3w/w%の粗塩を葉の間に摺り込み、粗塩を摺り込んだ白菜は先の塩水に戻し、約15時間塩漬けした後、流水中で2回洗浄して5時間脱水して、塩漬け白菜を得た。
実施例3
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)50gとビタミンC5gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、発明品1のキムチの劣化防止剤を調製した。
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)50gとビタミンC5gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、発明品1のキムチの劣化防止剤を調製した。
実施例4
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)100gとビタミンC5gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、発明品2のキムチの劣化防止剤を調製した。
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)100gとビタミンC5gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、発明品2のキムチの劣化防止剤を調製した。
実施例5
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)150gとビタミンC5gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、発明品3のキムチの劣化防止剤を調製した。
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)150gとビタミンC5gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、発明品3のキムチの劣化防止剤を調製した。
比較例1
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)50gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、比較品1のキムチの劣化防止剤を調製した。
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)50gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、比較品1のキムチの劣化防止剤を調製した。
比較例2
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)100gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、比較品2のキムチの劣化防止剤を調製した。
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)100gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、比較品2のキムチの劣化防止剤を調製した。
比較例3
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)150gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、比較品3のキムチの劣化防止剤を調製した。
茶抽出物(商品名:サンフェノンBG、ポリフェノール含量75%、太陽化学(株)社製)150gを水に溶解して全量を1リットルに調整し、比較品3のキムチの劣化防止剤を調製した。
実施例4
実施例1で得たキムチ用漬け込みだれに、実施例3〜5及び比較例1〜3で得た発明品1〜3及び比較品1〜3のキムチの劣化防止剤を添加し、キムチ用組成物を調製した。これらのキムチ用組成物とキムチの劣化防止剤を添加していないキムチ用漬け込みだれを実施例2で得た塩漬け白菜の葉の間に摺り込み、キムチを得た。このキムチをペール缶に入れ、庫内温度6℃の冷蔵庫で1週間〜4週間保存した。
実施例1で得たキムチ用漬け込みだれに、実施例3〜5及び比較例1〜3で得た発明品1〜3及び比較品1〜3のキムチの劣化防止剤を添加し、キムチ用組成物を調製した。これらのキムチ用組成物とキムチの劣化防止剤を添加していないキムチ用漬け込みだれを実施例2で得た塩漬け白菜の葉の間に摺り込み、キムチを得た。このキムチをペール缶に入れ、庫内温度6℃の冷蔵庫で1週間〜4週間保存した。
なお、キムチを調製する際の白菜に対する茶抽出物、ビタミンCの配合量は表1のとおりである。
試験例1
発酵した白菜キムチのpHと酸度測定を行った。実施例4で製造したキムチを5mm四方に刻み、約100gをキッチンペーパーに包み絞って、約20mlのキムチ浸出液(A液)を得た。この浸出液をpHメーターで測定した。表2のように、茶ポリフェノールを添加しないキムチと比べて茶ポリフェノールを添加したキムチは全般的にpHの低下が遅延され、その度合いは茶ポリフェノールの添加量に比例した。ビタミンCの相乗効果:0.5mg/g区、1.0mg/g区においてビタミンCの添加は、添加直後においてはビタミンCによるpH低下をみせたが、その後は茶ポリフェノールのキムチ酸敗遅延効果を増強させた。1.5mg/g区においてはビタミンC添加によって、茶ポリフェノールによるキムチのpH低下抑制効果が増強された。
発酵した白菜キムチのpHと酸度測定を行った。実施例4で製造したキムチを5mm四方に刻み、約100gをキッチンペーパーに包み絞って、約20mlのキムチ浸出液(A液)を得た。この浸出液をpHメーターで測定した。表2のように、茶ポリフェノールを添加しないキムチと比べて茶ポリフェノールを添加したキムチは全般的にpHの低下が遅延され、その度合いは茶ポリフェノールの添加量に比例した。ビタミンCの相乗効果:0.5mg/g区、1.0mg/g区においてビタミンCの添加は、添加直後においてはビタミンCによるpH低下をみせたが、その後は茶ポリフェノールのキムチ酸敗遅延効果を増強させた。1.5mg/g区においてはビタミンC添加によって、茶ポリフェノールによるキムチのpH低下抑制効果が増強された。
試験例2
キムチの酸度を測定するため5mm四方に刻んだキムチ20gをフードプロセッサーに入れ、80%エタノール70mlを加えて3分間粉砕した後、No.2ろ紙でろ過して、その液を80%エタノールで、100mlに定容した。この液を冷蔵温度で1日間放置した後、この中の20mlを取って、0.01N NaOHでpHが7.0±0.05になるまで滴定して、敵定数値を乳酸で換算して、含量%濃度で計算した。
表3のように、茶ポリフェノールを添加しないキムチと比べて茶ポリフェノールを添加したキムチは全般的に酸度の上昇が遅延され、その度合いは茶ポリフェノールの添加量に比例した。
ビタミンCの相乗効果:全ての試験区においてビタミンCの添加は、サンフェノンBGによる酸度上昇抑制効果を増強させた。0.5mg/g区、1.0mg/g区ではビタミンC無添加区がコントロールと同様の変化を示すのに対し、ビタミンCの添加は明らかに酸度上昇抑制を増強した。1.5mg/g区では、ビタミンCの添加の有無に関わらず酸度上昇を抑制したが、ビタミンC添加区の方がその効果は大きかった。
キムチの酸度を測定するため5mm四方に刻んだキムチ20gをフードプロセッサーに入れ、80%エタノール70mlを加えて3分間粉砕した後、No.2ろ紙でろ過して、その液を80%エタノールで、100mlに定容した。この液を冷蔵温度で1日間放置した後、この中の20mlを取って、0.01N NaOHでpHが7.0±0.05になるまで滴定して、敵定数値を乳酸で換算して、含量%濃度で計算した。
表3のように、茶ポリフェノールを添加しないキムチと比べて茶ポリフェノールを添加したキムチは全般的に酸度の上昇が遅延され、その度合いは茶ポリフェノールの添加量に比例した。
ビタミンCの相乗効果:全ての試験区においてビタミンCの添加は、サンフェノンBGによる酸度上昇抑制効果を増強させた。0.5mg/g区、1.0mg/g区ではビタミンC無添加区がコントロールと同様の変化を示すのに対し、ビタミンCの添加は明らかに酸度上昇抑制を増強した。1.5mg/g区では、ビタミンCの添加の有無に関わらず酸度上昇を抑制したが、ビタミンC添加区の方がその効果は大きかった。
試験例3
キムチの味、におい、テクスチャを測定するため優秀なパネラー10人によって官能検査を行った。
実施例2〜4、比較例1〜4で得られたキムチの茶ポリフェノール組成物を10人のパネラーにより官能試験を実施して総合的なおいしさと茶ポリフェノールの酸味のマスキング性を比較した。その結果を表4に示す。尚、総合的おいしさの評価点は次のように定めた。{1;おいしくない、2;あまりおいしくない、3;ふつう、4;少しおいしい、5;おいしい。}の5段階で評価を行い、10人の平均点で表した。
官能検査に大きな差が現れたのは2週間目からであった。茶ポリフェノールの添加量に比例して酸味の感じ方は弱くなった。同時に茶ポリフェノールの添加量増加に伴い苦味や収斂性も感じ、辛さも抑えられていることからキムチらしさに欠けているとの評価があった。しかし、ビタミンC併用の場合、酸味の増強を抑えると同時に茶ポリフェノールによる苦味も抑えられていた。結果1・2のpH・酸度についてのコントロールとの間に差に比べ、酸味や辛さが弱く感じられるのは茶ポリフェノールによるマスキング効果だと考えられる。
キムチの味、におい、テクスチャを測定するため優秀なパネラー10人によって官能検査を行った。
実施例2〜4、比較例1〜4で得られたキムチの茶ポリフェノール組成物を10人のパネラーにより官能試験を実施して総合的なおいしさと茶ポリフェノールの酸味のマスキング性を比較した。その結果を表4に示す。尚、総合的おいしさの評価点は次のように定めた。{1;おいしくない、2;あまりおいしくない、3;ふつう、4;少しおいしい、5;おいしい。}の5段階で評価を行い、10人の平均点で表した。
官能検査に大きな差が現れたのは2週間目からであった。茶ポリフェノールの添加量に比例して酸味の感じ方は弱くなった。同時に茶ポリフェノールの添加量増加に伴い苦味や収斂性も感じ、辛さも抑えられていることからキムチらしさに欠けているとの評価があった。しかし、ビタミンC併用の場合、酸味の増強を抑えると同時に茶ポリフェノールによる苦味も抑えられていた。結果1・2のpH・酸度についてのコントロールとの間に差に比べ、酸味や辛さが弱く感じられるのは茶ポリフェノールによるマスキング効果だと考えられる。
また外観に関しては、茶ポリフェノールの添加量増加によってキムチが黒ずむ傾向がみられた。しかし、ビタミンCの併用によりキムチの黒ずみが抑えられた。
以上のように本発明の茶抽出物とビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオンからなる群より1種以上を併用することを特徴とするキムチ劣化防止剤を含有するキムチは、pH、滴定酸度などの理化学的特性において、キムチ劣化防止剤として茶抽出物を単独で用いた場合より、劣化防止効果の向上がみられ、その効果は無添加の場合または茶抽出物単独で用いた場合より持続性がみられた。色、味、におい等の風味については茶抽出物単独で用いた場合に比べ損なうことはなく、さらに、無添加のものに比べてもおいしさが長持ちした。よって、本発明品は効果的なキムチの劣化防止剤といえよう。
Claims (5)
- 茶抽出物及び、ビタミンC、ビタミンE、フェルラ酸、ルチン、β―カロテン、ゼアキサンチン、リコピン、ケルセチン、ケンフェロール、ナリンギン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、アリイン、クルクミン、ショーガオール、カプサイシン、グルタチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするキムチの劣化防止剤。
- 茶抽出物が(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のキムチの劣化防止剤。
- 請求項1または2記載のキムチの劣化防止剤を含有するキムチ用組成物。
- 請求項1または2記載のキムチの劣化防止剤を含有するキムチ。
- 請求項3記載のキムチ用組成物を含有するキムチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003363803A JP2005124485A (ja) | 2003-10-23 | 2003-10-23 | キムチの劣化防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003363803A JP2005124485A (ja) | 2003-10-23 | 2003-10-23 | キムチの劣化防止剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005124485A true JP2005124485A (ja) | 2005-05-19 |
Family
ID=34643017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003363803A Pending JP2005124485A (ja) | 2003-10-23 | 2003-10-23 | キムチの劣化防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005124485A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007195554A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Lg Electronics Inc | キムチ冷蔵庫及びその制御方法 |
CN100355341C (zh) * | 2005-09-16 | 2007-12-19 | 浙江工商大学 | 鱼鲞防蝇剂的配方及使用方法 |
JP2010510813A (ja) * | 2008-01-18 | 2010-04-08 | プサン ナショナル ユニバーシティー インダストリー−ユニバーシティー コーポレーション ファウンデーション | 貯蔵性及び機能性が向上した缶キムチ |
EP2933290A4 (en) * | 2012-12-11 | 2016-11-09 | Lotte Fine Chemical Co Ltd | COMPOSITION FOR COMPLEX FORMATION, COMPLEX FORMED THEREFROM, AND COMPOSITION FOR ORAL ADMINISTRATION COMPRISING SAID COMPLEX |
CN114903161A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-08-16 | 云南省农业科学院农产品加工研究所 | 一种用谷物麸皮预处理液制作泡菜的方法 |
-
2003
- 2003-10-23 JP JP2003363803A patent/JP2005124485A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100355341C (zh) * | 2005-09-16 | 2007-12-19 | 浙江工商大学 | 鱼鲞防蝇剂的配方及使用方法 |
JP2007195554A (ja) * | 2006-01-25 | 2007-08-09 | Lg Electronics Inc | キムチ冷蔵庫及びその制御方法 |
US7878018B2 (en) | 2006-01-25 | 2011-02-01 | Lg Electronics Inc. | Kimchi refrigerator and control method of the same |
JP2010510813A (ja) * | 2008-01-18 | 2010-04-08 | プサン ナショナル ユニバーシティー インダストリー−ユニバーシティー コーポレーション ファウンデーション | 貯蔵性及び機能性が向上した缶キムチ |
EP2933290A4 (en) * | 2012-12-11 | 2016-11-09 | Lotte Fine Chemical Co Ltd | COMPOSITION FOR COMPLEX FORMATION, COMPLEX FORMED THEREFROM, AND COMPOSITION FOR ORAL ADMINISTRATION COMPRISING SAID COMPLEX |
CN114903161A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-08-16 | 云南省农业科学院农产品加工研究所 | 一种用谷物麸皮预处理液制作泡菜的方法 |
CN114903161B (zh) * | 2022-05-10 | 2023-06-16 | 云南省农业科学院农产品加工研究所 | 一种用谷物麸皮预处理液制作泡菜的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Vidanagamage et al. | Effects of cinnamon (Cinnamomum verum) extract on functional properties of butter | |
Cao et al. | Effects of chitosan, aqueous extract of ginger, onion and garlic on quality and shelf life of stewed-pork during refrigerated storage | |
CN103783458B (zh) | 一种顺水鱼泡味料及其制备方法 | |
WO2012066960A1 (ja) | アラニン含有食品 | |
KR101808724B1 (ko) | 항산화 활성이 강화된 김치 유산균 발효 소시지 및 이의 제조방법 | |
CN112971075A (zh) | 一种延长保质期天然香薰防腐酱腌菜的制作方法及其应用 | |
Çorapcı et al. | The effect of different application methods of sumac (Rhus coriaria) and tarragon (Artemisia dracunculus) on some quality properties of marinated sea bream (Sparus aurata L., 1758) | |
CN101816400B (zh) | 烟熏腊肉调料及其使用方法 | |
KR100603653B1 (ko) | 죽염 및 녹차추출물을 처리하여 풍미 및 저장성이 개선된마른멸치 및 그 제조방법 | |
JP2011217655A (ja) | 酢酸含有飲食物、並びに、酢酸含有飲食物の酢酸臭低減方法 | |
KR101049164B1 (ko) | 스페인인용 김치 조성물 | |
KR100701639B1 (ko) | 녹차소스 및 이의 제조방법 | |
JP2005124485A (ja) | キムチの劣化防止剤 | |
KR100509893B1 (ko) | 상온유통이 가능한 황태양념구이의 제조방법 및황태양념구이제품 | |
KR101392112B1 (ko) | 뽕잎 발효효소를 첨가한 뽕잎김치의 제조방법 및 그로부터 제조된 김치 | |
KR101793700B1 (ko) | 천연 복합 추출물을 포함하는 저장성이 향상된 어묵 조성물 | |
KR20100137074A (ko) | 과채류 보존용 코팅제 조성물 | |
JP2004147506A (ja) | 漬物の劣化防止剤 | |
KR101249891B1 (ko) | 당귀 추출액 및 매실 염절임액을 함유하는 불고기 소스 조성물 | |
JP4643526B2 (ja) | 肉臭改善剤、これを用いた肉臭改善方法及び食肉製品 | |
KR102671378B1 (ko) | 김치 제조방법 | |
KR102440036B1 (ko) | 중국향(向) 김치 및 이의 제조방법 | |
JP2019187325A (ja) | 変質防止剤含有食品組成物 | |
KR20150048760A (ko) | 벼과식물의 녹엽과 올리고당을 함유하는 면 | |
KR102487295B1 (ko) | 산수유 추출물을 포함하는 단백질 바 제조방법 및 이에 따라 제조된 단백질 바 |