JP2005124302A - 車載用電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化に適した車載用電力変換装置を提供する。
【解決手段】この車載用電力変換装置は、チョッパー型の昇圧部1及び降圧部2とを備え、昇圧用コイルLuのエネルギー蓄積のための電流を降圧用コイルLdにも供給して降圧用コイルLdのエネルギー蓄積を行うようになっている。第1スイッチング素子S1がオンされて昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積が行われているときに、第2スイッチング素子S2がオフであれば、昇圧用コイルLu側から降圧用コイルLd側に電流が供給されて、降圧用コイルLdにエネルギーが蓄積される。
【選択図】図1
【解決手段】この車載用電力変換装置は、チョッパー型の昇圧部1及び降圧部2とを備え、昇圧用コイルLuのエネルギー蓄積のための電流を降圧用コイルLdにも供給して降圧用コイルLdのエネルギー蓄積を行うようになっている。第1スイッチング素子S1がオンされて昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積が行われているときに、第2スイッチング素子S2がオフであれば、昇圧用コイルLu側から降圧用コイルLd側に電流が供給されて、降圧用コイルLdにエネルギーが蓄積される。
【選択図】図1
Description
本発明は、昇圧及び降圧機能を備えた車載用電力変換装置に関する。
近年、ハイブリッド車や電気自動車等では、駆動用モータの出力を向上させるために、バッテリの電圧を昇圧させて駆動用モータに電力供給する車が増加する傾向にある。このような自動車の場合、バッテリ電圧を昇圧するための昇圧変換回路と、従来からの13.2V系電装品を駆動するための降圧変換回路とが必要になる。
このような自動車に搭載される従来の車載用電力変換装置では、昇圧変換回路と降圧変換回路とを別個独立に設けたものが用いられている。
ここで、図4及び図5は一般的なチョッパー型の昇圧変換回路及び降圧変換回路の構成を示す図であり、その動作原理について簡単に説明する。
昇圧変換回路では、図4に示すように、スイッチング素子Suにより昇圧用コイルLuに対するエネルギーの蓄積、放出を繰り返し行うことにより、電源電圧よりも高い出力電圧を生成し、負荷Rに出力する。すなわち、スイッチング素子Suがオンしたときは、図4に示す経路P1,P2に電流が流れ、昇圧用コイルLuにエネルギーが蓄積されるとともに、コンデンサCuからの放電による電流が負荷Rに供給される。一方、スイッチング素子Suがオフすると、昇圧用コイルLuに蓄積されたエネルギーにより発生する逆起電力により電源電圧を超える電圧が発生し、図4に示す経路P3にダイオードDuを介して電流が流れ、この電流が負荷Rに供給されるとともに、コンデンサCuに供給され、コンデンサCuが充電される。そして、スイッチング素子Suのオン、オフを繰り返すことにより、昇圧された電力が負荷Rに供給される。
また、降圧変換回路では、図5に示すように、スイッチング素子Sdにより降圧用コイルLdに対するエネルギーの蓄積、放出を繰り返し行うことにより、電源電圧よりも低い出力電圧を生成し、負荷Rに出力する。すなわち、スイッチング素子Sdがオンしたときは、図5に示す経路P4に電流が流れ、降圧用コイルLdにエネルギーが蓄積される。一方、スイッチング素子Sdがオフすると、降圧用コイルLdに蓄積されたエネルギーにより発生する逆起電力により、図5に示す経路P4にダイオードDdを介して電流が流れ、この電流がコンデンサCdにより安定化されつつ負荷Rに供給される。そして、スイッチング素子Sdのオン、オフを繰り返すことにより、降圧された電力が負荷Rに供給される。
従来の車載用電力変換装置では、昇圧変換回路と降圧変換回路とを別個独立に設ける構成であるため、装置構成が大型になる。
ここで、図4に示す昇圧変換回路では、エネルギー蓄積時に昇圧用コイルLuに供給される電流は、コイルLuを通過後は入力用の電源に戻るのみである。そこで、本願発明者は、この昇圧用コイルLuへのエネルギー蓄積時の電流が、降圧用コイルLdのエネルギー蓄積に有効に利用できる点に着目し、本願発明を行ったものである。
本発明が解決すべき課題は、小型化に適した車載用電力変換装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段は、所定の電源から供給される電流を、昇圧用コイルに対して蓄積、放出を繰り返して前記電源の電圧よりも高い出力電圧を生成する昇圧部と、前記昇圧用コイルを通じて供給される電流を、高圧用コイルに対して蓄積、放出を繰り返して前記電源の電圧よりも低い出力電圧を生成する降圧部と、を備える。
好ましくは、前記昇圧部は、前記昇圧用コイルと、前記昇圧用コイルに対するエネルギーに対する蓄積、放出を制御する第1スイッチング素子と、を備え、前記車載用電力変換装置は、前記第1スイッチング素子によって前記昇圧用コイルへのエネルギーの蓄積が行われているときに、前記電源から前記昇圧用コイルに供給されている電流を、前記降圧部の前記降圧用コイル側に流すか否かを切り替える第2スイッチング素子をさらに備えるのがよい。
また、好ましくは、前記昇圧部は、前記電源の電圧が入力される正負の入力部のうちの正側の入力部に、その入力側が接続された前記昇圧用コイルと、前記昇圧用コイルの出力側と前記負側の入力部との間を電気接続する接続路に介装され、前記昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出を制御する第1スイッチング素子と、を備え、前記車載用電力変換装置は、前記昇圧用コイルの前記出力側と前記負側の入力部との間を電気接続する前記接続路における前記第1スイッチング素子よりも前記負側の入力部側に位置する部分に介装された第2スイッチング素子をさらに備え、前記降圧部の前記降圧用コイルの入力側は、前記昇圧用コイルの前記出力側と前記負側の入力部との間を電気接続する前記接続路における前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との間に位置する部分と電気接続されるのがよい。
さらに、好ましくは、前記降圧用コイルのインダクタンスが前記昇圧用コイルのインダクタンスよりも小さく設定されるのがよい。
また、好ましくは、前記昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期が、前記降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも短く設定されるのがよい。
さらに、好ましくは、前記降圧部は、前記降圧用コイルの入力側とグランドラインとの間に介装されたコンデンサをさらに備えるのがよい。
また、好ましくは、前記昇圧用コイル及び前記降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出を制御するスイッチング素子が、ワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されているのがよい。
請求項1に記載の発明によれば、昇圧用コイルを通じて供給される電流を降圧用コイルに対して蓄積、放出する構成であるため、昇圧用コイル及び降圧用コイルへのエネルギーの蓄積、放出を行うための回路の少なくとも一部を昇圧部と降圧部との間で共通化でき、これによって昇圧変換機能及び降圧変換機能を備えた車載用電力変換装置を小型化することができる。その結果、自動車の限られた設置スペースにも容易に設置することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第2スイッチング素子の動作を制御することにより、例えば降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期を昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも長くする等の調節を容易に行うことができ、昇圧部側から降圧部側に供給されるエネルギー量を容易に調節することができる。
請求項3に記載の発明によれば、昇圧用コイルの出力側と負側の入力部との間を電気接続する接続路における第1スイッチング素子よりも負側の入力部側に位置する部分に、第2スイッチング素子が介装されているため、第2スイッチング素子の動作を制御することにより、例えば降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期を昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも長くする等の調節を容易に行うことができ、昇圧部側から降圧部側に供給されるエネルギー量を容易に調節することができる。
請求項4に記載の発明によれば、降圧用コイルのインダクタンスが昇圧用コイルのインダクタンスよりも小さく設定されるため、降圧用コイルへのエネルギー供給の影響によって、昇圧用コイルから負荷側に供給されるエネルギー量の減少等の悪影響が生じるのを防止でき、これによって出力電圧の安定化が図れる。
請求項5に記載の発明によれば、昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期が、降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも短く設定されるため、降圧用コイルへのエネルギー供給の影響によって、昇圧用コイルから負荷側に供給されるエネルギー量の減少等の悪影響が生じるのを防止でき、これによって出力電圧の安定化が図れる。
請求項6に記載の発明によれば、昇圧用コイル側から降圧用コイル側に電流が供給されているときには、その電流により降圧用コイルにエネルギーが蓄積されるとともにコンデンサの充電が行われ、その充電された電荷が、昇圧用コイル側から降圧用コイル側への電流の供給が停止された際に放電される。このため、降圧側の負荷電力が増大した場合にも、昇圧部への影響を抑制しつつ、安定した電力供給を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、昇圧用コイル及び降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出を制御するスイッチング素子が、ワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されているため、高温動作、高耐圧動作、高速動作が可能となるとともに、冷却系の簡略化、損失低減及び小型化が図れる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る車載用電力変換装置の構成を示す図である。この車載用電力変換装置は、ハイブリッド車や電気自動車等の自動車に搭載されものであり、図1に示すように、昇圧用コイルLuに対してエネルギーの蓄積、放出を繰り返して電源電圧よりも高い第1出力電圧を生成するチョッパー型の昇圧部1と、降圧用コイルLdに対してエネルギーの蓄積、放出を繰り返して電源電圧よりも低い第2出力電圧を生成するチョッパー型の降圧部2とを備え、昇圧用コイルLuのエネルギー蓄積のための電流を降圧用コイルLdにも供給して降圧用コイルLdのエネルギー蓄積を行うようになっている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車載用電力変換装置の構成を示す図である。この車載用電力変換装置は、ハイブリッド車や電気自動車等の自動車に搭載されものであり、図1に示すように、昇圧用コイルLuに対してエネルギーの蓄積、放出を繰り返して電源電圧よりも高い第1出力電圧を生成するチョッパー型の昇圧部1と、降圧用コイルLdに対してエネルギーの蓄積、放出を繰り返して電源電圧よりも低い第2出力電圧を生成するチョッパー型の降圧部2とを備え、昇圧用コイルLuのエネルギー蓄積のための電流を降圧用コイルLdにも供給して降圧用コイルLdのエネルギー蓄積を行うようになっている。
昇圧部1には、昇圧用コイルLu、第1スイッチング素子S1、第1ダイオードD1、及び第1コンデンサC1が備えられ、降圧部2には、降圧用コイルLd、第2ダイオードD2、及び第2コンデンサC2が備えられている。また、車載用電力変換装置には、第2スイッチング素子S2及び第3ダイオードD3がさらに備えられている。スイッチング素子S1,S2には、例えばNチャンネルMOSFETが用いられる。また、スイッチング素子S1,S2及びダイオードD1〜D3は、SiC等のワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されたものが用いられる。
また、昇圧部1等への電源電圧は、バッテリB等から正負の入力部T1,T2を介して入力される。昇圧部1による第1出力電圧は、正負の第1出力部T3,T4を介して第1負荷R1に出力され、降圧部2による第2出力電圧は、正負の第2出力部T5,T6を介して第2負荷R2に出力される。なお、負側の第1及び第2出力部T4,T6は、共にグランドラインを介して負側の第2入力部T2と電気接続されている。
昇圧用コイルLuの入力側は正側の入力部T1に電気接続され、その出力側は正側の第1出力部T3に第1ダイオードD1を介して電気接続される。この第1ダイオードD1は、第1出力部T3側に向けて順方向となるように介装されている。
また、昇圧用コイルLuの出力側は、第1及び第2スイッチング素子S1,S2を介して負側の入力部T2に電気接続されている。すなわち、第1及び第2スイッチング素子S1,S2は、昇圧用コイルLuの出力側と負側の入力部T2との間を電気接続する接続路に第1スイッチング素子S1が昇圧用コイルLu側に位置するように直列に介装されている。より具体的には、MOSFETである第1スイッチング素子S1のドレインは昇圧用コイルLuの出力側に電気接続され、そのソースはMOSFETである第2スイッチング素子S2のドレインに電気接続されている。第2スイッチング素子S2のソースは、負側の入力部T2に電気接続されている。
第1コンデンサC1は、正側の第1出力部T3と負側の第1出力部T4との間を電気接続する接続路に介装されている。
降圧用コイルLdの入力側は、昇圧用コイルLuの出力側と負側の入力部T2の間を電気接続する接続路における第1スイッチング素子S1と第2スイッチング素子S2との間に位置する部分に、第3ダイオードD3を介して電気接続されている。この第3ダイオードD3は降圧用コイルLd側に向けて順方向となるように介装されている。降圧用コイルLdの出力側は、正側の第2出力部T5に電気接続される。
また、降圧用コイルLdの入力側は、第2ダイオードD2を介して負側の入力部T2と電気接続される。この第2ダイオードD2は、降圧用コイルLd側に向けて順方向となるように介装されている。
第2コンデンサC2は、正側の第2出力部T5と負側の第2出力部T6との間を電気接続する接続路に介装されている。
次に、この車載用電力変換装置の動作説明を行う。この車載用電力変換装置では、第1及び第2スイッチング素子S1,S2のオン、オフを制御することにより、昇圧用コイルLu及び降圧用コイルLdに対するエネルギーの蓄積、放出を繰り返すことにより、第1及び第2出力電圧の生成、出力を行っている。
具体的には、昇圧用コイルLuにエネルギーを蓄積するときには、第1及び第2スイッチング素子S1,S2の両方がオンされる。このとき、バッテリBから正側の入力部T1、昇圧用コイルLu、第1及び第2スイッチング素子S1,S2、及び負側の入力部T2を介してバッテリBに戻る経路P11aの電流が生じ、この電流により昇圧用コイルLuにエネルギーが蓄積される。また、第1コンデンサC1の放電により、第1コンデンサC1から正側の第1出力部T3、第1負荷R1、及び負側の第1出力部T4を介して第1コンデンサC1に戻る経路P12の電流が生じる。これによって、電源電圧よりも高い第2出力電圧の電力が第1負荷R1に供給される。
この昇圧用コイルLuへのエネルギー蓄積中に降圧用コイルLdへのエネルギー蓄積を行う必要がある場合には、第1スイッチング素子S1をオンさせた状態で、第2スイッチング素子S2をオンからオフに切り替える。これによって、昇圧用コイルLuを通過した電流の流れが、図1の経路P11aから経路P11bに切り替わる。すなわち、昇圧用コイルLuを通過した電流が、第1スイッチング素子S1、第3ダイオードD3及び降圧用コイルLdを介して第2負荷R2側に流れ、この電流によって降圧用コイルLdにエネルギーが蓄積される。
昇圧用コイルLuにエネルギーを放出させるときには、第1スイッチング素子S1をオフする。これによって、昇圧用コイルLuに蓄積されたエネルギーにより発生する逆起電力により電源電圧を超える電圧が発生し、図1に示す経路P13に第1ダイオードD1を介して電流が流れ、この電流が第1負荷R1に供給されるとともに、第1コンデンサC1に供給され、第1コンデンサC1が充電される。この昇圧用コイルLuにエネルギーを放出させているときに、降圧用コイルLdにエネルギーを蓄積する必要がある場合には、例えば第2スイッチング素子S2をオフさせた状態で第1スイッチング素子S1を一時的にオンさせる等して、昇圧用コイルLuが放出するエネルギーの一部を降圧用コイルLdに供給することにより、降圧用コイルLdへのエネルギー蓄積を行うようにしてもよい。
第1スイッチング素子S1がオフされ、又は、第1スイッチング素子S1がオンされた状態で第2スイッチング素子S2がオンされ、これによって昇圧用コイルLu側から降圧用コイルLdに供給される電流が途絶えると、降圧用コイルLdに蓄積にされたエネルギーにより発生する逆起電力により、降圧用コイルLdから、正側の第2出力部T5、第2負荷R2、負側の第2出力部T6及び第2ダイオードD2を介して降圧用コイルLdに戻る図1に示す経路P14の電流が生じる。これによって、電源電圧よりも低い第2出力電圧の電力が、第2コンデンサC2により安定化されつつ第2負荷R2に供給される。
ここで、本実施形態に係る回路構成では、昇圧用コイルLuへのエネルギー蓄積のための電流等が降圧用コイルLdのエネルギー蓄積にも利用されるため、その影響により昇圧用コイルLuから第1ダイオードD1を介して第1負荷R1側に供給されるエネルギー量の減少等の悪影響が生じる可能性がある。
しかし、本実施形態に係る車載用電力変換装置を電気自動車等に搭載する場合、昇圧側の第1負荷R1(駆動用モータ・数10kW)に対して降圧側の第2負荷R2(電装品・最大で1kW)が十分に小さいため、降圧側へのエネルギー供給が昇圧側の出力に与える影響は、問題にならない程度に小さい。
さらに、本実施形態では、次のような対策を施し、降圧側へのエネルギー供給の影響が昇圧側の出力に及ぶのを防止している。すなわち、第1の対策として、降圧用コイルLdのインダクタンスが昇圧用コイルLuのインダクタンスよりも小さく設定されている。また、第2の対策として、昇圧用コイルLuに対するエネルギーの蓄積、放出の周期が、降圧用コイルLdに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも短く設定されている。
図2は、この車両用電力変換装置の動作例を示すタイミングチャートである。この動作例では、図2に示すように、第1スイッチング素子S1が周期的にオン、オフされて、昇圧用コイルLuに対するエネルギーの蓄積、放出が周期T1で行われている。これに連動して、第2スイッチング素子S2が周期的にオン、オフされて、降圧用コイルLdに対するエネルギーの蓄積、放出が周期T1よりも長い周期T2で行われている。より詳細には、第1スイッチング素子S1が複数回オンされる間に第2スイッチング素子S2が1回オンされるような割合で、第2スイッチング素子S2が第1スイッチング素子S1がオンされるタイミングに連動してオンされるようになっている。1周期当たりに第2スイッチング素子S2がオンされる期間U2の長さは、第1スイッチング素子S1がオンされる期間U1以下に設定されている。
以上のように、本実施形態によれば、昇圧用コイルLuを通じて供給される電流を降圧用コイルLdに対して蓄積、放出する構成であるため、昇圧用コイルLu及び降圧用コイルLdへのエネルギーの蓄積、放出を行うための回路の少なくとも一部(第1スイッチング素子S1等)を昇圧部1と降圧部2との間で共通化でき、これによって昇圧変換機能及び降圧変換機能を備えた車載用電力変換装置の構成を小型化することができる。その結果、自動車の限られた設置スペースにも容易に設置することができる。
また、昇圧用コイルLuの出力側と負側の入力部T2との間を電気接続する接続路における第1スイッチング素子S1よりも負側の入力部T2側に位置する部分に、第2スイッチング素子S2が介装されているため、第2スイッチング素子S2の動作を制御することにより、降圧用コイルLdに対するエネルギーの蓄積、放出の周期T2を昇圧用コイルLuに対するエネルギーの蓄積、放出の周期T1よりも長くする等の調節を容易に行うことができ、昇圧部1側から降圧部2側に供給されるエネルギー量を容易に調節することができる。
さらに、降圧用コイルLdのインダクタンスが昇圧用コイルLuのインダクタンスよりも小さく設定されるとともに、昇圧用コイルLuに対するエネルギーの蓄積、放出の周期が、降圧用コイルLdに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも短く設定されるため、降圧用コイルLdへのエネルギー供給の影響によって、昇圧用コイルLuから第1負荷R1側に供給されるエネルギー量の減少等の悪影響が生じるのを防止でき、これによって出力電圧の安定化が図れる。
また、スイッチング素子S1,S2及びダイオードD1〜D3がワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されているため、高温動作、高耐圧動作、高速動作が可能となるとともに、冷却系の簡略化、損失低減及び小型化が図れる。
<第2実施形態>
図3は、本発明の第2実施形態に係る車載用電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態に係る車載用電力変換装置が上述の第1実施形態に係る車載用電力変換装置と実質的に異なる点は、第3コンデンサC3を追加した点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る車載用電力変換装置の構成を示す図である。本実施形態に係る車載用電力変換装置が上述の第1実施形態に係る車載用電力変換装置と実質的に異なる点は、第3コンデンサC3を追加した点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図3に示すように、降圧用コイルLdの入力側と負側の入力部T2との間を電気接続する接続路に動作安定用の第3コンデンサC3が介装されている。
これにより、昇圧用コイルLu側から降圧用コイルLd側に電流が供給されているときは、昇圧用コイルLu側から供給される電流が、図3の経路P11bで示すように、降圧用コイルLdに供給されてそのエネルギー蓄積が行われるとともに、第3コンデンサC3にも供給されてその充電が行われる。第3コンデンサC3に充電された電荷は、昇圧用コイルLu側から降圧用コイルLd側への電流供給が停止された際に放電れ、これによって、図3の経路P14で示すように第3コンデンサC3から降圧用コイルLd側に電流が供給され、動作安定が図れる。
このため、本実施形態においても上述の第1実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、第3コンデンサC3の寄与により、降圧側の負荷電力が増大した場合にも、昇圧部1への影響を抑制しつつ、安定した電力供給を行うことができるようになっている。
1 昇圧部
2 降圧部
C1 第1コンデンサ
C2 第2コンデンサ
C3 第3コンデンサ
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
Lu 昇圧用コイル
Ld 降圧用コイル
S1 第1スイッチング素子
S2 第2スイッチング素子
2 降圧部
C1 第1コンデンサ
C2 第2コンデンサ
C3 第3コンデンサ
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
Lu 昇圧用コイル
Ld 降圧用コイル
S1 第1スイッチング素子
S2 第2スイッチング素子
Claims (7)
- 所定の電源から供給される電流を、昇圧用コイルに対して蓄積、放出を繰り返して前記電源の電圧よりも高い出力電圧を生成する昇圧部と、
前記昇圧用コイルを通じて供給される電流を、高圧用コイルに対して蓄積、放出を繰り返して前記電源の電圧よりも低い出力電圧を生成する降圧部と、
を備える、車載用電力変換装置。 - 請求項1に記載の車載用電力変換装置において、
前記昇圧部は、
前記昇圧用コイルと、
前記昇圧用コイルに対するエネルギーに対する蓄積、放出を制御する第1スイッチング素子と、
を備え、
前記車載用電力変換装置は、
前記第1スイッチング素子によって前記昇圧用コイルへのエネルギーの蓄積が行われているときに、前記電源から前記昇圧用コイルに供給されている電流を、前記降圧部の前記降圧用コイル側に流すか否かを切り替える第2スイッチング素子をさらに備える、車載用電力変換装置。 - 請求項1又は2に記載の車載用電力変換装置において、
前記昇圧部は、
前記電源の電圧が入力される正負の入力部のうちの正側の入力部に、その入力側が接続された前記昇圧用コイルと、
前記昇圧用コイルの出力側と前記負側の入力部との間を電気接続する接続路に介装され、前記昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出を制御する第1スイッチング素子と、
を備え、
前記車載用電力変換装置は、
前記昇圧用コイルの前記出力側と前記負側の入力部との間を電気接続する前記接続路における前記第1スイッチング素子よりも前記負側の入力部側に位置する部分に介装された第2スイッチング素子をさらに備え、
前記降圧部の前記降圧用コイルの入力側は、前記昇圧用コイルの前記出力側と前記負側の入力部との間を電気接続する前記接続路における前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との間に位置する部分と電気接続される、車載用電力変換装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の車載用電力変換装置において、
前記降圧用コイルのインダクタンスが前記昇圧用コイルのインダクタンスよりも小さく設定される、車載用電力変換装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の車載用電力変換装置において、
前記昇圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期が、前記降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出の周期よりも短く設定される、車載用電力変換装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の車載用電力変換装置において、
前記降圧部は、
前記降圧用コイルの入力側とグランドラインとの間に介装されたコンデンサをさらに備える、車載用電力変換装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の車載用電力変換装置において、
前記昇圧用コイル及び前記降圧用コイルに対するエネルギーの蓄積、放出を制御するスイッチング素子が、ワイドバンドギャップ半導体を用いて構成されている、車載用電力変換装置。
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2003
- 2003-10-16 JP JP2003356312A patent/JP2005124302A/ja active Pending
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