JP2005121477A - 低温履歴インジケータ - Google Patents

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石井嘉代子
Makoto Kitsunai
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Abstract

【課題】 本発明は、外部環境への影響が小さく安全な物質を使用し、荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を検知することができ、かつ小型で取り扱いやすく安価である低温履歴インジケータを提供する。
【解決手段】 本発明は、密封容器12内に、氷点下において凝固した乳化液13を備え、前記乳化液13は昇温により相分離する低温履歴インジケータ10であって、前記密封容器12は、前記乳化液13を内包するように2つのシート状部材12a,12bで挟んでなる構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍・冷蔵荷物の運搬に際し、荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を容易に確認できる低温インジケータに関する。
近年、冷凍あるいは冷蔵した状態で配送される荷物が一段と増加し、これらの荷物を配達先まで予め決められた低温に保ちながら運搬する宅配便等の配送手段が広く普及しつつある。このような配達手段においては、例えば集荷元の冷凍・冷蔵施設から配送車へ荷物を積み込む場合、配送車間で荷物を積み替える場合、あるいは配送車から荷物を取り出し配達先へ配達する場合、冷凍・冷蔵状態を保つべき荷物は、直射日光による高温雰囲気や室温雰囲気に曝される場面に遭遇せざるを得ない。
また、製造後、無事に冷凍・冷蔵状態を保ちながら配達先に届けられた荷物についても、その荷物は冷凍・冷蔵状態が維持されることが求められる。例えば、荷物の中身が食品や医薬品であれば、内容物の変質や雑菌の繁殖等が発生し、その本来の品質が損なわれる恐れがあり、極端な場合は食中毒や医療事故等を誘発しかねない。このような温度管理が求められるものとしては、食品や医薬品の他に、化学関係や写真関係で用いられる各種薬品等が挙げられる。
上記温度管理が正常に行われているか否かを簡便に確認する方法として、以下に示す方法が提案されている。
(1)脂溶性色素を溶解した炭素数7〜15の高級アルコールの1種または2種以上を非イオン系界面活性剤および水によって乳化してなる乳化液を密封容器に充填してなる保存温度管理用インジケータが開示されている(特許文献1:ミドリ十字)。
かかる構成によれば、通常の温度条件下では、乳化液は外観上は色素の色調が抑えられ、不透明な乳白色を呈する。乳化液が氷結する温度以下にすると、一旦はそのまま全成分が凝固し、再び融解したとき、粗大化した乳化粒子は浮上し、色素の濃い色調を有した油滴または油層が上層へ浮上し、水層と油滴または油層とに分離される。よって、このような非可逆的な変色が認められたインジケータを含む包装内の物品は劣化している恐れがあるとして使用時に注意を促すことができる。
(2)保存管理温度を超えると溶融する油性物質を非イオン界面活性剤と水によってエマルジョン化してなるO/W型エマルジョン層と、上記油性物質のみを選択的に拡散透過する、油溶性色素を上記エマルジョン層と反対面に設けてなる障壁と、上記油性物質を拡散透過する不透明層とを密封容器内に順次設けてなる保存温度管理用インジケータが開示されている(特許文献2:東洋インキ)。
前記O/W型エマルジョンは、一旦凍結した後解凍する際に水と油性物質とに相分離し、この油性物質のみが選択的に障壁を拡散透過して障壁の上に設けられた油溶性色素を溶かし、更に油溶性色素の上の不透明層を拡散透過して発色または着色する。これにより、温度管理を必要とする物品に異常があったことが肉眼で容易に検知することができる。
特開昭57−37227号公報 特開平5−149797号公報
上述した従来の方法では、乳化液を充填する密封容器として試験管等を用いており、インジケータが大きくなってしまい、取り扱い難く、また製造コストが高くなってしまう問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を検知することができ、かつ小型で取り扱いやすく安価である低温履歴インジケータを提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る低温履歴インジケータは、密封容器内に、氷点下において凝固した乳化液を備え、前記乳化液は昇温により相分離する低温履歴インジケータであって、前記密封容器は、前記乳化液を内包するように2つのシート状部材で挟んでなることを特徴としている。
かかる低温履歴インジケータによると、乳化液を内包するように2つのシート状部材で挟んでなり、構成が簡単で、小型で取り扱いやすく、安価に製造できる。
かかる低温履歴インジケータの構成において、前記シート状部材のいずれか一方の少なくとも一部に粘着剤を備えていることを特徴としている。
これにより、粘着剤によって低温履歴インジケータを被検温体の表面に貼付することができ、簡便に被検温体に設けることができる。
かかる低温履歴インジケータの構成において、前記密封容器を複数個備え、該密封容器同士の間には離間部があることを特徴としている。
かかる低温履歴インジケータの構成において、前記離間部は、前記シート状部材の略2枚分の厚さであることを特徴としている。
これにより、適度な変形自由度を有し、かつ離間部において優れた強度が得られる。
かかる低温履歴インジケータの構成において、前記離間部は、前記シート状部材の略1枚分の厚さであることを特徴としている。
これにより、離間部において優れた可撓性、柔軟性、変形自由度が得られる。
かかる低温履歴インジケータの構成において、相分離する温度の異なる2種以上の乳化液が、それぞれ個別に各密着容器に内包されたことを特徴としている。
かかる低温履歴インジケータによると、乳化液のうち、相分離温度が被検温体の温度よりも低いものは相分離し、相分離温度が被検温体の温度よりも高いものは相分離せず色調が白色のままとなる。
このため、被検温体が晒された温度は、相分離した乳化液の相分離温度と相分離していない乳化液の相分離温度との間の温度範囲であることがわかり、被検温体が晒された温度を正確に検知することができる。
本発明に係る低温履歴インジケータは、密封容器と、その内部に氷点下において凝固した乳化液とを備えており、前記乳化液は昇温により相分離する構成としたことにより、この低温履歴インジケータを荷物に設けるだけで、その荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴、すなわち低温状態にあるべき荷物が所定の温度以下の条件で保管され続けたか否かを容易に検知できる。
よって、本発明は、製造後、冷凍・冷蔵状態を保ちながら配達先に届けられることが求められている荷物、例えば冷凍・冷蔵食品、血液や臓器も含めた医薬品、化学関係や写真関係で用いられる各種薬品等の運搬において、その荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に保たれていたのか、それとも不適な高温状態に曝された履歴があるのか、簡易かつ簡便に判別し、その荷物の品質を保証することに寄与する。
特に、乳化液を内包するように2つのシート状部材で挟んでなり、構成が簡単で、小型で取り扱いやすく、被検温体が、可撓性や柔軟性を有するものや形状がほとんど変化しないもの等のように被検温体の形態に関わらず被検温体に配して使用できる。
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る低温履歴インジケータ10の一例を示す模式的な断面図を示し、図2は、その平面図をそれぞれ示す。
本発明の低温履歴インジケータ10は、密封容器12内における乳化液13の相分離を利用したものであり、氷点下において凝固した状態にあり色調が白色の乳化液13が、昇温して特定の温度(乳化液13を構成する脂肪酸及び脂肪酸ナトリウムの融点)以上にある雰囲気に暴露され続けた時、相分離し、これに応じて乳化液13が透明な水相と不透明な油相とに分かれる。このように相分離した状態を、例えば目視やセンサにより光学的に識別することで、この低温履歴インジケータ10が貼付された荷物が、設定した以上の高温にどの程度の期間曝されたのかを判別できる。
前記乳化液13の乳化形態は、水中油型(水分の中に油分が均一に分散したもの:O/W型)、油中水型(油分の中に水分が均一に分散したもの:W/O型)の何れであっても良い。油相と水分の割合(油相:水相)としては、5:95〜95:5が適当であり、好ましくは40:60〜60:40の範囲が良い。
相分離して得られる油相としては、零度近傍または、それ以下の融点をもち、15℃程度の水(水相)と相分離する脂肪酸が好適に用いられる。融点の異なる脂肪酸を単独または、2種以上を混合して用い、融点の制御を行っても構わない。
前記脂肪酸とは、カルボキシル基(COOH)を1個もつ鎖式化合物、すなわち鎖式モノカルボン酸の総称である。低級の(炭素数の少ない)脂肪酸は刺激臭と酸味をもち水に可溶であるが、高級の(炭素数の多い)脂肪酸は不溶となる傾向をもつ。
このような脂肪酸としては、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヘプタン酸、オクタン酸等が挙げられる。中でも、オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸から選択される1種又は2種以上の混合物が好適である。オレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸は無臭であることから、周囲に強い悪臭等を放つことが無いので、保管中の物品に臭いが移ったり、あるいは保管環境に影響を及ぼしてしまい、物品等の商品的な価値を損ねる恐れがないことから好ましく使用できる。
前記したオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヘプタン酸、オクタン酸の化学式とその融点を以下に示す。
オレイン酸[oleic acid]は、一般式CH(CHCH=CH(CHCOOHで表され、無色無臭の油状液体であり、その融点は13.3℃である。
リノール酸[linoleic acid,linolic acid]は、一般式CH(CHCH=CHCHCH=CH(CHCOOHで表され、黄色の油状液体であり、その融点は−5.2〜−5.0℃である。
リノレン酸[linolenic acid]は、一般式CHCHCH=CHCHCH=CHCHCH=CH(CHCOOHで表され、融点は−11.3〜−11.0℃である。
ヘプタン酸[heptanoic acid]は、一般式CH(CHCOOHで表され、融点は−7.46℃であり、水に溶けにくい油状物質である。
オクタン酸[octanoic acid]は、一般式CH(CHCOOHで表され、無色の葉状結晶である。その融点は16.5℃であり、水にほとんど不溶である。
乳化液としては、水、脂肪酸および脂肪酸ナトリウムから構成されているものが好ましい。これら3者の割合や、脂肪酸および脂肪酸ナトリウムの材料を適宜選択することにより、保存温度が氷点を越えて上記相分離が生じる温度や、上記相分離の変化が開始されるまでの時間等を調整することができるので、物品の保管状態や運搬形態に合わせた低温履歴インジケーターの提供が可能となる。
次に、本発明の要旨となる密封容器12について説明する。
本発明の密封容器12は、2つのシート状部材12a,12bが重ね合わされてなり、この2つのシート状部材12a,12b間には、乳化液13を内包して密封封止できるように収納部12cが設けられている。シート状部材12a,12bのいずれか一方の少なくとも一部に粘着剤14を備えている。
以下、本明細書中、2つのシート状部材12a,12bのうち、粘着剤14を備えた一方のシート状部材12aを基材(以下、一方のシート状部材と同じ符号12aを付す。)と言う。また、密封容器12は、1つの収容部12cを備えてなるものとし、低温履歴インジケータ10に収容部12cが複数設けられている場合、密封容器12が複数設けられているものとする。
本実施形態では、他方のシート状部材12bが、シート成形体から構成されている。このシート成形体(以下、他方のシート状部材と同じ符号12bを付す。)12bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透光性のプラスチックシート(又はプラスチックフィルム)等のシート材を成形して凹設したものであり、シート成形体12bには、乳化液13を収容できる凹状の収容部(窪み部)12cが複数、設けられている。隣接する収容部12cは、互いに接することなく間隔を設けて配されている。
前記シート成形体12bとしては、前記シート材一層、又は強度等を付与するために樹脂層を含む多層の構成としても良い。
このシート成形体12bを構成する透光性のプラスチックシートの厚さは、40μm以上、80μm以下が好ましく、これにより十分な強度が得られ、外部から圧縮応力が加わっても破損することがほとんどなく、収容部内の乳化液が漏れることを防止できる。
また、前記凹状の収容部12cの平面形状は、特に限定されず、図2に示された矩形状や、三角形等の多角形、円形、長円形、楕円形等が挙げられる。
この凹状の収容部12c内に乳化液13が充填された状態で、シート成形体12bは、その収納部12cの開口部12dを基材12a側に向けて基材12aに接着固定されており、前記収容部12cは基材12aによって密封封止されている。
前記収納部12cには、乳化液13と共に空気等の気体が封入されていることが好ましく、これにより相分離によって乳化液13の体積の変動が生じてもその影響を受けないようにすることができる。
前記基材12aとしては、ポリプロピレン等のプラスチックシート(又はプラスチックフィルム)等が挙げられる。基材12aの厚さは、100μm以上、150μm以下が好ましく、これにより適度な可撓性や柔軟性と共に優れた強度が得られる。
基材12aの2つの主面のうち、シート成形体12bが接着固定された一方の主面と対向する他方の主面には粘着剤14が備えられており、低温履歴インジケータ10は、この粘着剤14によって被検温体の表面に貼付できるようになっている。この粘着剤14が備えられた他方の主面が、低温履歴インジケータ10の貼付面となる。
前記粘着剤14としては、アクリル系エマルジョン等の耐冷粘着剤が好ましく、これにより氷点以下の低温度であっても、粘着剤14によって低温履歴インジケータ10を被検温体に貼付、固定できる。
また、前記基材12aの他方の主面(貼付面)には、剥離紙15が剥離可能に貼付されており、剥離紙15を剥がすだけで、容易に被検温体に貼付できる状態とすることができる。
なお、前記粘着剤14の代わりに、面ファスナ等が備えられた構成であっても構わない。
本実施形態によると、乳化液を内包するように2つのシート状部材で挟んでなり、構成が簡単で、小型で取り扱いやすく、安価に製造できる。
また、シート成形体12bに複数の収容部12cが、互いに接することなく間隔を設けて配されており、各収容部12cが、それぞれ密封容器12を構成することになる。このため、低温履歴インジケータ10には、複数の密封容器12が備えられていることになる。
隣接する密封容器12間、すなわち隣接する収容部12c間を低温履歴インジケータ10の離間部12eとすると、この離間部12eにおいて、シート成形体12bと基材12aとが接着固定されており、この離間部12eの厚さは、シート成形体12bと基材12aの厚さの和、すなわちシート状部材(シート成形体12a,基材12b)略2枚分の厚さである。
このため、低温履歴インジケータ10は、適度な変形自由度を有し、かつ離間部12eにおいて優れた強度が得られる。これにより、例えばダンボール、ガラス、陶器等から構成された被検温体のように、形状がほとんど変化しない被検温体に貼付した場合、低温履歴インジケータ10の貼付面は、被検温体の表面に沿った形状となって被検温体に密着し、かつ外力が加わってもその形状を保持することができ、低温履歴インジケータ10を、被検温体に密着、固定させることができる。このため、前記形状がほとんど変化しない被検温体に好適に使用できる。
また、低温履歴インジケータ10には、複数の密封容器12が備えられており、相分離温度の異なる2種以上の乳化液13が、それぞれ個別に各密封容器12に内包されている。
被検温体の温度が上昇していくと、密封容器12に充填された乳化液13のうち、相分離温度の低いものから順に相分離していくことになる。乳化液13のうち、相分離温度が被検温体の温度よりも低いものは相分離し、相分離温度が被検温体の温度よりも高いものは相分離せず色調が白色のままとなる。
このため、被検温体が晒された温度は、相分離した乳化液13の相分離温度と相分離していない乳化液13の相分離温度との間の温度範囲であることがわかる。
このように、被検温体が晒された温度を正確に検知することができる。
また、低温履歴インジケータ10の離間部12eに、図2に示されたようにカット線やミシン目(図2中、点線)が設けられており、密封容器12を1つずつ切り離して、被検温体に貼付して使用することもできる。
低温履歴インジケータが1つの密封容器12から構成されている場合も、収容部12cの周囲には、基材12aとシート成形体12bとの接着部分(前述した離間部12eに相当する部分)を備えており、前述した密封容器12を複数備えた構成と同様に、適度な変形自由度を有し、かつ基材12aとシート成形体12bとの接着部分において優れた強度が得られる。
次に、本実施形態の低温履歴インジケータ10の製造方法について説明する。
乳化液13を収容できる凹状の収容部(窪み部)12cが複数、設けられたシート成形体12bを用意する。そして、図3に示されたように、各収容部12cに、相分離温度が所定の値となるように構成成分や組成比が調整された乳化液13を注入する。
ここで、乳化液13の注入量は、乳化液13が氷点以下で固化する際に体積膨張するため、固化した際の体積が収容部12cの内容積以下となるように調整する。
そして、図4に示されたように、収容部12c内に乳化液13が充填された状態で、シート成形体12bの収納部12cの開口部12dを基材12a側に向けて、シート成形体12bと基材12aとを接着固定し、前記収容部12cを基材12aによって密封封止する。
ここで、基材12aとシート成形体12bとを接着する方法としては、通常のエポキシ樹脂等の耐冷接着剤を基材12aとシート成形体12bとの接着部分に塗布して接着固定する方法等が適用できる。
以上により、複雑な製造工程を必要とせず、安価で簡便に低温履歴インジケータ10を製造できる。
なお、本発明の技術範囲は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、乳化液13が相分離後に透明となる水相の性質を利用して相分離が生じたか否かを確認できる構成としても構わない。
基材12a表面に識別記号や文字情報を印刷した構成とし、目視あるいはセンサで水相を確認する際に、乳化液13を介して基材12a表面の情報を読み取ったり、または基材12a表面に鏡面を設け、乳化液13を透過した反射光を捉えて識別することによって、相分離が生じたか否かを正確にかつ定量的に確認することも可能である。
また、基材12aとして透光性のプラスチックフィルムを用い、また低温履歴インジケータ10を貼付する被検温体の貼付対応面に、温度管理が不適切であったことを促す識別記号や文字情報を印刷しておくことによって、乳化液13が相分離後に透明となった際、低温履歴インジケータ10を介して被検温体に印刷された識別記号や文字情報を読み取ることができる。
このため、低温履歴インジケータ10の色変化に加えて、被検温体に印刷された識別記号や文字情報の視認による二重の確認が行え、品質管理がより確実にかつ容易に行える。
また、低温度履歴インジケータ10には、粘着剤14が備えられていない構成であっても構わない。例えば、通し穴等を設け、この通し穴に紐等を通し被検温体に括り付けることによって、低温度履歴インジケータ10を被検温体に固定できる。
[第2の実施形態]
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、密封容器22を構成する2つのシート状部材22a,22bが可撓性や柔軟性を有するプラスチックシートから構成されている点と、この2つのシート状部材22a,22bが熱融着(ヒートシール)により接着されて、袋状の収容容器22cが形成されている点である。
図5は、第2の実施形態に係る低温履歴インジケータ20の一例を示す模式的な断面図であり、図6は、その平面図をそれぞれ示す。
ここで、図6中、点線は、低温履歴インジケータ20の離間部22eに設けられたカット線やミシン目であり、密封容器22を1つずつ切り離して、被検温体に貼付して使用することもできる。
2つのシート状部材22a,22bのうち、粘着剤24を備えた一方のシート状部材(基材)22aとしては、ポリプロピレン等のプラスチックシート(又はプラスチックフィルム)等が挙げられる。基材22aの厚さは、100μm以上、150μm以下が好ましい。
また、他方のシート状部材22bは、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透光性のプラスチックシート等が挙げられる。他方のシート状部材22bの厚さは、40μm以上、80μm以下が好ましい。
2つのシート状部材22a,22bの厚さをそれぞれ前記した範囲とすることによって、適度な可撓性や柔軟性と共に優れた強度が得られる。
2つのシート状部材22a,22bは、互いに対向するように重ね合わされ、他方のシート状部材22bは、その収納部22cとなる領域の外周縁において熱融着されて基材22aに接着固定されている。
本実施形態によると、低温履歴インジケータ20の離間部22eにおいて、他方のシート状部材22bが熱融着されており、この離間部22eの厚さは、ほぼ基材22aの厚さ分、すなわちシート状部材(シート成形体22a,基材22b)略1枚分の厚さである。
このため、低温履歴インジケータ20では、その離間部22eにおいて優れた可撓性、柔軟性、変形自由度が得られる。これにより、例えば包装用フィルムの表面等のように可撓性、柔軟性、変形自由度を有し形状が自由に変化可能な被検温体に貼付した場合、被検温体の表面形状の変化に応じて低温履歴インジケータ20の形状も変化し、被検温体に密着、固定させることができる。
次に、本実施形態の低温履歴インジケータ20の製造方法を説明する。
図7は、シート状部材22a,22bの一例を示す模式図である。2つのシート状部材22a,22bが、繋がった1枚のシート材22fから構成されている。シート材22fにおいて、紙面上、左右方向の右側が一方のシート状部材(基材)22aであり、左側が他方のシート状部材22bである。
図8に示されたように、シート材22fの中央線(点線)にて2つ折りにして、2つのシート状部材22a,22bを対向させる。
次いで、図9に示されたように、他方のシート状部材22bにおいて、その収納部22cとなる領域の外周縁を、熱融着して基材22aに接着し、注射器の針が挿入可能な大きさに開口部22dを備えた状態の収納部22cを形成する。そして、外周縁に設けられた開口部22dより注射器の針を挿入し、袋状の収納部22cの内部に、乳化液23を注入する。
そして、図9に示されたように、他方のシート状部材22bにおいて、その収納部22cとなる領域の外周縁を完全に熱融着し、他方のシート状部材22bを基材22aに接着固定して乳化液23を密封封止する。
同様にして、乳化液23が注入された収納部22cを複数形成し、更に基材22aの一部に粘着剤24と剥離紙25を設ける。
以上により、複雑な製造工程を必要とせず、安価で簡便に低温履歴インジケータ20を製造できる。
本発明に係る低温履歴インジケータは、密封容器に収納され、氷点下において凝固した乳化液が、氷点より高い温度域まで昇温した際に相分離する現象を利用することにより、保存温度が冷凍・冷蔵に不適な高温状態になったか否かの温度履歴を視覚的に識別が容易な形態で表示できる。
したがって、本発明の低温履歴インジケータを、製造後、冷凍・冷蔵状態を保ちながら配達先に届けられることが求められている荷物に貼付するだけで、運搬中に、その荷物の保存温度が冷凍・冷蔵に保たれていたのか、それとも不適な高温状態に曝された履歴があるのか、簡易かつ簡便に判別できるので、本発明は宅配便等による荷物の運搬業務における適正な温度管理に寄与する。
第1の実施形態に係る低温履歴インジケータの一例を示す模式的な断面図を示す。 図1の平面図を示す。 シート成形体の収納部に乳化液が注入された状態を示す模式図である。 収納部に乳化液が充填されたシート成形体に、基材を接着固定する状態を示す模式図である。 第2の実施形態に係る低温履歴インジケータの一例を示す模式的な断面図を示す。 図5の平面図を示す。 シート状部材となるシート材の一例を示す模式図である。 シート材が、その中央線にて2つ折りにされた状態を示す模式図である。 収納部に乳化液を注入している状態を示す模式図である。 他方のシート状部材が基材に接着固定された状態を示す模式図である。
符号の説明
10,20‥‥低温履歴インジケータ、12,22‥‥密封容器、12a,12b,22a,22b‥‥シート状部材、12e,22e‥‥離間部、13,23‥‥乳化液、14,24‥‥粘着剤

Claims (6)

  1. 密封容器内に、氷点下において凝固した乳化液を備え、前記乳化液は昇温により相分離する低温履歴インジケータであって、
    前記密封容器は、前記乳化液を内包するように2つのシート状部材で挟んでなることを特徴とする低温履歴インジケータ。
  2. 前記シート状部材のいずれか一方の少なくとも一部に粘着剤を備えていることを特徴とする請求項1に記載の低温履歴インジケータ。
  3. 前記密封容器を複数個備え、該密封容器同士の間には離間部があることを特徴とする請求項1に記載の低温履歴インジケータ。
  4. 前記離間部は、前記シート状部材の略2枚分の厚さであることを特徴とする請求項3に記載の低温履歴インジケータ。
  5. 前記離間部は、前記シート状部材の略1枚分の厚さであることを特徴とする請求項3に記載の低温履歴インジケータ。
  6. 相分離する温度の異なる2種以上の乳化液が、それぞれ個別に各密着容器に内包されたことを特徴とする請求項3に記載の低温履歴インジケータ。
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