JP2005121348A - 熱交換器および伝熱部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱交換能力が低下することを防止しつつ、フィンの形状を簡素なものとしてフ
ィンの生産性を向上させる。
【解決手段】 空気流れ上流側と下流側とで互いに対称となるような切り起こし部2c
を複数個設ける。これにより、フィン成形工程時に互いに相殺するような向きの折り曲げ
力が連続的に薄板状のフィン材料に作用する。したがって、切り起こし部2cを形成する
際に、フィン材料が一方向に寄り集まってしまうように変形することを未然に防止でき得
るので、スリット片2d及び切り起こし部2cのバラツキを小さく抑えることができる。
延いては、切り起こし部2cによる乱流効果にて空気とフィン2との熱伝達率を高めて熱
交換効率を高めつつ、フィン2の形状を簡素なものとしてフィンの生産性を向上させるこ
とができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、空気流れを乱流化して性能向上を図る熱交換器および伝熱部材に関するもので、例えば、車両用として好適なものである。
従来の熱交換器用のフィンでは、空気流れに対して千鳥状に配置したセグメントをなす
スリット片を設けるとともに、このスリット片の空気流れ上流側を約90°折り曲げて折
曲部を設けることにより、空気流れを乱して温度境界層が成長することを抑制して熱伝達
率の向上を図っている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の熱交換器では、空気流れ中に多数本のピン状(針状)のフィンを配置して熱
交換性能を向上させている。
特開昭63−83591号公報
ところで、特許文献1に記載の発明では、薄板状のフィンの一部を切り起こすことによ
りスリット片を形成するととともに、その切り起こしたスリット片の前端(前縁)側を約
90°折り曲げて折曲部を形成しているので、以下に述べる製造上の問題を有している。
すなわち、特許文献1に記載の発明では、全ての折曲部は、スリット片の前端側を折り
曲げることにより形成されているので、同一方向の折り曲げ力が連続的に薄板状のフィン
材に作用してしまい、折曲部を形成する際に、フィン材が一方向に寄り集まってしまうよ
うに変形してしまう。
また、スリット片は一定のピッチ寸法にて規則正しく設ける必要があるが、前述したよ
うに、特許文献1に記載の発明では、フィン材が一方向に寄り集まってしまい易いので、
スリット片間のピッチ寸法のバラツキを小さくすることが難しい。そして、スリット片間
のピッチ寸法のバラツキが大きくなると、熱伝達率が低下して所望の熱交換能力を得るこ
とができなくなる恐れが高い。
また、空気流れ中に多数本のピン状(針状)のフィンを配置した熱交換器では、フィン
、つまり多数本のピンを設けることによる熱交換器の重量増、および多数のピンを熱交換
器上に配置することによる生産性の悪化を招き、量産化することは難しい。
また仮に、ピンとピンとの間を切りく抜くことにより、多数本のピンを形成した場合に
は、切りく抜く際に破棄せざるを得ない材料が多量に発生するので、材料の歩留まり性が
悪化するので、やはり量産化することが難しい。
本発明は、上記点に鑑み、簡素なフィン形状にて生産性の向上を図ることを目的とする。
また、本発明は、簡素なフィン形状にて熱交換性能の向上を図ることを他の目的とする。
本発明は上記目的を達成するために案出されてものであり、請求項1に記載の発明では、流体が流れるチューブ(1)、及び前記チューブ(1)の外表面に設けられて前記チューブ(1)周りを流れる空気との熱交換面積を増大させるフィン(2)を備える熱交換器であって、
前記フィン(2)は、平板状の平板部(2a)及び前記平板部(2a)の一部を直角状に切り起こすことにより形成された衝突壁(2c)を有しており、
さらに、前記衝突壁(2c)は、前記空気の流れ方向において互いに対称的に複数個設けられていることを特徴とする。
これにより、衝突壁(2c)を形成する際に互いに相殺するような向きの折り曲げ力が
連続的に薄板状のフィン材料に作用する。したがって、衝突壁(2c)を形成する際に、
フィン材料が一方向に寄り集まってしまうように変形することを未然に防止できるので、衝突壁(2c)の寸法バラツキを小さく抑えることができる。
この結果、衝突壁(2c)による乱流効果にて空気とフィン(2)との熱伝達率を高め
て熱交換効率を高めつつ、フィン(2)の形状を簡素なものとしてフィンの生産性を向上
できる。
請求項2に記載の発明では、流体が流れるチューブ(1)、及び前記チューブ(1)の外表面に設けられて前記チューブ(1)周りを流れる空気との熱交換面積を増大させるフィン(2)を備える熱交換器であって、
前記フィン(2)は、平板状の平板部(2a)及び前記平板部(2a)の一部を切り起こすことにより形成された衝突壁(2c)を有しており、
前記フィン(2)の前記空気の流れ方向と直交方向の長さ寸法(C)と前記衝突壁(2c)の前記空気流れ方向と直交方向の長さ寸法(D)との比(D/C)を切れ長さ比(E)としたときに、
前記切れ長さ比(E)を0.775以上、0.995以下の範囲としたことを特徴とする。
ところで、本発明者の検討によれば、切れ長さ比(E)によって衝突壁(2c)上の通過空気の風速が大きく変化することが判明した(後述の図21〜図23参照)。そこで、請求項2に記載の発明では、切れ長さ比(E)を上記の適切な範囲に設定することにより、衝突壁(2c)上の通過空気の風速を最大風速近傍の所定範囲に上昇させることができる(図21参照)。この結果、衝突壁(2c)によるフィン伝熱性能向上効果を有効に発揮できる。
請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の熱交換器において、前記切れ長さ比(E)を0.810以上、0.980以下の範囲に設定すれば、衝突壁(2c)上の通過空気の風速をより一層高めて、フィン伝熱性能を更に向上できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器において、前記衝突壁(2c)と、前記平板部(2a)のうち前記衝突壁(2c)に連なるスリット片(2d)とによりL字状の断面形状が構成されており、
空気流れ上流側の前記L字状の断面形状と空気流れ下流側の前記L字状の断面形状とは、前記平板部(2a)と直交する仮想の面に対して互いに対称的に配置されることを特徴とする。
このように、衝突壁(2c)はより具体的には、スリット片(2d)との間でL字状の断面形状を構成する形態にて好適に実施できる。
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器において、前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ上流側に位置する一部の衝突壁(2c)は、その他の衝突壁(2c)に比べて切り起こし高さ(H)が高くなっており、
さらに、前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ下流側に位置する複数個の衝突壁(2c)は、全て切り起こし高さ(H)が同一寸法であることを特徴とする。
これにより、空気流れ上流側の流れを乱して熱伝達率を高め、かつ、空気流れ下流側に
て流れが過度に乱れて圧力損失(通風抵抗)が増大することを防止できる。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱交換器において、前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ上流側に位置する複数個の衝突壁(2c)の切り起こし高さ(H)は、空気流れ下流側に向かうほど高くなっており、
さらに、前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ下流側に位置する複数個の衝突壁(2c)の切り起こし高さ(H)は、空気流れ上流側に位置する前記複数個の衝突壁(2c)のうち最下流部に位置する衝突壁(2c)の切り起こし高さ(H)より低いことを特徴とする。
これにより、空気流れ上流側の流れを乱して熱伝達率を高め、かつ、空気流れ下流側に
て流れが過度に乱れて圧力損失(通風抵抗)が増大することを防止できる。
請求項7に記載の発明のように、フィン(2)は具体的には、波状に成形されたコルゲートフィンで構成できる。
請求項8に記載の発明のように、フィン(2)を具体的には、平板状に成形されたプレートフィンで構成してもよい。
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の熱交換器において、前記フィン(2)に、前記チューブ(1)よりも前記空気流れ方向の上流側へ突き出した突き出し部(2j)が形成され、
前記突き出し部(2j)にも前記衝突壁(2c)が形成されていることを特徴とする。
これにより、フィン(2)のうち、チューブ(1)壁面と接する部位における高熱伝達率の乱流域の範囲を増大でき(後述の図25(a)参照)、フィン伝熱性能を効果的に向上できる。
ぞどうだいち
請求項10に記載の発明のように、請求項9に記載の熱交換器において、前記突き出し部(2j)には、前記衝突壁(2c)が少なくとも2個以上形成されていることが好ましい。
請求項11に記載の発明では、請求項9または10に記載の熱交換器において、前記フィン(2)の前記空気流れ方向の下流側端部を、前記チューブ(1)の前記空気流れ方向の下流側端部よりも下流側へ突き出さない配置としたことを特徴とする。
これにより、フィン(2)の空気流れ方向の下流側端部の突き出しによる通風抵抗増大を抑制して、熱交換器全体としての性能確保を効果的に行うことができる。
請求項12に記載の発明では、薄板部材から形成され、流体中に晒されて流体との間で熱の授受を行う伝熱部材であって、
前記薄板部材から切り起こされた切り起こし部(2c)、およびこの切り起こし部(2
c)の根元部と連続的に繋がっているスリット片(2d)からなる複数個の熱交換部(2
e)を有する平板部(2a)を備え、
前記切り起こし部(2c)の切り起こし高さ(H)が、0.02mm以上、0.4mm以下の範囲であり、
さらに、前記流体の流れ方向において隣り合う前記熱交換部(2e)間のピッチ寸法(P)が、0.02mm以上、0.75mm以下の範囲であることを特徴とする。
これにより、後述する図8および図9に示すように、熱交換能力が低下することを防止
しつつ、フィンの形状を簡素なものとしてフィンの生産性を向上させることができる。
請求項13に記載の発明では、薄板部材から形成され、流体中に晒されて流体との間で熱の授受を行う伝熱部材であって、
前記薄板部材から切り起こされた切り起こし部(2c)、およびこの切り起こし部(2
c)の根元部と連続的に繋がっているスリット片(2d)からなる複数個の熱交換部(2
e)を有する平板部(2a)を備え、
前記切り起こし部(2c)の切り起こし高さ(H)が、0.06mm以上、0.36m
m以下の範囲であり、
さらに、前記流体の流れ方向において隣り合う前記熱交換部(2e)間のピッチ寸法(P)が、0.08mm以上、0.68mm以下の範囲であることを特徴とする。
これにより、後述する図8および図9に示すように、熱交換能力が低下することを防止
しつつ、フィンの形状を簡素なものとしてフィンの生産性を向上させることができる。
請求項14に記載の発明のように、請求項12または13に記載の伝熱部材において、前記切り起こし部(2c)の切り起こし角度(θ)は、具体的には、40度以上、140度以下の範囲にすればよい。
請求項15に記載の発明のように、請求項12ないし14のいずれか1つに記載の伝熱部材において、前記切り起こし部(2c)は具体的には、曲面状に前記薄板部材から切り起こされる形状にしてもよい。
請求項16に記載の発明では、請求項12ないし15のいずれか1つに記載の伝熱部材において、前記熱交換部(2e)のうち、前記流体の流れ方向と平行な部分の寸法(L)に対する前記切り起こし高さ(H)の比(H/L)を0.5以上、2.2以下の範囲にしたことを特徴とする。
これにより、後述する図12に示すように、熱交換能力が低下することを防止しつつ、
フィンの形状を簡素なものとしてフィンの生産性を向上させることができる。
請求項17に記載の発明のように、請求項12ないし16のいずれか1つに記載の伝熱部材において、前記複数個の熱交換部(2e)のうち、前記流体流れ上流側に位置する前記熱交換部(2e)の断面形状と、前記流体流れ下流側に位置する前記熱交換部(2e)の断面形状とは、互いに対称的に配置すればよい。
請求項18に記載の発明のように、請求項12ないし17のいずれか1つに記載の伝熱部材において、前記熱交換部(2e)は、前記平板部(2a)において、前記流体の流れ方向に1列に並んで形成すればよい。
請求項19に記載の発明のように、請求項18に記載の伝熱部材において、前記熱交換部(2e)の個数は、前記平板部(2a)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法であって、長さの単位をミリメートルとしたときの値(B)を0.75で除した値より大きい個数にすればよい。
請求項20に記載の発明では、請求項12ないし19のいずれか1つに記載の伝熱部材において、前記流体の流れ方向において隣り合う前記熱交換部(2e)に、少なくとも1箇所、前記切り起こし部(2c)が設けられていない平坦部(2f)が設けられていることを特徴とする。
これにより、流体の流通抵抗を低減することができる。
請求項21に記載の発明では、請求項20に記載の伝熱部材において、前記平板部(2a)のうち前記流体の流れ方向と平行な部位の寸法(B)は、5mm以上、25mm以下の範囲であり、
さらに、前記平坦部(2f)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法(Cn)は、1mmより小さい所定寸法であることを特徴とする。
これにより、流体の流通抵抗を低減することができる。
請求項22に記載の発明では、請求項20に記載の伝熱部材において、前記平板部(2a)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法(B)は、25mmより大きく、50mm以下の範囲であり、
さらに、前記平坦部(2f)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法(Cn)は、1mm以上、20mm以下の範囲であることを特徴とする。
これにより、流体の流通抵抗を低減することができる。
請求項23に記載の発明では、請求項12ないし22のいずれか1つに記載の伝熱部材において、前記薄板部材の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(C)と前記切り起こし部(2c)の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(D)との比(D/C)を切れ長さ比(E)としたときに、
前記切れ長さ比(E)を0.775以上、0.995以下の範囲としたことを特徴とする。
これによると、請求項2と同様に切れ長さ比(E)を適切に設定して切り起こし部(2c)上の通過空気の風速を最大風速近傍の所定範囲に上昇させることができ、この結果、切り起こし部(2c)による伝熱性能向上効果を有効に発揮できる。
請求項24に記載の発明では、薄板部材から形成され、流体中に晒されて流体との間で熱の授受を行う伝熱部材であって、
前記薄板部材から切り起こされた切り起こし部(2c)、およびこの切り起こし部(2
c)の根元部と連続的に繋がっているスリット片(2d)からなる複数個の熱交換部(2
e)を有する平板部(2a)を備え、
前記薄板部材の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(C)と前記切り起こし部(2c)の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(D)との比(D/C)を切れ長さ比(E)としたときに、
前記切れ長さ比(E)を0.775以上、0.995以下の範囲としたことを特徴としている。
これにより、請求項23と同様に切れ長さ比(E)を適切に設定して切り起こし部(2c)による伝熱性能向上効果を有効に発揮できる。
請求項25に記載の発明のように、請求項23または24に記載の伝熱部材において、前記切れ長さ比(E)を0.810以上、0.980以下の範囲に設定すれば、切り起こし部(2c)上の通過空気の風速をより一層高めて、伝熱性能を更に向上できる。
なお、請求項1、請求項4および請求項17における「対称的」という用語は、衝突壁(2c)、衝突壁(2c)を含むL字状の断面形状、および切り起こし部(2c)を含む熱交換部(2e)の配置形態が空気(流体)流れ方向に対して基本的には対称の関係にあるが、後述の実施形態にて詳述するように、形状的にごく一部に非対称となる部分を含んだり、あるいは衝突壁(2c)、切り起こし部(2c)や熱交換部(2e)の数が空気(流体)流れ方向の上流側と下流側とで僅少数だけ異なる場合等を含む意味で用いている。
つまり、「対称的」という用語は、完全な対称関係のみに限定されずに、フィン成形時にフィン材料が一方向に寄り集まってしまうことを防止できる程度に、実質上対称(略対称)となる関係を含む意味で用いている。
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応
関係を示す一例である。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る熱交換器を車両用空調装置の放熱器に適用したものであって、図1は本実施形態による熱交換器、つまり放熱器の正面図であり、図2は本実施形態による熱交換器の要部斜視図で、(b)は(a)のA−A断面図である。
因みに、放熱器とは、圧縮機から吐出された冷媒の熱を放冷する蒸気圧縮式冷凍機の高
圧側熱交換器であり、吐出圧が冷媒の臨界圧力未満の場合には放熱器内で冷媒は凝縮しな
がら蒸発器にて吸熱した熱を放熱し、吐出圧が冷媒の臨界圧以上の場合には放熱器内で冷
媒は凝縮することなく、蒸発器にて吸熱した熱を放熱しながらその温度を低下させていく。
また、放熱器は、図1に示すように、冷媒が流れる複数本のチューブ1、チューブ1の
外表面に接合されて空気との伝熱面積を増大させて冷媒と空気との熱交換を促進するフィ
ン2、チューブ1の長手方向両端側にてチューブ1の長手方向と直交する方向に延びて各
チューブ1と連通するヘッダタンク3、並びにチューブ1及びフィン2等からなるコア部
の補強部材をなすサイドプレート(インサート)4等からなるものである。
なお、本実施形態では、チューブ1、フィン2、ヘッダタンク3及びサイドプレート4を全て金属(例えば、アルミニウム合金)として、これらの部材1〜4をろう付けにて接合している。
ところで、チューブ1は、図2(a)に示すように、金属材に押し出し加工又は引く抜
き加工を施すことにより、内部に複数本の冷媒通路が形成された扁平状の多穴チューブで
ある。
また、フィン2は平板状の平板部2a及び隣り合う平板部2aを繋ぐように湾曲した湾曲部2bを有するように波状に形成されたコルゲートフィンであり、この波状のコルゲートフィン2は本実施形態では、薄板金属材料にローラ成形法を施すことにより成形されている。フィン2の湾曲部2bはチューブ1の扁平部(平面部)にろう付けされている。
そして、フィン2の平板部2aには、平板部2aの一部を直角状に切り起こして、複数個の切り起こし部2cが形成されている。ここで、直角状に切り起こすとは、具体的には、平板部2aの一部を平板部2aの面に対して90°の角度で切り起こすことであるが、切り起こし部2cの切り起こし角度を90°より微小量増減した90°付近の角度にしてもよい。
この切り起こし部2cにフィン2、つまり平板部2aの表面を流れる空気を衝突させて平板部2aの表面を流れる空気の流れを乱してフィン2と空気との熱伝達率を増大させるようなっている。従って、切り起こし部2cは空気流れの衝突壁としての役割を果たす。
ここで、フィン2の平板部2aのうち、切り起こし部2cの根本部と連なる平板部をスリット片2dと称する。このスリット片2dと切り起こし部2cとによりL字状の断面形状が形成される。そして、このL字状の断面形状が、空気流れ上流側と空気流れ下流側とで、平板部2aと直交する仮想の面Loに対して互いに対称の関係となるように形成されている。
具体的には、空気の流れ方向において、平板部2aを上流側と下流側とを仮想面Loに
て2等分したとき、上流側の切り起こし部2cの個数と下流側の切り起こし部2cの個数
とを同一個数とするとともに、空気流れ上流側についてはスリット片2dの空気流れ下流側を直角状に切り起こし、一方、空気流れ下流側についてはスリット片2dの空気流れ上流側を直角状に切り起こしている。
次に、フィン2の製造方法の概略を述べる。図3はローラ成形装置の模式図であり、材料ロール(アンコイラ)10から取り出された薄板状のフィン材料11は、フィン材料11に所定の張力を与えるテンション装置12により張力が与えられる。
このテンション装置12は、重力によって一定の張力をフィン材料11に与えるウエイ
トテンション部12aと、フィン材料11の進行とともに回転するローラ12b及びこの
ローラ12bを介してフィン材料11に所定の張力を与えるバネ手段12cからなるロー
ラテンション部12dとから構成されている。
なお、テンション装置12によってフィン材料11に所定の張力を与えるのは、後述す
るフィン成形装置13によって折り曲げ成形されたフィンのフィン高さを一定に保持する
ためである。
フィン成形装置13は、テンション装置12によって所定の張力が与えられたフィン材
料11を折り曲げて多数個の湾曲部2b(図2)を形成してフィン材料11を波状にするとともに、平板部2aに相当する部位に切り起こし部2cを形成するフィン成形装置である。
そして、このフィン成形装置13は、一対の歯車状の成形ローラ13aと、成形ローラ
13aの歯面に設けられ、切り起こし部2cを形成するカッタとから構成されており、フィン材料11が一対の成形ローラ13a間を通過する際に成形ローラ13aの歯部13bに沿うように折り曲げられて波状に成形されるとともに、切り起こし部2cが形成される。
切断装置14は、1つのフィン2に湾曲部2bが所定の数だけ有するようにフィン材料
11を所定長さに切断するもので、所定長さに切断されたフィン材料11は、送り装置1
5によって後述する矯正装置16に向けて送られる。
なお、この送り装置15は、フィン成形装置13にて形成された隣合う湾曲部2b間距離と略等しい基準ピッチを有する一対の歯車状の送りローラ15aから構成されている。ここで、波形状に曲げ成形されたコルゲートフィン2において隣合う湾曲部2b間距離は一般にフィンピッチPfと称される。このフィンピッチPfは、図2(b)のフィン断面図に示すように、隣合う平板部2a間距離の2倍の寸法となる。
因みに、フィン2の仕上がり状態におけるフィンピッチPf(隣合う湾曲部2b間距離)を小さくする場合、成形ローラ13aの圧力角を大きし、フィンピッチPfを大きくする場合は、圧力角を小さくする。なお、このとき、成形ローラ13aと送りローラ15aとのモジュールの相違が、10%以内であれば、送りローラ15aを変更することなくフィンの成形をすることができる。
矯正装置16は、湾曲部2bの尾根方向に対して略直角方向から湾曲部2bを押圧して
湾曲部2bの凹凸を矯正する矯正装置であり、この矯正装置16は、フィン材料11を挟
んでフィン材料11の進行とともに従動的に回転する一対の矯正ローラ16a、16bか
ら形成されている。なお、矯正ローラ16a、16bは、矯正ローラ6a、6bの回転中
心を結ぶ線が、フィン材料11の進行方向に対して直角となるように配置されている。
ブレーキ装置17は、複数個の湾曲部2bに接してフィン材料11の進行方向反対側に
向けて摩擦力を発生するブレーキ面17a、17bを有するブレーキ装置であり、このブ
レーキ装置17は、矯正装置16よりフィン材料11の進行方向側に配置されて、送り装
置15が発生する送り力と、ブレーキ面17a、17bで発生する摩擦力とによって、フ
ィン材料11の湾曲部2bが互いに接するようにフィン材料11を押し縮めるものである。
また、ブレーキ面17aが形成されたブレーキシュー17cは、一端側は回転可能に支
持されており、他端側には摩擦力調節機構をなすバネ部材17dが配置されている。そし
て、ブレーキ面17a、17bで発生する摩擦力は、このバネ部材17dの撓み量を調節
することにより調整される。なお、ブレーキシュー17c及びブレーキ面17bを形成す
るプレート部17eは、耐磨耗性に優れた材料、例えばダイス鋼である。
次に、本実施形態によるフィン成形装置の作動をフィン成形装置内で行われる工程順に
述べる。
材料ロール10からフィン材料11を引き出し(引出工程)、引き出したフィン材料1
1に対して、フィン材料11の進行方向に所定張力を与える(テンション発生工程)。そ
して、フィン成形装置13にてフィン材料11に湾曲部2b及び切り起こし部2cを成形
し(フィン成形工程)、切断装置14にて所定長さに切断する(切断工程)。
次に、送り装置15にて所定長さに切断されたフィン材料11を矯正装置16に向けて
送り出し(送り工程)、矯正装置16にて湾曲部2bを押圧して凹凸を矯正する(矯正工
程)とともに、ブレーキ装置17にて隣り合う湾曲部2bが互いに接するようにフィン材
料11を縮める(縮め工程)。
そして、縮め工程を終えたフィン材料11は、自身の弾性力により伸びて所定のフィン
ピッチPfとなり、寸法検査等の検査工程を経てコルゲートフィンの成形が終了する。
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
本実施形態では、切り起こし部2cは空気流れ方向において互いに対称となるように複数個設けられているので、フィン成形工程時に互いに相殺するような向きの折り曲げ力が連続的に薄板状のフィン材料11に作用する。
したがって、切り起こし部2cを形成する際に、フィン材料11が一方向に寄り集まってしまうように変形することを未然に防止できるので、スリット片2d及び切り起こし部2cのバラツキを小さく抑えることができる。
この結果、切り起こし部2cによる乱流効果にて空気とフィン2との熱伝達率を高めて
熱交換効率を高めつつ、フィン2の形状を簡素なものとしてフィンの生産性を向上することができる。
なお、本発明者等の検討によると、フィン2の厚みを0.01mm〜0.1mmとし、切り起こし高さH(図2(b)参照)を0.1mm〜0.5mmとし、切り起こし部2c間のピッチ寸法P(図2(b)参照)を切り起こし高さHの1.5倍〜5倍とすることが望ましい。
より具体的には、本実施形態では、フィン2の厚みを0.05mmとし、切り起こし高さHを0.2mmとし、切り起こし部2c間のピッチ寸法Pを切り起こし高さHの2.5倍としている。なお、切り起こし高さHは、後述の図7、図14、図15に明示するようにフィン2の厚みを含む高さ寸法である。
(第2実施形態)
第2実施形態は、図4に示すように、空気流れ上流側に位置する複数個の切り起こし部2cの切り起こし高さHを、空気流れ下流側に向かうほど高くなるように徐々に変化させている。
これに対し、空気流れ下流側に位置する複数個の切り起こし部2cの切り起こし高さHは全て同一寸法であり、かつ、空気流れ上流側に位置する複数個の切り起こし部2cのうち最下流部に位置する切り起こし部2cの切り起こし高さHより低い所定寸法としている。
これにより、空気流れ上流側に位置する複数個の切り起こし部2cに、その他の切り起こし部2cに比べて切り起こし高さHが高い切り起こし部2cが存在することとなるので、空気流れ上流側の流れを乱して熱伝達率を高め、かつ、空気流れ下流側にて過度に流れが乱れて圧力損失(通風抵抗)が増大することを防止できる。
なお、空気流れ下流側の切り起こし高さを高めて乱流効果を高めても、熱交換すべきフ
ィン2が残り少ないので、乱流効果による熱伝達率の増大に比べて、圧力損失(通風抵抗)
の増大による熱交換量の減少量の方が大きくなり、熱交換効率が悪化する可能性が高い。
第2実施形態では、空気流れ上流側に位置する複数個の切り起こし部2cの切り起こし高さHを、空気流れ下流側に向かうほど高くなるように徐々に変化させているので、空気流れ上流側の切り起こし部2cと空気流れ下流側の切り起こし部2cとが完全な意味では対称の関係になっていないが、空気流れ上流側の切り起こし部2cと空気流れ下流側の切り起こし部2cがともにL字状の断面形状を形成している点で共通し、略対称な関係を構成するので、第2実施形態による切り起こし部2cの配置形態も本発明で言うところの「対称的な関係」を構成することになる。
なお、第1、第2実施形態では、空気流れ上流側の切り起こし部2cと空気流れ下流側の切り起こし部2cの個数をともに同数(9個ずつ)に設定しているが、空気流れ上流側の切り起こし部2cと空気流れ下流側の切り起こし部2cの個数を僅少数(例えば1個)ずらしても、本発明で言うところの「対称的な関係」に包含される。
(第3実施形態)
上述の第1、第2実施形態では、波状に曲げ成形されたコルゲート状のフィン2を備える熱交換器について説明したが、第3実施形態は、図5に示すように、平板状に成形されたプレート状のフィン2を備える熱交換器に対して本発明を適用したものである。
(第4実施形態)
上述の実施形態では、仮想面Loに対して切り起こし部2cが互いに対称となるように形成したが、第4実施形態は、例えば図6(a)の例では、空気流れ上流側の切り起こし部2cと空気流れ下流側の切り起こし部2cを平板部2aに対して対称に形成している。
また、図6(b)、図6(c)の例では、互いに対称な一対の切り起こし部2cを1組として、空気の流れ方向に並べたものである。
また、図6(d)の例では、切り起こし部2cをスリット片2dに対して第1実施形態と反対側部位に形成している。また、図6に示す形状と第2実施形態(図4)とを組み合わせてもよいことは言うまでもない。
(第5実施形態)
図7は第5実施形態を説明するためのフィン断面図であって、切り起こし部2cの切り起こし高さHを0.02mm以上、0.4mm以下の範囲としている。また、切り起こし部2cと、切り起こし部2cの根元部と連続的に繋がっているスリット片2dとからなる熱交換部2e間のピッチ寸法Pを0.02mm以上、0.75mm以下の範囲としている。
ここで、熱交換部2e間のピッチ寸法Pは図7に示すように、空気の流れ方向において、隣り合う熱交換部2e間の距離を示す寸法であり、切り起こし高さHは、熱交換部2eのうち空気の流れ方向と直交する方向と平行な部分の寸法と等しい。
ところで、図8は熱交換部2e間のピッチ寸法Pと熱交換性能との関係を示す数値シミ
レーション結果であり、図9は切り起こし高さHと熱交換性能との関係を示す数値シミレ
ーション結果である。図8および図9からも明らかなように、切り起こし部2cの切り起
こし高さHを0.02mm以上、0.4mm以下とし、かつ、熱交換部2e間のピッチ寸
法Pを0.02mm以上、0.75mm以下とすれば、熱交換性能が向上することが分かる。
なお、熱交換性能は、熱伝達率と伝熱面積との積に基づいて決定されるもので、図8および図9では、いわゆるルーバを設けた現状の熱交換器のフィンにおける熱交換性能を基準とした比率で、ピッチ寸法Pおよび切り起こし高さHによる熱交換性能の変化を示している。
また、切り起こし部2cの高さH、または熱交換部2e間のピッチPを変化させると、
フィン2、つまり平板部2a周りを流れる空気の圧力損失(通風抵抗)も変化するので、図8および図
9に示す数値シミレーションでは、切り起こし部2cの高さH、または熱交換部2e間の
ピッチPを変化に応じて隣り合う平板部2a間距離の2倍であるフィンピッチPf(図2b、図4参照)を変化させて圧力損失(通風抵抗)が略同一となるように切り起こし部2cの高さH、および熱交換部2e間のピッチPを変化させて熱交換性能を算出している。
因みに、フィンピッチPfを大きくすると、図10および図11に示すように、圧力損失(通風抵抗)は低下するものの、平板部2aの枚数が減少して伝熱面積および熱伝達率も減少する。逆に、フィンピッチPfを小さくすると、平板部2aの枚数が増大して伝熱面積および熱伝達率が増大するものの、圧力損失(通風抵抗)は大きくなる。
なお、図10は熱交換部2e間のピッチPをパラメータとした数値シミレーション結果
であり、図11は切り起こし部2cの高さHをパラメータとした数値シミレーション結果
である。
また、切り起こし部2cは、平板部2aから切り起こしているので、熱交換部2eのう
ち空気の流れ方向と平行な部分の寸法L(図7参照)は、切り起こし部2cの高さHおよ
び熱交換部2e間のピッチPに応じて変化する。
そこで、図8および図9に基づいて、空気の流れ方向と平行な部分の寸法Lに対する切り起こし部2cの高さH(つまり熱交換部2eのうち空気の流れ方向と直交する方向と平行な部分の寸法H)の比(=H/L)と熱交換性能との関係をまとめると、図12に示すようになる。
したがって、熱交換部2eのうち、空気の流れ方向と平行な部分の寸法Lに対する切り起こし高さHの比(=H/L)を0.5以上、2.2以下の範囲とすることにより、高い熱交換性能を得ることができる。
(第6実施形態)
第5実施形態では、いわゆるルーバを設けた現状の熱交換器のフィンにおける熱交換性
能と同等以上の熱交換性能を得ることができるように、切り起こし部2cの高さHおよび
熱交換部2e間のピッチPを設定したが、実際の製品では、寸法バラツキ等がある。
そこで、第6実施形態では、熱交換性能が20%の変動することを考慮して、切り起こし部2cの切り起こし高さHを0.06mm以上、0.36mm以下の範囲とし、熱交換部2e間のピッチPを0.08mm以上、0.68mm以下の範囲としている。
(第7実施形態)
上述の実施形態では、図13(a)に示すように、切り起こし部2c、特に、空気流れ下流側の切り起こし部2cにて空気流れが蛇行することにより熱交換性能(熱伝達率)が向上するので、切り起こし部2cの切り起こし角度θは、前述した90度付近の値に限定されるものではなく、図13(b)に示すように、空気流れが蛇行する程度の角度にて平板部2aの一部が切り起こされていればよい。
そこで、第7実施形態においては、具体的には、切り起こし部2cの切り起こし角度θを40度以上、140度以下の範囲としている。
したがって、熱交換部2eの断面形状は、L字状断面形状に限定されるものではなく、例えば図14および図15に示すような各種断面形状であってもよい。
因みに、切り起こし部2cの切り起こし角度θとは、平板部2aを切り起こす前の状態
を基準として切り起こした角度を言う。
そして、図14(a)は、切り起こし角度θを約40度とした例であり、図14(b)
は、切り起こし角度θを約140度とした例であり、図14(c)および図14(d)は
、切り起こし角度θを約40度とした状態で、スリット片2dも平板部2aに対して起こ
すように曲げた例である。
また、図15(a)は、スリット片2dのうち切り起こし部2cと反対側に切り起こし
部2cと同様な向きに起こすように曲げた例である。図15(b)は、スリット片2dか
ら切り起こし部2cまで滑らかな円弧状の曲面となるように切り起こし部2cを切り起こ
した例である。
そして、図15(c)は、スリット片2dから切り起こし部2cまで滑らかな円弧状の曲面とした状態で、スリット片2dのうち切り起こし部2cと反対側も切り起こし部2cと同様な向きに曲面状に曲げた例である。更に、図15(d)は、切り起こし部2cの切り起こす向きを1つ置きに変えたものである。
(第8実施形態)
第8実施形態は、熱交換部2e、つまり切り起こし部2cの個数に関するものである。すなわち、図16に示すように、Bは平板部2aのうち空気の流れ方向と平行な部位の寸法であって、長さの単位をミリメートルとしたときの値で表す。そして、熱交換部2eの個数nは、空気流れ方向と平行な部位の寸法Bの値(単位:ミリメートル)を0.75で除した値より大きい個数としている。
つまり、熱交換部2eの個数n(nは自然数)は、以下の式(1)により表される。
n>(B/0.75)……(1)
(第9実施形態)
第9実施形態は、図17に示すように、空気の流れ方向において隣り合う熱交換部2eに、少なくとも1箇所、切り起こし部2cが設けられていない平坦部2fを設けている。そして、平板部2aのうち空気の流れ方向と平行な部位の寸法Bを5mm以上、かつ、25mm以下とし、かつ、平坦部2fのうち空気の流れ方向と平行な部位の寸法Cnを1mmより小さい所定寸法(本実施形態では、0.5mm)としている。これにより、空気の流通抵抗を低減することができる。
(第10実施形態)
第10実施形態は、図18に示すように、空気の流れ方向において隣り合う熱交換部2eに、切り起こし部2cが設けられていない平坦部2fを複数箇所(図示例では3箇所)設けている。
そして、平板部2aのうち空気の流れ方向と平行な部位の寸法Bを25mmより大きく、かつ、50mm以下の範囲とし、かつ、平坦部2fのうち空気の流れ方向と平行な部位の寸法Cnを1mm以上、20mm以下の所定寸法(本実施形態では、5mm)としている。これにより、空気の流通抵抗を低減することができる。
(第11実施形態)
図19〜図23は第11実施形態を説明するもので、第11実施形態は、図19に示すように、フィン2の空気流れ方向と直交方向の長さ寸法をCとし、切り起こし部2cの空気流れ方向と直交方向の長さ寸法をDとし、そして、この両長さ寸法の比(D/C)を切れ長さ比Eとしたときに、この切れ長さ比Eを熱交換性能向上のために最適範囲に設定するものである。
なお、フィン2の空気流れ方向と直交方向の長さ寸法Cは図22に示すように隣接するチューブ1相互間の間隔と一致する寸法である。図20は図19のA−A断面図である。
図21は切り起こし部2c上を通過する空気流れ(図13参照)の平均風速と、上記切れ長さ比Eとの関係を示すグラフであって、本発明者による数値シミレーションの算出結果を示している。
この数値シミレーションの主要条件としては、図20に示す隣り合う熱交換部2e相互間のピッチ寸法P=0.5mm、切り起こし高さH=0.25mm、熱交換部2eの空気流れ方向の寸法L=0.25mm、コルゲートフィン2のフィンピッチPf=2.5mmであり、熱交換器前面風速は4m/Sに設定している。
そして、この数値シミレーションでは、切り起こし長さD=4.5mmに固定し、フィン長さCを変化させて、切れ長さ比Eの変化に基づく空気流れの平均風速の変化を算出している。
ここで、切れ長さ比Eの変化に基いて空気流れの平均風速が変化する現象を図22、図23により説明すると、図22(b)(c)は図22(a)のZ部の拡大図で、図22(b)は切れ長さ比E(D/C)=0.69に設定した場合における空気流れを示し、図22(c)は切れ長さ比E(D/C)=0.81に設定した場合における空気流れを示す。
フィン2の平面部2aにおいて切り起こし部2cの両側面部には非切れ部2g、2hが形成され、この非切れ部2g、2h上を切り起こし部2cの迂回空気が図22(a)の矢印Gのように流れる。この際に、非切れ部2g、2hの長さFを大きくして、切れ長さ比E(D/C)を0.69まで減少させた状態を図22(b)に示す。
このように切れ長さ比Eを小さくすると、非切れ部2g、2h上を通過する矢印Gの迂回空気流れが図22(b)に示すようにかなりの割合で発生する。この結果、切れ長さ比E=0.69の場合の空気流れの風速は、図23(a)の破線に示すように、切り起こし部2cの長さ方向の外側である非切れ部2g、2hにおいて最大となり、これに伴って、切り起こし部2c上の通過空気の風速は低下する。
なお、図23(a)の横軸は、フィン2の空気流れ方向と直交方向の長さCを比率で表している。つまり、フィン長さCの中心を0とし、そして、この中心0からフィン2の側端部までの長さを±1として表している。従って、図23(a)の横軸では、フィン2の長さCの全長を「2」として表している。
ところで、図22(c)のように、切れ長さ比Eを0.81まで増加すると、非切れ部2g、2hの長さFが減少して、非切れ部2g、2hを通過する迂回空気流れがほとんどなくなる。これにより、風速分布が均一化され、切り起こし部2c上の通過空気の風速を図23(a)の1点鎖線に示すように上昇させることができる。
更に、切れ長さ比Eを0.94付近まで増加すると、切り起こし部2c上の通過空気の風速を図23(a)の実線に示すように更に上昇させることができる。なお、切れ長さ比Eを「1」に接近させると、切り起こし部2cの長さ方向の両端部がチューブ1(あるいはフィン湾曲部2b)の壁面に接近するので、チューブ1(あるいはフィン湾曲部2b)の壁面による抵抗の影響が増大して風速の低下が起きるので、切り起こし部2c上の通過空気の平均風速が低下する。
フィン2の伝熱性能(空気側熱伝達率)は、切り起こし部2c上の通過空気の平均風速の上昇に伴って上昇するという相関があるから、切れ長さ比Eを最適範囲に選定することによってフィン2の伝熱性能を効果的に向上できる。
図21はこの切れ長さ比Eと、切り起こし部2c上の通過空気の平均風速との関係を表したもので、この平均風速は切れ長さ比E=0.90付近で最大となる。従って、フィン2の伝熱性能向上のためには、切れ長さ比E=0.90付近に設定するのが最も有効であるが、製品としての切れ長さ比Eのバラツキ等を考慮すると、伝熱性能低下を許容できる範囲として、最大風速からの風速低下が略10%以内とするのが実用的と言える。
そこで、切れ長さ比Eの範囲としては、0.775以上、0.995以下の範囲を設定する。これにより、フィン2の伝熱性能を効果的に向上できる。この設定範囲内のうちでも、切れ長さ比Eを0.810以上、0.980以下の範囲に設定すれば、最大風速からの風速低下が略6%以内となり、フィン2の伝熱性能向上のためにより一層好ましい。
(第12実施形態)
図24は第12実施形態を示すもので、第12実施形態では、フィン2にチューブ1よりも空気流れ上流側に突き出した突出部2iを形成し、この突出部2iにも切り起こし部2cを連続的に形成している。これは次の理由からである。
図25(b)は第12実施形態の比較例であり、この比較例は第1実施形態等と同様に
フィン2とチューブ1の空気流れ上流側端部および空気流れ下流側端部を一致させている。従って、第12実施形態によるフィン2の突出部2iを形成しない構成である。
切り起こし部2cは空気流れを乱流化してフィン伝熱性能の向上を図るのであるが、本発明者らの詳細な実験検討によると、切り起こし部2cを形成しても、フィン2の空気流れ上流側の入口領域では図25(b)に示すように層流域が形成され、そして、この層流域の下流側に乱流域、すなわち、高熱伝達率の領域が形成されることが分かっている。
第12実施形態ではこの点に着目して、フィン2にチューブ1よりも空気流れ上流側に突き出した突出部2iを形成し、この突出部2iにも切り起こし部2cを連続的に形成している。
第12実施形態によると、フィン2の空気流れ上流側への突出部2iにおいても、切り起こし部2cによる空気流れの乱れが開始されるので、図25(a)に示すように高熱伝達率の乱流領域を図25(b)の比較例よりも空気流れ上流側へ移行させることができる。これにより、フィン2のうち、チューブ1壁面と接する部位における高熱伝達率領域を図25(b)の比較例の破線矢印範囲から実線矢印範囲まで増大してフィン伝熱性能を効果的に向上できる。
本発明者の検討によれば、突出部2iの突き出し長さは、突出部2iの範囲内に少なくとも2個以上の切り起こし部2cを形成できる長さに設定することが、フィン伝熱性能の向上のために好ましい。
なお、図25(c)は別の比較例であり、フィン2にチューブ1よりも空気流れ下流側に突き出した突出部2jを形成している。この別の比較例によると、空気流れ下流側への突出部2jにも高熱伝達率の乱流領域を形成できるので、高熱伝達率の乱流領域を、図25(b)の比較例の破線矢印範囲から実線矢印範囲まで増大できる。
しかし、この空気流れ下流側への突出部2jはチューブ1壁面から離れた部位であるため、チューブ1内の高温流体の熱が突出部2jに到達しにくい。この結果、図25(c)の別の比較例によると、空気流れ下流側への突出部2jによる高熱伝達率の乱流領域をフィン伝熱性能の向上のために有効活用できない。かえって、突出部2jの形成によって通風抵抗を増大させ、この不具合のために、熱交換器放熱性能を低下させる原因となる。
従って、フィン2はチューブ1の空気流れ下流側端部よりも下流側に突き出さない配置、すなわち、フィン2の空気流れ下流側端部とチューブ1の空気流れ下流側端部とを空気流れ方向において一致させる配置(図25(a))が、熱交換器放熱性能確保のために有利である。
ここで、フィン2の空気流れ下流側端部とチューブ1の空気流れ下流側端部と一致させる配置とは、組付バラツキ等による両端部の微小なずれを包含する、実質的な一致を意味している。
(その他の実施形態)
また、上述の実施形態では、熱交換部2e、つまり切り起こし部2cは、平板部2aに
おいて、空気の流れ方向に1列に並んで形成されていたが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば2列以上としてもよい。
また、上述の実施形態では、車両用空調装置の放熱器に本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、例えば車両用空調装置の暖房用ヒータコア、蒸気圧縮式冷凍機の蒸発器や凝縮器、エンジン冷却水を冷却するラジエータ等の熱交換器にも本発明は適用することができる。
また、上述の実施形態では、ローラ成形法にてフィン2を製造したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプレス加工にてフィン2を製造してもよい。
また、上述の実施形態では、チューブ1とフィン2とはろう付けされていたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えばチューブ1を拡管することによりチューブ1と
フィン2とを機械的に結合してもよい。
本発明の実施形態による熱交換器の正面図である。 (a)は本発明の第1実施形態による熱交換器の要部斜視図、(b)は(a)のA−A断面図である。 第1実施形態によるローラ成形装置の模式図である。 本発明の第2実施形態によるフィンを示す断面図である。 本発明の第3実施形態による熱交換器の要部斜視図である。 本発明の第4実施形態によるフィンを示す断面図である。 切り起こし高さHおよび熱交換部2e間のピッチ寸法Pの定義を説明するフィン部断面図である。 熱交換部2e間のピッチ寸法Pと熱交換性能との関係を示す数値シミレーション結果を示すグラフである。 切り起こし高さHと熱交換性能との関係を示す数値シミレーション結果を示すグラフである。 熱交換部2e間のピッチPをパラメータとした数値シミレーション結果を示すグラフである。 切り起こし部2cの高さHをパラメータとした数値シミレーション結果を示すグラフである。 熱交換部2eのうち空気の流れ方向と直交する方向と平行な部分の寸法Hの比(=H/L)と熱交換性能との関係をまとめたグラフである。 切り起こし部2c上の空気流れを示す模式図である。 本発明の第7実施形態による切り起こし部を示すフィン部断面図である。 本発明の第7実施形態による切り起こし部を示すフィン部断面図である。 本発明の第8実施形態による熱交換器の要部斜視図である。 本発明の第9実施形態による熱交換器のフィン部断面図である。 本発明の第10実施形態による熱交換器のフィン部断面図である。 本発明の第11実施形態による熱交換器の要部斜視図である。 図19のA−A断面図である。 第11実施形態による切れ長さ比Eと切り起こし部の平均風速との関係を示すグラフである。 (a)は第11実施形態の作用説明のための要部平面図、(b)、(c)は(a)のZ部拡大図である。 (a)はフィン長さ方向の風速分布を示すグラフ、(b)は(a)の横軸のフィン長さ方向における対応構成を示す要部平面図である。 本発明の第12実施形態による熱交換器の要部斜視図である。 (a)は本発明の第12実施形態による熱交換器の要部平面図、(b)、(c)は第12実施形態の比較例の要部平面図である。
符号の説明
1…チューブ、2…フィン、2a…平板部、2b…湾曲部、2c…切り起こし部、
2d…スリット片。

Claims (25)

  1. 流体が流れるチューブ(1)、及び前記チューブ(1)の外表面に設けられて前記チューブ(1)周りを流れる空気との熱交換面積を増大させるフィン(2)を備える熱交換器であって、
    前記フィン(2)は、平板状の平板部(2a)及び前記平板部(2a)の一部を直角状に切り起こすことにより形成された衝突壁(2c)を有しており、
    さらに、前記衝突壁(2c)は、前記空気の流れ方向において互いに対称的に複数個設けられていることを特徴とする熱交換器。
  2. 流体が流れるチューブ(1)、及び前記チューブ(1)の外表面に設けられて前記チューブ(1)周りを流れる空気との熱交換面積を増大させるフィン(2)を備える熱交換器であって、
    前記フィン(2)は、平板状の平板部(2a)及び前記平板部(2a)の一部を切り起こすことにより形成された衝突壁(2c)を有しており、
    前記フィン(2)の前記空気の流れ方向と直交方向の長さ寸法(C)と前記衝突壁(2c)の前記空気流れ方向と直交方向の長さ寸法(D)との比(D/C)を切れ長さ比(E)としたときに、
    前記切れ長さ比(E)を0.775以上、0.995以下の範囲としたことを特徴とする熱交換器。
  3. 前記切れ長さ比(E)を0.810以上、0.980以下の範囲としたことを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記衝突壁(2c)と、前記平板部(2a)のうち前記衝突壁(2c)に連なるスリット片(2d)とによりL字状の断面形状が構成されており、
    空気流れ上流側の前記L字状の断面形状と空気流れ下流側の前記L字状の断面形状とは、前記平板部(2a)と直交する仮想の面に対して互いに対称的に配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の熱交換器。
  5. 前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ上流側に位置する一部の衝突壁(2c)は、その他の衝突壁(2c)に比べて切り起こし高さ(H)が高くなっており、
    さらに、前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ下流側に位置する複数個の衝突壁(2c)は、全て切り起こし高さ(H)が同一寸法であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器。
  6. 前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ上流側に位置する複数個の衝突壁(2c)の切り起こし高さ(H)は、空気流れ下流側に向かうほど高くなっており、
    さらに、前記複数個の衝突壁(2c)のうち、前記空気流れ下流側に位置する複数個の衝突壁(2c)の切り起こし高さ(H)は、空気流れ上流側に位置する前記複数個の衝突壁(2c)のうち最下流部に位置する衝突壁(2c)の切り起こし高さ(H)より低いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱交換器。
  7. 前記フィン(2)は、波状に成形されたコルゲートフィンであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱交換器。
  8. 前記フィン(2)は、平板状に成形されたプレートフィンであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱交換器。
  9. 前記フィン(2)に、前記チューブ(1)よりも前記空気流れ方向の上流側へ突き出した突き出し部(2j)が形成され、
    前記突き出し部(2j)にも前記衝突壁(2c)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の熱交換器。
  10. 前記突き出し部(2j)には、前記衝突壁(2c)が少なくとも2個以上形成されていることを特徴とする請求項9に記載の熱交換器。
  11. 前記フィン(2)の前記空気流れ方向の下流側端部を、前記チューブ(1)の前記空気流れ方向の下流側端部よりも下流側へ突き出さない配置としたことを特徴とする請求項9または10に記載の熱交換器。
  12. 薄板部材から形成され、流体中に晒されて流体との間で熱の授受を行う伝熱部材であって、
    前記薄板部材から切り起こされた切り起こし部(2c)、およびこの切り起こし部(2
    c)の根元部と連続的に繋がっているスリット片(2d)からなる複数個の熱交換部(2
    e)を有する平板部(2a)を備え、
    前記切り起こし部(2c)の切り起こし高さ(H)が、0.02mm以上、0.4mm以下の範囲であり、
    さらに、前記流体の流れ方向において隣り合う前記熱交換部(2e)間のピッチ寸法(P)が、0.02mm以上、0.75mm以下の範囲であることを特徴とする伝熱部材。
  13. 薄板部材から形成され、流体中に晒されて流体との間で熱の授受を行う伝熱部材であって、
    前記薄板部材から切り起こされた切り起こし部(2c)、およびこの切り起こし部(2
    c)の根元部と連続的に繋がっているスリット片(2d)からなる複数個の熱交換部(2
    e)を有する平板部(2a)を備え、
    前記切り起こし部(2c)の切り起こし高さ(H)が、0.06mm以上、0.36m
    m以下の範囲であり、
    さらに、前記流体の流れ方向において隣り合う前記熱交換部(2e)間のピッチ寸法(P)が、0.08mm以上、0.68mm以下の範囲であることを特徴とする伝熱部材。
  14. 前記切り起こし部(2c)の切り起こし角度(θ)は、40度以上、140度以下の範囲であることを特徴とする請求項12または13に記載の伝熱部材。
  15. 前記切り起こし部(2c)は曲面状に前記薄板部材から切り起こされていることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1つに記載の伝熱部材。
  16. 前記熱交換部(2e)のうち、前記流体の流れ方向と平行な部分の寸法(L)に対する前記切り起こし高さ(H)の比(H/L)が0.5以上、2.2以下の範囲であることを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1つに記載の伝熱部材。
  17. 前記複数個の熱交換部(2e)のうち、前記流体流れ上流側に位置する前記熱交換部(2e)の断面形状と、前記流体流れ下流側に位置する前記熱交換部(2e)の断面形状とは、互いに対称的に配置されることを特徴とする請求項12ないし16のいずれか1つに記載の伝熱部材。
  18. 前記熱交換部(2e)は、前記平板部(2a)において、前記流体の流れ方向に1列に並んで形成されていることを特徴とする請求項12ないし17のいずれか1つに記載の伝熱部材。
  19. 前記熱交換部(2e)の個数は、前記平板部(2a)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法であって、長さの単位をミリメートルとしたときの値(B)を0.75で除した値より大きい個数であることを特徴とする請求項18に記載の伝熱部材。
  20. 前記流体の流れ方向において隣り合う前記熱交換部(2e)に、少なくとも1箇所、前記切り起こし部(2c)が設けられていない平坦部(2f)が設けられていることを特徴とする請求項12ないし19のいずれか1つに記載の伝熱部材。
  21. 前記平板部(2a)のうち前記流体の流れ方向と平行な部位の寸法(B)は、5mm以上、25mm以下の範囲であり、
    さらに、前記平坦部(2f)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法(Cn)は、1mmより小さい所定寸法であることを特徴とする請求項20に記載の伝熱部材。
  22. 前記平板部(2a)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法(B)は、25mmより大きく、50mm以下の範囲であり、
    さらに、前記平坦部(2f)のうち流体の流れ方向と平行な部位の寸法(Cn)は、1mm以上、20mm以下の範囲であることを特徴とする請求項20に記載の伝熱部材。
  23. 前記薄板部材の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(C)と前記切り起こし部(2c)の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(D)との比(D/C)を切れ長さ比(E)としたときに、
    前記切れ長さ比(E)を0.775以上、0.995以下の範囲としたことを特徴とする請求項12ないし22のいずれか1つに記載の伝熱部材。
  24. 薄板部材から形成され、流体中に晒されて流体との間で熱の授受を行う伝熱部材であって、
    前記薄板部材から切り起こされた切り起こし部(2c)、およびこの切り起こし部(2
    c)の根元部と連続的に繋がっているスリット片(2d)からなる複数個の熱交換部(2
    e)を有する平板部(2a)を備え、
    前記薄板部材の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(C)と前記切り起こし部(2c)の前記流体の流れ方向と直交方向の長さ寸法(D)との比(D/C)を切れ長さ比(E)としたときに、
    前記切れ長さ比(E)を0.775以上、0.995以下の範囲としたことを特徴とする伝熱部材。
  25. 前記切れ長さ比(E)を0.810以上、0.980以下の範囲としたことを特徴とする請求項23または24に記載の伝熱部材。
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