JP2010210188A - フィンチューブ熱交換器 - Google Patents

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晃 小森
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雅也 本間
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Abstract

【課題】着霜に起因した圧力損失の増大および伝熱性能の低下を緩やかにする。
【解決手段】本発明のフィンチューブ熱交換器1は、複数の伝熱フィン31,32と、複数のフィン31,32を貫通している複数の伝熱管21,22とを備えている。複数の伝熱フィン31,32は、気流方向の上流側に配置された複数の第1フィン31と、複数の第1フィン31を通過した空気が流入するように複数の第1フィン31よりも下流側に配置された複数の第2フィン32とを含む。第1フィン31には、第1伝熱管21の上流端P1よりも上流側における管近傍領域35と、第1伝熱管21の下流端P2よりも下流側における管近傍領域35との各々に、当該第1フィン31の一部を切り起こすことによって翼状の副フィン部11が形成されている。副フィン部11の基端の曲げ線11bは気流方向に平行である。
【選択図】図2

Description

本発明は、フィンチューブ熱交換器に関する。
平行に並べられた複数の伝熱フィンと、複数の伝熱フィンを貫通している伝熱管とを備えたフィンチューブ熱交換器は良く知られている。中でも、気流方向に沿って山と谷が交互に現れるように成形された伝熱フィンは「コルゲートフィン」と呼ばれ、高い性能を誇る伝熱フィンとして広く利用されている。
コルゲートフィン以外の伝熱フィンとして、典型的には、特許文献1や2に記載されたものが知られている。特許文献1や2に記載された伝熱フィンは、「ルーバ」と呼ばれる切り起こしを形成したものである。この伝熱フィンは、しばしば「ルーバフィン」と呼ばれ、コルゲートフィン同様、広く利用されている。
特開平11−281279号公報 特開2001−141383号公報
ルーバフィンによると、ルーバの前縁により伝熱性能が向上するものの、冬期運転においてルーバの前縁で霜が成長しやすい欠点がある。霜の成長に伴い、フィンとフィンとの間の風路が次第に狭くなり、気流速度が低下する。気流速度が低下するとフィンの伝熱性能が低下し、冷凍サイクルの効率低下を招く。この問題は、ルーバフィンに限らずコルゲートフィン等の他の種類の伝熱フィンにも少なからず存在する。
上記事情に鑑み、本発明は、着霜に起因した圧力損失の増大および伝熱性能の低下が緩やかなフィンチューブ熱交換器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
空気の流路を形成するために所定の間隔で平行に並べられた複数の伝熱フィンと、
前記複数の伝熱フィンを貫通し、空気と熱交換する媒体が内部を流通する複数の伝熱管とを備え、
前記複数の伝熱フィンが、気流方向の上流側に配置された複数の第1フィンと、前記複数の第1フィンを通過した空気が流入するように前記複数の第1フィンよりも下流側に配置された複数の第2フィンとを含み、
前記複数の伝熱管が、前記伝熱フィンの並び方向である高さ方向および前記気流方向の両方に直交する幅方向に並ぶように前記第1フィン側に設けられた複数の第1伝熱管と、前記幅方向に並ぶように前記第2フィン側に設けられた複数の第2伝熱管とを含み、
前記幅方向に平行で前記第1伝熱管の中心を通る平面と前記第1伝熱管の外周面とが交わる位置を前記第1伝熱管の側端位置、前記第1伝熱管の外径をφ、前記気流方向および前記高さ方向の両方に平行であって前記側端位置を通る仮想的な平面を基準面、前記基準面から前記幅方向への距離が0.3φ以内である前記第1フィンの表面領域を管近傍領域と定義したとき、
前記第1フィンには、前記気流方向に関する前記第1伝熱管の上流端よりも上流側における前記管近傍領域と、前記気流方向に関する前記第1伝熱管の下流端よりも下流側における前記管近傍領域との各々に、当該第1フィンの一部を切り起こすことによって翼状の副フィン部が形成されており、
前記副フィン部の基端の曲げ線が前記気流方向に平行、または前記気流方向に対する前記曲げ線の傾きが30度以下である、フィンチューブ熱交換器を提供する。
ルーバの前縁で霜が成長しやすいという事実から明らかなように、霜は、伝熱フィンの表面に均一に付着するのではなく、局所的に成長する。局所的な霜の成長を防止できれば、風路の閉塞を長時間にわたって回避できるとともに、伝熱性能の経時的な低下も緩やかになる。
本発明者らは、気流方向に沿って前後2列に伝熱フィンが設けられ、上流側の伝熱フィンと下流側の伝熱フィンとが、これら伝熱フィンの厚み方向に関して千鳥状に配列しているフィンチューブ熱交換器について、計算機シミュレーションを用いて着霜のメカニズムを詳細に調べた。その結果、下流側の伝熱フィンの前縁から着霜が始まり、その後、空気の流速が低下するのに伴って上流側の伝熱フィンの前縁での着霜が顕著となることが明らかとなった。
上流側の伝熱フィンにおける空気と冷媒との温度差は、下流側の伝熱フィンにおける空気と冷媒との温度差よりも大きい。そのため、上流側の伝熱フィンのデザインと下流側の伝熱フィンのデザインとが同一であれば、上流側の伝熱フィンによる熱交換量が、下流側の伝熱フィンによる熱交換量を上回る。したがって、着霜に起因した伝熱性能の経時的な低下を抑えるには、上流側の伝熱フィンの改良が最も効果的である。
本発明のフィンチューブ熱交換器によると、上流側の伝熱フィンである第1フィンの管近傍領域に副フィン部が設けられている。管近傍領域は、フィンを通過する空気の流速が最も速くなる領域である。そのため、この領域に副フィン部を設けることで伝熱性能を効果的に高めることができる。また、副フィン部で霜が成長しうるので、第1フィンの前縁で霜が局所的に成長するのを抑制できる。言い換えれば、着霜時において、第1フィンの面内で霜の厚みが均一化する。その結果、着霜に起因した圧力損失の増大および伝熱性能の低下が緩やかになり、デフロスト処理の回数を減らせる。また、副フィン部の基端の曲げ線が気流方向に平行、または気流方向に対する曲げ線の傾きが30度以下なので、従来のルーバに比べて、副フィン部への着霜に基づく圧力損失の増大は軽微である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかるフィンチューブ熱交換器1は、空気Aの流路を形成するために所定間隔で平行に並べられた複数の伝熱フィン3と、これらの伝熱フィン3を貫通する複数の伝熱管2とを備えている。フィンチューブ熱交換器1は、伝熱管2の内部を流れる媒体Bと、フィン3の表面に沿って流れる空気Aとを熱交換させるものである。伝熱管2の内部を流れる媒体Bの具体例は冷媒である。伝熱管2は、1本につながっていてもよいし、つながっていなくてもよい。
本明細書では、伝熱フィン3の並び方向を高さ方向、気流方向および高さ方向の両方に直交する方向を幅方向と定義する。図1等に示すように、気流方向、高さ方向および幅方向は、それぞれ、X方向、Y方向およびZ方向に対応している。
伝熱フィン3は長方形かつ平板の形状を有する。伝熱フィン3の長手方向は幅方向に一致している。本実施形態では伝熱フィン3は一定の間隔で並べられているが、それらの間隔は必ずしも一定である必要はなく、異なっていてもよい。伝熱フィン3には、例えば、打ち抜き加工された厚み0.08〜0.2mmのアルミニウム製の平板を好適に用いることができる。フィン効率を向上させる観点等からは、伝熱フィン3の厚みが0.1mm以上であることが好ましい。伝熱フィン3の表面にベーマイト処理または親水性塗料の塗布などの親水性処理が施されていてもよい。
図1および図2に示すように、伝熱フィン3は、気流方向の上流側に配置された複数の第1フィン31と、複数の第1フィン31を通過した空気Aが流入するように複数の第1フィン31よりも下流側に配置された複数の第2フィン32とを含む。気流方向に関して、第1フィン31の寸法と第2フィン32の寸法とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。ただし、量産効果を高めるには同一である方が好ましい。
図2〜4に示すように、第1フィン31の下流端31eと第2フィン32の前縁32f(上流端)との間には、気流方向(X方向)に関して例えば1〜3mmの広さGを有する隙間37が形成されている。この隙間37には、第1フィン31の下流端31eと第2フィン32の前縁32fとの間に霜が跨って形成されて風路が閉塞するのを防止する役割がある。つまり、隙間37により着霜時の圧力損失の増大を抑制できる。また、隙間37が存在していると、第1フィン31の下流側の端面の陰に第2フィン32の前縁部分が完全に隠れないので、第2フィン32での熱交換量も増大する。
図1および図2に示すように、伝熱管2は、幅方向に並ぶように第1フィン31側に設けられた複数の第1伝熱管21と、同じく幅方向に並ぶように第2フィン32側に設けられた複数の第2伝熱管22とを含む。第1伝熱管21および第2伝熱管22は、幅方向に関して千鳥状に配置されている。伝熱管2の外径は、例えば1〜20mmであり、4mm以下であってもよい。
第1伝熱管21は、第1フィン31に形成された貫通孔に挿入されている。貫通孔の周りにフィンカラー5aが第1フィン31の一部によって形成されており、このフィンカラー5aと第1伝熱管21とが密着している。同様に、第2フィン32の一部によって形成されたフィンカラー5bと第2伝熱管22とが密着している。
図3に示すように、本実施形態において、第2フィン32は、気流方向に沿って山と谷が交互に現れるように成形されたコルゲートフィンである。また、第1フィン31のフィンピッチFPと第2フィン32のフィンピッチFPとが等しく、かつ高さ方向(Y方向)に関して第1フィン31と第2フィン32とが千鳥状に配列している。このような配置によると、隣り合う2つの第1フィン31の間の風路に第2フィン32の前縁32fが面する。高い流速を維持した空気が第2フィン32の前縁32fに当たり、第2フィン32の前縁32fでの熱伝達率が向上し、第2フィン32での熱交換量が増大する。なお、「フィンピッチ」とは、フィンの厚みをゼロと仮定した場合のフィンの配列間隔のことである。
図5に示すように、本明細書では、幅方向に平行で第1伝熱管21の中心を通る平面と第1伝熱管21の外周面とが交わる位置を第1伝熱管21の側端位置P3,P4、第1伝熱管21の外径をφ、気流方向および高さ方向の両方に平行であって側端位置P3,P4を通る仮想的な平面を基準面VLと定義する。さらに、基準面VLから幅方向への距離が0.3φ以内である第1フィン31の表面上の領域を管近傍領域35と定義する。図5において、管近傍領域35が斜線で示されている。なお、フィンカラー5aが非常に薄いので、図5では、フィンカラー5aの外周面上に点P1〜P4を表示している。
図2および図5に示すように、第1フィン31には、当該第1フィン31の一部を切り起こすことによって翼状の副フィン部11,12が形成されている。さらに、幅方向に関して互いに隣り合う2つの第1伝熱管21の間に、幅方向に平行な前縁15f〜17fを有するスリット部15〜17が形成されている。副フィン部11,12およびスリット部15〜17を除く第1フィン31の他の部分は平坦であり、気流方向に平行な表面を有する。
副フィン部11,12は、それぞれ、気流方向に関する第1伝熱管21の上流端P1よりも上流側と、気流方向に関する第1伝熱管21の下流端P2よりも下流側とに形成されている。上流側に形成されているのが副フィン部11であり、下流側に形成されているのが副フィン部12である。本実施形態において、これらは同じ寸法、同じ形状を有するものである。また、1つの第1伝熱管21に対して、上流側に複数の副フィン部11が形成され、下流側に複数の副フィン部12が形成されている。なお、副フィン部11,12の個数、形状および寸法は、所望の伝熱性能が得られるように適宜調整してもよい。上流側の副フィン部11のデザインと下流側の副フィン部12のデザインとが異なっていてもよい。
副フィン部11,12が位置している領域は、図5に斜線で示す管近傍領域35である。本実施形態では、管近傍領域35の範囲内にのみ副フィン部11,12が形成されている。管近傍領域35は、他の領域に比べて空気Aの流速が速い領域である。副フィン部11,12の面積は比較的小さいが、空気Aの流速が速い管近傍領域35に副フィン部11,12が設けられているので、伝熱性能を向上させる効果は高い。第1伝熱管21から副フィン部11までの距離は、第1伝熱管21から第1フィン31の前縁31fまでの距離よりも短い。第1伝熱管21から副フィン部12までの距離は、第1伝熱管21から第2フィン32の前縁32fまでの距離よりも短い。伝熱距離が短いので、これら副フィン部11,12で霜が成長しやすい。副フィン部11,12で霜が成長することによって、第1フィン31の前縁31fや第2フィン32の前縁32fで局所的に霜が成長するのを抑制できる。
図6に示すように、本実施形態において、上流側の副フィン部11の基端(根元)の曲げ線11bは気流方向に平行である。より詳しくは、副フィン部11の伝熱面が、高さ方向および気流方向の両方に平行である。副フィン部11の姿勢をこのように設定すると、副フィン部11の一方の伝熱面と他方の伝熱面とに沿って略均等に空気Aが流れるので、各伝熱面において等しい厚さで霜が成長しうる。その結果、比較的小面積でありながら、第1フィン31の前縁31fの局所的な着霜を抑制する効果の高い副フィン部11を設けることができる。また、副フィン部11によると、着霜に伴う圧力損失の増大も軽微である。こうした効果は、下流側の副フィン部12によっても同様に得られる。
図3に示すように、高さ方向に関する副フィン部11の寸法H(高さH)は、第1フィン31のフィンピッチFP未満、正確には第1フィン31のフィンピッチFPから第1フィン31の厚みを減じた値未満である。好ましくは、副フィン部11の高さHが0.3FP<H<0.9FP(または0.5FP<H<0.9FP)の範囲にあることである。このような範囲に高さHを調整すれば、伝熱性能を向上させる効果や局所的な着霜を抑制する効果を十分に得ることができる。また、副フィン部11がフィンチューブ熱交換器1の組み立ての邪魔にならないし、プレス加工等により副フィン部11を容易に形成できる。ただし、副フィン部11の高さHが第1フィン31のフィンピッチFPに等しく、副フィン部11が第1フィン31の下面に接していてもよい。副フィン部11の高さHがフィンピッチFPに等しい場合、副フィン部11の先端が隣の第1フィン31の下面に接触する。すると、副フィン部11によってフィンピッチFPが一定に保持される。また、副フィン部11が支柱の役割を果たして、フィンチューブ熱交換器1の剛性が高まる。なお、気流方向に関する副フィン部11の寸法L(長さ)は、例えば1.0〜2.0mmである。これらの事項は、下流側の副フィン部12についても同様である。
図6に示すように、本実施形態では、副フィン部11の基端の曲げ線11bが基準面VLに含まれるように副フィン部11が形成されている。つまり、幅方向に関して、曲げ線11bの位置が第1伝熱管21の側端位置P4に一致している。このような位置に副フィン部11を設けることによって、伝熱性能を向上させる効果や局所的な着霜を抑制する効果がいっそう高まる。
本実施形態において、第1伝熱管21の上流端P1よりも上流側に設けられた副フィン部11と、第1伝熱管21の下流端P2よりも下流側に設けられた副フィン部12とは、気流方向に関して並進対称の関係を有している。より詳しくは、上流側に2つの副フィン部11が設けられ、下流側に2つの副フィン部12が設けられている。これらは、互いに並進対称の関係を有する。
下流側の副フィン部12に関して言えば、基準面VLが横切る位置に副フィン部12が形成されていると、第1伝熱管21の風下側に発生する気流のよどみ領域の影響を受けにくいので、流速を維持した空気Aが副フィン部12に当たる。したがって、下流側の副フィン部12にも積極的に霜を付着させることが可能となる。なお、このような効果は、曲げ線11bと基準面VLとの距離が1〜2mm程度であれば得られる。
図6に示すように、副フィン部11の左右の伝熱面は、方形の形状を有している。方形に代えて、副フィン部11の伝熱面が台形の形状を有していてもよい。台形の場合、高さH(図3参照)が気流方向に沿って漸増しているとよい。副フィン部11がこのような形状を有していると、副フィン部11への着霜量を稼ぐことができるので、第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を効果的に抑制できる。
次に、スリット部15〜17について詳しく説明する。図2に示すように、スリット部15〜17が形成されている位置は、副フィン部11,12よりも基準面VLから遠ざかった位置である。第1伝熱管21から比較的離れた領域にもこのようなスリット部15〜17を設けることによって、第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を抑制する効果がさらに高まる。結果として、着霜時において、第1フィン31の面内で霜の厚みが均一化する。
本実施形態では、スリット部15〜17の前縁15f〜17fに基づいて、第1フィン31の表面に微小な段差が形成されている。図4に示すように、第1フィン31の平坦な部分からのスリット部15〜17の突出高さは僅かである。詳細には、図7に示すように、第1フィン31の厚みをtとしたとき、スリット部15〜17は、それぞれ、0<h<3t(好ましくは0<h<1t)で規定される切り起こし高さhを有している。スリット部15〜17の切り起こし高さhをこのような範囲に設定することによって、スリット部15〜17によって圧力損失が増大するのを防止できる。スリット部15〜17の前縁15f〜17fは幅方向に平行であり、この前縁15f〜17fに霜を付着させることにより、第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、隣り合う2つの第1伝熱管21の間において、気流方向に沿って3つのスリット部15〜17が形成されている。このように、気流方向に沿って複数のスリット部15〜17を設けると、第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を抑制する効果がさらに高まる。
図2に示すように、幅方向に関するスリット部15〜17の寸法(横幅W)は、第1伝熱管21の外径φよりも大きい。本実施形態では、幅方向に関して互いに隣り合う2つの第1伝熱管21から等距離にスリット部15〜17が形成されている。スリット部15〜17の横幅を広くすることによって、第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を抑制する効果がさらに高まる。
(変形例)
伝熱性能を向上させる効果や第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を抑制する効果が十分に得られる限りにおいて、図1〜7を参照して説明した副フィン部11,12に代えて、他のデザインの副フィン部が第1フィン31に形成されていてもよい。例えば、図8に示す副フィン部13は、高さ方向に対して傾斜している伝熱面を有する。この副フィン部13によると、図6等を参照して説明した例に比べて、伝熱面の面積を広くできるため、伝熱性能の向上に有利である。
図9に示す副フィン部14によると、その基端の曲げ線14bが気流方向に対して傾いている。気流方向に対する曲げ線14bの傾き(角度α)が、例えば30度以下であれば、図6等を参照して説明した副フィン部11と概ね同じ効果が得られる。
気流方向に対して傾いて副フィン部14が形成されていると、図10に示すように、副フィン部14の整流作用により、第1伝熱管21の側面付近で気流の速度が増して、伝熱性能がよくなる可能性もある。図10に示す流れを形成するために、気流方向に関して、上流側の副フィン部14の全部が第1伝熱管21に重なっていてもよい。ある副フィン部14から平面CLまでの距離が下流側に進むほど大きくなるように、副フィン部14の傾斜方向を設定できる。平面CLは、第1伝熱管21の中心を通り、かつ気流方向に平行な平面である。なお、図10に示すように、同様の副フィン部141が第1伝熱管21の下流端よりも下流側に形成されていてもよい。ある副フィン部141から平面CLまでの距離は、下流側に進むほど小さくなっている。この副フィン部141によると、第1伝熱管21の後方に死水域が形成されるのを防止できる。
また、第1フィン31の一部を切り起こすことによって形成された副フィン部11,12に代えて、図11に示すように、第1伝熱管21の上流端P1よりも上流側と、下流端P2よりも下流側とのそれぞれに複数のディンプル18が形成されていてもよい。ディンプル18は、第1フィン31の表面から隆起した部分である。このようなディンプル18は、プレス加工のみで容易に形成できる利点がある。所望の伝熱性能を得ることができ、第1フィン31の前縁31fへの局所的な着霜を抑制でき、かつ圧力損失を十分に低くできるように、ディンプル18のデザイン(数や寸法等)を適宜調整するとよい。
また、図12に示すように、第1フィン31の下流部分を下流側から上流側に向って切り取る形で、第2フィン32の前縁32fと向かい合う位置に切り欠き31kを形成してもよい。このような切り欠き31kによると、第2フィン32の前縁32fに霜が付着したときの圧力損失の増大を効果的に抑制できる。
図1〜7を参照して説明した本実施形態のフィンチューブ熱交換器(実施例)を給湯装置(加熱能力:6kw)の蒸発器として用いて計算機シミュレーションを行った。具体的には、冬期2/1℃(乾球温度計による外気温/湿球温度計による外気温)の条件で40分間の定格運転を行なった後の着霜厚みを計算機シミュレーションで調べた。また、コルゲートフィンを前後2列に用いたフィンチューブ熱交換器(比較例)についても同様のシミュレーションを行なった。実施例および比較例の設計条件は下記の通りである。なお、本シミュレーションでは、熱交換器の入口と出口との間の圧力差が一定となるように、霜の付着に応じて風速(風量)を変化させた。このような非定常計算によると、純粋に着霜の分布のみを対比可能である。
(実施例と比較例とに共通の条件)
フィンの寸法:気流方向長さ18mm+18mm、厚み0.1mm
フィンピッチ:1.49mm
フィンカラーの外径:7.35mm
冷媒:CO2
(実施例)
副フィン部の寸法:気流方向長さ1.0mm、高さ0.5mm
スリット部の寸法:気流方向長さ2.0mm、幅12mm、高さ0.1mm
(比較例)
形状:コルゲートフィン
山と谷の高低差:1.0mm
結果を図13に示す。図13のグラフにおいて、横軸は第1フィンの前縁からの距離を表し、縦軸は霜の厚み(無次元量)を表している。詳細には、図13は、フィンの表面に付着した霜の厚みを気流方向に直交する幅方向に関して平均化した値を示している。
図13に示すように、比較例では、上流側の伝熱フィンの前縁に霜が厚く付着していた。これに対し、実施例では、上流側の伝熱フィン(第1フィン31)の前縁での着霜量が比較例よりも少なく、フィン全体に比較的均一な厚みで霜が付着していた。
また、本シミュレーションにおいて、実施例および比較例のフィンチューブ熱交換器を流れる冷媒の蒸発温度の経時変化も併せて調べた。結果を図14に示す。図14のグラフにおいて、横軸は運転時間、縦軸は冷媒の蒸発温度を表している。
図14に示すように、実施例と比較例との間には、平均で1.2℃の温度差があった。冷媒の蒸発温度が上がれば、圧縮機の圧縮仕事が減るので、冷凍サイクルのCOP(coefficient of performance)は向上する。さらに、実施例の蒸発温度は、比較例の蒸発温度よりも緩やかに、かつほぼ一定のレートで低下していた。つまり、実施例によると、冷凍サイクルの加熱能力の急低下および圧縮後における冷媒の温度の急上昇を抑制できる。
なお、入口の風速を1m/秒に固定した条件でシミュレーションを行ったところ、実施例のフィンチューブ熱交換器の熱交換性能は、比較例のフィンチューブ熱交換器の熱交換性能の97%であった。実施例のフィンチューブ熱交換器の圧力損失は、比較例のフィンチューブ熱交換器の圧力損失の87.6%であった。現実には、圧力損失が小さければ小さいほど風速が上がる。詳細には、熱交換器の通風抵抗が小さければ小さいほど、ファンのP−Q特性(圧力−風量特性)に応じて風量が増加する。風量の増加に伴って冷媒の蒸発温度が上昇するので、圧縮動力を節約できる。つまり、圧力損失を考慮に入れた性能で比較すると、実施例の熱交換器は、比較例のものと同等あるいはそれ以上の性能を達成しうる。
本発明のフィンチューブ熱交換器は、空気調和装置、給湯装置、暖房装置等に用いられるヒートポンプに有用である。特に、冷媒を蒸発させるための蒸発器に有用である。
本発明の一実施形態にかかるフィンチューブ熱交換器の斜視図 図1のフィンチューブ熱交換器に用いられた伝熱フィンの平面図 図2のIII−III線断面図 図2のIV−IV線断面図 第1フィンの部分拡大平面図 第1フィンの部分拡大斜視図 第1フィンに形成されたスリット部の拡大断面図 副フィン部の変形例を示す正面図 副フィン部の他の変形例を示す斜視図 図9に示す副フィン部の作用説明図 副フィン部に代えてディンプルが形成されたフィンを有する変形例の平面図 第1フィンの他の変形例を示す平面図 シミュレーションの結果を示すグラフ シミュレーションの結果を示す他のグラフ
1 フィンチューブ熱交換器
2 伝熱管
3 伝熱フィン
11,12 副フィン部
11b 曲げ線
15〜17 スリット部
15f〜17f スリット部の前縁
21 第1伝熱管
22 第2伝熱管
31 第1フィン
32 第2フィン
VL 基準面
A 空気

Claims (9)

  1. 空気の流路を形成するために所定の間隔で平行に並べられた複数の伝熱フィンと、
    前記複数の伝熱フィンを貫通し、空気と熱交換する媒体が内部を流通する複数の伝熱管とを備え、
    前記複数の伝熱フィンが、気流方向の上流側に配置された複数の第1フィンと、前記複数の第1フィンを通過した空気が流入するように前記複数の第1フィンよりも下流側に配置された複数の第2フィンとを含み、
    前記複数の伝熱管が、前記伝熱フィンの並び方向である高さ方向および前記気流方向の両方に直交する幅方向に並ぶように前記第1フィン側に設けられた複数の第1伝熱管と、前記幅方向に並ぶように前記第2フィン側に設けられた複数の第2伝熱管とを含み、
    前記幅方向に平行で前記第1伝熱管の中心を通る平面と前記第1伝熱管の外周面とが交わる位置を前記第1伝熱管の側端位置、前記第1伝熱管の外径をφ、前記気流方向および前記高さ方向の両方に平行であって前記側端位置を通る仮想的な平面を基準面、前記基準面から前記幅方向への距離が0.3φ以内である前記第1フィンの表面領域を管近傍領域と定義したとき、
    前記第1フィンには、前記気流方向に関する前記第1伝熱管の上流端よりも上流側における前記管近傍領域と、前記気流方向に関する前記第1伝熱管の下流端よりも下流側における前記管近傍領域との各々に、当該第1フィンの一部を切り起こすことによって翼状の副フィン部が形成されており、
    前記副フィン部の基端の曲げ線が前記気流方向に平行、または前記気流方向に対する前記曲げ線の傾きが30度以下である、フィンチューブ熱交換器。
  2. 前記第2フィンが、前記気流方向に沿って山と谷が交互に現れるように成形されたコルゲートフィンであり、
    前記第1フィンのフィンピッチと前記第2フィンのフィンピッチとが等しく、かつ前記高さ方向に関して前記第1フィンと前記第2フィンとが千鳥状に配列している、請求項1に記載のフィンチューブ熱交換器。
  3. 前記曲げ線が前記気流方向に平行であり、
    前記副フィン部の伝熱面が、前記高さ方向および前記気流方向の両方に平行であり、
    前記高さ方向に関する前記副フィン部の寸法が、前記第1フィンのフィンピッチ未満である、請求項1または2に記載のフィンチューブ熱交換器。
  4. 前記曲げ線が前記基準面に含まれる位置に、前記副フィン部が形成されている、請求項3に記載のフィンチューブ熱交換器。
  5. 前記副フィン部の伝熱面が方形または台形の形状を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィンチューブ熱交換器。
  6. 前記第1フィンには、前記幅方向に関して互いに隣り合う2つの前記第1伝熱管の間であって前記副フィン部よりも前記基準面から遠ざかった位置に、前記幅方向に平行な前縁を有するスリット部がさらに形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィンチューブ熱交換器。
  7. 前記第1フィンの厚みをtとしたとき、
    前記スリット部が、0<h<3tで規定される切り起こし高さhを有する、請求項6に記載のフィンチューブ熱交換器。
  8. 前記第1フィンには、隣り合う2つの前記第1伝熱管の間において、前記気流方向に沿って2以上の個数の前記スリット部が形成されている、請求項6または7に記載のフィンチューブ熱交換器。
  9. 前記幅方向に関する前記スリット部の寸法が、前記第1伝熱管の外径φよりも大きい、請求項6〜8のいずれか1項に記載のフィンチューブ熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012102053A1 (ja) * 2011-01-27 2012-08-02 パナソニック株式会社 フィンチューブ型熱交換器
JP2014016107A (ja) * 2012-07-09 2014-01-30 Mitsubishi Electric Corp フィンアンドチューブ型熱交換器及びこれを備えた空気調和機
JP2019158333A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 リーム マニュファクチァリング カンパニー 熱交換器フィン

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